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『Chronicle(クロニクル)』 (原題)

2013年04月22日
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あらすじ・・・
病気の母親と飲んだくれの父親と共に暮らす少年・アンドリューは、その内向的な性格から、いじめの格好のターゲットとなっていた。
クラスメイトの暴力、女の子の嘲笑、遠巻きに眺める生徒たち。
つらい日常と自分の間にハンディカメラという「壁」を作ることで、なんとか現実を乗り越えるしかなかったアンドリュー。
しかし、従兄弟のマットから強引に誘われ参加したパーティで、学校の人気者スティーヴから声を掛けられた瞬間から、彼の人生は大きく変わってゆくことになり・・・。


これは、わたしの映画だ。 これは、わたしたちの映画だ。

ある日突然超能力が使えるようになったらいいのに・・ と、夢見たことのあるわたしたちの映画だ。
この机の上にある鉛筆を、教科書のページを、ほんの数ミリでもいいから動かせないものだろうか・・ と、手をかざしながら必死に睨みつけたことのあるわたしたちの映画だ。
湯船に浸かりながら、目の前の水面をさざなみ程度でいいから揺らしてみたい・・ と、茹だる寸前まで願い続け、挙句の果てに少しだけ鼻息を吹きかけ「波立った・・・! ・・ってことにしておいてつかあさい・・・!」と誰に向けるでもない言い訳を思い浮かべたことのあるわたしたちの映画だ。
テレキネシスの開発に余念がなく、暇さえあれば頭の奥がツーンとするほど練習して、しかし結局動くことはなく、そんな結末に対し「人間の脳というのはですね、所詮その能力の1割程度しか使われていないわけで・・」 と、残りの9割説に望みを託していたわたしたちの映画だ。

そして同時に、気軽に「周りの人たち」に馴染むことのできなかったわたしたちの映画でもある。
クラスメイトが賑やかに笑い合う中、机に突っ伏し、寝たふりをして行間休みをやり過ごすしかなかったわたしたちの。
温かい声をかけてくれた人たちと、晴れて“友達”になれたものの、心のどこかで「自分はここにいていいのだろうか・・」という「場違い」な思いに苛まれてしまったわたしたちの。
“友達”に、自分の弱さを素直に打ち明けられず、勝手に期待し、勝手に失望し、勝手に孤独という毛布にくるまって震えていた、わたしたちの映画でもあるのだ。

たとえば部活とか趣味とか生い立ちとか。
何がしかの共通点があるから友達なのか。
だったら、その共通点を除いた瞬間自分と彼らをつなぐものは消滅してしまうのか。
友達だから甘えていいのか。友達なら理解してくれるのか。 いや、どうせわかってはもらえない。もらえるなんて思い上がってはいけない。自分の痛みは、しょせん自分にしかわかりっこないのだから。 

たった16歳や17歳なのに、誰にも助けを求めることが出来ない。この絶望的なまでに大きな世界に、自分一人で立ち向かわなければならない。

まだ、たった16歳や17歳だからこそ、そんな風に思い込んでしまったアンドリュー。

わかる!わかるよ! 話してしまえば楽になるのに、意外となんてことはない悩みだったりするのに、ひとりで抱え込んでしまって、周りとの間に壁を作って、目に見えない何かと闘うしかない気持ち! 若さってそういうことなんだよ! 世界中がオレの敵・・・!みたいになっちゃう時期があるんだよ! 残念ながら、大人になってからも実は結構あるんだよ! あのね、そういうもんなんだよ!
そして、そんな鬱屈とした日々に突然もたらされた「力」。
心の中で願うだけで、レゴブロックからアメ車まで軽々と宙に浮かべることが出来る「力」。
そりゃ調子にのりますよ! ああ、のるにきまってるよ!
そして「力」を酷使しすぎたアンドリューたちの鼻からは、真っ赤な血がたらりと流れ落ちるに決まってるんですよ! いや、出なければならないんですよ!もちろんそうなんです! 超能力といえば鼻血、鼻血といえば超能力。 ああ・・・わかりすぎてつらい! ジョシュ・トランク監督、あなたはオレか!


