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『誰も守ってくれない』

2009年12月14日
だれまも
★★☆
超わるい上司、佐野史郎参上! よし!けっこんしてくれ!!

時にTBSの申し子(「ずっとあなたがすきだった」「青い鳥」等)
時に日テレジェニック(「フードファイト」「ガラスの靴」「凍りつく夏」等)
時にテレ朝の秘蔵っ子(「PS羅生門」「必殺仕事人2007」等)
時にフジっ子(「沙粧妙子-最後の事件-」「WATER BOYS2」等)
そしてまた時に国家の犬(「独眼竜政宗」「あの歌がきこえる」「坂の上の雲」等)と、局をまたにかけた大活躍が目に眩しい佐野史郎。
当然のごとく、テレビ局が製作した映画にも多数出演している史郎なのですが、その中でも特に多いような気がするフジテレビモノを、なぜかWOWOWが放送してくれたので粛々と録画させて頂きました。

なんでも史郎は敏腕刑事役だそうなのですよね!
敏腕刑事て! なんならオレの心も逮捕してくれ!いや、とっくに拘留済みか!(←早くもよくわからないテンション)

一体史郎はどんなスゴ技で、かわいそうな民間人を守ってみせるのか?
佐藤浩市との胸躍る絡みはあるのか?

いざ鑑賞!


あらすじ・・・

(※ 観なくてもわかるように、全部書きました!)



・ 佐藤浩市は敏腕刑事。 渋谷のチンピラからも一目置かれた存在だ。

・ ある日、幼い姉妹を刺殺した容疑で18歳の少年が逮捕される。
・ 当然押しかけるであろうマスコミから、加害者家族を警護する事を指示される佐藤浩市。
指示したのはクールな上司の史郎。 さすがは敏腕!
・ 容疑者を家で職質している段階なのに、自宅を包囲して生中継し始めるマスコミ。
・ 少年は警察署に身柄を移され、残った警察関係者が家族を尋問。
リビングに入り切れないほどの警察関係者。 完全に残りすぎ。 平屋建ての借家だったらエライ事になるよ。
・ リビングに区役所のみなさん登場。
・ 「マスコミに追われるだろうから、加害者家族のみなさんには今すぐ離婚をして貰います」宣言。

ポカ―( ゚д゚)―ン。

・ 一度は断るお父さんだったが、「名前は変えたほうがいいって保護マニュアルにも書いてあります」という敏腕史郎の一声で離婚を承諾。
・ 名前と捺印だけで離婚成立。
・ 今度はお母さんの旧姓に変えるため再婚。
・ 名前と捺印だけd(略
・ 中学校に通う妹に関しては、特例措置で義務教育免除。
ゆとり教育、ここに極まれり!
・ 現場検証に立ち会わなければならない母から離されて、佐藤浩市とホテルに移動する事になる妹。
ここに至るまで、警察や両親から妹に対する事情の説明一切無し。

・ 事態が飲み込めず呆然とする妹ちゃん。
・ マスコミが山盛りの玄関を、妹ちゃんを連れて突破しようとする佐藤浩市。
なんと護衛は浩市ただひとり。
・ 当然のごとく揉みくちゃにされて、写真を取られまくる妹ちゃん・15歳。
容疑者でもない未成年の写真撮ってどうすんだよ。
・ ホテルへ向かう警察車両を激しく追うマスコミ車両。
・ 並走しつつ妹ちゃんの写真を撮りまくるマスコミ。
だから、容疑者でもない未成年の写真撮ってどうすんだよってば。
・ なんとなくカーチェイス。
・ ホテルに辿り着いた妹ちゃんを尋問する警察関係者。
・ 15歳の民間人相手に高度な言葉攻め。
ちなみに、女の子相手の尋問なのに婦人警官出席率ゼロ。
・ 5分も経たないうちにマスコミがホテル突撃。
・ 再び妹ちゃんを連れて正面突破の佐藤浩市。
やはり護衛は浩市ただひとり・・あ、松田龍平もいたので2人。 って、どっちにしても少ないわ!!

・ 妹ちゃんを親戚のうちで匿って貰うべく移動する佐藤浩市。
・ 親戚のおうちもマスコミでいっぱいだった。
確かにこういう光景はよく見るなぁ。ワイドショーとかで。
・ 上層部が妹ちゃんの潜伏場所を決めてくれない。
・ 「2人で適当に身を隠しといてくれ」宣言。
いくらなんでも適当すぎる。 ていうか未だに浩市ひとりなのかよ!
・ しょうがないので自宅に連れて帰る浩市。
・ 数時間前に会ったばかりの中年男の自室を前に固まる15歳の女子中学生。
・ 「どうした? 早く入れよ」宣言。
どうしたも何も、倫理的に無理。

・ 妹ちゃんが自宅に携帯を忘れたと言うので、取りに行く間、自分の主治医(精神科)を呼びつけて妹ちゃんを監視させる浩市。
民間人も公務員も守秘義務も、この際一切関係なし!
・ 謎の精神科医・木村佳乃、精神状態が不安定な15歳に「ノンノン」「ウィ」とエセフランス語を連発。
どう考えても余計に不安になる罠。
・ 加害者宅で携帯を発見する浩市。
・ 聴取をうけていた母がトイレで自殺。
ちなみにこの現場にも婦人警官の姿は無し。 やる気ねぇな!
・ 妹ちゃんの元に返った浩市、母親の自殺を伝える事が出来ないチキンハート。
・ あろうことか民間人(佳乃)に丸投げ。
・ さっきまで「ウィ」とか言っていたので、突然シリアスになったら余計に不自然な佳乃。
・ 佳乃がキャラの切り替えにモタモタしている間に、彼氏からの電話で母の死を知ってしまう妹ちゃん。
使えない大人ばっかだなおい。
・ 取り乱す未成年に無理やり薬を飲ませ、前後不覚にさせる刑事と精神科医。
普通の映画だったら、この後妹ちゃんがあんな格好やこんな格好をさせられて写真を撮られ、その写真をネタに悪い大人に強請られるパターン。

普通ってこたぁ無いか。


・ 翌日、再び上司に今後の相談に行く浩市。
上司って史郎ね。
・ 妹ちゃんから犯行の証拠になるような証言をとりつけ、それを土産に出生街道を歩もうというのが史郎のねらいだった。
・ と言う訳で、「他の刑事が妹ちゃんに接触できないよう、しばらく田舎に逃げといて」宣言。
・ 回りくどいのでイヤがる浩市。
・ 浩市の黒歴史をネタに、言う事を聞かせようとする悪い史郎。
ただ今史郎の本領発揮祭り開催中!
・ しぶしぶ承諾し、妹ちゃんと一緒に郊外へ向かう浩市。
・ パーキングエリアで休憩の巻。
・ たまたま食堂にあったテレビで、事件に関連付けて己の黒歴史まで取り上げられていた為、激しく動揺する浩市。
・ 事情が飲み込めずキョトンとする妹ちゃん。
・ 説明もせずに「何見てんだよ!」と逆ギレする浩市。
・ あろうことか、「もういい! 勝手に一人で逃げてろ!」と妹ちゃんを放り出して立ち去る浩市。
こういう大人にはなりたくないものですね。

