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『リトル・チルドレン』

2009年04月21日
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★★★★
ナイトオウルとロールシャッハが夢の再競演!(※こっちの方が先なんですけどね)


姉さん、事件です!
かれこれ一ヶ月以上、ホラー映画のレビューを書いていません!


と言うことで、自分の中ではあり得ない事態が起こっていたらしい事に気づいたアガサは、早速 『東京残酷警察』 を鑑賞。

薙刀婦警最高!!

が、そのレビューの前に先日観た 『リトル・チルドレン』 の感想を書くの巻。

あらすじ・・・
サラは年上の夫との生活にズレを感じていた。 3歳の娘も、自分の生活リズムを乱す疎ましい存在でしかなかった。 なんとなくの義務感で通っていた公園でのママ友との付き合いも、彼女のストレスを増幅させるだけだった。 自分が望んでいたのは、こんな生活だったのか・・・? そんな時、いつもの公園に若い父親が息子を連れてやってきて・・・。

リチャードは年下の妻との生活に息苦しさを感じていた。 一流広告代理店での仕事も好調、大きな邸宅も購入、かわいらしい娘にも恵まれ、順風満帆なはずだったが、自分に心を開こうとせず常に陰気な表情をしている妻のせいで生活にはなんの輝きも無かった。 そんな時、たまたま仕事中に見つけたエロサイトの下品な猥褻さに心を惹かれ・・・。

ブラッドはエリートの妻との生活に押しつぶされそうだった。 司法試験勉強中で収入のない彼は、妻に代わって3歳の息子の世話をするが、どんなに愛情を注いでも結局妻には敵わない。 夫としても、父としても、主夫としても、常に劣等感を感じていたブラッド。 自分が理想としていたのは、こんな生活だったのか・・・? そんな時、久しぶりに息子と訪れた公園で一人の女性と出逢って・・・。

キャシーは何もかもに満足していた。 ドキュメンタリーの仕事は順調。 息子は世界一可愛い。 司法試験に落ち続けている夫も、きっと来春の3度目の挑戦で実を結ぶに違いない。 忙しい自分に代わって、何の文句も言わず家事もしてくれる夫。 何もかも極めて満足。 そんな時、試験勉強の為に出掛けていた夫が、勝手にアメフトチームに入っていた事を知り・・・。

ラリーは何もかもに失望していた。 警察官の仕事を天職だと思い、人生の全てを捧げていた矢先に起こった事故。 自らの過失で招いた罪のない少年の死。 退職を余儀なくされ、妻にも見捨てられたラリーは、その正義心の矛先をどこに向ければいいか判らず陰鬱な日々を送っていた。 そんな時、小児性愛者のロニーが服役を終え社会復帰した事を知ったラリーは・・・。

ロニーはどうにも出来なかった。 昔から、性的愛情を感じるのは幼い少女に対してだけだった。 抑えたくても抑えられなかった。 それが罪だと言われたら、罰を受けるしかなかった。 ただ、自分に無償の愛を与えてくれる母だけは苦しめたくなかった。 周りの人間に揶揄されるのは我慢できたが、母の哀しむ顔だけは見たくなかった。 でも、どうすればいいのか判らなかった。 そんな時、刑期を終えて出所した彼を監視する市民団体が結成され・・・。


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久しぶりにいい変態を見ました。
ロニーは可哀想な変態。
でも、リチャードはいい変態! 頑張れ、リチャード!!

どんな変態なのかは実際に作品をご覧になって頂くとして、これホントにいい映画でした。
変態とか関係なく、とってもいい映画でした。
まぁ、変態がからんで来たお陰で、さらに見ごたえがアップしたとは思いますが、それにしてもいい変(以下略


性犯罪者は、一部の愉快犯的な鬼畜を除いて、病気を抱えた人なのではないかと思います。
まぁ、愉快犯的なヤツらもビョーキだと言えばそうなのですが。

小さい子しか愛せない、限定的なプレイしか試せない、特異なシュチュエーションでしか反応しない。
症状は色々でしょうが、自分の中の欲望を抑えられないという点で、彼らはみんなある種の病気なのではないかと。
病気だから簡単には治せない。
欲求が高まって法を犯してしまったら刑務所に入れられるけれど、根本的な病気の部分は治らずに社会に放り出される。
再犯率は、一般に言われているほど高くないとは言え、病気を抱えたままのペドがもし、自分の隣に引っ越してきたら・・・。


以前ブログで、「性犯罪者は去勢すべき」と書きました。
今でもその考えは変わっていません。
病気なのだったら治療してあげるべきですが、その制度が整っていない以上、危険は常に愛する我が子の傍にある訳です。
だから去勢。
全ての根源を断ち切ってしまえ!
なんと非人間的な発言でしょうか。
でも、人間だからこそ我が身(我が子)可愛さで言い切ってしまうのです。

「更正を・・・」「人権を・・・」と言うのなら、具体的な解決策を挙げてほしい。
でなければそう思うあなたが面倒をみてあげればいい。
無責任で乱暴な言い分かもしれないけれど、本人にも抑えられない欲望が性犯罪に繋がるのなら、よっぽど徹底的に管理・サポートしてあげないとその欲望はいつか自分の身近なトコロにも飛び火してくるかもしれない。
そうなった時、一体だれが時間を戻してくれると言うのでしょうか?
誰も傷ついていない状態へと戻してくれると言うのでしょうか?


