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『自殺サークル』

2011年06月11日
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狂った世界に投げっぱなしジャーマン!


(※ 以下ネタバレを含んでいます)




あらすじ・・・
5月26日。 
新宿駅のプラットフォームから女子高生54人が一斉に投身自殺を図るという事故が発生。 ほぼ同じ頃、とある病院で夜勤中だった看護士2名が窓から飛び降りて死亡。
5月27日。 
それぞれの事故現場から血のついたスポーツバッグが発見される。 中身はどちらも、切り取った人間の皮を繋ぎロール状に巻いた物体。
5月28日。 
都内の高校で、学生が相次いで屋上から飛び降りるという事故が発生。一連の事故について捜査していた刑事・黒田は、これらの死は事故ではなく事件であると推測するも、亡くなった人物たちに関連性が見当たらず、主張は退けられる。
5月29日。 
ビルの屋上から男性が飛び降り、偶然その下を歩いていた自らの恋人の上に落下するという事故が発生。 女性は軽傷で済んだものの男性は死亡。 そして、その遺体の表皮の一部が、ロール状に巻いた物体と一致する事が判明。 勤務を終え、帰宅した黒田は、息子から一斉自殺に関連していると思われるサイトの存在を知らされ、そこに自分の名前を書き込む。
5月30日。 
黒田刑事宛てに、一本の電話がかかってくる。 声の主は幼い子どもと思われ、「あなたとあなたの関係は?」という問いかけと共に、再び同じプラットフォームで同じ時間に50人が自殺する事を予告。 黒田刑事は事件性を強固に主張し、新宿駅に大掛かりな警戒態勢を敷くが、何事も起こらないまま予告時間が過ぎる。 未発に終わった事件に思いを馳せつつ帰宅した黒田刑事を待っていたのは、家族全員の変わり果てた姿だった。 打ちひしがれた黒田刑事に追い討ちをかけるように、くだんの子どもから再び電話がかかり、家族を救えなかった事を淡々と詰られた黒田刑事は、自ら命を絶つ。
5月31日。 
一斉自殺に関与していたらしきサイトへの書き込みから、これらの事件がとある男性の扇動によるものだった事が発覚。 自ら逮捕を望んでいたようにも思われる男性・ジェネシスが素直に投降した事により、一連の事件は収束を向かえたかのように思われた。
6月1日。  
大阪城から200人の女子高生が集団飛び降り自殺を図り、事件は振り出しに戻ることに。 5月29日の事件で軽傷を負っていた女性が、事件後初めて恋人の実家を訪れる。 そこで彼女が目にしたのは、生前男性が夢中になっていた小学生ボーカルグループ“デザート”のポスター。 ポスターをじっと見つめていた彼女は、ある部分に秘密が隠されている事に気付き・・・。
6月2日。  
“デザート”のコンサート会場に向かう女性。 そこで彼女を待ち受けていたものは・・・。


どことなく、「現代版・ハーメルンの笛吹き男」のようなお話でした。
ネズミは出てこず、笛を吹くのも男ではなく怪しげな魅力を放つJS(女子小学生)ですが。
どこからやってきたのか、どこ小に通っているのか、沖縄アクターズスクール系なのか、ハロプロ系なのか、プロデューサーは飛べない豚なのか。 
数々の謎に包まれたスーパーJSユニット“デザート”は、たちまち多くの日本人の心を掴み、さらにその中の一部の人たちに危険なメッセージを発信します。
そのメッセージは、「Suicide」。
かくして、JSの歌声に引き寄せられた人々は、その先で待ち構える謎の児童集団との面談を経た後、自分の中の「命を粗末にしたらあかん!」という常識を踏み越え、各々のプラットフォームから軽やかに飛び降りることに。
しかし、結局最後の引き金を引くのは自分自身であり、笛吹きJSも児童面接官もあくまでメッセージを奏でているだけなのですよね。
なので、解決もしないし、犯人も捕まらない。
刑事にとっては、「勝てる気がしない」闘いとなる訳です。 観ている者にとっても然り。 負けるわー。マジへこむわー。ローリー(寺西)さんマジ空気だったわー。

「あなたとあなたの関係は?」という、謎かけみたいな問いに深く頭を抱える人と、「関係もへったくれもないんじゃい!私は私自身なんじゃい!」と即答出来る人。 
両者の違いが、笛の音色の魔力から醒めるか否かを左右するのかしないのか。
その答えすら明らかにせず、余りにも沢山の?マークを残したまま終わってしまう本作は、なるほど、観た人から猛烈に嫌われるのもわかるような気がしますが、アガサはキライじゃなかったです。

アガサは自殺を考えた事がありません。  
身近に自ら死を選んだ友人・知人もいませんので、「自殺」をリアルに実感出来ているのか、と聞かれると、きっと出来ていないのだと思います。他人事と捉えてしまっていないかどうか、自信もありません。
しかし実際、日本では毎日90人弱の方々が命を絶っているという事実がある。
絵空事でもなんでもない、事実として。
その中には、心底思い悩んで命を絶った方もいるでしょうが、直前まで誰にも、何にも感じさせず、普段通りの生活を送っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本編にも、とても象徴的に「無表情な人々」や「特に問題を抱えているように見えない人々」のカットが挟み込まれており、「普通」に見えるようで心に「死」の翳が差している人々が、ここには確かに存在するんだよ。と声高に主張されているようで、とても不安な気持ちになってしまいました。

SOSを出す事もなく、ふと、命を絶ってしまう瞬間が存在する世界。
とても悲しい世界で、どこか狂っている世界。(亡くなった方が、という意味ではなく、亡くなるという道を選ばせている世の中全体が狂っている、という意味で)
そんな狂った世界に、
「まぁ、生きるなら生きて、いくんなら勝手にいけば?」
と豪快にジャーマン・スープレックスをかますような本作は、実は突き放すどころか肩をわしわしと掴んで
「おい!ダメだぞ!自分で生きなきゃダメだぞ!」
と声をかけてくれているような気がしてなりませんでした。

まぁ、それは私の勝手な思い込みかもしれませんが、しかし少なくとも、「自殺を止めたくても止められない」というもどかしさや無力感を強く感じるのではないかと思いますし、そこから改めて、私たちを取り巻く世界のオカシサに気付かされるのではないでしょうか。

