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悼まないことにした。

2014年02月11日
Twitterをしていると、時々、誰かの死を悼むつぶやきを目にすることがある。
大好きだった誰かへの言葉。
憧れていた誰かへの思慕。
タイムラインをとうとうと流れる追悼の声。
だけれどわたしは、自分が見聞きしたことのある誰かの死を知っても、それをつぶやこうとはしなかった。
つぶやいていた人たちを責めているのではない。
ただ、自分が本当に好きな人を亡くした時しか、哀しみの声をあげたくなかったのだ。

そして、先週、もしも本当に好きな人を亡くしてしまう時がきたら、自分には声をあげることなどできなかったのだな、ということを知った。


フィリップ・シーモア・ホフマンさんのプロフィール欄の、その生年月日は、2014年2月2日でしめくくられたままだ。
何度見返しても、更新ボタンを押しても、日付は消えない。
なぜなら、彼は「亡くなって」しまったから。

どうして? どうして? なんで? どうして?
そのニュースを見た瞬間、わたしの頭の中は誰に聞くでもない疑問で溢れかえっていた。
手がぶるぶると震え、涙とも鼻水ともわからないものが顔を覆った。
吐き気がした。 いや、吐いてしまったのかもしれない。
どうして? どうして? どうしてこんなことに?

ネットの記事は早すぎる死を惜しむ文字で埋め尽くされ、わたしのからだは、シーモアさんが「亡くなって」しまったという事実に切り刻まれてゆくようだった。
身を振り絞りながら、わたしはそのことについてひたすら考えた。
亡くなった? いなくなった? でも、今でもシーモアさんはここにいるのに? いるのに「亡くなった」とは、一体どういうことなのだ?

そう、シーモアさんはいなくなっていない。
『男が女を愛する時』で、初めてシーモアさんという存在を覚えた頃から、何度も脇役として見かけては「あ、また出てる」と嬉しい気持ちになった頃から、わたし好みのぽっちゃり体型にシフトしていった『ツイスター』や『ハードエイト』の頃から、ずっとシーモアさんはここにいつづけている。
沢山の監督に愛され、愛くるしい笑顔や、ゾクゾクするような冷淡な表情や、匂い立つ色気や、ほんとうにダメな人や、にくめない人や、沢山のへんたいや、さみしい人や、あたたかい人や、数え切れないほど多くの人生を演じてきたシーモアさんに、これまでだって今だって、いつでもすぐに会うことができるではないか。
ある時は記憶の中で。
そうでなければ、デッキにディスクを入れることで。

シーモアさんは「生きて」いる。
それなのに、シーモアさんが「亡くなった」なんて、そんなおかしな話があっていいものか。
もしかしたらわたしは、こんなこと、知らなくてもよかったのではないか。


「亡くなった」シーモアさんの、今後公開されるであろう作品を、「遺作」とはどうしても呼べない。
「亡くなった」シーモアさんが、今まで出演してきた作品に言及する時、「素晴らしかった」と過去形でなど語りたくない。
シーモアさんは過去の人ではない。
シーモアさんは「亡くなって」などいない。
いなくなってもいない。 冷たくなってもいない。 その眼差しは、まだあたたかいままなのだ。


数日を経てわたしが出した結論は、シーモアさんの死を悼まないということだった。
死を認めないのではない。 
知らないままでいようと決めたのだ。

愚かだと思う。 ちっとも前向きではないと思う。
けれども、もう少しだけ、プロフィール欄を見ても画面がみるみるぼやけてこなくなるぐらいまでは、後ろ向きでもいいじゃないか。
シーモアさんの演技を観た時、哀しみなんて無粋な感情に素直な感動を邪魔されない為に、あと5年か、10年か、もしかしたらわたし自身が亡くなるまで、シーモアさんはここにいると思い続けてもいいじゃないか。
最近寡作になったなぁ、とか、そんなふうに思っていてもいいんじゃないか。

だからわたしは、悼まないことにした。
今までもこれからも、シーモアさんの作品が楽しみでしょうがない。


シーモア、可愛いよシーモア。



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アルバム、の、ようなもの。(親方!空から40歳女性が!の巻)

2013年04月10日
「おっかあ!おらローラーコースターのりてえだ!」

カートゥーンネットワークの見すぎでアメリカナイズされているちびっこの一言が、乾いたリビングに響き渡った。


と、いうことで、先日岡山県が誇る老舗テーマパーク・鷲羽山ハイランドに行ってきました。
・・え? 何のテーマか・・ですか? テーマはずばり、ブラジルです。

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ね! ブラジルでしょ!

