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『リング2』

2012年05月08日
リング

あらすじ・・・
・ 松嶋菜々子と真田広之が発掘した白骨化死体の身元確認に呼ばれてきたザドック山村さんちのおじいちゃん。
・ 刑事いわく、死体が見つかった井戸は30年間明けられた痕跡がなかったものの、中の死体そのものの死亡推定時期はほんの2,3年前だったという。
・ 突然死した真田広之の恋人だった中谷美紀は、彼が死の直前、元妻・松嶋菜々子と共に追っていた「呪いのビデオ」の事がとっても気がかり。
・ 一方、失踪中の松嶋菜々子に代わり「呪いのビデオ」の調査を続けていた同僚・柳ユーレイは、リアルJKの深田恭子からビデオのコピーを入手。
・ 「こわいから絶対見ないつもりだったのに、昨日うっかり見ちゃったの・・ だからおじさんも絶対見てね!自分以外の人に見せないと、呪いが解けないから! 絶対だよ!」 とことさらに念押しする深田恭子。
・ 「もちのろんだよ!」と言いながら引き出しに直行させてしまう柳ユーレイ。クズい!

・ 縁あって、一緒に「呪いのビデオ」の調査をする事になった中谷美紀と柳ユーレイは、初期の犠牲者であるJK・竹内結子の死に立ち会ったという佐藤仁美の元を訪ねる。
・ 彼女は、竹内結子のあまりの死に様に精神のバランスを崩し、事件以来失語症を患ったまま入院生活を続けているのだという。
・ ここでマッドなサイエンティスト・小日向文世登場! コヒさんはこう見えてもオカルト・超常現象どんとこいで、佐藤仁美の体に起こっている不思議な変調についてさまざまな実験にためしてガッテンしているという。
・ すげえ胡散臭い目でコヒさんを見つめる中谷美紀。
・ 1週間放置された生ゴミを見るかのような眼差し。
・ 説明に躍起になるコヒさんの話を遮って退室してしまう中谷美紀。
・ 「このゴミクズが・・・!」とでも言いたげな一瞥をくれる中谷美紀。
・ と て も こ う ふ ん し ま す ね !
・ 部屋から出たトコロ、たまたま看護師さんに連れられた佐藤仁美と遭遇。 テレビを異様に怖がる佐藤仁美に配慮して、衝立を配備した上でのおさんぽだった筈が、いきなり衝立を払いのけ、テレビに歩み寄る佐藤仁美。
・ その時、テレビの画面が激しく乱れ、耳障りなノイズと共に井戸の映像が・・・。
・ 精神病院のみなさーんこーんにーちはー! わたしたち、いま会える終末ヒロイン山村貞子です!よろしくおねがいしまーす!
・ いま会いたいわけではなかったのに。
・ 錯乱状態に陥る佐藤仁美に駆け寄る中谷美紀。 腕をつかんだ瞬間、脳内に「呪いのビデオ」のイメージ映像が雪崩込んでくる。
・ 実は中谷美紀には、生まれつき『デッドゾーン』的なアレがナニしていたのだ。

・ 駅をブラ散歩していると、松嶋菜々子とその息子に遭遇する中谷美紀。
・ 「呪いのビデオ」を見てしまった息子を助ける為、自らの父親にビデオを見せた松嶋菜々子。 その結果父親は死亡。 息子は助かったものの、一連の騒動以来ショックから失語症を患ってしまい、世間から身を隠して生活していたのだという。
・ 佐藤仁美と息子の症状が似ている事に気づく中谷美紀。
・ つまり、貞子の呪いから助かった者は言葉を失い、尚且つなんらかの特殊能力に目覚めてしまうという事なのだろうか。
・ 松嶋菜々子もそのパターンのはずなんスけどね。
・ 柳ユーレイの密告で駆けつけた刑事により、参考人として連行される松嶋菜々子と息子。
・ 「逃げるのよ・・・!」とテレパシーでエールを送る中谷美紀。 それに応えるように念動力で刑事を絞め殺そうとする息子。
・ ちがうちがう、そうじゃない、そうじゃないんだよ。
・ 息子を奪還し、警察署から脱げ出す松嶋菜々子。 しかし、命懸けで守った我が子は既に魔物に取り憑かれている事を悟り、静かに死んでゆく。
・ 重要参考人の死に動揺する警察は、残された少年と中谷美紀が手に手を取って旅行に出かけようとしても完全スルー。  
・ かくして、少年の保護者となった中谷美紀は、彼を連れて貞子の故郷・伊豆大島へ。
・ 浜辺でやさぐれる山村のおじいちゃんから、貞子の出生秘話を聞いた中谷美紀。 そこに実験機材一式を持って現れる、ハードM氏こと小日向文世。
・ 果たしてコヒさんは、半分貞子に乗り移られた少年の魂を救えるのか・・ そして今度こそ貞子を成仏させる事が出来るのでしょうか・・・?




原作では、オカルト→科学サスペンス→SF と形を変えて紡がれていった『リング』シリーズ。
2作目の『らせん』までは同じベクトルで進んで行ったものの、諸事情から見送られた『ループ』に代わり、完全オリジナルで製作されたのが本作『リング2』な訳でして、ホラーなんだか科学なんだかよくわからんけどひたすらジトジトしていた『らせん』を潔く「無かった事」にして突き進む姿勢は好感が持てました。
というか、まぁね、乳繰り合わないのがいいですよね! 中谷美紀が純潔なままなトコロがね!

