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『トロール・ハンター』

2012年11月29日
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(※ 夢だけど、夢じゃなかった!)


あらすじ・・・
河原でもないのにでっかい岩がゴロゴロしている場所ってあるでしょ、山裾とか。アレね、トロールがケンカした名残ね。石投げ合って、えいやーって。マジで。


(※ 感想の最後にトロールの画像を添付しておりますので、未見の方は是非本編をご覧になってからお読みください)



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(※ でっかいことはいいことだ!)

というわけで、ノルウェー産の新感覚POV『トロール・ハンター』を鑑賞しましたよ。
何で新感覚なのかというと、画像が超キレイだから!
いわゆる、自分ちのハンディカムでやみくもに撮りまくった「素人動画」ではなく、機材にこだわった「記録映画」なのですよね。
だから映像も(走る時以外は)ブレないし、ノルウェーの雄大な景色がこれでもかと収められていて、ちょっとした観光気分まで楽しめるという。 
カメラも不自然にまわしっぱなしにならないし、動揺したら天井とかが写しっぱなしになってしまう。物凄く本物くさい。イイネ!

で、そんな「記録映画」を製作したのは誰なのかというと、ノルウェーの西部にあるヴォルダ大学に籍を置く三人の若者たち。マイケル・ムーアに憧れるリーダーのトマスくん、でっかい収音マイクを片手にどんなトコロにもついてくる音響担当のハンナちゃん、撮影担当のカッレくんでして。
卒業制作なのか授業での課題なのか、当初「ノルウェーにおけるクマの密猟」をテーマに取材を始めた彼らは、怪しいハンター・ハンスさんの存在を知り、張り込みの末マイクを向けるものの、あっさり取材拒否。
そこでこっそりハンスさんのお出かけについて行きましたところ、人っ子一人いない山の奥を閃光が駆け抜け、血相をかえたハンスさんが叫びながら飛び出してきます。「トロールだぁぁぁぁあ!」、と。

学生たちはこのハンスさんの発言に半信半疑なわけですが、トマスくん自身が引っ掻かれて背中に傷を負ってますし、何より自分たちのカメラに収めちゃっているので、本来なら疑いようがない筈なのですけどね・・・。 おまえらの目は節穴か!
そして「オレは政府からの依頼を受けてトロールを監視している、この国ただひとりのトロールハンターだ」というハンスさんの香ばし発言の裏をとるべく、彼の行動に同行。
完全に本来の趣旨からは離れてますが、細かいことは気にせず、ハンスさんと一緒にあっちの森やこっちの丘陵でいろんな種類のトロールを目撃。 その生態を知る事となる大学生。 ていうか学校は?ねぇ、学校は? もう行かない方向なの・・・?あ・・冬休み・・とか・・? 

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(※ 日本でいうところの The・マタギ)

このハンスさんが、本作を2倍も3倍も魅力的にしている事は明白で、手作りの装甲ファッションや閃光弾、三脚がついたままみたいな紫外線ライトを有効活用し、うすら笑いでついてくる学生たちの安全に配慮しつつも、収めなければならない映像を押さえさせ、確実にトロールを仕留めてゆく姿に超絶シビれました。 
中の人の本業はノルウェーの人気コメディアンなのだそうですが、渋すぎる面構えや落ち着いた佇まいからは、普段ブーブークッションに座ってズコーとかやっている姿など想像もつきませんね。 ま、やってるかどうか知らないんですけどね。

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(※ ぬいぐるみ感あふれるクマちゃん)

トロール部分はもっぱらCGで描かれているのですが、風光明媚な景観に見事に溶け込み、安っぽさは感じられません。
夜行性の生き物なので、暗闇の中での撮影か、もしくは暗視モードに切り替えて撮影せざるを得ない、という条件も功を制していますね。
で、いざ写りこんでみたらみたで、体はもっふもふだわ顔は邪悪な友蔵さくらももこ)テイストだわで、ものすごく憎めないビジュアルだった、という点も良いと思います。
主食は?習性は?どんな種類がいるの?なんで紫外線に弱いの?などなど、細かい設定も定められており、そのひとつひとつが微妙にホントくさくて、なんだか微笑ましい気持ちになってしまいました。いや、居ないってわかっていますよ?でもね、もしかして居たりなんかしちゃったりなんかしたら、そしたらどうしますか? ああ!夢がある映画っていいなぁ!

そしてそんなトロールに関するリアル描写が続けられる一方、家畜被害の濡れ衣を着せられるクマちゃんは見るからにニセモノ・・・というか完全にぬいぐるみの質感だったりして、どうしてくれようかこの胸のときめきを。 ぼかぁ抱きしめたいよ!クマちゃんを!(※トロールは臭そうなので遠慮します)

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(※ けしからん!まことにけしからん!)

