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『ジグソウ:ソウ・レガシー』(シリーズ8作目)

2017年11月20日
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※ 以下、全編ネタバレしています。もちろんしますとも。隠す必要もないでしょう、ええ、そうでしょう。



【一行あらすじ】
死後10年経った今、ジョンの五股が発覚しました。

【主なゲーム】
舞台・・・・コンクリート打ちっぱなしのアーバンスタイルなモダンルーム
被験者・・・バイク屋さんのミッチと主婦のアナとジャンキーのカーリーと詐欺師のライアンと身元不明な男性
ルール・・・バケツを頭にかぶせられた状態で、壁に仕込まれた丸ノコに向かって首につながれた鎖を引っ張られます。 助かりたいなら、量の多寡は問わないのでとにかく血を流しましょう

舞台・・・・納屋
被験者・・・ミッチとアナとカーリーとライアン
ルール・・・首につながれた鎖で全員天井へ吊り上げられます。 体内に毒を仕込まれたカーリーが、3つの注射器の中から解毒剤の入った正しいものを選択出来れば全員助かります

舞台・・・・納屋
被験者・・・ミッチとアナとライアン
ルール・・・肥料貯蔵庫に閉じ込められたミッチとアナが肥料で生き埋めになる前に、床下のレバーを引いてドアを解除しましょう。ただしレバーを引くとライアンの足に掛けられたワイヤーがめちゃくちゃ絞められ、もれなく足がカットされます

舞台・・・・納屋
被験者・・・ミッチ
ルール・・・巨大な逆円錐型の入れ物にらせん状に取りつけられたカッターがあります。 逆円錐の入れ物は、昔ミッチが嘘をついて売りさばいたバイクと同じエンジンで回転する仕組みです。 天井から逆円錐の中に吊り降ろされてゆきますので、カッターに気をつけながら底に置いてあるブレーキシステムを作動させましょう。 さもなくば死にます

舞台・・・・納屋
被験者・・・アナとライアン
ルール・・・それぞれ足を鎖で繋がれた状態で放置されています。 ふたりの真ん中に置かれた一丁のショットガンと一発の弾がふたりの命を救います。 自己中心的に生きてきた過去を振り返り、今までとは逆の選択をしてみましょう。 さもなくば死にます

舞台・・・・納屋
被験者・・・刑事のハロランと検視官のローガン
ルール・・・それぞれ、手術用のレーザーカッターが放射状に取り付けられた首輪を装着されていますので、なるべく早めに自分の罪を告白しましょう。 運が悪ければレーザーカッターが起動し、頭をくし切りにされます


【主な登場人物と注記事項】
■ ローガンさん・・・イラク帰りの元衛生兵で現在は検視官/2年前妻を殺される/シングルファーザー
■ ハロラン刑事・・・証拠捏造、ワイロ受け取り、犯罪見逃し、なんでもござれの悪徳刑事
■ エレノアさん・・・ローガンさんのアシスタント/ジグソウの大ファン/ジグソウグッズのコレクター
■ キース刑事・・・ローガンさんの友だち/実は内務調査官
■ アナさん・・・寝ぼけた夫に子どもを窒息死させられた不幸な主婦/ジョンのお隣さん
■ ライアンさん・・・若い頃からありとあらゆる犯罪行為に手を染め生きてきたザ・人間のクズ
■ ミッチさん・・・GOバイク王
■ エドガーさん・・・ジャンキー/ハロラン刑事子飼いのタレコミ屋
■ ジョン・クレーマー・・・ジグソウ流宗家/元祖・説教大好きおじさん/死んでからが本番/五股発覚 ← new!