リングシリーズはすべて観ていたつもりだったのですが、今回この『リング2』を観てみたら、全く覚えのないシーンばかりで、どうやら自分が観ていたのは『ザ・リング2』の方だったのだな・・と言う事に気づいてしまいました。
要するに、初見だったので新鮮な気持ちで楽しめましたヨ。 (中谷美紀も乳繰り合いませんし!)
原点回帰とばかりに、1作目と同じ中田秀夫監督&高橋洋脚本コンビが復活。
全編に漂う磯臭さも、より一層身も蓋もない感じで表現されていてたのしかったですねぇ。
「人や物に触ると、その過去が読み取れてしまう」という中谷美紀のスーパーナチュラルパワーの設定が上手に活かされたドッキリシーンは、ふいに流れるでっかい音量と相まって肝をキュン・・・と冷やしてくれましたし、コヒさんに向ける蔑みの眼差し、少年に見せる慈愛に満ちた微笑み、一条ゆかりの漫画に出てきそうな「クワッ」と目が見開いたビックラ顔など、中谷美紀の様々な表情を堪能する事も出来、その筋の方にはたまらない仕上がりになっているのではないでしょうか。 出来れば踏みつけてほしかった。(ローファーの踵で)

のちのJホラーブームの火付け役となる『呪怨』に影響を与えたと思われるシーンも多く、さすがは『女優霊』の中田監督だなぁ、と感嘆した反面、「貞子の怒りを少年から発させ、それを中谷美紀を介しプールの水に流し込み、なんかビリビリーってやって成仏させる」という意味がわかるようで全くわからない解決方法やそれを実行する為の道具のインチキくささには苦い笑いが浮かんしまいました。
つまりアレか。 数の子を水に浸して塩分抜くようなものか。 貞子は数の子なのか。かずのこ(ピー)んじょうなのか!
(※塩分を抜くときは真水じゃなくて塩水に浸す方がうまくいくよ。これマメな。)

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(俊雄を彷彿とさせる白っぽい少年)(このあとダミアンみたいにおっかなくなります)(ただしリメイク版の方のダミアン)

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(実験の為、はずかしいかっこうをさせられる中谷美紀。 これはこれですばらしい。)

『らせん』でちょこっと科学な要素を取り入れた結果、ホラーとしては中途半端な内容になってしまった(そもそもホラーにするつもりは無かったそうですが)のですが、仕切りなおした今回まで、こんな風に「科学的な方法で呪いを解くよ!」と押し切られてもねぇ・・・。
で、結局貞子の呪いが放射されたプールに落っこちた中谷美紀と少年は、なぜか貞子の想い出のつまった井戸へと転送され、もはやこれまで・・・!となるのですが、そこにタイミングよく現れた真田広之のお蔭でさっくりと助けられるという・・・。
まあね、真田くんも中谷美紀に負けじ劣らずのサイキックですからね。

・・・

うん・・・、だったらもう、最初からヒロユキサナダが貞子とサシで闘えばよかったんじゃ・・・
 ゲフンゲフン



「ビデオを見る」・・・呪われて一週間後に死ぬ
「ビデオを他の人に見せる」・・・呪われないけど貞子に取り憑かれる
「ビデオを見た人の死に目に遭う」・・・声を失って、尚且つ貞子に取り憑かれる
「ビデオを見ていないけどもともと超能力がある」・・・すごい色々巻き込まれて、怨霊退治させられる
と、今まではバラバラだったビデオ被害者の設定は整ったものの、そのどこにも当てはめてもらえずひっそりとトラックに轢かれて逝った松嶋菜々子を思うと、胸が痛みますね。 ていうか、なんで出演依頼を承知しちゃったんだろう。 まだ「承知しました」の人じゃなかったのに。まだ「承知しました」の人じゃなかったのに。(そんなに大事じゃないけど2回言ってみました)

貞子が念写したビデオテープにまつわる『リング』騒動は、真田広之の活躍にてひとまず幕引きとなり、シリーズ最後は、そんな貞子の生い立ちが華麗に描かれた前日譚を残すのみとなりました。

という訳で、次回シリーズ第四作『リング0 バースデイ』感想に続きます。(たぶん)

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(磯臭さを取り戻した貞子。 ケーロケロ、ペータペタ!足っていいな、かけっちゃお!)




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『らせん』

2012年05月07日
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あらすじ・・・
・ 監察医の佐藤浩市が、突然死した古い友人・真田広之の解剖を行う。
・ 死体の第1発見者である、真田広之の恋人・中谷美紀から「呪いのビデオ」の話を聞く。
・ そのビデオを持ち込んだ張本人・松嶋菜々子は目下行方不明中。
・ と思いきや、事故死の状態で発見される菜々子(と息子)。
・ 松嶋菜々子の上司から、再び「呪いのビデオ」の話を聞く。
・ 余裕をかまして懐疑的な態度を取っていたら、モノホンのビデオを現物支給されてしまう。
・ もともと、水難事故で愛息を亡くして以来自殺願望に悩まされ続けてきた浩市だったので、思い切ってビデオを鑑賞してみることに。
・ もちろん、半信半疑だったから見たんだよ。
・ 信じてたら見てないよ。
・ だってそんなあなた・・ 科学の進歩が著しい現代社会において呪いだなんて・・そんな・・
・ ど っ こ い ガ チ だ っ た 。
・ がちゃがちゃとした編集のカイル・クーパー風不気味映像を堪能してしまった浩市。
・ 気を良くしたのか、ビデオから抜け出して会いに来てくれた貞子。
・ ビデオには映っていなかった「撮影秘話」まで教えてくれたよ。
・ 会いたくなくて 会いたくなくて ふるえた浩市。
・ ふるえていたら、中谷美紀がなぐさめてくれた。
・ 乳繰り合った。
・ ピーがピーしてピーされた中谷美紀の元に貞子降臨。
・ 真田広之の遺体から取り出していた腫瘍の病理検査に期待をよせる浩市。
・ 露出度の高い服装で、再び訪ねてきた中谷美紀。
・ 乳繰り合いの街角。
・ 翌日、中谷美紀の死体が彼女のマンションで発見される。 
・ 死体には出産した跡が。
・ 自分がピーした相手は、本当に中谷美紀だったのか、不安になる浩市。
・ どうだっけ・・・ 顔ってどんなだっけ・・・ たしか・・いやまてよ・・
・ よーく考えてみたら貞子でした。
・ つまり、一度目のナニは中谷美紀ちゃんだったんだけど、二度目のナニは一度目のナニで着床してぐんぐん育って産まれてきた貞子だったのだ、と。
・ ぐぬぬ。
・ 現世に転生を果たした貞子の真の目的とは・・? そして、死んだ後のジェダイマスターの如くちょいちょい出てくるヒロユキサナダの思惑とは・・・?


