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『インシディアス 第2章』

2014年01月10日
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あらすじ・・・
夢のマイホームを手に入れたものの、ポルターガイストや長男・ダルトンくんの事故やなんやかんやで、不幸のどん底状態だったジョシュとルネ夫妻。
その後、一連の災いの原因がジョシュからダルトンくんにまんまと遺伝してしまっていた「幽体離脱」体質にあったことが判明し、その昔ジョシュ少年を霊障から救ってくれた霊能力者・エリーゼさんの協力も得られたことから、事態は好転。
封印されていた「幽体離脱」体質を解放し、「彼方(あの世)」から息子の魂を救ったジョシュに、奥さんも子どもも大喜び・・・ が、実はジョシュは体一つで帰還したわけではなく、招かざる客まで連れ帰っていたのだった・・・。
ジョシュが背負って帰ったモノの正体とは?
おんぶおばけの狙いとは一体?



前作『インシディアス』の感想


・ 超おもしろかったです! 前作のラストシーン直後から引き続いて始まることで、開始早々観客をぐいぐい引き込むストーリー! 実は前作の中にも周到に張り巡らせられていた伏線が、2作分まとめて一気に手繰り寄せられる快感! オカルト一直線かと思いきや、タイムトラベル的なおもしろさまで感じさせてしまう波乱の展開! はっきり言って、1作目よりもすきです!わたしは!

・ クラシックタイプの優美なおばけ! ススーンと茶の間を通りすがるだけではなく、たまたまそこに居た生身の人間に八つ当たり的なビンタを喰らわせる美魔女系幽霊! もはや浄霊でもなんでもない、いい霊とわるい霊とのどつきあい! さまざまな幽霊模様に胸が震えます!

・ 嫁にあらぬ(でもないんだけど)疑いをかけられる夫!ジャック・ニコルソンばりに豹変する夫!もろもろあってめっきり老け込む夫! さまざまな夫百様を、前作で一緒にお仕事をして以来すっかりジェームズ・ワン監督のお気に入りになってしまった、『ハードキャンディ』でエレン・ペイジ師匠にハードなお仕置きをされた人ことパトリック・ウィルソンさんが熱演! 

・ 前作ではひたすらか弱い存在だったダルトンくんが、あーんなことやこーんなことを乗り越えた結果、精神的に大きく成長していたその姿にも、なんだかグっときてしまいました! まあねー親がアレだもんねーあてになんかなんないよねー! 

・ 一方、前作でひたすらワーキャー言うばかりでちっとも頼りにならなかった母・ルネさんは、今回もなかなか本気モードにならず、観ていてやたらとやきもきさせられました。 女のど根性見せんかい!

・ ただね、ずっと見せないわけでもなく、これがなかなかどうして燃える大活躍が用意されておりますので、ホントもうワンとワネルはできる子だよね! わかってたけどさ!

・ 要所要所に「え?今のどういうこと?」というシーンや、「ん?なんか間違ってるんじゃない?」というシーンを織り交ぜミスリードを誘うやり方も、非常にスマートでした(というかわたしはうっかり惑わされました)し、前作に登場した「どう見てもおっさんな老婆」の正体が説明された時は思わず膝をうちましたよね! 

・ (事情があるとはいえ)子どもの前で壮絶な夫婦喧嘩を繰り広げる夫婦。 前夫への恨みによってねじれてしまった心を子どもにぶつける母。 親としてのあり方だったり、子どもの幸せだったりについてもちょっぴし考えさせてしまう、社会派な側面まで盛り込むとは・・・恐るべしワン&ワネル! 

・ ワネルさんといえば、役者としても本編に登場! 彼が演じる霊障対策屋・スペックと相棒・タッカーのいちゃいちゃぶりも、成分表的な観点で見ると非常に栄養素の高いごちそうでしたよ! 

・ オレには見える・・・タッカーが作った朝食のスクランブルエッグを「おい・・焼きすぎだろ」といいながらうまそうにパクつくスペックたんの姿が・・・! ちくしょう! そこらへんの成分もっとくれ! どうせ夜は「オレはいいよ~こわいから」とかなんとか言いながら一緒のソファーでホラー映画観ちゃうんだろ! わかってんだぞ!

・ この話、もう30行ぐらい続けますか?

・ びっくらかしの表現も、スカシと大当たりがいい塩梅で散りばめられ、後半には、前作の白塗りヴァーさんのインパクトを軽々と越えてしまう超絶おっかない幽霊も登場! みなさんの心臓も存分に凍りつくのではないでしょうか! わたしは超こわかったです!

・ ネタバレしないようにするつもりだったのですが、ひとことだけ書いておくと『ツイン・ピークス』のあの人にそっくりなキャラクターが鍵を握っています。 彼女の登場シーンはさいこうにおそろしうつくしいので要チェックですぞ!
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(※ マジでクリソツだから!)(※中の人は違います)

・ 前作を観ていなくても充分楽しめますが、観ている(詳しく思い出せる)方はより一層たのしく鑑賞することができると思いますので、もしも可能なようでしたら、是非前作をおさらいしてからご覧いただければと! 強要でも必須でもないですよ! あくまでアドバイスですよ!




- 追 記 - (※ネタバレあり)

・ イスでドーン!!

・ そりゃおっさんみたいなヴァーさんな筈だわ! おっさんなんだもん!

・ まとめると、前作が「勝手に賃貸物件にされて困った」はなしで、今回は「賃貸契約を破棄したのに不法占拠されて困った」おはなしになりますね! まずは法テラスに相談だ!

・ 前作のラストでお亡くなりになったエリーゼさんが、霊体にてまさかの現場復帰! 肉体なんてどっちゃでもいい! もともとあの世とこの世を行き来してたようなもんだし!

・ 「第2章」と銘打たれているにもかかわらず、一家の揉め事がきれいにおさまったのでどうなることかと思いましたが、エリーゼさんとスペック&タッカーコンビにうまいこと主導権が移りましたので、これで安心して第3章、第4章と続けて行けますね! いつまでも同じ一家にこだわらない・・・ 『パラアク』のみんなー!聞いてるかー!そういう方法もあるらしいよー!

