『300<スリーハンドレッド>』
2007年06月12日
むせ返るような漢臭(おとこしゅう)。

映画館で映画を観る。 という事が、とってもゴウジャスな行為だと思わずにはいられない今日この頃。
皆さんは月にどれ位のペースで、劇場に足を運んでいらっしゃるのでしょう?
アガサも若さ爆発20代の頃は、家で映画を観るのと変わらないペースで劇場に通っていたものですが、今ではもっぱら自宅鑑賞メインでございます。
大スクリーンで鑑賞出来るのなんて、月に1本あれば御の字・・・。
そんな貴重な劇場鑑賞を、毎回全身全霊をもって楽しもうとしているアガサなのですが、なんと今回は信じられない出来事が、その鑑賞中に起こったのです!
信じられない出来事・・・。
それはタ バ コ 。
なんと、どこかのアホが鑑賞中に、タバコを吸っていやがっていたのです!
意味がわからんわ!
上映前に、場内放送で「喫煙禁止」って言われてたのに、もう忘れたんか?おっさん?(どう見てもカタギに見えないおっさんだった)
で、そんな暴挙をしこたま働いた上、なんとそのおっさんは連れの若い衆を引き連れて、本編を5分以上も残した段階で、さっさと場内から出て行ってしまったのです!
だから、意味がわからんわって!
確かにクライマックスは過ぎた(感はあった)。
でも、まだ登場人物が喋っているのに退室て!
なんや? 「オチが気に入らんかったから途中退場」って、
カンヌか? ここは?!
とっても残念なおっさんのせいで、折角の貴重な劇場鑑賞に大きなケチがついてしまった事が、無念でなりません。
しかし、そんなケチもなんのその!
真に力を持つ物(『300』)の前では、小ざかしい虚勢など吹き飛んでしまうのである!
と言う訳で、今年に入って目にした予告編の中で、最もアガサの心を鷲掴みにしたサンダル・アクション大作 『300』 を、念願かなって鑑賞する事が出きましたので、こざっぱりとレビューなど行ってみたいと思います。
あらすじ・・・
紀元前480年、ギリシャの都市・スパルタ。
そこでは病弱に産まれてきた者は赤子のまま捨てられ、健康な男子は幼い頃から“闘う事”を強く教え込まれて育てられました。
数多の苦難を乗り越えて、無事戦士として成人を迎えた彼らは、スパルタ人としての誇りを一番の武器に、数々の戦争に勝利して来た。
彼らの辞書には、 「降伏」 「退却」 「服従」 の3文字は無いのである!
で、ある日そんな血気盛んなスパルタ国に、アジア全域を降伏させてきたペルシャ軍が接触を図ってきます。
「降伏するか全滅するか、どっちがいい?」
と、およそ外交とは程遠い上から目線に、スパルタ国王レオニダスがキレた!
ペルシャ軍の偉そうな使者を、丁度近くにあったおあつらえ向きな井戸に突き落とし、宣戦布告をしてしまったレオニダス。
しかし、スパルタの法律を決める有権者会議で、レオニダスの「戦争やろう」案はあっさり却下。
納得行かないレオニダスは、スパルタが誇る新進気鋭の猛者をチョイスして、僅か300人の精鋭部隊でペルシャ軍を迎え撃つ事を選ぶのでした。
もちろん、生きて帰れる保障など、ゼロに等しい事は判っていても・・・。
たとえ最後の一人になっても、国の為に戦い抜く・・・。
それがスパルタ人の魂だから・・!
かっこいいいいいいいいーーーー!!(泣)
もう一回言っとこ
スパルタンかっこいいいいーーーーーー!!!(爆泣)
いつもクリックありがとうございます
← ←よろしかったら今日も一押し・・
もう、文句なし、アガサの今年のベスト1決定です。(6月10日調べ)
原作は『シン・シティ』のフランク・ミュラー。
ならば当然と言えば当然ですが、それにしても映像のかっこよさと言ったら、もう何ものにも比べようがありません。
“ 『マトリックス』以来の映像革命 ”とか言われていますが、ホント、ワーナーブラザーズさんの仰る通りですね。
アノ映画を観た時に感じた、胸の動悸、手足のしびれ、関節の痛み(それは違うか)、眩暈すら覚える戦闘シーンの美しさ。
それらがパワーアップして、徒党を組んで帰って来た!
それが 『300』 なのだ!
スパルタの男たちは、みんな(顔が)濃い。
そしてパンイチ(パンツ一丁)。
そしてサンダル。
何より筋肉隆々。
ステキです。
アガサの中の漢(おとこ率)が、グングン上がっていくような気がします。(※通常時40% → 70%)
『ロッキー・ザ・ファイナル』といい、この作品といい、なんだか「今年のアガサは体を鍛えよ」と、大きな陰謀による働きかけがなされているようで、気もそぞろな昼下がり。(意味不明)
「戦場で祖国の為に死ぬ事こそ、一番の名誉」
と言う、どこかの都知事が聞いたら嬉し泣きするんじゃないかと思うような、一見痛すぎる思想を、大真面目に胸に刻んでいるスパルタの兵士たち。
しかしそれは、ただ単に頭の中が筋肉パラダイスで「男の美学」なんて自分に酔っているのではないのです。
彼らは生まれもっての戦士であり、祖国や愛する者に対して恥ずかしくない生き様を刻む事が、彼らの人生の最終目標なんです。
それはすなわち、正しき事をする。
自分の信念を裏切らない。
祖国を救う道ではなく、祖国もろとも滅びる道であろうとも、彼らは人間としての誇りを捨てない。
はたから見れば、甚だ迷惑な漢(おとこ)道ですが、これが小気味いいと感じてしまう、まさに「スパルタ・マジック」。
アガサはその魔力に、首までどっぷり漬かってしまいました。
地面を埋め尽くすような敵の大軍を前に、自分の本気モードを披露出来る喜びにほくそえむスパルタの漢(おとこ)たち。
不死身の特殊部隊が襲ってくれば、「ホントに不死身かどうか試してみよう」と息巻くスパルタの漢(おとこ)たち。
強いです。
絶対的に強いのです。
これはもう、「観ていて気持ちいい」としか言い様が無い程の、圧倒的強さ。
肉体的にも・・。 精神的にも・・。
私は“名誉の戦死”を美しい事とは思いません。
しかし、スパルタンたちが持つ“強さ”と言う物は、私たちがもっと持つべき“強さ”なのではないかと言う気がしてなりません。
フランク・ミラーと言う希代の天才作家と、映画表現の最新技術が最高の形で結ばれて生まれた、漢たちの信頼と絆とプライドの物語。
この作品が、映画史の中の『スターウォーズ』や『ジュラシック・パーク』、『マトリックス』の様に、
「『300』前と『300』後」
と言う言葉でこれから先、色んな所で引き合いに出される事は間違いないのではないでしょうか。
で、また劣悪な二番煎じモノも登場するのでしょうね、きっと。(予想例『スパルタン300』『301スパルタン』)
映画を観る。 という事の幸せを、改めて実感した一本でした。
♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ → 
映画館で映画を観る。 という事が、とってもゴウジャスな行為だと思わずにはいられない今日この頃。
皆さんは月にどれ位のペースで、劇場に足を運んでいらっしゃるのでしょう?
アガサも若さ爆発20代の頃は、家で映画を観るのと変わらないペースで劇場に通っていたものですが、今ではもっぱら自宅鑑賞メインでございます。
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そんな貴重な劇場鑑賞を、毎回全身全霊をもって楽しもうとしているアガサなのですが、なんと今回は信じられない出来事が、その鑑賞中に起こったのです!
信じられない出来事・・・。
それはタ バ コ 。
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意味がわからんわ!