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ダンスフロアにはためくネズミ(チューピーくん)・ブラジル・山の3大アイコン!

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身長制限を伝える看板すらもブラジルですよ!

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一日2~3回開催されるサンバパーティには、ナイスバディのチャンネーが・・・

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・・いると思った? ざんねん!おっさんでした!

おっさんの名前はバルジアさん。 聞くところによると、テレビ東京系列で放送されている「モヤモヤさまぁ〜ず2」という番組でいじられた事があり、その界隈ではちょっとした有名人のようです。どの界隈だよ。
サンバ中なんども「ワタシノナマエハ?!」とお客さんに向かって連呼し、うまく答えられた人には景品をプレゼントしてくれるという、謎の気前の良さを発揮する、とてもいいおっさんでした。

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瀬戸内海が一望できます。

アガサが最後に鷲羽山ハイランドを訪れたのは、高校の遠足旅行。
その頃はもう少し「瀬戸大橋」推しだった気がするのですが、気づいたら主役の座はブラジルにとってかわられていました。
一体誰が、なぜ、ブラジル推しにGOサインを出したのか。
その方向転換にどんな勝算を見出したのか。
謎が謎を呼ぶ鷲羽山ハイランド。
ともあれ、辺鄙な場所に位置しているにも関わらず、長年に渡って岡山県民に愛され続けてきたのですから、ブラジル推しもバルジアさんのがんばりも無駄ではなかったという事なのでしょう。

がんばれハイランド! 不況に負けるなハイランド!

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見てください。がんばってるコースターです。
その名もずばり「バックナンジャー」。 後ろ向きに走るジェットコースターです。
最近USJにバックドロップとかいう背面走行コースターが誕生し、話題を集めているようですが、鷲羽山ハイランドにだってずっとずっと前からあるんだかんね!
ちなみに「バックナンジャー」とは「バックなのですよ」を岡山弁に直したものです。

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仰向けの状態で垂直に登ってゆき、一気に落下したのち2,3回ひねられるコースターだってありますよ。
どんな名前か気になりますか? 「ウルトラツイスター」です。 岡山弁じゃねえのかよ!

鷲羽山ハイランドにはこの他にも、バックナンジャーのレールに立ったまま乗るスタイルのカゴをすげ替えて走らせる「スタンディングコースター」という絶叫マシンもあり、なかなかどうして充実のラインナップとなっております。
しかし、実はハイランドの真のおそろしさは、各種絶叫乗り物でもくるおしいまでのブラジル推しでもない事を、あなたは知っているだろうか。
ハイランドの真の恐ろしさ・・・ それは老朽化と海抜です!

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軒並みこんな感じ。

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乗り物が見えなかったら完全に廃墟写真のそれ。

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小さいお友達向け乗り物もこの有様。

雨ざらしになった安全バー。 劣化したスポンジからは水が滲み出し、身体に固定した瞬間別の意味でヒヤっとします。だってほら、服が濡れるから。
傾斜をゆっくりとのぼってゆくコースターからは、尋常ではない大きさの「ガタンコトン」という効果音が。
その旋律によって開かれるのは、破滅への扉なのか・・・? 『名探偵コナン・崩壊の前奏曲(プレリュード)』はこのあとすぐ!

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グルコサミン&コンドロイチン!

いまここにあるもうひとつの恐怖、海抜。
標高133メートルの鷲羽山に建てられたハイランドは、山の起伏を有効活用し、おびただしい量の階段を設置。
のぼれどのぼれどアトラクションには辿り着けません。
これはもう、遊園地ではない。 ちょっとしたトレッキングである! 