よおーし!おじさん「呪い」を科学的に解き明かしちゃうぞー! えーとね、えーとね、解剖の結果、心臓発作を引き起こした原因は心臓の冠動脈に出来た腫瘍だったんだよね、ほんでね、えーと、腫瘍を調べてみたら輪っかの形の新型ウィルスが出てきたのね、つまりこれは、ビデオを見る事によってなんらかの理由でウィルスが体に入り込み、その結果心筋梗塞が起こって亡くなったってわけ!ほらね!科学でしょ!論理的でしょ!ウィルスがどうやって体に入り込んだのかはわかんないけど、死因は科学的でしょ!ね、しっくりきたでしょ!

しっくり・・・  

・・

う わ ー し っ く り こ ね ぇ ー 。



オカルト色の強かった一作目からはガラリと装いを一新し、科学サンペンスミステリーみたいなアレでナニしてきた『らせん』。
原作を読んだのはもう十数年ほど昔になりますので、細部の記憶がごっそり抜け落ちているものの、この映画版とそんなに大幅な違いはなかったように思います。(中谷美紀演じる高野舞の役割が違っていたくらいでしょうか)
呪いのビデオの犠牲となった人々は、怨念で亡くなったのではなく貞子が生み出したウィルスで亡くなったのだ、と。
そう言われたトコロで、そのウィルスの媒体となったのはビデオであり菜々子が書き残した取材メモである為、「えっとえっと、目で見るだけで感染するんでしょ、うーんと、つまりえっと、それって結局呪いじゃね?」と釈然としない思いだけが駆け巡る事に。
一番肝心な部分が「情念一本勝負」なままで、その先だけを科学的にされてもねーなんかねーだったら全部オカルトでいいんじゃねえの。 と思ってしまうアガサだったのでした。
と、公開当時も思ってしまったので、今回が二回目の鑑賞でした。 たぶんもう、観返す事はないと思います。(いや、全くおもしろくない訳ではないのですけどね。)

貞子が味わってきた恐怖と絶望。
その全てを、たくさんの人にもわけてあげたい。
まずはそんな夢とロマンをぎっしり詰め込んだビデオを念写したものの、きょうび流出するのがビデオだけでは媒体として弱い。
そこで、ビデオから手記、手記から小説と、大掛かりなメディアミックスを展開し、ウィルスへと変化する「種」を全国に仕込みまくる貞子。 電通の人とか博報堂の人も真っ青やで。 凄腕メディアクリエイターやで。

それにしても、結局感染者を活かすも殺すも貞子のさじ加減ひとつというのがねぇ、非常にふわっとしていますよね。 シェフのきまぐれサラダみたいな。 「すみませーん、今日はちょっとシェフ虫の居所が悪いんで、塩ふったトマトだけですう」みたいな。 シェフも貞子も ち ゃ ん と せ え よ。
「どうすれば呪いを解けるのか?」について必死に考え、ビデオをダビングすればいいんじゃね?いや性交渉で種蒔きゃいいんじゃね?じゃなくて扱う媒体を増やすんじゃね? とためしてガッテンしてみせる登場人物の努力を鼻で笑うかのような態度が、とっても癪に障ります。

転生を果たしたニュー貞子と、前作のラストで彼女が今まで味わってきた地獄の責め苦を追体験した事により、貞子側につく事となった真田広之という、悪い社長と愛人の秘書みたいなカップルの誕生にて幕を閉じた本作。
真田広之に関しては、「前作では菜々子の頼れる相方として活躍していたのに、なぜ小悪党みたいなキャラになっちゃったの・・」と一抹の寂しさを感じなくもないのですが、 「これからどうなるの・・って?・・フッ・・なあに、今までに見た事のないような世界の終わりが始まるだけさ・・・」 みたいなセリフを上目遣いで吐く姿は厨二病をこじらせた人みたいでイイと思いました。
自分の恨みをはらしたい貞子。 
なんかでっかいコトをやり遂げたい真田くん。 
自分の罪悪感を消すためだけに子どもを再生しようとする佐藤浩市。
と、今回もエゴの塊みたいな人が周りのみんなを巻き込んですったもんだするに終始した『リング』シリーズ。
原作ではこのあと、「実は呪いのビデオの一件は全部、実験の為に作られた仮想現実世界での出来事だったんだよ!」と壮大にSF方面に舵をきった『ループ』が控えているのですが、諸事情で映像化は不可能とされており、映画作品としては、ふたたび中田監督がメガホンを執ったオリジナル作品『リング2』へと枝分かれして行く模様。