上映前に、場内放送で「喫煙禁止」って言われてたのに、もう忘れたんか?おっさん?(どう見てもカタギに見えないおっさんだった)
で、そんな暴挙をしこたま働いた上、なんとそのおっさんは連れの若い衆を引き連れて、本編を5分以上も残した段階で、さっさと場内から出て行ってしまったのです!
だから、意味がわからんわって!

確かにクライマックスは過ぎた(感はあった)。
でも、まだ登場人物が喋っているのに退室て!
なんや? 「オチが気に入らんかったから途中退場」って、
カンヌか? ここは?!
とっても残念なおっさんのせいで、折角の貴重な劇場鑑賞に大きなケチがついてしまった事が、無念でなりません。
しかし、そんなケチもなんのその!
真に力を持つ物(『300』)の前では、小ざかしい虚勢など吹き飛んでしまうのである!
と言う訳で、今年に入って目にした予告編の中で、最もアガサの心を鷲掴みにしたサンダル・アクション大作 『300』 を、念願かなって鑑賞する事が出きましたので、こざっぱりとレビューなど行ってみたいと思います。
あらすじ・・・
紀元前480年、ギリシャの都市・スパルタ。
そこでは病弱に産まれてきた者は赤子のまま捨てられ、健康な男子は幼い頃から“闘う事”を強く教え込まれて育てられました。
数多の苦難を乗り越えて、無事戦士として成人を迎えた彼らは、スパルタ人としての誇りを一番の武器に、数々の戦争に勝利して来た。
彼らの辞書には、 「降伏」 「退却」 「服従」 の3文字は無いのである!
で、ある日そんな血気盛んなスパルタ国に、アジア全域を降伏させてきたペルシャ軍が接触を図ってきます。
「降伏するか全滅するか、どっちがいい?」
と、およそ外交とは程遠い上から目線に、スパルタ国王レオニダスがキレた!
ペルシャ軍の偉そうな使者を、丁度近くにあったおあつらえ向きな井戸に突き落とし、宣戦布告をしてしまったレオニダス。
しかし、スパルタの法律を決める有権者会議で、レオニダスの「戦争やろう」案はあっさり却下。
納得行かないレオニダスは、スパルタが誇る新進気鋭の猛者をチョイスして、僅か300人の精鋭部隊でペルシャ軍を迎え撃つ事を選ぶのでした。
もちろん、生きて帰れる保障など、ゼロに等しい事は判っていても・・・。
たとえ最後の一人になっても、国の為に戦い抜く・・・。
それがスパルタ人の魂だから・・!
かっこいいいいいいいいーーーー!!(泣)
もう一回言っとこ
スパルタンかっこいいいいーーーーーー!!!(爆泣)
いつもクリックありがとうございます

もう、文句なし、アガサの今年のベスト1決定です。(6月10日調べ)
原作は『シン・シティ』のフランク・ミュラー。
ならば当然と言えば当然ですが、それにしても映像のかっこよさと言ったら、もう何ものにも比べようがありません。
“ 『マトリックス』以来の映像革命 ”とか言われていますが、ホント、ワーナーブラザーズさんの仰る通りですね。
アノ映画を観た時に感じた、胸の動悸、手足のしびれ、関節の痛み(それは違うか)、眩暈すら覚える戦闘シーンの美しさ。
それらがパワーアップして、徒党を組んで帰って来た!
それが 『300』 なのだ!
スパルタの男たちは、みんな(顔が)濃い。
そしてパンイチ(パンツ一丁)。
そしてサンダル。
何より筋肉隆々。
ステキです。
アガサの中の漢(おとこ率)が、グングン上がっていくような気がします。(※通常時40% → 70%)
『ロッキー・ザ・ファイナル』といい、この作品といい、なんだか「今年のアガサは体を鍛えよ」と、大きな陰謀による働きかけがなされているようで、気もそぞろな昼下がり。(意味不明)
「戦場で祖国の為に死ぬ事こそ、一番の名誉」
と言う、どこかの都知事が聞いたら嬉し泣きするんじゃないかと思うような、一見痛すぎる思想を、大真面目に胸に刻んでいるスパルタの兵士たち。
しかしそれは、ただ単に頭の中が筋肉パラダイスで「男の美学」なんて自分に酔っているのではないのです。
彼らは生まれもっての戦士であり、祖国や愛する者に対して恥ずかしくない生き様を刻む事が、彼らの人生の最終目標なんです。
それはすなわち、正しき事をする。
自分の信念を裏切らない。
祖国を救う道ではなく、祖国もろとも滅びる道であろうとも、彼らは人間としての誇りを捨てない。
はたから見れば、甚だ迷惑な漢(おとこ)道ですが、これが小気味いいと感じてしまう、まさに「スパルタ・マジック」。
アガサはその魔力に、首までどっぷり漬かってしまいました。
地面を埋め尽くすような敵の大軍を前に、自分の本気モードを披露出来る喜びにほくそえむスパルタの漢(おとこ)たち。
不死身の特殊部隊が襲ってくれば、「ホントに不死身かどうか試してみよう」と息巻くスパルタの漢(おとこ)たち。
強いです。
絶対的に強いのです。
これはもう、「観ていて気持ちいい」としか言い様が無い程の、圧倒的強さ。
肉体的にも・・。 精神的にも・・。
私は“名誉の戦死”を美しい事とは思いません。
しかし、スパルタンたちが持つ“強さ”と言う物は、私たちがもっと持つべき“強さ”なのではないかと言う気がしてなりません。
フランク・ミラーと言う希代の天才作家と、映画表現の最新技術が最高の形で結ばれて生まれた、漢たちの信頼と絆とプライドの物語。
この作品が、映画史の中の『スターウォーズ』や『ジュラシック・パーク』、『マトリックス』の様に、
「『300』前と『300』後」
と言う言葉でこれから先、色んな所で引き合いに出される事は間違いないのではないでしょうか。
で、また劣悪な二番煎じモノも登場するのでしょうね、きっと。(予想例『スパルタン300』『301スパルタン』)
映画を観る。 という事の幸せを、改めて実感した一本でした。