・ さすがにマズいので、再び妹ちゃんを保護する浩市。
・ 海辺のペンションに身を隠す2人。
・ なんとそのペンションには室井管理官が!浩市の黒歴史の生き証人が!
・ 浩市は昔、上司の命令で街に放り出したジャンキーを尾行していてうっかり見失い、その隙にジャンキーが子供を殺すという痛ましい事件に関係していたのだ。
言うまでも無いが、その上司も史郎。 悪いおひと!!
・ ペンションを経営していたのは、その子供の両親なのだった。
・ つまり、同じように幼い命を奪った犯人の関係者を、被害者の関係者の家に連れてきた訳だ。
大人しそうな顔して、意外とえげつない浩市。
・ 相変わらず口を閉ざし、心も開こうとしない妹ちゃん。
・ 立場は違えど「突然家族を失った」者同士、あわよくばペンションのご主人に妹ちゃんを説得して貰おうという気まんまんの浩市。
かわいい顔して、意外と計算高い浩市。

・ 状況がどんなに変わろうと、頑として口を割らない妹ちゃん。
ていうか、そもそも妹ちゃんにまだ一度もまともに話しかけていない浩市。 コミュニケーションは会話からだよ!
・ 関係者しか知らないはずなのに、ネット上に妹ちゃんと浩市の居場所がリークされてしまう。
・ 続々と現れる2ちゃんねらー風やじ馬たち。
・ ここに至って、初めて浩市が連れてきたのが加害者の家族だと知ったペンションのご主人、激昂する。
至極当然の結果。
・ 追い出されそうになるものの、調子付いたやじ馬が投石を始めたので、ペンションに篭らざるを得ない浩市。
ていうか通報しろよ!
・ 妹ちゃんの口を割らせる為、新たな凄腕刑事がペンションに派遣されてくる。
・ 激しい尋問がスタート。
・ 変わらず知らぬ存ぜぬの妹ちゃん。
・ 突然妹の彼氏が押しかけてくる。
・ さっきまでと打って変わったように、饒舌になる妹ちゃん。
もしかしたら、もしかしちゃってるのかもよ!(大人の階段的な意味で)

・ 久しぶりの再会に、配慮しまくる大人たち。
・ 部屋で大はしゃぎの中学生カップル。
・ 階下で不貞寝を決め込む大人たち。
・ その間に窓から脱走する翔んだカップル。
・ 朝起きてビックリする浩市。
なんかもう、色んな意味でダメなんじゃないかと思う。

・ 彼氏が自分を売ったとも知らず、どこぞのホテルで盗撮され放題の妹ちゃん。
・ 単独で妹ちゃんを探す浩市。
やっぱひとりなのな!
・ 偶然妹ちゃんを見つけ出し、盗撮道具一式も発見するも、持ち主のキモオタに襲撃される浩市。
・ リュック、メガネ、ストーンウォッシュのジーパン、紙袋、といったステレオタイプのキモオタが、強そうな刑事である浩市をタコ殴り。

ね え よ ! (ていうかこの製作者は何をどうしたいんだ)

あと、クドイようだけれども通報しろよ!


・ 自分を守ってくれた浩市に、お兄ちゃん(犯人)に関する重要証言を始める妹ちゃん。
・ やっと心を開いた妹ちゃんに、「ま、それはさておき、これからはチミが家族を守りたまえよ」と宣言する浩市。
いやいやいや! 段階飛ばしすぎじゃね? ていうか重いよ! 15歳に背負わす内容じゃないよ! 
・ ペンションに戻り、改めて別の刑事の尋問を受ける妹ちゃん。
・ つらい証言を頑張って続ける妹ちゃんを尻目に、さっさと帰り支度を始める浩市。
・ ホントに帰っちゃう浩市。

下の下の浩市。


証言も得、やじ馬騒動も治まってきたので、東京に送り戻される事になった少女。
浩市と交わした約束を胸に、ペンションを後にする少女は、浩市にある包みを手渡す。
それは浩市が娘に買っておいたプレゼントだった。
自らの黒歴史や仕事の忙しさから崩壊寸前だった浩市の家族。
色んなものを失ったものの、再び家族の絆を取り戻す事を誓った少女と、同じ決意を固める浩市は、リボンのかかった包みを片手に歩き始める。
自分の、かけがえの無い家族のもとに・・・。

・・・

・・

あれ?

史郎は? ポカ-( ゜д゜)-ン



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容赦ない現実を映し出しながらも、「人生の途中でどんな致命的な傷を負っても、人はそれを乗り越え、再び立ち上がる事ができる」という希望を感じさせてくれる本作は、とても興味深い作品でしたし、やさしいラストにトゲついた心が癒されました。

が、そうなんですが、なんかモヤモヤしてしまったのですよねぇ・・・。
なんでだろう・・なんなんだろう、このモヤモヤは・・・と考えていたらアガサ気付いちゃいました!

後半以降、佐野史郎全然出て来てねえじゃねえかコノヤロー!!

『誰も守ってくれない』の「誰」って、どう考えても史郎の事だと思うのですよ。
だって他人の事なんか全く守ってなかったもん!ま、自分の立場はガンガン守っていましたけどね!
この「人をあてにしないで自分の身は自分で守れ」というのは、まんま本作が放つメッセージな訳ですよ。(←かなり意訳)
だからつまり「誰」の部分は史郎であると。
要するにタイトルロールな訳ですよ!史郎は!
「ハリポタ」でいうトコロの逆ギレ丸メガネ野郎にあたる部分が、総出演時間数分ってどう言う事だよ! 責任者ちょっと表でろ!!

まぁしかし、その数分で消そうにも消せない程の悪印象をバッチリ観客に与えてしまう所が、さすが我らの史郎なんですけどね。
よし、久しぶりに言っとくか! 史郎けっこんしてくれ!!


