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『貞子3D』

2012年05月15日
貞子_convert_20120514140228

あらすじ・・・

さだこゎ這ぃ寄った…… 動画ぉ見たみんながまってる……

でも……拡散されちゃってて… ミラー動画まで……多ぃょ…

もぅつかれちゃった… でも…… 見たら呪われるって… みんなの期待…… ぁきらめるのょくなぃって……

そもそも… ホントゎ成仏してた……ケド… 「復活しないとダメだょ」って… ぃわれて……

さだこゎ……がんばった…… 井戸… 結構深ぃケド……

でも……ネイル…われて……イタイょ…… ぁ…… クラウド対応してるんだった……

……テレビもブラウン管じゃなくなったし… 液晶モニター… スマホとか超狭ぃ……

でも……さだこゎみんなのトコロに……これからも……ズッ…ズッ……って…… ズッ友だょ……!!



ということで、擬音的な意味での「ズッ友」こと山村貞子さんが全国のネットユーザーの元にズズっと駆けつける話題作『貞子3D』を鑑賞してきましたよ。
Ringu.jpg
(悠々這い出せていたブラウン管時代)

12年ぶりに復活を果たしたシリーズ最新作。
過去に一時代を築いた「リング」というタイトルを捨て、「貞子3D」という身も蓋もない題名になっている事からもわかるように、今回の目玉はとにかく「飛び出せ貞子」。その一点勝負だった訳ですが、いやぁ、実に気持ちのいい勝負でしたねぇ!
「飛び出す以外の事なんて、もうこの際どうでもいいんだよ!」
という、正しいのか間違いなのかはさておいた、非常にまっすぐな想いのもと撮影されたであろうびっくらかしシーンの連続に、忍び寄る眠気も吹き飛びました。
パソコンのモニターやスマホの画面や街頭の大型ビジョンから、貞子がちょいちょい飛び出すの飛び出さないのって奥さん。
「貞子=テレビの画面から出てくるひと」という固定イメージを文字通りの意味で再現する為だけに、成仏したはずの貞子を復活させてしまうというスタッフの無邪気さ。 キライじゃない。オレはキライじゃないよ!
『リング』『呪怨』に代表されるようなじっとりとしたホラーから大きく方向転換し、細かいことにこだわらずひたすらギミック重視で突き進んだ本作。 まるで遊園地のお化け屋敷に迷い込んだような感覚を味わえるのではないでしょうか。

砕け散るガラス、一斉に羽ばたく無数の蛾、ゆっくりと落下する黒髪の美少女などがデジタル感剥き出しのテカテカとしたビジュアルで描かれている為、テレビの画面で観てしまうとかなり不自然さが際立ってしまうのではないかと思うのですが、それもこれもすべて、大きなスクリーンで飛び出し効果を堪能して貰いたい・・・という作り手の情熱が込められているからこそのモノ。
もしも「そのうち観るかもな・・」と思っていらっしゃる方は、そのうちではなく是非劇場でご覧頂けたらと願うばかりです。
そうでないと、壮絶ガッカリするかもよ! そうでなくてもスーパーガッカリする内容なのに!


( 以 下 ネ タ バ レ で す )

・ 先に述べたように、飛び出し効果に関してはおなかいっぱいになれるのものの、ストーリーの方はというと「どうしてこうなった!」というハチャメチャな展開のオンパレードでしたよ。

・ ネット上でアーティスティックな活動をし、そこそこ人気を博していた雰囲気イケメン・柏田清司。 彼は他のアーティストを名指して批判した事から自分自身が壮絶にdisられ、大炎上の末ニコニコ動画の生放送中に自殺してしまいます。

・ すると、生放送を観ていた5人の視聴者が突然自殺。

・ 5人も・・・ というか5人しか見てなかったのか。

・ 元人気アーティスト&炎上物件の割には、スッカスカに過疎ってんのな!

・ それはさておき、実は柏田の自殺中継はただの当てつけではなく、壮大な計画の一端だったのです。 その計画とは、昔「呪いのビデオ」で一世を風靡した伝説の磯っ子・貞子を復活させる事。

・ 長くなりそうなのでかいつまんで説明すると、要は
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「オレをdisりやがって・・・世の中ぜんいん酷い目に遭え!」「おい!貞子!女の子の体を提供してやるから、それ使って復活してあいつらに仕返ししろ!」「結構な数提供してんのに、なんでいつまでたっても復活しねえんだよ!ああん?!」「女の子さらってくるのも疲れんだよ!ネットに釣り動画ばら撒いてやるから自分で探せよ!」「さくさく逆アクセスしろよコノヤロウ!」「人違いでした だぁ?!自分でなんとかしろよ!」「見つけたんならさっさと憑依するなりなんなりして復活しろよ!」「・・って乱暴に言ってごめんね・・それもこれも全て、オレがマジ貞子の事信頼してるからなんだよ・・・」 
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「ううん・・あたしこそごめんね・・・もっとがんばるから・・」
みたいなお話だった訳です!

 お も て た ん と ち ゃ う !!

・ イケメンにいいように利用されて、なんかもう完全にだめんず臭いんスけど! おい貞子!目を覚ますんだ貞子!