結局のトコロ、JSボーカルグループと児童集団の関係性も、それらとローリーの関係も、人肉を剥して繋いだ「人の鎖」の意味も、なんで電話をかけてきた児童が「げふん・・げふん」と痰絡んだ声ばかり出していたのかも、血まみれの娘はどこに行っちゃったのかも、カンナで削った皮って(後で繋いでたのと比べて)長すぎじゃね?という件も一切合切謎だらけで終わっちゃいましたけど、アガサはキライじゃなかったですよ。
なんでヒヨコ?とか、なにその処刑人スタイル?とかも思いましたけど、キライじゃなかったですよ。
唯一キライだったのは、「大阪城からJK200人が集団ダイビング」という極めつけのネタがセリフで触れられただけだった点ですけどね。 そこはなにがなんでもスクリーンに焼き付けるべきだろ!(←人間性を疑う叫び)

とまぁ色々と若干茶化した目線で書いてしまいましたが、正直言うと、実際に身近にそれを経験された方や、「死」を誇張して描くという事に違和感を抱かれる方には、受け入れがたい映画なのではないか、と思っています。
その一方で、観終わった時のもやもやは、もしかしたら監督が抱えているもやもやなのではないか、という気もしています。
このもやもやの正体と向き合っていく事が大事なんじゃないか、という気も。


とりあえず、本作の続編的立ち位置の作品として『紀子の食卓』という映画があるそうですので、なんとかしてそちらを鑑賞してみたいものですね。(我が家の近辺のレンタル屋さんは全滅でした)

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『ソラニン』

2011年06月02日
ソラニン
「ゆるいしあわせ」でいいじゃない。

あらすじ・・・
大学を卒業して、可愛い彼女と同棲して、自分のアルバイト代と彼女の給料で穏やかな暮らしを満喫することが出来て、気の合うバンドメンバーと月に2回スタジオにこもって楽器を鳴らして、毎日へとへとに疲れて、毎日そこそこに癒されて、そんな日々です。 
しあわせな日々です。 
しあわせな日々なんだけど。
なのにどうして、こんな胸がつまるような感覚に襲われるんだろう。
どうして、こんなに息が苦しくなってしまうんだろう。


っつって、家に帰ったら宮崎あおいちゃんが「おかえりー」なんつってカレーとかボルシチとか作ってくれてる分際で言うかコノヤロォォォォォォォオ!!!!

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自分は、思い描いていたような人生を送れているのか。
そもそも、どんな人生を思い描いていたのか。

そんなふうに悩んだ事がない人などいないのではないかと思うほど、ものすごく馴染み深い葛藤の物語。
本作の若きカップル、芽衣子と種田は、決してド貧乏ではなく、愛が冷めた訳でもなく、トモダチに恵まれていない訳でもなく、傍から見れば「リア充の中のリア充」にしか見えないような2人で。
未来が大きく広がっているだけに、無限の可能性を秘めているように感じられるだけに、自分の進むべき道に迷い、捨てきれない夢に心をかき乱されてしまいます。
いやぁ、なんというか、食うに困るような状況だったら、意外とこの手の悩みって浮かんでこないものなんですよねぇ。考える余裕があるからこそ、あれこれ考え込んでしまう事ってあるんだろうな、と思います。
で、人生に正解がないように、悩みにも万能の答えなどない訳で、多くの先人たちの様にもやもやしながらも試行錯誤を繰り返して過ごして行けばよかったものの、このカップルはもがいてもがいてもがいた末に、ひとつの悲劇を迎えてしまう。
もうねぇ、心の叫びが抑えられませんよね。 なにやっとんじゃぁぁい!!!とね。 
宮崎あおいちゃんと同棲できて、それ以上なにが望みなんじゃい!
浴衣姿のあおいちゃんと花火しながらキャハハウフフとか、それはおまえ人類の夢じゃろがい!! と。
人間の欲望は限りがなさすぎてベリー・スケアリー ネ!

と、思わず本題から離れて興奮してしまいたくなるほど、可憐で儚くて妖精のように美しかった宮崎あおいちゃん。
どこにいても、何を言っても、ぜんぶ抱きしめたくなるよあおいちゃん。
愛されるよりも愛したいよマジであおいちゃん。
愛のためにわがままにぼくは君だけをあおいちゃん。

もうやめる。もうやめるからもうちょっとだけついてきて欲しい。

で、芽衣子役をそんな宮崎あおいちゃんが演じる、という点は、ものすごく素晴らしくもあり、ものすごく物足りなくもあったと思うのですよね。
あおいちゃんが持つ透明感というか、「なにをしててもマジ天使」という特性が、若きカップルの迷いだとか苦悩だとか行き詰まり感を薄めてしまう。
どのシーンもきれいすぎるのですよ。
たとえば、あおいちゃんがタバコを吸って「社会の荒波にもまれてる」感を出そうとしても、鼻からけむりまでは出さない訳で。絵になる程度にくわえてるナーとしか思えなかったり。
彼氏が行方不明になって5日間ゾンビみたいな生活を送っていた割には、ゆるふわヘアーがキープされていたり。
故意に「寓話っぽさ」を演出していたのかもしれないのですが、もっとこう、煮詰まって、どろどろになって、ぐちゃぐちゃになって欲しかった。
そして、そこから顔を歪めながら這い出す過程が見たかったです。

いや、あおいちゃんのそういうプレイが見たいとかじゃなくて。 ちがうちがう。 いやまぁ見たくなくはないけど。 そういうんじゃなくて。 邪推ヨクナイヨー!

