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『ナイトミュージアム』

2008年01月03日
ナイト
ねぇ、おいちゃん!! “ブルー・スティール”やって!やって!


あらためまして、あけましておめでとうございます。
アガサでございます。


今年こそは佐野史郎様に会ってやんぞコンニャロー──! 

と言うのが、今年の目標です。
初夢も史郎さまでしたし、俄然やる気が湧いてきましたよ~。
今年こそは生史郎さまにお会いして、それでもって勇気を出して言うんだ。
「ずっとあなたが好きでした」 って! (≧∀≦)キャー

・・どうだい、このキモさ加減。

まぁ、どうもこうも無いと思いますので、そろそろ本題に入りたいと思います。
2008年最初のレビューは、品行方正なコメディ 『ナイト・ミュージアム』 行ってみますか。

あらすじ・・・
別れた妻の再婚相手は仕事の出来るお金持ち。 的な、
自分はと言うと仕事も続かずうだつの上がらない。 的な、
新しい職場の上司は鼻持ちなら無いイヤミな奴。 的な、
子供が自分の事で友達にからかわれて。 的な、
子供にイイトコ見せようとしたのに裏目に出て。 的な、
職場でトラブル続出。 的な、
逃げてばかりだった自分を捨てて前向きに対処するようになった。 的な、
職場の信頼を得て子供からも尊敬され。 的な、
しかし例のイヤミな上司からはクビを宣告されて。 的な、
ところがビックリ大逆転で大団円。 的な人生を送る、博物館の新人夜警・ラリーさんの物語。


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品行方正でしたねぇ。
ホントに、家族向け映画とはこうあるべし! と言うお手本のような、申し分の無い作品でした。

血も無い、エロも無い、毒も無い、死人も無い、罵声も無い、過激な物は何も無いナイナイ尽くし。
かわりにどこかで観たようなオモシロ映画の既視感はたっぷり詰め込んで、お時間たったの1時間40分ぽっきり。
お子様方でも充分トイレを我慢出来る上映時間ですよ、お客さん!

みんなが一度は夢見た、
「博物館の陳列物って、夜になったら動き出したりして・・」 
と言うファンタジーを、「夢見たよね?見てないとは言わせないよ」とばかりに見事に映像化。
「ぼくんちのオモチャって、夜になったら動き出したりして・・」
と言うファンタジーを見事に映像化した 『トイ・ストーリー』 の進化型とも言えるかもしれませんね。こじ付けかもしれませんが。

歴史上の偉人から想像上の生き物、無機物まで、魔法の力で蘇った陳列物が縦横無尽に博物館を練り歩く姿は圧巻です。
それもこれが、この博物館では過去50年に渡って続いてきたと言うから素晴らしいですね。
50年の間、毎夜毎夜博物館周辺から聞こえてくる動物たちの咆哮、マンモスの足音、蝋人形達の叫び・・・。

一言いいですか。


地元警察、やる気あんのんか?

それはさておき、誰もが楽しめて、誰もが心温まって、誰もが映画館を笑って後に出来る正しい映画だったと思います。
ホラーバカのアガサでも、素直に満足出来ました。
まぁ、 『ズーランダー』 のベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンが出ている時点で、アガサとしてはハズレた気がしないのですが。

・・・それにしてもこの作品、こんなにディズニー臭いのにどうしてFOX映画なのでしょうかねぇ?
ディック・バン・ダイクが悪い人の役
だったのが気に入らなかったのでしょうか?
可愛いお猿さんとのドツキ合い
が引っ掛かったのでしょうか?
ロビン・ウィリアムズの胴体輪切り
がまずかったのでしょうか?

いや、もしかしたらディズニーの偉い人こそが、誰よりもその答えを知りたがっているのかもしれませんが。

てな訳で、品行方正な本作のレビューはこれ以上膨らませようも無いのでこれにて終了致します。
次回はまたゴリゴリのホラーでお会いしましょう。
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『宇宙人の解剖』

2007年11月16日
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全ての夢見る大人、必見です!

