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『making of LOVE』

2010年08月11日
『making of LOVE』という映画を観ました。

「2010年5月。 
『オトシモノ』『ロスト☆マイウェイ』でなどの作品で知られる映画監督ふるさわたけしの新作がクランクインした。
しかし、主演をつとめた青年の謎めいた失踪によって撮影は中止を余儀なくされた。
これは未完成に終わった一本の映画の記録である。」


という、いきなりオチバレ(?)みたいなテロップから始まるその映画は、そこで説明されている通り、
・ とある(実在する)映画監督が出演して
・ 映画を製作する過程を描いた映画、というモキュメンタリーな作りで
・ 主演の男の子が途中でいなくなって
・ ついぞ映画は完成しない
というおはなしです。 
でも違うんです!
完成しないんですけどそれは映画中の映画の話であって、『making of LOVE』は完成します。映画は完成しないけど、愛は完成するんです!ってわかりにくいか!そっか!よしわかった、じゃあもうみんな観に行こう!そうだそうだそうしよう!!
古澤健監督の最新作『making of LOVE』は、8月29日(日)よりポレポレ東中野で公開予定です。 『THE LAST MESSAGE 海猿』を観に行こうと思ってた関東近辺のみなさんは、そのお金を持ってそのまま東中野へ行きましょう! そうでないみなさんもいいから行こう!! とにかく、面白い映画が観たいと思っているみなさんは迷わず行こう!行けばわかるさ!


・・と、ついフォントを弄ってしまいたくなる程、『making of LOVE』は誰かにおすすめしたくなる作品であり、独り占めするのが勿体無い作品なのでありました。

映画が出来上がるまでの苦難に満ちた道のり、愛を欲するがゆえにおさわり行為(セクハラ)に走るふるさわ監督の姿、現代的なファムファタルの登場、主人公の青年の不思議な過去、ヒロインにまつわる不可思議な現象、ストーキング・・・ストリーキング・・フェアリーテイル・・・スパースバンパイア・・・ん・・? スペースバイパイア・・?・・あぁ・・うん・・スペースバンパイアだよ・・・アハハ・・ウフフ・・。
てな具合に、観続けるごとに恋愛映画になったりSF映画になったりコメディ映画になったりファンタジー映画になったりオカルト映画になったり、くるくると万華鏡の様にその姿を変える、とっても不思議な作品なのですが、それらは決して、とりとめなく繰り広げられているのではなく、ラストに待ち受ける幸せな結末に向かってきちんと収束されて行くのですよね。 にくい。にくいなぁこんちきしょう!

人はみんな孤独だから、他の誰かを愛し、愛されたいと願う。
でも、愛の光が強まれば強まるほど、その裏に追いやられた“寂しさ”の影もまた、色を濃くする。
一緒になったハズなのに、一向に消えないどころかさらに激しさを増す孤独感。
特別ではない、誰の身にも芽生えうる、複雑な感情。
みんな不安で、みんな受け入れられたくて、迷走したり暴走したりしてしまうんですよね。
だって、自分が大切だから。 自分は傷付きたくないから。
でも、その孤独すらも受け入れられるような感情が生まれる瞬間がある。
なんの見返りも求めない、ただ、ひたすらに、変わらぬ想いを注ぎ続けようと決意する瞬間。
それは奇跡の瞬間だと思う。 
何ものにも代えがたい、奇跡の瞬間だと。

その瞬間を、大げさなBGMも大掛かりなセットも壮大な風景も使わず、ごくありふれた狭いベッドの上に映し出した古澤監督は只者ではないのではないでしょうか。 オレ、監督のサイン持ってるんだぜー いいだろー!えっへっへーだ!(思わず自慢)
否応もなく胸が熱くなり、「ああ・・、この映画がだいすきだ!」 と叫びたくなる名シーンだと思いました。

誰もが捜し求めている“運命の人への愛”と、尽きることの無い“映画への愛”が溢れんばかりに詰まった『making of LOVE』。
その「愛」が見事に成就する様を、是非劇場でご確認してみては如何でしょうか。

そうそう、言い忘れてた!
健全な男子のみんな、安心して!おっぱいもいっぱいあるからね!! やったね今夜はホームランだ!



鑑賞の機会を与えて頂けた事に、この場をお借りして心からお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました!
もし岡山でも観れる機会がありましたら、絶対観に行きたいと思います!(もちろんDVDも含め)


おまけ

・ いちおう主人公はヒロインと彼女と運命的な出会いをする男の子、というコトになっているのですが、彼ら以上に存在感を発揮するふるさわ監督の演技力に打ちのめされました。 どうみてもヘンタイのストーカーにしか見えません。 なんという迫真の演技なのでしょうか。 演技なのでしょうね。 演技なのですよね。 後生だから演技だと言ってください。

・ 高橋ヨシキ所長のセリフ後のふるさわ監督のショットが最高でした。 夜中に一人でヒーヒー言いながら転げまわってしまいました。 ここは是非、劇場で大勢で観て、一緒に大爆笑したかったなぁ。

・ ヒロイン役の藤代さやさんが、どのシーンでもむちゃくちゃ可愛らしくて、自然体で、あたし女だけどけっこんしてくれ。 (特に終盤ベッドの上で見せる表情はあまりに神がかり的な美しさで、うっとりと見とれてしまいました)

・ そんな魅力的なヒロインと、壮絶なイチャイチャを繰り広げる主人公の青年。 キス&ハグ。 キス&ディープなハグ。 街中だろうが駅中だろうがキス&ハードなハグ。 ごめん、殴っていいか?

・ エンディングでまさかのボラット。



重ねて言いますが、『making of LOVE』は8月29日よりポレポレ東中野でレイトショー開始。
本当におすすめです。
場所がわからない人は今すぐググろう!
劇場に行く事が出来ない人は、地元の映画館に直訴しよう!
それも無理な人はDVDになるのをひたすら待とう!

必見。

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『借りぐらしのアリエッティ』

2010年08月10日
アリエッティ借り


※ なんだかんだネタバレしています。


【小さい人がうちにあがりこんできたんだが】
1:名無しさん@借りぐらし
ぼくは、あの年の夏、母の育った古い屋敷で1週間だけ過ごした。
そこでぼくは、母の言っていた小さい子に出会ったんだ・・・


2:名無しさん@借りぐらし
爆発してしまえ


3:名無しさん@借りぐらし
>>1
もげろ


4:名無しさん@借りぐらし
ごめん!子はうそ!! 小さいって言っても幼女とかじゃなく、本当に小さい人なんだ!


6:名無しさん@借りぐらし
スペックは?