喪失までの「どこか現実味がない」感じを一気に取り戻すかのように、喪失後はどのシーンも「感情」を強く掴まれてぶんぶんと振り回されるような感覚に陥るほど、激しく、痛く、美しいシーンばかりで、これでもかというほど涙が搾り取られますので、余計にもうちょっと前半に刺すような痛みがあればなぁ・・と思ってしまいました。
ま、これは好みの問題でしょうけどね。
あと、好みついでに言うのですが、クライマックスにあおいちゃんが彼氏が遺した歌を熱唱するシーンがあり、この歌が魂をゆさぶるような素晴らしい歌だったのですよね。
原作者の浅野いにおさんが書いた詩も、アジカンの後藤正文さんが書いた曲も、あおいちゃんの声も、どれもホントにホントの最高で、特に
「さよなら それもいいさ どこかで元気でやれよ」
からの振り絞るような、叫ぶような歌声は、そこに至るまでの全てのシーンを思い起こさせるようで、体がビリビリしびれてしまいました。

なので、ここでエンドクレジットでもよかったのではないかなぁ・・と。
(本編ではこのあと、芽衣子の引越しのシーンがあります)
出来ればこの歌の余韻にひたっていたかったです。


若者たちが、迷いの末に見つけた答えは、答えの中のひとつは、とてもありふれたもので、とても小さいもの。
失わないと見つけられないのかもしれないけれど、出来ればそうなる前に、大切な人と一緒に見つけることが出来るといいなぁ、と思いました。

最後になりましたが、種田役の高良くんの正統派メガネ男子っぷりも眼福だったものの、ベーシスト役のサンボマスター・近藤洋一さんの奔放メガネの方がよりアガサの好みである事を告白して、今回の感想はおしまいにしようと思います。 何にせよ、メガネをかけて楽器を弾く男子はさいこうですね! 今日もいいメガネ成分をありがとうございました!



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『冷たい熱帯魚』

2011年05月09日
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【こんなお父さんはイヤだ】

・ すぐ再婚する

私のお母さんは、いつも優しく、家族想いで、ご飯もおいしく、自慢のお母さんでした。 お父さんも同じ気持ちなんだろうと思っていました。口数は少ないけど、きっと同じ気持ちなんだろうって。
でも、お母さんが亡くなってしまった時、悲しみから立ち直れずにいた私を気遣いもせず、お父さんはさっさと若い女を連れてきて一言、「美津子、この人が新しいお母さんだよ」って言ったんです。
信じられません。 もうお母さんの事忘れちゃったの? お父さん、一体何を考えてるの? ほんとにショックです・・・。

・ 女を見る目が無い
「新しいお母さん」は最低だった。
私に遠慮してるんだろうけど、いつもおどおどして目を見て話そうとしない。
そのクセ家の中をキャミソール一枚でゴロゴロしてたりして・・・ おまけにタバコも吸うし・・。
お母さんとは正反対の継母。 絶対に好きになんてなれないし、「お母さん」だなんて呼ぶ気にもなれない。 「あの女」で充分だよ。
お父さんマジ最低!最低!サイテー!!

・ 叱ってくれない
あの女が家にいるだけでイライラするから、思いっきり蹴飛ばしてやった。 さっさと出て行けばいいのに。 
お腹蹴ってやったから、きっとお父さんすぐ気付くと思った。 でも、お父さん何も言わなかった。
え?なに? これって「多感な娘に気を遣ってる」つもりなの? イミわかんないんですけど。
もうホントむかつく事ばっかで、適当に彼氏作ってなるべく家にいないようにしようと思った。
なんかあの女も最近私に対するイヤミのつもりなのか、晩ご飯冷凍食品ばっかだったりして。
それなのにお父さん、何も言わないとか。 マジばっかじゃねーの。

・ 威厳がない
そんな事ばっかだったから、最近イラついた時はスーパーで化粧品とかパクってたの。 別にお金が無いとかじゃなく、ストレス解消? そーゆーの。
で、ちょっとしくじっちゃったもんだから、スーパーのえらい人がうちに電話しちゃって、お父さんがきたんだけどあの女も一緒でテンション超下がるって感じで。
お父さん、さすがに怒るかなーって思ったんだけど、やっぱ全然怒んないの。 スーパーの人にへこへこ頭下げるばっかで、ちょーかっこ悪くてムカついた。 もういらねーよ、こんな親父。

・ 流されやすい
そんな時、スーパーの人のトモダチっぽいおっさんが入ってきて、なんか知らないけど熱帯魚の話とかし出して、万引きの事チャラにしてくれた。 どうでもいいけど、おっさんちょっとテンション高すぎ。あとボディタッチ多すぎ。 親父なんか言えよ。
で、聞いてたら、このおっさんも熱帯魚のお店やってるらしくて、そのまま場の空気でおっさんのお店に行く事になって。
そのお店にはおっさんの奥さんって人もいて、なんかちょーエロいかっこの奥さんでウケるんですけど(笑)
とにかくむちゃくちゃ話のテンポが速くて、気がついたら私はそのお店に住み込みで働く事になってた。 「お嬢さんにもきっちり勤労させなきゃね!」っておっさん。 マジでー?聞いてないんだけど(笑)
っていうか、その流れの途中、親父一回も私の目見ないんでやんの。 「あーうー」言ってるだけで、完全におっさんのペース(笑) マジ情けないって言うか。 いいの?それで?みたいな。
で、もーいっか、って。 どうせ私も、あんな家いたくなかったし。 ここ結構楽しそうだし。 おっさんはオヤジギャグが若干サムいケド(笑)  でもまぁお金ももらえるんなら、フーゾクやるよりかマシだし。  とりあえず親父ウザいし。 ホントウザいから。

・ 子どもに関心がない
入社初日。 いちおう親父とあの女もついてきたんだけど、頼むからさっさと帰って?って感じ。
もうさー、私の事厄介払い出来てホッとしてるのが見え見えで萎えるんだけど。
「・・美津子・・? あの・・その・・」って、話しかけんなよ!ウザいから! ホントはどうでもいいクセに! 今更なに親父面してんの? バッカじゃねーの?
イラついたからガン無視してやった。 もしかしたら何かもっと話しかけてくるかなーと思って、だってほら、離れて暮らすようになるんだし。ここのおっさん、ちょいちょいテンションおかしーし。
なのに私がシカトしたら、そのまま「・・じゃあ・・」って。
あ、そうか、って。   
心配とか、やっぱ無いんだ、って。
私の問題には、もう関わりあいたくないんだ、って思った。  マジこいついっぺん死ねばいいのに。