そして、浴びるほどの階段を制圧した先には、海抜を最大限に活かした乗り物が待ち受けています。

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「ターボドロップ」です。
いわゆるひとつのフリーフォールです。
どこの遊園地でも見かけそうな、ありふれた乗り物。
しかし、特筆すべきはその高さ。 なんとのぼりきった瞬間の海抜・200メートルからの自由落下なのです。

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頂きからの眺望。 ちょっとどうかと思うぐらいの高さ。

遥か眼下に見下ろすは瀬戸大橋。 そして雄大な瀬戸内海。
アガサもね、高いところはキライじゃないというか、むしろ俄然登っちゃうタイプなのですけどね、さすがに上昇している途中で「そろそろ止まるだろ・・」と思ってタワーを見上げましたよね。 
何気なく座ったベンチが海抜200メートルまで浮かび上がったようなものですからね。 いや、何気なくじゃなくて自己責任ですけどね。
ちなみに一緒に乗ったいもうとちゃんは最初から最後までずっと平井堅でした。(瞳を閉じていました)

と、ここまでずっと、視界に入っていたものの敢えて話題を避け続けていたとあるブツに関して、ついに世帯主さまが口火を切りました。

「で、いつ飛ぶの?」

そう、鷲羽山ハイランドの目玉アトラクション、バンジージャンプへのいざないです。

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よりにもよって頂上に設置してやんの。

園内随一の絶景ポイントにこちらえられたバンジー台。
海抜はおおよそ170メートル。
まあね、先程のターボドロップに比べれば30メートルも低いですけどね。

そっか、30メートルも低いのか!なあんだ!(←ちょっと感覚がおかしくなっている)

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気づいたら命綱を装着させられていました。

以前からテレビで芸人さんがバンジージャンプに怯えている姿を見るたびに、「へっ!なさけねえな!こんなの楽勝じゃん!」と豪語していた私に、世帯主さまからここぞとばかりに浴びせられた「飛べるんだよね?」「まさか飛べない訳ないよね?」「うっそー飛べないのー?またまたー冗談ばっかりー」という言葉の銃弾。
「引くに引けないってこういう事なんだな・・・」と思った時にはバンジー台の階段を踏みしめていました。

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ざっくり10階分の階段。 頂上にたどり着いた時には完全に息があがっていました。


おもてたんとちゃう!

なんかね、バンジー台ってね、地面にクッションが敷いてあるじゃないですか、当たり前ですけど。
それ目掛けてジャンプするんだと思いますよね。
そんでね、いざ台から下を見下ろしましたらね、クッション、ほとんど見えないんでやんの。
むきだしの大地へとダイブする感じなんでやんの。
聞いてない。 あと、海抜すごいから風に煽られる度がハンパないんだけど、それも聞いてない。
しかし、バンジージャンプにはルールがあり、5分以内にジャンプ出来なければ強制終了。(実際、飛ばずに退場されていた方も見かけました)
その上、事前に徴収された別料金(※1500円)は返金不可というではありませんか。 ナニソレ!MOTTAINAI!  ええい、ままよ!


心の中でブルジュ・ハリーファからダイブするトムをイメージ。

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記念のTシャツをもらいました。 

高さに対する恐怖心というよりは、「この命綱ホントに切れないの・・?」という老朽化関連の不安の方が大きかったのですが、いざ飛んでみると実に気持ちよくて、ボヨーンというバウンドはちょうたのしいし、跳ねが止まってからブラーンと宙吊りになっている状態も開放感たっぷりでさいこうでした! 
Tシャツいらないから別料金もうちょっと安くしてくんろ・・・(そしたら何回も飛べるのに)


というわけで、世帯主さまの鼻を明かし得心したトコロで、ハイランドの隠れた絶叫アトラクションへと移動。
一説によると「世界で最も怖い」とされるアトラクション、「スカイサイクル」です。

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これから皆さんにはこの上を自転車で走ってもらいます。

柵もない、命綱もない、転落防止ネットもない、ないないづくしのコースが設置されているのは地上約16メートル。 ビルディングにして4階建てに相当する高さだそうです。
まあね、まあね、菜箸の上にプラレールをのっけただけのようなシロモノに見えなくもない。そう、見えなくもない。
しかし、高さがどうのこうの言ったって、自転車でギコギコ漕いでいくだけの話じゃないか。
一周なんてあっという間だし、みんなちょっとオーバーに騒ぎすぎなだけなんじゃないの?

そう思っていた時期が、わたしにもありました。

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マジでなんも無かった!

とりあえずね、今まの人生で「乗ったこと」を後悔したアトラクションは初めてでしたね。
自転車はペダルが重くて思うように進まないわ、時々足元でグギャンって心もとない音を発するわ、レールは細いわ、自転車の「ママチャリくっつけただけ」感はすごいわ、ホントもう風が頬をくすぐるたびに何度も「もはやこれまでか・・・!」と思いましたよ。 誰だよこれ作ろうと思った人! どうかしてるよ!