本作で病気を抱えたまま放り出された人・ロニーは、彼自身とても苦しんでいるように見えます。
自分だって同年代の女性を愛せるものなら愛したい。
大切な母親を安心させたい。
でも、どうにも出来ないのです。
なぜなら彼は病気だから。
そんな彼を必死に守る、年老いた母。
最終的に、勝手な正義心を振りかざし、言葉の暴力で彼の母を追い詰めたラリーによって、親子は悲劇的な別れを迎えます。
間接的な殺人者となったラリーを責めるのではなく、ラリーの暴力を招いた原因である自分を責めるロニー。
全ての根源を断ち切ってしまえ!と言わんばかりに、自ら去勢してしまうロニーの痛々しい姿を見ていると、自分が発した「性犯罪者は去勢」という言葉の浅はかさにハっとしてしまいます。
何か手はなかったのかと、彼の病気に対して何か対処してあげられなかったのかと、どうすれば人は、歩み寄り、一歩前進する事が出来るのだろうか、と、この問題の難しさを前に頭を抱えるばかりでした。

だって、なんだかんだ奇麗事や建前や理想を並べ立てたトコロで、実際自分の近所に性犯罪者が住んでたらイヤですもの。
全力でイヤなんですもの。


行き過ぎてしまったラリーに対しても、「なんだコイツ最低だな」では済まない感情を抱いてしまいます。
心の拠り所は誰だって必要としているハズ。
ラリーの場合は、失った生きがい(仕事と家族)に代わるモノを、元犯罪者のロニーに押し付けてしまった。
勿論それは間違いで、他所に求めるのではなく、自分自身で解決しなければならない問題だったのですが、それが出来る人ばかりじゃないんですよね。
みんな弱いんですよ。

弱いと言えば、自らの望まぬ状況から抜け出したい症候群のバカップル、サラ&リチャード。
子供の居る居ない、仕事が充実しているか否か、結婚の有無、環境は違えど、多くの人が何かの不満や物足りなさを抱えて生きています。
自分の中にポッカリと開いた穴。
そこを埋めれば、何かが劇的に変わるのではないかと夢見る大人たち。
でも実は、その穴には何も当てはまらないのです。
その穴は一生埋まらない。 埋まらないからこそ、求め続けてもがき続けて成長したり後退したりしてゆく。(←後退はアカンやろ)

サラとリチャードは、日常生活の穴を埋める役割をお互いに求め、夢のような逢瀬を重ね、汗まみれの情事に溺れます。
それだけでは満足出来なくなったサラは、
「こんな非現実的な関係はイヤなの」
とリチャードを誘導尋問。
「ならば2人で新しい生活に飛び込もう」
とまんまと誘いにのったリチャードでしたが、その「新しい生活」ほど「非現実的な世界」は無い訳で、2人もその事には気づいているのですね。

だからこそ、寸前に起こったアクシデントをきっかけに、2人の夢は弾けて消える。
現実と非現実の判断がとっくに出来ていた2人だったから、そこに後ろ髪引かれる思いなどは、きっと無いのでしょう。

はたから見れば、「とくダネ!」の後の番組で再現VTRが流されそうな陳腐な不倫関係ですが、たった数ヶ月の蜜月は2人を少しだけ成長させたのではないかと思います。
一歩前進できたかどうかはわかりませんが、少なくとも今自分が立っている足元を見つめなおす事くらいは出来たのではないかと。

濃密な小説を読んでいるような満足感と、自分がこれまでに失ってきたかもしれない色々な情熱への寂しさと、偏見と、自立心と、人生を諦める事と受け入れる事の違いを考えさせられた良質な映画でした。
役者の素晴らしさは言うまでも無い。

ちなみにバカップルのリチャードと、性犯罪者のロニーを演じたのは、それぞれ 『ウォッチメン』 のナイトオウルとロールシャッハ。
ロールシャッハ&ロニー役のジャッキー・アール・ヘイリーは、この作品でオスカーノミネートをゲット。
『ウォッチメン』 を観た今となっては当たり前の話なのですが、ノミネートされた事は決してまぐれじゃなかったんですね。
最高に哀れな変態です。

で、ナイトオウル&リチャード役だったのがパトリック・ウィルソン。
ロリコン制裁映画 『ハードキャンディ』 で、師匠にタマを刈られそうになっていたあの大人ですよ!
今回の役も非常にナイスバディで、腹筋なんかもう割れ割れで、萎びた大根みたいだったナイトオウルと同一人物には、とてもじゃないけど見えません。
役者やのうパトリック・・・ 抱いてホールドオンミー!(←いくらなんでも古すぎる)

大人であればあるほど共感できるのではないかと思う本作。
体が大人の人も、心だけが大人の人も、お薦めです。


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『4分間のピアニスト』

2008年10月18日
ピアニスト
偏固なヴァーさんと凶暴なビッチが織り成す、戦慄のハーモニー。

お久しぶりです、アガサです。
秋ボケなのかはたまた燃え尽き症候群なのか、とにかく映画を観る気も記事を書く気も起こらなかった今日この頃だったのですが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。
しかし流石に、1週間近く映画を観なかったら禁断症状らしきモノが現れ始めましたので、以前史郎さまがご自身のHPで紹介されていた 『4分間のピアニスト』 を鑑賞。

・・・史郎・・

・・史郎かぁ・・

・・史郎・・・ かっこいいよ、史郎・・・ ゚ + 。・゚・(ノД`)゚。・.。*
(←引きずり中)

あらすじ・・・
ナチの刑務所で従軍看護婦をしていた過去を持つクリューガーは、その当時愛し合っていながらも関係を絶たざるを得なかった恋人・ハンナの事を、60年以上経った今も深く愛していた。
そんなクリューガーの人生の全ては“ピアノ”であり、ハンナとの思い出の詰まった“ピアノ”を教え続ける事が、亡くなった恋人への唯一の贖罪でもあったのだ。