先日、逃亡の末逮捕された市橋容疑者の両親が自宅前で記者会見を開いた時、それを見たコメンテーターが「自分の息子なのに冷静すぎる」とか「他人事のような話ぶりはいかがなものか」などと苦言(笑)を呈していましたが、世の中には色んなタイプの人間がいるもので、みんながみんな感情を表に出すタイプとは限らないと思います。
全ての事を冷静にみてしまう人もいるだろうし、取り乱して泣き崩れる人もいるだろう。
カメラの前だからこそ感情を押し殺して淡々と語ろうという人もいるだろうし、土下座して一回りも二回りも小さくなってしまう人もいるだろう。

もちろん加害者の家族(親)に何の責任も無いとは思わないし、むしろそれは大きいと思うけれど、直接責める事の出来ない犯人の代わりに家族を攻撃するのは間違っているのではないでしょうか。
誰よりも苦しみ、傷つき、悩み、哀しむのは被害者とその家族であり、加害者の家族です。
加害者やその家族に対して「お前のその態度は許せない」「死んで償え」と声を上げていいのは被害者だけで、マスコミにも私たちにもその権利は無い。

しかし、マスコミは凄惨な事件も飯のタネとしか考えず、バカみたいに扇情的な取り上げ方をする。
沢山の「通りすがりさん」たちは、傍から見ているだけな為思い切り無責任で感情的な声を上げる。
事件とは無関係な一般市民は、犯罪者の家族にまでヒステリックな目を向ける。

この作品が観客に投げかけるテーマはとても重く、簡単に答えの出せるような問題でもなく、しかし私たちがもっと真剣に向き合わなければならない事だと思います。
“無関心”ほど残酷な態度は無いし、“他人事”がいつか自分の事となって降りかかる可能性も、常にあるのだから。

ただ、そんな「意義のある」テーマを手持ちカメラで臨場感あふれる映像と共に描いた本作なのですが、真面目なテーマとは裏腹に、突っ込みどころが多すぎるのですよね。
お陰であらすじもこの長さだよ! まったくもう!(←それはいつもの事か)

実際に日本の警察や行政がどこまで加害者の家族に関わっているのかは知りませんが、まだ立件もしていない段階で「強制離婚」て!
ねえよ!!(いくらなんでも)

それに、加害者の家族(しかも未成年)を過去に問題を起こしている刑事と二人きりにさせたり、まだ自供も証拠も揃っていないのに完全に犯人扱いだったり、尋問する相手(容疑者の妹)に何の説明もしなかったり、婦人警官が全く出てこなかったり、人権派の弁護士が聞いたらドえらい事になりますよ。
っていうか、どれだけ格好のネタ用意してんねん!

多少オーバーな設定で少女を囲い込む方が、話に引き込まれやすいし、観客の感情を動かしやすいのはわかりますが、それにしてもちょっとやり過ぎだと思います。

あと、「少女と刑事」に対する悪役として配された、マスコミやネットユーザーの描き方にもちょっとモヤモヤ。

確かに序盤はマスコミの過剰な報道手法を描いているのですが、中盤以降は悪意あるネットユーザーの暗躍が中心になってしまうのですよね。
掲示板を使った誹謗中傷は当たり前、加害者でもない妹の個人情報は張り付けまくるわ、誘拐(というか騙して軟禁)してライブ中継するわって!
ねえよ!!(全く無いとも言えないけれど、誘拐だけは無い)

マスコミの代表として登場する新聞記者の佐々木蔵之介も、一度ばかし突撃取材をしただけで、あとはただぼーっとネットを眺めるばかり。
しまいには、少女に粘着するのに飽きて次の事件で盛り上がる掲示板を見て、憂いの表情なんか浮かべちゃってますからね。
なにその傍観者っぽい冷めた目線・・・ていうか、とりあえずお前仕事しろよ!

完全に「諸悪の根源はネット」みたいな流れになっているのが、所詮テレビ局製作、という事なのかなんなのか・・・。
残念というか、チキンというか、とにかく無性に居心地が悪かったです。


加害者家族、被害者家族両方の気持ちを理解しようとする柳葉敏郎の存在と、複雑な状況に突き落とされて困惑するヒロイン・志田未来の眼差しは、とても強く心に残りました。
それだけに、ここまで荒唐無稽な設定にしなくても、充分メッセージは伝わった様な気がしてなりません。

ま、史郎の部分はどれだけムチャな設定にしてくれてもいいんですけどね!
だって史郎はどんな状況でも最高に輝くから!!(※むしろ悪ければ悪いほど)

かあさん、史郎によって確保されたぼくの心の拘置期限は、まだまだ終わりそうにありません:*:.。.:*(´∀`*)*:.。.:*: (←アホ)


あー・・・ やっぱ『アマルフィ』行っとけばよかったなぁ!


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『空気人形』

2009年10月11日
くうきよめ
★★★
空気なんて読めないよ! だって人形だもん!!




以下、ネタバレを含む感想になります。




あらすじ・・・
それはまさに奇跡だった。
意思を持たない人形に、“心”が芽生えた事は。

空っぽの体に秘められた“心”は、人形を日に日に成長させてゆく。
様々な事を学び、知恵をつけ、恋を知った人形は、その“心”の豊かさとは反比例して、どんどん汚れていった。
そして、無垢だった体と心に沢山の傷を負った時、人形はその運命を捨て、人間になる事を選ぶ。

その決意が、悲劇の幕開けとは知らずに・・・。



意思を持った人形・・・

その人形が引き起こす惨劇・・・


つまり、こういう事か。


チャッキー  (やあ! ぼくチャッキー!!)

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まさかの猟奇な結末に思わず、パペット界のスーパースターも飛び出してしまいましたが、まぁそれはさておき。


ポスターで目にしたペ・ドゥナのメイド姿があまりに完璧だった為、どうしても劇場で観たくなった本作。

「空気の入ったオレの嫁、すなわちダッチワイフが心を持ってしまったせいで巻き起こる珍騒動」くらいの先入観で挑んだのですが、珍騒動ではなく刃傷沙汰が起こって大層驚きました。
オサレな俳優がオサレな空間で織り成す大人のファンタジー、だと思って観たら大怪我しますね。コレ。
ファンタジーはファンタジーでも、夢も希望も無い残酷童話の方ではないかと思います。


40代・独身・アルバイト店員・非モテと、踏んではならない地雷の全てを集めたようなデンジャラス・ゾーン板尾創路の性欲処理道具として、日夜奮闘する空気人形のペ・ドゥナ。
ある朝彼女は自分の意思で動く事を覚え、そのままかび臭い家から光り輝く下界へと転がり出す。
しかし、素敵なものでいっぱいの様に見えた下界は、実は醜いものや汚れたものや危険なもので満ち溢れていたのだ。


本作から全力で繰り出されるメッセージはとても身も蓋もない、と思う。

他人を信用するな。
男を見たら変態と思え。
愛なんて所詮幻(まぼろし)。

身元の保証人も履歴書も一般常識もない(なぜなら人形だから)空気人形を、何も言わずに雇い入れてくれた親切な店長は、醜い嫉妬や蓄積された鬱憤の捌け口を彼女の体に求める。
彼女のスカートの下に並々ならぬ関心を抱いた青年は、彼女と同じメイド姿のフィギアをファインダー越しに眺め、自家発電に耽る。
彼女が恋心を抱いてしまった、陰のあるイケメン店員は、自分が昔愛した女性のヘルメットを彼女に被らせる。
ただの人形である彼女を大事に大事に愛してくれた買い主は、彼女が姿を隠した途端に新しい人形を買ってくる。 しかも、彼女と同じ旧型ではなく、新型の人形を。

