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『GAMER(ゲーマー)』

2012年07月10日
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同僚を殺して終身刑をくらったジェラルド・バトラーさんが、ゲーム好きの青少年に操作されてバーチャル世界で大暴れします。

・ その世界を作ったのは、天才プログラマーのケン・キャッスル社長。 現実世界で圧倒的な人気を誇る「ソサエティ」「スレイヤー」という2つのゲームの責任者です。

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(もちろんIT社長なのでロクロも回すヨ!)

・ 生身の人間の脳に「外部からコントロール出来る細胞」を埋め込み、増殖させる事で、「定められたエリア内」をプレイヤーの思い通りに動かせる、という画期的な鬼畜ゲーム。 バーチャルなんだかリアルなんだか。

・ 「ソサエティ」の方は、アメーバピグのえげつなさを100倍に膨らませたような、品行下劣なおっぱいワールド。 畑の世話も動物の飼育もありません。 あるのはナンパと公然わいせつだけ。 あと、やたらと色がチカチカします。 これが近未来か! 近未来っぽさなんか!

・ 一方、「スレイヤー」の方はというと、さらに人権無視の一大殺戮エンターテインメント。 「死刑囚(終身刑含む)なんかどうせ死ぬんだから好きなように使おうず!」とばかりに政府を言いくるめて、派手に人と人とを殺し合わせます。 操作するのは「プレイキャラ」を買った一般人ユーザーなので、ヘタクソに買われたが運の尽き。

・ 「スレイヤー」に参加させられる囚人のメリットとしては、30回死なずにゲームをクリア出来れば恩赦を受け釈放されるというものがあります。 ま、戦争ゲームなので、今までクリア出来た人なんていないんですけどね。 で、ジェラルドさんは自分自身の戦闘能力の高さやプレイヤー少年の腕の良さから、目下27連勝中。 あと3回勝てたら釈放・・・ とは言え、ゲームクリエイター側もただ手をこまねいている訳ではなく、新たな強敵キャラを投下したりなんかしちゃったりするので、かなり厳しい戦いになりそうな予感。 しかし、ジェラルドさんには、たとえ多くの命を犠牲にしても、どうしてもクリアしなくてはならない理由があったのです・・・。

ゲーム
(へいへーい!ねーちゃんいいしりしてんじゃん!くいこみ具合もたまんねーな!へっへっへ!恥ずかしがってないでご尊顔の方も拝ませてくれよ!なあ!いいだろ!こっち向いて・・)

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(お、おう・・・)

・ 奇抜なコスプレをしているこの方こそ、ジェラルドさんの奥さん。 なんと生活費を稼ぐため「ソサエティ」の世界でコントロールされる「キャラクター」を生業にしています。 格好はいいんですよ。格好はね。 ただ、ほうれい線がね・・・

・ 夫は逮捕され、幼い娘もソーシャルワーカーに取り上げられ、希望のない日々を送る奥さん。 ジェラルドさんは奥さんの元に帰る為、そして我が身の無実を晴らすため、なんとしてでも現実世界に戻る事を誓っていたのでした。

・ 果たしてジェラルドさんの事件の裏に隠された真実とは・・・。

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(なんとキーラ・セジウィックさんが敏腕ジャーナリスト役で登場!お懐かしい!鼻ソケットさんによろしくお伝えください!)

・ アガサは戦争ゲームをプレイした事がないのですが、画面ってだいたいこんな感じなのかなぁ・・と思いながら観ていました。 とりあえず始終ガチャガチャします(※映像が)。

・ やたらと顔が近い。(どアップばっかり)

・ ジュラルドさんの奥さん役の人といい、キーラさんといい、熟女好きにはたまらないキャスティングが味わえます。 あと、双方に「嫌がらせか!」というような若作り衣装があてがわれていたのもね、なんかしらの嗜好を感じさせて感慨深いですね。 よっ!へんたい!

・ 世界を牛耳らんばかりにわる巧みをする悪党の圧倒的小物感が、毎度の事ながらスーパーガッカリイリュージョン。

・ ジェラルドさんにあっさり自宅を突き止められた悪党が「まあこちらへ来まえ・・」って言うのですが、この手の悪党が「その前にこれを見たまえ」とか「ふっふっふ・・・いいものを見せてやろう」と言い始めた時の、「全然いいものじゃない」度の途方も無さは異常ですね。 まずホントに「いいもの」であったためしがないですもんね。 もうね、ディノスのいいものセレクションでも見てた方がまだマシですよ。

・ 案の定、ジェラルドさんが向かった先にも大した舞台は用意されていなかったという。 むしろ、悪党が自滅する為だけの仕掛けが満載であるという。 おまえはMか!壮絶なMか!

・ ほんで、なぜだか悪党がベラベラ喋り初めて、「実はその一部始終がネットを通じて全世界に放送されていましたー!ババーン!」みたいなオチの既視感ときたら。 もうちょっとなんとかならんかったのか。

・ 結局、社長が作り上げたインモラルなバーチャルゲームの是非も、倫理観も、全く論議されないまま、ただ「あいつ悪いやつだったのか~」で何もかもがご破産になるという。  世界中を巻き込んだ一大産業だったのに。  もっと根本的なトコを話し合った上でのご破産にしないと、また同じことが繰り返されるんじゃなかろうか・・と思うのですが、ま、いんだよね、細けぇ事は!