『エレクトラ』
2007年01月13日

日本では、かなり多くの人口からそっぽを向かれたであろう 『デアデビル』。
公開当時は、「暗い」だの「湿っぽい」だの「CGが雑」だの「ダーク」だの「明るくない」だの「光が足りない」だのと散々な言われ様で、ベン・アフレックが日本語を解せ無くてつくづく良かったと思ったりしたものでした。
ちなみに、私は好きだったりしますが。
そんな暗いイメージと、痛々しい興行成績だけを私達に残して記憶の彼方に消え去った『デアデビル』から、ヒロイン・エレクトラだけを抜き出したスピンオフ作品が製作される、と聞いてからどれくらいの時が流れたのでしょう。
知らない間に公開され、知らない間にDVD化され、知らない間に旧作7泊8日コーナーに並んでいた『エレクトラ』を、病み上がりのユルい脳細胞のリハビリ用に、いざ、鑑賞!
あらすじ・・・
エレクトラは一度死にました。
覚えている方は少ないでしょうから説明して置きますと、恋人デアデビルといちゃついている時、ブルズアイとか言う丸坊主のチンピラに刺殺されたのです。(←かく言う私もよく覚えていない)
しかし、駆けつけた救命士に匙を投げられたエレクトラの遺体は、何の因果か善の秘密結社キマグレの手に渡り、そのリーダースティックから気功パワーを注入される事により、生き返ったのです。
“キマグレ”・・・カタカナ表記に惑わされそうになりましたが、要は“気紛れ”という事ですね。
名前をつける時、もう少しましな単語は無かったのでしょうか?
完全に出オチの香りがします。
スティックの元で、様々な柔術の訓練を受けたエレクトラでしたが、ある日理不尽な破門を受けます。
仕方ないので、特技の用兵術を生かして暗殺者としてデビュー。
暗殺者にあるまじき派手な衣装(真っ赤なパツパツパンツ)と、依頼人の予想を上回る派手な殺しっぷりが評判を呼び、今では引く手数多の一流暗殺者です。
そんなエレクトラは、新たな指令を受けて向かったリゾート地で、標的の指示が来るまでつかの間の休息を得ます。
ある日、エレクトラのコテージにアビーと言う小生意気な少女が不法侵入。
余裕のニンジャ技で、アビーを追い返したエレクトラでしたが、その次の日にはアビーの父・マークがまたもやコテージの敷地内に不法侵入。
とっても嫌そうに応対するエレクトラの態度が、大人げなくてステキです。
映画に出てくる小生意気な少女の定説どおり、ホントは寂しいお年頃なアビーに誘われ、父娘の家のクリスマスディナーに行く事になるエレクトラ。
アビーの母親が一年前に亡くなっている事を聞き、同じく幼い頃母を亡くした自分と重ね合わせ、一気に親近感アップです。
そして、「なんじゃこのフニャケたホームドラマは?」と、観ているコチラの脳細胞がをユルくなり始めた頃、やっとエレクトラの元に指令が届きます。
なんと、その標的はアビーとマーク。
プロらしく、驚きを顔に出さず暗殺に向かったエレクトラでしたが、結局土壇場で躊躇してしまいます。
「あんな、ハリウッドのラブコメに出て来がちなニヤケたハンサムと、
と、どうしても納得行かなかったエレクトラは職場放棄。
逆に、新たに送り込まれてきた別の暗殺者から2人を助ける羽目になります。
その別の暗殺者は、邪悪なる秘密結社“ザ・ハンド”の元から送り込まれたニンジャ・・・!
難なくニンジャを返り討ちにしたエレクトラでしたが、それを知ったザ・ハンドはさらに手強い隠密同心を、彼女達の元に差し向けていたのでした。
どうしてアビーとマークは殺されなければいけないのでしょうか?
ザ・ハンドが狙う“宝”の正体とは?
そして、エレクトラ自身が抱えるトラウマ(母の死)の真相は?
まず、観ている方に元ネタ『デアデビル』を全く思い出させない、丁重な作り。
「どうせキッチリ覚えてる奴なんていねーよ」と言う、スタッフの
日本人に向けたサービスなのか、原作に忠実なだけなのか判らない、日本文化のトンデモ描写は、いちいち取り上げるまでもないのですが、それにしても謎が謎を呼ぶシャマラン映画並みの不可解ストーリー。
その一部をザッとご紹介しますと、

なんでもこの(エレクトラの)世界は善の軍団と悪の軍団に分かれていて、その軍団のどちらか、“宝”と呼ばれる女の子を手に入れたほうが“勝ち”なんでそうです。
・・・騎馬戦か?
・・帽子裏返したらええのんか?
で、その軍団はどちらも日本人が支配しているようです。
会話の端々に日本語が混じっていますので、きっとそうなのでしょう。
ただし、全員中国人か韓国人に見えますが。

アビー&マーク父娘の元に、ザ・ハンドから差し向けられたニンジャを捕らえたエレクトラは、尋問を開始。
「ダリノメレデキータノ」(誰の命令で来たの)
コレに対してニンジャは
「ジキーニワカルーサ」(じきに判るさ)
・・どっちも(カタコト)かよ!!
エレクトラとスティックの会話も、ザ・ハンドの組織内での会話も英語だったのに、どうしてこのシーンだけ日本語だったのか・・・。
そして、画面横には日本語字幕、画面下には英語字幕まで出る念の入り様。
だったらもう、英語でいいじゃない。(プンスカ!)

ザ・ハンドの首謀の息子、キリギ。
首に「反抗」と、判り易い思春期の主張を刺青しているキリギは、出来損ないのニンジャみたいな半端な手下は使わず、
タトゥ(体中に刺された刺青の絵が、実体化して飛び出し人を襲う)、
タイフォイド(触れた物の命を奪う)、
キンコウ(すごくバランス感覚がいい)、
ストーン(すごく体が丈夫)、の4人を率いて“宝”を奪還にやって来ます。
来るんです。
・・・謎の白い特攻服を来て。
背中に大きく刺繍された空の字。
前身ごろや袖部分にも、何か色々刺繍されているようでしたが、「夜露死苦」とか・・はさすがに無い様です。
なのですが、信じられない事に胸の辺りに「芋」と書いてあったような気が・・・。
まさか・・「芋」は無いだろ「芋」は・・・いや、でもアレは確かに「芋」と言う字だった・・・そんなまさか・・大体「芋」って何よ・・・俺たちは腐った芋じゃねぇ!って?・・・んなアホな・・いやまてよ、やっぱりアレは「芋」・・(略)と、ヘンなスパイラルに陥る事一時間。
結局、キリギの国籍が判らなかったように、「芋」の真相も闇の中に・・。
もしかすると、この作品自体が芋みたいなものだと、暗に伝えたかっただけなのかもしれませんね。

少女だったエレクトラが発見した、母親の死体。
殺したのはなんと、キリギだった!!

エレクトラの豪邸に忍び込んで、彼女の母を殺したキリギ。
何故なのか?
理由を知る前に、エレクトラがキリギを刺殺した為、真相は永遠に謎です。
結論・・・復讐イクナイ!!
まだまだ、実は“宝”の正体だったアビーが、誰にどう言われても“神童”に見えない点とか、エレクトラとマークが、何の予兆も無くいきなりラブラブになっていた点とか、実は「私も過去には“宝”だった時期があったのよ」と言うタイフォイドの衝撃の告白が、サックリと放置されていた点とか、ザ・ハンドの首謀であるローシが息子のキリギを殺されても無反応で、“宝”を奪いにも来ない点とか、もう謎でお腹いっぱいです。
そして、その謎もどうでもいいや・・と言う気持ちになる、ユルいアクションとストーリー展開。
これぞ、ハリウッドマジック!
怒る気も湧いてきません。
ただ、『デアデビル』ファンとしては、ワンシーン(カメオでも)いいのでデアデビルの姿が映って欲しかった気がします。
どうせ旦那(※)なんだから・・ケチケチすんなよ。
それと、日本でもすっかり忘れ去られた感のある、野獣ボブ・サップさんですがどんなハリウッドデビューを果たしていたか、と言う事ですが、
● 頭がラーメンマン
● セリフ「ウォー!ウォー!」
● 丸太の下敷きになり、出番終了
と言うとても充実した数秒間を堪能出来ました、とだけ書いておきます。
(※)エレクトラ(ジェニファー・ガーナー)とデアデビル(ベン・アフレック)は実生活で夫婦です。


