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『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』前後篇2本立て

2015年10月05日
進撃 進撃a
「人類」と書いて「オレたち」!! (バンバン!!)(赤面しつつ机を叩く音)



(※ 以下、どこもかしこもネタバレしています)



前篇あらすじ・・・
どこからともなく現れた人喰い巨人の脅威から身を守るため、超高い壁を築いてその中に100年余りひきこもっていた人類。 ある日その壁がどかーんと壊されて巨人がわらわら侵入してきたリンゴ。えらい人たちは外壁再建団を結成し、壊れた壁に爆弾を仕込んで開いた穴を埋めリンゴ作戦に打って出ようとしたリンゴ。 しかし、移送の途中で大事なリンゴを謎のテロリンゴに奪われたり、巨人に襲わリンゴれたり、リンゴになって襲ったリンゴしたりなんかして、なんだかんだで作戦は失敗に終わってしまうのでリンゴ。


後篇あらすじ・・・
作戦の失敗をえらい人から責められた一行でしたが、突如巨人に変身して他の巨人を駆逐し始めた青年エレンに向けられた視線は、とりわけ厳しいものでした。 エレンを「人間の味方」ではなく「危険なモンスター」であると判断して処刑を命じるえらい人。 その時地響きと共に現れたもうひとりの巨人にエレンは連れ去られてしまいシャンパン。 目を覚ましたエレンの目の前にはシャンパン。 真っ白な部屋の中、シャンパンはエレンにシャンパンを振る舞い、この壁に覆われたシャンパンの真の姿をシャンパンし始めるのでシャンパン。


登場人物解説・・・
【エレン】
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ミカサだいすきすぎ。 ミカサにイイトコみせたがりすぎ。 自分に酔いすぎ。 巨人なめすぎ。 緊張感なさすぎ。 乳もみすぎ。 どこでもかしこでも「・・ヘアッ・・・ッッ・・・ ・・ヘアァァァアッ!!!」って叫びすぎ。 前髪が視界遮りすぎ。 でっかくなったあとも居眠りかますとかやっぱり巨人なめすぎ。 白目剥きすぎ。

【ミカサ】
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エレンに甘すぎ。 ナメクジ長屋で極貧生活を余儀なくされているのに髪サラサラすぎ。 スカーフ落ちなさすぎ。 アンニュイすぎ。 表情のバリエーションも演技力も乏しいのに超人気漫画の超複雑な役を任されちゃうこの世界は残酷すぎ

【アルミン】
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エレンと見た目被りすぎ。 食細すぎ。 とりあえず常にエレンとくっついて行動していたというだけで数々の修羅場を生き抜いてゆくとか運強すぎ。 サシャに芋あげすぎ。 

【シキシマ隊長】
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人類最強のはずなのに最強に見えなさすぎ。 巨人相手に高笑いしたかと思ったら悠長にリンゴ齧ったり、部下が死んでもヘラヘラしていたかと思ったら政府の陰謀で罪なき命が失われることを憂いたり、シャンパン飲んでたと思ったら瓶ごと捨てたり、全体的に情緒が不安定すぎ。 弟だいすきすぎ。

【ピエール瀧】
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緒川たまきすきすぎ。 酒浸りな人なのかシャキっとした頼れる親父キャラなのか、設定に一貫性なさすぎ。 エレンの両親と付き合いがあり、彼らが亡くなった時の状況も全て知っているにもかかわらず、おまけに仇が目の前にいるにもかからわず、長い間何もしなさすぎ。 エレンの身体の秘密を本人に教えてあげなさすぎ。 いざ教えるタイミングも悪すぎ。

【サシャ】
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口に芋詰めすぎ。 飲み込めなくてムグムグ言ってるだけなので大食漢に見えなさすぎ。 巨人に対する武器が弓矢とか楽観的すぎ。 でもめんどくさいおっさんの演説を問答無用で阻止したのはグッジョブすぎ。 それはさておきかわいすぎ。

【ジャン】
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外壁再建団への志願理由が「家にも巨人がいるから・・・口うるさい父親という名の巨人がな・・!」って反抗期こじらせすぎ。 エレンが何か言うたびにいちいち噛みつきすぎ。 えらそうなこと言いながら結局たいして何もしてなさすぎ。 唯一の見せ場が「闘い続けるうちは負けてねえんだよ!」シーンだけって切なすぎ。 しかもそれ言ったあとほとんど闘えてなさすぎ。 イイトコなさすぎ。 エレンに命を救われてから少しはましな行動するのかと思いきや「大型巨人のうなじはオレがもらったー!!」って大声でアホみたいに叫んだ挙句自滅しすぎ。 何のために登場させられたのかわからなすぎ。

【サンナギ】
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幼い弟や妹のために命張りすぎ。 農作業で鍛えた怪力で巨人を投げ飛ばしたりコンクリの塔を引っ張り倒したりするんだけど、だったらもう外壁再建団は全員農村からスカウトすればいいんじゃね?って思わせすぎ。 自前の斧がアクセサリーすぎ。 基本エレンやミカサやシキシマのやりとりを温かく見守りすぎ。

【ヒアナ】
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「貧しいシングルマザーゆえに娘の養育費のため志願」っていう設定が虚しくなるほど行動がうすっぺらすぎ。 巨人の生息区域内で「赤ちゃんの泣き声が・・・」ってさまよい出しちゃうんだけど、そこに至るまでの様子から我が子への想いが申し訳程度にしか伝わってこないので、母性というよりはただのめんどくさいヤツにしか見えなさすぎ。 しかもその直後エレンに乳を揉ませて「子どもの父親になってくれない・・・?」って迫り始めるとか、さっきまで我が子(をお金を稼ぐためとはいえ他人に預け離れ離れになっており、もしかしたら一生会えないかもしれないという現状)に対する罪悪感や哀しみから聞こえるはずのない赤ちゃんの声にすら反応していた母とは思えなさすぎ。 本当に子を想う母というキャラではなく、ミカサとの対比としてエレンを誘惑する性的魅力あふれる女性を出したかっただけなんだろうなぁ・・って感じがしすぎ。 あと、回想シーンのみの出番にすら「父親になってくれない・・?」の乳もみ場面を使われるとかつくづくこの世界は残酷すぎ

【リル】
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結婚を誓った彼氏とイチャイチャしすぎ。 何のためのリナティ(武田梨奈さん)登板なのかわからなすぎ。 やっとアクションを始めたと思ったら、彼氏に死なれて暴走し、貴重な爆弾と共に無駄死にするだけとか、製作陣はリナティになんか恨みでもあるのか?ってマジでフラストレーション溜まりすぎ。

【フクシ】
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リルとは立体起動装置の訓練所で出会い、格闘訓練中唯一自分が勝てない女性として運命の恋に落ちた・・・ っていう設定らしいんだけど、劇中でそんなこと一切言及されないわ、ひたすらイチャイチャするだけだわで、緊張感のないバカップルにしか見えなさすぎ。 っていうか扱いが雑すぎ。 

【ハンジ班長】
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巨人だいすきすぎ。 兵器だいすきすぎ。 好奇心旺盛すぎ。 そこそこえらいポジションにいるはずなのに、外壁再建団の新人たちといっしょくたに扱われすぎ。 危機的状況を楽しみすぎ。 そしてかわいすぎ。

【クバル主管】
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前篇の冒頭シーン、エレンやミカサが住んでいたモンゼンの大通りを小汚い恰好でコソコソ歩く國村隼さんと、その直後(※直前だったかも・・・)の超大型巨人出現とのコンボで、國村さん=超大型巨人ってオチバレしすぎ。 「人類が知恵をつけて欲を出して戦争に走らないよう、ひたすら脅して壁の中に閉じ込めておくことにしまーす」っていう考えは賛同は出来ないものの理解は出来るんだけど、そのために適度に巨人をうろつかせて市民を喰わせるとか非生産的すぎ。 超大型巨人に変身できるんだから、時々ちょこっと顔覗かせてガオーって言っときゃいいんじゃないの感ありすぎ。 死にかけたら巨人に変身するシステムなくせに、瓦礫の下敷きになった時は変身しなさすぎ。 全体的に演説すきすぎ。 結婚式で長々とスピーチした挙句3つの袋の話をし始める会社の上司感ありすぎ。


実写版・進撃の巨人を観た感想・・・

・ 前篇を観る前は「前後篇である以上、後篇も観てからじゃないと本作は論じれないよね」というような文言を見かけ、いざ後篇の公開が始まってみると「実は本作は一本の作品として書かれたものが撮影直前急きょ前後篇に分けられることになったのだ。それでこのざまなのである」というような文言が飛び交い、インターネッツ上が「見えない何かが特定の誰かを守ろうとしている」ような空気で包まれたことでお馴染み 『進撃の巨人ザ・ムービー』 を観てきたわけですが、たしかに、仮に一本の作品にまとめられていれば、テンポは少々ましになっていたかもしれないけれど、致命的にかったるい説明セリフの応酬やここ最近で一番woo…な気分になった大オチなどはばっちり据え置き価格なのではないかと思うので、前後篇とかにこだわるのはやめましょうよ! もうね、そういう問題じゃないですよたぶん! もっと素直になれよ!

・ とにかく前篇の時点で全編中だるみみたいだった本作。 細かく解説していらっしゃるブログやサイトなどは山ほどありますので、わたしが今さら書くのもアレなのですが、まぁホント長かったですよね! 体感時間が長い! 98分しかないとは思えない!

・ 中身は 「巨人なんかいるわけねえよ」 → 「いましたー!」 → 「大声出したら巨人がくるよ」 → 「きましたー!」 → 「爆弾盗まれたらおしまいだよ」 → 「盗まれましたー!」 → 「エレンが食べられました」 → 「食べられたけど食べられてませんでしたー!」 → < 劇 終 > っていうね、それだけなんですよね。 合間で芋食ったりリンゴ食ったりしてるぐらいで。 そんなライトなテイストなのに、ものすごく長く感じる。 眠気? ええ、きましたよね!