・ 作中、「同じ映像が繰り返される」シーンがあったのですが、これが「ゲーム内のバグ」を演出したものなのか、それ以外の意味があるのか、少し考えてしまいました。 と言うのも、「ソサエティ」内でのそれはいいとして、ジェラルドさんが過去を回想するシーンとラストシーンとが同じだったものですから・・・。(奥さんが来ているセーターまで同じだった)

・ 「奥さんと一緒にドライブをしている」という姿が繰り返されたのを観て、アガサは「もしやジェラルドさんはまだ、ゲームの中にいるのではないか・・」と思ったのですよね。 つまり、最初から(「スレイヤーの中」も「外」も含め全て)ひとつの大きなバーチャルな空間なのだったのか、と。 ゲームをクリアして自由を手に入れたと思い込んでいるジェラルドさんは、いまだに誰かに操作されている状態なのではないか、と。 それなら、あのアホみたいなオチも受け入れようじゃないか、と。

・ しかし、それが「バグ」ではなく他の意味を持っている、たとえば「ジェラルドさんが夢見ていた幸せな日々のイメージが実現しました」という意味だったのなら、ああ、やっぱり陳腐な映画だったなぁ・・と。 

・ きっと後者なのでしょうし、だからアガサはこの映画をあまりおもしろいと思えなかったのですが、もしも前者だったら、ひねりと悪意があっていいなぁ、と思います。 ひっちゃかめっちゃかなストーリーで、凝った事をしようとしすぎて空回りしていて、既視感に溢れる内容でしたが、それもこれも全部「抜け出すことの出来ない、操作されるだけの世界」の一部分なのだったら、すごくパンチが効いていておもしろいじゃないか。

・ ゲームをたくさん知っていて、プレイしている方が観たら、きっともっと違う楽しみ方が出来るのだろうと思います。 

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(ジョン・レグイザモが“操作してもらえないキャラ=ノンプレイヤーキャラクター”として登場。 顔は濃いのに役柄は空気! もったいない使い方するんじゃないよ!まったくもう!!)



参考記事:ゲームをたくさん知っていて、プレイしている現役ゲーマー・暗黒皇帝さんの記事(アガサとは全く異なる視点でのレビューがたのしいです)
生身の人間使って戦争ゲームだ!~映画『GAMER:ゲーマー』



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『タイタンの逆襲』

2012年04月27日
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大きいことは、いいことだ!


あらすじ・・・
「ゼ・ウ・ス! ゼ・ウ・ス!」
その時、地鳴りのような人々の叫びが神殿にこだました。
「やっぱゼウスさま最高ですよね!」「全能だし!」「今までゼウスさまをdisっていたなんて、我々はなんて愚かだったのか!」「ゼウスさま!」「みんなだいすきゼウスさま!」

「ありがとう、ありがとうみんな・・!」
ゼウスは穏やかな笑みを浮かべ観衆を見下ろした。
「みんなのきもち、このゼウスのハートにしかとキャッチしたぜよ・・!」
長かった“信仰心の冬”はついに終わったのだ。
うららかな春の日差しのような、温かい信仰心に包まれたゼウスは、しあわせだった。
「ありがとう・・ ありがとう・・みんな・・・これからも信心の方、ヨロシク・・・ヨロシクたのんま・・す・・・

《ジリリリリリリ!!》

「ゆ・・・夢か・・」
甘美な夢から醒めたゼウスは、レースの天蓋が揺れるベッドのふちに座り、深いためいきをついた。
今日は土曜日。
地底に閉じ込めているハデス兄さんに会いに行く日だ。
昨晩のペルセウスとの面会は散々だった。
神の身でありながら、人間の王妃を身ごもらせて作った息子・ペルセウスとは、最初こそ様々な誤解やすれ違いがあったものの、10年前の「アンドロメダ奪還事件」以来、確実にその絆を修復しつつあった。
しかし、全能の神である父親の存在は認めたものの、あくまで「デミゴッド」ではなく「ヒト」として生きる事を選んだ息子。
ゼウスはまだ、孫にも紹介されていなかった。
「あのね・・ 実はね・・ お前も知ってのとおり、相変わらずみんな神さまを信じてくれないじゃない・・? だもんで、ゴッドパワーが減っちゃって、ハデス兄さんを閉じ込めてるタルタロスの牢獄がね、開いちゃいそうなんだよね・・」
「父さん」
「だからね、ほんとゴメンなんだけどね、今度いっしょに、ハデス兄さんとこ様子見に行ってもらえないかなーって思って・・」
「父さん」
「ん?なになに?」
「オレ、猟師の仕事楽しいんだ」
「あ、ああ・・・ そっか・・うん・・」
気まずい沈黙。
「あ!すやすね寝ているこの子はヘレイオスくんだね! こないだ夢の中に会いに行っちゃたよーエヘヘ お前に似てかわいいよねー」
「うん・・・。  ・・じゃ。」
「あ、ああ・・  ご、ごめんね・・じゃあ行くわ・・」
やはり孫には紹介してもらえなかった。

「父上、支度!」
廊下から長男・アレスの怒号にも似た叫びが聴こえる。
慌てて服を着替えたゼウスが玄関から飛び出すと、既に馬車に乗り込み眉間に皺を寄せて待機しているアレスの姿が目に入った。
その右足は、規則的に床を踏み鳴らしている。 
怒っている時はいつもこうだ。
「ごめんごめん、ちょっと微睡んじゃってさ・・」「行くぞ老害」「は、はい・・」
(「老害」というのは、アレスなりのジョークなんだ。そうにちがいない。ひょうきんなやつだなあ。あはは)
そう思うことにして、ゼウスは窓の外を飛ぶように過ぎてゆく景色にぼんやりと目を向けた。
途中で次兄のポセイドンと合流するものの、たった数人でのタルタロス訪問。
ゼウスの心は重く沈んでいた。
(せめてペルセウスが来てくれていれば・・ いや・・言うまい・・)
振り払おうとすればする程膨れ上がる不吉な妄想。

