FC2ブログ
ブログパーツ

『アントマン&ワスプ』

2018年09月05日
antman_and_the_wasp_ver2_convert_20180831133727.jpg

あらすじ・・・
30年前「量子世界」に迷い込んだまま生死不明だった母を探しに行きます。


(※ 以下ネタバレしています)



物語は、親友バッキー・バーンズを救うためソコヴィア協定に背いたキャプテン・アメリカが体制側についたアイアンマンたちと闘った際、独断でキャップ側についたアントマンことスコット・ラングが刑務所に入れられ、司法取引の末2年間の自宅謹慎を受け入れている場面から始まります。
とはいっても、そのほとんどの時間はすでに過ぎ、謹慎生活も残すところあと3日
監視GPSを着けられ自宅から出ることを許されなかったスコットは、愛する娘キャシーと自由に外で遊べる日を心待ちにしていたのでした。

一方、天才科学者ハンク・ピム博士はというと、自分が作ったアントマンスーツを数年前スコットに預けた際、彼が量子世界に入り込んだのち無事生還を果たしたことを受け、長年諦めていた「量子トンネル」の再開発に挑んでいました。
30年前、多くの人命を救うため自らを犠牲にし量子世界へ飛び込んだ妻・ジャネット。
原子よりさらに小さい量子の世界に迷い込んだら最後、戻ることは不可能とされ、永遠にそこを漂い続けるしかないと思われていたが、そうではなかった。
トンネルさえ完成すれば、量子世界へジャネットを探しにゆくことができる。
妻はきっとまだ生きている。
きっと自分たちが迎えにくると信じている。

それぞれが2年の時を経て、「自由の身」と「妻の奪還」まであと一歩と迫る中、灰色の影が彼らに忍び寄ります。
幽霊(ゴースト)のようにおぼろげなその姿の正体はエイヴァというひとりの女性。
彼女もまた、どうしても早急に果たさなければならない使命をかかえた悲劇の人物だったのでした・・・。


と、いうわけで、前作に引き続き今回も実にシンプルで熱くてユーモアたっぷりで伸縮自在なアクションもゆかいだった『アントマン&ワスプ』!
ほんとにシンプルですよ!
「みんなが量子トンネルをほしがる」っていう、ただそれだけのお話しですからね!
ややこしい人間関係や科学の話も一切なし! いや、あるんですけど気にしなくていい! 量子がどうとかなんとかテクノロジーがどうとか聞き流せばいい! 量子トンネルの実験室が入っているビルがあって、そのビルはピム粒子でスーツケース大に縮められるという点だけおさえていればだいじょうぶなんです!
あとは登場人物総動員でスーツケースの争奪戦が繰り広げられるんです!
やっさし~~い!!! わっかりやす~~い!!!

もちろん、スーツケースをめぐるドタバタだけではありません。
彼らの原動力となっているのは、親子の愛情。
実の母(妻)をなんとしてでも助けたいという想いと、血はつながっていないけれど娘のように保護してきた子を助けたいという想い。
あとは、生きたいという強い願いと、お金がほしいというストレートな欲望。
強い気持ちと強い愛が織りなす人間模様が、時にわたしの涙腺を緩め、時に闘争本能を刺激しました。
そう、刺激されたんです!
ホンマこのワスプ先輩がかっこよくてですね~!!!!
前回アントマンが披露してくれた画期的な縮小拡大アクションは、羽とブラスターが加えられたことによりさらに洗練され、っていうか、ワスプのスーツを着たホープさんは、スコットがアントマンになる以前からずっとスーツを着て闘うことを望んで鍛錬に励み続けていた人なわけですから、そもそもの話としてどちゃくそ強いんですよね! 気合も気概もケタが違うよってに! そこに機能がプラスされるんですから、そりゃもうスーパークールですわ!! 
なんというでしょうかね、スマートなんですよね、闘い方が。
スコットにはスコットの魅力(羽アリに乗っかったりひょうきんになったり)があると思いますが、ワスプ先輩の流れるような攻撃&防御、見事でした! カーチェイスもさいこう!!