『V フォー ヴェンデッタ』
2006年09月17日
V・・・!
ある時は重度のロリコン、
ある時はヴィンテージマニア、
ある時はコスプレオタク、
またある時はハイレベルなドミナー、
その正体とは・・・!
世紀の大泥棒!
「あの方は何も盗まなかったわ・・」
「いいえ、やつは大変な物を盗んでいきました・・
あなたの心です」
まぁ、大まかに言えばそんな映画です。
大まか過ぎですか?
ちなみに正確なあらすじは、
第3次大戦後のイギリス。
そこは、元アメリカをも凌ぐ、世界一の大国になっており、指導者は恐怖と言う名の独裁政治によって、人々を統治していました。
そんな国家に対して、革命を企てている男が一人。
その名は・・ V。
秘密警察に暴行されそうになっていたイヴィー(EV)は、危ない所をVに助けられた事から、Vと行動を共にする事になります。
Vのアジトに匿われたイヴィーでしたが、彼の余りに過激な行動に恐れを抱き、協力するフリをして、Vの元から逃げ出します。
しかし、匿ってくれていた同僚が秘密警察によって捕らえられ、何とか逃げ出したイヴィーもまた、公安に捕らえられてしまいます。
監禁され、拷問を受けるイヴィー。
Vの居場所を密告する事だけが、自由になる手段でしたが、頑なに自白を拒むイヴィー。
連日の拷問に、身も心も限界に近づきつつあったイヴィーの元に、ある日彼女の独房の壁に空いた小さな穴から、一枚の告白文が差し込まれます。
その中には、同じように横暴な政府によって捕らえられ、今にも事切れそうな女性の人生が綴られていました。
その文を読む事だけが、イヴィーにとっての救いになって行き、最後の文章を受け取った時、イヴィーの中で何かが変わったのでした。
死をも恐れない、強い心を持ったイヴィー。
そんな彼女に解放を告げる公安。
その公安の正体は・・・、何とVでした!
Vの狙いとは一体?
そして、Vの正体とは?
この作品が公開された頃、マスコミで一斉に流されていた情報、それが
『マトリックス』のクリエイターが送る、近未来アクション・サスペンス!
ナタリー・ポートマンがリアル坊主に!
原作はイギリスのコミック!
と言う物でした。
そこから当然のごとく連想される展開としては、
『マトリックス』ばりの最新VFXアクション!
ナタリーポートマンが、坊主頭でトリニティばりに大活躍!
仮面の男との淡いラブロマンスなんぞも、あったりしちゃったりなんかして!
だと思うのですが、それを期待して観たらとんでもない目に会います。
まずは、一にも二にも、一番大事なキーパーソンである、Vのヴィジュアル。
←なんかの悪ふざけとしか思えない
頬紅プラスおかっぱ頭で、出てくる度にことごとく緊張感を失わせるV。
原作のヴィジュアルには忠実なんだそうですが、その忠実さが功を奏していたかどうかは甚だ疑問が残ります。
頬紅の赤さも目にまぶしいこのVに、好みのタイプだったが為に目をつけられたイヴィー。
初めてVとであった時は、
「痛いのが出てきたよコレ。ほんもんだよ~ヤバイよ~」
と言う感じのドン引き具合だったのですが、事実上の監禁状態で彼好みの生活を強いられたり、剃髪をされて独房(風の部屋)に閉じ込められ足りしているうちに、何故だかVに惹かれて行きます。
どっからどう見てもストックホルム症候群にしか見えないのですが、ここでは運命的な出会いとして片付けられている2人の関係を、淡いラブロマンスと呼んでいいものか・・・。
観ているこちらは、
実は、イヴィーが幼い頃に生き別れた、彼女の父親だったりしちゃったりしてくれないだろうか?!
という淡い願いを抱いていたのですが、結局そういう事実は確認されず、イヴィーもステキな恋をありがとう
と、すがすがしい顔をしているので、まぁそういう事なのでしょう。
散々宣伝文句にされていたウォシャウスキー姉弟効果も、ヴィジュアル的にどうこうと言うよりは台詞のくどさに一番その存在を感じる程度で、VFX目当てに劇場にいった人はさぞかしガッカリした事でしょう。
何より、あれだけ話題にしていたナタリー・ポートマンのリアル坊主も、後半になってやっと登場する有様。
ロングヘアをなびかせて、やたらとメソメソしているイヴィー(ナタリー)が、いつ覚醒するのかとワクワクしながら観ていた私も、途中で「この期待は、間違った期待だったかも」と気付かざるを得ないほど、下がり眉毛で女々しさ全開のイヴィー。
ついに話題のバリカンシーンになり、劇的な変貌を遂げるのかと、一瞬期待が盛り返しましたが、坊主になっただけで大した変化はありませんでした。
勿論、トリニティどころかアミダラ程度の活躍すらも無く、革命の最終判断をVから託されても、「私には出来ない」だの「行かないで~」だのと、ヤル気を全く感じさせない、ダメ女の代表の様なイヴィー。
ウォシャウスキー姉弟は、『バウンド』『マトリックス』で、出来る女の代表とも言うべきキャラクターを送り出して来ましたが、今回のイヴィーはその反動だったのか、原作に忠実だったからなのか、はたまた自身が女になった事(兄・ラリーが、最近手術でリンダに大変身)で女の儚さも表現したくなったのか、すこぶるイラつく女に仕上がっていました。
ちなみに、Vの中身を演じていたのは、『マトリックス』のエージェント・スミス役や『指輪物語』のエルロンドでお馴染みの、ヒューゴ・ウィービング。
全編仮面着用という事でしたが、終盤にはあのふざけた仮面にすら哀愁を感じさせる程の、素晴らしい演技を披露していました。
アクションを期待して観ると痛い目に会いますが、判り易い反ファシズムや政治批判も織り込まれ、近未来モノとしては決してつまらない作品では無かったと思います。
Vにまんまとハートを盗まれて、素敵な想い出を作ったイヴィー。
しかし、犯罪行為(監禁)でイヴィーのハートを射止めたVには、
何と気持ちのいい連中だろう
とは口が裂けても言えませんが。
♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ → ある時は重度のロリコン、
ある時はヴィンテージマニア、
ある時はコスプレオタク、
またある時はハイレベルなドミナー、
その正体とは・・・!
世紀の大泥棒!
「あの方は何も盗まなかったわ・・」
「いいえ、やつは大変な物を盗んでいきました・・
あなたの心です」
まぁ、大まかに言えばそんな映画です。
大まか過ぎですか?
ちなみに正確なあらすじは、
第3次大戦後のイギリス。
そこは、元アメリカをも凌ぐ、世界一の大国になっており、指導者は恐怖と言う名の独裁政治によって、人々を統治していました。
そんな国家に対して、革命を企てている男が一人。
その名は・・ V。
秘密警察に暴行されそうになっていたイヴィー(EV)は、危ない所をVに助けられた事から、Vと行動を共にする事になります。
Vのアジトに匿われたイヴィーでしたが、彼の余りに過激な行動に恐れを抱き、協力するフリをして、Vの元から逃げ出します。
しかし、匿ってくれていた同僚が秘密警察によって捕らえられ、何とか逃げ出したイヴィーもまた、公安に捕らえられてしまいます。
監禁され、拷問を受けるイヴィー。
Vの居場所を密告する事だけが、自由になる手段でしたが、頑なに自白を拒むイヴィー。
連日の拷問に、身も心も限界に近づきつつあったイヴィーの元に、ある日彼女の独房の壁に空いた小さな穴から、一枚の告白文が差し込まれます。
その中には、同じように横暴な政府によって捕らえられ、今にも事切れそうな女性の人生が綴られていました。
その文を読む事だけが、イヴィーにとっての救いになって行き、最後の文章を受け取った時、イヴィーの中で何かが変わったのでした。
死をも恐れない、強い心を持ったイヴィー。
そんな彼女に解放を告げる公安。
その公安の正体は・・・、何とVでした!
Vの狙いとは一体?
そして、Vの正体とは?
この作品が公開された頃、マスコミで一斉に流されていた情報、それが