・ で、ハイパー磯っ子パワー全開の貞子を受け止める事ができるのは、これまた強力なサイキックでなければならないわけで。

・ 呪いだのなんだのと言いつつ、けっきょく超能力バトルになってしまう点は過去4作と共通しているので、特段違和感はないです。 

・ とはいえ、子どもの頃から「制御不可能な超能力」に振り回されてきたはずの石原さとみが、いざクリーチャー化した怨霊と闘うとなると、サイキックパワーを使う事なくただ単にワーキャー泣き叫ぶだけのゆるふわ女子に成り下がってしまい、とてもじゃなくけど超能力バトルって雰囲気でもないので、やっぱり違和感ありまくりです。 

・ 過去のテンションからかけ離れている為、てっきり「今までのアレは無かった事にする戦法」なのかと思っていたのですが、途中で登場した石原さとみの恋人の名前を聞いてビックリ。 なんと恋人は「安藤孝則」だったのです!

・ 説明しよう!「安藤孝則」とは、『らせん』で貞子の現世転生に一役買った医者・安藤満男(佐藤浩市)が、事故死した我が子を蘇らせるため貞子の子宮を借りて作ったクローン人間なのである!

・ 今までのアレ(「リング」シリーズ)と全部繋がってたー!

・ ていうか「安藤孝則」でわかるか?フツー? どんだけ「リング知識」求められるんだよ!

・ アガサはたまたま「リング」シリーズを観直したばかりだったので、「ん・・・?安藤・・?」と思ったものの、この情報だけで『らせん』のアレとつなげるってハードル高すぎじゃね?  と思っていたら、今回の映画化に原作者の鈴木光司さんががっつり協力していると知ってこれまたビックリ。

・ どうやら鈴木さんは「貞子復活」の打診を快諾し、自らも、映画の公開と合わせて本作の原案となる小説『S(エス)』を発表された模様。 こちらは映画のストーリーとは違った形となっており、『らせん』と『ループ』の間に位置する物語となっているとの事です。

・ てことは、なんだかんだあっても結局最後は「コンピューター上に作られた仮想現実での話だからね!(←いちおう反転)」で終わるということなんですね! 確かに本編でも謎めいた女性が「この世はすべて作り物なんですよ・・」って言ってたし! ま、とどのつまりは何でもアリってことだな!オッケー!

・ 貞子によって再生された安藤孝則がそうとは知らず自らの生みの親と対峙してしまう、という設定はなかなかおもしろいと思うのですが、脚本の中でそれが活かされていたかというと、これが実に微妙でして。 というか、何もかも微妙なんですよね。 サイキックさとみの実力も、クローン人間・安藤孝則と貞子の関係も、動画を観て死んでゆく人の「死亡タイミング」も、そもそも貞子が何をしたかったのかも。 つじつまも統一感も何もないのですよ。  過去の「リング」シリーズにもつっこみドコロは山ほどありましたので、重箱をつつくような事は野暮かなぁ・・と思うのですが、それにしても今回のはちょっとハチャメチャすぎましたねぇ。 おらなんだかガッカリしたぞ!

・ まあね、まあね、ホラーではなくアトラクション感覚で観れる映画として作りたかったのでしょうから、その目的は大いに達成できていたと思いますよ。 恐怖に打ち震える事はなく、ビックリドッキリしながらたのしく鑑賞できましたし。

・ プロ野球の始球式に貞子を登場させたり、巨大なハリボテの貞子を乗せた車で都内を走行したり、渋谷のスクランブル交差点を大量の貞子に練り歩かせたりという、意表をついた宣伝を行う事で「貞子はこわくない!むしろワロス!」と、これまでのおっかなかったイメージを一新させ、今まで『リング』シリーズを観た事のなかった「非ホラー層」のお客様までもを取り込む事に成功したコトもすばらしいと思います。

・ 要は、自分が映画に何を求めて行くか、に尽きるのですよね。 「ストーリーや情感が肝心!」という方にはまったくもっておすすめ出来ないペラい作品ですし、「3Dメガネで臨場感あふれる貞子を味わいたい!」という方には大満足の逸品です。 ちなみにアガサは「貞子をスクリーンで観れるチャンスを無駄にしたくない!」というスキモノですので、ガッカリな気持ちなんてものともせず普通にたのしみましたよ! ごめんなみんな・・・!オレは参考にならないブログNo.1を目指す!

・ 大型ビジョンから貞子の髪ファッサー! とか、クケケケケ・・って鳴きながらM字開脚でピョンピョン跳ねてくるカマドウマ状態の貞子! とか、純粋におもしろかったですし。 あいつらアレなのな!井戸に落とされた時はスカート履いてたハズのなのに、M字でもパンツ丸見えにならないようズボン仕様に変わってんのな!(←後ろからのシーンの時凝視した) どんな配慮やねん!

・ 橋本愛ちゃんが可愛すぎて悶えた。

・ 人間の好奇心を巧みに利用し、常にその時代に合った宣伝方法と媒体を選ぶスゴ腕メディアクリエーター・貞子が次に打つ手は何なのか。 今後も適度に注視してゆきたいと思います。



関連記事
『リング』(シリーズ1作目)・感想
『らせん』(シリーズ2作目)・感想
『リング2』(シリーズ3作目)・感想
『リング0 バースデイ』(シリーズ4作目)・感想



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『リング0 バースデイ』

2012年05月11日
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あらすじ・・・
・ 昭和40年代の伊豆大島。 とある小学校を訪れた記者・田中好子は、一人の女性教師から彼女が10数年前に受け持っていた生徒についての奇っ怪な逸話を聞く。 生徒の名前は山村貞子。 「伊豆大島に志津子あり」と謳われた伝説の超能力者・山村志津子の一人娘にして、のちに「呪いのビデオ」を生産し現代人を恐怖のるつぼに叩き込む事になる、最強のサイキック・貞子です。
・ 実は、ランちゃんミキちゃんで言うところのスーちゃんこと田中好子は、愛する婚約者が「山村志津子の千里眼を検証する会」の最中不審な死を遂げて以来、その原因は貞子にあるに違いない、と断定して独自の調査を進めていたのです。
・ その頃、渦中のひと貞子はというと、東京の小劇団で研修生をしていました。