自分があくまで、彼らの人生における“何か”の代用品である、と悟っていた彼女。
しかし、本気で恋をして、「代用品でもいいから愛されたい」と願った彼女は、わずかな希望にすがり、命綱である空気入れのポンプを捨てる事を選択した。

永遠に歳をとらない筈だった空気人形は、自ら飛び込んだ変態たちの世界で鬱積した“心”のヘドロをその身にぶつけられ、どんどん劣化(歳をとる)してゆき、しかも、彼女の秘密(中身が空気だと言うこと)や穢れを知ってもなお彼女を受け入れてくれたかのように思えたイケメン店員もまた、結局危険なセックスプレイを安心して試せる相手を求めていただけの変態だった事が判明してしまう。
束の間の一体感。
そして絶望。 

彼女が体に負った無数の傷から、シュウシュウと抜けてゆく空気は、感情という海の中をポコポコと漂う泡となり、空気ポンプと引き換えに「愛」を叶えようとした彼女は、同じく声と引き換えに愛を叶えようとして泡となった人魚姫どころではない、手痛いしっぺ返しを食らう事となる。


彼女の選択は間違いではなかったのだろうと思う。
彼女が心を持って生きた数週間には、後悔せずにいられるだけの美しさがあった筈だ。
だから、愛も希望も破れてゴミ捨て場に投げ出された彼女の姿は、なぜかとてもキレイだった。
ただ、とても寂しそうでもあったけれど。

願わくば、彼女が最後に吐いた空気が、人と人との心を繋ぐ風となりますように。
そうでなければ、この童話はあまりに酷すぎる。


人なんて結局、自分に都合のいい愛しか求めていないのではないだろうか。
都合のいい癒し、都合のいい抱擁、都合のいい愛撫。
その都合が合わなくなった時感じる居心地の悪さまでも、全部ひっくるめて愛してくれる人など、果たして存在するのだろうか。
都合のいい愛に振り回され、その命を全うした空気人形を眺めながら、そんな事を考えてしまった。

それ(ひっくるめて)が理想の愛なのだとしたら、今の殺伐とした世の中で見つけるには相当難しいのではないかと思う。
なぜならひっくるめるには、見返りを求めない心が必要だから。
こんな余裕の無い世界で、お互いを無償の愛で包みあうなんて大変すぎる。


違いますよ。 愛を信じていないのでも、「愛なんていらねえよ、夏」とか言ってるのでもないのですよ。
大変だからこそ、簡単には手に入らない。
手に入らない代わりに、なんとかその隙間を埋めようと努力するんです。
お互い気遣って、空気を読んで。

でも、何かの拍子にその「都合のよさ」が透けて見えた瞬間、愛は速やかに冷めて行ってしまう。

みんなも気をつけようね!

なんだこのグダグダ具合 。・゚・(つД`)・゚・。 (ごめんなさいホントごめんなさい)


ペ・ドゥナのメイド姿は期待を裏切らない完成度で、どのシーンも、そのまま切り取って「美少女図鑑」にしたいくらいの美しさでした。
もうひとつの見所である、板尾の痛々しい毒男描写なのですが、これまたダッチワイフ相手に誕生日祝いをしたり、公園デートをしたり、薀蓄を嬉々として披露したりと、リアルすぎて見ていられない完成度の高さでした。
ていうかキモい。 完全にキモい。 (←この場合褒め言葉)
最近のトレンドでいうと、このダッチワイフの部分がラブプラスなんでしょうね。
ていうかキモい。 ラブプラスに直接キスするとかマジキモい。 (←この場合素直な感想)

ただ、そんな板尾が住んでいる部屋ですが、何故か美大生のアパートみたいな凝った装飾がなされている点は納得がいきません。
これではまかり間違って「アレ? 板尾ってもしかしてオシャレな独身男性なんじゃ?」と思う人も出てくるかもしれないじゃないですか。
どうせやるなら、もっとティッシュの残骸やダンボール箱やオーパーツが散乱しているような、リアルさを追求した部屋にするべき。
こういうあたりが、なんか本作に於けるその他の「甘さ」分を表しているみたいで、ちょっと物足りなかったです。


透明感とドス黒さという、相反する要素を併せ持った不思議な残酷童話。
ポスターの小洒落たイメージに騙されて、沢山の森ガール(アガサのイメージの中でオサレ女子の代表)が迷い込んでくれたら面白いのになぁ、とSっ気を覗かせつつ、今回の感想はおしまいに。



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『ひとりかくれんぼ 劇場版』

2009年10月06日
ひとりかくれんぼ   したたり1

はい! トレース確定!!



あらすじ・・・
高校教師・涼子は、奇怪な噂を耳にした。
なんでも、今、巷では「ひとりかくれんぼ」なるオカルトゲームが流行っているらしいのだ。
涼子の教え子のりつ子もまた、そのゲームにはまっていると言う。

ま、それはさておき。

高校教師・涼子は、幼少期に遭遇した幼馴染の死に対し、未だに責任を感じており、たびたびその時の悪夢に悩まされていた。
授業の用意もせずに、職員室で寝おちする事など、彼女にとっては日常茶飯事だった。
しかも、その悪夢は、日に日にリアリティを増しており、夢と現実の境目があやふやに感じる事まであるのだった。

ま、それはいいとして。

高校教師・涼子のクラスでは今、一風変わった掃除方法が流行っていた。
床を雑巾掛けするのだが、バケツの水に浸した雑巾を一切絞ることなく、なんとそのまま床にこすりつけるのだ。
当然床は水浸しだ。

ま、それはおいおい話すとして。

高校教師・涼子の同僚教師は、放課後の資料室で不思議な体験をした。
誰もいないはずの部屋なのに物音がして、パソコンのモニターには「ひとりかくれんぼ」の文字が。
その文字をクリックすると、なんとどこかの部屋の押入れの盗撮風景が映し出されるではないか。
恐ろしくなり、慌ててその場を立ち去る同僚教師。
しかし、その後帰宅した彼女を待ち受けていたのは、赤い服を着た謎の女の霊だったのだ。

ま、それは気にしないとして。

高校教師・涼子は、教え子・りつ子が「ひとりかくれんぼ」の最中失踪してしまった件に心を悩ませていた。
警察の捜査は行われている筈なのだが、全く進展がない。
りつ子の部屋に、何かの手がかりがあるかと覗いてみると、引き出しの中に「ひとりかくれんぼ」の手順をプリントした紙が入っていた。
りつ子から聞いていた「ひとりかくれんぼ」の全容を、紙のお陰で初めて知った涼子。

ま、そこはググっとけよカス。

高校教師・涼子は、同僚教師が自宅マンションから姿を消した件に心を悩ませていた。
警察の捜査は行われている筈なのだが、・・・いや、もしかしたら行われていないのかもしれない。ていうか、誰か届けてるの? この事件。
同僚の部屋に、何かの手がかりがあるかと覗いてみると、なんと大きな姿見の中から、幼い頃水死した幼馴染の霊が現れ、涼子に襲い掛かってきた。

ま、それはまた別の話。

高校教師・涼子は、同僚のマンションで気絶してしまい、病院に担ぎ込まれる。
その頃、「ひとりかくれんぼ」の愛好家が集まるネット掲示板では、最後のゲームが行われようとしていた。
管理人が全国の仲間たちに最後のメッセージを送る。
「ひとりかくれんぼを一緒にいかがですか? 午前2時50分まで参加者を募集します。 ちなみにこの掲示板は、午前2時59分に閉鎖します」

ま、それはそ・・・  そ・・・ ・・・( ゚д゚)ハァ?