・ ということで、次がいつになるかわかりませんが、万が一続編が作られるようでしたら、その際は劇場に馳せ参じたいと思います。 あー!たのしかった!





  
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『グレイヴ・エンカウンターズ2』

2013年11月01日
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(※ 『グレンヴ・エンカウンターズ2』)


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(※ 『ザ・クアランティン』)(←『REC』リメイク)


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(※ 『REC』)


【結論】 優勝 『REC』  (なんのだよ)


あらすじ・・・
① 自称・映画マニアの大学生アレックスくんは『グレンヴ・エンカウンターズ』を手厳しく批評していた。 なぜなら彼には独自のホラー哲学があるからだ。 今まさにそれに則り、過去誰も観たことのないような、斬新で、超おっかないホラー映画を随意製作中のアレックスくん。 ストーリーは若いチャンネーが山中で彼氏といちゃついていたトコロ殺人鬼に捕まり拷問に(以下略)

② そんなアレックスくんのもとに届いた一通のメール。 文章は無く、一本の動画だけが添付されていたのだが、そこには他ならぬ『グレイヴ・エンカウンターズ』の未公開シーンが・・・。 誰が、いったい何の為に? 送り主を突き止めようとするアレックスくんを、周囲の友人たちは止めようとするのだが(以下略)

③ 『グレイヴ・エンカウンターズ』に主演していた俳優の母親とコンタクトを取ることに成功したアレックスくん。 しかし、彼女は認知症が進行しており、息子に関する話は全く的を得ない内容ばかり。 そんな中、メールの末尾に記されていた数字の羅列が、とある場所の経緯と緯度を示していることに気付いたアレックスくんは、自主映画スタッフたちを引き連れ、『グレイヴ・エンカウンターズ』の撮影場所で、現在は立ち入り禁止となっている精神病院へ(以下略)

④ 病院に侵入しようとした瞬間、どこからともなく現われた警備員に引き返すよう注意された一行。 しかし(以下略)

⑤ 『グレイヴ・エンカウンターズ』に出てくるシーンそのままの院内に興奮が隠せないアレックスくん。 固定カメラを建物内のあちらこちらに設置し、いざ撮影を開始しようとすると(以下略)

⑥ 突如打ち破られるドア。 怯える一行の前に現われたのは、先刻の警備員だった。 不法侵入をたしなめられ、意気消沈するメンバーをよそに、アレックスくんだけは撮影の続行を(以下略)

⑦ 怪奇音を辿って姿を消した警備員が(以下略)

⑧ 撮影を諦め、建物から脱出しようと提案するメンバーにアレックスくんは(以下略)

⑨ 2人の仲間を喪いつつも、奇跡的に脱出に成功したアレックスくんたちは、警察に通報せずそのまま宿泊していたホテルにチェックインし(以下略)

⑩ 邪悪なモノによって、再度病院へと連れ戻された一行の前に、すっかり変わり果てた姿の『グレイヴ・エンカウンターズ』主演俳優が現われ(以下略)



【結論】 もういっそのこと作品そのものを「以下略」しちゃえばいい。


・ 廃屋に勝手にあがりこんだ撮影好きな人たちが、謎の怪奇現象に襲われウンジャラゲー、その一部始終を収めていた固定カメラがハンジャラゲー、といういつものアレが再び(というか何度目かわからないぐらいに)登場。

・ 前作『グレイヴ・エンカウンターズ』は、若干「予告詐欺」といいますか、「もう予告だけでいいじゃん」的な危うさがあったものの、後半怒涛の追い込みや予想外のマッドな展開があったりして、なかなかおもしろい作品だったのですが、さて、今回の出来栄えやいかに・・・?!

・ と思いつつ鑑賞したのですが、絶望的におもしろくなかったです。 非常にざんねんです。 

・ なにがおもしろくなかったって、前半のぼんやり具合から、後半白塗りおばけ参上までのダルさがね、悲しいほどに前作と同じなのですよね。 たしかに、くだんの精神病院を再訪するには、それ相応の理由が必要でしょう。主人公の「映画」に対する熱量も説明しなければならなかった。それはわかります。 

・ ただ、理由付けの部分が「謎メールが届いたよー!わー!なぞー!」「グレイヴ・エンカウンターズの出演者って、その後の出演作ないんだー!わー!なぞー!」と、非常に緊迫していなかったり、主人公が作っている映画がさっぱりつまらない上にやたらと長かったりするので、後半に向けての盛り上がりに効果を発揮できているように感じられなかったのですよ。 やっと病院内で怪奇現象が起こり始めたとき、わたしは思わずプレイヤーのメモリを確認してしまいました。 ちなみに44分経過していましたよ! 要チェックだよ!

・ 山海塾系のおじさんがドダダーっと走ってくる。しょんぼりと佇んでいた女の子が一拍置いてガバーッ!と顎を外す。でっかい音がする、などなど、脅かす方法にバリエーションがなかったのもざんねんでしたね。 クライマックスにアッと驚くグロシーンがあるのですが、なんだろ、今回それ、あんまいらないかも・・・(そこだけテイストが違いすぎて馴染まない)

・ 「錯乱してしまった主演俳優」さんを、どこかで観たことあるなぁ・・と思っていたのですが、今わかりました。 たぶんゴラムです。(※『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ)(※中の人が一緒、という意味ではなく、演技が似ている)

・ 暗く深い闇の中で、小動物を捕食しながら生きながらえるうち、精神を病んでしまった主演俳優さんが、いつ「しどい大学生だよ・・・ゴクリゴクリ」と言い始めるかドキドキしてしまうほど擬似ゴラムでした。 ネズミのかぶりつき方も堂に入ってましたし。 でぶのホビットにシチューにされないうちに召し上がれ・・!