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眺めだけはバツグンにいいです。

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ちなみにいもうとちゃんは乗ることを拒否しました。賢明な判断だと思います。

2台の自転車がヤジロベーのようにレールに乗せられた「スカイサイクル」。
スピードも遠心力もG(重力)もありませんが、「自転車がレールから外れてガターンって傾く」白昼夢や「谷間に吸い込まれてゆく」感覚、そして「生きるか死ぬか漕ぐか」という極限状態を味わう事ができる、最狂のアトラクションなのではないでしょうか。
バンジージャンプの数倍怖かったですよ!

ということで、念願のローラコースターや高所をおなかいっぱい堪能したちびっこも、絶叫系を諦めてひたすらメリーゴーランドに乗っていたいもうとちゃんも、サンバ隊のちちをじっとりと眺めた世帯主さまも大満足の、とてもたのしい一日でした。

鷲羽山ハイランドは年中無休。午前9時~午後7時まで絶賛営業中です。(平日は午前10時~午後5時。GWや長期休暇シーズンは延長営業あり)
盛りだくさんなアトラクション類は、大人2500円・子ども2000円ポッキリで全て乗り放題。(※バンジージャンプやお化け屋敷など、一部別料金)
もちろん、田舎なので駐車場は無料ですよ!田舎ばんざい!
岡山近郊にお住まいの皆さん、はたまた命懸けのスカイサイクルにチャレンジしてみたい方、おすすめですよ!



― おまけ ―

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いわゆるひとつのお化け屋敷。 別料金(ハイランド入場者は300円)が必要です。 生身の人間による驚かしを排除し、フルオートメーション化に成功したスリラーハウス。 館内に設置されたマジックミラーから、とびきりユニークなハリボテが人感センサーの指示により姿を浮かび上がらせます。 ただし、センサーが若干ポンコツなので、反応するのは基本的に「お客さんが通り過ぎた後」になります。 安心設計だね!

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バイキング方式のレストランも完備。 フォントが映画のアレとまるっきり一緒なのですが、著作権の問題とかだいじょうぶなのでしょうか・・・

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すきもの主婦が選ぶ佐野史郎映画ベストテン

2012年11月21日
晩秋だ!蒜山で初冠雪だ!ベストテン企画だ!

てな具合に、先日大人気ブログ・男の魂に火をつけろ! 様の「ホラー映画ベストテン企画」にちゃっかり乗っからせて頂いたアガサなのですが、今回はさらに便乗して、というか寄り道をして、「これだけは決めておかねばならないベスト」、否、「オレの人生のベスト・オブ・ベスト」というべき10本を選んでみようと思います。

そう、佐野史郎さん出演作ベストテンをね!

1986年のスクリーンデビュー以来、100本を超える作品に出演されてきた佐野さんですが、テレビドラマの例のアレの印象が強すぎて「映画・・・? 佐野史郎って何か出てましたっけ?」なんつって思っていらっしゃる方も少なくないのでは。 ちがうんですよ! 「何か」もなにも、いっぱい出てるんですよ! しかも脇じゃなく主演でね!
というわけで、沢山の出演作の中からアガサが独自の目線で選んだ魂の10本は以下のとおり。


1 『夢みるように眠りたい』(1986年)
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(林海象監督/深水藤子さん、吉田義夫さん、遠藤賢司さん、他)

映画初出演にして堂々主演を務めた記念すべき作品。
同時に林監督のデビュー作でもある本作は、全編モノクロ&サイレントで製作され、古き良き日本映画への愛が溢れかえる、切なくも美しい「活動写真」となっております。
謎の大富豪からの依頼を受け、誘拐された桔梗という女性を探す、名探偵史郎。
ゆでたまごをもしゃもしゃ食べる姿にキュン死必至です。
「夢みるように眠りたい」というタイトルの意味が映像とリンクするラストシーンも素晴らしい。


2 『カラオケ』(1999年)
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(佐野史郎監督/段田安則さん、黒田福美さん、他)

佐野さん初監督作品は、意外にも「普通」の物語だった!