・ 舞台稽古中の看板女優をじっとりと見つめる貞子。
・ よりにもよって、舞台のど真ん中に腰を据え、看板女優の演技を凝視する貞子。
・ やりづれー。
・ 稽古後、貞子の粘着っぷりを愚痴っていた看板女優は、他の団員と話をしているうちに奇妙な事に気付いてしまいます。 どうやらほとんどの劇団員が、貞子が入団して以来「ふちの欠けた井戸が出てくるおっかない夢」を見ているらしいのです。
・ 「アイツなんかおかしいんじゃね・・・」と危機感を募らせる看板女優。
・ しかし、そんな彼女は公演初日を控えたある日突然死してしまうのでした。
・ 演出家の一存により、代役として大抜擢される貞子。
・ 劇団に吹き荒れる、ねたみそねみひがみの嵐・・!
・ そんな中、ただ一人貞子に好意的な態度をみせる、音響担当の田辺誠一。
・ 親切な田辺誠一に対し、「わたし・・なぜだか時々記憶がなくなっちゃうんです・・・」と胸襟を開いているうちに、なぜか朝チュンしていた貞子。
・ ホントになぜなんだか全くわからない。(そこまでの流れが)
・ すっかり彼氏気分の田辺誠一。
・ おもしろくないのは、そんな田辺誠一と友達以上恋人未満な関係だった劇団員・麻生久美子。 いやまあ確かに彼氏ではなかったけども。 ほら、微妙なニュアンスみたいなものがあるじゃないですか。 「これはイケるな!」みたいなのがさぁ・・・。

・ 色々な思惑が蠢くなか、貞子の居場所を嗅ぎつけたスーちゃんが、新作公演の取材という名目で劇団を直撃。
・ 「主演女優」を激撮すべくカメラを向けると、貞子の気功砲を喰らい粉々に砕け落ちるフラッシュ。
・ 持ち帰ったフィルムを現像してみると、貞子の背後にガッツリ写り込んだ髪の長い少女の白い影。
・ 劇団員の写真を見てみると、なんかもう知らない間に全員呪われちゃってます。
・ おおざっぱな展開だな!
・ そんな中、スーちゃんの元を訪れる伊豆大島の小学校教師。 
・ 教師いわく、「実はこないだは内緒にしてたんスけど、むかし彼女のおうちを家庭訪問した時、髪の長い白い服の少女が天井を這い回り、冒涜的な角度でこちらを覗いていたのを見ちゃったんスよね」
・ ははーん、貞子は2人いるんだな・・・ と察するスーちゃん。
・ 察しがいい人ばっかり出てくるので、実にサクサクと物語が進みます。

・ その頃、公演初日を控えたステージ上では、貞子にベタ惚れ状態の演出家が貞子の出自をネタに自分とネンゴロになる事を強要して、こっぴどくフラれていました。
・ しつこく食い下がる演出家に突如殴りかかる田辺誠一。
・ どこに居たんだよ田辺誠一。
・ 揉み合いの末に演出家を殺してしまう田辺誠一。 自らも傷を負ったので、とりあえず貞子のかかりつけの病院へ。
・ 自首を考えていた誠一の目に、貞子が手かざし療法で入院患者の病を治している光景が飛び込んでくる。 「これはひょっとしたら・・ 自首しなくて済むかもしれん・・・!」 とばかりに、ステージに戻ることを提案する田辺誠一。
 
・ そしていよいよ迎えた本番の朝。 ステージに戻った貞子と田辺誠一は、袖に放置していた演出家の死体を大道具の陰に隠し、舞台の成功を祈る。
・ え、そんだけ?!(蘇らせるとかじゃないのな)
・ スーちゃんはというと、麻生久美子を懐柔し、貞子の出演場面に合わせて「山村志津子の千里眼を検証する会」の録音テープを流す作戦を決行。
・ お芝居の真っ最中にヘンな音声が流れ始め、騒然となる会場。
・ 音声に反応するように現れた志津子の亡霊を見て青ざめる貞子。
・ 雑に隠してあった演出家の死体を見つけてしまい青ざめる団員。
・ 全ての責任を押し付けられ、暴徒と化した団員から暴力的制裁を加えられた貞子は帰らぬ人となってしまう。
・ もう一人の貞子を殺さない限り劇団員にかかった呪いは解けない、と吹聴するスーちゃんに丸め込まれた団員たちは、ラブワゴンに乗り込み、伊豆にある伊熊博士の別荘に向かう。 そこで伊熊博士の口から語られた、途方もない事実。 「実は貞子は2人いるのじゃよ・・!」
・ うん・・・ それもう知ってる!
・ 一方、なんとなく一行について来たものの、貞子の死を受け入れられず涙に暮れるばかりだった田辺誠一は、ただのしかばね状態だった貞子の体が再び脈を打ち始めるのを目の当たりにする。
・ 果たして貞子と田辺誠一の愛は成就するのでしょうか・・? そして、もう一人の貞子の正体とは・・? 