高校教師・涼子は、病室で再びあの悪夢に苦しめられていた。
眠れない涼子は、何者かの気配を感じ、そっとベッドから抜け出す。
病院の廊下を進むと、その先にあった浴室の中から、なんと水で膨れ上がった幼馴染の腐乱死体が襲い掛かってきた。
「モウ・・イイ・・カイ・・?」
恐怖で立ち上がれない涼子は、匍匐前進に次ぐ匍匐前進で必死に逃げ惑う。
しかし、ついにボイラールームに追い込まれ、逃げ場を失った涼子。
おまけに、怨念祭りの前兆を聞きつけた浮遊霊や地縛霊たちまで、ゾクゾクと集まってきた!
万事休す!

ま、それもこれも夢なんですけどね!!

ワチャー!!



さあみなさん、ご一緒に! にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ドルアアアア(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻



ビックリするほど評価が低い『ひとりかくれんぼ』を、ビックリするほどローテンションだったので景気付けに借りてきたのですが、ビックリするほどクソ出来の悪い作品でとってもビックリしました。

とにかくですね、全く怖くないのですよ。

駄目な感じのホラーに対し、常に協力的であれ! がモットーのアガサですので、今回も家中の電気はバッチリ消灯。
水分を過剰に摂取し、いつでもトイレが近くなるようにセッティング。(真っ暗闇の中階段を昇降する羽目になる)
そして出来うる限りの大音量で、背中はガラあき状態で、いざ鑑賞!

に、も、関わらず、鑑賞の間中周囲にまったりと流れるユルい空気。
そこには幾ばくの緊張感も無ければ、「やべえ!今なんか気配が!」的なファンタジーワールドも無い。
ただ、川村ゆきえのぷりっぷりな乳(※とらねこさん談)と、どこかで見たことあるような黒髪の幽霊たちの姿があるだけ。

「あたし、怖いの苦手なんだけど、Jホラーは一度観てみたいんですぅ~」
みたいな寂しがりやのうさぎちゃんたちは、迷う事無くコレを借りてみて欲しい。
伽耶子のごとく神出鬼没さと、貞子のごとく執念深さをにじませるものの、その実まったく怖くない、安心安全設計の怨霊が飛び出すJホラーが、まさに本作なのだ。

寂しがりやのうさぎちゃんて! (←いまさら自分ツッコミ)


とにかく、上に書いたあらすじがそのまま映像化されたような、まとまり無し、辻褄合わせ無し、抑揚無し、気の利いたオチも無しの本作。
いや、いちおうオチはあるのですよ。
あるのですが、それもまた、その他の部分と同じく過去のJホラーから引っ張ってきたようなオリジナリティの欠片もないオチですので、もう捻りが無さすぎて逆に新鮮?みたいな、 そういう事も無きにしも非ず?みたいな!

ってねえよ!!(`Д´#)ゴルア!!

気絶して病院に運ばれ、そのまま2日間眠ってた涼子が、目覚めたときには既にかわゆいパジャマ姿だったり、(普通病院着でしょうよ)
赤い服の幽霊に襲われる同僚の目の隈が、シーンによってはコントの域まで濃くなってたり、(でも次のカットでは薄くなっている)
そもそも同僚は、ひとりかくれんぼを始める儀式を何も行っていないのに、なんで祟られたの?とか、
どいつもこいつもなんで塩水使わねえの? バカなの? と呆れかえったりとか、
うまいこと言おうとして、盛大にスベった感のある脱力必至なラストナレーションとか、
つっこみどころが満載すぎてめんどくさくなるのですが、まぁ精一杯怯えた(つもりの)演技を披露する可愛いグラビアアイドルを愛でる事ができるので、それでいいのではないでしょうか。

ま、乳は出てきませんけどね!
出てきませんけどね、ほんの少しの乳も!
なんも言えねえ!!(←そんなに乳が見たかったのか)


最後に、アガサはこの「ひとりかくれんぼ」の元ネタになる実況スレを延々読んでしまって、夜寝られないどころかトイレに行くのも困難になった事がありますので、劇場版を見て物足りなかった方も、安易にまとめサイトなどを覗く事はお止め頂く様、一言申し上げておきますね。

あっちは本気で怖いですよ~((((;゚Д゚)))


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『オカルト』

2009年09月16日
occult1a.jpg
★★★
衝撃! 霊体ミミズは実在した!! 
(※霊体ミミズが判らないよい子のみんなは、今すぐ『ノロイ』を借りてこよう!)



あらすじ・・・
男は囁き声を聞いた。 確かに聞いた。
その声は、「妙ヶ崎に行け」と告げていた。
だから男は従った。
そこへ行けば、クソったれな自分の人生が変わると思ったから。

そして、切り立つ断崖を一望出来る観光地・妙ヶ崎を訪れた男が目にしたものは、モノも言わずナイフで切りかかって来る、一人のキチガイの姿だった。
キチガイは、一心不乱に目の前の人間を切りつけていた。
2人の女性の首を斯き切ったキチガイは、次に男の背中にナイフの刃をつき立てた。
その時キチガイはハッキリと囁いた。
「次はお前の番だ」と。

キチガイはそのまま岸壁からその身を投げた。
遺体は、見つからなかった。

3年後、奇跡的に一命を取り留めていた男は、ある使命を胸に秘め、地道な活動を始めていた。
自分の人生の目的とは?
自分の存在理由とは?
全ての疑問に対する答えを手に入れていた男には、もう恐れるべきものは何も無かった。

その使命を果たした時、男の目の前に広がる世界は、天国なのか、はたまた地獄なのだろうか・・・。


ま、地獄な訳なんですけどね! にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  しょっぱなからネタバレかよ!みたいなね! マジすまん。


『ノロイ』 というフェイクドキュメンタリー風ホラーで、世間のいたいけな少年少女の度肝を引っこ抜いた白石晃士監督が、またもやいかにもドキュメンタリーっぽく仕上げたホラー 『オカルト』 を鑑賞しました。