7:名無しさん@借りぐらし
そうだなぁ・・。 大体10センチくらいかなぁ。 手のひらに乗るくらいのサイズ。


10:名無しさん@借りぐらし
なんだ釣りか・・

15:名無しさん@借りぐらし
病院へ池

20:名無しさん@借りぐらし
残念ながら釣りじゃない。 あと、病院はシャレにならんからやめろ。
その人の存在を始めて知ったのは裏庭を走り回っている姿を見かけた時。
実は昔祖母から「うちは夜中にこっそり食べ物が無くなってる事がよくあったのよ・・」って聞いてたから、ぼくはすぐピンと来た。
あ、これがそうなんだ、って・・。


23:名無しさん@借りぐらし
いいか、よく聞け、それはGだ


24:名無しさん@借りぐらし
>>1は害虫板に行った方がいい

25:名無しさん@借りぐらし
人のカタチのGがいるかよwwwww
26:名無しさん@借りぐらし
祖母の話では、小さい人たちは家の中の物を借りて行きながら暮らしているんじゃないか、というコトだった。
つまり、「借りぐらし」って訳だな。
まぁともかく、ぼくは注意深くその日が来るのを待った。
実はぼくの部屋には祖父の代から受け継がれているドールハウスがあるんだ。
だからきっと、小さな人はそこにやってくる。
そう思って待ってた。

31:名無しさん@借りぐらし
そしてついに その日はやってきた。
夜中に物音がしたから、薄目を開けて部屋を見回してたら、2人組の小さい人たちが現われたんだ。
彼らは力を合わせて、一生懸命ティッシュペーパーを引っ張り取ろうとしてる真っ最中だった。


32:名無しさん@借りぐらし
ティッシュかよwwwwwwww 
何に使うつもりだったんだwwww


33:名無しさん@借りぐらし
オ●ニーだな


34:名無しさん@借りぐらし
カリ濡らしな訳ですね、わカリます


35:名無しさん@カリ濡らし
>>34
優勝



36:名無しさん@借りぐらし
おいwwやめろwww

・・今更だけど、もしかして誰も信じてくれてないのかな・・。
話、続けてもいいのか・・?


37:名無しさん@借りぐらし
>>1
オレは聞いてるぞ 続けてくれ

38:名無しさん@借りぐらし
ありがとう。

とにかくぼくは、初めて小さな人の姿をきちんと見て、とても興奮した。
「怖がらないで」 って声をかけたんだけど、余計怖がらせちゃったかもしれないw
小さい人たちはそのまま部屋からいなくなり、後に残されていたのはビックリした拍子に落っことしたらしき角砂糖だけだった。


40:名無しさん@借りぐらし
お砂糖持って逃げようとしてたのかw 
なんだか可愛らしいなwww

42:名無しさん@借りぐらし
そうなんだ。
なんというか、ホントかわいらしいんだ。
見た目が小さいって事だけじゃなく、守ってあげたくなる瞳をしてるっていうか・・
ぼくは何とかしてお砂糖を返してあげたくって、次の日床下の格子の前に、手紙と角砂糖を置いておいた。


43:名無しさん@借りぐらし
ちょっとわからないんだが>>1はその小人をどうしたかったんだ?
捕まえたかったのか? それとも遊び相手になって欲しかったのか?

44:名無しさん@借りぐらし
正直なトコ、ぼくにもわからない。
ただ、ぼくは何かを成し遂げたかったのかもしれない。
手術の前に・・
死んでしまう前に・・・


46:名無しさん@借りぐらし
>>1
!!!
kwsk

55:名無しさん@借りぐらし
ゴメンw ちょっと風呂入ってたww

ええと、続きいきます。
そもそもぼくが、この古い屋敷に滞在していたのは、夏休み中に受ける事になっていた心臓手術に備えての静養の為だったんだ。
仕事で年中飛び回っている母に代わって、ぼくの面倒をみてくれていた祖母。
その祖母が幼少期を過ごした屋敷は、とても静かで、緑に囲まれて、静養するのにピッタリだった。
・・の、はずだったからw


56:名無しさん@借りぐらし
小人が夜中に砂糖やらティッシュやら盗みに来る家がかwww
とんだ静養だなwww

57:名無しさん@借りぐらし
>>56
まあねwwww

心臓の手術は、上手くいくかもしれないし、ダメかもしれない。
っていうか、ぼくはもう、ダメなんだと思ってた。
だから、少し自棄になってて、実は小さい人に八つ当たりしてしまった事もある。


60:名無しさん@借りぐらし
何言ったんだ

61:名無しさん@借りぐらし
「おまいらなんて、どうせ絶滅すんだよ」って。


63:名無しさん@借りぐらし
鬼畜あらわるwwww


64:名無しさん@借りぐらし
ヤダこの>>1さいてい


67:名無しさん@借りぐらし
ホントだよな・・・
マジ あの頃のコト思い出すと居た堪れない気持ちになる・・
ぼくは最低だよ・・
68:名無しさん@借りぐらし
で、ぼくは暴言のお詫びにと思って、ドールハウスの中の台所セットを小さい人たちの住処に置いてあげる事にしたんだ。
そのセットはとても高級で、イタリアの職人さんがひとつひとつ手作りした逸品だったから。
きっと彼らも喜んでくれると思って・・


70:名無しさん@借りぐらし
置くっつったって・・・ それって逆に迷惑なんじゃないのか?

72:名無しさん@借りぐらし
>>1が何気に金持ち乙なのが気に喰わないんだが・・
マジレスすると  ほ っ と い て や れ

73:名無しさん@借りぐらし
ホントそうなんだよな・・
実際、ぼくのこの行動が、さらに彼らを追い詰めてしまったんだ。
75:名無しさん@借りぐらし
その屋敷には、ハルさんというお手伝いさんがいたんだけど、彼女がぼくと小さい人たちとのやり取りに感づいてしまったんだ。
ハルさんは害虫駆除業者を呼んで、なんとか床下の小さい人たちを生け捕りにしようと目論んだ。


77:名無しさん@借りぐらし
ババアぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

78:名無しさん@借りぐらし
金か! 金が目当てなのか!

80:名無しさん@借りぐらし
www
ハルさんが、小さい人たちを捕まえてどうしたかったのか、今でもよくわからない。
もしかしたら、ハルさん自身も昔小さい人を見た事があって、でも周りに信じて貰えなくて、悔しい思いをしたコトがあったのかもしれない。
その頃にもネットがあったらよかったのにねwwww
81:名無しさん@借りぐらし
とにかく、危険を感じた小さい人たちは、屋敷から引っ越すことを決意した。
決行は深夜。
何も知らなかったぼくは、なんだか胸騒ぎがして縁側に出た。
そうしたら、そこに飼い猫のニーヤがやってきた。
小さい人たちの居場所を教えてくれようとしていたんだ。


83:名無しさん@借りぐらし
ぬこwww かわいいよぬこwwwwww

84:名無しさん@借りぐらし
もう、お別れまでの時間はほとんど残されていない。 ぼくはそう悟った。
心臓がどうなろうと構わない。
とにかく最後に、もういちどあの人にあって、謝りたかった。
そして、ありがとう、って言いたかった。
彼らが必死に生きて行く姿が、ぼくに生きる勇気をくれたから。
手術を受ける勇気をくれたから。
ぼくは必死でニーヤの後を追いかけた。

85:名無しさん@借りぐらし
長々とつきあってくれてありがとう。
もう話すことはほぼありません。

爆発しそうな心臓を抱えながら岸辺に辿り着くと、そこに彼らがいた。
新しい仲間も一緒だったみたいだった。
ぼくは、すこし寂しくて、すこし切なくて、でも、彼らの新天地への旅路を精一杯祝福した。
小さい人も、すこし寂しそうに微笑んで、そして去って行った。

86:名無しさん@借りぐらし
その後ぼくは無事手術に成功し、今では元気に暮らしています。
彼らに再び会ったことは、まだありません。
でも、きっといつの日にか、また会えると思う。
そう信じてる。


90:名無しさん@借りぐらし
>>1
乙です!

92:名無しさん@借りぐらし
ちょっとわからない部分もあったけど、最後はなんか感動した!
ありがとう!