1991年に小説が発行されて以来、ドラマや映画など様々な媒体に形を変え、沢山の人々を恐怖のるつぼに叩き込んできた『リング』シリーズ。
井戸と言えば貞子、黒髪白ワンピと言えば貞子、クルーと言えばきっと来るのが貞子、と、広く認知される事となった元祖スクリーム・クイーン(※ただし叫ばせる方)の知られざる過去に肉薄した本作は、原作者・鈴木光司さんによる短編小説「レモンハート」をベースにちょい足しを重ねた結果、原形を留めない衝撃の1本となっておりました。
何が衝撃って、ストーリーもさることながら、何より貞子に扮している仲間由紀恵の棒っぷりがね、観る者にちょっとした呪いをかけるレベルなんですよ!「おまえはだんだん眠くなーる・・・!」という呪いをね!

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(気 功 砲 !)

ドラマや映画での端役を経て、本作のオーディションを射止めた事から一気にブレイクへの道をひた走ることになった(らしい)仲間由紀恵さん。
まだまだ女優としては駆け出しの状態だった(今が成熟しているのかどうかはわかりませんが)仲間さんでも安心して演じて頂けるように、今回の貞子は「普通バージョンと邪悪バージョン」の2種類が存在していた、という衝撃設定を採用。
伝説の超能力者・山村志津子が「海からきたばけもの」との間に産み落とした天然モノの磯っ子・貞子。
彼女は、産まれた当初こそひとりの人間だったものの、途中の段階で「普通」と「邪悪」のふたつに分離してしまう。
「普通の」方の貞子は、強い霊能力を持ちながらもすくすくと成長し、一方「邪悪」な方の貞子は薬によって成長をとめられ、育ての親である伊熊博士の別荘内に監禁された。
「邪悪」な貞子は監禁状態をものともせず、折に触れては「普通」の貞子の身の回りに災いをもたらし、「普通」の貞子は不幸の連続だった過去から生まれ変わるため女優への道を目指すように・・・。
仲間さんは当然のごとく、この「純真無垢な普通バージョン」担当で、彼女が本来もつ清楚な雰囲気を壊すことなく、トレードマークの黒髪を活かした「今までにない貞子像」を作り上げた・・・はずだったのですが、いや、確かに雰囲気も黒髪もばっちりだったのですが、とにかくそれ以外が致命的なんですよね。 それ以外のすべてが。

「邪悪バージョン」がちょっかいを出してくるせいで、常に周りから「ヘンな子」扱いされ、誰からも理解されずひとりぼっちで生きてきた「普通バージョン」の貞子。
ところが、ほとんど変わることのない表情や、一本調子の台詞回しからは、「普通じゃない人生を強いられてきた」貞子の悲しみも絶望も孤独も、何も伝わってこないのですよ。
「悲しみを帯びた瞳」は「辛気臭い表情」にしか見えませんし、「陰のある佇まい」も「ボケーっとしている人」にしか見えない。
彼女にはじめて優しく接してくれた田辺誠一との間に生まれる儚い愛も、「あれ・・・いつのまに・・・」と突拍子もない展開に感じられてしまう始末。
もうね、抑揚のないシーンの連続を前に睡魔との戦いに必死で、正直「グッド貞子」とか「バッド貞子」とか置いてけぼりでしたもんね。
あと、そんな「新人女優」の呪いが蔓延したのか、共演者の麻生久美子とか田辺誠一もどえらい「棒」だったという。 (役者としてのキャリア的には)おそろしい話やで!

「特殊能力」×「無理解」=「血の海」 という『キャリー』っぽい悲劇に、「種族を超えた純愛」をプラスしたかったのかなぁ・・・ という気はするのですが、色々な残念要素が祟って、成功には程遠い出来栄えとなっていたのではないでしょうか。
「貞子が2分割しちゃったよ!」という奇抜な展開もねぇ・・・。 
「薬で成長を止めた」というのならば、「邪悪な貞子」は実体を持つ存在なのだと思うのですが、その割には神出鬼没で霊体っぽさ満開でしたし。
一度は死んだ「普通の貞子」が「邪悪な貞子」と合体する事で復活する、という終盤の展開を見ても、やはりふたりはそれぞれ別の実体ではなく、精神的な意味合いで分離していただけなのかなぁ・・と思うのですが、だったら別荘にあった「結合双生児」のイラストや「監禁用のテレビ部屋」はなんだったのか、という事になってしまうじゃないですか。 ごめんなさいね!細かいトコロが気になる性格で!
  

ということで、今回改めてシリーズを通して鑑賞してみたのですが、ホラー路線から早々に離脱した原作と違う展開を取り入れるたびに、辻褄の合わなさっぷりが際立ったり「要するになにがしたかったのか」がわからなくなったりしていて、ホントもったいないなぁ・・と思いました。
オカルトならオカルトだけを突き詰めて、妙に「不幸な生い立ち云々」で装飾する事無く、どうどうと「得体の知れない邪悪な存在」として描ききった方が、「ホラー映画」としては良かったのではないか、と。
だってほら、正体なんかわからない方がおもしろいじゃんか。
湿っぽいのは出自だけにしておくれよ! 磯っ子なだけに!

明日からいよいよ、実に12年ぶりに製作されたリングシリーズ最新作『貞子3D』が公開となる訳ですが、今までのあれやこれやは潔く全て「なかった事」にし、とことん性悪で粘着でいかにも成仏しなさそうな貞子となっている事を切に願いますね!
取ってつけたような裏設定や因縁話はもういいから、びっくらかしに専念してくれればいいと思うよ!ぼくは!