信仰心を失ってしまった人間。
反抗心が度を超えて強いアレス。
警戒心を解こうとしてくれない兄・ハデス。
そして、父の苦悩に無関心を決め込むペルセウス。

タルタロスの牢獄の奥底には、その昔兄たちと力を合わせて封印した巨大な父・クロノスも眠っている。
万が一、あの父が目覚めてしまうような事になってしまったら、どうすればいいのか。
一度だけ、もう一度だけでいい、人間たちが再びゼウスを崇拝し、信心という名の元気玉さえ送ってくれたなら・・・・

「ゼ・ウ・ス! ゼ・ウ・ス!」
その時、地鳴りのような人々の叫びが神殿にこだました。




という訳で、オリンポスの孕ませ王ビッグダディこと全能の神ゼウスが親子関係や兄弟関係ですったもんだする『タイタンの逆襲』を観てきましたよ!
前作のオリジナルキャストが再び顔を揃え、いや、正確に言うと、女性メンバーは降板&リ・イマジネーションされていたのですけども正直女なんかどうでもいいので全く問題ありませんでしたね!ぼくはそう断言するね!


【信心が足りなくて力が出ないよー!】
信仰心減少のあおりを受け虫の息となっていた神さまたちが、前作に引き続き、関係ない人間たちを巻き込んでの大騒ぎに至る本作。
封印の力が弱まってゆくタルタロス補強の為、自分が地底深くに追いやった兄・ハデスにSOSを発するものの、けんもほろろに却下されてしまいションボリ感満載のゼウス。
ていうか、なぜ協力してくれると思ったのかゼウス。
まだ謝ってすらないのに。 ま だ ハ デ ス に 「 ご め ん な さ い 」 し て す ら い な い の に 。
手順がまるでなっていない愚弟にカチンときたハデスは、甥っ子のアレスと共に、邪悪な父・クロノスを蘇らせる計画に着手。
信頼していた我が子に裏切られ、ショックで瞳をうるませる愛されゴッド。
しかし、アレスはアレスで、なにかにつけ「ペルセウスはいい子だよー。それにつよいよー。メデューサもクラーケンも倒しちゃうもんねー」とほくほく顔をしていた父に、自尊心を傷つけ続けていたのではないでしょうか。
長男、しかも純粋な神の血統であるにも関わらず、劣等感を抱かずにはいられなくなってしまったアレス。
悪気はなかったのかもしれないけど、「兄弟を比べる」って、それ複数の子を持つ親が一番やっちゃいけない事だかんね! ばか! ばかゴッド!
そりゃ信心も減るわ! 育児の参考にもなりゃしねえぜ!


【まるでクリーチャーのバーゲンセールだな。いい意味で!】
魅力的なクリーチャーがわんさか出てくる事も本シリーズの楽しみのひとつ、というか、楽しみの半分位を占めているのですが、今回も双頭の獣・キメラや、ひとつ眼の巨人・サイクロプス、牡牛の頭を持つ大男・ミノタウロスに、ふたつの上半身を持つ火の玉ボーイ・マカイなど、完成度の高い凶暴な生き物が続々登場。
ハデスとアレスという、ある意味「邪悪な寅さんと満男」的コンビの悪巧みのせいで、残り少ないゴッドパワーを父・クロノスに注入されてしまうゼウス。
着々と復活への段階を踏むクロノスに呼応するように、ガバガバとなったタルタロスから放たれた、これらのクリーチャー(サイクロプスはちょっと別口ですが)が人間たちに襲いかかるシーンは、実際の破壊シーンと最新のCGが融合され、抜群の臨場感が生み出されていました。
戦闘シーンがステキすぎて、合間のドラマ(説明)シーンがすこぶるダルかったので、なんだったら次からは説明部分はとっぱらって、もっとクリーチャーを増やしてくれてもいいですよ!


【愛されゴッドの美しき魂が!」「邪悪な心を打ち砕く!」】
危険をくぐり抜け、地底まで駆け付けてくれたまな息子・ペルセウスのお蔭で、なんとか囚われの身を脱する事ができたゼウス。
暴走するアレスを目の当たりにし、弟からもやっとこさ「今までごめんね」と謝ってもらえたハデスもまた「ちょっとオレ・・やりすぎたかも・・」とばかりに、ゼウスと共にタイタロスから脱出するのですが、思い直した時には時すでに遅し。 
ゼウスのパワーをたんと頂いていたクロノスが、元気いっぱい復活してしまいます。
打倒クロノスの切り札である三種の槍を手に入れるため、兄・アレスとの最終決戦に赴くペルセウス。
主人公が帰ってくるまでのつなぎとしてがんばるぽんこつブラザーズ、ゼウスとハデスの勇姿をとくとご覧あれ!