【お亡くなりになったみなさん】
① 頭を丸ノコで斜めにカットされた男性
② 首に酸を注射され、ほどよく溶けたジャンキーの女性
③ バイクの動力でくるくる回る謎装置でスライスされた男性
④ 首に酸を注射され、ほどよく溶けたジャンキーのカーリーさん
⑤ バイクの動力でくるくる回る謎装置でスライスされたミッチさん
⑥ 割と普通に撃ち殺されてジョンのお墓に入れられたエドガーさん
⑦ 自分だけ助かろうとライアンを撃ったら銃が暴発しちゃったアナさん
⑧ 足まで切ったのに結局餓死しちゃったライアンさん
⑨ くし切りになったハロラン刑事

【生き残ったみなさん】
① エレノアさん
② キース刑事
③ ローガンさん

【「わたしは死者の代弁者だ」って言う人】
ローガン

【補足】
・ 観てきましたよ! みんなだいすき『ソウ』シリーズの実に7年ぶりの新作、『ジグソウ:ソウ・レガシー』を! もう二度と作られることはないだろうと油断していた先の新作公開だったので、ツタヤレンタルで済ますわけにはいくまいと気合を入れて初日に馳せ参じました!

・ 参じたのですが、なぜだったんでしょうね、途中猛烈な睡魔に襲われましてね! うそだろ?!と思うじゃないですか、あんなに愛した『ソウ』の新作ですよ? どこに眠くなる要素があるというんですか! 自分でも「たしかに眠くはなったけど、落ちてはいない」、そう思っていました! ただ、観終わった時わたしの中には「なにこれ・・つまんない・・・」という感情だけが残っていまして。

・ ありえない!と思いました! おもしろさを感じられないだなんてなにかの間違いに決まっている! そうだ、自覚はなかったけどやっぱり寝落ちてしまってたんだ! バカなあたい・・・勝手に居眠りこいて勝手に「つまんない」って決めつけるだなんてサイテー・・・ 説教おじさんに叱られちゃうナ・・・ テヘヘ・・・

・ ということで、まさかのおかわりをキメてきました! 自分でも『ジグソウ』を映画館で二回観ることになろうとは夢にも思っていなかったのですが、見落とした部分はキッチリ拾ってこないとね! そして堂々と、心の底から叫ぼうじゃないですか! 「なにこれつまんない!」と!

・ そうです、観直した結果、変わらずつまんなかったです!オレ、寝落ちてなかった!全部記憶通りだった!記憶のままにつまんなかった!  はいみなさんこれが世にいう「無駄足」ですよー!踏まないで―!この轍は踏まないで―!!

・ ゲームはシンプルながら手の込んだものが用意されており、残酷描写も少なくなく、時間軸を利用したミスリードもあり、ジグソウおじさんの見せ場もあり、「おまえはこれのどこがつまんなかったんだ?」と不思議に思われる方もおられるかもしれません。 気分を害される方もおられるやもしれません。 あくまでわたしにはおもしろさが感じられなかったのだ、という話ですので、気になさらないでください。

・ そう、映画としてはちゃんとしていたのかもしれません。 新たなジグソウのはじまりだ!と歓迎する方が多いのも頷けます。 しかし、わたしは本作に対し、『ソウ』シリーズ終焉から7年後にわざわざジグソウを復活させた意味が感じられなかったのですよね。

・ 過去のシリーズを観ている方なら、ジョンが死んでいることは重々ご承知なわけじゃないですか。 その上での新作とはどういうものなのか。 ジョンが生きていた頃の話なのか、ジョンは関係なくジグソウの思想だけを活かしたゲームなのか、反則技でジョンの双子のきょうだいを出しちゃうのか、どういう内容なのか。 興味わきますよね。 で、出来上がったものを観てみたら、「衝撃!ジョンにはホフマンより前に一番弟子がいた!」なわけですよ。 ふざけてんのか。 もっかい言うぞ、おい、ふざけてんのか。

・ それやったらキリがないって、過去のシリーズで懲りたんじゃないんですか?! シリーズ二作目で、「実はアマンダはジョンの弟子だった!」ってやって、シリーズ四作目で、「実はホフマンもジョンの弟子だった!」ってやって、シリーズ六作目で、「実は嫁のジルもジョンの意志を継がされていた!」って実質弟子宣言しちゃって、収拾つかなくなってきたもんだから最後の切り札ゴードン先生をファイナルに出して終わらせたんじゃないんですか?! 過去のシリーズでなにを学んだんですか・・・まったく成長してないじゃないですか・・・オレ・・カナシイ・・・

・ ファイナルの時、ゴードン先生のそばに豚マスク被った人がもうふたりいましたけど、あれはゴードン先生に師事したゴードン軍団だと思いましたよ。まさかジョンの弟子とは思いませんでしたよ。 もちろん、今回のローガンがあの時の豚マスクと関係あるかどうかはわかりませんけどね。 ちょっとホントどうなのこれ・・・一生「新弟子発掘企画」やるつもりなの・・・?