と、いうことで、ちょっと興奮しすぎてよくわからなくなってしまいましたが、人気ブログ「メモリの藻屑、記憶領域のゴミ」暗黒皇帝さまからお借りした『Chronicle』を鑑賞させて頂きましたよ。
ちょい悪、人気者、いじめられっ子というタイプの異なる3人の少年が超能力を手に入れ、キャッキャウフフしたり暴走したりする物語。
理解者に恵まれなかった(ホントは恵まれてたのに気付けなかった)超能力少年がクズい親やいじめっこたちによって追い込まれてゆくというあらすじは『キャリー』を、ルサンチマンの塊のような主人公が自らの力に溺れ崩壊してゆくさまは『AKIRA』を思い起こさせますが、決してそれらの模倣というのでははなく、今までに観たことのない、ありそうでなかった青春映画となっております。
甘酸っぱいです。
そして、かなり胸をえぐります。


アガサが観たのは海外輸入盤だったのですが、どうやら長らく未定のままだった日本公開予定日が今年9月に決まった模様(※あくまで予定)ですので、もし無事お近くの劇場で上映された暁には是非!
有名な俳優さんが出演されているわけではなく、監督さんも今回長編デビュー・・というこじんまりとした印象の作品な為、全国規模での公開は期待できませんが、その場合はDVDでもBlu-rayでもなんでもいいので、発売され次第是非!
というか、アガサがお借りした海外盤は、なんと日本語字幕から日本語吹き替えバージョンまで収められているという、親切にも程がある仕様だったのですよねぇ・・・ これもう、このまんま日本で発売しちゃえばいいんじゃないの?!出せない理由があるの?!なんで出さないの?! おせーて偉いひと!

ああ、本作のおもしろさ、痛々しさを伝えきれないことがもどかしくてなりません。
自分の文章力のなさを、今日ほどいまいましくおもったことはない。
確実に言えるのは、紛うことなき傑作であるということ。本当に。本当に。

ひとりでも多くの方に観ていただけたら、と切に願います。
そしてどうか、「あなたの映画」にもなってくれますように。


- 追記 -

・ 本作は、不自然さを指摘されることの多いPOV視点で撮影されているのですが、「その手があったか・・・!」と目からウロコというか、ニヤニヤしながら叫びたくなるような方法が用意されている為、鑑賞中の不快感は全くありませんでしたよ! 

・ そして、その「アンフェア」と言えなくもない方法によって、主人公の性格であったり、孤独であったりを雄弁に語らせてしまうという。 「カメラの揺れが心境を・・」なんつうのはよくある表現だと思いますが、「揺れ」というかなんかもう「居場所がない感じ」なんですよね、ものすごく。 どこにいても、どこにも居られない感じ。

・ 主人公と共にさ迷うカメラは、彼を守る壁であり、彼の人生の証人であると同時に、彼の唯一の親友でもある。 これもね、すごくわかるんですよね!ぼくには! なにせ幼稚園の遠足の時、周りのおかあさん方に声をかける勇気がなく、当然のことながらママ友も作れなかったぼくは、ひたすらハンディカメラを回していましたからね! カメラを回しとけば話しかけずに済むし、目も合わせなくていいから! そういう人間ですよぼかぁ!

・ 主人公・アンドリューを演じていたデイン・デハーンさんがとにかく超さいこう! 『バスケットボール・ダイアリーズ』や『太陽と月に背いて』の頃のディカプリオさんのような、繊細さと脆さと美しさを持った、すばらしい俳優さんだと思います。 もしもアンドリュー役がデハーンさんじゃなかったら、本作はここまでグっとこなかったのではなかろうか。 『アメイジング・スパイダーマン2』にも出演予定だそうで、当分の間目が離せそうにありませんね!