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(共闘シーンが超胸アツのキュアゼウスとキュアハデスさん)(イメージ図)


【なぎ払えー! みたいな!】
アガサが今回、ぽんこつブラザーズ以外の登場人物の中でもっともグっときたのは、世界で最も邪悪・・じゃなかった、高貴な一族のゴッドファーザー・クロノスなのですよね。
ゼウス&ハデス&ポセイドンを含むオリンポス12神の生みの親、いしにえの神であるクロノス。
あまりの傍若無人っぷりが祟り、息子たちの手によってフルボッコにされた上地下牢獄に封印されてしまった巨神は、態度もビッグですがそのガタイも規格外のウルトラサイズ。
だけど、全長500メートルの体から真っ赤なマグマをしたたらせ、久しぶりに再会した息子たちに対し「ゼウス・・・ ハデス・・・」と寂しげに呼びかける様はどことなくTOO SHY SHY BOY!
このクロノスの圧倒的な大きさや、性根の凶悪さや、思わず「腐ってやがる・・早すぎたんだ・・!」と叫びたくなるようなしたたりっぷりが、スクリーンを覆い尽くすかのごとくスケールで描かれる訳ですよ。
もうね、気づいたら興奮のあまり拳を握り締めていましたよね。
前作の強敵・クラーケンもなかなかのものでしたが、あんなタコをこじらせたようなクリーチャーとは格が違うのですよ。 だって神だもん。 腐っても神なんだもん!(腐ってないのか)
やっとこさ蘇らせてもらえたと思ったら、今度は孫にフルボッコにされちゃうトコロがなんともいじらしいですね!

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(クロノスさん・イメージ図)(盛大にしたたってます)


【スカートじゃないからはずかしくないもん!】
という事で、今回も色々と書きましたが、とにかくもうね、最高でした! でっかいことはいいことだ!
ポセイドンの隠し子発覚!とか、ポセイドンが空気!とか、ポセイドンの息子のアゲノールも空気!とか、ヘパイストスもやや空気!など、もったりしてしまう部分も確かにあったのですが、胸踊る闘いとむせ返るような男臭(おとこしゅう)に概ね大満足です!
ごっつい殿方がミニスカートをひらりとひる返しながらくんずほぐれつの肉弾戦とか(いい意味で)殺す気か! ホントごちそうさまでした!
できればハデスとゼウスにもミニスカを穿いてほしかったですね。
いや、心配しなくてもホントはスカートじゃなくてチュニックだからだいじょうぶだよ! なあ、いいだろリーアム! (回想シーンでもいいから!)

前作を撮ったルイ・ルテリエ監督の頭の中では全3部作構想が渦巻いていた本シリーズ。
さすがに次回に続けるのは難しい(今回亡くなった人が多すぎたので)ような気もしますが、万が一、ついうっかり第3弾がお目見えするような事になったとしてもアガサは全然大歓迎ですので、安心して作ってくれたらいいと思うよ! 
なにはともあれ、今回も沢山のときめきをありがとう!重ね重ねありがとう!!


【今日のそっくりさん】
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(↑ミノタウロスさん)       (↑闇の魔王さん/『レジェンド / 光と闇の伝説』)

どっちか(の責任者)が怒られるな!たぶん!


関連記事
『タイタンの戦い』(前作)の感想



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『バトルシップ』

2012年04月13日
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うらあらすじ・・・
その信号を探知してから、もうどれくらいの時が流れたでしょうか。
遥か彼方の「地球」という惑星から届いた信号。 
正体不明のそれは、一度鳴り響き始めた瞬間から止まることはありませんでした。
最初は、放っておけばそのうち止むだろう、と思っていました。
しかし、予想はあっけなく外れ、耳障りな信号は私たちの受信装置を規則的に、かつ大音量で鳴り響かせ続けたのです。
一体誰がこんな不躾な事を仕掛けて来たのか。
信号の発信者は、このはた迷惑な行為が他の惑星を挑発しているという事に気づいていないのだろうか。
信号を送りつけるだけ送りつけておいて、いつまで経っても本人たちが訪ねてこないとはどういう算段なのだろうか。
私たちの我慢はもう、限界でした。

こうして、考えに考え抜いた挙句、私たちはひと握りの精鋭部隊をかき集め、問題の惑星へと旅立ったのです。
信号の発信元が、その惑星で「ハワイ」と呼ばれる場所に設置されている事を突き止めると、まずはその傍の海域へ着水。
しばらく様子を伺っていると、ふと目の前の海上に、不審な小型ボートが漂っているのが目に入りました。
このちっぽけな船体の目的は・・・?
対話を求めているのか、それとも攻撃を仕掛けてくるつもりなのか、真意をはかりきれず慎重に見守っていた次の瞬間、ボートから降りたこの惑星の生き物が、私たちの宇宙船に接触してきたではありませんか。
あれだけ信号を送ってきたにも関わらず、これといった挨拶もなしにいきなり肩をどつくようなやり方に驚いてしまった私たちは、彼らをクールダウンさせる為、その周辺一体に強力なバリアを貼る事に。
<私たちの科学力を甘く見ない方がいい。>
そんな冷静な忠告が伝わった筈・・と思っていると、彼らの背後から今度は大きな咆哮に似た怪音が。
嗚呼、彼らはもっと大きな戦艦を待機させているに違いない、勿論そうだったに違いない。
動揺する私たちの脳裏に、
「 ど や さ ・ ・ ・ ! 」
とほくそ笑む彼らのしたり顔が目に浮かびました。
ならば私たちは、その数十倍もの威力を持つ音波を放って見せよう。
満場一致で採決された仕返しに、今度こそ彼らも反省する筈・・・。 しかし、思惑は再び外れ、あろう事か、彼らは私たちに攻撃を仕掛けてきたのです。

もはや温情を与える余地などありません。
鬱陶しい信号は寄越すわ、折角訪ねてきてあげたのに礼節はわきまえないわ、挙句ミサイルを飛ばして来るわ、本当にこの惑星のやる事はむちゃくちゃです。
私たちが今までどれだけ忍耐に忍耐を重ねてきたと思っているのか?
彼らはもしや、戦争を望んでいるのか?
情け容赦のない、糞の様な戦争を望んでいるのか?
よろしい。
よろしい、ならば戦争だ。