突然ですが、
映画や夢の中でなら構わないけど、実際に出会ったら凄くヤダ!ランキング

第3位・・・伽椰子
(選定理由:やっぱ幽霊は怖い。でも、最悪自分のご先祖様の霊を呼び出せば勝てる・・かも)
第2位・・・レザーフェイス
(選定理由:なんだかんだ言って人間さまが一番怖い。チェーンソウなんてリアルに痛そうだし。でも、最悪色仕掛けで懐柔出来る・・かも)

そんな訳で、堂々の第1位!・・・宇宙人!
(選定理由:言葉通じない&常識通じない&空飛ぶ&手術上手い&黒目ばっかり&レーザー光線とか使いそう。・・勝てる気がしねぇ!!)


でもどうしてだろうね・・ アタイはそんな宇宙人が大好きなのさ・・。

あらすじ・・・
ドキュメンタリー監督のモーガンは、「いいネタがあるyo!」と聞かされ、とある事務所を訪ねる。
ネタの内容について訊ねるモーガンに、事務所の社長が差し出したのは一通の書類。
機密保持の為のその文書にサインする事が、ネタ元との面会の条件だというのだ。
仕方なく、渋々サインしたモーガンの前に現れたのは、能天気そうな2人の青年。
その青年たちの口から語られたのは、アメリカ、いや全世界をも揺るがす、衝撃の真実だった・・・!


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『バイオハザード3』 おさらい記念シリーズ第2弾の為、レンタル店で 『バイオ2』 を探してみたのですが、全品貸し出し中でした。
・・そうですよね。
・・・皆さん考える事は同じですよね。

と言う訳で、代わりに借りてきた本作。

実に面白い!! 。゚+.(・∀・)゚+.゚

フェイクドキュメンタリーの様相で始まった本作は、モーガン監督(アメリカ大統領ことビル・プルマン)がネタ元に話を聞く形式で進められます。
その内容と言うのは、なんと10年ほど前に日本でも放送されて、大反響を得た『宇宙人解剖フィルム』
幼少期から、3度の飯より矢追好きだったアガサも、当然その放送は見ていました。
そしてコーヒー噴いてました。

余りの低予算スメル、余りのクオリティの低さ。
コレを本物と言い張るだなんて・・・。
ファンタジーな奴らもいるもんだ・・。


で、この映画はそんなファンタジー野郎たちが
いかにして世紀の大傑作 『ハリボテ宇宙人からブタの臓物がどんじゃらホイ』 を作り上げたのか?
いやさ、作らざるを得なかったのか?
と言う内幕を描いておりますので、映画の形式はフェイクドキュメンタリーなんだけど内容は実際にあった出来事でだけどその内幕が全て真実ってハズも無いだろうしと我ながら書いていてさっぱり訳が判らなくなる、実に旨い事観客を煙に巻くコメディだったのでした。

舞台はイギリス。
海賊版ビデオの販売を生業にして、警察と追いかけっこは日常茶飯事だった主人公レイ。
その親友ゲイリーは、自らの不本意な職場から抜け出したかった為、悪友のこんな言葉に乗ってしまいます。
お前は自分の生活に満足しているのか?このまま刺激の無い人生を送っていいのか?自分に賭けてみろよ!
青春です。

かくして己に賭けたバカ2人は、一山当てるため訪れたアメリカでひょんな事から謎の元従軍カメラマン・ハーベイ(ノストロモ号機関長ことハリー・ディーン・スタントン)に出逢い、1947年のロズウェル事件時に撮ったという宇宙人の解剖フィルムを買い取る事に。
ただしお金は無いので借りました。
誰に?
マフィアに。

実はこのマフィア、大の宇宙マニアで、趣味はミステリーサークル巡り。
サークルの中心で全裸で愛を叫ぶのが一番のお気に入りと言う、矢追さんも真っ青の変態UFO好きだったのです。

しかし、持ち帰ったフィルムを改めて観てみると、なんと長年に渡る劣悪な保存状態が災いしてか、画が消えてしまっているではないですか。

ヤバイお! このままぢゃマフィアに殺られちゃうお!
と言う事で、窮地に陥ったレイはご近所さんを集めて、宇宙人解剖フィルムの再現フィルムを製作することに・・。

で、出来上がったのが、私たちが10年前に見た『宇宙人解剖フィルム』な訳です。

物語はこの後、レイの作ったインチキフィルムが大反響を得、全世界のテレビ局に高値で売りつけられる様が描かれて行きます。
完全に舞い上がってしまうレイ。
インチキがバレる事を恐れておたおたするゲイリー。
秘密裏に動き出すペンタゴン(米国防総省)の影。
そして、2人に訪れる衝撃のラスト・・・。

青春、陰謀、サスペンス、軽いグロ、人情コメディ、足りない物はエロばかり。という本作は、そのパッケージの胡散臭さとB級臭さとは裏腹に、最後の最後まで楽しませてくれる傑作なのではないかと思います。
TSUTAYAのSF棚の片隅に、ポツンと1本だけ埋もれる様に置いてある事が勿体無い位、本当に面白い!