・ 現実逃避する
ここのおっさん・・じゃなくって社長(笑)は相当ヤバい仕事してるらしく、こないだ明らかにヤー公らしき連中がぞろぞろやってきた。
なぜか親父も呼ばれてるらしく、私が仕事してるトコうろちょろしてたと思ったら事務所に引っ込んだりして、ほんとイミわかんないっつうの。
社長と自称顧問弁護士(笑)のいかつい中年が、ヤー公をなんとかなだめてお引取り願ってるのをこっそり見てたら、親父まで青い顔してついてきててウケた。
っていうか、親父なにやってんの? もしかして、社長に言いくるめられてヤバい商売に手をつけてたりして・・・ ウケる(笑) 
スタッフの女の子が、親父が駐車場で運転席に座ったまんま「地球は約46億年前に生まれ・・」ってブツブツ言ってたよーって教えてくれたんだけど、またあいつ、お得意の現実逃避でもしてんじゃねーの? 宇宙はいいよなー・・って。 あー、ウザい。 星と一緒に消えればいいのに(笑)

・ 突如逆ギレする
朝、お店に行ったら、奥さんと社長が来てなくって。 でも、スタッフの女の子に聞いたら「ま、よくある事だから」って普通にしてるから気にしなかったんだけど、そしたら昼ごろ突然親父が店に飛び込んできて。
あれ?もしかして親父、社長と一緒にいたんじゃないの?って思ったんだけど、まぁどうでもいっか、ってガン無視してたら、「美津子、一緒に家に帰ろう!」だって。
はあ? なに寝ぼけてんの?みたいな。 何ネゴト言ってんだよ。 今更あんな家、帰りたくもねーよ。
でも親父、いつもならゴニョゴニョ言って引き下がるのに、全然引かなくて、私の腕つかんで引っ張りまわしやがんの。 ふざけんなよ!
何があったのかしんないけど、今まで全然真面目に向き合ってもくれないわ、話も聞いてくれないわ、私の気持ちなんて考えてもくれなかったクセに、何いきなり暴力とかふるってんだよ!ざけんなよ!キモイんだよ!
えらそうにするのが「父親らしい姿」だって勘違いしちゃったとか? 
言ってわからないなら拳でわからせる、ってか? ふざけんじゃねーよ!
私はてめえなんか怖くないから。
もう家族だなんて思ってないから。 とっととくたばれクソじじい!


【モンスターは誰だ】
《若い後妻から愛想を尽かされ、年頃の娘には見下され、うだつのあがらない生活を送っていた中年男・社本は、「縁あって」同業者の村田と家族ぐるみの付き合いを始めるのだが、あれよあれよと言う間に村田のペースに巻き込まれ、のっぴきならない地獄へと両足を突っ込む事になる・・。》
という「巻き込まれ型犯罪」を描いた本作。
そう、村田は本当に恐ろしい。 
自分の都合で他人の命を奪うという事に、ひとかけらの良心の呵責も感じない。 当然、奪った命に対しても極めてぞんさいな態度。 
人間性、というものが想像力だとか思いやりだとかそういうもので構築されているとするならば、村田はもはや人間ではないのかもしれない。 人の皮を被ったけだものなのかもしれない。

しかし、そんな村田に目をつけられ、まんまと悪事の片棒を担がされる事になる社本が、か弱き子羊なのか、というとそんな事は全くなく、むしろヒドイ。超ヒドイ。ていうかこんなお父さんヤだ。

社本が胃をキリキリさせながら過ごす「冷え切った家庭」を作り上げたのは、ヤニ臭い後妻でも反抗的な娘でもなく、社本自身なのではないかと思うのですよね。
一番繊細な年頃である娘にろくに相談もせず、いきなり若い後妻を連れてきたり、
誰かどう考えても揉めそうな、女二人の仲を取り持とうともせず、
新しいお母さんを受け入れられず、荒れ狂う娘を見て見ぬふりし、
「まぁ・・いつかみんなわかってくれるよね・・」みたいな、後ろ向きなポジティブさを全開にして、家族の問題から目を背けてきた社本。 そりゃーこじれるわ!徹底的にこじれるわ!

「家族」は、簡単には出来上がらない。 
細い糸をより合わせるように、一人一人の想いがぶつかったり繋がったり跳ね返ったりしながら絡み合う事で、太い絆が生まれるんだと思います。
一緒にいるだけでは、「家族」にはならない。 なったとしても、形だけでしかない。すぐ切れるような、脆い絆でしかない。
そして、一度綻んだ「家族」は、簡単には元には戻らないものなのですよ。

社本は社本なりに、村田というモンスターから「家族」を守る為に悪夢を受け入れてきたのかもしれない。
「おとうさん、がんばるからね・・!」と歯を食いしばり耐えていたのかもしれない。
でも、それは哀しいかな、ただの空回り。
想いは、相手に伝えないと意味を為さない。 自己犠牲は、評価してくれる人がいないとただの自己満足でしかない。
この間まで「ヘラヘラ笑う事」を「愛情を持って見守る事」とはき違えていた人間が、ナニがあったのか知らないけれどいきなりDV男に変貌して家族相手にキレまくったかと思ったら「生きるってのはなぁ・・・ 痛いんだよぉ!!」とか。
そりゃ娘さんも「イタいのはお前だコンニャロー!!」って言いたくもなりますよ!
そこに至る前に、まずこってりと会話しないと。お嬢さんの本音を引き出してあげないと。 モアートークですよおとうさん!!モアーモアー!