(※ と、いうような内容を地球人目線で見たお話です。)


という事で、ユニバーサル映画100周年記念大作『バトルシップ』を観てきましたよ。
宇宙人が出てきたり、日本とアメリカが「パールハーバー」という過去の遺恨を乗り越え胸筋を開き合ったりするのですが、要するに 海 軍 超 か っ け え ぇ ぇ ぇ ぇ !!というお話でした。
それ以上もそれ以下もないです。ゆえに、アガサはものすごく楽しかったです。
あー、オレもアメリカに生まれてたら海軍入ってたわー2年前からそう思ってたわー。(←映画に影響されやすい性質)

キムタク主演のすごい映画『スペースバトルシップ』と題名が似ているのでが、もちろん関係性は皆無で、元ネタとなったのは「バトルシップ」というアメリカ生まれのボードゲームなのだそうです。

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コレを


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ここまで盛っちゃえるってんだから、人間の想像力ってすごいですよね!

アメリカ主催による14カ国参加の海軍合同演習の真っ只中エイリアン襲来・・! というようなざっくりあらすじを目にしていたものですから、てっきりその14カ国がガップリ四つになって闘うのかと思っていたのですが、エイリアンがドバーンと海に落っこちて以降、バリア内に閉じ込められた日本の護衛艦1隻とアメリカの駆逐艦2隻のみが闘いを強いらる事となりますので、実質2カ国な訳ですね。
で、その3隻もエイリアンの猛攻に遭い、早々に2隻撃沈されてしまう。
ここでアメリカの独壇場とならず、浅野忠信さん演じる若き艦長ナガタと共に手を取り闘いに赴く所に、若干新鮮味というか「薄っぺらいと言われないよう、深みを出そうとしているんだなぁ」という工夫が感じられて好感が持てました。 まあね、ほら、舞台もパールハーバーなわけですし。 
そしてその「いい意味でリメンバーパールハーバー」な感情は、後半、エイリアンの圧倒的戦力に対抗すべく、太平洋戦争時に日本の降伏調印式が行われた事でもお馴染みの伝説の大型戦艦・ミズーリが駆り出される事で、さらに強く印象づけられます。
第2次大戦で活躍した、退役軍人のおじいちゃんたちが「この船を動かせるのはわしらだけじゃわい!」とばかりに大集結するという胸アツなシーンも相まって、なんかね、「色々あったけど、仲良くしようぜ!」みたいなね。 磯野ー!サッカーやろうぜー!みたいなノリが素敵だなぁ、と思いました。 
出来れば今後はもっと、ドイツとかフランスとかマレーシアとか、世界中の国が一緒になって<大きな敵>と闘えるような映画が出来るといいですね。

最初にも書きましたが、とにかくビバ海兵隊!な映画ですので、めくるめく艦艇のいでたちやパシっと着こなされた制服、どこかの国と違って有事にも即座に対応出来るアメリカの「出来る子度」などがギッシリと詰まっております。
アガサはゴチャゴチャとした機械の造形が大好きですし、細かいコトはあまり気にならない性格ですので、しっかり楽しむ事ができましたよ。(男二人がイチャイチャしながらいっせーのーせで銃砲を構えるのとかもうたまりませんよね!)
エイリアンがアクティブに活動を始めるまでに、若干ちんたらした甘酸っぱいドラマパートが続く為、昨晩10時台に就寝したにも関わらず危うく船を漕ぎそうになってしまいましたが、一度戦闘さえ始まればそこはそれ、ハリウッド名物・豪快な大破壊映像が怒涛のように展開されますので、イージス艦と言う名の大船に乗ったつもりで、のんびりとご覧頂ければよろしいのではないでしょうか。

あーおもしろかった! 



※ 以下ネタバレしています

- おまけ -

・ いちおう、主人公の額に手のひらを当てたエイリアンが「どこかの星に総攻撃をかけて荒らしまくっている自分たちの過去」を見せるシーンがありますので、彼らの目的は最初から「侵略」であったのだと説明されているのですが、ひねくれもののアガサには、どうもエイリアンが不憫でならなくてですねぇ。

・ というのも、本作のエイリアンは一度も「自分たちから」は攻撃していないのですよ。 それどころか、「攻撃性を感知出来ない相手」は見逃してあげる程なのです。

・ そもそも、最初に地球人(アメリカンな人たち)が自信満々に送りつけた信号だって、こちらが「友好のあかし」と思っているだけで、相手にとってもそうである保証などどこにもない。 共通言語など無いというに、どこから来たのじゃその自信は・・・。

・ で、「来いよコノヤロー」と言われたので律儀にやって来たエイリアンは、一応地球人の出方を見守っていたのだけども、アホな主人公の迂闊な行動と駆逐艦の警告音や威嚇射撃で火をつけられ、一気に戦闘モードになってしまうという。 おい責任者ちょっと来い。

・ 会話の成り立たないエイリアン(異国人)と、どのようにしてコミュニケーションをとればいいのか。 少なくとも、いきなり平手で打つような方法でない事だけはたしかだと思いますねぇ。 とりあえず、アイラブユーから始めよう。

・ あと、本作は実は「海兵隊かっこいい」でも「エイリアン超こえー」でもなく、「クズ男だったぼくが逆タマに乗るまでの道」だったという。衝撃の事実がここに・・・!