少なくとも、
「UFO番組をやっていると、つい見入ってしまう」
「矢追純一の事が、どうしてもキライになれない」
「でも韮澤さんはちょっと・・」
という様な、夢見る大人の皆さんは必見ですよ♪
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『プレスリーVSミイラ男』

2007年05月03日
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ラフ・ミー・テンダー (DVDジャケットより)

先日、『ハンニバル・ライジング』のレビューの際に「実はこれ(ハンニバル)より観たかった」と書いていた『プレスリーVSミイラ男』が、早くもTSUTAYAに並んでいました。
・・・という事を、Movie Killerさんのブログで知りました。
ビバ!インターネット!!

それにしても、DVDリリースの僅か1週間前に、この作品をレイトショーで上映していた地元のミニシアター・・・。
その上映作品のチョイスは、本当に正しかったのでしょうか・・・?
「支配人、これマズイっすよ」と優しくアドバイスするツワモノは居なかったのでしょうか?
1週間前って・・・。

シ○マ・クレール(岡山唯一のミニシアター)
どげんかせんといかんですよ!

(※愛ゆえの発言ですので、シネ○・クレールの関係者の方が万が一いらしても、どうぞ気を悪くしないで下さいね。

シネマ・○レールへの、溢れる愛を込めてあらすじ・・・
とある老人ホームで、今日も冴えない一日を過ごしている一人の老人。
彼こそは、プレスリーのそっくりさんのセバスチャン・ハフと秘密裏に入れ替わっていたプレスリー本人がなりきっていたセバスチャン・ハフだったのだぁっ!!!(←判りにくい)
要するに、プレスリーその人だったのです。
しかし、そんな話を誰が信じるはずも無く、周りからはただの電波だと思われていたプレスリー。

そんなキングの友達は、これまた秘密裏に隠匿され、実は生きながらえていたジョン・F・ケネディ(自称)。
ケネディは、政府の陰謀によって全身を黒く染められ、黒人として葬り去られていたのだあっ!!(本人談)
要するに電波じいちゃんだった訳です。

ある日電波な2人組は、ホームに突如現れた邪悪なミイラ・ババホテップの陰謀を、トイレに残された落書きから察してしまいます。
俺たちのホームを、ミイラ男なんかに獲られてたまるか・・・!

半分ミイラ状態のご老人と、ホンモンのミイラの熱い戦いの行方は・・・?


やってもうたでー!!

B級を観るつもりだったのに、いざ観てみるとC級だった・・・。
でも、何故なんだろう・・。
この心の清々しさは・・・
まるで高原のような爽やかな香りが、お部屋を包み込みます。
一家に一本『プレスリーVSミイラ男』。
今なら税込み価格で3990円でのご提供!

どこかでご購入下さい。(←丸投げ)

頑張って似せようという情熱が、あんまり感じられないプレスリー。
それ以上に、似せるとか近づけようとかいう情熱を完全放棄してしまっているジョン・F・ケネディ。
2人は本当にただの電波くんなのか?
それとも政府の陰謀(もしくは運命の悪戯)に巻き込まれて、生きながらえていた正真正銘のご本人なのか?!

まぁ、そんな謎解きチックな展開がある訳は無く、いたってのんびりモードで進むのが、本作となっております。

「あなたは“プレスリーVSミイラ男”と聞いて、どんな内容を想像しますか?」
と言うアンケートに寄せられた、
「うーん・・・、荒唐無稽なアクションコメディ?」
と言う(であろう)丸の内のOLさんたちの意見に、真っ向からキバを向くゆるーいストーリー。
荒唐無稽といえば確かにそうですが、それ以外の部分は完全に予想を裏切るまったりとした展開です。
ドタバタホラーコメディなんぞを思い描いて鑑賞したら、机をひっくり返したくなる(もしくは居眠りしてしまう)くらい、思う存分裏切ってくれるでしょう。

本筋に触れてみますと、主人公であるプレスリーは高齢の為に歩行器がないと歩けない状態ですし、そのマブダチであるケネディも車椅子無しでは移動もままならない状態です。
そんな棺おけに片足突っ込んだようなお爺ちゃんが、ミイラ相手に何が出来ると言うのか?!
ノンノン。 心配は要らないよベイベー。(花輪くん?)