と言う物でした。
そこから当然のごとく連想される展開としては、



だと思うのですが、それを期待して観たらとんでもない目に会います。
まずは、一にも二にも、一番大事なキーパーソンである、Vのヴィジュアル。

頬紅プラスおかっぱ頭で、出てくる度にことごとく緊張感を失わせるV。
原作のヴィジュアルには忠実なんだそうですが、その忠実さが功を奏していたかどうかは甚だ疑問が残ります。
頬紅の赤さも目にまぶしいこのVに、好みのタイプだったが為に目をつけられたイヴィー。
初めてVとであった時は、
「痛いのが出てきたよコレ。ほんもんだよ~ヤバイよ~」
と言う感じのドン引き具合だったのですが、事実上の監禁状態で彼好みの生活を強いられたり、剃髪をされて独房(風の部屋)に閉じ込められ足りしているうちに、何故だかVに惹かれて行きます。
どっからどう見てもストックホルム症候群にしか見えないのですが、ここでは運命的な出会いとして片付けられている2人の関係を、淡いラブロマンスと呼んでいいものか・・・。
観ているこちらは、
実は、イヴィーが幼い頃に生き別れた、彼女の父親だったりしちゃったりしてくれないだろうか?!
という淡い願いを抱いていたのですが、結局そういう事実は確認されず、イヴィーもステキな恋をありがとう

散々宣伝文句にされていたウォシャウスキー姉弟効果も、ヴィジュアル的にどうこうと言うよりは台詞のくどさに一番その存在を感じる程度で、VFX目当てに劇場にいった人はさぞかしガッカリした事でしょう。
何より、あれだけ話題にしていたナタリー・ポートマンのリアル坊主も、後半になってやっと登場する有様。
ロングヘアをなびかせて、やたらとメソメソしているイヴィー(ナタリー)が、いつ覚醒するのかとワクワクしながら観ていた私も、途中で「この期待は、間違った期待だったかも」と気付かざるを得ないほど、下がり眉毛で女々しさ全開のイヴィー。
ついに話題のバリカンシーンになり、劇的な変貌を遂げるのかと、一瞬期待が盛り返しましたが、坊主になっただけで大した変化はありませんでした。
勿論、トリニティどころかアミダラ程度の活躍すらも無く、革命の最終判断をVから託されても、「私には出来ない」だの「行かないで~」だのと、ヤル気を全く感じさせない、ダメ女の代表の様なイヴィー。
ウォシャウスキー姉弟は、『バウンド』『マトリックス』で、出来る女の代表とも言うべきキャラクターを送り出して来ましたが、今回のイヴィーはその反動だったのか、原作に忠実だったからなのか、はたまた自身が女になった事(兄・ラリーが、最近手術でリンダに大変身)で女の儚さも表現したくなったのか、すこぶるイラつく女に仕上がっていました。
ちなみに、Vの中身を演じていたのは、『マトリックス』のエージェント・スミス役や『指輪物語』のエルロンドでお馴染みの、ヒューゴ・ウィービング。
全編仮面着用という事でしたが、終盤にはあのふざけた仮面にすら哀愁を感じさせる程の、素晴らしい演技を披露していました。
アクションを期待して観ると痛い目に会いますが、判り易い反ファシズムや政治批判も織り込まれ、近未来モノとしては決してつまらない作品では無かったと思います。
Vにまんまとハートを盗まれて、素敵な想い出を作ったイヴィー。
しかし、犯罪行為(監禁)でイヴィーのハートを射止めたVには、
何と気持ちのいい連中だろう
とは口が裂けても言えませんが。