・ で、後篇の内容はというと、これがまた 「巨人化するエレンは危険だから抹殺だ」 → 「もっと危険なのきたー!」 → 「人間を管理する政府は横暴だから一緒に立ち向かおう」 → 「立ち向かい方が乱暴だから立ち向かわないぞー!」 → 「動いたら疲れたから寝るわ」 → 「起こすぞー!」 → 「政府は横暴だけど穴を開けておけば一般市民が犠牲になるし、穴をふさげば市民は管理されたままだし、壁の外に出たら出たで巨人がいるしどうしよう」 → 「とりあえず穴はふさいで自分たちだけ外に出ちゃいましたー!」 っていう喜べばいいんだか悲しめばいいんだかよくわからないお話で。 

・ え、え、なんなの? 結局穴ふさぐの? 一般市民は家畜のままなの? 最初に戻っただけなの? エレンとミカサだけシャバに出てったはいいけど、巨人問題どうするの? シキシマいないけど、誰が壁の中の巨人やっつけるの? 

・ まぁね、まぁね、気になる部分は多々ありますけども、なにはともあれエレンはミカサを守れるまでに成長したし、登場人物はほとんど死んじゃったけど残されたアルミンとサシャはちょっぴり意識高い系になったから、なんとなくほら、頑張っていくんでしょうね・・・ ・・壁の中で・・・ね・・・

・ って書いてて思ったけど、エレンって結局ミカサ守れてなくね? 逆にミカサに助けられてね? あとシキシマ隊長にも助けられてね? あれ・・・エレンって居眠りする以外になんかしてましたっけ・・・?

・ わたしはですね、じつを言うと前篇のミカサに期待していたのですよね。 幼馴染はかっこつけてばっかでいざという時頼りにならない。 命を救ってくれた強い男のもとで修業をはじめたものの、彼は常に夢見がちだわ主食はリンゴだわで、時折「オレは巨人になれるんだ」とわけのわからない主張まではじめる始末。 つわものぞろいの調査兵団はというと、巨人を前にたいした闘いも出来ず、なんだったら自分が守ってやらないといけないぐらいのふがいなさ。 ミカサはさぞかしうんざりしていたのではないか。

・ そんな折、ミカサは幼馴染がちゃっかり生き残っていたことを知ります。 しかも自分が死んだと思い込み捨て鉢になった彼は、外壁再建団に入ったらしい。 かくして、久しぶりに再会したミカサと幼馴染。 自分を助けてくれなかった幼馴染に対する怒りや、再会の喜びや、沢山の血で手を染めてきた自分自身に対する後ろめたさや、少なくない戸惑いなどから心を閉ざすミカサを前に、幼馴染は「生きていてよかったよ」なんてぬるいことを言います。 「よかった」? 自分が必死に過ごしてきた2年間は、そんな言葉で片づけられるような生易しいものではない。 その瞬間、ミカサの脳裏には、目の前で赤ちゃんが食われ、自分も食われかけた、あの地獄の1日が蘇ったのではないか。 肌が粟立つほどの怒りを覚えたのではないか。 ふざけるな。 なにも「よくなんてない」。

・ その後、自分と強い男との関係に嫉妬して、ますます自暴自棄になった幼馴染は、なかばヤケクソで突っ走り、挙句巨人に足を食われてしまいます。 情けない。 ああ情けない。 男なんて誰も頼りにならない。 マジ使えない。 やるしかねえだろ。 こうなりゃ自分でやるしかねえだろうがよ。

・ ってことで、わたしは「変身するならミカサだろ!」と思ったわけなんですよね。 今こそ立ち上がる時だ!チャカつく男どもにかわり、巨人を駆逐してやれミカサ!と。 

・ まぁ、結局変身こそしなかったものの、エレンのフォローだけではなく素人の寄せ集めである外壁再建団の用心棒もかって出てあげたんですから、実質ミカサがヒーローみたいなものなんじゃないかと思いますけどね。 あーあ、なんかもっとミカサの目にたぎるものがあればなぁ。 もうちょっとグっとくるんだけどなぁ。 ほぼボヤーっとしてるだけなんだもんなぁ。

・ 今さらではありますが、ミカサ役が橋本愛さんあたりだったら随分印象も違ったのではないかと思わずにはいられません。 時期的に『寄生獣』と被ってたからなのかそうなのか。

・ 特にラブラブだったわけでも、生死にかかわる事件を共に乗り越えらたわけでもないエレンとミカサ。 要するに、たいした結びつきなどなかったようにしか見えないエレンとミカサ。 それなのになぜ、ミカサは巨人の中身がエレンだと気づいたのでしょうか。 答えは簡単です。 好きな女を前にかっこつけて壁を殴るような男は、エレンぐらいしかいないからです。

・ あのね、前篇の最初でね、不発弾の上に立ってかっこつけているエレンに、ミカサが「エレンー!」って声かけるシーンがあるんですけどね。 絶対聞こえてるんですよ、あいつ。 距離めちゃくちゃ近いですし。 吹きっさらしの野っぱらですし。 完全に耳に入っている上で、聞こえないフリしてスカしてやがるんですよ。 なぜかって? 好きな女を前に「たそがれているかっこいいオレ」を演出したいからですよ!

・ うわあめんどくせえ

・ めんどくさいタイプと言えばシキシマもいろいろとアレでしたよね。 リンゴはいいですよ。 もうリンゴはいい。 あれでしょ?アダムとイブとかそういうあれなんでしょ? ただしシャンパン、お前は駄目だ。

・ 何を隠そう、日本の近くて遠い未来という設定だった『進撃』の世界。 古びた建物とアナログな機械に占められた地上世界とは裏腹に、地下にはまだいくつか前世紀の遺物が残されていた。 そのうちのひとつが、シキシマ隊長のリラクゼーションスペースとして絶賛大活躍中の、白を基調としたシックでコンテンポラリーなラグジュアリールームでありまして、隊長の弟であるエレンも身内なので特別にご招待されるんですよね。

・ ボロボロの作業服で真っ白な部屋に倒れているエレン。 その前にパリっとしたシャツを羽織って登場するシキシマ隊長、いや、シャンパン隊長。

・ いつも傍らにはシャンパンの瓶とグラス。 さっきまで手ぶらでエレンの顔をさすっていたのに、次の瞬間どこからともなく手の上に現れるシャンパンの瓶。 シャンパン隊長のシャンパンイリュージョン。 おまえはセロか。 壁のポスターからハンバーガーを取り出すのか。 そうなのか。

・ 政府は市民をだまして家畜のように飼いならしているのだ、という現実をエレンに説明するというだけの行程に、なぜか衣装チェンジを組み込むシャンパン隊長。 いつの間にかボロイ作業服を脱がされ、真っ白なシャツを羽織るエレン。 これね、確実に風呂も浴びてますよね。 エレンのほっぺた湯上りタマゴ肌になっちゃってますもんね。 けしからん。 完全に事後事案じゃねえか。(おひつを取り出しながら)

・ シャンパン隊長は、どのタイミングからエレンが自分の生き別れた弟だと気づいていたのでしょうか。 ・・っていうかエレンは自分に兄がいたことをなぜ知らなかったのでしょうか。 父親によって投薬実験の被験体とされていた兄・シキシマは、いつ両親のもとを離れていたのでしょうか。 っていうかピエール瀧はエレンの兄がシキシマであると知らなかったのでしょうか。

・ 結論・ピエールしっかりしろ。

・ 政府のえらいさんであるクバルは、外壁に穴を開けて巨人で市民を怖がらせ従順にさせるのが目的なのだから、前篇の時点ですでにその目的は果たしているのですよね。なんだったら果たしすぎているぐらいで。(かなりの犠牲者が出ていますし) なので、ここいらで一度外壁の穴が塞いでおけばいいと思うのですよ。 そしてまた数十年一般市民たちを飼いならしておけばいい。 ところがクバルは外壁再建の妨害をする。 超大型巨人になってまで邪魔をする。 意味わかんないッス。

・ 内壁に守られた富裕層の生活を支えるため、貧困層の労働者は絶対に必要じゃないですか。 だったらそろそろ外壁を直してモンゼンに貧困者たちを戻し、元の生活を与えてあげるべきですよね。  シャンパン隊長が不発弾を盗んで内壁を壊そうとするのは理解できますけど、クバルが不発弾を取り上げようとするの、ちょっとおかしくないですか。

・ っていうかね、ホントに登場人物以外の人間がどうなっているのか、さっぱりわからんのですよ。 「支配する人(例・クバル)」「支配される人(例・モンゼンの人々)」「壁直す素人(例・エレン)」「調査団(例・ズタ袋被った人)」「巨人やっつける人(例・シャンパン隊長)」以外が、巨人の脅威にさらされたこの2年間どうしていたのか、全くわからないし、そもそも存在しているのかどうかすらわからない。 今回のこの壮大な内輪揉めで、エレンとミカサとハンジとジャガイモカップル以外はほとんど死滅してしまったわけですが、残された貧困層の人たちの行く末が非常に心配でありますなぁ。

・ サシャが芋食ってるシーンで、一回「カシュッ」って音してたんだけど、芋、生だったの? 蒸かしてないの?

・ 立体起動で飛ぶシーン、どの場面でも飛ぶスピードがほぼ一緒だったように観えたんですけど、緩急つけることは難しかったんですかね。 同じような画ばかりで疾走感が得られなかったのが残念でした。

・ そう、残念だったんですよ。 お話は散々でしたけど、うまくやれば画だけでも引っ張れる作品だったんじゃないかとも思うから。 

・ ちょっとこれを観て頂きたいんですけどね。

どうですか。 めちゃくちゃおもしろそうじゃないですか! 本編もこれぐらいポンポンポーンとテンポよくできればよかったのに! リンゴとかミカサとお兄ちゃんとの三角関係とかシャンパンとかシングルマザーの乳もみとかリナティの無駄遣いとか全部すっとばして、「市民をだまして飼いならす政府」と「志は同じなのに方向性が違う兄弟による、確執を経ての共闘」だけに絞っちゃえばよかったのに。 どうせ(原作のキャラを使いながら)原作とはかけ離れたオリジナル作品にしてしまうんなら、いっそミカサのくだり全部カットするぐらいのことしてもよかったんじゃないかと思いますよ、わたしは。 

・ 製作者がやりたいことと、お客さんが期待しているものの中間点を探るのは難しいのかもしれませんが、あまりにも熱心に「こんなのも詰め込んでみたよ」「あんな元ネタも隠してみたよ」をやってしまっても、それがお客さんに伝わらなければただの自己満足なわけで。 

・ 元ネタがわかる人にはよりおもしろく、でいいんですけど、わからない人にも「ネタ元は知らないけどかっこいい」と思われればさいこうじゃないですか。 わたしは『サンダ対ガイラ』を知りませんでしたし、観たこともありませんでしたけど、巨人化したエレンのどつきあいはムチャクチャたのしかったですよ。 ただし、白い部屋のくだりは超ダッセーと思いましたけどね。 だって部屋がかっこよくないんだもん。 『2001年』の部屋なら「わっなんか異様に均整取れててこわい!」ってなるんだけど、本作の白い部屋はしょぼくてダサい。 なんだあのジュークボックス。 あと箱庭リゾートみたいなベンチ。 ないわー。 

・ ということで、なんだかんだ書きましたが、わたしは本作のことを史上最低につまらなかったとは思いません。 ほぼつまらないシーンの詰め合わせでしたが、おもしろくなりそうな映画でもあった。 最初に書いたように、前後篇を一本にまとめればどうにかなるようなものではないと思いますし、もっと大幅な交通整理が必要でしょうが、やりようによってはクライマックスにかけグっとくる熱い展開も期待出来たような気がします。 いやぁ、映画作りって、ホントにむずかしいんですね。

・ 役者さんは、やりすぎの人もそうでない人も含め、とてもよかったと思います。 特撮効果もすばらしかった。 着ぐるみファイトに至っては、わたしにとって本作唯一のテンションガチ上がりシーンでした。 エレンが拘束された時の変なポーズも意味わからなくておもしろかったし、シャンパン隊長の変身も超よかった。 どこからともなく引き寄せられる巨大臓物!