大方の期待(というかイメージ)に反し、佐野さんが描いた風景は、少し懐かしく、どこにでもある情景。
平凡な毎日の中にふと落とされた「同窓会」という非日常が、せわしくも生きる大人たちの心をさわさわと波立てる様を、優しい眼差しで描いた秀作です。
詳しい感想はこちら


3 『ぼくらの七日間戦争』(1988年)
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(菅原比呂志監督/宮沢りえさん、生徒、先生、他)

アガサが「佐野史郎」という俳優さんをはじめて認識したのは、『はいすくーる落書き』という学園ドラマでして。
陰湿でこわい先生役を演じていた佐野さんが、レンタルビデオ屋さんの店内で流れていた『ぼくらの七日間戦争』の映像を観ながら「宮沢さん元気かな・・」みたいな事を呟くシーンがありまして、それを見た瞬間、当時高校生だったアガサはなんだか訳もなく興奮してですね。 
「あっちではあんな先生でこっちでもこんな先生で・・同じ人なんだけど別の人!」みたいな。パラレルワールドに迷い込んだような感覚に陥って、そんな「遊び」をしてしまう佐野さんという役者さんに、物凄く惹かれてしまったのでした。 マジでけっこんしてほしいよね!(←さりげなく盛り込んでみた)
そんな想い出の詰まった本作は、今よりも3割くらい細い佐野さんの体型が眩く、神経質に叫ぶさまが非常に愛おしい、最高のオレ得映画なのであります。 
あと余談ですけど、宮沢さんもかわいいよ!


4 『さよなら、こんにちは』(1990年)
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(福田陽一郎監督/南果歩さん、露口茂さん、他)

佐野さんが大都会の真ん中で南果歩さんと愛をさけぶロマンティックラブコメディ。(ホントは叫ばない)
海外だったらトム・ハンクスとメグ・ライアンが演っていそうな、不器用な男女のすれ違い劇場。 ありえないようで実は(ドラマ的には)ベタな出会いに戸惑う史郎。恋に奥手でもじもじする史郎。自分に自信が持てずいじいじする史郎に壮絶キュン死必至。(←2回目)


5 『毎日が夏休み』(1994年)
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(金子修介監督/佐伯日菜子さん、風吹ジュンさん、他)

通勤拒否のおとうさんと登校拒否のムスメさんがそれぞれのしがらみを断ち切り、家族で手に手を取って社会貢献してゆこうとするほのぼのコメディ。
「エリートサラリーマン」で「容姿端麗」で「女性社員の憧れの的」だったおとうさん役を演じる佐野さんの、圧倒的説得力ときたら! あるよ説得力!あるったらあるの!
いや、何を隠そう佐野さんはこの手の役柄が結構多いのですよね。ホントですよ。変質者ばっか演じている訳じゃないのですよ。
本作でデビューを果たした佐伯日菜子さんの神々しいまでの可憐さも必見。


6 『青春デンデケデケデケ』(1992年)
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(大林宣彦監督/ちっくん、大森嘉之さん、浅野忠信さん、明石のタコ、他)

大林監督作の中でも一二を争う名作(※アガサ調べ)に、佐野さんもちょこっと登場。
主人公のバンド小僧たちが楽器代を稼ぐ為バイトするかまぼこ工場の、エキセントリックな先輩役として作品に爪痕を残す史郎。 ラストのライブシーンでの輝きは、主人公たちのそれをも凌ぐ・・・!(※あくまでアガサ調べ)
作品そのものもとにかくとても素晴らしく、何かに夢中になる学生時代特有の高揚感、異性間で繰り広げられる甘酸っぱい情景に、きっとあなたも胸を締め付けられるはず。
浅野忠信さんのギター少年っぷりにも悶絶。 ギター+眼鏡=至高!


7 『あふれる熱い涙』(1992年)
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(田代廣孝監督/ルビー・モレノさん、戸川純さん、他)

嫁不足に喘ぐ東北の農村に嫁いできたフィリピン人妻ルビー・モレノさんと、その寡黙すぎる夫のすれ違い。
17歳の少年に子どもを殺された被害者遺族の佐野さんと、加害者家族戸川さんのこんがらがった愛。
「誤解」や「偏見」にがんじがらめになって苦しむ2組のカップルが辿り着く、それぞれの結末とは・・・。
佐野さんがまたもや「知的」で「ハンサム」で「モテてモテてしょうがない」役に扮し、哀しみを越え前に進もうともがく男性を熱演。かっこよすぎて目眩がするので、横になって鑑賞することをおすすめします。
微かな、しかし確かな希望を感じさせるラストは、製作の段階から脚本にも深く関わっていた佐野さん発案だそうで、なんつうか、天は二物も三物も与えちゃった?って感じ?みたいな?
奥さんの石川真希さんも、劇中の「奥さん」役でサブリミナル的に出演。