『スーパーマン リターンズ』
2006年09月09日

私は今夜も、空を飛ぶのだろうか・・・。
子供の頃、日曜洋画劇場で初めて 『スーパーマン』 を観た時から、スーパーマン=クリストファー・リーヴは私の中で、不動のヒーローでした。
心を躍らせながら画面にかじりつき、スーパーマンの美しさや、飛行シーンの格好よさに胸をときめかせながら眠りに落ちると、その晩は必ず夢の中で自由に空を飛んでいたものでした。
しかし、シリーズが子供の眼から観ても、明らかにつまらなくなり、クリストファー・リーヴが不幸な事故で再起困難になってから、スーパーマンは私達の前から姿を消しました。
(コミックやテレビシリーズはあったでしょうが)
そして、月日は流れ、映画の表現が革新的な進化を遂げた今、ついにスーパーマンがスクリーンに帰ってきました!
ニコラス・ケイジが降板になって、ホントによかった・・・!!
そう叫びださずにはいられない程、理想的なキャスティング。
クリストファー・リーヴに、容姿・雰囲気ともとてもよく似ている、新スーパーマンことブランドン・ラウス。
憎たらしさの中に、ほのかな色気を感じさせるレックス役の、オスカー俳優・ケヴィン・スペイシー。
リニューアルされても、益々感じ悪いヤな女っぷり全開のロイスを演じる、ケイト・ボスワース。
脇の役者さんも、それぞれが役にはまっていて、違和感ゼロです。
ホント、危ないトコだったわ・・・。
シリーズ最大の危機 (スーパーマンがズラ着用) を無事回避して作られた、 『スーパーマン リターンズ』 。
監督も、決まるまでには大分ゴタゴタしたようですが、ブライアン・シンガーになって、本当によかった。
爽快さの中に、陰気臭さを含ませた新シリーズ。
では、そのあらすじをざっとご紹介。
クリプトン星の極悪囚人との死闘を制したスーパーマンでしたが、自分の生まれ故郷であるクリプトン星がまだ現存しているとの情報を得て、その真偽を確認すべく地球から姿を消します。
捨てられた形のロイス・レインは、失恋の恨みをバネに “スーパーマンはホントに必要か?” という飛ばし記事を書いたり、あてつけの様に御曹司と婚約したりと、やりたい放題。
しかし、結局クリプトン星が消滅していた事を目の当たりにしたスーパーマンは、飛んで帰るのも疲れるので、隕石に乗っかって派手に地球に帰還します。
実家に帰り、少年時代の無垢だった心を思い出したスーパーマンは、再び都会に戻る事に。
5年も経っていた割には、運良く元の就職先だったデイリープラネット社に復職を果たしたスーパーマン(クラーク・ケント)でしたが、そこで初めて愛しのロイスの婚約を知り、その上子供まで産んでいたことを知ります。
ショックの余り、復職初日だと言うのにバーで油を売るクラーク。
仕事しろよ。
そんな時、ロイスがテレビの生レポートで乗り込んでいたジェット機が、発射予定のスペースシャトルと連結されたまま操縦不可能となり、シャトルもろとも宇宙へ旅立とうとしている事を知ったクラークは、ロイス(とその他大勢)を救う為、スーパーマン復帰第1号となる大仕事に飛び立ちます。
5年ぶりに、派手な仕事で皆の前に姿を現したスーパーマンに、熱狂する人々。
久しぶりに再会を果たしたロイスとスーパーマンでしたが、民衆の前だったので、プライベートな会話を遠慮したスーパーマン。
大人として、ヒーローとして、当然の態度だったにも拘らず、あたしは特別と言う意識が人一倍強いロイスは、コケにされたとばかりに怒り心頭です。
やっぱり痛い女です。
民衆がスーパーマンでお祭り状態なのに対し、そもそもの事故の原因を探ろうとするロイス。
しかし、スーパーマンと不適切な関係だった事は周知の事実だった為、編集長から「今こそコネを最大限に発揮して、スクープを取れ!」と圧を掛けられます。
クラークはクラークで、ロイスの現況について気が気ではありません。
婚約者って?
子供って?
そんな煩悩で頭が一杯のスーパーマンは、ついにロイスをストーキング。
こっそり上空から、ロイスの家を覗く事にしました。
透視能力で、家の中を覗き見るスーパーマン。
ロイスが着替え中だったら、犯罪になるトコですよ。
(↑※着替えて無くても犯罪)
微笑ましい家族の情景が、そこにはありました。
そして、ロイスが婚約者に向かって 「あたしスーパーマンなんて嫌い」 と言うのを聞いてしまったスーパーマン。
しかし、その言葉の前に、若干のためらいを嗅ぎ取ったスーパーマン。
これ以上罪を重ねないうちに、退散する事をお薦めします。
ロイスはロイスで、スーパーマンの帰還を誰よりも心待ちにしていたのも事実。
しかし婚約者の手前、迂闊にウキウキも出来ません。
それより何より、自分を捨てたあの男に、一言物申したくてウズウズしていました。
そんな様子を見ていたクラークは、ロイスが一人になるのを見計らって、スーパーマンとしてドラマティックに現れます。
計算高いストーカーです。
「何で私を捨てたのよ!」 と言うのは、さすがに女のプライドが許さなかったのか、遠まわしに恨み言をぶつけるロイス。
ロイスが書いた記事を気にし、「僕って、必要ないのかな?」と聞くスーパーマンに、「世界にヒーローなんて必要ないわ」とキツイ一言を放ちます。
何気に傷ついているスーパーマン。
いくら捨てられたからといって、言っていい事といけない事があるでしょうに・・・。
丈夫そうに見えて、実は結構繊細な神経の持ち主なんですよ、カル=エルは。
つくづく、空気の読めない女ですね。
しかし、その様に初めはよそよそしく振舞っていたロイスでしたが、スーパーマンとの数年ぶりの空中遊泳に、すっかり夢心地。
スーパーマンの方も、「あの子供は誰の子なんだよ!」と聞きたい気持ちをおくびにも出さず、まずはロイスのご機嫌を取り繕う所から始めると言う、モテ男の上級テクを披露します。
何となく関係が修復された2人でしたが、ロイスは今さら婚約者を捨てることも出来ず、スーパーマンにしてみても、一般人と結婚するのは不可能ですし、とりあえず現状維持を選びます。
その頃、スーパーマンの宿敵・レックス・ルーサーは、莫大な資金を手にし、打倒・スーパーマンに燃えていました。
北極にあるスーパーマンの隠れ家を発見したレックスは、隠れ家が何のセキュリティ対策もされていなかったお陰で、その中にあったクリプトン星のクリスタルを盗み出す事に成功します。
持ち帰ったクリスタルを少しだけ削って水に入れたところ、周囲では大停電が起き、電気系統は狂い、その後クリスタルが何百万倍にも巨大化する事がわかりました。
そうです、ロイスが乗っていたジェット機の事故も、元はと言えばレックスの悪巧みが発端だったのです。
レックスはクリスタルを使い、全世界をターゲットにした、恐るべき計画を立てていたのでした。
スーパーマンは、無事世界を救うことが出来るのでしょうか?
ロイスとの関係は、どうなってしまうのでしょうか?
映画が初まって、一番最初に現れるのはレックス・ルーサーです。
彼の悪巧みがスタートする所から物語が始まり、スーパーマンが登場するのはタイトルバックが終わってから。
しかも、暗闇に紛れてなんだかよく判らないような登場です。
いきなり、一筋縄ではいかない展開を予感させるようなオープニング。
しかし、スーパーマンが復職してからは、一気にテンションは上がりまくり。
最初の救出劇(ロイスが乗ったジェット機の救出)などは、それをクライマックスにしても充分満足できるほどの盛り上がりで、お馴染みのテーマ曲と相まって、私の涙腺は緩みっぱなし、鳥肌は立ちっぱなしでした。
その後も、美しい飛行シーンあり、派手な救出劇ありと、息つく間もない程クライマックスの連続で、
・・・さすがブライアン・シンガー。 よくお判りで

と口の端が上がりっぱなしでした。
ところが、後半に差し掛かるにつれ、テンションがどんどん下がって来て、陰気なムードが高まっていくのがわかります。
レックスが作り出したクリスタルの島は、灰色に染まって、薄暗く、あちこちがギザギザと尖って痛そうです。
スーパーマンはレックスの罠に落ち、傷つけられ、ボロボロになります。
やっとの事でレックスの悪事を阻止したスーパーマンですが、その後彼は倒れ、呼吸も止まってしまいました。
救急隊員や警官に囲まれて、病院に運び込まれるスーパーマン。
これもまたブライアン・シンガー印。
一筋縄ではいかないヒーロー物作りは 『X-MEN』 で証明済みですから、今回のトーンダウンもそんなに想定外ではなかったのですが、やはり「万人受けするかどうか?」というと、チョット厳しいものがあったのかもしれません。
予想を大きく下回った興行成績が、それを否が応でも証明していますし・・。
「なんか~、スーパーマンってもっとスカッとする映画かと思ってたんだけど~」
そんな風にお嘆きのあなた!
いっそ、こう思っては如何でしょう?
ジェット機を助けるまでが本編。
あとは後日談。
どうですか?
なんだかスッキリしてきませんか?
そんな私の中にも、
・やっぱ子供はいらないだろ・・
・あんまりにも“続編製作への情熱”が匂いすぎる、尻すぼみなラスト
・レックス役のケヴィン・スペイシーが、どうしても『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』のドクター・イーブル(カメオ出演)役と被って見える
など、不満点が無きにしも非ずなのですが、そういうダメな所も全部ひっくるめて大好きと言える。
それくらい胸躍る『スーパーマンの帰還』でした。
嗚呼・・・ 淀長さんに観せたかった・・・!!
これは絶対劇場で観るべきです。
私も、許される事ならあと3回は劇場で観たい。(お財布的に許されないでしょうが)
そして、タイトルバックのテーマ曲に胸躍らせ、スーパーマンの美しい飛行シーンにワクワクし、クリストファー・リーヴの正統な後継者の誕生に涙し、次回作が作られる事を祈りつつ帰途に着きたい。
お帰り、スーパーマン。
私はまた再び、空を自由に飛ぶ事でしょう。