・ やっているゲーム、映画館で観られた新鮮なグロ、たこさんウィンナーみたいな頭部ご開帳、元気そうなジョンの顔、素直に楽しめればよかったですけど、「新弟子」設定使われたらさすがにゲンナリしますよね。わたしはね。 それだったら弟子じゃなく、単にジョンの思想に感化されて勝手にジグソウを襲名した人ってことにする方が潔いと思います。 まぁ、ジョン(トビン・ベルさん)を出さない『ソウ』シリーズなんて、フレディ(ロバート・イングランドさん)を出さない『エルム街』みたいなものですし、かといってリブートするのも無理な作品ですけどね。(一作目のオチがあってこその人気シリーズだったわけですので)

・ 言ってない!ロバート・イングランドさんも出さずにリブートかましちゃった2010年版『エルム街の悪夢』のことなんて言ってない! 偶然です!例えが重なりましたが、これはただの偶然です!

・ で、ですね。 一晩じっくり眠って考えたのですが、よく振り返ってみたら今回の新弟子・ローガン、すっげえうさんくさくないですか?

・ 今回、「ジョンの本当の一番弟子」だと名乗りを上げたローガンですが、その根拠となっているのって、全部ローガンの回想でしかないんですよ。 

・ 10年前まだ研修医だった頃、レントゲン写真へ貼るお名前シールを間違ったせいで、ジョンの脳腫瘍の発覚を遅らせる原因を作ってしまったローガン。 頭に来たジョンは、赤ちゃんを虐待死させた上にその罪を夫になすりつけた隣人のアナや、ジョンの甥っ子を事故に遭わせたミッチたちと一緒にローガンをさらい、初めて実践したゲームに参加させました。 そこまではきっと真実。

・ で、他の参加者たちがゲームをクリアして移動してゆく中、あわや丸ノコのえじき・・・という瞬間ジョンはローガンを助けに飛び込んできました。 「悪意のないミス(レントゲンのうっかりミス)で死ぬことはない」っていうのがジョンの言葉らしいんですけど、たぶん違いますよね。 睡眠剤を適量投与するはずが見誤っちゃって、ゲームが開始してるのにローガン昏睡中だったんですよ。 完全にジョンのミスですからね、これ。 最初のゲームだから、タイミングあわせて薬盛るの難しかったんだよね? 悪意のないミスって、おのれ自身のことなんだよね? おばちゃん怒らないから正直に言ってごらん?ね、ジョン?

・ ゲームをクリアしたんじゃなく、主催者(ジョン)のミスで参加を取り消されたのがローガンだと思うのですよ。 だから、ローガンはそのままリリースされたのではないでしょうか。 で、3年後にジョンが死に、ジグソウキラーの後継者(アマンダやホフマン)のことがマスコミで取り上げられて、ローガンは自分も同じ立場だったのに・・って思ったのではないでしょうか。 

・ 「自分はジョンに生かされた、特別な存在だったんだ」という想いは、ローガンの中で「自分こそがジョンの本当の後継者なんだ」という想いに変わり、何度も何度も「ジョンとの短いやりとり」や「ジョンがホフマンらと重ねた犯行」を反芻してゆくうち、想像はいつしか現実になった。 「自分もその場にいた」、という記憶に。

・ ジョンの死後、ジルの納屋を探し当て、その中で10年前の自分以外の参加者の末期を見たローガンは、ジョンの意志を継ぐ決意を固めたのではないか。 納屋にライアンとアナ以外(ミッチやカーリーたち)の死体はなかったじゃないですか。 あれはローガンが捨てたんですよね。 自分がやろうとしていることに脳内で辻褄を合わせるために。 