娘にとって、不可解な愛情を押し付けてくる父親の存在は、モンスターみたいなものだったのかもしれない。(※) 
だから彼女は最後に、勝ちどきをあげた。
混乱しながらも、勝ちどきをあげずにはいられなかったのではないでしょうか。

痛々しい家族だなまったく!
(※ もちろん、だから犯罪に巻き込まれて地獄に堕ちても自業自得だ、なんて言いたいのではないですけどね。 あくまで、娘の立場から見れば、という意味で。)


【父親】
「娘を拒絶しない」けれど「受け入れもしなかった」せいで、こじれにこじれまくった社本一家。
そんな社本を「息子のように」支配しようとした村田もまた、これでもかとこじれた親子関係のもと育ったようで。
物語の終盤、社本の反撃を受けた村田は、朦朧とする意識の中で「おとうさん・・ごめんなさい・・もうしませんから・・」とつぶやき続けます。 「おかあさん・・とめてよ・・おかあさん・・」とも。

村田は、他人の言葉に逆らえず自分の力で立つ事が出来ない社本と自分の幼少期を重ね合わせ、その社本の上に立つ事で、かつての自分を乗り越えようとしたのではないでしょうか。
社本の「父親」になることで、自分を押さえつけていた「父」と同等になろうとした。 いや、「父」を越える事が出来ると思った。
そしてその半面、不可解な程社本を挑発し、自分に攻撃してくるように仕向けたのは、「子どもの頃の自分(社本)」が立ち上がる事を望んでいたからなのかもしれない。

いずれにしても、村田の支配欲は「父」に対する抵抗だったように思えてなりませんでした。
しかし、結局立場は逆転し、「父」に殺された村田は再びか弱い子どもに戻る。
「父」という存在に蹂躙され続けた村田の姿が、とにかくひたすら悲痛でした。
その瞬間、村田は恐ろしいモンスターでも邪悪な存在でもなんでもない、ただの子どもにしか見えなかった。かわいそうな子どもにしか。

なんというか、非 常 に し ん ど い わ !(弱い面を全く見せない悪人のままの方がよっぽどか楽でしたよ!やめてよねホントに!泣くぞ!)


【カタルシスの欠片もない宇宙の片隅で】
ホンモノの人生は、いつも残酷です。
冷徹で、無慈悲で、期待は裏切られ、希望は打ち砕かれる。
物語の主役は自分のハズなのに、知らない誰かの舞台の上で踊らされているような虚しさに襲われる日々。
ホンモノの世界に、ヒーローなんていない。
ホンモノの人生に、胸のすくようなカタルシスなんて待ち受けていない。 

園子温監督が「死んでもいいくらい落ち込んでいる時期」に作ったとされる本作は、これでもかという程救いが無く、体の芯から凍り付いてしまう程冷たい感情に溢れ、最後の最後まで胸のつかえが取れない、近年稀に見るイヤ~な映画でした。
被害者は加害者になり、加害者は被害者に。
空っぽな人々の世界で、「自分」の存在は益々透けて無くなってゆく。
生命力に溢れているのは、追従笑いばかりが響く店内に君臨する狂気の王様だけ。

鼻歌まじりの解体シーンも、上滑りするオヤジギャグも、狡猾さに満ちた処世術も、ちっとも面白くなんてない。
全編通して、真顔で冗談を言われているような緊張感が漂っていて、とてもじゃないけど笑えなかった。
茶化しても茶化しきれない程、狂気が日常的に満ち溢れすぎているのが、本当におそろしかったです。

この作品を好きかキライかと問われたら、私は「キライ」と答えるでしょう。
一生忘れる事の出来ない恐るべき作品だとは思うけれど、「好き」なんかじゃない。「好き」になれる訳がない。
怖すぎる。 
ワロエナイ。 
でも、鑑賞できてよかったと思う。
観て済んだらあっという間に消化されて、心からスコーンと抜けてゆくような作品が重宝がられる世の中で、しわくて噛み難くて胃に悪そうで胸焼けを起こしそうな本作が作られた事はとても素晴らしい事だと思います。
すごくイヤな気持ちになった、とても有意義な146分間でした。

ホンモノの世界に都合のいいハッピーエンドなんてない。
確かにそうかもしれない。
けれど、抗う事は出来ると思う。 
大きな宇宙の片隅で、もがいてもがいてぺシャリと潰れてしまった社本の姿にショックを受けながらも、「ええか、これはダメなパターンやで!」と胸に刻むことから、まずは始めたいものですね。


最後になってしまいましたが、恐怖の大王・でんでんさんを始め、社本役の吹越満さん、社本の妻役の神楽坂恵さんの破滅っぷりが最高でした。 「普通じゃなくなった」普通の人を自然に演じすぎていてすごい!
ここまでの演技を引き出した監督も素晴らしいですし、それに充分すぎるほど応えた俳優陣にも圧倒されました。
そして、そんな濃いキャストの中で一番印象に残ったのは、でんでんの奥さんを演じていた黒沢あすかさん。
怖くて、可愛くて、美しくて、愚かで、憐れで、エロくて、最高の女優さんだと思います。

「黒沢あすかに踏まれるツアー」があったら、オレは迷わず応募するね! 前泊も厭わないね!



※関連レビュー・・・弩級の快作「冷たい熱帯魚」 - 深町秋生のベテラン日記 弩級の快作「冷たい熱帯魚」 - 深町秋生のベテラン日記


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『おまえうまそうだな』

2010年10月24日
うまそう
うまそうなのはウマソウだけじゃなかったのだ!

あらすじ・・・
あるひ、きょうりゅうのおかあさんが、かわでロハスなきゅうじつをすごしていると、じょうりゅうからなにがしかのたまごがどんぶらこっことながれてきました。
「このままでは、かこくなせいぞんきょうそうのぎせいしゃになってしまう」。 そうおもったおかあさんは、たまごをうちにつれてかえりました。
おこったのはなかまのきょうりゅうたちです。
「どこのうまのほねともわからないたまごをひきとるだなんてしょうきのさたじゃない」「うまれてみたらはだのいろがちがってただなんて、あたしゃしんせきにあわすかおがないわよ」。 
なかまからのプレッシャーにしんけいをボロボロにされたおかあさんは、なくなくあかちゃんきょうりゅうをもりにすてにいきました。
しかし、いっしょうけんめいじぶんをよぶあかちゃんのなきごえは、おかあさんのぼせいをダイレクトにしげきし、なやんだおかあさんは、コミュニティとけつべつし、じぶんひとりでこどもたちをそだてることをけついするのでした。

つきひはながれ、ハートとなづけられたはだのいろのちがうちびっこきょうりゅうは、おかあさんのじっしであるライトとともに、すくすくとそだっていました。
ただ、おかあさんとライトがこのむ、ベジタリアニズムにもとづいたせいかつは、ハートにはすこしばかりものたりなさをかんじさせてしまうのでした。
どうしてじぶんは、ライトとまったくおなじしょくじではまんぞくできないのだろう・・・。
どうして、どうぶつせいタンパクしつをなめるだけで、こんなにこころがみたされるのだろう・・・。