でででん
(※ 本作中いちばんのショックシーン・・・ぬーん!って物陰から飛び出す貞子)

すみません、
(※ か ん ぜ ん に 一 致 ! ! )






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『リング2』

2012年05月08日
リング

あらすじ・・・
・ 松嶋菜々子と真田広之が発掘した白骨化死体の身元確認に呼ばれてきたザドック山村さんちのおじいちゃん。
・ 刑事いわく、死体が見つかった井戸は30年間明けられた痕跡がなかったものの、中の死体そのものの死亡推定時期はほんの2,3年前だったという。
・ 突然死した真田広之の恋人だった中谷美紀は、彼が死の直前、元妻・松嶋菜々子と共に追っていた「呪いのビデオ」の事がとっても気がかり。
・ 一方、失踪中の松嶋菜々子に代わり「呪いのビデオ」の調査を続けていた同僚・柳ユーレイは、リアルJKの深田恭子からビデオのコピーを入手。
・ 「こわいから絶対見ないつもりだったのに、昨日うっかり見ちゃったの・・ だからおじさんも絶対見てね!自分以外の人に見せないと、呪いが解けないから! 絶対だよ!」 とことさらに念押しする深田恭子。
・ 「もちのろんだよ!」と言いながら引き出しに直行させてしまう柳ユーレイ。クズい!

・ 縁あって、一緒に「呪いのビデオ」の調査をする事になった中谷美紀と柳ユーレイは、初期の犠牲者であるJK・竹内結子の死に立ち会ったという佐藤仁美の元を訪ねる。
・ 彼女は、竹内結子のあまりの死に様に精神のバランスを崩し、事件以来失語症を患ったまま入院生活を続けているのだという。
・ ここでマッドなサイエンティスト・小日向文世登場! コヒさんはこう見えてもオカルト・超常現象どんとこいで、佐藤仁美の体に起こっている不思議な変調についてさまざまな実験にためしてガッテンしているという。
・ すげえ胡散臭い目でコヒさんを見つめる中谷美紀。
・ 1週間放置された生ゴミを見るかのような眼差し。
・ 説明に躍起になるコヒさんの話を遮って退室してしまう中谷美紀。
・ 「このゴミクズが・・・!」とでも言いたげな一瞥をくれる中谷美紀。
・ と て も こ う ふ ん し ま す ね !
・ 部屋から出たトコロ、たまたま看護師さんに連れられた佐藤仁美と遭遇。 テレビを異様に怖がる佐藤仁美に配慮して、衝立を配備した上でのおさんぽだった筈が、いきなり衝立を払いのけ、テレビに歩み寄る佐藤仁美。
・ その時、テレビの画面が激しく乱れ、耳障りなノイズと共に井戸の映像が・・・。
・ 精神病院のみなさーんこーんにーちはー! わたしたち、いま会える終末ヒロイン山村貞子です!よろしくおねがいしまーす!
・ いま会いたいわけではなかったのに。
・ 錯乱状態に陥る佐藤仁美に駆け寄る中谷美紀。 腕をつかんだ瞬間、脳内に「呪いのビデオ」のイメージ映像が雪崩込んでくる。
・ 実は中谷美紀には、生まれつき『デッドゾーン』的なアレがナニしていたのだ。

・ 駅をブラ散歩していると、松嶋菜々子とその息子に遭遇する中谷美紀。
・ 「呪いのビデオ」を見てしまった息子を助ける為、自らの父親にビデオを見せた松嶋菜々子。 その結果父親は死亡。 息子は助かったものの、一連の騒動以来ショックから失語症を患ってしまい、世間から身を隠して生活していたのだという。
・ 佐藤仁美と息子の症状が似ている事に気づく中谷美紀。
・ つまり、貞子の呪いから助かった者は言葉を失い、尚且つなんらかの特殊能力に目覚めてしまうという事なのだろうか。
・ 松嶋菜々子もそのパターンのはずなんスけどね。
・ 柳ユーレイの密告で駆けつけた刑事により、参考人として連行される松嶋菜々子と息子。
・ 「逃げるのよ・・・!」とテレパシーでエールを送る中谷美紀。 それに応えるように念動力で刑事を絞め殺そうとする息子。
・ ちがうちがう、そうじゃない、そうじゃないんだよ。
・ 息子を奪還し、警察署から脱げ出す松嶋菜々子。 しかし、命懸けで守った我が子は既に魔物に取り憑かれている事を悟り、静かに死んでゆく。
・ 重要参考人の死に動揺する警察は、残された少年と中谷美紀が手に手を取って旅行に出かけようとしても完全スルー。  
・ かくして、少年の保護者となった中谷美紀は、彼を連れて貞子の故郷・伊豆大島へ。
・ 浜辺でやさぐれる山村のおじいちゃんから、貞子の出生秘話を聞いた中谷美紀。 そこに実験機材一式を持って現れる、ハードM氏こと小日向文世。
・ 果たしてコヒさんは、半分貞子に乗り移られた少年の魂を救えるのか・・ そして今度こそ貞子を成仏させる事が出来るのでしょうか・・・?




原作では、オカルト→科学サスペンス→SF と形を変えて紡がれていった『リング』シリーズ。
2作目の『らせん』までは同じベクトルで進んで行ったものの、諸事情から見送られた『ループ』に代わり、完全オリジナルで製作されたのが本作『リング2』な訳でして、ホラーなんだか科学なんだかよくわからんけどひたすらジトジトしていた『らせん』を潔く「無かった事」にして突き進む姿勢は好感が持てました。
というか、まぁね、乳繰り合わないのがいいですよね! 中谷美紀が純潔なままなトコロがね!