93:名無しさん@借りぐらし
何はともあれ、手術うまくいってよかったな!

95:名無しさん@借りぐらし
で、>>1はその小人さんのこと、好きだったの?


96:名無しさん@借りぐらし
うーん・・ww どうだろ。
でも、ひたすら守ってあげたいと思ったよ。
初恋・・だったのかもしれないなぁ。


97:名無しさん@借りぐらし
チクショウww  オレの家にも来ないかなぁ 小さい人www

98:名無しさん@借りぐらし
結構その相手の小人さんも、>>1のこと好きだったりしてね

99:名無しさん@借りぐらし
www
そうだったら ・・・なんか嬉しいかもwwwww


100:名無しさん@借りぐらし
>>1
写真うpしる

101:名無しさん@借りぐらし
ごめん
さすがに写真はないww でも釣りとかじゃないから


103:名無しさん@借りぐらし
>>1
似顔絵でもおk

104:名無しさん@借りぐらし
wwww
ちょっとまてww 実は前に何度か描いてみたことがあるwww


105:名無しさん@借りぐらし
wwwwwwwwwwww

106:名無しさん@借りぐらし
wktk

121:名無しさん@借りぐらし
お待たせ。
ちょっとうろ覚えのトコもあるんだけど、概ねこんな感じ。
初めて見た時、あんまりキレイでビックリした。
今もどこかで元気にしてるといいなぁ。

ちちアリ

122:名無しさん@借りぐらし
    /'           !   ━━┓┃┃
   -‐'―ニ二二二二ニ>ヽ、    ┃   ━━━━━━━━
ァ   /,,ィ=-;;,,, , ,,_ ト-、 )    ┃               ┃┃┃
 '   Y  ー==j 〈,,二,゙ !  )    。                  ┛
 ゝ.  {、  - ,. ヾ "^ }  } ゚ 。
    )  ,. ‘-,,'   ≦ 三
 ゞ, ∧ヾ  ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
 '=-/ ヽ゚ 。≧         三 ==-
 / |ヽ  \-ァ,          ≧=- 。
   ! \  イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
   |   >≦`Vヾ        ヾ ≧
   〉 ,く 。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・

123:名無しさん@借りぐらし
アッー!!
125:名無しさん@借りぐらし
アッー!!
126:名無しさん@借りぐらし
アッー!!
135:名無しさん@借りぐらし
全俺が泣いた


144:名無しさん@借りぐらし
┌──────────────────―┐
│  映  画  化  決  定 !!|
└──────────────────―┘


すみません。 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ほんとに反省していますのですみません。ホントは、言うまでも無いですが可愛らしい女の子ですんで。


どうもこんにちは。
本作を観る前、ちびっこに 「おかあさん、かりぐらしってなに?」 と聞かれたので 「持って無いものを借りて暮らすんじゃないの?」 と答えると、 「じゃあ、つかったあとかえすの?」 とさらに聞かれたため、正しい大人の態度を示さんとばかりに 「たぶんね」 と答えたものの、結局作中で「返す」シーンは一切無く、観終わったちびっこから 「おかあさんのうそつき!かえさなかったじゃん!」 と詰め寄られたので 「返すよ、とは言ってない。 たぶんね、って言ったでしょ」 と、大人の洗礼を浴びせてやったアガサです。
きっとちびっこは、玉虫色な大人の世界を垣間見て、その階段の険しさをしっかと目に焼き付けた事でしょう。
わんぱくでもいい! 煮ても焼いても食えない大人になれ!

というコトで、そんな、世の純真無垢なちびっこ諸君を混乱の渦に叩き込んだ(であろう)『借りぐらしのアリエッティ』の感想です。

簡潔に言うと、おもしろかったです。

細かく描き込まれた床下の生活風景。(超シャレオツ!)
小人目線のリアルさ。(間近に人間を見た時のド迫力ときたら! リアルナイトメア!)
壁の中を移動する時の高揚感。(等間隔に打たれた釘の上を軽やかに走行!糸巻きを使って上昇!)
清く正しい病人。(寝巻きの美少年!サナトリウム感覚!耽美!耽美!!)
結ばれない運命。(初恋が成就してたまるかよ!世の中そんなに甘くねえよ!)
滅法性根の曲がった悪人。(どうでもいいけど人相悪すぎ!)
そして、せつない別れ。

映画を観ていて「うはあ! オレもこれやりたいよう!」と思えたら、その映画はいい映画だ。
というのが信条なアガサにとっては、真似してみたいシーンのつるべ打ちだった本作は、たまらなくいい映画でした。
ちびっこにとっても同じだったようで、観終わった後「わたしも10センチになりたいよう! ゆかしたのへやにすんでみたいよう!」と泣きの涙でした。
うむ。 いい反応だ!わがむすめよ!

少し欲を言えば、ジブリの十八番とも言える“飛行シーン”があればなぁ・・と。
イケメン版ジムシー(ことスピラーくん)がムササビの術で滑空するシーンはあったものの、ヒロインであるアリエッティはひたすら上へ上へとのぼるばかりで飛ばないのですよね。
出来れば、小さい人目線で映し出された滑空の画が観てみたかった。
それはきっと、素晴らしくスペクタクルな映像になっただろうと思うから。
ハンパなく胸が躍っただろうと。

そういう、突出したシーンが無かったという点が、残念といえば残念でした。
ただ、だからと言って本作が平坦でコレといった見所の無い凡作、という訳では全く無く、たった1週間の出会いと別れがキュンキュンポイント満載で描かれている、とても美しい作品だったのではないかと思うわけでありまして。
初めて大人の階段を登ろうとした日に、初めて出会った異性。
初めて掛けられた優しい言葉。
初めて感じた胸のドキドキ。
甘酸っぱい。  なんて甘酸っぱいんだ。  いいかよく聞け!これは飲みすぎた翌朝特有の胃酸ではない!思春期特有の甘酸っぱい感情なのだ!!

自分とは違う誰かに出会ってしまった瞬間に生まれる、理性ではコントロール出来ない感情。
わかり合えるだろうかという恐れや、伝えきれるだろうかという不安、もっと知りたいという欲求や、もっと知って欲しいという期待。
幼さゆえモタモタしたり、やる事なす事裏目に出たりしながらも、少しずつお互いを認め合い、その先に待ち受ける現実を受け入れるまでに成長する2人の姿は、時に歯がゆくもあり、時に微笑ましくもあり。
旅立ちの前、アリエッティがそっと翔の指に頬を寄せるラストシーンは、大人になって失った何かをとっぷりと思い出させてくれる、素晴らしいシーンだと思いました。
ていうか、あれ2人のサイズが同じ尺なら絶対キスしていただろうになぁ・・。
いや違う! まだそんな生臭い欲望とは縁遠い2人なんだ! すまん!邪な目線ですまん!

文明の利器に囲まれ、胃にやさしいハーブティなどを飲んで暮らしていた箱入り娘のアリエッティが、野生児スピラーとの新生活に果たして馴染んで行く事が出来るのか、幾許かの不安はありますが、きっと1ヶ月後くらいにはバリバリ喰ってると思うよ、バッタの脚。 
お前ならそれが出来ると信じてる。 がんばれ、アリエッティ! 種の保存の為に!!