あとね、トロール以外の点で、アガサがもうひとつどうしても言っておきたい事。
それは、家畜殺害の現場をレポートしていた女の子のかわゆさ。そのコートのサイズの絶妙さ加減でありまして。
ほんの1シーンだけの登場で、本作に出てくる女性出演者すべてを凌駕してしまった、荘厳なまでのダイナマイトバディ。 おお・・神よ・・・!
だいたいねぇ、コートって普通からだを覆うのもじゃないですか!ボディラインを隠すくらいの、なんつうか「着膨れ」感すら漂うくらいの衣料品じゃないですか!それがなんですか!このピッタリ具合は!ドニーさんの皮ジャンかっつうの! 
横乳に沿って出来た服皺の丁度いい膨らみときたらもうね・・・ あたしゃこの衣装をあつらえた人に、ノーベル平和賞をあげたいよ!(←まだちょっとさくらももこを引きずっている)

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(※ 「毛がはえてて、こーんな口してて、こんなのと、こんくらいのと、こーんなに大きいのが寝てた!」 メイ談)

『となりのトトロ』や『指輪物語』などのファンタジーでもお馴染みの生き物・トロルを、とことん真面目に蘇らせた『トロール・ハンター』。
「実在する」ことを前提に作られた本作を観ていると、ばかばかしい事を全力でやることの尊さを再確認させられましたねぇ。
ありえない事なのに、出来上がった作品の完成度の高さから圧倒的な説得力を感じてしまう。
なんかすごくかっこいいよ・・監督もスタッフもさぁ!
これからは、何気ない見慣れた風景も、特別なものに見えてきそうな気がする・・・。 ほらご覧・・あの峡谷はトロルが流したおしっ・・ ええと、涙の跡だよ・・!

官庁の下請けとして劣悪な労働条件を飲まされている職人さんの嘆きだったり、自然に生きるモノと人間との共存だったりと、実は「トロール」という特殊な設定を取り除いてもなお、充分我々の身に思い当たる問題が描かれており、社会派映画としても見応えたっぷりだったりします。
山から降りてくるクマが悪いのか、自然を破壊した人間が悪いのか、お互いに傷つけ合わず生きてゆく術はないのか。 トロールハンターの生き様から学ぶ事は多い・・・  ・・かもしれない!

非常に素晴らしい作品でした!
わたしは大好きです、この映画!

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『プロメテウス』

2012年09月13日
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あらすじ・・・
ものすごく昔の遺跡を調べていたんですよね!
そしたら共通したモチーフの壁画が何箇所からも発見されて、ははーん・・こりゃ呼ばれてるな、と。 
ここに描かれた星座は、我ら人類に対する道しるべだな、と。 
「いつの日にか来られるようになったらおいでよ!」「カモンジョイナス!」というメッセージだな、と。 
そういう事なんだと思って宇宙船をこしらえて行ってみたら、フルボッコにされちゃいました!どうしよう!


映画好きな人でなくても知っている超有名かつ超面白いSFホラー映画『エイリアン』。
その「前日譚」として企画された・・・と聞いていたのがいつの間にか「そんなんじゃないよ」と別モノ扱いとなり、そっか別なのか・・と思っていたらいつの間にか「でも関係なくもないかもよ」と同じ釜の飯で育ったくさいニュアンスを感じさせてくるようになり、結局のトコロ繋がりがあるのかないのか親子どんぶりなのか他人どんぶりなのかハッキリしないままシレっと公開されていた『プロメテウス』を観てきましたよ。

大きな船に集められた、一見エキスパートには見えない風のエキスパートたちが、こんもりとした謎の建造物の中で(デュロっとした未知の生物との)出会いと別れを繰り返し、時に泣き、時に笑い、時に寄生されながら淘汰されてゆく。
で、あとはなんというか、ボガーン!とかプシャー!とかブワワー!とかなってキラキラ天体ショーがあったりして、SF小説の表紙みたいなキメ絵も満載で、宇宙船の室内インテリアなんかもホントもうセンスさいこう!って感じな映像の連続で、ちょっとした疑問は残るものの、めくるめく2時間強を過ごす事が出来ましたよ。

という訳で、以下その疑問について記しておこうと思います。
(※ただし、早くも続編の製作が決定しているとの報道があったように、これらの疑問に対する答えは次回に持ち越しなのでしょうから、これはあくまでアガサがぼんやりと考えた事をまとめておく為の、備忘録的なアレだと思って一笑して頂けるとありがたいです。)