8 『ちぎれた愛の殺人』(1993年)
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(池田敏春監督/横山めぐみさん、余貴美子さん、他)

『人魚伝説』の池田監督と『死んでもいい』の石井隆脚本による猟奇サスペンス。
もはや定番といっていい「知的」で「フェロモンの塊」で「なんかもうゆく先々でモテまくる」大学教授役の佐野さんが、怪奇俳優の面目躍如というべき怪演を披露しています。
映画が作られたのは、タイミング的に「冬彦」さんやインスマス面のすぐ後の頃だったと思いますが、「みんなが求める(キモくて不気味な)佐野史郎像」にきっちり応えたばかりか、「いや・・あの・・・そ、そこまでやってくれなくてもよかったんだけど・・・」と若干引くぐらいのロン毛女子コスまで盛り込んでおり、そんな佐野さんの役者魂に圧倒された覚えがあります。


9 『ゴジラ2000 ミレニアム』(1999年)
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(大河原孝夫監督/村田雄浩さん、阿部寛さん、ゴジラ、タコ型宇宙人、宇宙怪獣オルガ、他)

幼少期に東京から松江へと居を移した佐野さんが、慣れない環境の中不安な日々を送っていたその当時出会った『キングコング対ゴジラ』。 
その造形と迫力に瞬く間に夢中になり、以来自他ともに認める熱狂的なゴジラファンとなったのだそうです。 なんかね、紙じゃ足りなくて、襖にでっかくゴジラの絵とか描いていたらしいですよ。子どもの頃。なんだよそれ。かわいらし過ぎるだろ。

そんな佐野さんが満を持して登板した『ゴジラ ミレニアム』。
作品としては頭のてっぺんからしっぽの先までツッコミ所の塊で、ゴジラが大活躍するまで(本編のほぼ3分の2くらい)やたらとダラダラしている為ノルにノレない生殺し状態が続き、非常に退屈な内容なのですが、それらの不満を吹き飛ばすかのようにきらめく史郎が画面の隅で飛び回り、観ているこちらは明日にときめく状態で、最終的には「史郎が(ゴジラに出演出来て)幸せそうだから、まぁ、それでいいや・・」と大納得してしまうという、奇跡的な1本に。
ちなみに佐野さんはこの後2本のゴジラ作品に出演。 ゴジラリスペクトな特撮映画『長髪大怪獣ゲハラ』でも輝きまくっておりますので、ホントにね、よかったね!と言いたいですね、ぼかぁ!


10 『LSD -ラッキースカイダイアモンド-』(1990年)
史郎10
(橋本以蔵監督/網浜直子さん、中村れい子さん)

10本目は映画ではないのですが、どうしても外せないオリジナルビデオ作品を。
あたまのおかしいカップルが街中で拉致してきた若い女性を虐めに虐め抜くお話なのですが、本当にただそれだけなので、観ているうちにこちらの頭までなんだかおかしくなってきそうに。
演じていたご本人である佐野さんをして「観終わったら気持ち悪くなった」と言わしめた狂気の作品。
ダンボールからニョキっと飛び出す史郎はこわいを通り越してKawaii!といっても過言ではないのではないか。いや過言か。よし、けっこんしてくれ。





いかがでしたでしょうか、佐野史郎映画ベストテン。
あなたの心には何が残りましたか。
アガサの心にはあーんな史郎やこーんな史郎が残りましたよ。 というか今回の記事を書くにあたって、廃盤になっていない作品を立て続けに観直したので、夢にダンボ-ル史郎が出てきました。 もちろん、ありがたいこってすよ!

入りきらなかった作品は、緑のスライムがデンデロリーンってなって佐藤浩市がキャッってなる怪奇映画『感染』、ジェームズ・スペイダー級の色気を発揮するもあっさり退場してしまう『帝都物語』、弟にしたい俳優ナンバー1の異名を欲しいままにした(※アガサ調べ)『寝取られ宗介』、佐野さんが大好きだった原作の世界観を自ら見事に体現してみせた『ゲンセンカン主人』などなど。
ま、それ以外のどの作品も最高にすてきなのですけどね! 順番なんかつけらんねーな!