・ のちにDVD化される際、ダブついたストーリーはどの程度整頓されるのか、もしくはさらに長くなってしまうのか。 いずれにせよ、今回の失敗を『シン・ゴジラ』に引き継がせないよう、関係者の皆様にはくれぐれもお願いしたいものですなぁ。 観るよ!次も絶対観るよ!ああ観るさ!

・ ポイントがたまっていればな!





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『呪怨 -ザ・ファイナル-』

2015年06月26日
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デデンデンデデン・・ デデンデンデデン・・デデン デン デデン ・ ・ ・ !(特に意味はないです)


あらすじ・・・
佐伯邸が更地になりました。


(※ 以下ネタバレしています)


・ 一足お先にカムバックし、若者を中心にそこそこのヒットを叩き出し勢いにのって続編まで作られた『貞子』に続けとばかりに昨年復活を果たしたJホラーブームの立役者のひとり『呪怨』が、これまた鉄は熱いうち、続編は興行収入が見込めるうちにとばかりに再びスクリーンに登場。 しかも、今回も3Dなんつう小手先勝負に出ることなく、正統派ホラーとしての堂々たる再臨です。 まさかお気づきの方はいらっしゃらないとは思いますが、ここまで前回書いた感想のほぼコピペです。 ちがう、手抜きじゃない。 そういうんじゃない。 オレはただちょっと、楽がしたかっただけなんだ・・・!(※手抜きです)

・ しかも今回の呪怨はサブタイトルに「ザ・ファイナル」といういわゆるひとつの「終了宣言」までくっつけちゃって、なんだかめちゃくちゃ心配です!もう引きに引けないよ!いいのかな?!ホントにいいのかな?!

・ チラシの方を覗いてみたら、「終りが、終わる。」なんつう「騒々しく騒いでいる」並みにどうかしているキャッチコピーまで書かれちゃっていて、ぼかぁもう頭痛が痛いよ! 頭痛が、痛い!

・ で、『呪怨 ザ・ファイナル』にそこまで思い入れのない方や、このテンションで続く文章に最後まで付き合える気がしないという方の為に、思い切って結論から言いますが、『呪怨』の製作陣が「呪怨」の終わらせ方として本作で用意したのは、我々の想像を軽やかに裏切るとっておきの方法でした。 『呪怨 ザ・ファイナル』のオチ・・・ それは、「終わらないという終り方」だったのです・・・!

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(これには俊雄くんもビックリ!)

・ ここで改めて今回のお話をざっとご紹介すると、なんだかんだいわくがつきまくりの佐伯邸をサクっと賃貸物件として貸し出していた悪徳不動産業者が自らの儲け主義的思考を猛省し、上物だけ壊しとけばこれ以上の呪いは起こらないだろうとばかりに取り壊しを決行するも、とっくに「自由な幽霊」と化していた佐伯親子にはなんの影響もなく、なんだったら「これで“家を訪問した人”っていう設定に縛られずにすむ」とばかりにジャンジャン出没するようになるというお話だったわけですが。 

・ 「ザ・ファイナル」と銘打っておきながら、「佐伯親子を封印する」ためと思しき作戦が、この更地化計画と伽椰子さん直筆の超ポエミーな日記を燃やすという2つしか無かったという侘しさ! これをわたしは強く憂いたい! しかも更地化は予算の関係上壊れてゆくシーン無しでいきなり更地になっているし、日記を燃やすのもパロマの二口(ふたくち)コンロでチョロチョロですよ! 色々と制約があるのはわかるけど、もうちょっと豪快なの、くれよ! (※パロマはわたしの推測です。リンナイだったらすみません)

・ 宣伝をいちいち真に受けるなって言われちゃったらぐうの音も出ないのですけどね、こちらとしては「呪怨シリーズ、これにてファイナルどぇす!」って言われたら、素直に「そうなんかな」と思うじゃないですか。 となったら、過去のシリーズにも出てきた清酒ブッシューとか、イタコの母とか、謎の浄霊儀式とか、そういう「餅は餅屋」的な展開を期待してしまうじゃないですか。 違いますか? ええ? 答えて!答えてよ崇!

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(呪怨の生みの親・清水崇監督。 なお今回のザ・ファイナルにはノータッチの模様)

・ だいたいね、これはわたしが、オリジナルシリーズはもとよりほとんどのお化け映画に共通して感じていることなのですけどね、お化けが出てきて呪われるまではいいとして、取り憑かれた方のご先祖さまは一体どこでなにをしているのだ、と。 臍のごまでもほじくってんのか、と。

・ 「守護霊」という単語のポピュラーさを思えば、彼らの存在はあながち想像の産物ってこともないのではないかと思うのですよ。 けっこう多くの家が仏壇を置いて、お彼岸にはお墓参りして、お盆には茄子に割り箸をさす訳じゃないですか。 ならばご先祖様なり守護霊なりは、いざというとき生者を守ってくれるぐらいのやる気を発揮してくれてしかるべきなのではないか。 可愛い子孫が悪霊にヒーヒー言わされている時ぐらいは。

・ 今作にも、佐伯親子に呪われつつある女子高生の自宅に、彼女の父親の仏壇が置いてあるシーンがありまして、ぼかぁ「お!ついにきたか!」と思いましたよ。 ホカホカごはんを供え、手を合わせる女子高生の背後から、黒く長い髪を触手のように伸ばしてくる伽椰たん・・・。 女子高生万事休す・・! というトコロから一転、仏壇から一筋の光がビカビカー!伽椰たんグエグエー! みたいな展開があるのかと胸躍らせましたよ。 そしたらどうですか。 だるまさんが転んだ方式で伽椰たんが消えた瞬間、みるみるうちにカビだらけになる仏壇のごはん! 伽椰たんノーダメージにして仏壇ノックアウト! 拳を交えるまでもなく、伽椰たん大勝利ですよ!

・ ご先祖様はともかく、わりと最近亡くなった感のある父ちゃんまで沈黙かよ! 目の前の娘が狙われていたというのに! 

・ わたしのー仏壇のーまーえでー泣かないでくださいー そこにーわたしはーいませんー もしくは居留守を使っています―(悪霊の方が強そうだから)

・ このシーンもね、ホラーの鉄板のようなシーンなのですけどね、カメラの切り替えのミスなのかなんなのか、じわじわ迫りくるカットから、振り返る女子高生のアップにならずにそのまま背景込みの「振り返る女子高生」が映っちゃうのですよね。 要するに、「何もない天井を見上げるだけの女子高生」なのですよ。 なんじゃい。 これなんじゃい。  こういうのって、「振り返った時にいるかどうかわからないから怖い」んじゃないのですか。  

・ 本作は、こういう「興ざめ」なシーンがホントに多くて、驚かしの方法はほぼ「大音量」だけで、あとはすべて寸止めでした。 すっごいマイルド。 っていうかスイート。 俊雄くんが女子高生をあすなろ抱きするシーンまでありますからね! おまえは全盛期のキムタクか!(※もちろん木村さんは今でも引き続き全盛期だと思います)(※敵を作りたくない小者の発言)

・ 仏壇の父ちゃんは何の役にも立たない。 ではそれ以外のキャラクターはどうなのかというと、「もしかしたら・・・」と期待させるような人物が2人登場しまして。

・ ひとりはヒロインの恋人・奏太くん。 初めてヒロインから伽椰たんのポエミーな日記を見せられた時から、異様なリアクションの良さをみせていた奏太くん。 その後も日記を捨てたり燃やしたり、勤め先(地下鉄の駅)で伽椰たんと遭遇したり、彼女を守ろうと単身悪霊の家に乗り込んだりして、もしかしたら彼には特殊な能力が備わっているというお話なのかも・・・と、清酒を口に含んでくれるのを楽しみにしていたのですが、結局右往左往に終始して、最後は伽椰たんに首をねじられて退場です。 意味ありげだったけど、意味ありげなだけだった! 夢だけど!夢じゃなかtt

・ もうひとりの意味ありげ人物は、佐伯親子が絶賛居候中の女子高生宅を眼下に望む高台の病院に入院中の少女・絵菜ちゃん。 退屈と孤独を紛らわせるため、スマホで女子高生宅を覗き見ていた絵菜ちゃんは、うっかり見なくていいものまで見てしまいます。そう、白塗り少年の姿です。 

・ ある夜、難病を抱え、死期が近いことにも気づいている絵菜ちゃんのもとを、白塗り少年がペットの黒猫を抱えて訪問しました。 いきなりのリアル白塗りにも動じず、むしろ不思議な親近感すら抱いてしまう絵菜ちゃん。 彼女はそれ程までに「友達」を欲していたのです。 そんな絵菜ちゃんに、白塗り小坊主は「死後も友達でいること」を約束します。 ちょっとね、この瞬間「そうきたのか!」と思いましたよね。

・ もちろん、父親の手によって無残に殺められた不憫な少年・俊雄くんだって、友達は欲しいでしょうよ。いや、欲しくない訳がない。 俊雄くんの魂を黒く染めていたのは、殺されたことに対する怒りと哀しみ、そして誰にも埋められることのなかった孤独だったのではないか。(伽椰たんは傍にいるけど、なんつうか、ちょっと頭がアレですから) ならば、絵菜ちゃんとその孤独を癒しあうことで、俊雄くんを縛り続けていた呪怨の念は消えてくれるかもしれない。 やっと俊雄くんの魂に、あたたかな救済の光が差し込むのかもしれない・・・!