幼い頃からピアノの神童と言われ、世界中のコンテストで華々しい結果を残していたジェニーは、いつしか“演奏させられる”事に疑問を感じるようになっていた。
しかし、そんな疑問を快く思わなかったマネージャー(義父)から性的暴行を受けたジェニーは、全てにおいて暴力的となり、果てには恋人が犯した殺人の罪を被り、自ら進んで刑務所に入ってしまう。
彼女は、ピアノという天賦の才能を殺してしまう事が、義父に対する唯一の復讐だと思っていたのだ。

幼い娘と二人暮らしの看守・ミュッツェは、知性と芸術性に溢れたクリューガーを心から尊敬していた。
彼女に“特別”と思われたいが為に、彼女に少しでも近づきたいが為に、日々勉強に励むミュッツェ。
しかし、念願叶って開講されたピアノ講座の初日に、癇癪を起こしたジェニーから暴行され半殺しの目に遭うわ、怪我も治ってやっと職場に復帰してみたら、憧れのクリューガーはジェニーの才能にゾッコンになっているわで、泣きっ面にハチ状態のミュッツェ。
彼はいつしか、その報われない想いや怒りの全てをジェニーにぶつける事が、自らのプライドを保つ唯一の方法だと思うようになる。

女囚を収監する刑務所の所長は、何よりも体面を重視していた。
自らの名声を上げる効果があると聞けば、たった数名の女囚の為にピアノ教室を開きもするし、自らの経歴に傷がつくと言われれば、一人の不幸な天才少女の将来に蓋をする事にも躊躇がない。
それが彼の唯一の生き方なのだ。 (←ちょっと無理があるか)

刑務所暮らしの長い女囚・Aさんは、とにかく新入りのジェニーの事が気に食わない。
いつもスカしているのも気に食わないし、いいトコ育ちのせいからか自分たち“女囚”とはどこか雰囲気が違うのも気に食わないし、挙句天才的なピアニストだった事も気に食わない。
唯一気に食わない。 (←かなり無理がある)

ジェニーの義父で、育ての親かつマネージャーだったレーベン。
しかし、つい出来心から力ずくで性交渉を行った事で、ジェニーの信頼を完全に失い、代わりに有り余るほどの憎悪を向けられる事になる。
本当は心の底から純粋に彼女の才能に心酔していたレーベン。
刑務所に入りピアノを捨ててしまった筈のジェニーが、再びクリューガーと共にピアノ道に復帰しようとしている事を知った彼が、あらゆるコネを駆使して、ジェニーをコンテストで優勝させようと目論んだとしても、なんら不思議はなかった。
何故ならそれが、彼が“娘”に出来た唯一の罪滅ぼしの方法だったからだ。 (←なんとか着地)


そんな様々な“裏事情”を抱えた人たちの悲喜交々を、美しいピアノの旋律と共にお届けする、ハートウォーミングな再生物語。


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やはり“唯一”で纏めるのは無理がありましたね。
あと、“ハートウォーミング”と呼ぶにはあまりに棘が多い作品ですので、油断して鑑賞していると傷を負います。
なら“ハートウォミング”とか書くなよ。 (←言われる前に自分で言う)

色んな対比が激しくも美しい作品でしたね。
暴力と旋律、クラシックと現代音楽、老いと若さ、感情の抑圧と解放、嫉妬と羨望などなど・・・。
痛々しいシーンも多く、腹立たしく感じるシーンもあったのですが、澄んだピアノの音に浄化されてしまった様に感じます。
恐るべしピアノ・パワー。
本気で習っとけばよかった。

さてさて。
そんなこんなで(?)、正反対の価値観を持つジェニーとクリューガーが迎えたコンクール決勝。
クラシックだけを「良し」とするクリューガーの期待を見事に裏切り、自分が「良し」と信じる前衛的な演奏を披露するジェニーを、呆気に取られた表情で見つめるクリューガー。

アカン・・・ あの子、 やってもうたわ・・・(((´Д`;)))

と脱力し、コンクール優勝を諦めたクリューガーは会場を抜け出し、普段飲まないワインを一気に喉に流し込みます。
しかし、3杯目のグラスを片手に会場に戻ったクリューガーが目にしたのは、客席の異質な空気を物ともせず、自らの芸術を一心不乱に表現し続けるジェニーの姿と、その演奏に衝撃を受けるものの、最後には拍手喝さいを贈る観客の姿。

“有り”なんか・・・  こんなんも“有り”やったんやな・・・!意外とな!! Σ(゜∀゜;)

と悟ったクリューガーは、自棄酒を祝杯へと変え、ジェニーを称えるのですが、このシーン、中盤にある伏線とも合わさって、実に感動的に纏めあげられているのですね。
若干クリューガーが「観客に流された」感も無くはなかったのですが、希望に満ちた素晴らしいシーンでした。

何が正しくて何が間違い、だなんて決められないのが人生であり、芸術だと思います。
ジェニーとクリューガーも、最初は自分の価値観の中だけで正否を決め付け、相手に押し付けようとしてしまいますが、ぶつかり合い、傷付けあう事で理解しようとする・・・。
理解できないまま別れるも人生。 
何とか一部分だけでも理解しようと歩む寄るも人生。
どちらかと言うと圧倒的に後者の方が困難ですが、それでも豊かだと感じられるのも後者の様な人生なのではないでしょうか。

だからオレは、「切株を一緒に観てくれ」だなんて言いやしない・・・
ただ、切株を観るオレを、そっとしておいて欲しいだけなんだ・・・!
 (誰に言っているんでしょうね☆)

てな具合で、キレイに纏まった所で(そうか?)今回のレビューは切り上げたいと思います。

ちなみに、圧巻だった劇中のピアノ演奏は、日本人ピアニストの白木加絵さんと木吉佐和美さんと言う方によるものだそうです。
すごいなぁ・・・ 名前は知らないけれど、才能に溢れた演奏家の方って沢山いらっしゃるんですね。
雪崩る様なピアノの音色に、楽器は“表現する道具”なんだと言う事を改めて気付かされました。
この演奏だけでも一見の価値があると思いますよ!