そんなあるひ、ハートはみょうなむなさわぎをかんじてだいそうげんにかけだします。
そこではいままさに、するどいきばをもつ、がたいのいいおとなのきょうりゅうたちが、マクロビオティックなきょうりゅうにおそいかかって、はらわたをひきちぎろうとしているところでした。
はじめてみるこうけいに、ハートはこしがぬけてうごくことができません。
「なむさん・・・!」  ハートがそうおもったとき、とくにがたいのいいいっぴきのきょうりゅうがハートにはなしかけました。
「おまえ・・ひとりなのか?」
「ち・・ちがうもん! おかあさんとおにいちゃんといっしょだもん!」
「ならばいけ。 ここはおまえがくるようなところではない」
ぶじ、むざいほうめんとなったハートは、いのちからがらにげだしました。
が、しかし、そんなハートをびこうする、ふしんなかげが・・・。

かわでハートをさがしていたライトとごうりゅうしたハートは、どうようのあまりじゅんじょだててはなしをすることができません。
ライトはただひたすら、そんなハートをおちつかせようとつよくだきしめるばかり。
そのとき、かれらのうえをおおきなかげがおおいかくしました。
ハートをびこうしてきた、ひれつなきょうりゅう・ゴンザです。
「なんだ! きになってつけてきてみたら、おまえくさくいどもといっしょにせいかつしていたのか!」
なんのことかりかいできず、ふるえるハート。もえつきるほどひーと。
「おまえだよ、おまえ! にくくいのくせになんでくさくいにくいつかないんだ? いまはやりのスローライフってやつか? しゅみはデトックスりょうりか?」
「ぼ・・ぼくはにくくいじゃない! もりがーるがだいすきなそうしょくだんしだ!」
いかりにわれをわすれ、ゴンザにとびかかるハート。 
ちいさいながらもうちにひめるポテンシャルははかりしれないハートは、いきおいとパワーでゴンザをあっとうし、しっぽをかみきられたゴンザははんぶんになったしっぽをまいてにげだすのでした。
ぶじライトをまもったハート。
しかし、おのれののろわれたしゅくめいをしってしまったハートは、もはやおかあさんとライトとともに、ぬるまゆにつかったせいかつをおくることなどゆるされるはずもありません。
そのひいらい、ハートはおかあさんのもとにもどることはなかったのでした。

すうねんご、りっぱなにくくいきょうりゅうにせいちょうしたハートは、いつものように、よそのきょうりゅうのなわばりにちょっかいをだしながら、せつなてきなせいかつをおくっていました。
そんなあるひ、ハートのまえにちいさなたまごがおちていました。
なぜかデジャヴをかんじつつ、たまごをのぞきこんだハートのめのまえで、たまごはかわいたおととともにわれ、なかからちいさなきょうりゅうがとびだしてきました。
「おまえ、うまそうだな・・」
したなめずりをしながらはなしかけるハートのあしに、ちいさなきょうりゅうはうれしそうにしがみつき、こうさけぶのでした。
「おとうさん!」・・・と。


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親から子へ、伝えたい事。
その内容はとても多いが、伝えられる時間はとても少ない。
だから必死で、なにかを人生の蓄えにして欲しくて、親は子に話しかける。
いつかは誰しも、自分だけの力で生きて行く瞬間を必要とされるから。
自分だけの足で、地面に立つ事を求められるから。
その時、我が子が途方に暮れないように、我が子が凛々しく前を向いていられる様に、親は子に伝えようとする。
たとえ肌の色が違っても、時代が違っても、その気持ちは変わらない。

ツイッターで大絶賛されてた『おまえうまそうだな』を、せっかくなのでちびっこと堪能しようと、親子三人で鑑賞してきたのですが、噂にたがわぬ号泣必至映画で、ポップコーンが涙で塩味になるというハプニングまで起こる始末だったのでした。

草食恐竜のおかあさんから、肉食恐竜のこどもへ。
草食恐竜のおかあさんから、草食恐竜のこどもへ。
肉食恐竜のこどもから、草食恐竜のあかちゃんへ。
肉食恐竜のおとうさんから、肉食恐竜のこどもへ。
種類や住む世界は違えど、彼らが伝えようとする事はただ一つ。
生きること。   自分のちからで生きること。

親は、こどもを愛するがゆえに、時々伝え方を間違えることがあります。
“とにかく今は、守ることに集中しよう。伝えるのはその後でいい”
“こうやって愛していれば、こどもにもきっと伝わっていくはず”
そんな風に勝手に思い込んだり、やみくもに愛を押し付けたり、前を見るべき目に目隠ししたりする事も、まぁ、しょうがないと言えばしょうがない、というか大いに自分に思い当たるフシがあり過ぎて、今書いていて絶賛羞恥プレイ中のアガサなのですが、優しく抱きしめるだけではなく、やはり背中をドンと押す事も大切なのですよね。

だって、抱いてばかりいたら、こどもの目は塞がったままだから。

胸におしつけたこどもの顔をぐいっと前に向けさせて、涙を流していたら一緒に泣きながらそれでも心を鬼にして、厳しい現実に向き合う術を伝えていかなければ。
優しくするよりも、厳しくする方がもっと難しい。でも、やらねば。

本作には、一生懸命“生きるとはどういうことか”を伝えようとする親たちの三者三様の姿が登場して、それぞれが深く観る者の胸に響きます。
中でも、肉食恐竜のおとうさんがそうと名乗らぬまま、我が子に“愛するものを守るということ”を伝えるシーンが心に強く突き刺さったのですが、このおとうさんにしても、そして草食恐竜のおかあさんにしても、「なんだったら自分の命を犠牲にしても構わない」という覚悟をもって、子に伝えようとするのですよね。
弱ければ死んで喰われるしかない時代だからこそのストイックさなのかもしれませんが、今の時代でも“生きる”ということの本質は同じなのではないでしょうか。
だからこそ、親は強く、厳しく、愛情をもっていなければ。
子とぶつかる事も恐れず、伝えようとしていかなければ。