・ まぁ、蓋を開けてみたら、友達どころか身体を利用されて、魂を運ぶための乗り物扱いされただけだったんですけどね! 絵菜ちゃんかわいそう! 俊雄はクズ!

・ と、いうことで、まんまと宣伝に踊らされ、素直に劇場に足を運んできたわたしなのですが、上に記したようなことを「ああでもない、こうでもない」と思いながら、膝を打ったり、舌を打ったりしつつ鑑賞しましたので、それはそれで面白かったということなのでしょうね。 うん、オレ、たのしんだ。 増殖した俊雄くんに「バッカなシーンだなぁ!」とツッコミを入れながら観るの、たのしかった。 やはりホラーを映画館で観られるのって、いいことですね!

・ 前作では驚異の演技力でわたしの度肝を抜いてくれたノゾミールこと佐々木希さんですが、今回は一年間で随分演技力に磨きがかかったように感じました。 嫌味でもなんでもなく、今回は本当によかったです。 特にラストでみせる悲惨な高笑いのシーンがすごくよかった。 去年は失礼なことを言ってすみませんでした。 これからもよろしく!(なにがだよ)

・ 一方、去年のノゾミールどころではない、とんでもない破壊力をみせつけてくれたのは、今回のヒロインを演じた平愛梨さん。 これはもうね! すごいから! キンカンのCMですらすごいのに、よりにもよって一番演技力を要求されるホラー映画のヒロインに抜擢されるだなんて! ご本人もキャスティングに驚かれたそうですが、ビックリ度勝負ならまけんぞい!

・ ノゾミールが神妙な表情(覇気のない状態)と驚いた表情(ちょっと目を開いた状態)といつものキメ顔(ふんわりと笑った状態)の3本勝負だったとするならば、平さんは可愛い顔(ちょっと暗め)と可愛い顔(ちょっと明るめ)と可愛い顔(ちょっと目を見開いている)の3パターンですからね! 全国公開のメジャー映画相手になんちゅう大胆さなんや・・・ こんなもんもうほぼ丸腰やないか!

・ 妹(ノゾミール)が失踪してもほぼ無反応。 妹が残した伽椰たんのポエミー日記にもほぼ無反応。 挙句の果てに、愛する彼氏が伽椰たんに首をひねられ死亡しているのを発見しても無反応だった日には、ぼかぁもう何も言えねえっすよ。 白旗全面降伏っすよ。 

・ 職場で不吉な体験をした後、自宅に帰ったら彼氏がカーテンにくるまれている。 絶対おかしい角度で、絶対ありえない状況で、なおかつ呼びかけても無言のままの彼氏なんですよ? もうこの時点で、「開けたくなさ」全開じゃないですか。 それなのに「もー何してんの」ってカーテンくるって外して彼氏がグエーってなってて、ほんでもって無反応なんですもん。  まさかこれもまた、落合監督が前回ノゾミールに適用した「できないならやらせなければいい」戦法なのか・・・?!

・ てなことを思いながらパンフレットを眺めていたら、「怖いものが大嫌いだという平による、恐怖で身動きすらままならないリアルな演技」と書かれていて、ははぁ!物は言いようですなぁ!と感心しました。 大辞林の「物は言いよう」の項に「呪怨 ザ・ファイナルでの平さんの演技」って書き足してほしい。

・ 実は、本編のとあるシーンに「好きなことで生きていく」でお馴染みの超有名YouTuberさんが出演されていまして、わたし自身はそっち方面にまったく興味がないものの、我が家のいもうとちゃん(小5)が大のYouTuberファンだった為、画面に映った瞬間ご本人とわかり「わー」ってなった訳ですが。 このYouTuberさんといい、これまたいもうとちゃんの愛読書である「ちゃおホラー」から出版されたコミカライズ版といい、新生「呪怨」のターゲットは今や、ホラー愛好者ではなくかなりの割合で小中高生という若い客層なのだろうなぁと思うのですよね。

・ 3Dで甦った新生「貞子」もそうでした。 若い客層から支持を得られそうな俳優さんを使い、テレビでちょいちょい放送している「衝撃映像」並みのマイルドさで、とことんアトラクション寄りのカジュアルホラーを目指す。 それが製作陣の考えた生き残り作戦だったのでしょう。

・ だから本作で恐怖演出がいちいち「寸止め」なのも、首がねじられたり、レンジでチンされるがごとくマル焦げにされたり、背骨からポッキリ折られたりなどのおもしろショックシーンが全く映り込まないのも、ストーリーに時系列の捻じれが盛り込まれていないため極めて平坦になってしまっているのも、平さんが常に可愛いのも、仕方ないことなのだと思います。 それでヒットに結びつくのなら大いに結構じゃないですか。 わたしはそう思う。 そう思うしかない。

・ ホラーよ、メジャー映画界で生き残ってくれ。 そして願わくば、これをきっかけにホラーに目覚める小中学生が少しでも増えんことを。

・ 平さんのリアクションはアレでしたが、恋人役の桐山漣さんや女子高生役のおのののかさん、その友人役の松浦雅さんなんかは迫真の演技だったと思いましたよ。 特に松浦さんは、NHKの朝ドラ「ごちそうさん」ファンのわたしにとって、いまだにふくちゃんのイメージが強いせいもあり、「ああ・・ふくちゃんがこんなにわしわしとイカ墨スパゲッティを食べて・・・お母さん譲りの食欲やなぁ・・」とか「ふくちゃん逃げてー」とか主人公以上に感情移入しながら観てしまいました。 おのさんもすごくよかった! とてもいい、死に様でした!

・ エンドクレジット後にサプライズ発表があり、といっても、見た瞬間全く驚かなかったのでサプライズになっていない感もすごかったのですが、どうやら来年満を持して「貞子VS伽椰子」がスクリーンにやってくるとのこと。

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(これはエイプリルフール用に作られたフェイクポスターですが、この時からもう決定はしていたんじゃないかなぁ)

・ ここ数年の流れでいくと、きっと次もカジュアル路線の若年層向けホラーになるのだろうなぁという気がビンビンにしますし、大人の事情もよくわかるのですが、そこをあえて、初期の両作品がはらんでいた狂気やおどろおどろしさや息苦しいほどの湿気をよみがえらせた、本気で怖い粘着ホラーに仕上げてもらえたらなぁと思わずにはいられないわたしです。 「ブンブーン、ハローJホラー!」みたいなノリじゃなく、「怨念がおんねん」みたいな感じの、ね。 せっかくのビッグタイトルの実現なんだし、そういうのがいいなぁ!

・ あと、その際はもう俊雄くんには成仏してもらって、成熟した女同士のキャットファイトにしてもらえるとありがたいですなぁ。 あのね、ホントもう俊雄くんはね、恐怖が湧くどころか塗りムラとパンダ目が気になるだけだから、リタイアさせてあげましょうよ。 ね? いいよね?  はい!今までお疲れ様でしたー!

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(もし再登板だったとしても、宣伝にパンイチで出演させるのは勘弁してあげてください! いろんな意味でギリギリですよ!)




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『劇場版 SPEC〜結〜 前篇「漸ノ篇」&後篇「爻ノ篇」』

2014年11月07日
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(※ 以下ネタバレしています)

オカルト+超常現象+ミステリー+ケイゾク という、好きになる要素だらけの内容だったことから、夢中になって見ていたテレビシリーズから4年。
というか、まだ4年しか経ってなかったことに今、大きな衝撃を受けているのですが、とにかく4年。
1本の劇場版と2本のスペシャルドラマを経てついに完結となった『劇場版SPEC~結~』を、先日やっとこさ鑑賞したのですが、テレビシリーズとは随分色味の違った方向へと進んでおり、困惑する部分も少なからずありましたので、己の中の記憶を振り返る意味も込めて、ちょっとした用語説明を兼ねたあらすじを書いてみようと思いますよ。
独自解釈なので公式見解と違っているかもしれませんが、そこはホラ、かんべんな!