・ 本国では大ヒット御礼でパート2の製作も噂されているようなのですが、「そいつはどうかなぁ・・」と思いますね。 たしかに設定からいうとまだまだ続きが作れそうな余地はたっぷりあるのですが、「高校生の日常」という狭い世界の中に絞ったからこそ、本作はここまで心を揺さぶる物語になったのではないでしょうか。 当たったからといって、ヘンに大きな話にしないでほしいなぁ・・・(ま、勝手な願望ですけどね!)

・ 暗黒皇帝さま、ありがとうございました!


関連記事
・ そんな暗黒皇帝さまの『クロニクル(Chronicle)』レビュー。ネタバレなしです。

・ そんな暗黒皇帝さまが『クロニクル(Chronicle)』を知るきっかけとなったカトキチさんのレビュー。 「童夢」もこんど読んでみたいとおもいます。




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『エイリアン・ビキニの侵略』

2013年04月17日
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ひょうきんな顔してるだろ・・・コメディみたいだろ・・・ ハードバイオレンス映画なんだぜ、これ。

あらすじ・・・
わたしの名前はモニカ。宇宙の遠い遠いところから、ここ、地球へやって来ました。 
一族の血を絶えさせる訳にはいかない。その一心でした。 
しかし、地球のオスたちは不親切でした。 
種の保存の為、受精させてほしい・・・。そんな願いは一蹴され、一緒に来たなかまたちは、「地球防衛軍隊」という名のグループに属するオスたちによって、次々と命を奪われていきました。 
残ったのはわたし一人。 受精のチャンスはたった一日。  
そんなある日、「地球防衛隊」に襲われ窮地に立たされたわたしの前に、颯爽とあらわれた単体のオス。
オスの名はヨンゴン。 
「都市防衛隊」を名乗るヨンゴンは、得意のテコンドーであっという間に「地球防衛隊」を叩きのめしました。
そのまま自分の住処へとわたしを連れ帰ったヨンゴン。 
聞くところによると、健康に並々ならぬ関心があり、貞操観念にもかなりのこだわりがあるとのこと。
「正義感」「格闘スキル」「健康オタク」「童貞」。 ここまで完璧なオスに出会ったのは、初めてです。
もうこのオスしかいない。 
幸い、ヨンゴンはわたしの外見に魅力を感じているらしく、まっすぐ目を合わせられない程緊張している様子。 これならすぐにでも受精に至らせることが出来そうだ。
わたしはそう思いました。
しかし、その時、わたしはまだ気づいていなかったのです。
何を隠そうヨンゴンは、暴力によって覚醒する、アレなタイプのオスだったということに・・・。



・ ということで、前半セクシーコメディ&後半ドン底鬱映画というあしゅら男爵のような映画だった訳ですが。

・ だった訳ですが前半の時点で既に、「自衛」と呼ぶには度が過ぎている暴力行為に我を忘れて没頭するヨンゴンの姿が観られる為、どことなくイヤ~な感じと言いますか、「熱心に笑わそうとしているけれど、目の奥が笑っていない」ような感じを受けていたのですよね。 そして、その感覚はますます増してゆくことに。

・ かくして、後半のドン底鬱部分に突入してからは、虐待あり、親殺しあり、DVあり、死体相手のナニありというハードバイオレンスに早変わり!

・ 30年間貞操を守ってきたヨンゴン。 実は彼は幼い頃から実父から虐待を受けており、自らの手でその父を殺めたという過去を持っていたのです。 トラウマと罪悪感を打ち消すため、そして父への贖罪の念から、街の暴漢退治をなりわいとすることに決めたヨンゴン。 収入はどこから得ているのかヨンゴン。 贖罪と貞操はどう繋がるのかヨンゴン。 あ、もしかしたら性欲という名の内なる鬼と闘うって意味とか?ねぇねぇヨンゴン。