・ で、「あーゴラムだなぁー」と思いながら観ていると、今度は『クロニクル』っぽいカメラ浮遊シーンが始まるという。

・ 調べてみたら、『クロニクル』の方が数ヶ月先に公開されているようですね。 まぁ、『グレイヴ・エンカウンターズ2』の製作者が前者を参考にしたのかどうかはわかりませんが、この撮影法が今後のPOV作品に欠かせないものになってゆくのか、ちょっと気になるトコロではありますな。 うそ。 ホントはあんま気になってない。

・ で、そうなってくると「今度は何リスペクトなの?」と思ってしまうのが人の常というもので。 くじけず鑑賞していましたら来ました。最後の最後に。 壁にぽっかりと開いた異空間にごうごうと吸い込まれて行く人と家具。 そう、『死霊のはらわた2』です。

・ 節操ないな!

・ 柱につかまってウワーとかやってましたからね。 それではみなさん、次回『グレイヴ・エンカウンターズ3 アレックスVSアーミー・オブ・ダークネス』でお会いしましょう。

・ 会わないから。

・ などと、散々好き勝手に書き綴ってしまったものの、根底にあるのはホラーに対する愛情と、製作者に対するリスペクト精神ですので、どうか送り主不明の謎メールだけは送ってこないでください。 マジで『グレイヴ・エンカウンターズ』を越えるホラーなんて撮れませんて! 『グレイヴ・エンカウンターズ』さいこうですやん! 

・ と、観ようによっては「わいの映画の悪口言うんやったら、もっとおもしろい作品撮ってみいや!」という「巷に溢れかえる自称評論家」に対する恫喝・・じゃなかったブラックなジョークが込められているようにも感じられる『グレイヴ・エンカウンターズ2』。 新鮮なおもしろさはありませんでしたが、作品(前作)をディスりまくる一般視聴者のコメントを製作者自ら脚本に取り入れている部分や、深淵をのぞき込んでいたつもりが逆に深淵にガン見されていた主人公の行く末など、「おっ」と思える部分もありましたので、1作目を観て興味を持たれた方はご覧になってみてはいかがでしょうか。



関連感想・・・『グレイヴ・エンカウンターズ』(1作目)







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『ワナオトコ』 『パーフェクト・トラップ』 2本立て

2013年10月24日
シリーズ第1弾『ワナオトコ』

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作品概要・・・
リフォーム【reform】
① 改正。改革。改良。改善。
② 作り直すこと。洋服の仕立て直し。また,建物の改築。
                            (※大辞林 第三版より)

工事一覧・・・
・ 玄関の鍵を交換
・ 勝手口の鍵を増設。
・ 階段の踏み板には忍び返しのレプリカ風クギをアクセントに・・。
・ 全ての窓に羽目板をセット。
・ 受話器の耳側に長めのクギをイン。
・ 玄関ホール(シャンデリアの蝋燭を包丁に変えトラッド感をアップ)
・ 居間①(ハサミと連動するワイヤーをクリエーション。巻き上げられた人間が壁一面打ち付けたクギに衝突するシステムです)
・ 居間②(床一面にトラバサミをレイアウト)
・ キッチン(ワイヤーつきの肉切り包丁をあえて見せる配置で)
・ 廊下(クギを打ち付けた板と足元に張ったワイヤーを連動させ、ちょんって当たったらバーンってなるようにコーディネート)
・ 部屋①(ゴルフバッグとワイヤーを連動させ、中のクラブを引っ張ると足元のワイヤーが締まり、そのまま天井から逆さに釣り下げられるシステムを設置。ちなみにワイヤーは3秒後に切断され落下するという遊び心も)
・ 部屋②(天井から釣り針のついたテグスを暖簾状に垂らしミニマムなオシャレ感をアピール)
・ 部屋③(縦横無尽に張り巡らせためちゃくちゃよく切れるワイヤーで、非日常感を演出)
・ 部屋④(フローリングを超強力接着剤でコーティング。ギロチンつきの窓枠で気分はロココ調)
・ 地下室(コンセプトはずばり拷問部屋。 重厚感溢れるアンティークチェアと最新鋭なPCを並べるというアンバランスなレイアウトが魅力です)

工期・・・
約6時間



・ 超仕事の早いおじさんが、たった数時間で豪邸の全部屋をリフォーム。 そんなこととは露知らず、物取り目的で不法侵入してきた内装業者を、見事返り討ちにするというお話です。まぁ、おじさんも不法侵入者なんだけども。

・ 物取り目的の内装業者さんは、色々と訳あって、今夜の夜中12時までに大金を用意しなければ女房子どもがひどい目に遭わされる運命にあります。 で、忍び込んだ先のおうちには、頭のアレなワナおじさんと純真無垢な女の子が・・・。 

・ ということで、愛する娘とその娘と同世代の女の子のどちらを優先するか、内装業者さんはおとこの瀬戸際に立たされてしまうのでありますな。 ここいらへんのせめぎ合いが実におもしろかったです。

・ リフォーム終了日の夜から旅行に出掛けようという、お金持ち一家の落ち着きの無さもさることながら、とにかく本作の見所はワナおじさんの匠の技に尽きるわけでして。 作業の終了を、まぁ一般的な目安から夕方5時としまして、ほんで作業員のみなさんが全員撤収したのを見計らって、一家を地下室に縛り上げリフォーム開始。 内装業者さんが忍び込むのが午後11時すぎなので、その間多めに見積もってもわずか6時間弱ですよ。 たったひとりで出来ますか。 出来るかっちゅうねん! でもやるんだよ!