用語説明つきあらすじ・・・
ミショウ
・・・警視庁公安部未詳事件特別対策係という、普通の捜査では解決できない難解な事件を担当する係がありました
当麻紗綾
・・・そのミショウに配属されたのが、IQ201の天才で大の餃子好きである「とうま さや」
瀬文焚流
・・・そして、元警視庁特殊部隊の「せぶみ たける」です
野々村係長
・・・たたき上げの刑事で、元捜査一課弐係(通称ケイゾク)係長であった野々村係長率いるミショウは
SPECホルダー
・・・特殊能力を持つ人間たち・通称SPECホルダーが関わる犯罪を、当麻の頭脳と瀬文のやる気で次々に解決へと導いてきました
一 十一
・・・そんな彼らの前に立ちはだかった「にのまえ じゅういち」という少年。 彼は時間を操るという最強の能力を持っていました
御前会議
・・・弥生時代から日本を陰で牛耳ってきた謎の組織・御前会議は、超能力と呼ぶにはレベルの違いすぎるニノマエの能力に危機感を募らせ
シンプルプラン
・・・ついにはニノマエを含むすべてのSPECホルダーたちを抹殺する計画「シンプルプラン」を実行にうつします
当麻陽太
・・・一方、ニノマエの正体が、実は幼い頃飛行機事故で亡くなったはずの弟・陽太であったことを知った当麻は、弟を「生かし続けてきた」黒幕、そして弟を「ニノマエ」として利用しようと企む人物の存在を強く意識し始めるのでした
青池里子
・・・シンプルプランを進めようと画策する政府とそれに対抗するSPECホルダーの闘いが続く中、内閣情報調査室・通称サイロの特務班に所属する女性「あおいけ さとこ」が瀬文の前に現れます。 彼女は瀬文の元恋人で、彼と別れたのちに娘を出産していました
青池潤
・・・その娘「あおいけ じゅん」は、性行為無しで里子のお腹に宿った、神がかり的に奇特な子どもだったのですが
白い服の男
・・・なぜか母の元を離れ、白い服の男と行動をともにするようになります
先人類
・・・白い服の男の正体は地球で最初に生まれた人間「先人類」で
セカイ
・・・自らを「先人類」のリーダー・セカイであると名乗る白い服の男は
ファティマ第三の予言
・・・ローマ教皇がそのあまりに衝撃的な内容から公開を禁じてきたと言われる「ファティマの預言」が現実となる日は近いと言い放ちます。 第三の預言、それはすなわち、人類の滅亡。
プロフェッサーJ
・・・セカイは成人女性サイズへと変化した潤となんやかんやおしゃべりしつつ、他人の死体に憑依できる能力を持つプロフェッサーJにSPECホルダーの虐殺を命じます
湯田秀樹
・・・何を隠そう、天才物理学者だった当麻の父・佐野元春の親友を名乗る湯田(とうだ)博士の正体こそ、プロフェッサーJその人だったのですが、読み方がホントは「とうだ」ではなく「ゆだ」で、「ユダ」だからあーなるへそ「裏切り者」かーみたいなノリは少々厳しいんじゃないか
ソロモンの鍵
・・・なあんてことは気にしないセカイが一番気にしているのは、彼ら「先人類」の未来を握る「ソロモンの鍵」であり、その実態はというと、実は当麻が持つ「別次元同士をつなぐ」という能力でありまして
ガイア
・・・そもそも、地球上で起こるすべての事は起こるべくして起こったこと。 地球とは「ガイア」という意思を持ったひとつの生命体であるというのがセカイの見解で
パラレルワールド
・・・それとは別の話として、ガイアにはいくつもの平行世界(パラレルワールド)が存在しており、セカイは過去に幾度もガイアをリセットしては、そのつどパラレルワールドに移動してガイアの歴史をやり直していたそうなのです
卑弥呼
・・・セカイさんの片割れともいうべき、もうひとりの先人類・卑弥呼もまた、これまでセカイと一緒にガイアをもっと輝かそうと奮闘してきたのですが、最近ちょいちょいガイアの真意を図りかねていまして
下等生物
・・・先人類誕生のあとに、宇宙的なアクシデントから生まれた今の人類。 ガイアと会話出来ず、特殊な能力も持たない彼らは下等生物であり、私利私欲にまみれて愚かな争いを続けるしか能のないゴミクズなど滅ぼしてしまえ。というのがセカイの主張だったのですが、ではなぜそんな下等生物の中に突然発生的にSPECを持つ人間が生まれるようになったのか、卑弥呼には不思議でならなかったのです
カイナ
・・・本当にガイアは人類の滅亡を望んでいるのか。 悩んだ末卑弥呼が辿り着いた答えは、否。 その証拠は他ならぬ当麻の存在でした。 当麻に次元を繋ぐ能力を与えたのはガイア。 ならばその力で現人類に新たなチャンスを与えることこそ、ガイアの望みなのではないか。 卑弥呼は当麻に右の腕(カイナ)を使うよう指示します
八咫烏
・・・過去地球上に生まれてきた全てのSPECホルダーの魂の変化形・八咫烏(ヤタガラス)が、転生に備え当麻の体内に入り込む中、彼女は別の目的を果たす為セカイとプロフェッサーJの魂を取り込みます
無間地獄
・・・当麻が自らを犠牲にして先人類とSPECホルダーたちを連れて行こうとした先、それはこの世でもあの世でもパラレルワールドでもない永遠の世界。 無限につづく空間でした。 その企みに気づいたセカイたちは、当麻の体を溶解させ逃げ出そうしますとします。 多勢に無勢で体力の限界が近づいた時、当麻の前に現れたのは・・・

どうですか、わかりましたか?
わかりませんか?
ようし、じゃあ今度はもっとかいつまんだ説明行きますよ!



ミショウ
・・・ケイゾクがうけたから作ってみた四文字シリーズ。正直途中からスペックの方が印象強くてミショウの影うすい
当麻紗綾
・・・餃子
瀬文焚流
・・・加瀬きゅん
野々村係長
・・・なかなか死ななかったのに帳尻合わせの為即死
SPECホルダー
・・・あのね、むかしね、ブブゼラという楽器が流行ったことがあったですよ
ニノマエ
・・・ツンデレな神木きゅん
御前会議
・・・主要メンバー・山ちゃん(山寺宏一さん)、アンパンマン
シンプルプラン
・・・タミフルが効くタイプ
当麻陽太
・・・シスコンな神木きゅん
青池里子
・・・この上なくウザいデタラメ日本語で全編スベりまくる栗山千明さま
青池潤
・・・AKB元センター大島優子さんの世を忍ぶ仮の姿
白い服の男
・・・ムカイリ
先人類
・・・ニュータイプじゃなくてオールドタイプ
セカイ
・・・だからムカイリだってば
ファティマ第三の予言
・・・詳しくは専門情報誌・ムーを参照のこと
プロフェッサーJ
・・・巨大カラスになったり液体になったりニノマエのクローンを作ったり死肉を食べたりという、キャラクターの一貫性の無さが魅力。 中身は遠藤憲一さん
ソロモンの鍵
・・・テレビ東京の新番組じゃないよ!
ガイア
・・・ささやくの? ねえ、ささやくの?!! 
パラレルワールド
・・・地球が滅亡しそうな時しばしば都合よく表れるもうひとつの地球
卑弥呼
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・・・美内先生、出番ですよ!
下等生物
・・・中二病に侵された人がよく使いがちな悪口
カイナ
・・・ささやかないの? ねえ、ささやかないの?!
八咫烏
・・・ツツミンはただ・・バイオハザード3がやりたかった・・・
無間地獄
・・・親方!空から女の子が!

どうですか、わかりましたか?
わかりませんか?
まぁもうね、要するに、めっぽうスケールのでかい兄弟げんかに巻き込まれた加瀬きゅんと神木きゅんのお話ってことでいいと思いますよ!マジ迷惑!超デストロイヤー!


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(※ 絶対に許さない!!)

・ テレビシリーズのことは一旦忘れる方がいいでしょう。 そのような内容でした。 スペックだのミショウだのとワッキャワッキャしていたあの頃はなんだったのか。 思えば遠くへきたもんだ・・ ・・ふと、心の中の武田鉄矢がつぶやきました

・ 1話完結方式で、特殊な事件をお習字しながら解決していたテレビシリーズと違い、スペシャル版以降は「SPECホルダーは愚かな人間を支配したい」&「人間は危険なSPECホルダーを始末したい」という種族間の闘争みたいなものが延々と繰り広げられていた為、今回の流れも予想の範疇ではあったのですが、それでもなんというか、観ている間じゅう「わしゃなんでこんなもん観とるんじゃろか・・・」という迷いが脳裏をよぎらずにはいられませんでしたねぇ。 どうして・・どうしてこうなった・・・

・ ま、なんでも何も神木きゅんの為なんですけどね!

・ そもそも、超能力を持った超人類に能力を持たない人類が敵うはずはなく、何を隠そうSPECホルダーだった当麻はさておき、加瀬きゅんにせよ野々村係長にせよ警視庁の誰にせよ、なんぼ拳銃振り回してタイホだー!と騒いだトコロですべてが無駄な努力でしかないわけで。

・ 当麻もまた、前回までの流れの中で「SPEC封印」を決意していた為、今回(特に前篇)主人公たちは全くと言っていいほど何も出来ないのですよね。 してないし、出来ない。 

・ 結果、敵(SPECホルダーや御前会議)が訳の分からない殺戮をおっぱじめるたび、「絶対に許さない!」「絶対に諦めない!」と判で押したようなセリフを繰り返すばかりの当麻と加瀬きゅん。 プリキュアか。おまえらプリキュアなのか。 

・ 「ドガーン」「絶対に許さない・・!」「グエエエ」「絶対に諦めない・・・!」「ドギャーン」「絶対にコロす・・・!」がミルフィーユ状態になっている合間に、心底くだらないギャグがこれでもかと織り交ぜられ、最後に上から、回想シーンと似たような意味合いの会話をトロリとかけたら『漸ノ篇』の出来上がりです。  ・・・ってあほかー!

・ そんな、中身が皆無な『漸ノ篇』の見せ場として無理やり用意されたのが、人気キャラクター・野々村係長の最期なのですが、これまたあっけないというか、かなしいほどに安っぽいのですよね。

・  『ケイゾク』から引き継がれた、「心臓が息の根を止めるまで、真実に向かってひた走れ」という名セリフも、スペシャル版を含めあまりに多用され、すっかりありがたみのない言葉になってしまいましたし・・・ オレ素人だけど、脚本のことよくわかんないけど、そういうことじゃないと思うんだよなぁ!

・ で、無残な内容だった『漸ノ篇』でたまりにたまったフラストレーションを、一気に晴らしてくれたのが『爻ノ篇』・・・ と言いたいところなのですが、これまた絶妙に微妙な映画となっておりまして。 

・ 「御前会議を含めた国際組織がSPECホルダーを抹殺するためのウィルスをプロフェッサーJに発注」 「プロフェッサーJはそれとは別件でニノマエのクローンを作成」 「プロフェッサーJのボスであるムカイリがニノマエのクローンを抹殺」 「隔離されていたSPECホルダーをプロフェッサーJが虐殺」 「ウィルスを使って子どものSPECホルダーをじわじわ殺すプロフェッサーJ」 「屋上でニヤニヤするムカイリ」 「餃子を食うムカイリ」 「別の屋上でニヤニヤするムカイリ」 「核戦争を誘発させるムカイリ」 「セカイの王のムカイリだけど頼みの綱は当麻のスペック」 って おまえら結局なにがしたいねん! おまえっていうかそこのムカイリ!とりわけおまえだよ!

・ どうやら、SPECホルダーの本体は魂だけで、「器」部分である肉体はどうでもいいそうなのですよね。 ゆえにムカイリたちは、仲間であるはずのSPECホルダーたちの肉体を滅ぼし、八咫烏の姿になった魂たちだけを引き連れ、当麻の体をゲート(入口)にして次の世界に行こうとした。  ・・そうなのですが、ひたすら回りくどいし、風呂敷大きすぎてなんかもう裾の辺がだぶだぶになっとります。 脚本家の人はホントにこれシラフで書いたの・・・? ・・もしやツツミンに対する壮大なイヤガラセだったのではあるまいか・・・

・ とはいえ、風呂敷の中身から目をそらせば、前篇にはなかった爽快さも無くはなかった『爻ノ篇』。 特に、テレビシリーズでお馴染みのSPECホルダーたちが当麻に協力せんと駆けつけるシーンはかなり高揚しましたよね。 ま、「思い出のホルダーたち全員集合」大会は、以前のスペシャル版で既にやっちゃってますけどね! うす!感慨うす!!