・ モニカからあの手この手で子種を摂取させられそうになるものの、鋼の意思でエレクチオンを阻止し続けるヨンゴン。 業を煮やしたモニカは最終手段に出ることに。 

・ 「地球の男の人って、首を絞められたら出すらしいわね」

・ モニカ、その情報はどこ経由の情報なのかモニカ。 そういうアレって無くはないらしいけど、けっこうニッチな層のアレなんじゃないのかモニカ。

・ まんまと裏目に出てしまったモニカの作戦。 首を絞められたことで、父親を殺めた瞬間の心境へと引き戻されたヨンゴンは、スーパーパワーで形成を逆転。父親(モニカ)の首を一心不乱に締め上げます。 

・ 意識をうしなったモニカに馬乗りになり、なおも滅多打ちにするヨンゴン。 ぐったりとしてピクリとも動かなくなってしまったモニカを見下ろし呆然としていたヨンゴンは、殴った感覚に対してなのか、それとも死んだような姿に対してなのか、気づくと激しくエレクチオンしていました。

・ 先程まではどんなサービスにも屈しなかったのに・・。 これぞ文字通り「タッチの差」ですね! まぁ、モニカさんは今回ノータッチでしたけども!

・ 恍惚とした表情のヨンゴンは、あろうことかそのまま物言わぬモニカさんの奥深くへとわけ入り、激しく腰を振ります。そしてそのままフィニッシュまで果たしてしまうというね。ちょっと言葉を無くしてしまいましたよね、ぼかぁ。

・ つまりアレですかね、ヨンゴンは「首を絞められて」フィニッシュするタイプではなく、「首を締めること」でフィニッシュを飾るタイプのアレだったということでしょうか。 まぁ、とりあえずクズですね、クズ。

・ そんなクズが、ハっと我に返った途端「彼女はオレが守る!」なんつって息巻くとかね・・・なんかもうね、「はぁ・・そーっスか・・・」としか思えませんでした。 はい、ヨンゴンさんいいですか、よく聞いてくださいね、モニカさんを殺したの、あなたですよー。

・ もちろん、そこに至るまでには、モニカさんのハードなおしおきがあったことを忘れてはいけません。 中でも、「ヨンゴンの口元と鼻を覆って唐辛子ドリンクを注入する」という字面だけはユーモラスなおしおきなんて、むせ方がえげつなさすぎて「うわー」ってなりましたもんね。 節子!これコメディやない!パク・チャヌク監督の復讐三部作とかで観るようなヤツや!
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(※ 見た目はコミカルですがやってることは相当ハードです。)

・ しかし、「地球防衛隊」からその真の正体を知らされるまでは、ヨンゴンにとってモニカさんは「やっと出会えた運命の人」であり、ただの「女性」であり、「なんかよく知らないけどめちゃくちゃ子種を欲しがっている人」でしかなかった筈なのですよ。 「地球を守る為殺さなければならない相手」などでは、なかった。 だからこそ、何も殺めなくても・・、と思えてならなかったのですよね。 凶暴な女性なのだったら、警察に通報するなり手足を拘束するなりすればよかったのではないか。 

・ で、いざ真相を聞かされたものの、モニカさんへの想いからなかなか「地球防衛隊」の言葉を信じず、暴力の上塗りをし、やっと状況を飲み込んだと思ったら今度は「わるい宇宙人め~!オレのモニカさんを殺してやがって~!ゆるさん~!」と愛の為に立ち上がるという。 はい、ヨンゴンさんいいですか、もう一回言いますからよく聞いてくださいね、モ ニ カ さ ん を 殺 し た の 、 あ な た で す よ ー 。

・ モニカ(エイリアン)との貞操をめぐる攻防戦は確かにおもしろかったですし、童貞ならではのドキドキ感もたのしかったです。 いい香りのする髪がふわりと鼻をかすめた時の童貞の固まり具合なんかも、とても真に迫っていましたしねぇ。 女性の純潔を大事に思っている割には、やたらと自分ち(見知らぬ男性の家)に引き止めておきたがる。という矛盾だらけな貞操観念もね、いかにも童貞って感じでよかったですよね。 妙なテンションになって墓穴を掘りまくる、それが童貞。