■ ピューと吹く!ファスベンダー

宇宙船からアンドロイド開発まで、幅広く手掛ける世界的巨大企業・ウェイランド社。 
「人類の起源」を辿る為の一大プロジェクトにおいて、最も重要な役割を担わされたのがアンドロイドのデヴィッド(演じるのはマイケル・ファスベンダーさん)なのですが、とにかくこのデヴィッドが素晴らしいわんぱく小僧でして。
「人間」であるクルーがコールドスリープ状態でいる中、ひとり黙々と機内のメンテナンスやクルーの管理をこなすデヴィッド。
アンドロイドだから孤独を感じる事はない。
アンドロイドだから喜怒哀楽もない。
ところが、目的の惑星に到着し、件の建造物を探索し始めたデヴィッドは、どことなくテンションがおかしいご様子。
クルーのみんなが不気味な巨像を見て「やべー!やべー!」と興奮している傍らで、こっそり怪しげな物体をお持ち帰りしてみたり、その物体の中身をこっそりクルーのメンバーに飲ませてみたり、そのメンバーとまぐわった女性クルー・エリザベスの体調変化をワクワクしながら見守ってみたり、勝手に建造物を探検してコントロール室を発見してみたり、起動させてみたり、フエ吹いてみたり。
喜怒哀楽がないどころか、完全に楽しんでいるのですよね、一連の状況を。

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(※ 読める!読めるぞ!みたいなテンションになってしまったファスベンダーさん)(※イメージ)

デヴィッドは要するに、何がしたかったのかのでしょうか。
自身の創造主であるウェイランド社長の指示は、「人類の創造主=エンジニアを探すこと」だったはずです。
デヴィッドが2年4ヶ月もの航海の間、古代語をはじめとした様々な語学の勉強に勤しんできたのもその準備のひとつ。
ならば、クルー全員でその目的を果たせばよかったのではないでしょうか。
怪しげな物体を持ち帰る必要など無かった。
なのにデヴィッドがそれをしたのは何故なのか。

アガサが思うに、デヴィッドはエリザベスに興味を抱いていたのではないか、と。
長旅の間、眠っているエリザベスの記憶をちょいちょい盗み見ていたデヴィッドは、「ファーザー・コンプレックス」な点や「子孫を残す事が出来ない」点という自身との共通点を知り、エリザベスに特別な何かを感じはじめてしまったのではないか。
それは、人間で言うところの「恋」みたいなものだったのかもしれませんが、ともかく、デヴィッドはエリザベスに子どもを生ませてみようと思ったのではないかと思うのですよね。
自分が持って帰った「種」を植え、エリザベスの「お腹」で成長させてみたらどうなるだろうか、と。
あとはええと、エリザベスならなんとか生みきってくれると踏んだのかもよ! 
ほら、あいつ頑丈そうじゃん!

■ 待ちわびた・・・丹念に育んだ種が時とともに成長し・・・遂にはこの俺に牙を剥く!

本編の冒頭、地球とおぼしき惑星の上空を漂う巨大な円盤が映し出されます。
そこから降り立ったと見られる、山海塾をより一層マッチョにしたような男性。
彼が真っ黒な液体を口にすると、みるみるうちに体は溶け始め、滝壺に崩れ落ちたその残骸が水と混ざり合い、水の中のなんらかのDNAに変化を与えるトコロが描かれるのですが、きっとこれがリドリー・スコット監督が考えた「人類の起源」なのだろうと思うのですよね。(もしくは、「どこかに存在する、とある惑星の、生き物の進化に劇的な影響を与えた要因」なのだと)
進化を続けた生き物は、のちに「人間」となって尽きない好奇心と飽くなき探究心により更なる知識を手に入れ、ついには自分たちが生まれた理由を知る事を欲するようになる。

「どうやら、我々が誕生したのは別の惑星に生きる創造主が一枚噛んでくれたお陰らしい」
「生まれさせる事が出来るって事は、死なせない事も可能なんじゃねえの」
「じゃ、いっちょ行ってみんべ!」
そう考えたひとりの男(ウェイランド社長)。
しかし、やっとたどり着いた惑星で、たったひとりだけ冬眠ポッド内で生き残っていた創造主(エンジニア)は、成長した我が子を思わぬ方法で歓迎します。

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(※ 「見て見て!」とばかりに必殺マッハパンチを繰り出してみるも、ムキムキの創造主に「スロー過ぎて眠っちまうぜ・・」と軽く捻られちゃったみたいな状態のファスベンダーさん)(※イメージ)

エンジニアは要するに、何がしたかったのでしょうか。
自分たちに似せた生き物を生み出したのは、その遺伝子の中に特定の惑星の存在を知らせるような情報を残したのは、一体何故だったのか。
人間たちはすくすくと育ち、遥かな宇宙へと赴く術も、特定の惑星を探し出す知恵も手に入れました。
そしてがんばって辿り着いた。
果たしてエンジニアはそこまで予想していたのでしょうか。
特定の惑星が最凶生物兵器の保管場所だったのは、いつか来るであろう人間を滅ぼす為だったのでしょうか。

なんかね、アガサにはこのエンジニアさんたちの行動が、すごく場当たり的に思えたのですよね。
場当たりというか、衝動のおもむくままにというか。
「こんなに優秀なオレの遺伝子なんだから、あっちこっちにばら蒔いときたいわー」みたいな、子孫を残したいという本能のままというか。
で、特定の惑星の星図を遺伝子に残しておいたのは、「おまえらがここに来れるだけの高度な成長を果たせるかどうか・・・見ものだな・・フフ・・」という親心だったような気がするのです。

「こんな遠くまで来られるものか・・いや・・・しかしあいつらならやってくれるかもしれぬ・・・その時こそ、真の最強生物が誰なのかを思い知らせてやりたいものだな・・・アレ・・?・・なんだかオレ・・さっきからあいつらの事ばっか考えちゃってる・・・」
エンジニアさん・・ひとはそれを恋と呼ぶのですよ!