と、いうことで、次回シリーズ第三作『リング2』感想に続きます。(たぶん)


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『リング』

2012年05月02日
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あらすじ・・・
・ テレビ局でディレクターをしていたシングルマザーの松嶋菜々子が、突然死した親戚の女子高生・竹内結子のお葬式に行ったところ、なんとその死に様は、丁度取材中だった都市伝説の「呪いのビデオ」にそっくりだったのでした。
・ 竹内結子が死の一週間前に訪れていたという伊豆のペンションを訪ねてみると、無料貸出用ビデオラックの中にタイトルの無いテープが一本紛れております。 菜々子が再生した所、がちゃがちゃとした編集のカイル・クーパー風不気味映像が映し出されるのでした。
・ 再生が終わったが早いか、部屋の電話がクトゥルルルと鳴り響きました。 「ケロケロペチャクチャ」という名状しがたい音を耳にした菜々子は「イ・ヤアアーーー!」と声の限りに叫ぶのでした。
・ 追い込まれた菜々子。 別れた夫である真田広之に応援を要請し、幼い息子を放りっぱなしでビデオの出自について調査して回るのですが、ある晩ふと目を覚ますと、真っ暗な部屋で息子がこっそり呪いのビデオを観ていルルイエではありませんか。「ええちくしょう!」菜々子はこうなったら死ぬ気でビデオの謎を解くしかない、と心に誓うのでした。
・ ビデオに映っていた僅かな情報をたよりに向かった伊豆大島。 真田広之による神託の結果、どうやらビデオを作ったのは千里眼で一世を風靡した山村志津子の娘なのではないか、という事実にたどり着きます。
・ 島に住み続けていた志津子の兄・ザドック老人によると、志津子は小さい頃から海と人語を介さずに会話を楽しんでいたらしく、周りから一目置かれた存在であった、と。 その後千里眼でマスコミに持て囃されたものの手のひら返しでバッシングを受けた志津子は、娘を残し、失意のうちに火山に身を投げた事が判明。
・ 普通の人間と変わりない女の子として生まれたさダゴンは、母親を亡くしたあと一体どこに行ってしまったのか。 忌まわしき物語の始まりの場所、伊ン豆マウスに向かった菜々子と真田広之は、驚愕の真実を目にするのでありました。



数年ぶりに鑑賞したのですが、こんなにクトゥルフ風味強かったっけ?!と思うほどしっかりと「海要素」が描かれていた事に驚きました。
貞子の父は、本作ではいちおう「山村志津子の千里眼に目をつけた伊能博士」という事になっているのですが、志津子の兄のセリフから「実はそうではない」という怪奇色も匂わされています。
漁師仲間が皆恐れていた「海」と通じ合う志津子。 
いつの間にか生まれてきていた貞子。
貞子が常に濡れている点も、非常に磯くさくていいですね。(落とされたのは井戸ですけども)

実は、初めて『リング』を観た時、ラストに登場した「超下目づかい」がほんっっっっっとうにこわくてですね、当分夢に見てしまうほど後を引いてしまいまして、それ以来、本作が流れていても最後のシーンだけはチャンネルを変えていたのですよね。
おそろしい顔と言えば上目づかい、みたいなトコ、あったじゃないですか。 ほら、「うらめしや~」なんつっって言いながら見下す幽霊もいませんでしたし。
そんな固定概念をゴバーンと覆してしまった貞子の超下目づかい。
久しぶりに勇気を出して「くる・・ きっとくる・・・ ・・やっぱキタ━(゚∀゚)━!!」とばかりに観てみましたがやっぱりこわかったです。 白目部分充血しすぎだろ!何回撮り直したんだよ!!


(※ 本物はこわすぎるのでイメージ図でどうぞ)

自分の好奇心を満足させる為だけに、得体の知れないシロモノに手を出してしまい、その結果息子や夫の命までも死の危険に晒し、果てには自分たちだけが助かるために他の人間を巻き込む決断をする。
という、エゴの塊みたいなストーリーがとてもおもしろく、ショックシーンと呼べるようなものは最後のアレだけと言ってもいいかもしれませんが、それ以外のシーンにおいても、巧みに映しこまれた天井や鳴りそうで鳴らない電話などがじりじりとにじり寄るような恐怖を醸し出していて、とてもすばらしかったと思います。

それにしても、貞子のお骨をご供養すれば呪いは解ける・・かもしんない!とばかりに、井戸を探索するのはいいのですが、井戸の中に入る係が真田広之で、井戸の上から水の浸ったバケツを引き上げる係が松嶋菜々子って、それ役割の振り分けおかしいんじゃね? 
寿命があと1時間強しか残っていないという状態で、ひたすら井戸に満ち満ちる水を汲み出す菜々子。
汲んでは下ろし、また汲んでは下ろしの繰り返しで小一時間。
精も根も尽き果て、「もう無理よー!」と絶望する菜々子に、「ばっきゃろー死にたいのか!さっさとバケツを引き上げろ!」とヤジを飛ばす広之。
お ま え は 鬼 か 。

そんな鬼の広之が、さらに邪悪な一面を顕にする『らせん』で明かされる、呪いのビデオ・メイキング秘話とは・・・。
次回、シリーズ第二作『らせん』感想に続きます。(たぶん)


リング貞子
(※ 這いよれ!さダゴンさん)(←色々ちがう)

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『モテキ』

2012年03月31日
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お前がモテてるんじゃなくて、長澤まさみがモテてるんだよ! 見誤るな!