ただひとつ、こんなアガサですがどうしても好きになれない作品がありまして、なぜこんな作品を作ったのか、なぜこんな作品に出演されたのか、出来ることなら佐野史郎さんを小一時間問い詰めたいのがこちら、『完全なる飼育 赤い殺意』。
小学校の下校途中に誘拐され、以来10年間犯人である中年男に監禁され続けてきた少女が、たまたまその家に迷い込んできた傷を負ったホストの男性と体の関係を結び、性の喜びを知り・・・ という物語なのですが、とにかく不快です。車の窓から手を伸ばし少女を拐う史郎も不快ですし、安っぽいポルノみたいな性行為のシーンも不快。
実際にこういう監禁事件は起きていますし、そういう痛ましい現実から目をそらさない事は大切だと思うのですが、「暴力」「支配」「抑圧」からの「解放」という荒々しい流れは合間にはさまれたポルノ部分によって澱み、「性の解放」と「心の解放」も一緒くたにされてしまって、なんだかとても虚しくなりました。
これを観終わってしばらくの間は、危うく史郎の事まで嫌いになりそうでしたからね・・。
今でも「もう二度と観たくない」作品として忘れられない1本です。(そう思わされている時点で、若松監督の思うツボなのかもしれませんけどね!)


それではみなさんも、よい佐野史郎映画を!




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2012年08月27日のツイートしなかったツイート

2012年08月28日
「わたしは○○ちゃんのお母さんでも○○さんの奥さんでもない!」とか「家事や育児を押し付けられて、まるで奴隷だ!」って嘆いてる人たちを見ていると「あなたは何を怯えているの?まるで迷子のキツネリスのよう・・」って声を掛けたくなるんだけど、前にどえらい怒られた事があるからオレ言わない。
23:36:16 via web


呼び名が「旧姓」だろうと「配偶者の姓」だろうと「○○ちゃんのお母さん」だろうと「○○さんのおくさん」だろうと、「自分」はあくまで「自分」だと思っているので別段気にならない性格です。
23:38:48 via web


「結婚したら家事とか押し付けられて自分の人生じゃなくなる」みたいな事を時々目にするんだけど、結婚だけがそうなんじゃなくて、たとえば「遊んで暮らすだけ」でよかった幼稚園から「勉強と協調性を強いられる」小学校へと居場所が変わる時にもそういう「理不尽さ」ってあったんじゃなかろうか、と。
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「部活して勉強する」だけでよかった学生から「責任を持ってお金を動かす」社会人へ移った時とかも。 自分が一生を過ごしてゆく中で、何かに属したり誰かと共にいようとしたら、今までとは違う責任を負わなきゃいけなくなるのは当たり前だと思うんですよね。「結婚生活」も、私にとってはそんな感じ。
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お互い「自分が出来ることをやる」という考えのもと、以前は共働きしながら家事したり手を抜いたりしていて、今は世帯主さまにおぜぜを稼いでもらって、その代わり家の事は私が責任を持っている、という。ただそれだけの事だったりします。 「おまえら(家族)の滋養強壮はオレに任せろ!」みたいな。
23:46:20 via web


まぁ、そんな事言いながら、そうめんばっか茹でてる訳なんすけどね・・・エヘヘ
23:47:21 via web


もちろん、DVとかは論外ですよ。ブラック企業みたいなものなので、はやいトコ転職(離婚)する方がいいと思うし、それが可能なように行政にはサポートして貰いたい。自立の支援も含めて。あと、共働きなのに奥さんばっか家の事負担してる・・っていうのもカチンとくる。 春闘だ!ストライキだ!
23:51:45 via web


まぁともかく、折角「好きになった赤の他人」と一緒に長いこと暮らして行けるんだから、マイナスな方向にばっかり考えるんじゃなくプラスになるように考えたいです。 世の奥さん方に「そうすべし」なんて押し付けるつもりは毛頭ないです。ただ、私がそうしたいだけで。だってその方がたのしいから。
23:55:55 via web


みたいな事を延々ツイートなんてしたら、「抑圧されてる事に気づかず、さらに他人に抑圧を強いてる女の敵!」ってどえらい怒られるから、オレ言わない。
23:59:26 via web



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きょうのおしごと。

2012年08月27日
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(ビフォー)

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(アフター)

草を抜いていました。



【おしまい】

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