蓄えまくった知識を総動員して、睡眠状態のエンジニアさんを呼び覚まし、褒めて貰いたがっている子犬のように嬉しそうに目を輝かせるデヴィッドを、どこか愛おしいような眼差しで見つめ、「そうかそうか・・・ここまできたか・・・・よしよしイイ子だ・・・イイ子・・グワッ!」みたいに締め上げるエンジニアさんの背中に、オレはオーガを見たね!

■ シャーリーズ・セロンさんは電気羊の夢を見たのか?

ウェイランド社長の一粒種(たぶん)であり、ウェイランド社の幹部兼今回のミッションの責任者であるメレディスさん。(演じるのはシャーリーズ・セロンさん)
整いすぎた容姿と切れ味抜群の知性、そしてなにより100歳超のウェイランド社長に比べ歳が離れすぎている娘、という事から、彼女もまた人間ではなくアンドロイドなのではないかという疑惑がちょいちょいチラつかされていました。
メレディスさんは要するに、どっちだったのでしょうか。

ええとね、たぶんだけど、人間だったんじゃねえの! だってほら、恐怖を感じてたもん! アンドロイドはね、「嬉しい」「楽しい」までは理解出来ても、恐怖までは学習できないと思うんだ! だって死なないから!  ちがうちがう!投げやりになってないよ!そろそろまとめに入りたいとか、そういうんじゃないよ!

■ まとめ

・ ひとつずつ画面上に浮かび上がる線。 意味を持たない記号のように見えたそれが徐々に形をなし、 PROMETHEUSという単語が出来上がった瞬間の快感はまさに、初めて『エイリアン』を観た時のそれでした。 テラかっこいい!

・ 会社説明会の時に流れるサントラとか、チ○コみたいな形の椅子に腰掛けたスペースジョッキーとか、宇宙船のクルーのお腹に植え付けられた異物とか、アンドロイドの首もげシーンとか、思っていた以上に『エイリアン』していて楽しかったです。

・ とは言いながらも、実は前半(正確に言うとクルーが寄生虫みたいなのに襲われる辺りまで)かなりの睡魔に襲われてしまいまして、眠気覚ましのミントタブレットをガリガリ噛み砕きながらの鑑賞となりました。 お陰で鑑賞後は舌がビリビリしていましたヨ!

・ ほんで、よくよく考えてみたら、『エイリアン』もフェイスハガーにフェイスをハグされる辺りまでは大体睡魔との闘いになっていた事を思い出したので、まぁ、しょうがないのかもネ!(私の場合はね!)(もっとね、ガンガン闘って欲しいんですよね!)

・ 人類に対してエンジニアがした事と、人間に対してデヴィッドがした事の根っこは同じなんだろうなぁ、と思いました。 この黒い水を飲ませたらどうなるものか。危ぶむなかれ。危ぶめば進化はなし、みたいな。 要は「好奇心」なのかなぁ・・と。 迷わず飲ませよ!飲ませばわかるさ!

・ 飲ませてアカンっぽかったら無かった事にしちゃえばいいじゃない!

・ で、誰に飲ませるのかってなった時、わざわざエリザベスの彼氏を選んで一服盛った理由は、やはりその先にあるエリザベスの存在が大きかったのではないかと思う訳で。

・ 創造者と人間、人間とアンドロイド、アンドロイドとエイリアン、という「父と子」の関係性が本人たちの意志とは裏腹に壮絶に拗れぶつかり合う本作は、SFなのだけれどなんだかとっても人間臭くっておもしろかったです。 

・ 余談ですが、なぜキリスト教って「神」を「父」と呼ぶのでしょうね。 おい!お母さんどこ行った!

・ 雑な扱いを受けた「母(エリザベス)」がデヴィッドを連れて向かった先で、今度はどんな小競り合いが待ち受けているのか。 2~3年先に予定されている次回作の公開を楽しみにしたいと思います。 



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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』

2011年07月17日
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いつもより多めにアイシャドーを入れております!!