・ 監督&脚本を担当しているのは、やけっぱちモンスター映画『フィースト』シリーズや、映画界のマルチ商法こと『ソウ』シリーズの後半を手がけたマーカス・ダンスタンさんとパトリック・メルトンさんだそうで、なるほど、使われなくなった動物園だの使われなくなった病院だのといった廃屋をどうやったのかさっぱりわからない謎工法で大幅リフォームしてきたジグソウおじさん(と、そのお弟子さんたち)の仕事っぷりを思えば納得の内容ですね。  つまり、そういうことですよ。

・ パトカーでやってくるおまわりさんは例によって例のごとく役に立たず、こうるさい女(しかも派手メイク)やおっぱい姉ちゃんなどの「定番人物」もきっちり登場。 イライラさせたりハラハラさせたりの緩急のつけかたが非常に優れており、惜しみないゴア具合にも大満足でしたよ。 撮影や編集もめっぽう凝っており、時折ハッとするような美しい風景なんかも飛び出したりして、物語にぐいぐい引き込まれてしまいました。

・ 劇中一切素顔を見せないワナおじさんも不気味で素敵でしたし、最後の最後にその正体が明かされた瞬間、思わずビデオを巻戻してもう一度最初から観たくなってしまうという仕掛けも、とても小憎たらしくてよかったですね。 今回久しぶりの鑑賞だったのですが、またもやまんまと巻戻してしまったわたしです。

・ いぬっころやにゃんこがすきな方には(悪い意味で)たまらない描写が出てきますので、くれぐれもご注意ください。

・ クライマックスは、お金持ちの女の子をなんとか救い出し、駆けつけた救急隊に保護された内装業者さんが、奥さんに「夜中までに宝石ゲットしたで!」と連絡をしようとした瞬間、再びワナおじさんにとっつかまって衣装ケースにねじ込まれた所で終了。という、悪く言えば続編を作る気マンマンな、よく言えば非常に興味をそそられるラストとなっております。 まぁ、このあたりも商売上手というかなんというか、さすがは映画界のマルチsh(略


シリーズ第2弾『パーフェクト・トラップ』

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(※おわかりいただけただろうか・・・)

作品概要・・・
リノベーション【renovation】
① 刷新。改革。
② 修理。改造。修復。
③ 既存建物を大規模に改装し,用途変更や機能の高度化を図り,建築物に新しい価値を加えること。
                           (※大辞林 第三版より)

工事一覧・・・
・ 秘密会員制クラブを大改造ビフォーアフター。
・ 空調から配管まで大胆に手を加えられたメインフロア。 どんな重機を使って搬入したのかさっぱりわからない巨大草刈マシーンが備え付けられた天井から、TPOに応じて血飛沫が降り注ぐアバンギャルドな設計です。
・ フロアから出口までの廊下には、壁と一体化した檻を完備。 ステンレス仕上げで錆びにくくなった圧縮機が、押し寄せた客を一気に数センチ程度まで押しつぶします。
・ 廃ホテルを新たなコンセプトのもと大胆改装。もちろん各部屋にワイヤーを基調とした仕掛けが満載。
・ 新たなコンセプト、それは「モノからヒトへ」。 無機質なクギやワイヤーだけではなく、さらってきた人間そのものを全面リフレッシュしてしまうという新発想。
・ 施工主がこだわりにこだわりぬいたという斬新なインテリアも必見です。

工期・・・
数ヶ月



・ 前回つかまった内装業者さんが、一旦逃げ出してもう一回つかまるお話です。

・ 内装業者さんは、冒頭シークエンスの舞台となる会員制クラブに餌として連れてこられます。 そして、おじさんの目論見通り草刈マシーンの起動に一役買うことになるのですが、その後辛くもクラブからの脱出に成功。 満身創痍になりながらもやっとこさ奥さんとの再会を果たしていると、謎の大富豪が現れて「きみのそのスキルを活かしてみないか」と打診され・・・  で、まぁ、あとはもう、なんというかほら、あなたの期待を裏切らないアレなわけですよ。

・ ただ、期待は裏切らないものの、良くも悪くも想定内といいますか、前作に感じた「すてきなサムシング」が見当たらなかった点が残念でしたね。 

・ あれだけ凝っていたカメラワークはすっかり無難なものになってしまっており、登場人物も増えたものの、その効能を感じられないうちにいともあっさり殺されてしまう有様。 何のために出てきたの? ていうか傭兵弱すぎだろ!

・ 幼い頃母を亡くした娘と、彼女のためなら法を犯すこともいとわない・・と心に誓った父親(とその信頼できる部下)。 彼らが醸し出そうとするドラマ性と、内装業者さんのそれとが全く噛み合いません。 というか、内装業者さん側は無いに等しい。 

・ 前作では、「自分の愛娘と同じくらいの年齢の純真な女の子」という重要ポイントがででーんと存在していたので、内装業者さんが命の危険を冒してまでワナおじさんに立ち向かう必然性がしっかり感じられたのですが、今回はそういう「強い動機」がありませんからねぇ。 クラブから逃げる際、目の前で見捨ててしまったという罪悪感だけで、あーんなことやこーんなことをされた場所に戻れるものなのか。 

・ そんなわけで、わたしには内装業者さんの行為が若干不自然に感じられたのですよね。 おもわず「ストックホルム症候群になってしまった内装業者さん、ついうっかりワナおじさんに弟子入りしちゃうの巻」なのかと勘ぐってしまった次第でして。 今回の黒幕は内装業者さんだったりして・・とかなんとか。 ええ、ソウの見過ぎです。 それはわかっている。

・ で、そんなどんでん返しがあるはずもなく、殺され要員はあれよあれよという間に串刺しとなり、マネキン色剥き出しな死体の山が映し出され、謎の人体アートや前衛的なビジュアルのゾンビ(拉致され改造された人たち)が大波小波のように寄せては返すうち、気づいたらエンディングを迎えていたという・・。 いや、悪かないよ・・悪かないんだけどさ・・・

・ トラップの量も死体の数も申し分ないのですが、なんかね、大味なのですよね。 前作で印象的だった「独特な美意識」や「雰囲気」が消え、代わりに「よくある拷問系ホラー」になってしまった。 鑑賞後、わたしの脳裏に浮かんだのは『ホステル3』でした。 (そういえばオチもよく似ている)

・ あまりによく出来ていた『ワナオトコ』を一度頭から追い出してしまえば、これはこれでおもしろかったと思いますので、いっそのこと別モノだということにしてしまってもいいのかもしれません。

・ まあね、というかワナおじさん別人ですもんね! 

・ まずは、上に貼り付けている2枚のポスターを見比べていただきたい。 ・・・おわかりいただけただろうか・・・使われている写真が酷似しているのでおわかりいただけないと思うが、今回なんと、ワナおじさんの毛根が息を吹き返しております!