シンプルなストーリーを彩るヴィランもまたよくてですね。
アントマン&ワスプの前に立ちはだかるゴーストことエイヴァは、スケールのでかい野望を抱えているわけではないただの若い女性。
ただ、彼女が抱える悲劇的な人生はそれはとても壮絶でした。
シールドの研究員だった彼女の父親は、ピム博士の元から量子トンネルの設計図を盗み出し、ひとりで完成させようと自宅でこつこつ製作に励んでいたのですが、博士ほど優秀でなかったせいでトンネルは大暴発。
その際、父親のそばにいようと駆け寄ったエイヴァは量子波のようなものを大量に浴びてしまい、以来ずっと彼女の細胞は量子レベルで不安定なまま、ついたり離れたりを繰り返すようになってしまったのです。
父親の古巣であるシールドが救いの手を差し伸べるものの、父親の同僚だった研究員フォスターにできたのは、特殊なスーツで量子フェージングを抑制することだけ。
そして、治る見込みのない彼女の能力に目をつけたシールドは、あろうことか彼女を工作員として養成するのです。
いつか見つかるかもしれない治療方法のため、殺人を含めたありとあらゆる汚れ仕事に手を染めるエイヴァ。
ひとときも止むことなく体中を襲う激痛と、いつ来るかわからないリミット、つまり彼女の身体が量子フェージングに耐えられなくなる日。
そんな状態で10数年も生きてきたエイヴァを観ていると、わたしの脳裏には否が応でも、同じく自分の意思とは関係なく人体改造され、挙句組織にいいように利用された悲劇の暗殺者の姿が浮かんでですね・・・ そう・・・もうおわかりでしょう・・・ ・・ウィンター・ソルジャーことバッキーちゃんのことですよ!!!
あと2~3週間しか身体がもたないだろうとフォスターに宣告されたエイヴァは、量子トンネルの入ったスーツケースをピム博士から奪うため、スコットの娘キャシーをエサに使おうと提案します。
さすがにそれは人としてダメ、と却下されますが、物心ついたころからシールドの工作員としてこき使われていたのに、人としてダメもへったくれもないですよね。 
それがダメならお前らがやってることこそ全部アウトやろ、と。 
そういう道理の通し方を彼女に叩き込んできたのどこの誰やねん。
ほんまシールドはクソですわ~~!!! 
すでにヒドラに乗っ取られていた時期なんでしょうけど、いちおうアイパッチ野郎の現役期間でもあったので、あいつ込みでクソですわ~~!!!

そんなもんね、エイヴァを憎む気なんて1ミリも起きませんって。
アントマンとワスプに阻まれ、トンネル強奪にも身体の治療にも失敗し、絶望に襲われていたエイヴァ。
30年ぶりに家族との再会を果たしたホープの母ジャネット(ミシェル・ファイファー)は、自分の命を奪おうとしていたエイヴァの頬にそっと触れます。
「ずっと苦しかったのね」のひとことで、堰が切れたように感情を溢れさせるエイヴァと、その痛みを癒すように包み込むジャネットの姿が本当にあたたかかった。
わたしが本作に惹かれるのは、こういうやさしさがあるからなのだと思います。
スコットの娘を見つめる眼差し。
父を守ろうとするキャシー。
予告にあったキャシーがスコットに「パートナーが必要ね」というシーン、てっきりおとうさんの恋人としてホープさんを推す意味だと思っていたのに、まさか自分がおとうさんの支えになるつもりで言っていたなんて~!! 泣くから~! そんなん娘に言われたらオレ泣くから~!!! 
沢山人の道に反したことをしてきたエイヴァを、それらの罪ごと護ろうとするフォスター。
何十年経とうとぜったいに家族の生存を諦めないホープ。
なんだかんだいいながら、スコットと仲間のおしゃべりにつきあってくれるピム博士。
武器商人のソニーだって、秘密を吐かせるのに拷問ではなくおくすりで対応しようとする安心設計。
悪人も出てくるけれど、どこか憎みきれないところがある(ように描かれている)のがほんとすきです。

そして、他のマーベル作品にも共通していますが、本作からも強く感じる「人はやり直せる」というメッセージ。
たとえ間違いを犯していたとしても、その後のありようや他者との関わり方で人は変われるし、その変化は受け入れられていいのではないか。
絶対に裁くなとかそういう極端なことではないと思うんですよね。 
どうしてもゆるせないと感じる人がいるのも当然のことでしょう。
ただ、人にはいろいろな要因から選択を誤ることが少なからずあって、そういう時、過ちを認め深く悔いた姿にもう一度チャンスを与えようとする人がいてもいいと思うのですよ。