“ハリー・ポッター”ほど特殊な映画が、今までにあっただろうか、と、ふと思いました。
名作と呼ばれるシリーズ映画はいくつもあります。
『スター・ウォーズ』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『トイストーリー』、『ゴッド・ファーザー』・・。
個々に切り取っても面白かったそれらと比べ、ハリー・ポッターは単体で観るとあまりにご都合主義の塊で、あまりに説明不足で、あまりにツッコミどころの多い映画でした。
しかし、有名すぎる原作と共に、新しい続編映画が作られるたび世界を熱狂させ、特別な想いを芽生えさせてきた。
「続けて観る」事で、登場人物たちをまるで自分の隣人、友達、家族のように感じさせてしまう特殊な映画。 それが“ハリー・ポッター”なのではないでしょうか。

そして、今回ついにその物語が完結の時を迎えました。

上・下巻合わせて1100ページ強という原作のストーリを、Part1,Part2に分割し、たっぷりとした時間をかけて描かれた最後の瞬間。
前作(Part1)と同様、今までの流れを知らない人には全く優しくない作品です。
現われるキャラクターは多く、ほとんど語られる事無く消えてゆくキャラクターも多い。
ハリーはひたすら苦悩し、しかし信念を貫き、彼を支える人々はそれぞれの覚悟を固め、過酷過ぎる運命に立ち向かう。
あどけない笑顔を浮かべていたハリーが、うすらヒゲを生やして魔法の杖を振りかざすに至るまでに、どんな試練を越えてきたのか。 
その事を知らないままに鑑賞すれば、きっと本作は「やたらと悲惨」で「なんでこうなっているのかイミフ」で「ヴォルデモートって結局何がしたかったの?」という印象ばかりを与えてしまうことでしょう。
しかし、彼らを見守り続けてきた私にとっては、深い感動を与えてくれる本当に素晴らしい終幕でした。

“魔法の力”を違和感なく表現した映像美は圧巻の一言。
個々のキャラクターには見せ場が与えられ、過去に数回しか出てこなかったキャラもまた、最後の挨拶とばかりに登場しますので、ファンの心を大いにくすぐってくれるのではないでしょうか。
溢れんばかりの哀しみを湛えた、とても辛い物語です。
省かれた部分もありますので、「なぜもう少しそこを説明してくれなかった」と悔しく思わなかったといえば嘘になります。
が、観終わった時には、見事に絶望を乗り越え希望を取り戻したキャラクターたちに惜しみない拍手を送りたくなるであろう、見事な完結編だったと思います。
10年分の感謝を込めて、ありがとう!ハリー・ポッター!



(※ 以 下 ネ タ バ レ 感 想 で す の で 鑑 賞 後 に ご 覧 下 さ い )

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『スカイライン-征服-』

2011年06月28日
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親方!空から・・じゃなかった、空に女の人や男の人やおじいさんやおばあさんや、とにかく沢山の人がまるでゴミのように!

あらすじ・・・
3日でわかる、人類捕食計画。


UFOの姿を探して空を見上げるようになったのは、いつごろからだっただろうか。

初めて「UFO」を見たのは、テレビか映画の1シーンではないかと思う。
作り物くさくて、実際に存在するとは思えなかった丸い物体。
それが、尽きない関心の対象となったのは、小学校4年生の頃に読んだ「世界七不思議」という子ども用ムックがきっかけだった。
写真とイラストを織り交ぜつつ、ネッシー、魔の三角地帯、アトランティス大陸、キャトルミューティレーション、人体自然発火現象といった摩訶不思議な事象を紹介するという、今だったら間違いなく洋泉社あたりが発行しそうなオモシロ本の中で、多めのページを割いて説明されていたUFOの目撃談。
アメリカの片田舎で農夫のおじさんが遭遇したオレンジ色の光。
偶然撮られたお椀の様な形の空飛ぶ物体。
世間はそれを「アダムスキー型」と呼ぶんだぜ、と教えてくれた矢追純一のテレビ番組も、さらに私の心を燃え上がらせた。

肉眼で見るUFOの姿はどんな様子なんだろう。
どんな風に飛んで、どんな光を放って、そもそもどんな目的で「付かず離れず」みたいな距離を徘徊しているのだろう。
実際に遭ったら多分怖い。 でも見てみたい。
小学6年生の頃には、訳のわからない熱情に突き動かされるがまま仲間を募って近所の鉄塔下に集まり、UFOを呼ぶような子どもに育っていた私。
そのころから今に至るまで、私の空の上にUFOは現われていない。
ゆえに今も私は、空を見上げてしまうのだ。
そこに、ぺかーっと輝くまばゆい物体が漂っていないかを確認する為。

さて。 本物のUFOとは縁遠い人生だったが、目の前のスクリーンでは実に多種多様なUFOが飛来しては消えてきた。
戸惑う人々をからかう様に高速で飛び交うUFO。 迷子のUFO。 実は地面の下に潜んでいたUFO。 ちっちゃいUFO。 ジャイアントUFO。
空を埋め尽くしたり、覆ったり、ちょこまかとうろついたりするUFOたちの姿に、私はいつだって無い胸を躍らせてきた。
そう、例えそれらの目的が、侵略や観察や殲滅や支配だったとしても、だ。