・ もうね、超はえてっから。 ツルツルだったのが、ボーボーになってっから。 若干年齢も若くなってっから。 もはや別人になってっから、中も外も。 よかったね! なにがよかったのかわからないけど、とりあえずよかったね!

・ ついでに言うと、内装業者さんの奥さん役も別人になっておりました。 まあ、よくあることですよ。 マーティ・マクフライの恋人がいきなりエリザベス・シューさんになったりね、そういうことはこの世界ではよくあることです。 もう気にしない。 細かいことは気にしない。

・ だからみなさん、タイトルが『ワナオトコ』から『パーフェクト・トラップ』という全く関連性なさそうな邦題になっちゃってる点も気にしないでください。 配給が松竹からカルチュア・パブリッシャーズに変わっちゃったんですから、同じタイトルは使えないじゃないですか。 しょうがないですよ。 わかってつかあさいよ。

・ ということで、同じ人が作った正式な続編であるにも関わらず、作品のテイストもノリも随分と別モノくさい映画ではありますが、個々の単品として観ればなかなかゆかいなゴアホラーですので、邪悪なワクワクさんでも観るような気軽さでご覧いただければよいのではないでしょうか。 少し言及した『ホステル3』の5倍はおもしろいですよ。


    
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『REC/レック3 ジェネシス』

2013年06月11日
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(※正確にいうと、シェリー・デュヴァルたん系の女の子)

前作までのあらすじ
『REC』 (シリーズ1作目感想)
『REC/レック 2』 (シリーズ2作目感想)

あらすじ・・・
きょうはだいすきなクララおねえちゃんのけっこんしき!
だんなさまになるコルドさんはとってもやさしいナイスガイなので、おとうさんもおかあさんもあんしん!
あったことのあるしんせきはおねえちゃんたちをしゅくふくするために、あったことのないしんせきはタダめしをくらうために、やたらとノリのいいおともだちのみなさんは、あわよくばけっこんあいてをゲットしてやろうともくろんだりして、とにかくいっぱいおきゃくさんがきてくれて、えんもたけなわ!
おねえちゃんてば、コルドにいさん(キャっ!にいさんていっちゃった!)にはまだあのことこくはくしてないらしいけど、どのタイミングでいうつもりなんだろ!
もしかしたら、ひろうえんのさいごにつきものの「おなみだちょうだいコーナー」こと「りょうしんへのおてがみコーナー」で、なしくずしてきなかんじではっぴょうするつもりなのかしら!
ああ、それにしても、さっきからしんせきのおじさんがヘドロみたいなかおいろをしてゲボをはいてるのがきになるわ! よっぱらうにもほどがあるでしょ!
けさ「さっきいぬにてをかまれたんだけどたいしたことないよ!」っていきまいてたけど、ホントにだいじょうぶなのかなぁ!
ほらほら、そんなこというてるうちに、しんださかなのようなめつきになってきちゃって・・・
・・・しんださかな・・・
・・しんだ・・
・・・・ギョギョッ!? マジでしんでない?あれ!?


というわけで、スペイン生まれのPOVゾンビパニックムービー『REC』の第3弾、『レック3 ジェネシス』を観てみましたよ!
ポスターのビジュアルが非常に魅力的だった為、期待に胸を躍らせていたら全く違ったニュアンスの美女が出て来て戸惑ったりもしましたが、まぁ、とにかく観てみましたよ!

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(※ ポスターではこんな感じだったのが)
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(※ 蓋を開けてみるとこんなことに。)

まあね、まあね、ポスターと映画の本編が異なることなんて、そんなに珍しいことではないですからね!

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(※ トトロの初期ポスターなんてこの有様。さつきでもメイでない・・きさまッ・・・一体何者だッ!)


(※ 以下ネタバレ)


「とあるアパート」という限られた空間の中、ゾンビと一般人とSWAT隊員と神父さんが食うか食われるかの死闘を繰り広げ、その一部始終を偶然居合たカメラが撮りまくるという奇跡のシリーズ『REC』。
いや、ゾンビと書きましたが、実はその正体は過去2作において依然不明のままでありまして。
「感染者なのかゾンビなのか悪魔憑きなのか、って? ・・・それはですね・・・なんと言いますかね・・・つまりその・・・ ・・じゃあ逆に聞きますけど、どっちだと思うんですか?!え?!えぇ?!!」
という、理不尽なキレ方で終わってしまった過去2作品のオチは、今回バシッとついていたのでしょうか。
そんなこんなで、「アパートとは別の場所で起きた事件」という最低限の情報だけを頭に入れ鑑賞した本作は、オチこそついていないものの、ある意味期待どおりの、ある意味潔い、正統派ゾンビ映画だったのでした。

・ 潔さその1「POVじゃない」
「バッテリー問題」や「どうしてこんな状況下でまで撮影を?」などなど、何かとツッコミを受けやすいPOV方式を開始約20分で潔く放棄。 
導入部は今までどおりの家庭用ハンディカメラ目線ですし、POVをやめてからも突然ハンディカメラ映像になったりしますので、いちおう過去2作のニュアンスというか思い出は大切にしている、ということなのかもしれません。
まぁ、ややこしいだけだけどな!

・ 潔さその2「アンヘラたんじゃない」
過去2作のヒロイン・アンヘラたんがまさかの戦力外通告。
しかも前作のラストで悪魔っ子覚醒し、お客さんをドギー&マギーさせたにも関わらず。
どないやねん。
ただし、物語の中盤で、件のアパートがテレビで報道されているシーンがありましたので、アンヘラたんを投げっぱなしにしているのではなく、あくまで「あの一件と同時進行でこんなことも起きていたのですよ~」というテイなのですね。
まぁ、ややこしいだけだけどな!