いや、これはホラーじゃないですね。
文字通り“オカルト”映画です。

動機の見えない通り魔殺人。
その被害者に共通する不思議体験。
事件の関係者の周りに出没する未確認飛行物体。
カメラに写りこんだ白い影。
ポルターガイストに予知夢にオーパーツに民俗学。
ありとあらゆる“オカルト要素”を、これでもかとばかりに画面に散りばめ、その中心には生々しいネカフェ難民を配置。

リアルなんだけど非現実的。
非現実的なんだけど超リアル。
そんな相反する要素が紡ぎ出す、不気味で魅力的なパラレルワールドは、一度観始めたが最後、ノンストップで貴方を地獄の一丁目へと連れて行ってくれることでしょう。

とにかく、冒頭の「いかにも偶然その場に居た観光客が撮ってしまったホームビデオ」に映り込んだ、容赦なき殺人事件が怖い。怖すぎる。
というのも、物凄く“ありそう”だから。
のどかな観光地が一転、阿鼻叫喚の地獄絵図に変わるシーンは、作りものの世界(映画という)とは言え半端ないリアリティに満ちている。
遭遇したことは無い(出来ればしたくも無い)ですが、実際の通り魔事件の現場もこんな感じなのではないか、と。
普段と変わらない現実の中に、バシーンと部外者(キチガイ)が放り込まれる瞬間の恐ろしさを感じました。

で、そんな超リアルな衝撃的幕開けの後展開されるのが、なんとも微笑ましい超常現象スペシャルと言うギャップの妙。

カメラが捉えた心霊現象・・・、
フワフワと空に漂うクラゲ型未確認飛行物体・・・、
おまwww いつの時代の特撮だよwwww `;:゙; ・( ゚∀゚)ブッ
と叫びたくなる様な、昭和の香り色濃い合成ショット。
ヘタしたら、日曜朝のスーパーヒーロータイムに完全敗北です。

まぁ、もしかしたらですが、 『ノロイ』 が公開された時その怪奇現象の完成度の高さから、
「あれはモノホンの心霊フィルムだったのではないか」
「オレたちヤバイものを見てしまったのではないか」
なんて、沢山の純真無垢な若者たちが眠れぬ夜を過ごしたと聞きますので、敢えて大雑把に仕上げたのかもしれませんけどね。
なんつーの? 白石くん(※監督)のささやかな気配りっつーの? ニクイよ! この気配リスト!!

で、そんな白石くん(※すっかり「くん」呼ばわり)なのですが、本作に於いてはスクリーミング・クイーンとしても大活躍。
主役であるフリーター男と共に行動するうちに、自らの宿命に気付いてしまい、世にも恐ろしい自爆テロの片棒を担いでしまうヘタレ監督・白石くん。
最初こそ、凶悪な天啓を受けたと嘯くフリーター男をなんとか説得し、その計画を中止させようと試みる白石くんなのですが、なんと彼の人生もまた、その計画の中に微妙に組み込まれている事が発覚。
しかも、その事実を彼自身に知らしめるように、要所要所で白石くんを襲う蛭アタック。

突然足首に走る激痛!
慌ててズボンの裾をあげる白石くん!
そこにはなんと、横一線に並んだ9匹の蛭の姿が!

という展開のたびに、いちいちキャー!o(>ω< )oって可愛らしい叫び声をあげる白石くん。

くそう・・・これが今、巷で噂の“オトメン”ってやつか! (←たぶん違う)


とかなんとか、ちょっと茶化して書いてもみましたが、こういったお笑い要素と同時進行して、きっちり背筋も凍らせてくれるのが、本作の素晴らしいトコロだったりするのですよね。

フリーター男がふとした拍子に見せる空虚な目つき。
「今居る世界はオレの世界じゃない。」
「オレを取り巻く環境は変えられない。だから壊してしまうしかない。」
上手くいかない何もかもを、自分のせいではなく目に見えない何かのせいにして、そこから逃避しようとするフリーター男。
現実でも耳にする“誰でもよかった”という醜悪な常套句の原因が、すべてこう言った思い込み(妄想)にあるとは思いませんが、行き詰った人間の脆さというか身勝手さみたいなものが感じられて、なんだか薄ら寒い気持ちになりました。

それと、もう一つ怖かったのは、どこにでもいそうなアレな人の描写。

きみは、飲食店や役所やどこかしらで、訳のわからない絡み方(噛み付き方)をしているアレな人を見かけ、説明の出来ない恐怖を感じた事が無いだろうか?!
オレはある!(←誰やねん)

その不条理極まりない感情のベクトルが、自分に向けられた時。
完全に別世界の住人と化したアレな人の目つき。
同じ日本人のハズなのに、まったく会話が成り立たないその瞬間。
もしくは、さっきまで普通に話していた人に、いきなり声を荒げられた時などなど。

もうねぇ、色んな意味で心臓のドキドキが止まらないっちゅうねん。
正直、もっと違う事でドキドキしたいっちゅうねん。(←切実な願い)

そういう、「意外と日常に転がっているんだけど絶対に関わり合いになりたくない」アレな人が、ほぼ出ずっぱりの本作なので、その緊張感たるや目のやり場に困る程なのです。
で、困っちゃうんですけど観てしまう。
本作は、それだけの吸引力を持っているのですよねぇ。
派手な霊現象が起きるでもなく、むしろメインは、淡々と描かれるフリーター男の日常や白石くんとのムフフな友情物語であるにも関わらず、グイグイ惹き込まれてしまう。
アガサ断言しちゃいます。
これ、傑作です! 

白石くんって、典型的な娯楽作を撮らせても上手いんだろうなぁ。
ていうか、きっと大好きなんだろうなぁ、エンターテイメントが。


ちなみにフリーター男を演じる宇野祥平さんの、静かな中にもはげしい狂気を秘めたリアルな演技も、本作にはげしい説得力を与えてくれているので、はげしく要チェックだよ!

オカルト1
( 生え際が超現実的な宇野くん(※中央)  まぶしい程にリアル!)



実は本作を鑑賞していて、(昭和な合成を除き)違和感を抱かなくも無かった点に、
「いくらなんでも、白石くんは簡単にテロに共謀しすぎじゃない?」
というのがあったのですが、これも思うに、
「きっと人間なんてモノはちょっと何かに背中を押して貰っただけで、どっち側にでも転がってしまう脆い生き物なのだ」
と言う事なのではないかと。
(※で、白石くんの場合は、その一押しが怪奇現象だった為、更に効果てき面だった訳です)



狂気というものは、寄り添ってしまえば意外と心地よいものなのかもしれない。


そんな恐ろしい考えが過ぎってしまう程に、容易く深淵に落ちていった白石くんの姿。
ぼくらもせいぜい気をつけないと。
その闇への入り口は、いつも周到にこちらを窺っているのかもしれないから。



作中ずっと鳴りを潜めておいて、最後に(文字通り)大爆発する残酷効果団体・西村映造のステキな仕事っぷりや、物凄く神経を逆撫でしてくれる中原昌也さんのサントラや、たった数言葉で説明されてしまう超投げやりな20年後(自爆テロから)の風景も一見の価値あり。

それと余談ですが、先月上京した際にお茶をしたTabelaが作中登場した事が、何よりビックリだったり嬉しかったりしたアガサだったのでした。
カッペ万歳。

また東京行きたいなぁ。
 

と言う訳で、機会があったら是非一度ご賞味下さい。
この地獄は、かなり癖になる地獄ですよ。


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『20世紀少年<最終章> ぼくらの旗』

2009年09月05日
ぼくらの2
(プラス史郎分★★★★
なんだかんだ言って、お面はやめた方がいいと思うよ。 みんな普通に引くよ。ドン引きだよ。 >“ともだち”


ちょっと今回は趣向を変えて、ネタバレなしで書きますよ!