つまり、何がいいたいのかというと、『スカイライン』最高におもしろかったよコンチクショウ! というコトです。
『インデペンデンス・デイ』の流れを汲む巨大なマザーシップ。
「シップ」とは言ってもそれ自体が生命体であり、ひとつひとつの姿は微妙に異なっている。
数kmはあろうかという個性豊かなマザーシップが、ロサンゼルスの青い空と地上に建ち並ぶ高層ビルとの間、等間隔に浮かんでいる光景には、荘厳さすら感じてしまいました。
物語は、ある日の明け方近く、それらが空を覆ったのち、一気に無数の人間たちを吸い込む所から始まります。
何も出来ず、ただマンションに閉じこもり窓の外で繰り広げられる惨状に絶望するだけの1日目。
血気盛んな民間人の抵抗と、寄せ集め空軍による反撃が開始されるも、異性人が持つ再生能力を前に成す術無く踏みにじられるだけの2日目。
そして、全ての望みを失ったかのように見えた時、ついに最強の救世主が誕生する3日目。

限られた時間と、限られた空間(主人公が滞在していたマンションの周囲約数10km)だけを使い、人類の絶望から希望までの道のりをスピーディに描いてみせた手腕は鮮やかで、まるでロメロ3部作(ナイト・ドーン・デイ)をショッピングモールだけを使って一気にまとめてしまったかのような豪快さを感じました。
「世界の破滅」に説得力を与える為に、いちいちノートルダムやロンドン・アイやピラミッドを出す必要などないのですね。 
恐るべき吸引力を持つマザーシップや、パワー・攻撃力共にずば抜けているタンカー(全高18メートルのゴリラ型エイリアン)や、機動力の高いドローン(長い触手を持つタコ型エイリアン)が暴れまくる姿を呆然と観ているだけで、「ああ、こりゃ人間勝てないわ」と白旗を上げたくなってしまいました。
圧倒的、ってこういう事なんだろうなぁ・・と。

魅力的なエイリアンの造形、舞台設定のこじんまり加減と語られる内容のスケールのでかさによるギャップ、役立たずの泣き虫男・という過去にないヒーロー像もおもしろく、マンションから出るか否かで延々内輪もめしている生存者たちも、とてもリアルでよかったと思います。
そりゃ、外に出ればタンカーに踏み潰され、中に居ればいたで何時ドローンに見つかるかわからない様な状態で、揉めない訳ないですって!
ちなみにですけどね、アガサがもしこの場にいたら、確実にもっと揉めるような事言って撹乱させますよー。
「みんな聞いて! そもそも吸引されていった皆が死んでいるとは限らないわよ! もしかしたらあの船は、地球の危機を嗅ぎつけて人類を救出に来てくれた未来人かも!」とか「だから試しにお前行け」とか言って壮絶に仲間割れさせますからね! オッス!オレ協調性ゼロ!!

そして、世間では賛否両論・・というか否の方ばっかりのような、ラストの覚醒。
3日間に渡り、エイリアンの圧倒的強さを散々見せ付けられてきて、絶望しか残っていない状態での、この覚醒(というか生まれ変わり)・・・。
なんだよ! 最高にグっと来るじゃんか! 
え、え、なんで皆怒るの? わしなんかもう劇場で拳を突き上げたくなったケドなあ!

『第9地区』で(ハートが)焦がれたように、このラストもキター!って言いたくなってしまいました。 
惜しむらくは、本編はそこで終わってしまい、胸のすくような反撃に雪崩れ込んでくれない(続編の企画があるそうです)のですが、その予兆を充分感じさせるエンドクレジット(フィギアを組み合わせて撮ったジオラマ写真のような大暴れシーン)がこれまた素晴らしくキュートでしたので、アガサは大満足で劇場を後にしましたよ。
ロケによる実際の撮影フィルムにCGを組み合わせる方法から生まれたリアルな臨場感も素晴らしかったですし、脇キャラのおじさんによる大活躍も胸が熱くなりました。 決めセリフがバチーンと決まった時の爽快感たらないね!

長年「UFO」に憧れ、遭遇を夢見ている私にとって、この上ない贈り物のようだった『スカイライン-征服-』。
友好的でないエイリアンは怖いけれど、やはりいつか遠目でいいから、遥か彼方から来た隣人たちの姿を拝んでみたいなぁ・・と思いを新たにしたのでした。 あの、第三種でなくてもいいからね。 第一種接近遭遇まででいいですから。  そこは是非、気をつけて頂きたい。(←なぜか上から目線)


-追記-
聞くところによると、どうも巷では
スカイラインー征服ー x TENGA スカイラインー征服ー x TENGA “究極の吸引力”コラボ決定のお知らせ 

という企画が開催されているようで、これを見た多くのみなさんが一様に首をかしげていたのですけどね。
「そりゃ“吸い込む”って点では大きく外れてはいないケドさ・・・」とか「だったら掃除機のダイソンでもいいじゃない」とか。

しかし、ダイソンじゃダメなんですよ。
「強烈な吸引力」で、なおかつ「一度に数億のナニを吸い込む」というコレでなければ・・ね・・。 あとはもうわ か る な ?