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『スモーク』

2008年09月10日
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(ポール・オースターを愛するTさんに、感謝やお詫びや言葉にならない色々な想いを込めて。)




物凄く感激する出来事がありましたので、居ても立っても居られず鑑賞。
ポール・オースターの短編を基にした(脚本も自身で担当)良作 『スモーク』 のgdgdレビューです。

あらすじ・・・
ブルックリンの交差点で毎朝同じ構図、同じ時間の写真を撮り続ける煙草屋・オギー。
最愛の妻が強盗に巻き込まれ死亡して以来、筆を措いたままの小説家・ポール。
12年前自分を捨てた父に会いに行こうとする少年・ラシード。
妻の死に責任を感じ、息子から逃げ出した父・サイラス。
危険な道に入り込んでしまった娘を助け出す為、18年ぶりにその父であるオギーの元を訪ねる母・ルビー。

少しの嘘が、沢山のタバコの煙と共に、人々の心を繋いで行く・・・。


アガサはこの映画が大好きです。
数年ぶりの鑑賞でしたが、今回もまた再生ボタンを押した瞬間、ブルックリンの何気ない風景にすっかり入り込んでしまいました。
彼らの日常はさほどドラマティックでは無いけれど、観る者の心を捉えて放しません。

毎日は、同じ様に見えても、同じ日なんて一日も無い。
そんな事は勿論判っていますが、現実私たちは、日々を早送りにでもしているかのように消費し、今日出来ることを“明日”や“いつかそのうち”に押し付けて、駆け足で“人生”のページを捲って行く。
そしてある時ふと立ち止まり、振り返り、取り返しのつかない事をしてしまったと言う事実に気付くのですが、取り返せないのでまた次のページに進む・・・。

一日一日がどんなに大切で、どんなにかけがえの無いモノか、諸事情から骨身に染みて判っている筈のアガサですが、やはりページを捲る手は駆け足です。
そんな現状を何とかする心の余裕も無いのが現実ですので、一日の終わり(布団に入り、電気を消した瞬間)には、毎回後悔の波が押し寄せます。
しかし、それはそれで、仕方の無い事だと思います。
決して理想論を唱えるつもりはありませんし、朝から晩まで「世界のみんな!今日という日をありがとう!」などと言う、ちょっとアレっぽい教訓を胸に生きるつもりもありません。というか無理。

ただ、一日のうちで一瞬でもいい。
それはありふれた光景でいいので、大切に感じた瞬間を、目に焼き付けておきたいとは思います。
優しさに触れた瞬間、愛しさを感じた瞬間、特売品をゲットした瞬間、笑ってしまった瞬間・・。
ページに焼き付けられた、たわいもない様々な瞬間は、自分達が過ごした貴重な一日の証になるだろうから。
記念写真用の笑顔より、フレームの端に偶然写っていた微笑の方が胸を打つように。

さて、最初に「さほどドラマティックではない」と書きましたが、実は結構波乱に満ちた本作。(の登場人物)
18年前の痛い恋愛から、“結婚”という選択肢を捨てたオギー。
その前に現れ、“わたしたちの”娘を救って欲しいと懇願するルビー。
何故かアイパッチ。 
しかも黒。
パイレーツ・オブ・何ビアンやねん。 

幼い頃に自分を捨てた父の目撃証言を聞き、長年抑え続けてきた衝動が抑えきれなくなったラシード(本名トーマス)。
実は街のギャングの金をくすねており、彼らから追われる身でもあったラシードと、そんなラシードを実の息子とも知らず雇う羽目になるサイラス。
何故か義手。
しかも鉤爪。
だから、何レーツ・オブ・カリビアンやねん。(※フック船長は出てきません)

妻を喪ったショックから長年措いていた筆を、ある事がきっかけで再び執る事になったポール。
車に轢かれそうになった所をラシードに助けられ、不思議な友情で結ばれる事に。
行く当てのないラシードを匿ったせいで、ギャングにブルボッコにされるものの、一方そのラシードの機転のお陰で素敵な恋人をゲット。
・・・
・・
・・・そうそう海賊ネタなんか無いわい!(←なら書くな)

彼らはあちこちで沢山の嘘をつき、つかれた嘘を信じ、小さな幸せを守ります。
嘘はよくない。 
果たしてそうでしょうか?
人を傷つける嘘は勿論よくないけれど、人を守る為の嘘は必要なのではないでしょうか。
「たった一人でも信じる人がいれば、それは真実になる」
・・・アガサもそう思います。

事実、本作に出てくる嘘の数々は、どれも人を傷つけません。
子供っぽい作り話から、大人の痴話話まで、あちこちで飛び交う嘘が人々を包み、現実のショックを和らげたり希望を抱かせたり・・。
一箇所だけ、真実を告白するシーンがあるのですが、その顛末だけがなんだか晴れ晴れとしない、息苦しい空気を醸し出していたのが印象的でした。

一応書いておきますが、別に表面を取り繕って、嘘偽りで固めた欺瞞に満ちた生活をおくるべし! と言いたい訳ではありませんからね。
要は、人生には嘘も必要だと言う事です。ユーモアが欠かせないのと同じで。
そしてこの映画は、そんな人生に散りばめられた優しい嘘が、素晴らしく心地よい作品だと言う事です。(回りくどくてすみません)

映画は人生を豊かにする、と言いますが、本作はまさにそのお手本の様な作品なのではないでしょうか。
さりげない日常と、その中に潜む喜びの見つけ方を教えてくれる、とても温かい映画でした。
これでまた安心して切株に戻れr(モゴモゴ)

それにしても本作の登場人物たちと言ったら、なんとおいしそうにタバコを燻らす事か。
タイトルが“スモーク”ですから、それが物語の重要なアクセントになる事は当然なのですが、それにしても実に魅力的に映し出される喫煙行為。
NYの路上で軽やかに立ち上る紫煙には、時代の大らかさを感じてしまいました。(※本作は1995年公開)

・・・ええと、・・禁煙中の方や禁煙をお考えの方は、鑑賞を見合わせた方がよろしいかもしれませんね!