・ っていうか要するに神木きゅんなんですけどね!神木きゅんさえ出てくれれば、オレはもうそれでいい!

・ 「ガイアと対話できる」といいながら「ガイアの真意がゎかんないょ・・」とゆるふわな発言をするムカイリ。 そんなご主人さまを影で支える遠藤憲一さん。 なるほど、大島さんが早期退場したのも頷けます。 もう今日んトコは、そういうことにしとこうや・・・

・ 矛盾点に言及していると日が暮れて夜が明けますのでこれぐらいにしておきますが、とにかく「世界の終焉」とか「自己犠牲」とか、まぁそんな「キャッコイイ」雰囲気で押し切ろうとしたヤケクソ意欲作だったのではないでしょうかねぇ。

・ なんだかんだ言いましたが、テレビシリーズのコミカルでこじゃれた雰囲気に惹かれたピュアなファンを、あの手この手で劇場まで呼び寄せ、挙句The SUSHI TYPHOONもかくやという悪趣味映像を見せつけた心意気は天晴だと思いますし(ゲンナリした表情で劇場を後にされたファンの方の心中を慮るといたたまれない気持ちになりますが)、これをやり遂げた加瀬きゅんと戸田恵梨香さんはホントえらいなぁ・・と感動すら覚えましたし、これでもうSPECの歴史が汚されることはないと思うとホッと安堵の溜息が漏れますので、今後は安心して楽しかったテレビシリーズだけを見返したいと思います。

・ 今日のまとめ「観てよかった」


_人人人人人人人人人_
> お  し  ま  い  <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄






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『渇き。』

2014年07月04日
かわき


(※ 以下、どうにもこうにもネタバレだらけの感想となっておりますので、鑑賞後にご覧いただけるとさいわいです。)



あらすじ・・・
わたしは藤島加奈子。
酒を飲んでクダをまくしか能のないクズの父親と、男依存度の高い母親のもと、無関心という名の見えない暴力に育まれた割には、フツーに生きてきたつもり。 ・・・の、はずだった。
父親の心の奥底を覗いてしまうまでは。
覗き返されてしまったわたしを、母親が見捨てるまでは。

フツーではなくなった景色。
諦めと絶望で無味乾燥の日々。
ある時、そんなわたしの生活に、一条の光が射しこんだ。 
男の子の名前は緒方誠一。
彼はわたしの人生をすくい上げてくれた。
存在しているだけでいいんだ、と思わせてくれた。
一緒にいるだけで、身体じゅうがあたたかい何かで潤ってゆく気がした。
彼はわたしのすべてだった。
すべてだったのに。

今、光を失ったわたしは、すべてを捨てよう。
心も、体温も、感情も、なにもかもを捨て、からっぽになろう。
復讐のために。
光を奪ったすべてのものに、復讐するために。



■ 藤島加奈子について

観終わった瞬間、わたしの頭に真っ先に浮かんだのは、
すげえ! これは「セカイ」を相手に、ひとりきりで復讐を挑んだ少女の、壮絶なリベンジ・ムービーだ!
という思いでした。

とにかく加奈子がかっこいい!! 
パーティ会場を虚ろな目で闊歩する姿の、なんと儚く、なんと力強いことか!

たったひとつのもののため、すべてを捨てて、すべてを壊す加奈子。 
その余りに無慈悲で、自由すぎる凶暴性は、ふつうなら「良心」や「愛情」によって自身の中に引き留められるであろうものなのではないでしょうか。
それがわかっているからこそ、彼女は自らをからっぽにした。
躊躇なく復讐を遂げるため、惜しげもなくすべてを捨てた。
「友達」も、「家」も、「人間らしさ」も。
彼女が冷酷なことはじゅうじゅうわかっていて、尚且つ、彼女の目的も承知しているような人間さえも虜にしてしまうのは、彼らが加奈子の生き方に、一種の「潔さ」のようなものを感じてしまうからなのかもしれないなぁ、と思いました。

そして、「藤島加奈子」という「人間」を捨て、美しい入れ物だけになった少女は、目の前の人間が望んだとおりにその姿を変える。
変えているのは少女なのに、周りの人たちはその変化を自分の力だと信じ込む。
唇からこぼれるのは口先だけの愛だとわかっていても、気づかないふりをして彼女に欲望を注ぎ込む。

もちろん、加奈子の行動は許されることではありません。
自分が深い穴に堕ちてしまったからといって、周りの人たちを同じように引っ張り込んでもいい訳ではない。

加奈子は、自らが犯している罪の報いを覚悟していて、いや、もしかしたらいつだって、そうなることを待ち望んでいたのではないか。
復讐のために始めた行動が、いつからか自分を葬るための行動になっていたような気がして、それはなんだかとてもかなしくて、より一層「すべての元凶」である藤島昭和に対する怒りが込み上げてきたのでした。

あの、「親」だなんて言いたくもない、藤島昭和に対してね!


■ 藤島昭和について

もやはクズいとかクズくないとかのレベルではない! 
こいつはまさしくケモノ以下のゴミクズやで!


もうね、とにかく初めて原作本「果てしなき渇き」を読んだ時から、藤島昭和に腹が立って腹が立って、吐き気をもよおしたり書籍を壁に叩きつけたくなるぐらい、100パーセント嫌悪感しか抱けなかったわけなんですけどね。
映画が公開になり、あちらこちらから「父親の愛に共感した」とか「娘を思う気持ちはわからんでもない」とか、なんだったら「この父親は何も悪いことしていないんですけどね・・」みたいな文言まで聞こえてきたものですから、「アレ・・? ・・この度の映画って本当にわたしが読んだのと同じ原作本なの・・?」という果てしなき疑念までもが湧き上がる塩梅で。

で、いざ本編を観てみたら、安定のクズさ加減でホッと胸をなでおろしたという。
っておろせるか!! 案の定気分わるいわ!

妻の不倫に激昂し、相手に対し暴力事件を起こしてしまった藤島は、そのまま刑事の職を辞し、やさぐれ警備員としてドン底生活に甘んじています。
もちろん妻とは離婚。 娘とも長い間会っていません。
そんなある日、絶対に自分とは話したくないはずの元妻から「娘がいなくなった」という電話が入り・・・ というのが導入部で、わたしはあらすじを加奈子目線で書きましたが、じっさいこの物語は、ほぼ藤島目線で紡がれてゆきます。

自分が知らなかった娘の顔。
妻も知らなかった娘の生活。
わからないことだらけではあるけれど、まぁ、せっかくの機会だし、自らが暴力によって壊してしまった家族をこれをきっかけに取り戻せたら。
だいたい、先に浮気したのは妻のほうだし、生意気な態度しかとらない娘にだって非がないとは言えない。
家族を養うために私生活を犠牲にしてまで働いてきたオレの、なにが悪いというのか。
オレだってもういちど、あいつらに愛されたい。
あたたかい家庭を手に入れたいんだ。

藤島のそんなひたむきな姿を、「不器用な父親」と受け取る方もいらっしゃるでしょう。
愛の言葉ややさしい態度をかけることができず、怒声とげんこつしかふるえない父親を、哀れと受け取る方もいらっしゃるでしょう。
でもね、わたしに言わせれば、そんなの愛情じゃないですよ。
ただ単に自分のことがだいすきなだけのクズ野郎ですよ。

「ふぇぇ・・ だれもボクのこと愛してくれないよ~ 従順な妻といつでもニコニコ笑顔な娘がいいよ~ もっと必要とされたいよ~ ヤりたい時にすきなだけヤらせてくれる妻がいいよ~ 娘にもチヤホヤされたいよ~ ふぇぇ・・・」
・・って要するに大切なのは自分だけなんじゃんか。

なんじゃいそれ・・・

・・・なんじゃいそれ!!
 (←思い出しただけで怒り心頭)

「あいつはオレだ」という藤島のセリフがありますが、そんな風にしたのは誰やねん! という話なわけで。
あと、ついでに言っておくと、子どもは親のものでもありませんし、親がいい気分に浸るための道具でもないんですよ。
ボロボロに傷つけられながらも一生懸命に加奈子を探す藤島が本当に探しているものは、結局「誰からも愛されない自分自身」であり、加奈子を救いたいんじゃなく自分を救いたいだけだったのではないでしょうか。

ホントにさぁ、そんな自己愛の塊みたいな人間だから、元妻の気持ちなんて爪の先程も考えず欲望に任せて凌辱するし、ヤクザに脅されれば「あんな娘もう知らないッスよ!」とへこへこしたりできるんだよ!
挙句には、まったくその必要などないのに、「自分が手に入れられなかったもの」への妬みだけで、ひとんちの奥さんまで何度も犯すとか、一体藤島のどこに「同じ子を持つ父親として、娘への愛はわからんでもない」なんつって共感できる余地があるというのか。
わからん! まったくもってわからん!
ぼかぁマジで一回、谷原章介さんと小一時間語り合いたいよ!

藤島は、加奈子に関わっていたと思しきチンピラの母親に向かい、「お前みたいな親だから子どももクズになるんだよ」と吐き捨てます。
本日の「お前が言うな大賞」に認定したい気持ちを抑えつつ、わたしの考えを書くと、クズの親はまず間違いなくクズだと思うのですよね。
ただ、親がクズだからといって、子どもまでクズになるかというと、それはまた別の話で。

自らのクズ具合を認めた上で、子どもにそれを移さない。
仮に自分の中にどよどよと渦巻く毒があったとしても、子どもにだけは飲ませないでおくことが、親にはできるはずだし、やらないといけない。
完全にそれを怠った藤島と元妻・桐子に、我が子をバケモノを呼ぶ資格なんてないと思うのですよね。

藤島の中の深淵を覗いた加奈子が飲み込まれた闇。
バケモノなのは加奈子なんかじゃない。 彼女を生み出したふたりの大人こそが、無責任なモンスターじゃんか!
なんだよもう! 父親ぶってんじゃねえぞ!