彼らが命懸けの闘いを挑むミイラご本体も、そもそもゾンビ並のスピードでしか移動できませんし、そんなスローライフなミイラさんが老人ホームでやってる事と言えば
死にかけのジイさんバアさんのお尻の穴に顔を近づけて、僅かに残った魂の欠片を吸い取る
と、流血なしグロもなしの地味な事この上無い犯罪行為です。

こう言ってはなんですが、犠牲となったご老人たちの残りの寿命は、そんなに長くはなかったと言うのが周知の事実だったので、お亡くなりになった所で「大往生」くらいにしか思われないと言う、完全犯罪っぷり。

やるなぁ、ミイラ男。
伊達に何千年も生きていないな。
エジプト出身のミイラなのに、服装が闘牛士みたいな派手派手なスーツな所もステキだなぁ。

敵もボロボロならヒーロもヨボヨボ。
どう見ても激しいアクションには不向きなメンツじゃないでしょうか。
従って、本編はドタバタ部分によりも時間を割いて、人生のなんたるかをプレスリー先生が語りつくしてくれる展開に。
人生の頂点と底辺を知り尽くしたプレスリー先生のお言葉は、とても含蓄に溢れ、ただのキワモノホラーの枠には収まりきらない深さがあります。
これはもしかしたらもしかすると、もの凄い傑作ヒューマンドラマなのかもしれませんね・・・。

人生を、捨てない。
自分のあり方を、最後まで諦めない。

そんな男気に満ち溢れた老人コンビの姿は、人々に夢と希望を与えてくれる事でしょう。

と、キレイにまとめてみましたが、いかがでしょうか。
邦題が醸し出すバツグンのキワモノ感から目を逸らして、プチ・ハードボイルドを観るつもりで観れば、思わぬ感動を得られるかもしれません。
ただし、バカホラーが観たい方は、素通りする事をお奨めします(笑)
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『キンキーブーツ』

2007年03月04日
20070303231400.jpg  原題『KINKY BOOTS』 ・ ・ 直訳『変態ブーツ』


また変態かよ?!!

直訳するとおかしな事になってしまいますが、本作はいたってノーマルな、心温まる物語でした。
・・・ドラッグクイーンは大量に出て来ますが、内容はいたってノーマルです。

ところで、私は女ですが、生まれてこの方一度もハイヒールを履いた事がありません。
理由は単純。

サイズが無いからです。

大概のヒール物やロングブーツは、足が入りません。
仮に入ったとしても、歩くだけで拷問です。
という訳で、とても他人事とは思えない、ドラッグクイーンの皆さんの“靴問題”をテーマにしたこの作品は、観るも涙語るも涙、涙なみだの物語なのでした。

それにしても、自分には履きこなせないであろう、華麗なキンキーブーツ(女王様ブーツ)なのに、どうしてこんなにも魅力的に感じるのでしょうか。
“女性”という遺伝子の中には、ブーツに反応する何かが組み込まれているのかもしれませんね。

もちろん、この“女性”と言うのは外的な性別だけではなく、生まれもっての内的な性別も含めてですよ。


あらすじを書きますと、
100年以上続く、老舗の靴工場がありました。

若き4代目は、靴を愛してはいるものの、工場に骨を埋める覚悟は出来ていませんでした。
そんな中、先代(父親)が突然死亡し、流されるがまま跡を継ぐ事になった4代目。
しかし、近年の“薄利多売”の波は靴業界にも押し寄せており、彼の工場が作っている様な100年履ける丈夫な靴より、10ヶ月で買い換えてもらえる安い靴の方が、販売側からは求められていたのです。

4代目の靴工場はあっという間に窮地に立たされ、工場閉鎖の危機を迎えます。
とりあえず、15人の工員をリストラする4代目でしたが、その中の一人・ローレンが立ち去り際に残した、
「業務縮小を嘆いてばかりいないで、新しい市場を開拓したらどうなのよ?」
と言う言葉にとあるアイディアが閃きます。

それは以前にロンドンで、偶然出会ったドラッグクイーン・ローラの事。
女性用のヒールシューズを、無理やり履いていた彼女(彼?)は、靴の耐久性の悪さに悩んでいたハズ・・・。

うちの職人技を駆使して彼女(彼?)用のヒールシューズを作ったら、そっちの市場を獲得出来やしないか?!