・ ただ、あっというまにハードな拷問に突入してしまうので、それらのコミカルな描写を楽しむ時間があまりに少なかった。 それが非常に残念でした。

・ 結局、ヨンゴンは何の為に自警活動をしていたのでしょうか。 第二、第三の父親(暴力的な男性)を阻止したかったのでしょうか。 わるいやつを叩きのめせば、父殺しの罪が消えると思っていたのでしょうか。 それとも、わるいやつに自分自身を重ねて、自らを退治しようとしていたのでしょうか。 ちょっと、わたしにはそこのトコロがよくわかりませんでした。 もしかしたら、ただ単に正当に暴力をふるいたかっただけなのかな。

・ モニカさんの死体にフィニッシュをかますのも、「どういう心境なんだ・・?」と全くもって解せませんでした。 ただ単に「興奮していた」からなのでしょうか。 Sなの? 受けじゃなく攻めなの?

・ アガサは思ったのですが、もしもヨンゴンが父親殺しの瞬間に射精していたら、どうだったろうか、と。 「耐えられないほどの苦痛」と「やってはならないこと」と間でぐちゃぐちゃになって、頭の中がまっしろになって、わーって、ブラックアウトして、気づいたら出ちゃってた。 ものすごく不快なんですけど、それなら腑に落ちるなぁ・・と。 つらい過去を持つヨンゴンだからこその現象として、解せるなぁ・・と。

・ なので、モニカさんの死体にわっせわっせしている姿と、過去の父親殺しのシーンが重ねった時、「ああ、ヨンゴンはこの時(お父さんを殺めた時)きっと射精しちゃったんだろうなー」と思ったのですよ。 というかむしろ、していて欲しいと。 なんだったら、その時がヨンゴンくんの精通であってもいいんじゃないかというぐらいに。

・ まぁ、そうなってしまうと今度はヨンゴンの「純潔」が成り立たないので、もうしょうがないのかなぁ・・と思うしかないのですけども。 というか、そもそもそこまで繋がりを考えなくてもいいのかなぁ・・なんつって思わなくもなかったりなんかして!

・ ともかく、モニカさんへの行為があまりに唐突で、尚且つ酷く、ヨンゴンくんの中の「正義」もいまひとつしっくりこなかったことから、観終わったあと苦虫を噛み潰したような顔になってしまったアガサだったのでした。 

・ 「おもしろいことやったるで!」という勢いはビュンビュンに感じられましたし、陰惨さとコミカルさのまざり具合に熱狂された方も多いと思いますよ。 あくまでわたしにははまらなかったというだけです。

・ なんでも、本作は超低予算映画だったそうで、制作費はたったの35万円とのこと。 なるほど、それでヨンゴン役の俳優さんが何世代もの役をひとりで演じていたのですね。 創意工夫の末の選択だったのかもしれませんが、「因果応報」というか「輪廻転生」というかネバーエンディングストーリーな内容に説得力を与える、ナイスなキャスティングだったと思います。 あと、やっぱり映画の出来はおぜぜのかけ方で決まるのではないのだなぁ・・ということも痛感しました。 映画製作を夢見る若者に、大いに勇気と希望を与えてくれる作品だったのではないでしょうか。

・ あと、とりあえず「エイリアン・ビキニ」のくせにビキニじゃないという事だけは、声を大にして糾弾してゆきたいですよね、ぼかぁ。 ブラと謎リボンがついたパンツのコンビネーションは、ビキニとちゃうのよ! ビキニっつうのはね、もっとこう、ロマンと夢がと遊び心がつまってるもんなのよ! わかっておくれよ!


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『ミッション: 8ミニッツ』

2013年01月31日
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あらすじ・・・
未来を変える8分間チャレンジ!


【「現実」ってなんなのだろうなぁ、と思うのですよね。】

・・あ、いやいやいや!そんな風に「ついにアガサがおかしくなった」とか言わないで!もうちょっとだけ聞いて!オレの話を聞いて!