■ 親から子への愛情という名状しがたい不可思議なものについて

と、さんざん「自己愛うぜー」と書いておいてなんですが、親が子どもに対して抱く感情の正体って、実はわたしにもわからないシロモノだったりします。 
いや、現在進行形でし続けています。

わたしにはふたりの娘がいて、わたしは彼女たちのことがそれはもうだいすきで。
いつだって彼女たちのことが心配だし、彼女たちの幸せがなにより大事だし、もしも必要ならば自分の命なんかいつだって捨てられるし。
でもそれって、本当は「娘に何かあったら自分が耐えられないから」なんじゃないの? と。
「自分がつらい思いをしたくないから、娘たちを守ろうとしている」だけなんじゃないの? と、思うことがあって。

単なる自己満足なんじゃないか・・・という考えが頭をよぎるたび、「なんだよ!自己満足でもいいじゃんか!」とキレてみたり、「わたしはなんと身勝手な人間なんだ・・・」と落ち込んでみたりする自分がいて。
でも他方では、そんな脳内のゴチャゴチャが追いつかない程の猛烈な勢いで、体に満ちてゆく「とにかくうちの子は宇宙一かわいいんだよおおお!!」という感情があったりもして。
別の生き物に支配されたような感覚になるんですよね。 子どものことを思う時って。 

なので、藤島の執着心の根底にあるのは自己愛だけだとわたしは依然言い切っちゃうのですけども、もしかしたら、「親」という生き物に宿る説明不可能な感情も、少しは混じっていたのかなぁ、と思わなくもないのです。
特に、ラストシーンの雪山で、やっとこさ自らの力だけで娘を探し始める、惨めったらしい藤島の姿に対しては。

とまぁ、文句を言うために行ったんじゃないはずなのに結局文句に終始してしまっている感はありますが、映画を観終わって(原作を読んだ時もですが)改めて思ったことがありまして。

あくまでわたしの考えですけども、一番忘れちゃいけないのは、親は「いつか子どもを手放す日」のために行動しなきゃいけない、ってことなんじゃないのかなぁ、と。


だいすきだしかわいいから、ホントはずっと一緒に居たいし、手元にとどめて愛しんでいたい。
でもそれは、それこそ「自己満足」以外の何ものでもないわけで。
それに、「一緒にいる」ことを前提にしてしまうと、「一緒にいて心地よいため言うことを聞かせる」とか「一緒にいて不便でないため押さえつける」なんてことをしてしまう気がしますし。

子どもたちを送り出す時は必ず訪れるから、その時彼らが安心して旅立てるよう、愛されたという自信を持って生きてゆけるよう、今できることをやっておかなきゃならないんだよなぁ・・と思ったのですよ。
「加奈子を取り戻したい」、「加奈子の本性を知りたい」、「加奈子に愛されたい」、と自分の願望ばかりを押し通そうとする藤島のようになってはいけない。
暴力なんかは言うまでもないけど、「愛」という心地よいものでがんじがらめにしてもダメなんだよ!

まぁでも、じゃあ「それはどこまで?」っていう配分がまた、非常にむずかしいんですけどね・・。 (※そしてまたぞろ湧き上がる「うちの子かわいいいいい!」という熱情)


■ 原作との相違について

大きな相違として感じたのは、藤島が加奈子にしでかした鬼畜な行動。
原作ではもっとわかりやすく、父親が娘を(酔った勢いとはいえ)辱めたということがわかるやりとりがありました。
その後、加奈子が緒方くんに救われ、その緒方くんを奪われた、といういきさつも、原作からは充分理解できます。
加奈子の行動に「復讐」という意図が隠されていたことも、しっかり伝わってくる。
ですので、性的な行為が行われたようには描かれず、暴力行為とキスだけだったようになっていた映画版は、加奈子というキャラクターの印象がずいぶん違ってしまったように思います。

感情を持たないお人形。 
うまれついての邪悪な存在。 
理解不能なバケモノ。
そんな得体の知れない生き物に振り回される、市井の人々。
キスだって、加奈子のほうから父親を誘っていたように演出されていましたからね。
こわいでーこわい小悪魔やでー抗えんでー とでも言いたいかのように。

でも、ホントにそうなのでしょうか。
仮に性的虐待がなかったとしても、「実の父親に首を絞められ殺されかける」って、人間性が壊れるには充分すぎる経験なんじゃないですか?
加奈子が誘惑したかのようなシーンにしたって、そこに至るまでの経緯を想像せずに「わービッチだー」って言いきっちゃっていいんですか?
藤島の目を見つめて「ああ、わかった」となにもかも悟ったような表情を浮かべる加奈子が、幼いころから父親の眼差しに「よこしま」なものを感じ取っていたのでは、と推測するのは、決して深読みしすぎではないと思うのですよね、わたしは。
むしろ、そこまでに小さな積み重ねがあったと考える方が自然なのではないでしょうか。

『ダークナイト』(のジョーカー)以降、なんかつったら「純粋な悪」で片づけよう、みたいな映画をちょいちょい見かけるのですけども、わたしは安易な気がしてあまりすきではないのですよ。
それはわたしの中に、「子どもってそんなんじゃないよ」という、「純粋な悪は自然に生まれるもんじゃないよ」という気持ちがあるからなのかもしれませんけどね。
というわけで、原作とは別のおぞましい経験を経た加奈子も、だからといって完全な悪にも見えず、でも描き方としてはジョーカーっぽい感じになっていて、ものすごくモヤモヤしてしまいました。

うーん。 わしゃやっぱり、原作の加奈子のほうが、すきだなぁ。(悲惨ですけどね)

あと、オダギリさん演じる殺し屋・愛川が、ただのサイコパスみたいだったのも不満でしたね。
原作における愛川(役名は別でしたが)には、大きな病気を患う息子がおり、その治療費を稼ぐため裏稼業に手を染めるという、「いけないことはわかっているけどのっぴきならない」動機付けがありました。
それがまるまるカットされ、こっちにもジョーカーおったわ!みたいな闘いにもつれ込んでいたのが、なんというか、欲張りすぎというか、おもてなし精神ありすぎというか・・。
もっと藤島の狂気に集中してもよかったんじゃないかなぁ・・と思ったのでした。

その他は、若干の変更こそあったものの、大まかには原作に忠実に作られており、そこはホントによく作れたなぁ(というかよく映倫通ったなぁ)と素直に感心できるトコロでありましたよ。


■ その他のことについて

・ オープニングだっせぇ!! オープニングだっせぇ!!!

・ なんなのこの「オシャンティな幕開けを目指した結果壮絶ダサくなっちゃってでもとりあえずそのまま続行してます」みたいなオープニングは・・・?!  ・・と思ったのですが、もしかしたらアレは、「元嫁から電話がかかってきて久しぶりに頼りにされてるっぽくてテンションガチ上がりの父ちゃん」の心象を表していたのかもしれないので、どっちみちダサいです。

・ 映像がガチャガチャしていてなんのこっちゃわからん。

・ やたらと大音量でBGMがかかっていて、「耳障りだなぁ・・・」  ・・と思ったのですが、そのあと車のエンジンを切ろうとしていたので、「もしかしたら車でかかっていた音楽ってことにしてスムーズにオフにする演出くる?」と洋画でよくあるパターンを期待していたらエンジンを切ってもそのまま流れ続けていたので、どっちみち耳障りでした。

・ 役所さんの靴下のシーンはとてもよかったです。

・ 役所さんの部屋がリアルガチで汚かったところもよかったです。

・ ダンスを踊ってるんじゃないですよ? 音楽をかけながら内臓を踏んでいるだけですよ?

・ 先生、そこはとどめを刺さなきゃダメ! ホラーでも鉄則のやつ!

・ 加奈子をバケモノと思えなかったわたしの目に、いちばんバケモノらしく映ったのは、妻夫木さん演じる浅井刑事でした。 いつも薄ら笑いを浮かべているその瞳の奥はまっくら闇で、「ああ、この人の心こそからっぽじゃないか」と思いましたよ。 すごくよかった!

・ 橋本愛さん演じる森下さんの親友・長野さんが超ガチャピン。(※峯岸みなみさん)

・ 加奈子のほうから藤島を誘惑・・というシーンですが、もしかしたらその一連のくだりは現実じゃなく、藤島の脳内で歪められ出来上がった事実なのかもしれないなぁ、と思いました。 とかく人間というものは、自分に都合よく記憶を書き換えるものなのれす。  ということで結局クズい!

・ 加奈子が「わたしが緒方君を殺した」とつぶやくシーンがあるのですが(※ここも原作とは違う点なのですが)、わたしは文字通りの意味ではなく、「死に等しいほど苦しんでいた恋人を楽にしてあげた」、もしくは「恋人の死を止められなかった(見殺しにしたも同然)」、という風に解釈しましたよ。  ・・まさかそのまんまじゃないじゃろ? でもジョーカー的なキャラにしたいみたいなので、そのまんまなのかも。


■ 藤島昭和について(リプライズ)

最後に藤島は「父」になれたのでしょうか? 
なれたのかもしれません。  

そして、「娘と一緒に朽ち果てる」ことが、父親として、最後にして唯一してあげられることだったのなら、この幕引きは藤島にとってのハッピーエンドだったのかもしれないなぁ、と思いました。