4代目は、カリスマ・ドラッグクイーンのローラを説き伏せて、田舎にある靴工場のスーパーバイザーとして雇い入れるのですが・・。


面白い映画は、オープニングからして面白い。
よく言われている事ですが、この作品もまさにそう。

画面に最初に映ったのは、黒人の女の子で、誰かを待っているのか退屈そうな表情です。
しかし、カバンの中の赤いパンプスに履き替えた少女は、自然と体が踊りだし、幸せそうな表情に変わってゆきます。
その時、少女の父親らしき人物が、怒った表情で少女を呼び寄せます。
身を固くして、父親の元に駆け寄る少女。
「早く来んか!このバカ息子!!」

む・む・むすこぉ~?!

もうこの冒頭のシーンだけで、完全にこの映画を好きになってしまったのでした。
日本の有名な慣用句で言うなら、
つかみはオッケー!
状態です。

物語の主人公は、靴工場の若き4代目・チャーリーと、ドラッグクイーンのローラ。
二人はどちらも、今現在身を置いている状況に違和感を覚えて、疎外感を抱えています。

チャーリーは工場を継ぐつもりは(そんなに)無く、父親が亡くなった為成り行き上継いだものの、潰れそうな工場の経営にも、工員からの期待にも消極的。

ローラは、厳しい父親から“男”としての教育を受けて育ったものの、自分の本質を抑える事が出来ず、勘当されてまでもドラッグクイーンとして生きる道を選びます。
しかし、その選んだ道は平坦な訳も無く、どこに居ても闘いの日々です。

田舎にあるチャーリーの靴工場に入ってからも、男性社員から散々嫌味を言われるローラ。
ローラのような第3の性の持ち主が、のどかな田舎町なんかに出現したら、町民との衝突は火を見るより明らかな事なのですが。

そして彼女(彼)が唯一、自分のあるがままで居られるクラブの中でさえ、心無い興味本位の男性客に野次られ、そんな客を軽くあしらいつつも、舞台裏では涙が零れそうになるローラ。
彼女自分が選んだ道ですが、彼女(彼)の人生に平安な日々など無縁のように思えて、観ていると切ない気持ちになってしまいました。

しかしその人生は、彼女(彼)が痛みに耐えながらも履き続ける事で、自分の中の“女性”を証明しようとしている、キンキーブーツと同じで、自分を偽って手にする安穏な人生よりも、闘いや孤独と共に過ごす、困難でも自分に誇りを持って生きてゆく道の方がマシだと思っているのです・・・。

なんと誇り高き女性(人間)なのでしょうか。

師匠、と呼ばせて頂きたい!!


チャーリーの工場でも、受け入れられない事は判っていながらも果敢に渦中に飛び込み、自分を忌み嫌う相手とも真っ直ぐ向き合う事で、徐々に自分を受け入れさせるローラのパワーは感動的です。

そんなローラの存在は、男性・女性と言う小さなくくりでは無く、人間としての誇りを私達に考えさせてくれるような気がします。

ハートウォーミングな人情モノに仕上がっていますが、作品自体にそんなに甘さはありません。
むしろ、ローラの苦悩やチャーリーの迷いやチャーリーの婚約者との衝突など、楽しくないエピソードの方が作品を占めています。

それなのに、観終わった時は心が温かい光で満たされている・・。
それはこの作品に出てくる登場人物たちが、みんな温かいからなのでしょう。
ローラに意地悪する工場の工員や、チャーリーの心を理解しようとしない婚約者も、みなホントは優しい人たちなんですね。
彼らを見ていると、“自分と違う色をした他人を受け入れられない”という人間の本質と、それを乗り越え、受け入れてゆく“人間という生き物の素晴らしさ”を強く感じられます。

『ロッキーⅣ』じゃないですが、“人は変われる”んです。 きっと。

ローラやチャーリーが口にするセリフの数々もとても素晴らしく、人生の参考書になりそうな勢いです。
小粒でキリリと面白いイギリス映画特有の、ちょっと苦く、ちょっと甘い、心の栄養剤のような作品でした。