・ 定職につかずブラブラしていた女好きのクズ人間(主人公)が、真面目な兄のアドバイスで海軍に入隊。 それなりにがんばるも、持ち前の自己中心的な性格が災いし除隊勧告を受けるに至ってしまう。 しかし、丁度襲来したエイリアンを奇跡的に倒し、犠牲となった兄に代わり艦長に昇進。おまけに交際中の彼女の父親である海軍の総司令官にも気に入られ、晴れて結婚の許しを得るのであった。   というのが、本作のうらのうらあらすじなんスよ!ほんとッスよ!

・ お兄さんの死もエイリアンの死をも踏み台にしてのし上がる男・ホッパー・・・!超SUGEEE!

・ で、そんなホッパーを演じていたのはどうにもこうにもパっとしない俳優さんだったのですが、後でパンフレットを見ていたら、なんと『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』に出演していたという! え!あれガンビットだったの?!マジで?!

・ 同時期に公開される、ディズニー生誕110周年記念大作『ジョン・カーター』でも主演を張っているテイラー・キッチュさんの姿を見ていると、『アバター』『タイタンの戦い』『ターミネーター4』と主演バブルに沸いていたサム・ワーシントンさんを思い出して目頭が熱くなりますね。 だいじょうぶだよサムさん、『タイタンの逆襲』、オレは必ず観に行くからね・・!

・ かあさん・・・リーアム・ニーソンさんの目が死んでるよ・・・。

・ 真面目なお兄さんを演じていたアレクサンダー・スカルスガルドさんが、名前からわかる通りステランさんの息子さんだった・・・! お父さんとちがって最後までいい人なんですn・・(ゲフンゲフン)

・ エンドクレジットの後におまけ映像があったのですが、ここからわかるように、続編はスコットランドを舞台にした『バトルシープ』になるの予定! ダ ジ ャ レ か !


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『アジョシ』

2012年02月29日
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(※ もちろんそんなお話じゃないですよ!)

あらすじ・・・

質屋のおじさんの名前はチャ・テシク。 そして隣に住む少女の名前はソミ。 ごく過酷な生活を送る少女とおじさんは内に抱える苦しみをいつしか共有し、ごく親密なおつきあいをしていました。 でもただひとつ特筆すべきなのは、おじさんは暗殺を専門とした元特殊部隊員だったのです!

・ アジョシ!かっこいいよアジョシ! 明日からオレもアジョシになる!ドニーさんと週替わりでアジョシになる!(以前ドニーさんになる宣言をしていたので隔週にします)

・ 絶賛育児放棄中のジャンキーかあちゃんに心傷つきながらも、たくましく生きてきた少女・ソミちゃんの薄幸そうなへの字口よ! 今最も「目の下の隈」が似合う12歳児ですね!

・ そんなソミちゃんの隣人で、質屋にいるのがおかしいくらい男前なおじさん(=アジョシ)・テシクは、数年前まで「国家に命ぜられた正当な殺し」を生業にしていたのですが、その代償として愛する家族を失ってしまった事から隠遁生活を送っていたのでした。

・ 足りないものを埋めあうかのように、家族ごっこに興じるおじさんと少女ですが、ある日、欲にかられたかあちゃんがマフィアのヤクを横取りしたことから血で血を洗う抗争に巻き込まれてしまい、組織に拉致された少女を救う為、おじさんは封印していた「殺人マシーン」としての本能をよみがえらせる・・・・という、まぁ要するに『グロリア』みたいな『レオン』みたいなお話だった訳ですよ。

・ で、お話自体は暖簾をくぐって「おやじーいつものヤツねー」と言えば「あいよー」と出される生中と鶏皮のポン酢あえの如き安定感あふれる内容だったのですが、製作者はそんなトコロに突っ込まれるのは百も承知で、ひたすらひとつの事に全精力を傾けていたのではないでしょうか。 そう、アジョシのかっこよさに。

・ どのシーンのどのカットを切り出そうと、余裕で小粋なポストカードになるのではないかと思うほど絵になるおじさんの面構え。 深い哀しみを湛えた節目がちな瞳、その淵に暗い影を落とす長い睫。 千々に乱れた前髪と、ストイックに絞り込まれたしなやかな体躯。 しかもスーツ。 日本語でいうトコロの背広ですよ奥さん。 わかっておる。アジョシの関係者の「わかっておる度」はそらおそろしいほどじゃわい・・・!

・正直言って、巷でうわさの「韓流イケメン」には全く興味が沸かず、むしろ「この程度でいいんなら各学区内に2人くらい居るんじゃね?」としか思えないアガサですが、このアジョシにはシャッポを脱いだね! ウォンビンすげえ!ウォンビンビンビンじゃんか!

・ 言いたかっただけです。すみません。

・ どれくらいかっこよかったかというと、例えばおじさんが机の上のお茶碗を足で押して落っことすシーンがあったのですが、ここでビンビンはおもむろに靴を脱いで靴下状態のつま先でお茶碗をグイグイするのです。靴下オンザ食卓ですよ。トラディショナルなおじさんなら訴訟沙汰ですよ。 しかしビンビンの靴下は湿り気どころかなんの異臭すら感じさせない。 むしろ、どことなくフローラルな香りすら(脳内で)漂わせる事に成功。漂ってないのに。 おいかあさん!かっこいいは正義だな!