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『呪怨 –終わりの始まり-』

2014年07月02日
じゅおん


わたし    「ちょっと映画行ってくるで」
世帯主さま 「おっ! 『渇き。』行くんか?」
わたし    「えっ・・・ っと・・それも観たいというか観るつもりなんやけど、今日はちょっと別の・・・あの・・・『呪怨』をですね・・・」
世帯主さま 「はああ?! じゅおん?! 『渇き。』じゃないんか?!」
わたし    「・・うん・・・だからその・・・もちろん『渇き。』も行くんやけど・・・ なんというか・・・せっかくね・・『呪怨』もやってるし・・・」
世帯主さま 「今度のじゅおんってアレやろ? 佐々木希やろ? だいじょうぶなんか?だいじょうぶじゃないんじゃないんか?」
わたし    「いやそりゃまぁね・・・・大丈夫かって言われたら正直なんとも言えないというか・・・  監督もオリジナルを撮り続けてきた清水崇監督から落合正幸監督にバトンタッチしてるし・・」
世帯主さま 「それダメなパターンじゃん?!」
わたし    「違うんやで! 落合監督は過去に何作もホラーを手掛けてきたベテランだし、廃院間近の病院での恐怖の一夜を描いた『感染』なんかも、史郎がじつによかったし!」
世帯主さま 「史郎だけなんか・・・」
わたし    「それに、今回の内容はというと、 “不登校の生徒の家を訪ねた教師が呪いの渦に巻き込まれる” っていう導入部はオリジナルシリーズ1作目をなぞらえていてワクワクするし、 “遊び半分で家を訪れた女子高生が次々と惨劇のえじきとなる” っていう所なんかもオリジナルの展開そのまんまだし、とかなんとか言いながら “リブート” であるという点を強調していたりなんかもしていて、どのような物語になっているのか大いに興味をそそられるし!」
世帯主さま 「そ・そうなんか・・・  でも、なんだかんだ言っても佐々木希やろ?」
わたし    「ぐぬぬ・・・  ちなみにトリンドルも出とるんやで・・・」
世帯主さま 「なんやて・・・?  ・・しかし、ほんまにええんか・・・わざわざ映画館に行ってまで君が観る必要って、あるのんか・・?」
わたし    「・・逆にな、わたしが観ないとダメな気がするんよ・・・ 『渇き。』は既に話題になってるし、たくさんの人が観に行くと思う。でも、『呪怨』は・・・」
世帯主さま 「ま・・まあな・・・」
わたし    「おもしろくないかもしれん・・おぜぜの無駄かもしれん・・・でも、あの人(呪怨)にはわたしが必要なんよ・・・わかってつかあさい・・・・ 」
世帯主さま 「(完全にダメな男ばっか好きになるパターンのアレやで・・!)」


あらすじ・・・
悪徳不動産屋さんが、不幸が相次いで起こりさんざっぱら死人を出したいわくつきの家を、性懲りもなくシレっとした顔で貸し出します。

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(※ 相変わらず塗りムラがはげしい俊雄くん)

・ Jホラーブームの立役者のひとり『呪怨』が、先だってヒットを叩きだし続編まで作られた『貞子』に続けとばかりに、華々しい復活を果たしました。 しかも、3Dなんつう小手先勝負に出ることなく、正統派ホラーとしての堂々たるカムバックです。

・  というわけで、少なからず胸をよぎっていた不安を振り払いつつ、佐伯家の骨を拾うべく劇場へと馳せ参じたのですが、ホントにね、すごかったですよ! いろんな意味ですごかった! いやぁ、いい「呪怨」でした!

・ ノゾミール(佐々木希さん)とトリンドル(トリンドル玲奈さん)という二大巨頭を使って恐怖映画を作る、という、ねるねるねるねからIPS細胞を作り出すぐらいインポッシブルなミッションを突き付けられた落合監督の心情を慮ると、並々ならぬご苦労があったことは想像に容易いのですが、いざ蓋を開けてみれば「よくぞここまで!」と喝采を送りたくなるようなナイスな調理っぷりで敬服いたしました。 みんなー!でっかい大根がおいしく炊き上がったよ!

・ まず、準主役であるトリンドルさんについてですが、「困り顔」というただひとつの表情だけで、ほとんどのシーンを乗り切らせることに成功。 それはまるで、“人形”という感情の無い役に挑んだ「石の微笑」における北島マヤの如き「不動」の演技と言えるのではないでしょうか。 最もリアクションを求められる場面においては、スタントさんに体を張らせることで画面に迫力を与え、なんとなくうやむやにさせてしまうという。 まさに映像の魔術師(マジシャン)!

・ 多くの人が心配していたであろうノゾミールはというと、「オラが主役だべ!」という気概をも感じさせる熱演を披露。 神妙な表情(覇気のない状態)と驚いた表情(ちょっと目を開いた状態)といつものキメ顔(ふんわりと笑った状態)の3パターンで共演者を煙に巻く姿は、「はい」「いいえ」「ありがとう」「すみません」だけで姫川亜弓さんと渡り合った北島マヤの如き煌めきを感じさせる程。

・ そしてわたしが一番舌を巻いたのは、主人公ノゾミールが迎えたクラマックス。  一難去ってまた一難の果てにノゾミールを待ち受けていた、彼女の婚約者の変わり果てた姿(この姿がまた超さいこうにおもしろいんですよ!)。 物語を締めくくる最上級の悲鳴には、狂気と絶望に満ちた表情を添え・・・ ・・・たかったんでしょうけど流石にそれはちょっとノゾミールにはハードルが高すぎるとふんだ監督が選んだうまい解決法、それはズバリ「無表情」!

・ とりあえずぼけーっとさせておいて、あとは瞬きだけ我慢させておけばそのうち目が乾いて涙もこぼれますし! そしたら、何もしてないのに何かしてるみたいに見えますし!  「できないならやらせなければいい」 という発想の転換・・・ すごいぞ・・・落合監督は天才か・・!

・  (※ 演出に関する記述は全てわたしの推測です)

・ では、ダブルヒロイン以外はどうだったのでしょうか。  まず、貞子に並ぶホラー・アイコンを長年演じ続けてきた藤貴子さんに代わり、新たな伽椰子像を作り上げるという難関にチャレンジした最所美咲さんですが、人間モードの時こそ「いかにもな感じのエキセントリックな演技」だったものの、カヤたんモードに入ってからは抜群の動きとキレッキレの眼力を見せつけ、劇場内の温度を2、3度下げることに成功していたのではないでしょうか。  これまたオリジナル版の松山タカシさんから配役変更された、佐伯剛雄役の緋田康人さんも、松山さんに負けず劣らずな凄みのある演技で、タガが外れた人間の恐ろしさというものを心底感じさせられました。  あとは・・・ 俊雄くんは・・・ええと・・・・なんつうかその・・・ねぇ・・?

・ そもそも、「白塗り&グンパン(グンゼのパンツ)」という、恐怖の対極にあるとしか思えないいでたちでニャーニャーないていた俊雄くんは、いつだって全力でカヤたんの足を引っ張っていたわけでありまして。 どれだけカヤたんが気を吐いたところで、俊雄くんが体育座りでジト目をしているだけで失笑必至。 なんど映像化されても解消されない塗りムラ問題と、とってつけたような目のくまにプラスして、近年は「これって児童ポルノ的にオッケーなのか・・・?」という心配まで付きまとい、正直こちとら恐怖描写に身が入りません! せめてなんか羽織っておくれ!

・ 佐伯家に不法侵入した結果、おばけ親子にきっちりお仕置きされてゆく女子高生たち(トリンドルさんを除く)も、いい塩梅に浮ついていて、演技に関してはトリンドルさんとどっこいな方もいらしたのですが、制服姿がめちゃくちゃ可愛いかったので、もういいかな・・・ と思っているわたしがいます。 なあに、問題ありません。 なぜならホラーというのはそういうものなのだから。(たぶん)

・ 「あご割れ」や「布団からのコンニチハ」や「まさかの受胎騒動」に続き、伝家の宝刀「階段降り」など、オリジナルの名場面をふんだんに盛り込んだ展開がおもしろく、「来る・・?」と思わせた上での意表を突いた天井這いなどは、そうきたか!と膝を打ちたくなるぐらい愉快でした。 

・ ずらされた時間軸が組み合わされることで真相が解き明かされてゆく構成も、複雑すぎず、かといって単純すぎない程度のひねりがくわえられており、過去のシリーズを観てきたファンと、初めての観客の双方に、適度な驚きを与えてくれるのではないでしょうか。 

・ さんざん遠まわしに書いてきましたが、はっきり言うと「覚悟していた以上の惨状ではなかった」程度でしかなかった作品でした。 これでも回りくどいか。  わかった!正直に言うよ!ひどかったよ!わかってたけどひどかったよ! でも、わかってて行ったんだからこれでいいんだよ! 

・ 「このタレントさんを使って、この予算で、グロは無しで、血の色なんかは当然抑えめで、でも絶叫系で」みたいな無理難題にノーと言うことを許されない映画監督(制作スタッフ)って、決して少なくないのではないかと思うのですよ。 そうして完成した作品は、目の肥えたホラーファンからは悪しざまに批評され、新規のファンにさえ物足りないと言われることもあるでしょう。  ただ、わたしはそういった様々な制約の中で作られた映画をできれば応援して行きたいし、本作にしてみても、かなりの創意工夫と苦渋の決断の痕跡が痛いほど感じられ、絶対に嫌いにはなれない。  いや、むしろ充分すぎるほどよくできていると思うのですよね。  ひどいとか言っちゃったけど、最低限押さえるべきツボは、きちんと押さえて仕上げられていると思います。

・ 特に、ラスト10分の畳みかけはすばらしかったですよ。 そこに至るまでの停滞感を一気に吹き飛ばすほどの勢いで、思い切りの良すぎる造形も含め、大いに楽しませていただきました。  

・ サンルティンバンコもかくや! というような一大アクロバットに挑戦する(ほとんどはスタントさんと特殊効果でしょうが)トリンドルさんのスカートが、大人の事情でいっさいめくれないのを目にした時、本当に心の底から「スタッフのみなさん・・・ご苦労様でした!」と思いましたもんね。  あれだけ上下左右に振り回されて、あれだけミニスカートなのに、パンチラが完全にロックされてるなんて尋常じゃないよ! あとから描き足したみたいなスカートだったよ! もういいっ・・・!・・もう休めっ・・・・!

・ まあね、大きなスクリーンでカヤたんが観られたので、わたしはもう満足ですよ。ええ、そうですとも。

・ あとね、なんだかんだいって一番衝撃だったのは、エンディングで流れた主題歌なんですよね。 「なんだこのお経みたいな歌は」と思っていたら、鬼束ちひろさんの新曲だったという。 ・・き、聴いてるだけで気持ちがどんよりとするいい歌ですね!

・ というか、今の鬼束さんならそのままの状態でカヤたんやっても違和感ない気がします・・!

・ というわけで、得心したので、明日こそは『渇き。』を観に行きます。 



関連感想
『呪怨』(ビデオ版)・・・栗山千明さまが登場
『呪怨2』(ビデオ版2作目)・・・カヤたん大繁殖
『呪怨』(劇場版)・・・焼いても炊いてもどうにもならなかった奥菜恵さん
『呪怨2』(劇場版2作目)・・・酒井法子さんご懐妊
『THE JUON 呪怨』(ハリウッド版)・・・狙われたビル・プルマン
『呪怨 パンデミック』(ハリウッド版2作目)・・・家が燃えました
『呪怨 ザ・グラッジ3』(ハリウッド版3作目)・・・カヤたんの妹登場


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