公開当時、鑑賞を終えた「是」の人と「非」の人たちが血で血を洗う抗争を繰り広げたと風の便りで聞いていた『モテキ』を観ましたよ。

主な内容をかいつまんで説明すると、
まともな恋愛をしたことがない非モテのアラサー男子(とは言っても傍から見れば普通にかっこいいメガネ男子)の藤本幸世は、フリーター生活に終止符を打たんとばかりに、サブカル系インターネットニュースサイト・ナタリーの就職試験に挑むが、面接官にセカンド童貞(筆は下ろしたもののそれ以降性交が無い)である事を嘲笑されたり、たまたま事務所に乱入してきた女性に刺されたり、と散々な目に遭って(けど、そのお陰で就職試験には合格する)しまう。 その後、新人ライターとして上司(巨乳でドSで仕事が出来て超絶美人)に罵倒されつつ忙しい日々(趣味と実益を兼ねた仕事なのでウハウハではあるが)を送る幸世は、ある日愚痴を書き込んでいたミニブログ「Twitter」上で同業者らしき人物・松尾から声をかけられる。 ライターならではのストレスや苦労を共有するうち、すっかり意気投合した二人はオフ会を催す事に。 リアルで会う事に若干の緊張が隠せない幸世。 すると目の前に想像もしない人物が現れる。 「こんにちは・・幸世くん?だよね?」。 なんと男性だと思っていた松尾は(巨乳で気立てもよさそうで超かわゆくてサブカルにも通じている20代の)女の子だったのだ! 出会って2秒で即ハ恋に落ちてしまった幸世は、松尾に自分の想いを伝えられない(ちゃっかりキスだけはしてしまうんだけども)まま、彼女に紹介された(美人で控えめで甲斐甲斐しく尽くすタイプの)OL・るみ子とも関係を持ってしまい・・・
という、まぁ要約するとモテていると勘違いした男が実はまんまと手玉にとられていたというお話だった訳ですね。

いや、あらかじめ断っておきますが、これは全てアガサの勘違いなのかもしれません。
監督が意図したものではないのかもしれない。(というかたぶんそう)
しかし、演出が作り出した奇跡なのか長澤まさみさんのナチュラルな成分のせいなのかはさておき、アガサには長澤さん演ずる「松尾みゆき」の立ち振る舞いが、すべて「高度な心理操作」にしか見えなかったのですよ! 眠そうにしてても目の奥がギラギラ光ってるトコとか、他意なくやっている事のはずが計算ずくでやっているようにしか見えないトコとかがね!
(ええとねええとね、本来は「眠そうな演技」の筈だったんだけど諸事情で眠そうに見えなかったとかじゃなくてね、「寝ている演技」がぎこちなさすぎて寝たふりにしか見えなかったとかそういうんじゃなくてね、うーんなんだろなぁ、この「言えば言うほど敵を増やしている」感じ!まいっか!うふふーオッケー!)

という訳で、今回は『モテキ』のモテ子・松尾みゆき嬢から読み解いた恋愛方程式、その名も【“女のプロ”はココがすごい!】をお送りしようと思います。 完全にアガサの独断と偏見の塊ですけどお送りしますよ!オーケーライドオン!

その1・初対面でもボディタッチ
たとえネット上では気心が知れている相手でも、直接会う時には多少なりとも緊張するのが人の常。
しかし、男を手玉に取る事に長けた女性(アガサはこれを“女のプロ”と名付けたよ)は、その緊張をいとも簡単にときほぐすのです。そう、さりげないボディタッチでね。 肩から始まり、背中、ふともも、そして最終的には自分のちちを相手の二の腕にこすりつけて華麗にフィニッシュ。 これで殿方は「アレ・・こいつオレに気があるんじゃね?」といっぱしのモテ男気分になる事まちがいなし!

その2・二次会に女友達を呼ぶ
すっかり(性的な意味で)ほろ酔い気分になった殿方をクールダウンさせるべく、友達を召喚する女のプロ。
もちろん友達は色気の無いジャンルの無難なタイプをチョイスします。 ここで、殿方は一旦「アレ・・やっぱグループで、ってコトか・・まぁそうだよね・・テヘヘ・・勘違いすんなよオレ・・」と涙混じりに鼻の頭をこすりつつ友達気分に原点回帰しようと努力します。 しかし、彼は気づいていない・・・意識的に「努力」しようとしている時点で、もう時既に遅しなのだと言う事に!

その3・初対面でも家でまったりする
グループ交際方面に舵をきった殿方の家で、友達も含めDVD鑑賞を楽しむ女のプロ。 お次の一手は再びボディタッチです。 タッチ、ノータッチからの再タッチです。 ここでのタッチは、ずばり「手つなぎ」プレイ。 そう、この世のほぼ全ての殿方が夢見ているであろう、「だらだらビデオを見ながら手をつないだり重ねたりカップルみたいに組み合わせたり」プレイです。 一緒に連れてきた友達には悟られないよう、体の陰(死角)でプレイすることで、「アレ・・?やっぱオレに気がある・・?」という期待と背徳感が間欠泉のように一気に噴き出す事でしょう!

その4・眠気をアピール
昭和タイプの女のプロは「あたし酔っちゃったみたい・・」と酔いをアピールしていたそうですが、平成のプロは違います。 男友達の家でまったりしている最中に眠気モードを稼働させる事で、プロの表情からは邪気が消え、純粋無垢な「甘え」の精神だけが残るのです。 そして殿方は、プロのあどけない「ねむいよう・・」の一言に今夜の勝利を確信する。 性的な意味での勝利をね!