・ まじめな話、ただ男前なだけではなく「本当に足が速そう」だったり「本当に強そう」に見えたのも素晴らしかったと思いますよ。 走る時のフォームや接近戦の時のちょっとした身のこなしがきちんとしている為、おじさんの特殊なプロフィールにも説得力が感じられるのですよね。 こういうのって、一番軽んじてはいけない部分(日本の映画ではちょいちょいおざなりにされますが)だと思います。

・ ナイフを使っての格闘の時も、脇の下や脚の付け根といった「そこ切ったら本気でアカン」箇所を狙って攻めており、おじさんが今までの人生でいかに多くの人を殺してきたか(人殺しに慣れているか)が感じられて薄ら寒い気持ちになれました。 だが、そこがいい。

・ おじさんがここまで完璧すぎると、お話の中で浮いてしまいそうなものなのですが、本作は敵チームにもビックリするほどゲスい悪役が用意されており、クスリの密売から臓器売買まで幅広く手がけるマンソク兄弟のふてぶてしさには唾をぺっぺとしたくなりましたし、そんなマンソク兄弟に雇われたベトナム人用心棒の「清く正しい強敵っぷり」には二度目のシャッポを脱いだ次第です。

・ このベトナム人用心棒とおじさんの魂と魂が触れ合う瞬間がたまらんかったよね!アレがね!みんなにもわかるよね!

・ 特に用心棒の方は「初めての恋か!」っていうくらい動揺しちゃってましたからね!もうさーなんつーのかなー、用心棒くんの心臓のドキドキがこっちにまで伝わってくる感じ? 最後のアレなんかもね、きっとおじさんに気づいて貰いたかったんだよね。気づいて欲しい気持ちと、ライバル(と書いてトモ)として最後まで正面から向き合いたいというね、だから敢えて非情な振る舞いに出ずにはいられないという複雑な用心棒ごころ・・わかった!わかったからみなまで言うな!
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(※ 色んな意味で す ば ら し い と思 い ま す !)

・ 今回もとことん役に立たない韓国警察24時!

・ いくら「自分が守れなかったもの」の代用としてピッタリマッチした少女だったとは言え、所詮は赤の他人。 かわいそうな孤児を引き取ってエバーアフターな結末を迎えるのではなく、スタートラインまで送り届けたらきちんと背中を押す。たとえそればお互いにとって寂しい結末でも。  そんな、「大人としてあるべき姿」を保ったままのエンディングも胸に沁みましたね。  一緒に暮らせばお互い楽しいとは思うのですが、長い目で見れば、自分の生い立ちを受けとめ自分自身の足で立たせることが一番大事なのだ、と。「隣のおじさん」として正しい態度だったのではないかと思いました。

・ というわけで、超おもしろかったです! あー去年大画面で観たかった!

 
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『ハンナ』

2011年12月22日
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(※VOGUEの表紙かっつうの!)

あらすじ・・・
フィンランドの人里離れた山の奥、小さな小屋に父親と二人きりで暮らす、16歳の少女ハンナ。
厳しい寒さの中、限界ぎりぎりのストイックな生活を送る父娘には、ある目的があった。
そしてある日、彼らはその目的を果たす為、地中に隠していた発信機を取り出す。
そのスイッチを押せば、もとの暮らしには二度と戻れない。
しかし彼女はスイッチを押す。
たったひとりの女性を、この世から抹殺する為に・・・。



「美しい少女が感情を持たない殺人マシーンに育て上げられる」、という物語は、どうしてこうも心を惹きつけてしまうのでしょうか。
「感情を持たない」という点は、まず大きなポイントですよね。
いちいち「お前ら全員メイドおくりにしてやるー!キイー!!」ってやってたら、ただのめんどくさい女ですからね。
あくまで無表情で、躊躇せず、情にほだされる事もなく、与えられた命令を淡々とこなす。ここポイント。
しかし、そんなマシーンに、とあるきっかけで感情が生まれる。
それは「自分が知らなかった世界」に触れる事。
自分の価値観を壊すような出来事に触れ、「ああ、こういう世界もあったのか」と驚き、そこに喜びを見出し、撥ね付けるのではなく受け入れ、少しばかり人として成長してゆく。 ここも大事。
そして圧倒的に強い。 
彼女は、世界と触れ合う事で生まれた問題を、自分で解決してゆけるだけ強さも持っている。 ここも重要。

つまり、
「別に、自分は自分だから他の事なんてどうでもいいし、やれと言われれば嫌な事だってやってやるけど、本当は世の中にもどんどん関わっていきたいし、友達だって沢山ほしいし、好きなように生きたいんだよねー。 まぁ、とはいえ世界中の人全てと分かり合える筈なんてないから、ホントにいけ好かないやつはボッコボコにしてやるけどね!」
という私たちの夢を具現化しているのが、「美少女暗殺者モノ」なのではないでしょうか。ちがうか!オレだけか!そんな夢想してるのオレだけか!

でもね、美少女暗殺者のみなさんが抱えている問題というのは、現実に生きる私たちが抱えているそれによく似ていると思うのですよ。
もちろん、人を殺すのが生業な訳ではないですけどね、根本的な問題はあくまで普遍的なものなのではないかと。
だからこそ、ガラス玉のようだった瞳が悲しそうな色合いを持ち始めるのを見ると、
「人の気持ちがわかるようになったんだね!」
とホっとする反面
「人の気持ちがわかるからこそ生まれる苦しみを知ってしまったんだね・・」
と心が痛むし、悪玉をやっつけていると
「そうだそうだ!そんな悪いヤツはやっちまえ!」
と思いながら
「こんな物騒なやり方でしか解決出来なかったのか・・」
と悶々としてしまう。
彼女たちの人生を、つい自分の人生に重ね合わせて、声援を送ったり心配してしまうのではないでしょうか。
まぁ、だったら別に「男の子の暗殺者」でもいいんですけどね。
そこはほら、女の子の方がかっこいいじゃない! 華奢な女の子がガタイのいいおっさんを倒す方がさぁ!