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『JUNO/ジュノ』

2008年06月22日
ジュノ
第80回アカデミー賞・脚本賞受賞

こんにちは、アガサです。
何を隠そう、当ブログでは“アクセス解析”という機能をつけさせて頂いておりまして、お越し下さる皆様がどんなネタを求めてここに辿り着かれたのかだとか、どこのサイト様を経由して来られたのかだとかを、イッシッシとほくそえみながら拝見させて頂いているのですが、その中に都道府県別アクセスランキングというのも表示されるのですね。
ちょっと今月の例を挙げさせて頂きますと、

1位・・・東京都
さすがは首都! キング・オブ・ジャパン! 東京最高!!

2位・・・大阪府
よっ!天下の台所!! キッチン・オブ・ジャパン! 浪速ばんざい!!

3位・・・福岡県
ビバ!北九州! 観覧車の大きさ世界第2位は伊達じゃないぜ! けっこんしてくれ!福岡!!

以下、神奈川県、愛知県・・・と続くのですが、ちなみに我が岡山は・・・

・ ・ ・

・・じゅ・17位とな・・・orz

・・まぁ・・ね・・  やっぱなんて言うの・・? 田舎だもんね・・ 地下鉄も無いしね・・ アハ・ハ・・ハ・・゚・(ノД`;)・゚・

で、本題に入りますが、
こちらにお越しくださった、希少な岡山在住のみなさんにお願いします。

岡山唯一のミニシアター・シネマクレールに行って下さい。
(※詳細は後ほど。)

あらすじ・・・ ※完全ネタバレですのでご注意ください※
ジュノは16歳。
気の合う男友達とちょっと活発な運動をしてみたら、なんとたった一回で大当たりが出ました。
しかしジュノは、くどいようですが16歳。
当たりを秘密裏に無かった事にする事を決めました。
ところがジュノ(16歳)は、自分の体内に潜む生命体には既に、爪が生えている事を知ってしまいます。
他のパーツならまだしも、爪があるんじゃあしょうがない。と、産む方向に路線変更しました。
そんな16歳のジュノは、産むはいいけど育てるつもりなど毛頭ありませんでした。
そこで、とある裕福な夫婦と里親契約をしました。
ジュノの年齢言いましたっけ?そうそう、16歳ね。
日ごと大きくなってゆくお腹に、同級生たちは興味津々。
しかし、肝心の父親である男友達とは、なんとなく気まずい関係。
なぜならジュノは、若干16歳。
若さゆえに自分の本音を、男友達にぶつける事が出来ません。
そんな訳もあり、なんとなく里親候補の家に入り浸ります。
仕事で殆ど家にいない奥さんと、自宅で仕事をする商業作曲家の旦那さん。
しつこいようですがまだたったの16歳であるジュノは、趣味が合った事も相成り、その旦那さんと親密さを増してゆきます。
ジュノの純粋な感情が、旦那さんにとある感情を抱かせた事に、なんら不思議はありませんでした。

齢16のジュノの行動は、周りの人間に様々な影響を与えてゆく・・・。
そして、ジュノ自身も、大きく成長してゆく事に・・・。


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アガサの中では “師匠” として大いに崇められているエレン・ペイジが、今年のアカデミー賞・主演女優賞ノミネートをゲットした事でもおなじみ、 『ジュノ』 を鑑賞しました。
ええと、何故 “師匠” なのかは『ハードキャンディ』レビューを参照の方向で。

いやぁ、噂に違わぬ素晴らしい演技でした!
さすがは師匠!!
タマを刈ること以外もお得意なんですね!!


物語は上記の通り、16歳で妊娠してしまったジュノの出産までの1年を、パンチの効いたトークと溢れるユーモア、隠し切れない親子愛を交えつつ、結構な駆け足で描いてゆきます。
ジュノの“妊娠”に対する周りのリアクションは、とてもじゃないけど“16歳の母”に対するものとは思えないくらい呑気なモノ。
はちきれんばかりのお腹で元気に登校するジュノに対して、学校も同級生もほぼノーリアクション。
親友は明らかにこの事態を楽しんでいますし、里親との契約も非常にスムーズかつフレンドリー。

もしもコレが日本の話だったなら、
まず、妊娠を打ち明けた時に両親の激高エピソードがあり、
彼氏の両親の猛反対があり、
学校からは退学をちらつかせられ、
同級生からはイジメられ、
ご近所のおばさんからはイヤミを浴びせられ、
PTA会長夫人が介入し、
教育委員会も「由々しき問題ですぞ」と嘯き、
尚且つ妊娠中に流産の危機にさらされる
などなど、鬼ばっかりの世間を渡る破目になる事は確実でしょう。

なぜなら日本では、若すぎる(“学生の分際で”というアレ)妊娠には、“マズイ事になってもうた”という負のイメージがあまりに強く付きまとうからです。
そこから言えば、本作のジュノの1年間は非常に穏やかで、協力的な周囲に見守られながら、ジュノ自身もなんの困難もなく出産を迎える様に見受けられます。(あえて描かなかったのかもしれませんが)