ひと夏の思い出にピッタリな、とても誠実な映画だったと思いますので、是非、おこさまと一緒にご覧になって、人付き合いの大変さや、危機管理の大切さ、 「人という字は支えあって出来ているんじゃねえのメイビー」 という助け合いの精神について、語り合ってみては如何でしょうか。

なお、その際は、「盗んだんじゃない、借りただけだ」という汚い大人の言葉遊びについても、きちんと説明してあげる事をおすすめします。
「助け合い」 と 「たかり」 は違うんだよ、と。
でないと、大竹しのぶさんに 「借りたものを返せないのは人間のクズです」 って、生ゴミを見るような目つきでこってり怒られちゃうからね! いいかい!約束だよ!
(※参考作品『夜逃げ屋本舗』)






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『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』

2010年07月07日
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※早速ですが、以下ネタバレしています。 観なくてもいいくらい書いてみますので、あなたの貴重な時間を解放出来れば幸いです。


あらすじ・・・
・ 湾岸署は新社屋(社じゃないか)への引越し準備真っ最中。
・ 係長になっていた青島くんも、引越し責任者として数々の雑務を激しくこなし中。
・ そんな時、管轄区内で銀行強盗事件とバスジャック事件が発生。
・ 現場に向かう、窃盗係のすみれさん。 しかし、金庫は破られていただけで、中身は手付かずのままだった。
・ 現場に向かう、強行犯係の青島くん。 
・ 周囲の忠告を振り切り、果敢にバスに走り寄る青島くんと内田有紀。
・ 犯人が待ち構えているかもしれないバスの乗り降り口を大胆に横切る内田有紀。 ガラスの扉だろうと臆する事は無い内田有紀。
・ どうでもいいけど、おまえそこ立ってたら撃たれるぞ。
・ だがしかし、このバスもまた中身(人質)は手付かずだった。
・ 一方その頃、引越し業者でごった返す新しい湾岸署には、作業服を着たニートたちが続々と侵入。 鍵もかけられずその辺にぞんざいに設置してあったセキュリティルームに仕掛けを施していた。
・ どうでもいいけど、湾岸署ってしょっちゅうコスプレの犯人が侵入してるような気がするなぁ。 
・ 犯人たちは、ついでにこれまた鍵のかかっていたんだかいなかったんだか判らない収納庫から、3丁の拳銃を失敬する。
・ 拳銃の持ち主は、強行犯係の新人・王さんと、すみれさんと、勿論青島くんだ。
・ そんな事とは露知らないまま引越し作業真っ最中な旧湾岸署に、新しい刑事が配属される。
・ その新人とは、誰あろう伝説の刑事・和久さんの甥っ子なのであった。
・ どうでもいいけど引越し当日に赴任させるかJK。
・ 拳銃が無くなった事がすみれさんと青島くんに伝えられるものの、あくどい署長がそれを隠蔽しようとする。
・ どうでもいいけど、なんで王さんには教えてあげないアルカ?
・ 引越しの最中に、青島くんのジャケットが行方不明になる。
・ どうでもいい。 ホントどうでもいい。
・ ネットに情報が流れた為、拳銃紛失の一件がテレビで報道されてしまう。
・ 紛失→本人告知→隠蔽談義→ネット掲示板流出→一般市民が通報しますた→本庁大騒ぎ→テレビ局生中継→青島くんが署内のテレビでそれを見る※イマココ (この間、僅か数時間)
・ 引越しが忙しくて拳銃を探すヒマも無い湾岸署員。
・ その間に、王さんの拳銃を使った第一の殺人が発生。
・ これはツイッターが拡散祭りになるレベル。
・ 本庁のえらいさんが新湾岸署に捜査本部を設置する。
・ 管理官による「支店(湾岸署員)には捜査させねえよ! おまいらは引越ししてりゃいいんだよ!」発言。
・ いきり立つ湾岸署員。 そこに颯爽と現われてその場を収めるイケメソ眼鏡・小栗旬。
・ 管理補佐官という偉い人だった小栗旬。
・ メガネだからって、点が甘くなると思ったら大間違いなんだからね!
・ 小栗旬けっこんしてくれ。

・ 小栗旬と一緒に被害者の部屋を捜査する青島くん。
・ なんと被害者はネトゲのヘビーユーザーだった!
・ どうりで臭そうで汚くて床がネチョネチョしていて怪しい部屋なハズだ! (という表情を浮かべる小栗旬)
・ 捜査本部に交渉課の面々が配属される。
・ 交渉課の課長に出世していた小泉考太郎。
・ 長さんのバーターのはずだったのに・・・孝太郎・・怖い子・・!
・ ネトゲに潜入して、被害者の知りあいに接触する孝太郎。
・ 待ってましたとばかりにボイスチャットに応じる知り合い。
・ 実はオレが犯人なんでした! とカミングアウトする知り合い。
・ もう、そんなんだったら最初から現場にアドレス貼っつけとけよ。
・ 交渉というか、だらだらとチャットしているだけの孝太郎。
・ 家でやれよ。
・ 見かねた小栗旬が交渉開始。
・ 犯人の要求は、「青島刑事が過去に逮捕した犯人たちを釈放せよ」という内容だった。
・ それはそうと、青島くんは末期の肺ガンらしい。
・ 釈放はともかく、一応その中の代表格であるキョンキョンに面会しに行く青島くんと小栗旬。
・ 奇跡の44歳に釘付けの小栗旬。
・ 勇気を貰う全国のミドルエイジギャル。(※熟女)
・ 今回の事件に思い当たるフシがないか聞くものの、逆に「お前病気なんだろ。手術してやろうか?」と究極のご奉仕を申し出られて困惑しきりの青島くん。
・ 署に帰って引越し作業やら雑務の続きやらに精を出そうとするものの健康面が気になって何も手につかない青島くん。
・ つまり何もしていない青島くん。
・ すみれさんがローソンとフジテレビとのタイアップ商品である湾岸署ラーメンを差し入れする。
・ 商品名もキチンと告知する、気配りストのすみれさん。
・ なんかウェインズワールド思い出した。
・ 青島くんの死に様について色々連想させるような発言をするすみれさん。
・ そのたびにブルーになる青島くん。
・ ずっとすみれさんのターン。
・ 出来ればもっと詰られたい。
・ 捜査本部では、再び交渉をすべく、犯人をチャットで呼び出していた。
・ 時間を問わずチャットに応える犯人。
・ チャット廃人と化しつつある犯人。たぶん傍らにはアレ用のペットボトルが置いてあるに違いない。
・ 警察が釈放に応じようとしない為、時間制限を設ける犯人。 本気度を示す為に一人殺害。
・ 朝になって発見された死体の上には、すみれさんの拳銃が・・・。
・ 自分の拳銃が使われたのが許せないすみれさん。
・ もはや事件や引越しの事そっちのけで病気モードに切り替わっていた青島くんを一喝するすみれさん。
・ 再びすみれさんのターン。 
・ そうです。私は薄汚いブタ野郎です。 (と心の中で応える青島くん)
・ 死ぬ気になれば生きた気になる、みたいな和久さんの名言にハっとなる青島くん。
・ 死ぬ気になった青島くん。
・ コートも見つかった青島くん。
・ 『踊る』のテーマと共に、かっこよくコートを羽織る青島くんをスローモーションでお楽しみ下さい。
・ 実は青島くんの肺ガンは間違いだった。 
・ 肺に写ったでっかい影は、実はレントゲンを撮る時失敗したせいだったのだ!
・ は あ ?