頭の中で繰り広げられる世界は、一般的には「妄想」や「想像」などと呼ばれます。
手で触れられない、匂いも嗅げない、痛みも感じない世界は、「現実」などではない。
いま居る、「この世界」が「現実」なんだ。
でも、「この世界」を認識させてくれているのも、結局「頭の中」じゃないですか。
皮膚の感触を解析して「こういうものだよ」と伝えてくれるのも「頭の中」。鼻で受けた物質の刺激を分析して「こんな匂いだよ」と伝えてくれるのも「頭の中」。視界に入った情報を整理して「こういう景色だよ」と伝えてくれるのも「頭の中」。
つまり、いま居る「この世界」は「頭の中」が作り出した世界で、「現実」は「頭の中」があるからこそ存在する世界なのではないだろうか、と。

しょせん、人の「頭の中」を通して認知されているだけの「現実」世界。 
それがこの世の全てだと、果たして言えるのだろうか。

【480秒で支度しな!】

本作の主人公スティーヴンスさんは、アフガニスタンでの任務中に瀕死の重傷を負い、かろうじて脳神経が活動しているだけの状態となってしまいました。
対外的には「死亡者」として帰国させられたスティーヴンスさん。 
一方、活動中の脳は秘密裏のうち、とあるミッションに抜擢されました。
それは、「亡くなった人の脳にアクセスし、そこに残された8分間の記憶から死亡の原因を探る」というプロジェクト。
説明としてはこうです。
〈脳は死亡後しばらくのあいだ帯電状態にある。亡くなる直前8分間の記憶もデータとして蓄積される。そのふたつの特徴を活かして、被害者の脳から過去の世界へとアクセス出来るプログラムを作りました。 ただし、あくまでプログラム上の体験で、タイムスリップではありません。〉
つまり、実際の記憶を元に再現したバーチャルリアリティのようなものでしょうかね。
仮想現実の中で犯人探しをしろ、と。

スティーヴンスさんの脳が選ばれたのは、「どっちにしても脳しか残ってないような状態だからコキ使ってもいっか」という理由と「被害者の脳と相性がバッチリだった」の二つだったのではないかと思います。 後者はともかく前者ひでえなおい。

ともかく、被害者の脳世界にアクセスしたスティーヴンスさんは、その世界の中で被害者自身として動き回り、幾度かの失敗を繰り返しつつも見事テロの犯人をつきとめました。
プロジェクトの成功に湧く科学者チーム。
チームのリーダーはスティーヴンスさんの記憶を初期化し、今後も同プロジェクトに使用する気満々です。
そう、彼らは既に、スティーヴンスさんを「人」とは見なしていない。
彼らにとってスティーヴンスさんは「装置」でしかないのです。

そんな思惑を察知したのか、いや、そんな思惑などどうでもよかったのかもしれませんが。
スティーヴンスさんは、「思考するだけの生命体」となってしまっていた彼は、「人」としての尊厳を保ったまま終わる事を望みました。
そしてその選択は、思わぬ奇跡を生む事となるのです。
懇意になった担当者に頼み、最後の8分間ミッションの終了とともに、生命維持装置を切ってもらったスティーヴンスさん。
当然消えてしまうと思った世界はなんと、静止したのち再び動き始めたではありませんか。
スティーヴンスさんは、被害者の身体を借りて、そのまま「テロの起きなかった世界」で愛する人と共にしあわせに暮らしたのでした。めでたし、めでたし。
しかも、その「テロの起きなかった世界」に居た担当者の元には、「テロの起きた世界」の中から「テロが起きる前の時点での世界」にアクセス中のスティーヴンスさんからメールが送られてくる、というおまけつき。

・・・テロの起きなかった世界・・・

・・テロが起きた世界のテロが起きる前・・

・・・・テロ・・・テ・・

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【主人公の選択の先にあった世界の正体とはいったいなんだったのでしょうか。】