しかし、実際の妊娠というのは、そんな甘っちょろいモノではない。
つわりもあれば、足も攣る。 過激に動き回ればお腹が張って「ヤバいぜモード」に突入するし、
「あ♪ 今、お腹蹴った♪」
みたいな心温まるシーンも、実際に蹴られると完全なるDVに認定出来る程の激痛が走るんだぜコンチキショー!!(誰の体験談だとは言いませんよ)
 
・・・、話を戻しまして (´▽`;)

しかし、この “16歳の妊娠” というテーマが、(日本から見たら)非現実とも思えるくらい、非常に明るく描かれているのが素晴らしいトコロなのではないかと、アガサは思う訳です。
何故なら本来 “妊娠” と言うのは、きっと祝福されるべき結果だと思うからです。
もちろん、それが望まれていたかそうでないかは重要なポイントであり、望まれていなかった場合は不幸な行末が待ち受けている事も多々あるのですが。
ですから、あまりに誰からも望まれていなかった場合は、産むべきではないと言うのがアガサの持論です。
ただ、たとえ親近者でなくて望む人がいるのなら、その命は生まれるべきだと思います。
本作の様に。 (ただし、アメリカと日本の養子制度はかなり異なる様ですので一概には言えませんが)

さてさて、そんなこんなで、赤ちゃんも行くべきところに行き、ジュノも真実の恋人をゲット出来まして、とても幸せな気持ちに包まれる “青春出産ファンタジー” に仕上がっている本作ですが、数々の魅力溢れる登場人物の中でもアガサがもっとも気になったのは、嫁に言われるがまま里親に立候補した売れっ子作曲家の夫・マーク(30歳)。

妻が妊娠してる間によそで浮気をする と言うのはよくある話ですが、なんとこのマークの浮気相手は他ならぬ妊娠相手(ジュノ)。
好きな音楽やホラー映画の話題で意気投合した事から、14歳も年下の女子高生にマジもんの恋愛感情を抱いてしまうマーク。
昔からくすぶっていた“ミュージシャンになる夢”まで再加熱してきて、「こりゃもう人生やり直すっきゃないZE!」とばかりに離婚を決意してしまう、とんでもない浮かれ野郎です。
趣味が合って信頼できる年上の友達 として、純粋になついていたジュノに対して、しまいには
オレ・・・妻とは別れるから! ・・な!! わかるだろう?
などと、勘違いも甚だしい交際宣言を高らかに謳いあげるマーク。

そんなマークを前に呆然と佇む師匠に、
師匠! この際コイツのタマも切り取ってやりますか?
と、心の中で大声援を送ったのはナイショです。(←言っちゃてるし)

今回の師匠が自重できる女でよかったな! マーク!

ま、ちなみにホラー映画が共通の趣味とは言っても
マーク=H・G・ルイス至上主義  ジュノ=ダリオ・アルジェント至上主義
と、かなり嗜好に開きがありますので、最初から上手くいきっこなかったのではないかとは思いますが。


“世紀に残る大傑作” とまでは言いませんが、色んな愛の形をバランスよく描いた、とても穏やかな気持ちになれる良作だったと思います。
まぁ、最後に一言でまとめるとするならば、
とりあえず避妊しろ。という事でしょうか。 (←ヒドイまとめ方)


※おまけの詳細コーナー※  
そうでなくても減少傾向にある劇場鑑賞者数が、シネマクレールに於いては特に顕著であり、みんなで通わないと岡山から良質な映画を上映する場所が無くなってしまうから。
てな訳で、アガサも行くのでみなさんも行きましょう。
なんと只今 「シネマ・クレールの【夏割】キャンペーン」 を実施中!
期間中に 『JUNO/ジュノ』 『DIVE!!』 『西の魔女が死んだ』 のどれかを観ると、それ以降は残りの2作品が1000円ポッキリで鑑賞出来るんですよ!お客さん!!


・ ・ ・

・ ・

どっちも観ねぇな・・・多分・・。 (特に『DIVE!!』の方)

シネマクレールで 『REC』 か 『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』 を上映してくれる事を、アガサは心から願ってやみません。
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『インランド・エンパイア』

2008年04月29日
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ニッキー(ローラ・ダーン)の変顔で、うちの2歳児が泣きました。 (27歳・都内会社員)

人としての根っこの部分からメガネ男子好きのアガサです、こんにちは。
先日、お友達のふぉんださんとメガネ談義に花を咲かせていた時のこと、
「だったらアガサさん、旦那さまにメガネかけて貰えばいいじゃないですか」
とのご指摘を頂戴しました。

・・・実は、もうそれはですねぇ、紀元前1万年くらい前から口を酸っぱくしてお願いしている事なんですよねぇ。
我が家の世帯主さまというのは普段は全くの非メガネなのですが、免許更新時に視力で引っかかった事があるらしく、一応マイメガネを持ってはいるのです。
ただ、運転に差支えが無いからと、その折角のメガネを実際にかけるのは年に1~3度程度。 ああ勿体無い。
そこで今回、ふぉんださんの言葉に勇気を貰い、再度お願いしてみる事にしました。

アガサ 「ねぇねぇ、普段からメガネかけたら?」
世帯主 「えー、なんで?」
アガサ 「ほら、メガネかければモテモテだよ? ・・私に」
世帯主 「・・・お前になんだったら・・・  やだ

・・・どうだい、ふぉんださん・・・  君はホントに幸せ者なんだぜ?