リングシリーズはすべて観ていたつもりだったのですが、今回この『リング2』を観てみたら、全く覚えのないシーンばかりで、どうやら自分が観ていたのは『ザ・リング2』の方だったのだな・・と言う事に気づいてしまいました。
要するに、初見だったので新鮮な気持ちで楽しめましたヨ。 (中谷美紀も乳繰り合いませんし!)
原点回帰とばかりに、1作目と同じ中田秀夫監督&高橋洋脚本コンビが復活。
全編に漂う磯臭さも、より一層身も蓋もない感じで表現されていてたのしかったですねぇ。
「人や物に触ると、その過去が読み取れてしまう」という中谷美紀のスーパーナチュラルパワーの設定が上手に活かされたドッキリシーンは、ふいに流れるでっかい音量と相まって肝をキュン・・・と冷やしてくれましたし、コヒさんに向ける蔑みの眼差し、少年に見せる慈愛に満ちた微笑み、一条ゆかりの漫画に出てきそうな「クワッ」と目が見開いたビックラ顔など、中谷美紀の様々な表情を堪能する事も出来、その筋の方にはたまらない仕上がりになっているのではないでしょうか。 出来れば踏みつけてほしかった。(ローファーの踵で)

のちのJホラーブームの火付け役となる『呪怨』に影響を与えたと思われるシーンも多く、さすがは『女優霊』の中田監督だなぁ、と感嘆した反面、「貞子の怒りを少年から発させ、それを中谷美紀を介しプールの水に流し込み、なんかビリビリーってやって成仏させる」という意味がわかるようで全くわからない解決方法やそれを実行する為の道具のインチキくささには苦い笑いが浮かんしまいました。
つまりアレか。 数の子を水に浸して塩分抜くようなものか。 貞子は数の子なのか。かずのこ(ピー)んじょうなのか!
(※塩分を抜くときは真水じゃなくて塩水に浸す方がうまくいくよ。これマメな。)

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(俊雄を彷彿とさせる白っぽい少年)(このあとダミアンみたいにおっかなくなります)(ただしリメイク版の方のダミアン)

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(実験の為、はずかしいかっこうをさせられる中谷美紀。 これはこれですばらしい。)

『らせん』でちょこっと科学な要素を取り入れた結果、ホラーとしては中途半端な内容になってしまった(そもそもホラーにするつもりは無かったそうですが)のですが、仕切りなおした今回まで、こんな風に「科学的な方法で呪いを解くよ!」と押し切られてもねぇ・・・。
で、結局貞子の呪いが放射されたプールに落っこちた中谷美紀と少年は、なぜか貞子の想い出のつまった井戸へと転送され、もはやこれまで・・・!となるのですが、そこにタイミングよく現れた真田広之のお蔭でさっくりと助けられるという・・・。
まあね、真田くんも中谷美紀に負けじ劣らずのサイキックですからね。

・・・

うん・・・、だったらもう、最初からヒロユキサナダが貞子とサシで闘えばよかったんじゃ・・・
 ゲフンゲフン



「ビデオを見る」・・・呪われて一週間後に死ぬ
「ビデオを他の人に見せる」・・・呪われないけど貞子に取り憑かれる
「ビデオを見た人の死に目に遭う」・・・声を失って、尚且つ貞子に取り憑かれる
「ビデオを見ていないけどもともと超能力がある」・・・すごい色々巻き込まれて、怨霊退治させられる
と、今まではバラバラだったビデオ被害者の設定は整ったものの、そのどこにも当てはめてもらえずひっそりとトラックに轢かれて逝った松嶋菜々子を思うと、胸が痛みますね。 ていうか、なんで出演依頼を承知しちゃったんだろう。 まだ「承知しました」の人じゃなかったのに。まだ「承知しました」の人じゃなかったのに。(そんなに大事じゃないけど2回言ってみました)

貞子が念写したビデオテープにまつわる『リング』騒動は、真田広之の活躍にてひとまず幕引きとなり、シリーズ最後は、そんな貞子の生い立ちが華麗に描かれた前日譚を残すのみとなりました。

という訳で、次回シリーズ第四作『リング0 バースデイ』感想に続きます。(たぶん)

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(磯臭さを取り戻した貞子。 ケーロケロ、ペータペタ!足っていいな、かけっちゃお!)




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『らせん』

2012年05月07日
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あらすじ・・・
・ 監察医の佐藤浩市が、突然死した古い友人・真田広之の解剖を行う。
・ 死体の第1発見者である、真田広之の恋人・中谷美紀から「呪いのビデオ」の話を聞く。
・ そのビデオを持ち込んだ張本人・松嶋菜々子は目下行方不明中。
・ と思いきや、事故死の状態で発見される菜々子(と息子)。
・ 松嶋菜々子の上司から、再び「呪いのビデオ」の話を聞く。
・ 余裕をかまして懐疑的な態度を取っていたら、モノホンのビデオを現物支給されてしまう。
・ もともと、水難事故で愛息を亡くして以来自殺願望に悩まされ続けてきた浩市だったので、思い切ってビデオを鑑賞してみることに。
・ もちろん、半信半疑だったから見たんだよ。
・ 信じてたら見てないよ。
・ だってそんなあなた・・ 科学の進歩が著しい現代社会において呪いだなんて・・そんな・・
・ ど っ こ い ガ チ だ っ た 。
・ がちゃがちゃとした編集のカイル・クーパー風不気味映像を堪能してしまった浩市。
・ 気を良くしたのか、ビデオから抜け出して会いに来てくれた貞子。
・ ビデオには映っていなかった「撮影秘話」まで教えてくれたよ。
・ 会いたくなくて 会いたくなくて ふるえた浩市。
・ ふるえていたら、中谷美紀がなぐさめてくれた。
・ 乳繰り合った。
・ ピーがピーしてピーされた中谷美紀の元に貞子降臨。
・ 真田広之の遺体から取り出していた腫瘍の病理検査に期待をよせる浩市。
・ 露出度の高い服装で、再び訪ねてきた中谷美紀。
・ 乳繰り合いの街角。
・ 翌日、中谷美紀の死体が彼女のマンションで発見される。 
・ 死体には出産した跡が。
・ 自分がピーした相手は、本当に中谷美紀だったのか、不安になる浩市。
・ どうだっけ・・・ 顔ってどんなだっけ・・・ たしか・・いやまてよ・・
・ よーく考えてみたら貞子でした。
・ つまり、一度目のナニは中谷美紀ちゃんだったんだけど、二度目のナニは一度目のナニで着床してぐんぐん育って産まれてきた貞子だったのだ、と。
・ ぐぬぬ。
・ 現世に転生を果たした貞子の真の目的とは・・? そして、死んだ後のジェダイマスターの如くちょいちょい出てくるヒロユキサナダの思惑とは・・・?