『シン・シティ』
2006年06月24日
ロバート・ロドリゲス。
かつてはハリウッドで最も旬だった男。
メキシコからハリウッドに名刺代わりに叩き付けた『エル・マリアッチ』。
見事映画の都に招かれて作った、フェロモンで窒息状態の続編 『デスペラード』。
代官山のお洒落ギャル達もこぞって観に行った(であろう) 『フォー・ルームス』。
前半クライム・ムービー後半スプラッター・ホラーという、前代未聞のカルト映画 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』。
撮る映画は次々とヒット。
マニアにも歓迎され、尚且つオサレなデートムービーとしても成立しているという、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったロバート・ロドリゲスの雲行きが、何だか怪しくなってきた 『パラサイト』。
そして 『スパイ・キッズ』 をシリーズ化した時には、「もう終わったな・・・」と思わざるを得なかったものでした。
それがそれが・・・!
見事に生還です。
朋友のタランティーノが、 『キル・ビル』 で気を吐いているのを目の当たりにして、やっと目が覚めたのでしょうか。
アメコミの映画化モノで、ここまでクールな映像は今まで無かったんじゃないかという、ドラマチックなカット割り。
猟奇的なオヤジたちの純愛ストーリーが、血にまみれて綴られています。
まず1人目はミッキー・ローク(マーヴ役)。
主演・ミッキーローク って、これ笑う所じゃないですよ。
『ナイン・ハーフ』 はもう20年も前ですか・・・。
猫パンチだ何て言っても、20代以下の人には判らないのかも知れませんね。
昔いたんですよ~・・・そんな人が。
猫ひろしじゃないですよ~。
一世一代のオイシイ役どころを手に入れて、ミッキー・ロークが会心の演技を魅せています。
醜い容姿と恐ろしげな巨体(まるでフランケン・シュタイン)から、女性と愛し合ったことの無かったマーヴ。
それがなぜか、美しい女性・ゴールディに誘われ夢のような一時を過ごします。
ところが目覚めると、横で眠っていたハズのゴールディは殺されており、容疑は自分に着せられていました。
生涯でただ一人の恋人の復讐の為に、街を牛耳る権力に立ち向かうマーヴ・・・。
見た目の殆どを特殊メイクで覆われているにもかかわらず、立派にミッキー・ローク臭を残しているのがアッパレです。
そして、なんと言ってもかっこいい!!!
圧倒的な強さで、街のチンピラどもをなぎ倒す・ぶちのめす・拷問する。
車に轢かれようが、銃で撃たれようが大した痛手を受けません。
にっくき敵を演じるのは、 『指輪物語』 のフロド役で世界の人気者になった、THE・ホビット事 イライジャ・ウッド。
いい子だったフロドの反動からか、『指輪』以降は変態街道まっしぐらな役選びの様に思えるのは、私の気のせいでしょうか?
今回の敵ケヴィン役は、変態人生の集大成とも言えるような、キング・オブ・ド変態です。
娼婦を殺して食事に使用して、残した首を壁にデコレイティングするんですよ。
アンソニー・ホプキンスだって、そこまではしません。(いや、やりたがるかもしれないけど)
X-MENに出てきてもおかしくないような俊敏な動きと鋭い爪で、マーヴに痛手を負わせます。
2人目はクライヴ・オーウェン(ドワイト役)。
オヤジ揃いの出演者の中では、一人中途半端なオヤジ・・・?っぷりで、浮いている感は否めません。
若くも無いけど中年でもない。
ブサイクでもないけど男前でもない。
そんな中途半端なキャラ同様、彼のシークエンスも若干手ぬるさを感じます。
ただし女達の活躍は、問題無しです。
過去に罪を犯し街を追われたドワイトは、整形する事で再び街に帰ってきます。
そこでは、ボンテージファッションに身を包んだ、カモシカのような足のセクシー美女軍団が警官と協定を結び、自警集団として街を取り仕切っていました。
地獄の女囚コマンド達(囚ではないか)のリーダーが、ドワイトの元カノで、今でもお互い未練たらたらの二人。
ふとしたことで自警をやりすぎ、悪徳警官を血祭りに上げてしまった女囚コマンド達。
このままでは警官との協定がくずれ、女達の街が荒らされてしまう。
そこでドワイトはこっそり悪徳警官の死体を僻地の抗に捨てに行くのですが・・・。
殺される悪徳警官役が、ベニチオ・デル・トロ。
いまだかつてこんなベニチオ・デル・トロを観た事があったでしょうか?!
便器に顔を突っ込まれ、手裏剣で手首をちょん切られ、お尻に手裏剣を突き刺され、額に銃身を埋め込まれ、首をぱっくりカットされた上、上機嫌でタバコをふかすベニチオ・デル・トロ。オスカー俳優。38歳。
ステキです。
文句なしでステキです。
そしてその仕打ちの殆どを担当した、デヴォン・青木の勇姿と言ったら・・!
もう言う事なし!
比べちゃなんですが、 『キル・ビルVol.1』 の栗山千明がただのお人形さんに見えます。
こちらも無表情のお人形さんなのですが、使い方が上手いお陰でサニー千葉より強く見えます。
トリニティを劇場で観た時以来で、アクションのキメポーズを真似したくなりました。
←これ
タランティーノはさぞかし悔しがった事でしょう。
そして3人目は御大 ブルース・ウィリス(ハーティガン役)。
退職を数時間後に控えた身でありながら、“権力者の息子”という事を楯に、悪事の限りを尽くす変態バカ息子を追い詰めたハーティガン刑事。
11歳の少女を犠牲にしようとしていた変態バカ息子から、少女を何とか救い出し自らも深手を負ったハーティガンは、父親の権力者によって変態バカ息子の犯した罪を着せられ、8年間独房に閉じ込められる事になります。
その間、変わらず恩人のハーティガンに手紙を送り続けてくれた少女・ナンシー。
ところがある日、ナンシーからの手紙はパッタリと途絶え、代わりに独房に投げ込まれたのはナンシーのものと思われる切断された指・・・。
人生を捨てかけていたハーティガンは、ナンシーを助ける為再び街に戻るのですが・・・。
要するに、ロリコン中年とファザコン少女の純愛と言う事でしょうか?(すみません、野暮な言い方で)
ハーティガンのそれは、時に父性、時に異性、そして正義の心、ただそれだけです。
ナンシーの思いも、幼い時に命を救ってくれた人への感謝、憧れ、それを愛情と勘違いしているのか思い込んでいるのか・・・。
どちらにせよ、ハーティガンとしてはどうしても受け入れる事の出来ない愛なのです。
それをきちんと拒絶するハーティガンの、なんと漢な事でしょう!
孫みたいな相手と恋に落ちる映画を作り続ける、ハリウッドの爺さんプロデューサー達よ!よく見るがいい!!
とにかくハードボイルドです。
ブルース・ウィリスもとっても渋くて、何だかかっこよく思えてきました。
先日テレビで、デーヴ・スペクターが 「ブルース・ウィーリス(デーヴはこう言う)が、今付き合っているモデルに二股掛けられて、必死になっている」 と言っていましたが、そんな彼女にはこの作品を見せるべきだと思いました。
・・・あ、もう見せているんですか?
じゃあ、しょうがないですね。
それにしても、こういうB級ポップカルチャー映画に出る時のブルース・ウィリスの輝きと言ったら、他の出演作を抜きん出ていますね。
白黒画面に部分的にカラーを配した映像は、まさにアメコミの世界そのもので、完成された世界観をそのままスクリーンに映し出しているのですから、どのカットも申し分ない出来に仕上がっています。
ロバート・ロドリゲスの本分も存分に混ぜ込んであり、バイオレンスもたっぷりなので、いたいけな女の子には入り込みにくいかもしれません。
私はその点、申し分ないお年頃ですので充分に堪能させてもらいました。
タランティーノと一緒に撮ったというスプラッター・ホラーが、無事日本で公開される事を祈ります。
♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ → かつてはハリウッドで最も旬だった男。
メキシコからハリウッドに名刺代わりに叩き付けた『エル・マリアッチ』。
見事映画の都に招かれて作った、フェロモンで窒息状態の続編 『デスペラード』。
代官山のお洒落ギャル達もこぞって観に行った(であろう) 『フォー・ルームス』。
前半クライム・ムービー後半スプラッター・ホラーという、前代未聞のカルト映画 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』。
撮る映画は次々とヒット。
マニアにも歓迎され、尚且つオサレなデートムービーとしても成立しているという、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったロバート・ロドリゲスの雲行きが、何だか怪しくなってきた 『パラサイト』。
そして 『スパイ・キッズ』 をシリーズ化した時には、「もう終わったな・・・」と思わざるを得なかったものでした。
それがそれが・・・!
見事に生還です。
朋友のタランティーノが、 『キル・ビル』 で気を吐いているのを目の当たりにして、やっと目が覚めたのでしょうか。
アメコミの映画化モノで、ここまでクールな映像は今まで無かったんじゃないかという、ドラマチックなカット割り。
猟奇的なオヤジたちの純愛ストーリーが、血にまみれて綴られています。
まず1人目はミッキー・ローク(マーヴ役)。
主演・ミッキーローク って、これ笑う所じゃないですよ。
『ナイン・ハーフ』 はもう20年も前ですか・・・。
猫パンチだ何て言っても、20代以下の人には判らないのかも知れませんね。
昔いたんですよ~・・・そんな人が。
猫ひろしじゃないですよ~。
一世一代のオイシイ役どころを手に入れて、ミッキー・ロークが会心の演技を魅せています。
醜い容姿と恐ろしげな巨体(まるでフランケン・シュタイン)から、女性と愛し合ったことの無かったマーヴ。
それがなぜか、美しい女性・ゴールディに誘われ夢のような一時を過ごします。
ところが目覚めると、横で眠っていたハズのゴールディは殺されており、容疑は自分に着せられていました。
生涯でただ一人の恋人の復讐の為に、街を牛耳る権力に立ち向かうマーヴ・・・。
見た目の殆どを特殊メイクで覆われているにもかかわらず、立派にミッキー・ローク臭を残しているのがアッパレです。
そして、なんと言ってもかっこいい!!!
圧倒的な強さで、街のチンピラどもをなぎ倒す・ぶちのめす・拷問する。
車に轢かれようが、銃で撃たれようが大した痛手を受けません。
にっくき敵を演じるのは、 『指輪物語』 のフロド役で世界の人気者になった、THE・ホビット事 イライジャ・ウッド。
いい子だったフロドの反動からか、『指輪』以降は変態街道まっしぐらな役選びの様に思えるのは、私の気のせいでしょうか?
今回の敵ケヴィン役は、変態人生の集大成とも言えるような、キング・オブ・ド変態です。
娼婦を殺して食事に使用して、残した首を壁にデコレイティングするんですよ。
アンソニー・ホプキンスだって、そこまではしません。(いや、やりたがるかもしれないけど)
X-MENに出てきてもおかしくないような俊敏な動きと鋭い爪で、マーヴに痛手を負わせます。
2人目はクライヴ・オーウェン(ドワイト役)。
オヤジ揃いの出演者の中では、一人中途半端なオヤジ・・・?っぷりで、浮いている感は否めません。
若くも無いけど中年でもない。
ブサイクでもないけど男前でもない。
そんな中途半端なキャラ同様、彼のシークエンスも若干手ぬるさを感じます。
ただし女達の活躍は、問題無しです。
過去に罪を犯し街を追われたドワイトは、整形する事で再び街に帰ってきます。
そこでは、ボンテージファッションに身を包んだ、カモシカのような足のセクシー美女軍団が警官と協定を結び、自警集団として街を取り仕切っていました。
地獄の女囚コマンド達(囚ではないか)のリーダーが、ドワイトの元カノで、今でもお互い未練たらたらの二人。
ふとしたことで自警をやりすぎ、悪徳警官を血祭りに上げてしまった女囚コマンド達。
このままでは警官との協定がくずれ、女達の街が荒らされてしまう。
そこでドワイトはこっそり悪徳警官の死体を僻地の抗に捨てに行くのですが・・・。
殺される悪徳警官役が、ベニチオ・デル・トロ。
いまだかつてこんなベニチオ・デル・トロを観た事があったでしょうか?!
便器に顔を突っ込まれ、手裏剣で手首をちょん切られ、お尻に手裏剣を突き刺され、額に銃身を埋め込まれ、首をぱっくりカットされた上、上機嫌でタバコをふかすベニチオ・デル・トロ。オスカー俳優。38歳。
ステキです。
文句なしでステキです。
そしてその仕打ちの殆どを担当した、デヴォン・青木の勇姿と言ったら・・!
もう言う事なし!
比べちゃなんですが、 『キル・ビルVol.1』 の栗山千明がただのお人形さんに見えます。
こちらも無表情のお人形さんなのですが、使い方が上手いお陰でサニー千葉より強く見えます。
トリニティを劇場で観た時以来で、アクションのキメポーズを真似したくなりました。