あらすじ・・・
2015年。
世界各地に突然現れたガスマスクの男。
彼らによってばら撒かれた死のウィルスは、瞬く間に数十万人の命を奪った。

で、困った愚民どもは、一度死してのち復活を果たしたばかりだった“ともだち”に全てを託した。
なぜなら“ともだち”は“神”だから。
“神”ならこんな大変な事態もなんとかしてくれるでしょ、みたいな。

と言う訳で、どういう投票が行われたのか、はたまた無投票当選だったのか、“ともだち”は世界大統領となった。
世界の事はさておき、“ともだち”はまず東京に着手した。
一部区域を高い塀で囲み、外部と遮断した。
くどいようだが、世界の他の国の事はこの際どうでもいい。
だってこれ、日本の映画なんだぜ?
かくして“ともだち”は、区切った都内を徹底的に昭和色に染めあげた。

こいつのフェイバリット・ムービーは『ALWAYS 三丁目の夕日』に違いない。

そんな“ともだち”の暴挙に立ち上がった人々が居た。
世界的虐殺劇を奇跡的に潜り抜けた、メインキャストの皆さんだ。
オッチョもヨシツネもユキジも蝶野もカンナも仁谷神父も響子もケロヨンもキリコもマルオも、そして勿論例の男も、みんな生き残っていた。
ま、当たり前だがな。 メインキャストなんだから。

ヨシツネは反“ともだち”組織・ゲンジ一派を率いて、カンナは過激派集団・氷の女王グループを率いて、オッチョは単独で、ユキジは・・えーっと、ユキジは柔道の師範代として。
それぞれが信じる方法で、“ともだち”が用意する最悪の展開を阻止しようと奔走するメインキャストたち。
そんな彼らのもとに、偶然とあるメロディが流れてくる。
妙に耳の残るそのメロディ。
なぜか町中の人々が嵌りまくった、驚異の洗脳ソング。

その歌を作り出した張本人が、温かい日差しが降り注ぐ田舎の一本道を、原付バイクで直走っている。
彼は戻ってきたのだ。
“ともだち”の計画を止めさせる為。
そして、自分自身の過ちを正す為。


ね! ネタバレしてないでしょ!! にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ   やれば出来る子なんですよ!!


アガサねぇ、気付いちゃいました。

正直言うと、今までぽっちゃり型の男性は好みじゃありませんでした。
ぽっちゃりって言うか、スモウレスラー的な体系ですね。
でも、今回の史郎を見て、なんていうか、「あ、こういうのもありかなぁ・・」と。

いや、ありどころじゃないな。 もうなんつーか大好きだ! 

みんな、オレ、今日からデ○専になるよ!!ヽ(´∀`*)ノ  (←わかりやすいアホの例)

ふたごしろう
(未だかつてこんなに愛らしい双子が存在しただろうか)

ていうかねぇ、こんな可愛い史郎が2体ですよ?
強いて言うならばトゥー・バディですよ?(←強いての意味がわからない)
2体の史郎がクルクル回りながら、耳元でシンクロした囁きをプレゼントしてくれるんですよ?
文字通りステレオ状態ですよ。
もうねぇ、死んでまうよね。 確実に。

右の史郎か左の史郎か。 ちょい悪史郎かはたまたちょいちょい悪い史郎か。
どっちでもいいから1体オレにわけてくれー!くれー・・ クレー・・・ と、劇場にこだましたアガサの叫び。
たとえその出演時間が5分にも満たない程だったとしても、この鑑賞行為に悔いは無い。
「いいもの観させてもらったぜ・・・」
そう呟きながら、劇場を後にするアガサなのであった。


完。




・・・

・・なにこれ。

史郎に関する変態話だけでこの行数とか、なにこれ。
すまん。 正直すまん。 ちょっとここから真面目に書きますんで堪忍してください。


と言う訳で以下“ともだち”の名前を除きネタバレ。


ケンヂは、明るくて元気で正義感も強くて、常にクラスの人気者だった。
そんなケンヂに憧れと嫉妬にも似た気持ちを抱いていた少年がいた。
少年はケンヂに認められたかった。
ケンヂの仲間になりたかった。
でも、自分とケンヂたちの間には、目に見えない境界線が引かれており、少年はどうしてもそこを踏み越える事が出来なかった。

ある日少年は、ケンヂがこっそり駄菓子屋の景品を万引きする姿を見た。
あのケンヂが。
みんなに慕われる、あのケンヂが。
少年は嬉しかった。
自分のプライドが、初めて満たされるのを感じるのと同時に、誰も知らないケンヂの秘密を知ってる事で、ケンヂの一番の仲間になれた気がした。
ところが、その仲間である自分が濡れ衣を着せられた時、ケンヂはあろうことか見てみぬフリをしたのだった。
その罪はほかでも無い、ケンヂ自身が犯した罪なのに。

少年へのイジメが始まった。
「泥棒」呼ばわりされ、「犯罪者は死刑だ」と罵られ、クラスメイトから徹底的に無視をされた。
ケンヂは、決して助けてはくれなかった。
少年はそのまま「死人」として生きるしかなかった。


まぁ、そんなこんなで、あんまりにもムカついたので、世界中に細菌兵器をばら撒いて全人類を死滅させる事にしましたので、そこんとこヨロシク!