と言う訳で、神秘の女体宇宙を夢見る健全な男子のみなさんは、偶然ではなく必然的にコラボした結果生まれたソレを使いつつ、吸い込まれる寸前で堪える、という荒業を習得すれば、本作の主人公・ジェロッドの様に新たな自分が覚醒するかもしれませんよ!  気になる方は是非お試しあれ!


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『SUPER 8/スーパーエイト』

2011年06月25日
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HAKAISHAとの遭遇。

あらすじ・・・
1979年、オハイオ州の小さな町リリアン。 そこでは、子ども達による低予算ゾンビ映画の製作が佳境を迎えていた。 
お調子者のケアリーはカメラと火薬担当。 ディック・スミスに憧れるジョーは特殊メイク担当。 背の高いマーティンは主演俳優。 気弱なプレストンは製作助手。 そしてホラー映画をこよなく愛するチャールズがメガホンを取り、撮影は順調に進んでゆく。
夏休みを迎えた彼らは、新たに同級生のアリスに出演を依頼し、ドラマ部分に深みを与えようと試みる。
実はその裏には、チャールズの淡い恋心が隠されていたのだが・・ もちろん仲間たちは知る由もなかった。
アリスの承諾を得た子ども達は、映画の山場を場撮影するべく夜中に家を抜け出し、郊外の駅舎に向かう。
リハーサルで迫真の演技を魅せるアリス。 
事前に練り直しておいた脚本も万全。
おまけに、抜群のタイミングで駅の横を貨物列車が横切ったお陰で臨場感もたっぷり。

何もかもうまくいく筈だった。
その貨物列車に、中学校で生物学を教えているウッドワード先生が、トラックでぶつかって行くまでは・・・。


まず、オープニングからの数分間が素晴らかったです。
鉄鋼工場とおぼしき場所に掲げられた「連続無事故記録784日」の文字。
そして、それが外され「1日」に変えられる。 そこからカメラが切り替わると、黒いスーツを着た少年が雪の中でひとりブランコに座り、ロケットペンダントを握り締めている姿が映し出される。
そしてその後さらに、会葬者で溢れかえっていた彼の家に一台の車が横付けされ、酒の匂いを気にしながら一人の男が降りてくるシーンが続き、その男を彼の父親が追い出し、自分が運転するパトカーに乗せ乱暴に連れ去るまでが描かれます。
セリフらしいセリフは無いけれど、彼らの置かれた状況が全て説明されるこのオープニング。
演出の巧みさに唸らされてしまいました。

なんでもセリフで説明しちゃう日本の脚本家と演出家は、いっぺんJ.J.エイブラムスさんの爪の垢をバケツ一杯飲ませてもらうといいよ

スマートな演出と語り口によって少年少女のひと夏の成長物語を描いた本作は、スピルバーグの映画を観て育った「モロに私たち世代」の物語であり、しかし、そのまた下の世代にもそのそのまたまた下の世代にも共感を持って受け入れられるであろう、実に爽やかで気持ちのいい作品だったと思います。
そして本作の立役者は、なんと言っても映画をこよなく愛する子どもたち。
「ふとっちょの子」と言えば食いしん坊でトラブルメイカー、という固定概念を覆すような「仕切り屋」っぷりを発揮するチャールズ。
火薬が好きすぎて、凄惨な列車事故を目撃してもしょげるどころか喜びを爆発させるような問題児だけれど、いざという時には人一倍勇敢なケアリー。
凄惨な現場を前にするとすぐ嘔吐してしまう程神経が細いものの、要求されたものにはきっちり応え、実は力も強いマ-ティン。
自分の限界を超えたら迷わず撤退する、という潔さを持った(つまりヘタレの)プレストン。
あと、健気なジョーとアリス。
出てくる子どもたちが、どの子どもも最高にキュートで、最高に頼もしくて、最高に愉快なやつらなのですよね。
「この子たちとともだちになりたい!」  そう思わされた瞬間、私はこの映画を好きにならずにはいられませんでした。

とりあえず、もしも本作をご覧になる際は、本編が終わっても絶対に席を立たない事をお薦めします!



( ※ 以下ネタバレを含みますので、必ず鑑賞後にご覧くださいませ。)



とある事故で心に傷を負った父と子。 その事故に負い目を感じ自暴自棄になっている父とそんな父を見て心を痛めている娘。
2組の親子は、ひとつの死をどうやって乗り越えて行くか。
本作では、その姿がモンスター騒ぎと絡めて丁寧に描かれていたのですが、子どもたちよりも父親たちの方が死を乗り越えられていなかった所が、とても印象的でした。
子どもたちは、幼いなりに生活に楽しみを見出し、チクリと心を刺す痛みと向き合いながらも生きる事に没頭しようとする。
しかし、大人たちは「喪失」から現実逃避し、憎しみと自己嫌悪から抜け出せないまま、自分たちの戸惑いを子どもに押し付けようとします。
大人だからこそ、今までの自分だったり辛い経験から離れられないのかもしれませんね。 わかるような気はするけれど・・ もっとつらいのは子どもだかんね。 おい!おとうさん!頼みますよ!