・ 署長たちの思惑により、この間違いは本人たちに伏せられたまま物語が進行するので、青島くんは死ぬ気で捜査続行。
・ 第2の事件の被害者宅に向かうものの、本庁捜査員に追い返される青島くん。
・ 死ぬ気なので、隣のビルからガラスをぶち破って侵入する。
・ 既に部屋の中で捜査していた本庁の人にこってり怒られる。
・ 偶然爆弾を起動させてしまう。
・ 死ぬ気なので携帯用ハサミで爆弾を解除する。
・ ていうか、爆弾の上蓋をベリっと外したらタイマーも止まってしまう。
・ 実はココが、ラストへ向けての大きな伏線となっている。

・ 一方その頃、役所の広くて暗い会議室では、室井さんや法務省や色んな偉い人が犯人の要求を飲むかどうか話し合っていた。
・ デン・・デン・・!! (室井さんのテーマのイントロどん!)
・ 誰かが一生懸命調べた結果、実は獄中のキョンキョンは何者かの接触を受けていた事が判明。
・ 猟奇殺人を犯して無期懲役の刑に服していたキョンキョンは、かなりのヤンデレなので精神的なカウンセリングを受けさせて貰えており、そのカウンセラーが実はキョンキョン信者だったらしいのだ。
・ その上、カウンセラーがキョンキョンに似た患者のカルテをちょろかまして作った書類が役所を通って、キョンキョンは過去に外泊までしちゃっていたらしいのだ。
・ ちなみにその偽カウンセラー(犯人)は20代そこそこのニート。
・ 一言だけ。  ねえよ!

・ 接触していた犯人の住所を特定した為、ヤサに向かう青島くんと小栗旬。
・ アパートの一室を大胆に改造し、キョンキョン専用部屋を作っていた犯人。
・ 明らかに隣の部屋と間取りが異次元空間なキョンキョン部屋。
・ 犯人のパソコンの中にあったフォルダーをじゃんじゃん開いていって、挙句に爆発に巻き込まれる小栗旬。
・ 初動捜査のしょの字も無い! (“踊る”の世界には無い!)
・ 一方その頃、新湾岸署は犯人が仕掛けた罠にはまって、鉄壁の要塞と化していた。
・ 鉄壁なので、消防署がバーナーで焼ききろうとしても、電ノコで切ろうとしても、全く歯が立たない。
・ ちなみに夜中の12時になると、署内に毒ガスが排出されて、閉じ込められたすみれさんとかその他のみんなが死ぬの予定。
・ 警備会社のシステム担当者が馳せ参上するものの、操作は建物の中からしか出来ないのでお手上げ状態。
・ 釈放要求のあった犯人たちを、超法規的処置で釈放する法案が急遽作られる。
・ 猟奇殺人鬼を釈放しないと無差別殺人をするぞ、と脅された→無差別殺人されると国民の命が危ない→猟奇殺人者を釈放すれば、国民の命が危なくない→超法規的処置しよう!※イマココ
・ は あ ぁ ?
・ 責任者として、釈放届けに判を押せと詰め寄られる室井さん。
・ デン・・デン・・!! (室井さんのテーマのイントロどん!)
・ 新湾岸署に帰ってきた青島くん、特にする事もないので、その辺にあった木片で鉄壁を叩く。
・ ドン・・ドン・・!! (扉を叩く音)
・ 判を押すか迷う室井さん。
・ デン・・デン・・!! 
・ 扉を叩く青島くん。
・ ドン・・ドン・・!! 
・ 判を押すか迷う室井さん。
・ デン・・デン・・!! 
・ 扉を叩く青島くん。
・ ドン・・ドン・・!! 
・ デン・・デン・・!!! 
・ ドン・・ドン・・!!!
・ とりあえず単調にならないようにスローモーションにしてみる。
・ 手の施しようがない程単調になる。

・ そんなアホ島青島くんの孤軍奮闘っぷりがテレビで生中継される。
・ それをドコモの最新機種端末で見ている、署内のすみれさんたち。
・ 携帯の画面に釘付けになる署員たち。
・ 続きはドコモ動画で!!
・ 負傷した顔もそのままに、室井さんの所に赴く小栗旬。
・ 「そんなに釈放するのがイヤなんだったら、とりあえず形だけ釈放させて、その後射殺しちゃえばいいじゃないですか」と提案。
・ 今まで日本を舞台にしたお話なんだと思っていたんだけど、どうやら違ったらしい。 (北の某国だったのかも)
・ その要求を飲む室井さん。
・ 飲むのかよ。
・ 要求のあった犯人たちを調べた結果、半数以上は刑期を終えて出所済みだった事が判明。
・ 稲垣メンバーを含め、出所したがらない人も居た。
・ 結局該当するのは9人中2人だけだった。
・ そのうちの一人こそは、かの奇跡のミドルフォーティこと小泉今日子様である。
・ キョンキョンの護送担当者に青島くんを指名する室井さん。
・ 本庁のえらい人が、その命令に猛反対する。
・ 新湾岸署の中に閉じ込められていたすみれさんが、スピーカーを使って署内外全域に個人的メッセージを放送する。
・ 「みなさん、青島くんはもうすぐ死にます。 なので、これからはみんなで青島くんのど根性スピリットを継承して行きましょう!」
・ すげえリアクションに困る。
・ 青島くんがもうすぐ死ぬらしいので、本庁の人が言う事を無視し始める所轄のみなさん。
・ ちなみにこの模様は全国中継されています。
・ 念願かなってキョンキョンの護送車に乗り込む青島くん。
・ キョンキョンのスーパー自白タイム。
・ 5年くらい前から、カウンセリングに来た20代の若造をたらし込んで、自殺の機会をセッティングしていたキョンキョン。
・ 自分が逮捕された思い出の場所・旧湾岸署で爆死する事で、若者のハートをゲットしようと目論むキョンキョン。
・ そしてキョンキョンは、新世界の神となる!
・ 一方その頃、新湾岸署ではスーパーハカーがセキュリティシステム解除の命を受けて頑張っていた。
・ 犯人であるネトゲ廃人が作ったセキュリティが手ごわ過ぎるでごわす。
・ 刻々と迫り来る毒ガス散布期限。
・ 試しに建物の電源を切って貰ったら、セキュリティが解除された。
・ 解放された署員たち。
・ 一方その頃、爆弾のタイマーも残り時間僅かとなっていた。
・ 死にたがるキョンキョンを「でも、おまえを逮捕するのがオレらの誇りだから」と説得する青島くん。
・ わかるようでさっぱりわからない。 て言うか、わかりたくもない。
・ タイムオーバー。 旧湾岸署は大爆発。
・ 割れたガラスやコンクリート片が舞い落ちる中、キョンキョンを担いでえっほらせっせと脱出する青島くん。
・ キョンキョン、再び逮捕される。
・ 新湾岸署の開署式当日。
・ なんと新署長に就任したのはユースケ・サンタマリアだった。
・ 真下くんことユースケが、一言で近況報告。
・ 産む機械と化していた雪乃さん。
・ 室井さんに開署式のお土産を渡す青島くん。
・ 「室井さん、楽しいっすか?」
・ 「ぶち殺すぞ、このやろう」って返す室井さん。
・ ガンが間違いだった一件を最後まで知らされていなかったすみれさんが、青島くんにツンデレしてみる。
・ 渾身のツンデレをかまして、振り返ればオダがいない。
・ 「まあったくもう!うふふふ!  ・・・しねばいいのに!」
・ 肺ガンじゃなかった青島くん、タバコをふかしてラブサムバディトゥナイ!