その5・狸寝入りを駆使
ここで邪魔になるのが一緒に連れてきている女友達の存在です。 背徳感には一役かったものの、その後のイチャイチャには邪魔以外の何者でもない。 そんな状況を軽々と打開するのが、秘技「狸寝入りの術」。 始発電車で帰る事を提案する女友達の呼びかけには一切答えず、「こりゃもう動かせないな」と思わせるまで丸太のように転がるプロ。 諦めた女友達がひと足先に帰宅するやいなや、「むにゃむにゃ・・あれえ・・ねちゃってた・・?」と殿方にベイビーフェイスで問いかけます。 自分の家で、無防備にぽやんとしている寝惚けまなこの女の子。 あなたの心には何が残りましたか? そう、性欲ですね!

その6・何事も寸止め
シャワーを済ませ、殿方の服を借りてもなお、最終結合には及ばせないのが女のプロ。 誰とでも定額な世の中で敢えてファミリー割引にこだわり続けるドコモの如く、身持ちの硬さを貫くプロの姿は時に、「次こそは・・・!」という希望にも似た何かを感じさせる事でしょう・・・ そしてそれこそが、殿方が既にプロの術中にまんまとはまりこんでいる事の証明なのです!

その7・美人な友達を紹介
「彼女はオレのこと、好きなのかなぁ・・きらいなのかなぁ・・、いや、きらいではない筈なんだけど、でもどうなんだろう・・ああ・・気になるなぁ・・でも聞いてみて否定されるのもイヤだしなぁ・・・」。 おわかりいただけたでしょうか。これがきょうびの草食い男子です。 ダイレクトに聞けばいいのに。 聞 け ば い い の に 。  かように、気持ちを伝えない上確認する事すら躊躇う殿方が多い昨今、プロが編み出したのが「囮作戦」。 キレイめの女友達を紹介し、殿方の心を激しく揺さぶる作戦です。 「なかなか気持ちに応えてくれない彼女を思い続けるよりも、いっそ簡単に落とせそうで且つ美人の友達に乗り換える方が・・・いやしかし・・」とグラグラする殿方を思い切って放置。 仮に、彼が友達と一線を越えてしまったのを確認したら、即座に失望の色をあからさまにしつつその場を立ち去ります。 殿方の気持ちは、もはや「やってもうた」という後悔と「アレ・・ショック受けてるって コ ト は ?!」という期待でズブズブですね!

その8・追いつかれる程度に逃げる
どんな草食い野郎でも、好意を寄せている女性が目の前で思わせぶりに逃げれば、追わずにはいられないもの。 「あんな風に逃げ出すという事は、きっと追いかけて欲しいに違いない!」という根拠のない自信を抱かせる程度に逃げるのが、プロの腕の見せ所と言っても過言ではないでしょう。 「涙を見せる」「チラッチラッと視線をおくる」「逃げすぎない」といったポイントを抑えつつ、お互いの息が上がるまで逃げたら、あとは思う存分殿方の腕に飛び込んで相手の気持ちを受け入れてあげるプロ。 これらの一連の行動で「コイツはオレが一生守ってやらないと・・!」と堅く誓わせる所まで持ってゆくのがプロの流儀なのです。 


いかがだったでしょうか。 
このように、女のプロの手にかかれば、世の殿方は「オレってモテてる!」と思い込みながらいとも簡単に「運命の愛」を誓ってしまうものなのです。
ただし、誓っているのは殿方の方だけですので、プロはいつでもフリーエジェント宣言し、もっと条件のよい他の殿方へと電撃移籍を果たしてしまうことでしょう。 
その時きみは、刻の涙を見る・・・!

で、ここまではアガサによる「あの眠いアピールは全て計算だったに違いない」という判断に基づく妄想夢芝居だった訳ですが、仮に、計算ではなく純粋に眠かっただけで、その他の幸世を振り回すかのような言動も全てみゆき嬢の天真爛漫さゆえのものだったとしたら、『モテキ』は「不器用な男女による、とても甘酸っぱい恋愛活劇」だったと言えるでしょう。
妻帯者との不毛な恋愛に寂しさを感じていたみゆき嬢が、同世代で趣味も合う青年と出会い、心揺れ動かされ、迷走の果てに青年との愛を選ぶ
というね。 マジ苦々し甘酸っぱいですよね。
まぁその場合だったとしても、結局「本来好きなタイプとは違うタイプに寄り道した」だけですので、遅かれ早かれフリーエージェト宣言が飛び出すものと、アガサは推測しますケドね!
ゴメンね! 辛酸なめすぎたせいで心が錆び付いてる大人なもんでゴメンね!

という訳で、どちらにせよ、当人たち以外にとっては非常にはた迷惑な恋愛が繰り広げられていた本作ですが、恋愛なんてものはそもそもはた迷惑なシロモノですし、迷惑をかけたりかけられたりしながら、人は成長してゆくのではないかと思いますので、まぁ・・アレだ・・、みんなもがんばってネ!うふふ!オッケー!


- 追 記 -

・ 出てくる部屋や居酒屋などがいちちシャレオツ地獄! 机が樽とか!飲み屋さんの机がワイン樽とか!