ちなみに、主役を演じていたのが『スターウォーズEP2&3』での若きオーウェン叔父さんでお馴染み、ジョエル・エドガートン。
意外と男前でビックリしました。
それと『ショーン・オブ・ザ・デッド』の、“使えないと思わせておいて実は動けるデブ”が忘れられないニック・フロストがおいしい役で出ていた事が、私のツボにはまりまくりでした


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『カーズ』

2007年02月01日
20070201111112.jpg  第79回アカデミー賞 アニメーション映画賞ノミネート


「くるまがいっぱいでてきて、とちゅうでいなくなってちょっとかなしくなったけど、さいごはみんながでてきてよかったおはなし!」
4歳・幼稚園児 談


天下無敵のCGアニメーション工房・ピクサーが、みんな大好きスポーツカーを主役に抜擢して作り上げた『カーズ』。
上記のように、ちっちゃいお友達でも見事にストーリーを理解する事が出来る、安心設計です。

ストーリーはいたってシンプル。
カーレーサーのマックイーンは、天才的技術は持っているけれど、自己中で他人を見下している為本当の友達も居ない寂しい男。
そんなマックイーンが、決勝レースに向かう途中で道に迷い、ある過疎化した町に辿り着きます。
その町でマックイーンは、気のいい連中に出会い、彼らとのふれあいの中で徐々に他人を思いやる優しい気持ちに目覚め始めます。
すっかり町に溶け込み、友情で結ばれた頃、行方不明状態だったマックイーンを探しにマスコミが殺到。
マックイーンは町のみんなにお別れを言う暇も無く、決勝レース会場に連れ戻されます。
決勝が始まっても、みんなの顔が目に浮かび、レースに集中出来ないマックイーン。
そんな時、マックイーンの耳に懐かしい友の声が飛び込んできます。
町のみんながレース会場に駆けつけてくれたのです。
温かい声援に包まれ、レースに挑むマックイーンは、「優勝」と言う2文字よりも大切な物を手に入れていたのでした。


優しいお話ですねぇ。
すさんだ心に一服の清涼剤とは、まさにこの事を言うのでしょう。
そして、とても簡潔にストーリーを要約している4歳児に、盛大な拍手を!

淡い初恋、温かい友情、固い信頼関係に、そこそこ教訓も含まれており、ストーリーには一遍のほつれもありません。
ただひたすらにリラックスして、車たちが織り成す“ちょっといい話”に癒されれば、それでいいのです。
大人も子供も適度に笑い、適度にホロっときて、適度に忘れてゆく、ピクサーの模範的な作品なのではないでしょうか。

もちろん、作品の質は言う事なし。
ピクサーですから。
車の質感にも抜かりはありません。
レースのシーンなどは、本物の車としか思えないような光沢感たっぷりのボディに、思わず実写映画を観ている様な錯覚を覚えます。
そしてその直後に、車の前面に四白眼のコミカルな顔がくっ付いているのを観て、そのギャップにずっこけそうになるのです。
おまけにこの車たちは、舌まで出してくれるじゃないですか。

・・・し・・舌かぁ・・・。

まさか、車に舌を出されるのをこの目で見る日が来るとは思いませんでした。
とことんリアルなCG描写と言うのは、笑いとドン引きが紙一重なのだと言う事を、つくづく実感しますね。
ちなみに、私は後者の方でしたが。

まぁ舌の件はともかく、徹底的に擬人化された車たちはとてもユーモラスで親近感たっぷり。
観ている私たちは、いつしか彼らが車だと言う事を忘れ、信じ合い、助け合う事の大切さに、改めて気付かされるのでした。

・・・いや・・、忘れはしないか・・。
なんせ、空をブンブン飛び交う虫まで車ですから。

優れたストーリー性と魅力的なキャラクターを送り出し続けるピクサー。
これから先も、CGアニメ界をリードし続ける事でしょう。

「本家の方も、『シンデレラⅢ』とか『バンビ2』とか過去の名作を食い潰すのをいい加減止めて、優れたオリジナル(手描き)アニメを作る努力をすればいいのにね!」
3※歳・無職 談

(才能の宝庫であるピクサーのジョン・ラセター監督が、ディズニーの指導員になったらしいので、これ以上名作に手を出される心配は無くなりそうです。めでたしめでたし。)
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