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アガサが観に行った回は、公開5日目のレイトショーでキャパ250の劇場で、お客さん15人くらいでした。
みなさん意外と冷静でなによりです! (なんだこの上から目線)

すでにいくつかの良心的なサイト様で、的を得た感想を拝見する事が出来ますので、改めてアガサが言う事はほとんど無かったりします。
『踊る』の世界が大好きな方は、きっと何回でも観に行かれるのでしょうし、そうでない方は一生観る事は無いのでしょうし。
劇場版2作目は、史上最低のクソ映画だと思っているアガサの場合ですが、なんだかんだいって『踊る』のキャラ自体は好きなものですから、つい確認の為に観に行ってしまいました。
後悔はしていません。

きっと、そうなのですよね。
内容やテーマにについて真剣に語り合う様な映画ではないのですよね。
お馴染みのキャラが、どんな風な時を過ごしてきたのか、どんな風に変化したのか、その確認作業を楽しむ映画なのだと思います。
ただ、そう割り切って観られればよかったのですが、「命の大切さを描きたかった」と、なんとかと言うプロデューサーが語っているのを見てしまったが為に、猛烈なモヤモヤが残ってしまう事に。

青島くんのコートに、彼の刑事としての信念を。
青島くんのガン騒動に、生きているという事の有難さを。
キョンキョンの自殺を止めるシーンに、どんな人間だって簡単に死を選んじゃダメなんだというメッセージを込めているのかなぁ・・という気はするのですが、とにかくこのどれもが猛烈に残らないんですよね。
お前ら、本気でそんなメッセージ詰め込もうと思ったの? と小一時間問い詰めたくなる程残らないし、響きもしない。
それは、このエピソードのどれもが、わざとなんじゃないかと言うほど適当に描かれているから。

青島くんのコートは、いつの間にか無くなって、コレといった展開もなくポロっと見つかる。
ガン騒動だって、すみれさんが深刻な顔してウンウン唸ってる傍からスリーアミーゴスによってギャク化されて有耶無耶になってしまう。
キョンキョン爆発危機一髪に至っては、同じ建物内で窓ガラスを吹き飛ばす程の爆発が起こったにも関わらず、青島くんもキョンキョンもかすり傷ひとつ負う事なく、元気いっぱい脱出する。
もちろん、煤すらついていない。 聴力も無事らしい。
スローモーションで、ガラス舞い散る中歩いて来る青島くんの姿を観た瞬間、思いっきり吹き出してしまいました。
シーンと静まり返った場内に響く、アガサの笑い声。
ま、静まっていたのは、みんな寝てたからだったのかもしれませんけどね。 夜中の12時近かったし。

もしも監督や脚本家やスタッフが、このシーンを本気で「泣かせる」シーンだと思って作っていたんなら、今すぐ一同揃って廃業した方がいい。
本気じゃなかったんなら別にいんじゃないかと思いますけど。 ただ、「かっこつけ」の為だったのなら。
でも、本気だったんならこれは無いです。 是非ともギャグだと言って貰いたいです。
“生きる”の“死なないで”のと、本気で説教くれようとするのなら、こんな形ばっかりのええかっこうしいなシーンを入れるべきではないと思います。
こんなだから、みんなにバカ映画だって言われちゃうんだよ! しかも愛のない方の“バカ映画”ってさぁ!


と言う事で、最低の耳クソ映画だったパート2とどっこいくらいの鼻クソ映画だった本作。
アガサは耳クソも鼻クソも体の一部ですので嫌いになれないのですが、そうでない方には時間もお金も究極の無駄遣いになりかねませんので、くれぐれも自己責任でお願いいたします。
ま、来年の夏くらいまで待ったらテレビでやるんじゃねえの?
あと、となかんとか言いながらも、もしも次回作が作られたらまた観に行ってしまうであろう事も、この際なので書き記しておきます。ドボーン!


最後にいくつか気になった点。

・ 和久ノートが酷すぎる件。 
今はなき長さんの存在を感じさせる為とは言え、あの和久さんが自分の一言一言を自らノートに書き残しておくなんて、そんな事するとは思えないんだけどなあ! 
「ええと・・、“疲れるほど働くな”・・なんてな(メモメモ) あー、オレいい事言うわ! オレ語録最高!」
ってね え よ !! (そんな和久さんヤだよ! なんか生臭いよ!)

・ 内田有紀のおしりが最高だった件。 
下半身からなめる様に映すシーンがあるので、たぶん監督も最高な気分だったんだと思う。 おまえの気持ちはよくわかる。

・ キョンキョン信者がパナウェーブ研究所だった件。
白装束!白装束!!

・ すみれさんが怖すぎる件
「しねばいいのに。」  (おれたちのすみれさんは、もう居ない・・・)

・ 王さんが最高だった件
今回唯一(と言っていい)良キャラだった。 若干偏見がキツイところもあるけれど、いいキャラだった。 太極拳さいこう!


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『アウトレイジ』

2010年06月16日
アウトレイジ
戦国ヤクザ絵巻。

私が生まれ育った町には、ヤクザがいた。

いや、まぁそりゃどこの町にもヤクザはいるだろうけど、ともかく私の実家の近所にはヤクザがいた。
その事に気付いたのは、まだ少し後になるのだが。
ともかく、ヤクザがいる、という事は、ヤクザ候補生も沢山いる、ということだったのか、ガラが悪いと評判だった私の母校には、ビーバップハイスクールの登場人物をコピペした様なご面相の子供がうじゃうじゃ居た。
気に入らない事があると、机を足で蹴り倒したり、壁を殴りつけたり、三白眼で睨みつけたり、巻き舌で怒鳴りあげてくる彼らが、私は大嫌いだった。
シャレっ気を出して、ちょっと制服の第一ボタンを外しただけで、「おめぇ生意気なんじゃ」と言いがかりをつけてくる、彼らのガールフレンドも大嫌いだった。

暴力で、他人を支配しようとする彼らが、とにかく怖くて、大嫌いだった。

でも、ある時彼らが身を寄せ合って「〇〇(仲間の一人)が〇〇組の〇〇さんに言われたみたいでの・・」とヒソヒソ話しているのを見た時、目から鱗が落ちるように、彼らがまとっている皮の正体に気がついたのだ。
怖いのは彼らなんかじゃなかったんだ!
そのもっと上にいる、ヤクザだったんだ!