・ 物語を邦楽で語らせる場面が多かったのですが、大江千里の「格好悪いふられ方」がカラオケ風に字幕付きで流れ始めた時は思わずゾっとしましたよ。(そのままの意味で)

・ TwitterやUSTREAM、ロフトプラスワンや野外フェスや多岐多様な邦楽などのおもしろさや楽しみ方を知っている人と、そういったものをあまり知らない人では、この映画に対する印象は違ってくるのかもしれませんね。 アガサはあまり知らないので、「えっえっ N'夙川BOYSってどう読むの?野外フェスってテント張って寝泊りするの?」とおのぼりさん気分で鑑賞しました。

・ みゆき嬢はさておき、主人公である幸世くんが心底クズい男でアガサは辟易したよ!

・ 冒頭、尾崎豊を軽くdisっていた幸世に、オレは今「耳の後ろがひどく臭くなる呪い」をかけた!(※アガサは数十年来の尾崎大好きっ子です)

・ みゆき嬢の親友・るみ子に告白され、勢いで一夜を共にしてしまったまではいいものの、「コーヒー淹れようか?あ、それとも何かごはんたべる?ウフフ」と含羞むるみ子にまともな返事すら返さず、露骨に「あ゛ーヤるんじゃなかったーくそー」と後悔してみせる、デリカシーの欠片もない幸世に、オレは今「30歳とは思えない程無残な生え際になる」呪いをかけた!

・ 女とみれば「自分はモテているのかモテていないのか」、はたまた「性交出来るのか出来ないのか」しか考えないゲスい幸世に、オレは今「ここぞいう時に限って中折れする」呪いをかけた!もちろん性的な意味でだ!

・ 要するに、幸世という人間は「本当の愛がしたい」のではなく「綺麗でちちがでかくて好みのタイプの女性とたんまり性交したい」だけなのではないでしょうかねぇ。

・ だから彼は作中で成長しない。 幼稚園児並みに駄々をこねながらなんとか一つ仕事を済ませた程度で、その後も公私の区別が全くつけれていない。 そういう所がものすごくイヤだなぁ、と思いました。

・ 計算なんだか天然なんだかは定かではありませんが、とりあえずアガサはみゆき嬢の「女子力」の高さに圧倒されましたね。 あのね、合コンの途中で離脱する時にね、「すみませ~ん!わたしここでドロンします~♪」とか正気の沙汰とは思えないですよね。 ほんでさらにその後ダメ押しで「シュッシュッシュ~」って手裏剣のパントマイムとかもう・・ ・・見える・・セットも何も無いのに、あの子の後ろに伊賀の里が見える・・・!!って こ わ い 子 !!


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『超・悪人』

2012年02月01日
超悪人_convert_20120125233108

あらすじ・・・
おい、これを見ているおまえ。これは滅多にお目にかかれへん貴重な映像やからな、しっかり見とけよ。
オレは女が大好きや。 そして、好きになったらもう、どうにもできん。気持ちを抑えられへんねん。
オレは惚れた女の家に入り、その女をズボる。
これはな、いうたらオレの愛情表現や。
ホンマはオレも、好きになった女と仲良くエッチしたいだけやねん。
せやけど時々、女はオレの気持ちを踏みにじる。 暴れてみたり、なんやったら大声出したりする。 これはあってはならない裏切り行為や。
そんな時はしょーがないから、愛用のハンマーで女の脳天を一発。
ポーン。 
ショブって終了や。
まあな。 こんなオレを「悪人」と罵る女もおるわ。 ええやんか。「悪人」。グっとくるわ。
オレは稀代の「悪人」や。 愛を求める狩人や。

今までやむを得ずショブった女は6人。
ズボった女は107人。
そしてオレはこれから、今までで一番惚れた女を抱きに行こうと思うてる。
丁度108回目の、愛の告白や。 
煩悩と同じ百八つやで。ちょっとおもろいやろ。
おい、これを見ているおまえ。 これは滅多にお目にかかれへん貴重な映像やろ。 どうや、108回目のズボり、気になるやろ。 
見たくないか。 
本当は見たくてたまらんのちゃうか。 
おい、どうやねん。
なあ。 おい。



とにかく強烈な映画でした。
全編通して延々と続けられる、不謹慎極まりない行為。
なかでも、冒頭に用意されている「主人公が自らの信条を具体的に説明する犯行ビデオ」は相当にエグく、それはまるで、第1ステージの頭からアルティメットクリフハンガーが登場するSASUKEの如きハードルの高さ。
クリフ_convert_20120201134610
(※ 最初からこんなの出ちゃったら 越 え ら れ る 気 が し な い !!)

「青春H」というパッケージに惹かれ、ついうっかり手にとってしまった方ですと、かなりの確率で脱落する事が予想される、この十数分の冒頭シーン。
主人公である「悪人」が一人暮らしの女性の家に上がり込み、彼女を縛り上げ、粗暴な言葉と暴力によって無理やり「強姦」を「和姦」へとすり替える様が、「悪人」自身が持つハンディカメラに収められるのですが、かくいうアガサも、あまりの惨たらしさに停止ボタンを押して、プレイヤーからDVDを取り出してしまいました。
そして、「自分はなぜ、こんな胸くその悪い映画を借りてしまったのか」「はたして自分はこのままコレを観続けるべきなのだろうか」と自問自答してしまう事小一時間。
「このままDVDを叩き割ってしまえ!」という心の声と闘いながらも、Twitterで励まして下さった方の声に背中を押されながら再びディスクをデッキに入れ、気が付けばエンドクレジットまでノンストップで食い入るように観てしまったのでした。
DVDを叩き割らなくて本当によかった。 
なにより、「ディスカスに弁償」という最悪のシナリオを辿らなくて、本当によかった。(喜ぶトコそこかァ?)