というのが、本作の趣旨を要約したものなんですが、なんかもう話が飛躍しすぎてついていけんのじゃ――!!ヾ(`Д´#)ノ゙


少年時代に受けたイジメなり裏切りなり心の傷なりで、歪んだ大人になってしまった人は、現実でも少なからず居ると思います。
むしろ、そういう負の経験をしていない人の方が少ないのではないでしょうか。
誰でも、大なり小なり耐え難いほどの苦痛を味わい、それをなんとか租借して飲み込みながら、人は成長して行く。 いや、そうするしかない。

それを飲み込めずに育ったからといって、恨みの対象に吐きつける事を決意したからといって、一足飛びに世界滅亡はやりすぎじゃないですか。
ダイナマイトを腹に巻き付けて、同窓会に乱入するのとは訳が違うじゃないですか。(ま、それもやりすぎだとは思いますが)


“本格科学冒険映画”という触れ込みで、荒唐無稽な世界観を魅せつけてくれる本作ですが、近未来のデザインとは程遠いロボットのどん臭そうな造形に心躍る一方、そこかしこに見え隠れする中途半端な偽善者っぷりに居心地の悪さを感じてしまいます。

氷の女王と呼ばれるほど非情で、血を流す事をも躊躇しないリーダー・カンナの元では、多くの若者達が彼女のカリスマ性に惹かれ、命を賭けたテロ行為に手を染めている。
しかし、作中彼女は一切手を下さない。(アガサが見た限りでは)
で、そんな彼女の決意(※非情であろうという)が揺らいだ時、育ての親であるユキジは
「あなたは氷の女王なんかじゃない」
と優しく声を掛ける。
凍っていた心が溶けて、その場に崩れ落ちるカンナ。
一見「イイハナシダナー」に見えるかもしれませんが、というかそう思わせたいのでしょうが、カンナが手を汚すシーンが無いので、何も伝わってきません。
「そんな風にいたわってくれる保護者もおらず、必死に血で血を洗ってきた連中はどうなるんだよ」
と、かすかな苛立ちなら感じましたが。

終盤、“ともだち”が飛ばす殺人ウィルス散布用UFOの脅威から東京都民を守る為、カンナ主導で開かれたウッドストックっぽいコンサート。
街のあちこちに貼られたポスターや、こっそり流されていたラジオ放送によって、会場には多くの都民が集まり、大スター春波夫のライブに酔いしれるのですが、その会場の外では既に、発射されてしまったUFOによる大量殺戮が行われています。
この陰と陽を、のん気な「ハロハロ音頭」に合わせて描く辺りは、堤監督の性根の悪さを感じて、ちょっぴり面白いっちゃあ面白いのですが、会場で沸き返る若者(の姿が多い)とウィルスにやられて血反吐にまみれるサラリーマンの姿があまりに正反対だった為、「世紀末だからってんで仕事を放り投げて来た連中が助かって、最後まで真面目に働いていた人たちが死に晒すんだな」と捻くれた見方をしてみたくなってしまいました。
とてもじゃないけど素直に「沢山助かってヨカッタネー」とは受け取れない。
その陰でバタバタと死んでいった人たちを思うと、どうにも救われない気持ちになりました。


こういった“居心地の悪さ”は本章だけではなく、全章通して感じられる事なのです。
なぜなら、本作には「痛み」がないから。
各章で起こる大虐殺。
何十万人が死んだ。 全人類の殆どが死滅した。
簡潔な言葉と、数カットの画で語られるそれらの「死」は、とてもうすっぺらい。
いつもメインキャストは生き残り、いつの間にか集結し、彼らの上に火の粉は降りかからない。
おまけと言ってはあれですけど、セリフも殆どが棒読み。
表情に抑揚が無いのと、撮り方が単調な為に、感情移入はとても困難です。


そして最後の10分。


色々あって、あっけなく死んでしまった“ともだち”。
世紀末の到来を回避し、懐かしい友人たちと久しぶりの再会を果たしたケンヂは、落ち着くことなく一路ともだちランドを目指します。
そしてその中のバーチャルアトラクション(ケンヂたちの少年時代が仮想体験出来るマシン)に入り、自分が犯してしまった過ちにケリをつけるのですが、もうねぇ、無い。 これは無い。
いくらケンヂが仮想現実の中の“ともだち”に謝罪したトコロで、いくら“ともだち”のお面を外させる事に成功したトコロで、それはケンヂの自己満足でしかない。
バーチャルアトラクションはタイムマシンじゃないのです。
いくらケンヂが“ともだち”との関係をやり直そうと、現実の“ともだち”が負のスパイラルから抜け出せず、何億という人間が死に、“ともだち”自身も部下の裏切りに遭って無様に死んでいった事実は変えられない。

もしかしたらこの謝罪の旅には、「所詮過去は変えられない。だからいつも人と正直に向き合って、間違いを間違いのまま放っておかない事が大事なんだ」という意味があるのかもしれませんが、だったらラストカットは、バーチャルアトラクションが切れる(終了する)所で終わるべきだったのではないでしょうか。
救いがあったように見えても、結局それは仮想現実の中の事なんだと。 観客に冷水をぶっ掛けるダメ押しのカットで終わらせるべきだったのではないかと。
ところが本作は、「中学の校庭にロックが鳴り響いた日、僕にはじめて友達ができた」という“ともだち”のナレーションで幕を閉じるのです。
なんや、 「そして、全ての“ともだち”たちにおめでとう!」 ってか。

無いなぁ。 なんだこのモヤモヤ感は。
そんな「めでたしめでたし」みたいな終わるな、と。 
この後の世界どうすんだよ、と。
めっさ総人口少なくなってるじゃん、と。

超人的洗脳ソングで都民を虜にしたケンヂが、たとえ時期都議選で勝利したとしても、アガサは全く驚きませんね。
ていうか、絶対この主要メンバーの中から新政府の重要ポストが選出されるよね。
ある意味こわい。


ちなみにこれらのモヤモヤ感は、原作を読んだ時には感じませんでした。
時間制限のある媒体という事で、ある程度バッサバサ刈り込まないといけないのはわかりますが、やはり本来の悲惨さや個々の成長を描くには向いていなかったのかもしれませんね。映画は。
結局キャラの再現度や“ともだち”の正体ばかりに注目が集まり、肝心のストーリーに熱中出来ずに終わっていったような気がします。
なんか勿体無いなぁ。

ま、オレはツイン史郎が見れただけで満足だけどな!(←結局そこか)



では最後に、本作に対するその他のつっこみを箇条書きにして、今回の感想はおしまいという事で。


・ 黒木瞳の朝まで生チャット。(別名・一人語り12時間耐久レース)
・ いつのまにか落ちぶれていた石橋蓮司。
・ いつのまにか改心していた13番。
・ 響子が空気。
・ 神様も空気。
・ ついでに藤木直人もほぼ空気。
・ そして一人濃い存在感を放っていた小池栄子。
・ 逃げてもいいけどUFOのアダプターとか抜いてから行けよ。
・ ヘルシア緑茶、いいトコまるで無しの刑。
・ 山寺宏一のコンチがシンクロ率400%
・ 神出鬼没すぎるトヨエツ。
・ 史郎、かわいいよ、史郎!
・ 忘れられた森山未來。
・ 姉さん、事件です!
・ 何気にとてもいい演技だったロンブー。
・ 空気読めなくて申し訳ないんだけど、実は「グータララ・スーダララ」に全く心惹かれない。
・ むしろ「ポニョ」の方が洗脳力は上。
・ じゃ、「ポニョ」歌っとけばいんじゃね?


最後まで長文にお付き合い下さり、ありがとうございました。
もう絶対次からは短くする! オレ、がんばるから!!゚(ノД`゚)゚。

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