当時、自分が身をおいていた教室。 その教室を仕切るスケバン。(言い方が古いのは昭和だから)
教室の集合体である中学校。 その中学校を仕切る彼ら。
世界はそこで終わりだと思っていた。 だからものすごく怖かった。 でも、世界はもっともっと広がっていた。 
彼らを仕切る、町内のチンピラ。
チンピラを仕切る、地域のチンピラヤクザ。
チンピラヤクザを仕切る、中規模ヤクザ。
中規模の上には大規模が。 大規模の上には総括が。

彼らがいい気になってまとっていた皮の、なんとちっぽけで、なんと儚いものか。

という事で、それ以来私は彼らの事が怖くなくなった。
もちろん、その上にいるヤクザは怖い。 でも、彼らは怖くない。 いきがっているだけの、ただのバカな中学生だ。
お前らバックがついてないとなんも出来ないくせに。 だいたいそのズボンなんだよ、だっせーな。 なんでそんなにタックが入ってんだよ。 飛ぶのかよ。 ムササビの術の時に使うのかよ。ニンニンって言ってみろよおい。
と、心の中で蔑んでは、くすりと笑った。 

中学校を卒業して、高校に通い始めたある日、近所のヤクザの家の前で、一心不乱に黒塗りの車を磨いている彼らを見た。
“怖くなれよ”、と心の中でエールを送りつつ、自転車のペダルを思い切り踏んだ。



と、いうような記憶が、劇場の明かりがついた瞬間ザザーっと蘇ってきた 『アウトレイジ』 。
チンピラがチンピラヤクザにシメられ、チンピラヤクザが中規模ヤクザにシメられ、中規模が大規模に、大規模がさらにトップクラスに、と、どこまでもシメられ続け、誰も欲しがってないのに指が飛ばされ、テニスのラリーのようにお金が行き交う、とても滑稽なお話でした。

北野作品は、『その男、凶暴につき』と『あの夏、いちばん静かな海』と『菊次郎の夏』くらいしか観ていませんので、過去の作品と比較する事が出来ないのですが、勝手に抱いていた “難解” “3度の飯よりヤクザ” という印象とは程遠く、とても判りやすくて面白い映画だったと思います。
暴力がどこまでも馬鹿馬鹿しく描かれていたのもよかったですね。
落とし前をつけに来た小規模ヤクザが、相手の事務所で指を詰めるの詰めないと揉めるシーンでの、
「そんなに詰めろ言うんやったら詰めたるさかいに、道具もって来いや!」
「はいどうぞ」
「そうそう、このカッターでサックリとね・・って詰めれるかー!(ノ゚Д゚)ノ:・'∵:.┻┻
 みたいなノリツッコミが秀逸でした。 さすがは世界のキタノだよ!

そして、どこまでもキッチリと区切られた縦割り社会。
ここで描かれる様々な苦労は、ヤクザだけのものではなく、他の組織も全く同じなんですよね。
ただ、黒ベンツやチャカや指詰めが出てこないだけで、学校も政治も会社もPTAも一緒。 下っ端が居て、中堅どころが搾取して、トップは彼らを弄んだり振り回したり。
もっと遡れば、戦国時代から全然変わっていない。
本作で、ヤクザ組織を牛耳る会長が殿様のように描かれていたのを観て、「あー、マジ昔から変わんねえよなー」と、まるで安土桃山時代を見てきたかのように思ってしまいました。
新品のジャージを着て会長の身の回りをお世話する若くてイケメンのチンピラなんて、完全に小姓ですものね。しかも見目麗しいときたもんだ。 衆道砲発射!

本作のキャッチコピーも“下克上”となっており、クライマックスではまさに本能寺の変の様な小気味いい反乱が起こるのですが、願わくばかの人が明智光秀のような三日天下に終わらず、暫くの間頂点を堪能出来るといいなぁ・・と思いました。
ま、腹心が優秀だから、結構な期間は安泰かな。
そして、また、歴史は動く。
組織の形は変わらず、歴史は動き続ける。 無様に動き続ける。


中学時代の記憶に再び思いを馳せ、あの後彼らがどんな道を歩んでいったのだろう、と考えた。
その時近所にあったヤクザの家は、今ではお弁当屋さんになっている。
世知辛い世の中、堅気ではない組織の中で、夢中で頑張るキミへ、エールを。

ま、もう何がしかの施設に入ってるのかもしれないけどな。




以下、面白かったところ。 (※ネタバレ含む)

・ 井口作品でお馴染みの島津健太郎さんが、知的メガネヤクザで出ていたよ! 超スマートなヤクザだったよ!
machine_girl__convert_.jpg shimazu00.jpg
(↑「片腕マシンガール」                ↑「アウトレイジ」ではこんな感じ)
(てな感じの事をtwitterに書いていたら、なんとご本人からリプライを頂きました! 島津さん出演シーンで印象に残っていた、“人殺しの後ものすごく普通に靴を履くシーン”の事もお聞きしてみたら、演出ではなく島津さんのアドリブだったとの事。 すげえ! 久しぶりに言っとこ。 けんたろうけっこんしてくれ!)

・ 主役級の人はともかく、脇のヤクザさんも良キャラ揃いだったよ!
・ 三浦友和の初登場シーンが、とにかく黒くてビックリした。 顔も黒いけど、腹の中も真っ黒だ! 黒さが筒抜けだよ! 百恵!エマージェンシーですよ百恵! 
・ チョロ中野英雄の巻き舌がすごかったよ! 本日の巻き舌大賞だよ!
・ 親父ぃ!ラーメンに指入ってるじゃねえかコノヤロウ! (それにしても、あの中華料理屋の店主さんがホントは関係してなかったら、桔平どうするつもりだったんだろう。 売人が勝手に取引場所に使ってただけで、そんな事が行われていたなんて知らなかったら?  と、ハラハラしました。)
・ 小姓はみんな、お揃いのジャージなのな!
・ どこで買ってるんだろう。>ジャージ
・ 「車は黒」って、決まりでもあるのだろうか。
・ ヤクザになった時点で、マニュアル本買わされてるんだったりして。
・ 石橋蓮司が本当にすばらしい。 親分なのに弱い!画期的な弱さ!
・ 売春マンションで、さりげなく一番可愛い子(えいひたん)の肩に手を回す桔平。 加瀬きゅんは女性に手を触れず。
・ えいひたん!かわいいよえいひたん!!
・ えいひたんとちゃっかりイイ仲になってる桔平。 加瀬きゅんは女性の影なし。
・ 生きる術に長けているコヒさんと加瀬きゅんは、この先も絶対生き残るだろうな。 あ、ちなみに加瀬きゅんはまだ女性の影なし。
・ 会長から「加瀬きゅんの面倒みてやれよ」と声を掛けられる友和。 少し恥じらい気味についてゆく加瀬きゅん。
・ なんだかんだあって、天下をとる友和。
・ 隣で微笑む加瀬きゅん。

・ ・ ・

・ ・


お い お い お い !! タ ケ シ !!! 

思わず劇場で、身を乗り出してしまいましたよ。
まさか北野作品でこんな展開があろうとは!
ていうか、え、え、何? 他の作品でもこういう事ってあったの? 初めてじゃないの? 優しくしてくれるの?(←錯乱気味)

新品のジャージに身を包んだトモトモ(もうこう呼ぶしか無い)と、それを優しく見つめる加瀬きゅん。
あー、あの伏線はここに行き着いたのか、と。
たぶん、一目会った瞬間に、トモトモの気持ちは決まっていたんだと思いますよ。
やっぱね、人生にパートナーは必要だよね。 特にこんな殺伐とした世界ではね。
二人の将来に、幸あれ!! (なんだこの締め)

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『告白』

2010年06月10日
告白
父さん、母さん、たかこは立派にやり遂げましたよ!

あらすじ・・・
人を殺してはいけません。 なぜか? なぜだと思いますか?

幼い頃から母親に過剰な期待を押し付けられて、誰からも認められず、誰の目にも止められず、自分の存在が何なのかわからなくなっていた? そうですか、それはつらかったですね。 つらかったら人を殺してもいいのですか?