・ 潔さその3「縦割り」
なにしろ、今回は「結婚式から一転、阿鼻叫喚の地獄絵図に」というシンプルストーリーですので、もっさりとした披露宴の最中におじさんがゾンビ化して以降は延々お肉の祭典状態な訳でして。
二手に分かれた花嫁チームと花婿チームが、式場の中、ゾンビをかいくぐりつつ再会目指して移動する。
そんな、今すぐXboxのソフトが出せそうな物語に華を添えようと、少なくない量のゴア表現が盛り込まれております。
チェーンソーを振り回す花嫁が、一度ならず2度までも気持ちのいい縦割りを披露してくれたことは、何かと締め付けの多いホラー映画に差し込む一筋の光のようで、私の心に活力を与えてくれたのでした。
まぁ、劇場公開時はどうだったのかしらないけどな!

・ 潔さその4「解決法が雑」
なんらかのウィルスに感染しているのか、はたまたピュアな悪魔憑きなのか、その真相は明らかとなっていないものの、ひとつだけ前作でハッキリしていたことがありました。
それは「やつらは聖書の一節を聞かされるとしおらしくなる」ということ。
正当な続編である本作でもその特徴はフルに活かされ、なんと式場の放送室から神父さんがありがたい説教を生ライブ! 即座にげっそりするゾンビ! まさに青菜に塩状態!
ちなみに前作の感想を読み返したトコロ、【いっそのこと、アパートの上空からゴスペルでも流してればいいんじゃねえの?】と書いていたので、わしの発想は間違ってなかった!ていうかそのまんまだった! やだーもー!パコ(パコ・プラサ監督)ったらー!うちのブログ見たでしょー!もー!

スピーカー完備の建物内はともかく、ほとんど音の聞こえてこない庭や駐車場のゾンビまでもがしょんぼりしているのですが、まあそこはご愛嬌ってことで! ささやく程度でいいんです! 要は気持ちの問題なんです! イワシの頭も信心からって言うじゃないですか!ちがうか!
まぁ、耳の遠いお年寄りゾンビには効果無いんだけどな!

・ 潔さその5「主人公も助からない」
最も潔いポイントは、主人公が迎える悲劇的な結末。
親切な友達を巻き添えにし、すべての招待客がゾンビ化する中、ミラクル連続で生き延びてきた新婚カップル。
何を隠そう、花嫁・クララのお腹には、授かったばかりの赤ん坊がいるのです。こんなトコロでくたばるわけにはいかんのです。
新婚かつ新米パパ&ママは大奮闘。
しかし、脱出途中で花嫁が感染してしまい、やっとたどり着いた玄関は政府によって完全封鎖されていました。
刻一刻と変化してゆく花嫁を前に、夫がとった行動は、観る者の胸を打つことでしょう。
「もしも愛する人がゾンビ化したら・・・」
『REC3』のラストは、そんな問いに対するひとつの答えであり、もちろん異論はあるでしょうが、わたしはだいすきですよ、この選択。
まぁ、ベタすぎるっちゃあベタすぎるんだけどな!
だが、そこがいい!


ということで、良質なゾンビ映画であり、尚且つ究極の純愛ドラマでもあった本作。
ところどころに散りばめられたスベり気味のギャグ(スポンジボブとか中世の騎士コスとか)に真顔になってしまった瞬間もありましたが、雨の中のシーンや宴会場に佇むゾンビ群など、ハッするほど美しい映像たちで、充分お釣りがくるのではないかと思いました。

あと、POVを放棄した為「もうREC(録画中)というタイトルの意味ないじゃん!」とツッコミたくなってしまったのですが、作中、結婚式の撮影をしているカメラマン(※プロの業者)さんが「どうも~!フィルマックス社です!」と自己紹介するくだりがあるのですよね。
そして、何を隠そう『REC』シリーズを制作している会社の名前はFilmax (フィルマックス)。
要するに今回の作品は、フィルマックスのいちカメラマンによって「REC」されたフッテージであるのだと。
「現実世界に存在しているフィルマックスと映画の中のフィルマックスは同じフィルマックスだと思う? あのシーンはあのフィルマックス社員だけど、このシーンはどのフィルマックス社員だと思う?全部こっちのフィルマックス社員だと思ってる?ねえ?ねえ?」という、虚構と現実がないまぜになったオチが隠されていたことに気づいて、ツッコもうと上げた右手をそっと下ろした私だったのでした。

まぁ、ややこしいだけだけどな!


なんでも、ホントのホントの続編である『REC4/アポカリプス』が来年公開予定だそうですよ。
今回は2作目のラストから後のお話になっているので、みんなだいすきアンヘラたんも再登板!
サブタイトルが、「ジェネシス」「アポカリプス」とめちゃくちゃバイオハザード寄りになってきている点が若干気がかりではありますが、無事日本公開されることを心より願っております。


(※ ほとんど前作までの映像です)






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『キャビン』

2013年03月18日
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(※さっそくですが、以下ネタバレ感想です。予備知識の無い状態でご覧いただくのがいちばんたのしいタイプの映画ですので、出来れば鑑賞後にお読みいただければ、と思います。)


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(※ 人には本来グラン・ギニョール的なモノに惹かれる性質が・・ っていうかストレスや鬱憤の解消・・ っていうか業界人のメシのタネ・・ っていうか、まぁ、ようするに「やあねー」って言われる類のアレですよ!オレらがだいすきなアレ!)

あらすじ・・・
真面目なデイナ、即席ブロンドのジュールス、脳筋アメフト部のカート、知的アメフト部のホールデン、そして共通の友人マーティの大学生5人組は、週末を開放的な気分で過ごすため、カートのいとこが保有しているという山荘へと向かう。 
道中、怪しいヒッチハイカーに呼び止め・・・ られはしなかったものの、胡散臭そうなガソリンスタンドで教えられた道はなんと間違い・・・ ってコトもなく、無事目的地へと到着した5人。
早速山荘に入ってみると、そこには謎の模様が刻印された立方体・・・ はなく、見知らぬ若者二人組が卵を借りに・・・ 来ることもなかったので、安心した一行は水着に着替え湖へ。
しかし、湖に飛び込んだ瞬間、おそろしい形状をした藻の塊のようなものがこちらへ・・・こなかったかわりに、水中からヒレのついた手が・・・ 伸びてくることもなく、楽しいひとときを満喫したのであった。
夜になり、山荘の中でおいしいお酒の時間をたのしむ一行。 
そんな彼らの姿を、暗闇の中から醜く歪んだミュータントの瞳があやしく見つめ・・・ ない。
マスクをつけた殺人鬼の魔の手がのび・・・ ない。
満月の光を浴びたカートの身体から獣の毛がのびはじめ・・・ ない。
まったりとした空気が流れたその時、突如地下室への扉が大きな音と共に跳ね上がる。
恐る恐る階段をおりたデイナの目に飛び込んできたのは、埃をかぶった一冊の本。
そう・・・!それこそは死者の書ことネクロノミコンだったので・・・ はなかったんだけど・・・ なんというか・・ある意味ネクロノミコンっていうか・・・ ・・ええと・・・まぁ、ぶっちゃけ女の子の日記だったんだけど・・ いちおう禍々しさではまけないっていうか・・ ・・・ラテン語も書いてあったし・・・ ・・うん・・
・・ おい! 本題はよ!