よおーし!おじさん「呪い」を科学的に解き明かしちゃうぞー! えーとね、えーとね、解剖の結果、心臓発作を引き起こした原因は心臓の冠動脈に出来た腫瘍だったんだよね、ほんでね、えーと、腫瘍を調べてみたら輪っかの形の新型ウィルスが出てきたのね、つまりこれは、ビデオを見る事によってなんらかの理由でウィルスが体に入り込み、その結果心筋梗塞が起こって亡くなったってわけ!ほらね!科学でしょ!論理的でしょ!ウィルスがどうやって体に入り込んだのかはわかんないけど、死因は科学的でしょ!ね、しっくりきたでしょ!

しっくり・・・  

・・

う わ ー し っ く り こ ね ぇ ー 。



オカルト色の強かった一作目からはガラリと装いを一新し、科学サンペンスミステリーみたいなアレでナニしてきた『らせん』。
原作を読んだのはもう十数年ほど昔になりますので、細部の記憶がごっそり抜け落ちているものの、この映画版とそんなに大幅な違いはなかったように思います。(中谷美紀演じる高野舞の役割が違っていたくらいでしょうか)
呪いのビデオの犠牲となった人々は、怨念で亡くなったのではなく貞子が生み出したウィルスで亡くなったのだ、と。
そう言われたトコロで、そのウィルスの媒体となったのはビデオであり菜々子が書き残した取材メモである為、「えっとえっと、目で見るだけで感染するんでしょ、うーんと、つまりえっと、それって結局呪いじゃね?」と釈然としない思いだけが駆け巡る事に。
一番肝心な部分が「情念一本勝負」なままで、その先だけを科学的にされてもねーなんかねーだったら全部オカルトでいいんじゃねえの。 と思ってしまうアガサだったのでした。
と、公開当時も思ってしまったので、今回が二回目の鑑賞でした。 たぶんもう、観返す事はないと思います。(いや、全くおもしろくない訳ではないのですけどね。)

貞子が味わってきた恐怖と絶望。
その全てを、たくさんの人にもわけてあげたい。
まずはそんな夢とロマンをぎっしり詰め込んだビデオを念写したものの、きょうび流出するのがビデオだけでは媒体として弱い。
そこで、ビデオから手記、手記から小説と、大掛かりなメディアミックスを展開し、ウィルスへと変化する「種」を全国に仕込みまくる貞子。 電通の人とか博報堂の人も真っ青やで。 凄腕メディアクリエイターやで。

それにしても、結局感染者を活かすも殺すも貞子のさじ加減ひとつというのがねぇ、非常にふわっとしていますよね。 シェフのきまぐれサラダみたいな。 「すみませーん、今日はちょっとシェフ虫の居所が悪いんで、塩ふったトマトだけですう」みたいな。 シェフも貞子も ち ゃ ん と せ え よ。
「どうすれば呪いを解けるのか?」について必死に考え、ビデオをダビングすればいいんじゃね?いや性交渉で種蒔きゃいいんじゃね?じゃなくて扱う媒体を増やすんじゃね? とためしてガッテンしてみせる登場人物の努力を鼻で笑うかのような態度が、とっても癪に障ります。

転生を果たしたニュー貞子と、前作のラストで彼女が今まで味わってきた地獄の責め苦を追体験した事により、貞子側につく事となった真田広之という、悪い社長と愛人の秘書みたいなカップルの誕生にて幕を閉じた本作。
真田広之に関しては、「前作では菜々子の頼れる相方として活躍していたのに、なぜ小悪党みたいなキャラになっちゃったの・・」と一抹の寂しさを感じなくもないのですが、 「これからどうなるの・・って?・・フッ・・なあに、今までに見た事のないような世界の終わりが始まるだけさ・・・」 みたいなセリフを上目遣いで吐く姿は厨二病をこじらせた人みたいでイイと思いました。
自分の恨みをはらしたい貞子。 
なんかでっかいコトをやり遂げたい真田くん。 
自分の罪悪感を消すためだけに子どもを再生しようとする佐藤浩市。
と、今回もエゴの塊みたいな人が周りのみんなを巻き込んですったもんだするに終始した『リング』シリーズ。
原作ではこのあと、「実は呪いのビデオの一件は全部、実験の為に作られた仮想現実世界での出来事だったんだよ!」と壮大にSF方面に舵をきった『ループ』が控えているのですが、諸事情で映像化は不可能とされており、映画作品としては、ふたたび中田監督がメガホンを執ったオリジナル作品『リング2』へと枝分かれして行く模様。