「バーチャルリアリティだと思った世界。」
「脳内だけで作り出している世界。」
「並行していたけれど交わることはない筈だった世界。」
断言できるほどの自信はありませんが、このどれもが正解なのではないかと思いました。
生命維持装置を切られたスティーヴンスさんの脳は、しばらくの帯電ののち痕跡を消してゆくのでしょう。 しかし、直前8分間の記憶は永遠に残る。 
その世界の「8分間」が、我々の世界での「8分間」と同じとは限らないし、全てを司る「頭の中」が生み出した、「感覚」も「温度」も存在する世界である以上、そこが彼にとっての「現実」なのではないでしょうか。
アフガニスタンで兵士として活動していた「現実」から枝分かれした、もうひとつの「現実」。

「死んだ人の脳にアクセスするという不可思議な経験」をへる事で「テロを未然に防ぐ」事に成功し、結果「脳を酷使される」事もなく、「生命維持装置を切られる」事もなく、「ずっと頭の中で生き続け」られる世界。 メビウスの輪のように、どこまでも一続きの世界。
それが彼の生み出したあらたな「現実」。 紛うことなき「現実」なのです。そんな気がします。そう思わせてください。 じゃなかったらもうアレだ!「天国」ってコトで! いいじゃんいいじゃんスゲーじゃん!


【どこで生きるかではなく、どう生きるかなのではないでしょうか。】

アガサは物理学も数学もからきしダメなタイプなので、しょうじき「パラレルワールド」とか「量子力学」とか聞いてもチンプンカンプンなのですが、自分に見えているものだけが「世界のすべて」だとは思いません。
いや、だからといって「だから空想の世界へファーアウェイ!」なんて逃避したい訳ではなく、あくまで「あるかもしれない」という可能性に思いを馳せているだけなのですけどね。

宇宙の仕組みのコトを考えていたら、頭がブワワーッとなりませんか?
もしかしたら、いま居るこの世界は、誰かが頭の中で作り上げた「現実」にすぎないのでは?
もしくは、どこかの研究所のシャーレの上かプログラムの中で繰り広げられている「いきもの実験」でしかなかったりなんかして?
それは誰にもわからない。(人類が「確認できる」範囲しか確認していないのに、どうして「わかっている」などと言い切れようか)
 
わかっているのは、いま、自分たちが息をして、困難な事や嬉しい事を経験しながら日々過ごしている、という事だけです。
そしてそれは、自分たち自身では巻戻せないし、無かった事にもできない。
だから、後悔のないように過ごしたいし、腹を立てるよりは笑っていたいし、詰るよりは慈しみたい。
日々を、生活を、大切な人たちを。

ここがどの「現実」かなんて重要じゃない。
重要なのは、ここでどう生きるか、なのではないか。

・・・と、ぼくは本作を観て思いましたよ!


【まとめ】

つじつまが・・・とかパラドックスの原理が・・・とかあまりくよくよ考えずに、「ジェイク・ジレンホールがんばれー! ・・ん・・?アレ・・?・・ギレンホールだっけ・・ジレンホールだっけ・・どっちだっけ・・ ・・えっとえっとま、いいや!がんばれー!」と手に汗握って応援しながら観ると、とてもたのしめるのではないでしょうか。




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『トロール・ハンター』

2012年11月29日
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(※ 夢だけど、夢じゃなかった!)


あらすじ・・・
河原でもないのにでっかい岩がゴロゴロしている場所ってあるでしょ、山裾とか。アレね、トロールがケンカした名残ね。石投げ合って、えいやーって。マジで。


(※ 感想の最後にトロールの画像を添付しておりますので、未見の方は是非本編をご覧になってからお読みください)



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(※ でっかいことはいいことだ!)

というわけで、ノルウェー産の新感覚POV『トロール・ハンター』を鑑賞しましたよ。
何で新感覚なのかというと、画像が超キレイだから!
いわゆる、自分ちのハンディカムでやみくもに撮りまくった「素人動画」ではなく、機材にこだわった「記録映画」なのですよね。
だから映像も(走る時以外は)ブレないし、ノルウェーの雄大な景色がこれでもかと収められていて、ちょっとした観光気分まで楽しめるという。 
カメラも不自然にまわしっぱなしにならないし、動揺したら天井とかが写しっぱなしになってしまう。物凄く本物くさい。イイネ!