しかし正直に白状しますが、再生ボタンを押すに至るまでの間、実はアガサはネットで『超・悪人』のネタバレレビューを探してしまったのですよね。
もうね、とてもじゃないけど「この先もあんな調子で進んだらどうしよう」という恐怖に、一人では立ち向かえなかったのですよ。
よそさまのブログで見かけた「エグい冒頭から一転、想像もつかない展開をみせる」という一言で、ようやく続きを観る気になれた。
それくらい、本作の冒頭は残酷で、容赦なくて、観るに耐えないシロモノであり、そんなシロモノをなんだかんだ言いながら観てしまっている自分の罪深さにハっと気づいた時、『超・悪人』の真の恐ろしさに震える事となったのでした。
そう、なんだかんだ言って、気になってしまうのですよ。
ディスクを一旦取り出した時、「やめる」という選択肢もあった。 
でも、私はやめなかった。

本作に登場する「悪人」は、自分が107回目にやらかした強姦の映像を、とある実録犯罪系雑誌の編集部に送りつけ「インタビューを受けてやる」と申し出ます。
この時点での編集者の白石とライターのヤエコの状態は、テレビの前に座っているアガサと同じなのですよね。
明らかに凶悪な犯罪者である「悪人」を警察に通報し、挑発的なメッセージを拒絶するという選択肢もあった。
でも、しなかった。

白石監督の作品は、『ノロイ』『オカルト』『シロメ』しか観ていないのですが、前者2作品に共通する「観客をカメラマンの共犯者にしてしまう」技は今回も健在で、というか、ますます力強さを増し、有無を言わさずおぞましく自己中心的な犯罪に加担させてしまいます。
いくらでも「やめどき」がありながらも、「悪人」の話術と危険極まりない行為に魅入られたようにカメラを回し続ける編集者・白石はアガサそのものであり、「自分は見ているだけだから悪くない」という逃げ口上を笑い飛ばすように悪い方へと転がってゆく物語を、共に呆然としながらポカーンと口をあけて見守るしかありませんでした。
しかもタチの悪い事に、おもしろかったのですよね、それが。
白石もアガサも、たのしんでしまっていたのですよ。そんな不快な物語を。

と、こういう風に書いてしまうと「わしゃどんだけ鬼畜な人間なんやねん!」と自己嫌悪に陥ってしまいそうなので弁解しますが、本作はアガサがネットで見かけた一文の通り、酷すぎる冒頭シーン以降一気に思いもよらない方向へと舵を切りまして。
都合の良い言い訳と思われた「オレは好きになってしまっただけなんや」という言葉は、運命の相手と出会った事で真実の心の叫びとなり、似たような孤独と哀しみを経験してきた「悪人」と「被害者」は、あっという間に恋に落ち、お互いの愛を貪り合うように口づけを交わします。
「わかる・・・わかるで・・ずっと誰からも愛されなかったんやな・・ オレもや・・ このワキガのせいでな!


バーン

もうね、なんでここでワキガなのかと。
慈しむような表情を浮かべながら懐からミョウバンを取り出す「悪人」。
それを受け取り、感動のあまり涙ぐむ「被害者女性」。
なんかもうよくわからんけど、とりあえずお邪魔しましたー!
世の中には体臭に悩んでいる方も沢山いらっしゃると思いますし、その皆さんを嘲笑する気持ちは全くないのですが、このタイミングでワキガとか言われたらもう、笑うしかなかったのですよね。白石監督はちょっとばかり卑怯だと思うの!どんな緩急のつけ方やねん!

とまぁ、ワキガの一件は若干ズルいなぁと思うものの、とにかく「悪人」の熱情と「被害者」の純情ががっちり噛み合い、巻き込まれた編集者とライターが完全におミソ状態になってしまうくだりは異常にオカシクて、彼らはどんな結末を迎えるのだろうか・・と、気になって仕方ありませんでした。
「悪人」が吐き散らす胡散臭い関西弁もとても効果的で、ありえないほど滑稽な犯罪の打ち合わせシーンに吹き出した次の瞬間、今度は心臓がキュっと締め付けられる程怖くなるという・・・。
心底おぞましい物語を、こんな風におもしろく感じる作品にしてしまう白石監督をおそろしいと感じると共に、こういう「抜き具合」(笑いどころ)を用意してくれるのは、監督の「世の中の悪人」に対する優しさなのかなぁ・・と思ってしまいました。
なんだかんだ言って鑑賞する事をやめない、アガサのような「悪人」に対してもね。

・・・うーん、でも違うかな!わかんないや!わはは!!
(ドス黒いものに惹かれてしまう人を全部まとめて笑い飛ばしているようなトコロは優しさなのかなぁ・・と思ったのですが、もしかしたらとどめの一発なのかもしれませんね。ザ・混乱!)

とにかくこわい程おもしろい映画でした。
絶対におすすめしませんが、少なくともアガサは最後まで観てよかったと思いましたし、白石監督の他の作品も全部観てみたくなってしまいましたよ!


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(※ 本作で「悪人」を演じていた宇野祥平さん。 苦しみ抜いた後野垂れ死んで欲しいと思うほど憎たらしい。 アガサは冒頭のシーン以降しばらくは顔を観るのもイヤでした。)

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(※ そんな宇野さんの『オカルト』での姿がこちら! うそみたいだろ!同一人物なんだぜ! 和製チャンベールの称号を君に捧ぐ!!)


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