自分は望まれて生まれて来た子供じゃなかった?母に捨てられ、父にも見放され、周りの同世代の子供たちは幼稚すぎて話し相手にもならなかった? とにかく母に振り向いて貰いたかった、その為なら何を犠牲にしても構わなかった? なるほど、それは気の毒な生い立ちでしたね。  気の毒な生い立ちならば、人を殺してもいいのですか?

愛する人と結ばれると思った矢先に、その人が不治の病に蝕まれている事を知った。 同時期に奇跡的に授かった子供だけは、命がけで守ろうと、愛し抜こうと思った。 その子供が、自分の不注意で亡くなってしまった。 今まで何も起こらなかったから、誰かが見ててくれてたから、安心だと思っていた。 まさかこんな幼い子供が、悪意の目で見つめられているとは思わなかった。 自分たちが犯した罪の深さに気付いていない彼らが憎い。 彼らの悪意に気付けなかった自分が憎い。

憎かったら人を殺してもいいのですか? いいえ、殺してはいけません。 
あなた方は、自分自身でその事に気付かなければいけません。
なぜ人を、殺してはいけないのか。
そして、人を殺したら、何が、どうなってしまうのか。


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“罪滅ぼし” という言葉がありますが、犯した罪を本当に滅ぼしてしまう事など出来るのでしょうか。
いいえ、出来るわけありません。
だって、壊れたものは、似たような形には直せても、壊れる前に戻す事など出来ないから。
せいぜい一生懸命贖罪の言葉を吐いて、後悔の涙を流して、なんだったらお金をせっせと支払って、自己満足に浸ればいいじゃないですか。

ただし、私は一生あなたを赦しませんけどね。


・・なんて、生気の無い顔をした松たか子に言われたら、オレはもう死ぬね。
「うはあ!ごめんなさい!」 っつって死ぬね。 その方が楽だもん。死んでしまえば、罪からも逃れられるし。

だけど、この作品は、逃げる事を許してくれない。
何の罪も無い幼子を死に至らしめた張本人たちの、大切な人は死んでゆくけれど、彼ら自身は死ぬ事も許されず、狂った世界の中で行き続ける事を強いられる。
それが、彼らが犯した罪に対して支払わなければならない代償だから。
「死んで償え」という言葉を時々耳にするけれど、死は時に解放という意味を持ってしまう。
松たか子演じる女教師は、我が子を死に至らしめる原因となった者たち(自分も含めて)を、決して解放などしない。
感情を押し殺し、薄笑いを貼り付けた唇のその裏で、奥歯をギリギリと噛み締めながら、彼らが“大切な人の死”という地獄へと転がり落ちるのを、ただただ見守るばかりなのです。

ものすごく怖いです。 ほんともう、たか子が優勝でいいよ。 勝てる気しないよマジで。


私たちは、“いけない事”をする時、無意識に、何かに責任を押し付けようとしてしまいます。
なぜなら、“いけない事”がホントは“いけない”と、心のどこかで判っているからです。
“責められても仕方ない”という事が、充分すぎるほど判っているから、「みんなが・・」「社会が・・」「学校が・・」「先生が・・」と、目に付くありとあらゆる事柄に責任転嫁しようとする。
罪悪感を打ち消すように、精一杯、自分を正当化しようとする。
でも、ホントは誰のせいでもないんですよね。
自分がやった事は、全て自分の責任なのです。
だからこそ、やるからには、結果地獄に堕ちるような事になっても甘んじて受け入れるくらいの覚悟が必要なのです。

自分たちが犯した罪を、どこまでも“他人”のせいにする少年Aに、
「お前がやったんだよ。 一から十までお前の責任なんだよ」
と残酷でまっとうな事実を告げるたか子の言葉は、同時に彼女自身にも向けられていたのだと思います。
我が子を危険な目に晒してしまったのも、無慈悲な復讐を選んだのも、まだ人生経験の浅い少年たちに生き地獄を与えてしまったのも、全部私がやった事。 復讐しない、という選択に耳を貸さず、悲劇を積み重ねてしまったのも、全部私がやった事。
偶然出会った教え子に、「(犯人たちが)殺されるか、自殺でもしてくれればよかったのに」と嘯いた後、一人激しく嗚咽するたか子。
自分の中に巣食う醜い部分を吐き出すように、自分の中に居座り続ける憎しみの塊を吐き出すように。
でも、喉に絡まった痰のように頑なに張り付いたままの澱んだ感情は、どんなに嗚咽しても体から出て行ってくれない。
諦めたように、いや、覚悟を新たにしたように、虚しい復讐への道を再び歩き出すたか子の姿は、気高くて、愚かで、悲惨で、でも私もきっとたか子の立場だったら同じ道に踏み出してしまうだろうと思い、体が震えました。

感情を押し殺せば押し殺すほど、その影で陽炎のようにゆらめいている情念が、観る者の全身に伝わってくる。
なんとすごい表現力を持った女優さんなのでしょうか。
やっぱりたか子はすごいよ。 向こう30年は、たか子の天下が続くと見たね。

最後の対決を終え、「なあんちゃって」とつぶやくたか子の本心は、自分がやり遂げた復讐のくだらなさ具合に対する自嘲だったのでしょうか。
それとも、大切な存在を失った(かもしれない)事でやっと罪の深さを実感した生徒Aに対する、解放宣言だったのでしょうか。
私は前者だったのではないかと思いました。
結局、この少年は“心の痛み”を知っただけで、反省をしている訳ではない。 
何より、一連の復讐は、やられた事をやり返しただけの話で、愛する我が子の存在は置いてきぼりになったままだ。
どこまで行っても、天国の扉は見えてこない。
永遠に続くのは孤独の世界。
馬鹿馬鹿しい。 
この少年も自分も、何もかも馬鹿馬鹿しい。

原作よりもさらに、真っ暗な絶望の淵が映し出されたラストカットと、そこに被された「なあんちゃって」の一言。
心底打ちのめされました。

人を殺していけません。
なぜだと思いますか。
もしアガサが我が子に説明する時がきたら、アガサはこう答えようと思います。
「人を殺す事は、自分や、自分の大切な人を殺す事と同じだから」
「誰かの命は、自分とは関係ないと思っている誰かの命は、必ずどこかで繋がっているから」
人を殺した後には、希望も救いもないのだという事を、ジットリとしたたか子の眼差しとこれ以上ない程の説得力で描いてくれた本作は、R15などにせず、若い子供たちにこそ観せるべき映画なのではないかと思いました。


たか子の事ばかりになってしまいましたが、本作における木村佳乃の演技もとても狂っていて素晴らしかったと思います。
佳乃と彼女のバカ息子のくだりは、原作と比べてかなり省略されておりますので、鑑賞後にでも原作の方も読まれる事をおすすめします。 アガサは鑑賞前に読んでしまっていたのですが、そのお陰でバカ息子の心理状態などがより想像し易かったですし、佳乃の狂いっぷりにもさらに納得がいくと思います。

それと、女優さんの狂気を盛りたてる演出もまた、とても素晴らしかったと思いました。
ブルーを貴重とした、生気の感じられない映像と、スローモーションを多用した演出は、憎しみや怒り絶望といった感情に見舞われた時に目に映る世界そのものだと思います。
重力が通常の何倍にも感じられ、楽しそうに笑う人の顔が歪んで見えるんですよね。狂気ギリギリの世界では。わかります。

沢山の才能が作り上げた、出口の無い生き地獄。


是非。

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