わだかまりを捨て、他者を受け入れる。 というテーマはこの2組が辿り着くだけではなく、そのまま宇宙からの訪問者と少年との交流においても繰り返され、ずっとずっと昔から私たちが目指していて出来ない、永遠の課題なんだなぁ・・、と痛感させられました。

で、ですね。
ほんとにね。
テーマもはっきりしているし、情緒溢れる映像もじんわりとなりましたし、昔懐かしい映画の世界(実際アメリカに行った事は無いので、映画の中の世界しか知りませんが)から抜け出たような古きよきアメリカの街並みも素晴らしかったですし、今まで観た事の無いような大スペクタクルな列車事故シーンも度肝を抜かれましたし、とても面白かったんですよね。
なんですけどね。
なんというか、「ノスタルジーに浸らせすぎない容赦の無さ」みたいなものも感じてしまったのですよね。

主人公たちが映画作りの最中遭遇した列車事故。 その列車で運搬されていたのは宇宙からなんらかの事情で地球に落ちてきた生命体。
早く宇宙船を修復して故郷に帰りたい彼(彼女?)は、アメリカ空軍に捕獲されて実験材料にされ、人間に対する恨みを募らせていた。
列車事故で自由の身になり、宇宙船をこしらえながら派手な破壊行為を繰り返す彼(彼女)は、その合間合間に人間を捕食する。
この捕食が、私の気持ちをふと、現実へと引き戻してしまったのです。

子どもの頃の私は、スピルバーグやリチャード・ドナーが作った映画に夢中でした。
それは『未知との遭遇』であり、『E.T.』であり、『グーニーズ』であり・・。  自分と似ていない誰かと、心を通わせる映画たちでした。
今の子どもたちがあの頃の自分と同じように、この作品を観て、思う存分わくわくして、広い宇宙に思いを馳せたり他者に胸を開くようになるといいな、と強く思います。
だからこそ、彼(彼女)による殺戮は必要なかったのではないか、と。 
そう思えてならなかったのですよね。

自分が育った街を破壊しまくった彼(彼女)をジョーは受け入れ、その地球生活のつらさを理解を示した上で「それでも生きる事は出来る」と説く。
自分自身に言い聞かせているように、彼(彼女)の目を見て偽りのない言葉を投げかける。
「同じ目線で話す事で、心を通じ合わせる事が出来た」というこのシーンの直前に、街の人がぐしゃぐしゃと食い散らかされる姿を描く必要は、本当にあったのでしょうか。

例えば、『未知との遭遇』のUFOが見物に来ていた人たちを殺人ビームで焼き尽くしていたり、ETの主食が皆が飼ってるわんこだったり、スロースがカニバリズム全開だったりしたら。(※)
私は今と同じように、映画好きになっていたかどうかわかりません。
もちろん、ホラーでやる分にには構わない、と言うか盛大にやって貰いたいのですけどね。
本作が目指すものが、子どもたちの成長であり、他者に心を開くことであり、ひと夏のアドベンチャーであるのなら、破壊行為だけで充分だったのではないかなぁ・・と。
殺戮と友情が混ざり合う事により感じるチグハグさって、どうにかならなかったのかなぁ・・と。

物語のクライマックス、恐ろしい破壊行為の果てに、美しい造形の宇宙船が星形の光を放って去るシーン。
私の頭の中で、「星に願いを」は鳴り響きませんでした。
すべての映画が大甘であって欲しいだなんて塵ほども思いませんが、この作品にはそういう甘さがあってもよかったのではないでしょうか。

ま、遭遇したのがETじゃなくてHAKAISHAだったのなら、しょうがないのかもしれませんけどね。 そういえば顔もちょっと似てたしなぁ。
要するに、エイブラムスとスピルバーグが組むと派手な事が起こるってコトで! おまえらホント大人気ないよな!

と言う訳で、その一点だけが、私にとっては大いに不満ではあるのですが、それ以外の部分は、パーティに行きたいおねえちゃんの存在や、そんなおねえちゃんに片思い中のヒッピーや、「ドラッグ反対!」のくだりや、チャールズの部屋に所狭しと貼り付けてあるホラー映画のポスターや、ロメロリスペクトな自主映画や、夜中に気になる男の子の部屋に忍び込んでくるアメリカンな女子の行動力や、マイ・シャローナや、スーパーエイトのジリジリという回転音や、子どもたちの頑張る姿など、とってもグっとくるシーンが満載でしたので、やっぱりすきです、『SUPER 8』。


(※ それはそれでおもしろい、と、今の私は思ってしまうけれど。 あくまで幼かった頃の私なら、というお話です)

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