・ あとは延々本題です。

・ 上記にあるように、定石通りのストーリーがわかりやすくキャラ設定されたメンツと共に繰り広げられますが、一方その裏では「えー だってさー、ひとがやる事なのにどうしていっつもこっつも予定調和な世界なのー?ひゃくにんいればひゃくとおりになるんじゃないのー?おかしくね?」と冷静につっこんじゃうタイプの人も思わず心のガッテンボタンを連打したくなるような、「斬新な言い訳」が同時進行で描かれており、実はそちらが真のあらすじである、というからくりな訳で。

・ とは言っても、「実はすべては謎の組織が死後の世界の様子を知るためにセッティングした生き地獄だった」とか「実はリアリティ・ショーだった」とか「お金持ちクラブの賭けの対象だった」とか、そういう既視感あふれるアレではなく、もっと新鮮かつもっと大きな風呂敷が部屋いっぱいに広げられます。 

・ そう、実は「この『キャビン』という物語の世界には、人類を滅ぼすほどの巨大な力を持つかいぶつ(通称・古きものども)が存在しており、ソレを鎮めさせておく為、若者たちは定期的にホラー映画的なシチュエーション下で殺されてゆくなければならなかった」のです。

・ ね! でっかいでしょ!

・ ではここで、渦中のひと・【古きものども】さんのお話を伺ってみましょう。 
「うーん、そうねぇ、自分で殺したいってわけでもないんだよね。見せてくれさえすれば、もうそれだけでいいよ!って。オレはそう言ったんだ。」 「ただね、見せるならキチンとしたものを見せてくださいよ、って。 処女ばかりでもダメ、リア充ばかりでもダメ、邪悪な霊を成仏させちゃダメ、わるものを退治するのもダメ。 例外なく死ななきゃダメですよって。処女以外は。」  「でもさぁ、最近ちょっと死ににくくなったよね。知恵がついたっていうか慣れちゃったっていうか。ホント、オレはもうおかんむりなわけよ!」 「なんか意味のない拷問トラップとかさぁ!さあ・・ゲームをはじめよう・・!みたいなのとか・・・飽き飽きだよ!」 「ということで、今度希望が感じられる終わり方したら、もうゆるさないからね。全力で行くんでそこんトコよろしく!」

・ 「見るだけでオッケー!」って言っときながら「しくじったら人類皆殺しな!」とかさぁ! おおらかなのかせっかちなのかどっちかにしてよね!マジで! このお客さんはなかなかどうしてワガママな御仁やで!

・ という事で、世界を救うべく設立された秘密組織の職員さんたちは、日夜【古きものども】さんの逆鱗に触れないよう気をつけながら「人殺し」の仕事をセッティングし、世界各国で最高のショーを製作しているのでした。

・ 若者たちを定番ストーリーへと導くため、監視カメラで動向を注視する職員さん。 彼らがからくりに気づきそうになればクスリで朦朧とさせ、おっぱいを出すことを躊躇いそうならフェロモンを散布し、無事惨殺されれば歓喜の声をあげる。 人の死は彼らにとってメシのタネ。 日々の幸せを支える大事なお仕事。

・ で、まぁ、もう見たまんまなのですが、劇中の役割はそのまま現実にも当てはめることができまして、要するに職員さんは「映画製作者」で、その上にデデーンと存在しているおそろしい怪物の名は「おきゃくさま」なわけですよね。


・ ホラーすきなあなたにお尋ねしますが、「人が死ぬ映画を観て喜ぶなんて、わたしはどこかおかしいのではないだろうか」と思ったことはありませんか? 私は数え切れないほどあります。 

・ とにかく物心ついた頃からホラー映画がすきでした。 両親もきょうだいもホラー映画に関心はありません。 きっと、いえ、確実に、わたしはどこかがヘンなのでしょう。 「臓物がズロローン!ウェーイ!」なんていうわたしはおかしいのです。 「作り物だからいいんだよ」とか「だってホラー嫌いな人だってニュース番組で猟奇殺人扱ってたらつい関心もっちゃうでしょ。人間ってもともとそういうものなんだよ」とか色々取り繕ったトコロで、「臓物ウェーイ!」の言い訳にはならない。 だけど、うまく説明出来ないけれど、おかしくてもいいよね、と思うのですよ。

・ 倫理的にダメだし、すきで観ている割には不快な気持ちになることもあるし、時々真人間に戻ってハっとなることもあるけれど、やっぱりやめられない。 私にとってホラーは、ファンタジーを好む気持ちに近い「ここではない世界」という感覚で摂取してしまうものなのです。 あと、もしかしたら心のどこかで「いびつなホラーキャラクター」に共感してしまっている瞬間もあるもかもしれませんね。 彼らが持つ劣等感や孤独に惹かれ、気づいたら応援してしまっている・・・なんてことも多々ありますし。

・ ちょっと話が逸れましたが、ともかく『キャビン』の世界と同じように、この世の中には「なにはともあれ血飛沫とおっぱいがすき!」という私たちがいて、その欲求に応えるべく試行錯誤してくれる映画製作者の皆さんがいます。 彼らは私たちの「もっと!もっと!」という声や「ちょっと最近のホラーは違うんだよね・・なんかこう・・・ゲーム感覚でさぁ・・」という批判をドンと受け止め、さらに斜め上をゆく奇想天外なアイデアを生み出してくれます。 需要に応え続けなくてはならないという一念で。 「この世界」を守らないといけないという一心で。 