タランティーノはさぞかし悔しがった事でしょう。
そして3人目は御大 ブルース・ウィリス(ハーティガン役)。
退職を数時間後に控えた身でありながら、“権力者の息子”という事を楯に、悪事の限りを尽くす変態バカ息子を追い詰めたハーティガン刑事。
11歳の少女を犠牲にしようとしていた変態バカ息子から、少女を何とか救い出し自らも深手を負ったハーティガンは、父親の権力者によって変態バカ息子の犯した罪を着せられ、8年間独房に閉じ込められる事になります。
その間、変わらず恩人のハーティガンに手紙を送り続けてくれた少女・ナンシー。
ところがある日、ナンシーからの手紙はパッタリと途絶え、代わりに独房に投げ込まれたのはナンシーのものと思われる切断された指・・・。
人生を捨てかけていたハーティガンは、ナンシーを助ける為再び街に戻るのですが・・・。
要するに、ロリコン中年とファザコン少女の純愛と言う事でしょうか?(すみません、野暮な言い方で)
ハーティガンのそれは、時に父性、時に異性、そして正義の心、ただそれだけです。
ナンシーの思いも、幼い時に命を救ってくれた人への感謝、憧れ、それを愛情と勘違いしているのか思い込んでいるのか・・・。
どちらにせよ、ハーティガンとしてはどうしても受け入れる事の出来ない愛なのです。
それをきちんと拒絶するハーティガンの、なんと漢な事でしょう!
孫みたいな相手と恋に落ちる映画を作り続ける、ハリウッドの爺さんプロデューサー達よ!よく見るがいい!!
とにかくハードボイルドです。
ブルース・ウィリスもとっても渋くて、何だかかっこよく思えてきました。
先日テレビで、デーヴ・スペクターが 「ブルース・ウィーリス(デーヴはこう言う)が、今付き合っているモデルに二股掛けられて、必死になっている」 と言っていましたが、そんな彼女にはこの作品を見せるべきだと思いました。
・・・あ、もう見せているんですか?
じゃあ、しょうがないですね。
それにしても、こういうB級ポップカルチャー映画に出る時のブルース・ウィリスの輝きと言ったら、他の出演作を抜きん出ていますね。
白黒画面に部分的にカラーを配した映像は、まさにアメコミの世界そのもので、完成された世界観をそのままスクリーンに映し出しているのですから、どのカットも申し分ない出来に仕上がっています。
ロバート・ロドリゲスの本分も存分に混ぜ込んであり、バイオレンスもたっぷりなので、いたいけな女の子には入り込みにくいかもしれません。
私はその点、申し分ないお年頃ですので充分に堪能させてもらいました。
タランティーノと一緒に撮ったというスプラッター・ホラーが、無事日本で公開される事を祈ります。