そんなアガサの最近のヒットメガネ男子は、マシ・オカさんです。

てな訳で、そんなメガネ男子ネタと同じく、先日のチャットで大いに盛り上がったデヴィッド・リンチ監督の最新作 『インランド・エンパイア』 をやっとこさ鑑賞しましたので、そのレビューなど・・・。

まずは箇条書きであらすじ・・・※ 相当長いです ※
● 顔にピントが合っていないポーランド人の娼婦と客がホテルでイチャイチャ、1セット。
● 砂嵐状態のテレビを見ながら泣き続ける女(以下泣き女)登場。
● そのテレビの画面が人型うさぎの部屋の実況中継に。(以下スーパーうさうさタイム
● 人型うさぎが別室に移動すると、その宮殿のような豪華な部屋では2人のおっさんが何やら確認タイム。
● 人型うさぎ退場。
● 町の有力者を夫に持つニッキーの家に、怪しいポーランド訛りのおばさんが引越しの挨拶にやって来ました。  
● まぁまぁ、ティーでもドリンクすっか?
● 最近ニッキーがオーディションを受けた映画の話で大盛り上がり(※おばさんのみ)。
● ポーランドおばさんの昔話タイム。
  ①外に遊びに出かけた小さな男の子。玄関を抜けたら分身(悪魔)が生まれた。
  ②外に遊びに出かけた小さな女の子。市場で迷子になったけど、普通、市場は通り抜けずに裏の路地を抜けるのさ。それが宮殿へ行く道だから・・・ま、大概は思い出せないんだけどな!
意味がわからない。
● ポーランドおばさんの格言タイム。
  ①行動には結果が伴う。
  ②もし今日が明日だったら、未払いの請求書の問い合わせも覚えていないだろうさ。
  ③もし明日なら、あなたはあのイスに座っている筈。
そろそろ帰って下さい。
● 何はともあれ、オーディション合格! ヤッター!!
● これが当たれば君たちはスターだぜ~。 ウハウハだぜ~。
● 実はこの映画には元ネタがあって、過去の撮影中に2人死人も出てるんだけど、ま!気にすんな!
● どうやら相手役のデヴォンはニッキーに興味津々の模様です。
● ニッキーはポーランド語がしゃべれナイト。
● ショートコント「刑事と美人容疑者」
  「私・・このままだと誰かを、このドライバーで刺してしまいそうで・・・」
  「・・て、お前が刺されとるやん!!」

● 何はともあれ、映画撮影は順調な模様です。
● デヴォンは周囲の忠告を完全無視して、ニッキーを落とす気マンマンです。
● 極シブ俳優ハリー・ディーン・スタントンによる、世界一かっこいいお金のせびり方。
● ニッキーのこわーい旦那様が、デヴォンの下心に気づいた様です。
● 何はともあれ、ニッキーも撮影中にデヴォンを口説き始めました。
● デヴォンが男の本懐を果たしてさ。
● ニッキーが若干壊れてさ。
● それを旦那がこっそり見てさ。
● 煮ない! 焼かない! もちろん喰わない!
● 謎の文字が書かれた入り口から、ニッキーが異世界に突入。
● ようこそ! 女だらけのフェロモンルームへ!
● 窓の外は雪に埋もれたポーランド。
● 腕時計をはめて、シルクにタバコで穴を開けて、そこから覗けば見える筈。・・・だそうです(泣)
● ポーランド人男性と泣き女の諍い・・その1
  「娘は絶対渡さないわ!」
● スーパーうさうさタイム。
● 世界一やる気の感じられない身の上相談所 ・ 目潰し&タマ潰し篇。
● 女だらけのフェロモンルームで、スーパーロコモーションタイム! 君も一緒にレッツダンス♪
● ニッキーにそっくりなスーザンは、今日も低所得者家庭で奮闘中です。
● もうイヤや! こんな生活! 浮気相手のビリーに電突せな!
● 掛けた相手は人型うさぎ。
● スーパーうさうさタイム。
● 世界一やる気の感じられない身の上相談所 ・ タマ蹴り篇。
● 昔々、化学物質で汚染された町の少女が、この世の終わりを見たそうな。
● 誰かがドライバーで刺されたらしいですよ。
● ポーランド男と泣き女の諍い・・その2 
  「お前の知ってる誰かが刺されて死んだみたいだぞ」
● スーザン家のバーベーキューに、愉快なサーカス団員が乱入。
● スーザンの旦那さんは、動物の扱いが上手いそうです。
だから何?
● 世界一やる気の感じられない身の上相談所 ・ サーカス団員のファントムさん(仮名)が非道い件について篇。
● 女だらけのフェロモンルームを、タバコで開けた穴から覗いてみよう。
って、見にくいわ!
● 自棄になったスーザンが、浮気相手のビリー宅に乱入しました。
● 修羅場だ修羅場だ♪ わっしょいわっしょい♪
● スーザンの旦那さんはサーカス団を訪ねましたが、逢いたかったあなたはもう居なかった様です。
● コップ投げ名人参上。
● こんにちは、請求書の未払い分を回収にやって参りました。
● スーザンです。回収屋さんの情報によると、うちの隣のおうちにはクリンプという人が住んでいるそうです。 会いに行ってみたら、口に電球を咥えたガイキチの完全体が出てきたので、ドライバーを持って慌てて逃げました。
● スーザンの旦那さんがスピリチュアルメッセージを受け取りました。 ついでに拳銃も受け取りました。
● スーパーうさうさタイム。
● 娼婦の溜まり場である路上で、キャットファイトの予感・・・。
● ポーランドでもキャットファイト・・?
● 世界一やる気の感じられない身の上相談所 ・ シリアス篇。
● 相談所の相談員は、あろうことかどこかに内通していたようです。
● 路上に戻ったスーザンは、ビリーの妻を刺し殺そうと決意するものの、逆に彼女に刺されてしまいました。
● 瀕死のスーザンは、ホームレスの溜まり場に辿り着きました。
● 日本が誇るスーパースター・裕木奈江、満を持して見参! 
  昔はポケベルが鳴らなくて苦労しましたが、今回はポモーナ行きのバスがあるかどうかで大揉めらしいです。 どうでもいいですけど、その前にスーザンに医者を呼んでやって下さい。
● スーザン、大量吐血。
● ス-ザン、絶命。
● はいカットォォォ!! 
● そうやらここまでの件は映画の内容だったようです。
● しかし、撮影が終わってもニッキーは放心状態のままで、気がつくと人気のない映画館へ・・。
● 劇場で上映されていたのは、さっきまで撮影していた例の映画のワンシーン。
● 劇場の廊下を抜けると、そこはアパートでした。
● ニッキー(スーザン)、ファントム(クリンプ)と全面対決。
● 空砲ですが、いいんです!
 ニッキーの顔が怖すぎる件について。
● スーパーうさうさタイム。
● 泣き女とニッキーが対面 → 抱擁 → 融和 ← 成仏
● 満ち足りた表情で部屋を出た泣き女は、階下で夫と息子に再会したそうな。めでたしめでたし。
● 次の瞬間、ニッキーが居たのはポーランドおばさんとティーをドリンクしていた部屋。
● おばさんが指したイスに座っていたのは、穏やかな表情のニッキー。