人を赦すのには勇気が必要です。 
自分の中にある怒りを納得させるのは難しいことだし、もしかしたら再び裏切られるかもしれないという疑念も尽きない。
白黒つかない感情の中、勇気の先にあるのは失望ではなく希望だと信じるしかないという困難さ。
ただ、難しいからこそ、やってみる価値もあるのではないか。
ジェームズ・ガン監督の一件があった今だからこそ、本作で勇気ある一歩を踏み出す人たちの姿が胸にしみましたね・・・。
聞いていますか・・ ディズニーのえらいひと・・・ いま全身全霊できさまに嫌味を言っています・・・ 清廉潔白みたいなツラしやがって・・・ いままでなに描いてきたんですかこのやろう・・・


ということで、『アントマン&ワスプ』、わたしは大満足でしたし、MCUの全作品の中でもかなりお気に入りの一本になったと思います。
気に入った割には、もう一度観返したい気持ちになっていないのですが、いや、観たいんだけど観たくない複雑な気持ちなのですが、来年以降また改めて観ようと思います。

え? なんで気に入ったくせに観たくないのかって?

では最後にその理由を書き記して、今回の感想を終わりにしようと思います。
そもそも本作はシビル・ウォーの2年後を描いた物語だった。
厳密にいうと、シビル・ウォー後自宅謹慎を命じられたスコットが、あと3日でおつとめを終えるトコロから始まっていた。
要するに、がっつり『インフィニティ・ウォー』どまんなかのお話だったんですよ!!!! 誰だよ!「インフィニティ・ウォーの殺伐とした雰囲気とは正反対のほのぼのアクション」とかなんとか言ってたの!!「インフィニティウォーとは違って陽気な映画」とか「インフィニティウォーのつらさを忘れられる一服の清涼剤」とか言ってたの! 全力で傷口に塩塗りにきてるじゃん!!!

ほんとにね・・・自分が『インフィニティ・ウォー』で負わされた傷は、まだこんなに癒えていなかったのか、と実感させられましたよね。
なんつったって、冒頭マーベルのロゴが出た時点ですでに泣いていましたからね。
あのロゴを観た瞬間、文字に重なるみんなの姿・・・ああ・・・マーベル・・・10・・・・ って認識した瞬間、嗚咽が漏れてましたから。
我ながら情緒がひどいです。
そこから気持ちを切り替え、「これはアントマン・・・ インフィニティ・ウォーのアレとは別のお話・・・ キャシーかわいい・・・スコット尊い・・・」と作品に没入して、やさしい世界に癒されたところであのエンドロールおまけですよ?!
しかも、みんながファサっと消える瞬間は映さず、漂う塵だけをみせるという、「おわかり、いただけただろうか・・」感! 
ついさっき、家族が30年ぶりの再会を果たしたばっかやっちゅうねん! どんなアメとムチやねん!!
もうね、ここまでのやさしい内容が一気に吹き飛びましたよ、わたしはね・・。
流れゆくスタッフの名前を観ながら泣いていました。
最後の電子ドラムをたたくアリ君ぐらいじゃあ持ち直せないですよ・・ やってくれよった・・・ ペイトン・リード監督はかわいいかおした悪魔やで・・・

まあね! わかってますよ! インフィニティ・ウォーとのつながりが必要なことはね!
それに、ジャネットが言っていた「時間の渦に入ったら二度と戻れなくなる」は、ダチョウ倶楽部でいうところの「絶対押すなよ!」なんでしょ! オレ知ってる! 
「戻れなくなる」は量子世界の時も言われてたことですし、きっと次回『アベンジャーズ4』は量子世界のスコットが重要な役割を果たしてくれるのでしょう。
てっきりタイム・ストーンをクルクルっつってやるんだと思っていたのですが、アントマンがみなを救うだなんてさいこうじゃないですか。
ただ、量子世界にいたスコットは、現段階では地球上で愛する人たちが消えてしまっていることを知らないわけで、ここからどうやって現状を把握し、時間の渦に向かうのか非常に気になりますね。
っていうか、もしキャシーちゃんまで消えていたら、スコットどうなっちゃうんだろう・・・
娘を想う気持ちだけで、不可能と言われた量子世界からの帰還を果たしたスコットですからね・・・ サノスぶっとばしちゃうんじゃないかな・・・ ワスプ先輩が言ってたよ・・・ サノスの耳の穴から入って脳みそぶちまけてやりゃいいんだって・・・わしもその案いいと思う・・・やったってくれ・・・ たのんます・・・


ということで、また来年『アベンジャーズ4』でお会いしましょう!!! (その前に『キャプテン・マーベル』があったんだった・・・)



関連感想
『アントマン』(シリーズ前作)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(アベンジャーズ前作)
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(ソコヴィア協定のくだり)





     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

« Prev | HOME | Next »

※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。