と、いうことで、次回シリーズ第三作『リング2』感想に続きます。(たぶん)


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『リング』

2012年05月02日
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あらすじ・・・
・ テレビ局でディレクターをしていたシングルマザーの松嶋菜々子が、突然死した親戚の女子高生・竹内結子のお葬式に行ったところ、なんとその死に様は、丁度取材中だった都市伝説の「呪いのビデオ」にそっくりだったのでした。
・ 竹内結子が死の一週間前に訪れていたという伊豆のペンションを訪ねてみると、無料貸出用ビデオラックの中にタイトルの無いテープが一本紛れております。 菜々子が再生した所、がちゃがちゃとした編集のカイル・クーパー風不気味映像が映し出されるのでした。
・ 再生が終わったが早いか、部屋の電話がクトゥルルルと鳴り響きました。 「ケロケロペチャクチャ」という名状しがたい音を耳にした菜々子は「イ・ヤアアーーー!」と声の限りに叫ぶのでした。
・ 追い込まれた菜々子。 別れた夫である真田広之に応援を要請し、幼い息子を放りっぱなしでビデオの出自について調査して回るのですが、ある晩ふと目を覚ますと、真っ暗な部屋で息子がこっそり呪いのビデオを観ていルルイエではありませんか。「ええちくしょう!」菜々子はこうなったら死ぬ気でビデオの謎を解くしかない、と心に誓うのでした。
・ ビデオに映っていた僅かな情報をたよりに向かった伊豆大島。 真田広之による神託の結果、どうやらビデオを作ったのは千里眼で一世を風靡した山村志津子の娘なのではないか、という事実にたどり着きます。
・ 島に住み続けていた志津子の兄・ザドック老人によると、志津子は小さい頃から海と人語を介さずに会話を楽しんでいたらしく、周りから一目置かれた存在であった、と。 その後千里眼でマスコミに持て囃されたものの手のひら返しでバッシングを受けた志津子は、娘を残し、失意のうちに火山に身を投げた事が判明。
・ 普通の人間と変わりない女の子として生まれたさダゴンは、母親を亡くしたあと一体どこに行ってしまったのか。 忌まわしき物語の始まりの場所、伊ン豆マウスに向かった菜々子と真田広之は、驚愕の真実を目にするのでありました。



数年ぶりに鑑賞したのですが、こんなにクトゥルフ風味強かったっけ?!と思うほどしっかりと「海要素」が描かれていた事に驚きました。
貞子の父は、本作ではいちおう「山村志津子の千里眼に目をつけた伊能博士」という事になっているのですが、志津子の兄のセリフから「実はそうではない」という怪奇色も匂わされています。
漁師仲間が皆恐れていた「海」と通じ合う志津子。 
いつの間にか生まれてきていた貞子。
貞子が常に濡れている点も、非常に磯くさくていいですね。(落とされたのは井戸ですけども)

実は、初めて『リング』を観た時、ラストに登場した「超下目づかい」がほんっっっっっとうにこわくてですね、当分夢に見てしまうほど後を引いてしまいまして、それ以来、本作が流れていても最後のシーンだけはチャンネルを変えていたのですよね。
おそろしい顔と言えば上目づかい、みたいなトコ、あったじゃないですか。 ほら、「うらめしや~」なんつっって言いながら見下す幽霊もいませんでしたし。
そんな固定概念をゴバーンと覆してしまった貞子の超下目づかい。
久しぶりに勇気を出して「くる・・ きっとくる・・・ ・・やっぱキタ━(゚∀゚)━!!」とばかりに観てみましたがやっぱりこわかったです。 白目部分充血しすぎだろ!何回撮り直したんだよ!!


(※ 本物はこわすぎるのでイメージ図でどうぞ)

自分の好奇心を満足させる為だけに、得体の知れないシロモノに手を出してしまい、その結果息子や夫の命までも死の危険に晒し、果てには自分たちだけが助かるために他の人間を巻き込む決断をする。
という、エゴの塊みたいなストーリーがとてもおもしろく、ショックシーンと呼べるようなものは最後のアレだけと言ってもいいかもしれませんが、それ以外のシーンにおいても、巧みに映しこまれた天井や鳴りそうで鳴らない電話などがじりじりとにじり寄るような恐怖を醸し出していて、とてもすばらしかったと思います。

それにしても、貞子のお骨をご供養すれば呪いは解ける・・かもしんない!とばかりに、井戸を探索するのはいいのですが、井戸の中に入る係が真田広之で、井戸の上から水の浸ったバケツを引き上げる係が松嶋菜々子って、それ役割の振り分けおかしいんじゃね? 
寿命があと1時間強しか残っていないという状態で、ひたすら井戸に満ち満ちる水を汲み出す菜々子。
汲んでは下ろし、また汲んでは下ろしの繰り返しで小一時間。
精も根も尽き果て、「もう無理よー!」と絶望する菜々子に、「ばっきゃろー死にたいのか!さっさとバケツを引き上げろ!」とヤジを飛ばす広之。
お ま え は 鬼 か 。

そんな鬼の広之が、さらに邪悪な一面を顕にする『らせん』で明かされる、呪いのビデオ・メイキング秘話とは・・・。
次回、シリーズ第二作『らせん』感想に続きます。(たぶん)


リング貞子
(※ 這いよれ!さダゴンさん)(←色々ちがう)

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