・ で、皮肉なことに、そこまでして必死に作り上げ守ってきた「(ホラー愛好者の)世界」なんて、しょせんこの大きな現実世界ではほんの一部にすぎなくて、しかもけっこうな確率で眉をひそめられるような存在だということなのですよね。 ホント、ちっちゃいもんですよ。 気になる方は一度レンタル屋さんのホラーコーナーを覗いてみてくださいよ。 日に日にスペース減少してますから。 

・ 『キャビン』の世界の秘密組織職員さんたちが世界の崩壊を阻止しようとふんばる姿を観れば観るほど、なんだかせつない気持ちになってしまいました。 あのね、その「世界」なんて、無くなったトコロでわたしたち以外のみんなはさほど困らないんだよ、と。 【古きものども】さんは困るだろうけど、それ以外のひとたちは困らないの。 もしかしたら、健全になってよかったね!って喜ばれるかもしれないぐらいで。

・ でも、だからこそ、わたしは踏みこたえたい。 このちっぽけな「世界」を愛したい。 いいじゃない、それっぽっちのたのしみぐらい。 「嬉々として作ってる製作者のモラルが問われる」? いいじゃない、虚構の世界なんだから。 オレたちの世界ぐらい、オレたちのすきなようにみせてくれよ!たのむから!

・ あのラストシーンは、そんな我々の心の叫びを代弁していたのではないか。(だから【古きものども】なのにタコでも鉤爪でもなかったのではないか) そんな気がして、ちょっと胸が熱くなってしまったアガサなのでした。 見よ!空高く突き上げられたあの拳は、オレたちの拳だ!

・ なにはともあれ、前半の定番ホラーシチュエーションから後半の大虐殺までさいこうに次ぐさいこうの連続でしたよ。 入れ子式な構造も、ド頭から打ち明けてしまっているにも関わらず、全く物語の緊張感を削ぐことなどなく、むしろ期待感を増加させる役割を果たしていたと思います。 クライマックスの「ワクワクいきもの図鑑」的な展開に於きましては、たのしすぎてあのエレベーターの「チン」という音をメールの着信音にしたいぐらいの気持ちになりました。 ありがとう・・・いい・・薬です・・・!(←特に意味はない)

・ あのセノバイトっぽいおっちゃんかっこよすぎだよ! ハリウッドのえらいひとはつぶれ甘食みたいだった『ヘルレイザー:レベレーション』なんかさっさとリブートしちゃえばいいと思うよ・・・ このおっちゃんを主役にしてさ!
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(※ ちょっと3作目に出てきたCDの人と被っちゃってるケド・・・ ま、問題ないか!)

・ 「いきもの地球紀行」(←名前にこだわりはない)の他のメンバーも、どこかでお会いしたことがあるような方ばかり・・・。 アガサが気づいたトコロでは、『死霊のはらわた』の木さんとか『it』のペニーワイズさんとか『シャイニング』の双子ちゃんとかアナコンダとか『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』のお面の人とか、あとは古き良きモンスターとか狼男とかゴブリンとかゾンビとか・・・。 嗚呼・・これはぜひ、DVDでコマ送りしながらひとりずつチェックしてみたいトコロですね。

・ あとね、これちょっと気になったのですけども、そもそも「『キャビン』の世界」にホラー映画は存在していたのでしょうかねぇ。 秘密組織がお膳立てしていた「いかにも」なシチュエーションは、【古きものども】さんから直々のお達しがあって練り上げられた内容なのか、それとも秘密組織のみんなのアイディアの賜物なのか、はたまた「ホラー映画」というものがあって、その設定を模倣して作られたのか・・・。 もしそうなのだったとしたら、「マリファナでいい気分な登場人物」に関する調査が全然足りてないよね! あいつらホラー映画で定番じゃん! マリファナの効果と薬に対する作用ぐらい確認しとこうよ!

・ いやね、あきらかに「二番煎じ」みたいなモンスターばかりでしたから、きっと「ホラー映画が存在する世界」なのだろうなぁ・・とは思うのですよ。 でも、でも、てことは【古きものども】さん用のなまいたショーは「虚構」の模倣なのか。 どっちが先なの? ホラーなの? 現実なの? モンスターは天然モノなの?養殖モノなの?現実にも存在するの?(という設定の世界なの?)

・ まぁ、ココはこだわらなくていいトコなんでしょうけどね。 ホントのトコロは、あの「『キャビン』の世界」では、どちらが先かはさておき常に「現実」と「虚構」が追いかけっこをしているような状態なのかもしれません。 「私たちの現実」がそうであるように。

・ あ、それと、日本の職員たちが仕組んだ「定番ホラー」がなんだかよくわからない少女の霊だった点もね、ぼくは声を大にして異議を唱えたいですね! ビジュアル的にはハリウッド版貞子(サマラちゃん)っぽかったので、『リング』をイメージしていたのかもしれませんが、そこはね、できれば『呪怨』で行って頂きたかったです!

・ 『呪怨』ならさー、家一軒セッティングすればいいだけだしさー、若者だって誘い放題だしさー、伽椰子たん、なかなか成仏しないタイプだしさー、絶対いいと思うんだよねー。秘密組織の側で考えたら。

・ 「どんぐりコロコロどんぶりこー」 で成仏しちゃったら、織田無道はおまんまの食い上げだよ~!(もうとっくに食い上げてるのか)

・ 以上、色々書きましたが 「映画製作者のみなさん、とてもおもしろい映画を作ってくれてありがとう!」とお礼の気持ちを記して感想を終わりにしたいと思います。 そしてこれからもよろしくおねがいします!



・ うっかり書き忘れてましたが、シガニー・ウィーバーさんはやっぱええ人やで!!(※ あの役はジェイミー・リー・カーティスさんでもおもしろかっただろうな・・)

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