・ あのね、対外的にはあってもなくても同じなんですよ。 そもそもあのゲーム自体、当時公になっていなかったんですから。  なくなった死体と2017年の現場で見つかった死体の状況が同じというのは、映画の中の刑事さんにとっては意味ないんです。 やだの「むごい状態の死体」なんです。 もしくは、「『ジグソウ:ソウ・レガシー』を観に来たお客さんへのミスリード」でしかない。 でも、それではあまりに身も蓋も無さ過ぎる。 脚本家さんも「やめたげて・・・ それはそうなんだけどやめたげて・・・」って言いますよね。 製作側の事情ということは一旦置いておいて、せめてその設定に意味を与えるとするならば、「我こそはジグソウの真の後継者!・・という妄想に取り憑かれたローガンゆえのこだわり」、と思うしかないじゃないですか。

・ そう考え始めたら、いろいろしっくりくるのですよ。 たとえば師弟関係を結んだふたりがいっしょに大道具工作やっている時、ジョンがローガンに「怒りや復讐心だけでは生きられないと、君が教えてくれた」って言うシーンがあったのですが、過去シリーズ観てきたわしらにとってはマジわけがわからないですもんね。 「むしろおまえのゲームに私怨以外の理由があったことがあったのか?!」って話じゃないですか。 

・ 百歩譲ってホントに言ったとしても、ジョンはローガンのどういうところを見て「復讐心以外の生きる意味」を学んだというのか。 戦争で捕虜になって拷問受けて帰還して、PTSD発症して苦しんでいる姿だとでも?  おい!それじゃあただのドSじゃねえか!(まぁ、じっさいただのドSなんですけどね)

・ ローガンはホフマンやアマンダやゴードン先生に知らされていなかったジョンの一番弟子ではなかった。 すべてはローガンの脳内で作り上げられた「願望」だった。 熱情をこじらせて、思い出のゲームを再現して、「我こそが後継者なり!」ってやらずにはいられなかったローガン。 きっかけはきっと、二年前の事件だったのでしょうね。 

・ 悪徳刑事・ハロランが見逃したせいで野放しになった犯罪者・エドガー。 色々な歯車が狂って、起こらなくていいはずだった殺人事件が起き、愛する妻が犠牲となった。 そこからの二年間は、娘の成長にもトラップの準備にも必要な時間だったのではないでしょうか。 恨みや憎しみがローガンの妄想に拍車をかけ、自称・後継者の誕生につながったのだとわたしは思います。

・ 過去のゲームに関わっても立ち会ってもいなかったんだから、最後の「ゲームオーバー」を知るわけないんですよ! アレがないとジグソウじゃないのに! アマンダもホフマンもジルもゴードン先生もみんな言ってたのに、っていうかむしろそれ言うために頑張ってるフシすらあるというのに! 「わたしは死者の代弁者だ!(扉バーン!)」だって! 気の毒だねー! ロ ー ガ ン ほ ん と に お 気 の 毒 だ ね ー !

・ この考えに至った時点でめちゃくちゃしっくりきたので、もうわたしとしては今回の『ジグソウ:ソウ・レガシー』は「ローガンの夢物語」ってことでいいです! っていうか、そういう設定なんだったらおもしろく観られそうです! 狂気が沙汰沙汰していていいですね!

・ ゲームの設定が雑すぎて、なにもかも偶然の産物でしか成り立たない性質のものだったのも、ローガンの夢物語だったんだからしょうがないです。 わざわざワイヤーが仕込んである床を踏み抜くとか、誰が踏み抜くか予想しておいてカセットテープを「ライアン宛」で録音しとくとか、脅しの範疇を超える量の刃物を降らせたりとか、広い部屋のどこを歩くか予想してロープ仕込んでたとか、まったくローガンは想像力がザックリしてるなぁ!!

・ と、いうことで、鑑賞直後はつまんなすぎて心が無の状態でしたが、今となっては自分なりに『ジグソウ:ソウ・レガシー』を受け入れはじめているわたしです。 受け入れているだけで、もうこれ以上はマジ勘弁という気持ちには変わりないので、続編がお目見えしないことをほんのり願っています。 トビン・ベルさん、どうもおつかれさまでした!

・ ただし、ゴードン先生がローガンにお仕置きする話なら観るよ!! 初日に観るよ!!




関連感想・・・『シリーズまとめ』(1~7作目)




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