こども向けの絵本が原作だからと侮ることなかれ。 
とても真摯で、とても大きな愛に包まれた、素晴らしい作品でした。
もちろん、ちびっこも大満足でした。
ちなみに今は、恐竜になりきって家中をガオーと叫びながら走り回っています。
マネをしたくなるほど、おもしろい映画だったと言うコトですね! ただ、床が抜けるから階段から飛び降りるのだけはやめて頂きたい。かあちゃんからのお願い。

吹き替えは例によって例の如くタレントさんが担当しているのですが、主役を演じるのがプロの声優さんだった為、特に違和感もなく(いや、タレントさんもとても役にあっていたのですよ)、かわいらしいキャラからは想像もつかない、激しい殺陣を繰り広げられるので、ちょっとしたアクション映画のような興奮も味わえます。

そうそう、そのキャラなのですが、アガサが特に気になったのは、草食恐竜のおかあさんなのでして。
見ず知らずのたまご(肉食らしく毒々しい色あい)を引き取り、群れから孤立してしまう事になっても、一生懸命育て上げる、マザーテレサのようなおかあさん。
このおかあさんに育てられたからこそ、肉食のハートは、種類の違う弱い生き物を守るような、出来た息子に成長したのですよね。

で、自分の性(サガ)を知り、距離を置いて暮らす事を決めたハートが、おかあさんたちの群れが住む森の危機を知り、拒絶されることの恐怖に怯えながらもおかあさんの元へ駆けつけるシーン。
数年ぶりにやってきた群れの中には、お兄さんのライトはいるものの、肝心のおかあさんがいません。
ライト曰く、「おかあさんは朝から山奥に行って帰ってこない」。
慌てたハートは、舞い降りる火山灰を振り払い、おかあさんの居場所を探します。
そして、ついに再会を果たすおかあさんとハート。
ハートはおかあさんに、こんな危険を犯してまで、どうして山奥にいたのかと訊ねます。
そこで、木の洞から小さな恐竜を呼び出しながらおかあさんが言った、衝撃の一言とは・・・!

おかあさん 「ほら、みんな、おにいちゃんに挨拶なさい」

おかあさん、隠し子発覚キタ―――!

え、え、おかあさんって今何さ・・ていうか、群れを追い出されて、その後戻ったものの厄介者扱いされてた筈で、そんでもってそんでもって、ええと、ええと、いや、別に高齢出産でもぜんぜん問題ないんですけど、でも、なんつうか、いつの間に!っていうか、誰の子やねん!っていうか、そもそもハートの場合と違って草食の子なんだから森の奥に隠しておく意味がわからないっていうか、モテまくってますなぁ!っていうか、ええと、ええと・・・

おかあさん

おかあさんは・・・

おかあさん2

おかあさんは・・・・・

おかあさん3

おかあさんはヤリマ老いてなお現役です!

と言う事で、
「うまそうなのはウマソウだけではなく、熟しきったメスの魅力を存分にアピールしたおかあさんも、とってもうまそうだったでした」
という衝撃のダブル・ミーニングをみせつけた、とってもアダルティで楽しい映画だったのでした。
やったぜ! アニメ界にも熟女ブーム到来だ!!※他にどの界隈が熟女ブーム中なのかは判りませんが)


子を持つ人も、持たない人も、是非一度ご覧になって頂きたいです。
そして、秋の夜長におとうさんやおかあさんに電話をして、普段は言えない言葉をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。



-おまけ-

・ 血の色をした赤い実がとても印象的に使われていたのですが、あれは命を現していたのでしょうかねぇ。 おかあさんからハートへ与えられる赤い実。 ハートが育てる事になる草食恐竜のあかちゃんの尻尾にも赤いポッチ。 ハートの父親である肉食恐竜の赤い瞳。 受け継がれて行く命の色。 (←勝手な推測ですが) うまい表現だなぁ・・と思いました。

・ 生きるということが、きれい事の様に描かれていないのがとてもよかったです。 容赦なく生を奪い、その肉を喰らう恐竜たちは、ただいたずらに弱い者を脅かす存在なのではなく、同じ場所に共存する仲間なのではないでしょうか。 だから、不必要に殺生をしない。 喰われた方も、犠牲を無駄にしないように淡々と生きる。 彼らは自分達が定めたルールを守り、一生懸命暮らして行くのですね。 私たちには出来ない事なのではないかと思い、ちょっと恥ずかしくなりました。


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『シロメ』

2010年10月12日
まずはこれを観て頂きたい。



オーケイ、では本題に。

あらすじ・・・
「シロメさま、どうか願いを叶えてください・・・」

とある廃校の一室にあると言われる、黒い蝶々の影。 シロメさまと呼ばれるその影の前で3回願い事を唱えれば、願いは必ず叶えられるという。
ただし、からかい半分で訪れた者や、願いに邪な心が混じっている者は、地獄に引きずり込まれてしまうのだとも・・・。
人気急上昇中のアイドルグループ・ももいろクローバーに、そんな“シロメさま伝説”を体当たり取材せよ。との依頼が舞い込んだ。
怯えるメンバー。
しかし、彼女達にはどうしても叶えたい夢があった。
その願いを叶える為、恐怖心と闘いながら廃校を訪れるメンバー。
そこで彼女達が目にしたものとは・・?


『オカルト』『ノロイ』といったドキュメンタリー的フィクション映画で、観る者の度肝を大いに抜きまくった白石晃士監督が、またもや新たな恐怖を生み出した。
しかも、今回の主役はおっさんやフリーターではなく、日本が世界に誇るスーパーアイドル・ももいろクローバー(通称ももクロちゃん)なのである!

・・・

・・

って言っても、肝心のももクロちゃんをご存じない方には何のことやらさっぱりですよね。
そう思いましたので、冒頭に彼女達の魅力が溢れんばかりに詰まったPVを貼り付けてみました。
これでもう、存分に理解出来ますよね?
ももクロちゃんが問答無用にかわいいってコトは理解できますよね?
一日に10回以上PVリピートしてしまうって行動も理解できますよね?
気付いたら「ねらいうち」されててビクンビクンって状況も理解できますよね?
何?! 出来ない?! 諸君の股間についてるソレは飾り物か?!