エンドクレジット

● 作中人物がみんな揃ってレッツダンシング!


お し ま い

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ま、解説といっても、大して書くこともないのですが。(←ひどい)

ハリウッドきってのキチガイ個性派監督、デヴィッド・リンチの作品は、初期のモノからエンジン全開フルスロットルで解読不可能。
その後、わかりやすい物語もあったものの、『ストレイト・ストーリー』 で何かが吹っ切れたのか、近年の作品は益々難解さがパワーアップ。
で、今回もそんなリンチワールドという荒馬に振り落とされまいと、渾身の力でしがみついてみたのですが・・・
見事振り落とされましたとさ☆ 

哲学的解読に長けている方や、映画的知識に富んだ方、深読みの帝王や女帝のみなさんでしたら、もしかしたらこの作品を、上手く解説できるのかもしれません。
しかし私は早々にこの作品を読み解こうとする気持ちを捨てました。
いや、捨てざるを得なかったと言うべきか><

だって、上記の「あらすじ」が、ほぼこのまま映し出されるんですよ?
わかりますか?この「あらすじ」読んで。
書いた本人にもわからないのに。┐(´ー`)┌  (←わかるように書け)

で、きっとリンチさんも、こんな感じで書いていたのではないかと思ったのです。
頭に浮かんだ断片を、その徒然に書き綴って、そして撮影した。
もちろん素人の自主映画ではないのですから、御大の頭の中では計算というか、キッチリ辻褄はあっているのだと思いますよ。
しかし、リンチさんの頭の中を判れって方が途方もない話ではないですか。
以前リンチさんのアート(絵画)製作風景の映像を見たことがありますが、ハエとかをキャンバスに絵の具で埋め込んでましたからねぇ。
あかんおっさんですよ、コレもし無職だったら。

そんな訳で、アガサは途中から考えるのを止めて、ひたすら目に映ったままを受け止めていました。
何の説明もなくいきなり変わる舞台設定。
正体不明の主人公。
謎の人型うさぎ。
確かに唐突すぎて理解できない。
しかし、感情はとてもまっすぐ伝わってくる事に気づいたのです。

ポーランドの雪に埋もれた街頭で、愛の消えた夫と対決する泣き女の絶望。
夫以外の男性と、許されない恋に落ちたニッキーのとまどい。
そんな彼女をじっと見据える夫の恐ろしい目線。
弱い存在だからこそ、団結し、支えあい、いたわり合う女たち。
グロテスクな顔のアップで描かれた、さまざまな感情の断片が、時に攻撃的に、時に心を締め付けるように押し寄せてくる。

グルグルと眩暈すら覚えるような、色彩と光と感情の中で、気づくとニッキー(スーザン)に同化しかけている自分。
まるで答えになっていないようで、これ以上ないようなハッキリとした答えを目の前に突きつけられている様な感覚。
それが何なのか判らないのがもどかしくて・・・。 (←実はこれ、ニッキーの台詞でも同じ言葉がありました)

そして、見終わって思ったのは、これは要は
抑圧された生活から抜け出そうとした女性が不運にも迷宮を彷徨う事となり、ひたすら魂の救済を求める。
という話だったのではないかという事。
ポーランドの泣き女も、ニッキーも、スーザンも、娼婦たちも、ただただ救われたかったのではないでしょうかねぇ。
ラストで、「恐怖」 や 「不安」 の象徴であるファントム(仮名)と対峙し、見事これを打ち負かしたニッキーによって、泣き女の魂が解き放たれるシーンは、その美しい音楽と共にいつまでも心に残る名シーンだったと思いました。

ま、人型うさぎの部分は何がなんだかさっぱりのままですが。

万人にお奨めは出来ない作品ですが、一度観ると病みつきになる可能性は大です。
私も結局、1回目こそ寝落ちしてしまいましたが、その後2回続けて鑑賞してしまいました^^;
観れば観るほど繋がってくる作品ですので、あと20回くらい観たらリンチさんの言わんとする事を汲み取れるのかもしれませんね。

ま、人型うさぎの部分はそれでも何がなんだかさっぱりでしょうが。

そんなこんなで、今回のレビューはこれにて終了。
最後に、今後観られるご予定の方にちょっとだけ注意事項を。
① パッケージに「ナオミ・ワッツ」とクッキリ書いてありますが、声だけしか出てきませんのであしからず。(「マルホ」のエロス再び!などという邪念お捨て下さい←オレの事か!)
② どんな恐怖映画にも勝るローラ・ダーンの変顔・・・、16歳以下はトラウマ必至ですぜ!
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