という訳で、「自分はどうして生まれ、なぜ生きるのか」、という難問散りばめられた人生の荒野を駆け足で走り抜けるハンナの勇姿が眩しい『ハンナ』を鑑賞したのですが、とてもしみじみとしたいい映画でしたよ。 
特に鬱陶しいおっさんの喉笛を切り裂くトコロがいい!(←褒めるポイントそこか?)
おっさんは冗談ですけど、原始のマンみたいだったハンナが色のない白銀の世界から飛び出し、色彩と音に溢れる世界に触れ、活き活きと輝き出すトコロがとてもよかったです。
ちょっとしたレズっ子描写もグっときた! オレのハートにミシっとめり込んだぞ!


ただ、ハンナの生き方を憧れとせつなさでもって見守る一方、どうしても「保護者」としての視線で見てしまう自分もいて、そちらからいうとどうしようもない程イライラしてしまいまして。
特に、ハンナの育ての父・エリックはアカン! あいつはホントにんげんのクズですね!
あえて描かれなかった部分が多かった為、あくまで想像なのですが、エリックはハンナの母ヨハンナを愛していたのではないかと思うのですよ。
そんな中、当時自分が属していた「胎児を遺伝子操作してスーパーソルジャーにする研究所」が閉鎖されると知り、彼女とその子どもを守る為3人で脱走した。
途中、待ち伏せしていた研究所の責任者・マリッサ(※超こわいケイト・ブランシェット)に襲撃され、ヨハンナを殺されてしまったエリックは、山奥に篭って復讐の機が熟すのを待つ・・。 ・・で、熟したので暗殺者に育て上げたハンナに打倒・マリッサを命じる、と・・・

・・・

・・

いやそれ自分でやれよ!!



エリックは、どこまでハンナを娘と思って愛情を注いでいたのか。
ハンナの方は、エリックを実の父を思い信頼していました。 だから、言われるがままに訓練を積み、人を殺す為に山を降りる。
この想いが、父と子の想いが一方通行でないのなら、復讐も胸に刺さります。(キック・アスのビッグダディとヒットガールには確かな絆がありました)
しかし、どうもアガサには、エリックの行動の中にハンナに対する愛情が感じられなかったのですよね。
ゼロというわけではありませんが、いくら自分は面が割れているとはいえ、16歳の少女を単身巨大組織の本部に送り込んで自分の元同僚(しかも超こわいケイト・ブランシェット)の殺害を命じるとは・・・。それはあまりに酷なのではなかろうか。
特殊な出自を持つハンナの能力を信頼していたのかもしれませんが、せめて近くに潜伏してフォローするくらいね!出来るよね!
「じゃあパパは遠くの国で待っとくからねー」ってないわー! ハンナは宿敵の顔すら知らないというに!

エリックのハンナに対する想い。
マリッサのエリックに対する想い。
そもそも研究は何故打ち切られたのか、という謎。
わずかな台詞だけで、あとは観客の想像(判断)に委ねられたこれらの裏事情を、もう少し具体的に描いてくれていたら、アガサはもう少し本作の事が忘れられなくなっていたかもしれません。
マリッサは「私は子どもを持たない事にした」と一言漏らすので、もしかしたら非人間的な研究に嫌気がさして打ち切ろうと思ったのかも・・・とかね、でもそれだったら逃げるヨハンナ母娘を追い詰める理由がないなぁ・・とか、嫉妬か!エリックに横恋慕していた事による嫉妬なのか!・・とかね・・・。 そんな事ばっかり考えてしまう自分が憎い。 
本作にとって、そこは重要じゃないのかなぁ。
でも、エリックがマリッサを憎む理由がヨハンナの復讐だったのなら、そこらへんの裏事情はずっしり伝えてくれる方がよかったと思いますね、ぼかあ。
まぁ、このあたりはただの「好みの問題」なのかもしれませんけどね。
アガサは「気持ち」がこってりと描き込まれている方がすきなので、エリックがただの身勝手なガイキチ保護者にしか見えませんでした。 
なので、観終わった時最も感じたのは、
監督さんはきっと、「オレのだいすきなシアーシャちゃんを使って、孤独な少女の戸惑いや不安をスタイリッシュなアクションと共にお届けしたい」って思ったんだろうなー
というゲスい印象だったという。 みんなはアガサみたいな大人になっちゃダメだよ!


まあね、いかにもデキそうな登場の仕方をした割には、週末のオートバックスでよく見かけるジャージの中年ヤンキーみたいな姿でウロウロしていただけだったマリッサの元同僚とか、
「彼は秘密を知りすぎている」と鳴り物入りの紹介をされていた割には、組織と真っ向から対決するでもなく駅前をウロウロしていただけだったエリックとか、
「遺伝子操作のせいで常人とは異なる身体能力を持っている」割には、常に一生懸命さが際立っていてそんなに特殊なようには見えなかったハンナとか、
寝る時ですら神経を研ぎ澄まして用心するようなハンナなのに、初めて会った男の人をすぐ信用しちゃうってのは暗殺者として致命的なんじゃないの、とか、
エリックはハンナに狩りの方法を教える前に、まずは「電気」の存在を教えてあげようよ、などといった下世話なツッコミをせず、塔から降りたラプンツェルを見守るような気持ちでハンナの初体験を見守ってあげればよいのだろうなー、と思いますし、ホント、余計なツッコミとかしなければ、映像も美しかったですし、ケイト・ブランシェットの歯磨きシーンは超こわかったですし、見ごたえのある映画だったのではないでしょうか。

いや、でも、やっぱ「電気」くらいは教えてあげる方がいいとおもうな!(←結局つっこんだ)

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