・・なあんて冗談はさておき、そんな「いまいちピンとこない」あなたも大丈夫! 本作では、ももクロちゃんファンへの目配せはもとより、そうでない初心者の方でも、これさえ観れば完璧にももクロちゃんファンになってしまうという安心安全な作りになっているのですよお立会い!

ちなみにアガサは、現在新曲の「ピンキージョーンズ」の振り付けを練習する日々という、程よいももクロちゃんファンですので、名前も顔もばっちり覚えてますよ! 教えてあげましょうか! どうしてもって言うのなら、教えてあげてもいいですよ!
momo1_s.jpg
上段向かって左から 
あーりんのお肌はぷにっ!ぷに! ぷにっぷに? ピチッピチッでしょ!ピチッピチー!ももクロのアイドルことあーりんです! (※あーりんは声もかわいいんだよねー魅惑のハイトーンボイスだよねーとろけまくっちゃうよねー!)
ももクロのクールビューティことあかりんです! (※あかりんはオレの嫁!)
番長 
下段向かって左から 
しおりんのしー!しからないでー!しおりんのおー!おこらないでー!しおりんのりー!リズムに乗ってー!みんなの妹しおりんです! (※しおりんの可愛さは異常!)
茶畑のシンデレラ、百田かなこです! (※かなこたんは身体能力がグンバツなんだよ!かわいいわキレがあるわ、マジ天は二物も三物も与えちゃったよね!)
ずんだもち


ちなみに、かなこたんのもう一つのキャッチコピーは
えくぼは恋の落とし穴
です。

チキショオオオオオオオゥ!!! (※悶絶した)

オーケイ、本題に戻ろう。

「ケーブルテレビの仕事が入ったよ!」と少女達を喜ばせたかと思いきや、その内容は「過去に何人か亡くなってる場所で歌って踊って呪文を唱えてきやがれこんちきしょう!」というドSな企画なのだと伝えて、いたいけな彼女達を奈落の底に突き落とすシーンから始まる本作。
実はこの依頼のくだり、“映画の撮影”というコトは伏せられており、スクリーンの中の彼女達は真剣に“テレビのお仕事”だと信じ込んでいるのですよね。
と言う訳で、何も知らないももクロちゃんたちは、オドロオドロシイ怪談話でビビらされたり、不気味なおっさんに目の前でゲボされたり、レッスン部屋でお泊りさせられたり、廃校の中で肝試しさせられたり、女の子が首吊ったという部屋で前向きな曲を歌わされたりという、監督からのサディスティック且つなにがしかのフェティッシュな香り漂うオファーを、黙々とこなすコトに。

急なお泊り(しかもさっきおっさんがゲボしてた部屋)にドキドキしつつも、仲良しのメンバー同士でくっつきもっつきしながら寝間の準備をするももクロちゃん。
涙のあとを頬に光らせながらも、仕事の為に奮起しようとがんばるももクロちゃん。
合間合間に挟み込まれた自己アピールタイムが目に眩しいももクロちゃん。
この姿の、なんと健気でなんとポジチブでなんとかわいらしいことか!

自分達に課せられたドSな宿題と、有無を言わさず襲い掛かる怪しげな現象の数々(ラップ音やカメラを横切る謎の光体)に心も体も衰弱して行くももクロちゃんと、無邪気にメンバー同士で戯れるももクロちゃんの笑顔が渾然一体と化した本作は、まさに“観る吊り橋効果”と言えるのではないしょうか。
って、“観る吊り橋効果”てなんやねん。
わからん。 自分が何を言っているのかよくわからん。
まあとにかく、ドキドキビクビクしながら観ているうちに、いつしかももクロちゃんのコトが気になって仕方なくなると思うんだよ! おしえてあげようか!人はそれを「恋」と呼ぶのだよ!

白石監督が得意とする、ハッタリが効いた正統派脅し表現の数々は、今回も絶妙な匙加減で掌にイヤな汗を握らせてくれますので、恐怖映画としても充分楽しめるのではないしょうか。
明らかに作り物と判るエフェクツを使用しているにも関わらず、ふと気を抜いた瞬間に背後が気になってしまうと言いますか、画面の隅に忌まわしき姿が映り込むのではないかと不安になる、とでも言いましょうか。  暗闇がじわじわ怖いのですよね。 ホント上手いんだよなぁ。
怖すぎない怖さと、可愛すぎる美少女たちの眩しすぎる今がギュギュっと詰まった良作だと思います。
ももクロちゃんの虜になる覚悟があるあなたは、是非部屋を真っ暗にして臨むべし!


-追記-

・ “シロメさま”は、邪な願いをひどく嫌うという。 「紅白歌合戦に出たい」というビジネスの香りがぷんぷん漂う願いは邪じゃないのだろうか。 純粋な少女のたっての願いなので大目にみてもらえるのだろうか。 可愛いは正義!

・ ふざけた輩は地獄へ叩き込むという、ちょう恐ろしい武闘派神様・“シロメさま”。 そんなおっかない神様を「シロメってさぁ・・」「シロメにさぁ・・」とちょいちょい名呼びするももクロちゃん。 あのね、「様」つける方がいいと思うのね、リスペクト的な意味でね! コレおばちゃんからのアドバイス!

・ なんといっても、本作で白眉だったのは、「沢山の叫びと涙を流しながらも果敢に廃校を進むももクロちゃんを待ち受けていたのは、“シロメさま”のご本尊の下に大量に垂れ流されていた白濁して粘り気のある謎の液体だった・・・!」という驚愕のオチだったのでした。

白濁・・

ねばねば・・・

だらりとぶっかけられた液体・・・

へんたい

こ の か ん と く は さ い て い で す よ ー !(※おまえがな)


それにしても、ここまで「悪魔に魂を売ってでも紅白」とか「シロメさまのお陰で人気爆発」みたいな文言を散りばめた作品に出演させられてしまって、ももクロちゃんの双肩にかけられたプレッシャーたるや想像を絶するものがあるでしょうな。
汚い大人の思惑に負けず、これからも地道に活動して貰いたいものです。

がんばれ! 週末ヒロイン・ももいろクローバー!


(※ メンバーの名前に一部不適切なあだ名があったコトをお詫びいたします)(本当の名前はれにちゃんとももかちゃんです)(どっちがどっちなのかは各自ご確認下さい)

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