で、そんな「記録映画」を製作したのは誰なのかというと、ノルウェーの西部にあるヴォルダ大学に籍を置く三人の若者たち。マイケル・ムーアに憧れるリーダーのトマスくん、でっかい収音マイクを片手にどんなトコロにもついてくる音響担当のハンナちゃん、撮影担当のカッレくんでして。
卒業制作なのか授業での課題なのか、当初「ノルウェーにおけるクマの密猟」をテーマに取材を始めた彼らは、怪しいハンター・ハンスさんの存在を知り、張り込みの末マイクを向けるものの、あっさり取材拒否。
そこでこっそりハンスさんのお出かけについて行きましたところ、人っ子一人いない山の奥を閃光が駆け抜け、血相をかえたハンスさんが叫びながら飛び出してきます。「トロールだぁぁぁぁあ!」、と。

学生たちはこのハンスさんの発言に半信半疑なわけですが、トマスくん自身が引っ掻かれて背中に傷を負ってますし、何より自分たちのカメラに収めちゃっているので、本来なら疑いようがない筈なのですけどね・・・。 おまえらの目は節穴か!
そして「オレは政府からの依頼を受けてトロールを監視している、この国ただひとりのトロールハンターだ」というハンスさんの香ばし発言の裏をとるべく、彼の行動に同行。
完全に本来の趣旨からは離れてますが、細かいことは気にせず、ハンスさんと一緒にあっちの森やこっちの丘陵でいろんな種類のトロールを目撃。 その生態を知る事となる大学生。 ていうか学校は?ねぇ、学校は? もう行かない方向なの・・・?あ・・冬休み・・とか・・? 

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(※ 日本でいうところの The・マタギ)

このハンスさんが、本作を2倍も3倍も魅力的にしている事は明白で、手作りの装甲ファッションや閃光弾、三脚がついたままみたいな紫外線ライトを有効活用し、うすら笑いでついてくる学生たちの安全に配慮しつつも、収めなければならない映像を押さえさせ、確実にトロールを仕留めてゆく姿に超絶シビれました。 
中の人の本業はノルウェーの人気コメディアンなのだそうですが、渋すぎる面構えや落ち着いた佇まいからは、普段ブーブークッションに座ってズコーとかやっている姿など想像もつきませんね。 ま、やってるかどうか知らないんですけどね。

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(※ ぬいぐるみ感あふれるクマちゃん)

トロール部分はもっぱらCGで描かれているのですが、風光明媚な景観に見事に溶け込み、安っぽさは感じられません。
夜行性の生き物なので、暗闇の中での撮影か、もしくは暗視モードに切り替えて撮影せざるを得ない、という条件も功を制していますね。
で、いざ写りこんでみたらみたで、体はもっふもふだわ顔は邪悪な友蔵さくらももこ)テイストだわで、ものすごく憎めないビジュアルだった、という点も良いと思います。
主食は?習性は?どんな種類がいるの?なんで紫外線に弱いの?などなど、細かい設定も定められており、そのひとつひとつが微妙にホントくさくて、なんだか微笑ましい気持ちになってしまいました。いや、居ないってわかっていますよ?でもね、もしかして居たりなんかしちゃったりなんかしたら、そしたらどうしますか? ああ!夢がある映画っていいなぁ!

そしてそんなトロールに関するリアル描写が続けられる一方、家畜被害の濡れ衣を着せられるクマちゃんは見るからにニセモノ・・・というか完全にぬいぐるみの質感だったりして、どうしてくれようかこの胸のときめきを。 ぼかぁ抱きしめたいよ!クマちゃんを!(※トロールは臭そうなので遠慮します)

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(※ けしからん!まことにけしからん!)

あとね、トロール以外の点で、アガサがもうひとつどうしても言っておきたい事。
それは、家畜殺害の現場をレポートしていた女の子のかわゆさ。そのコートのサイズの絶妙さ加減でありまして。
ほんの1シーンだけの登場で、本作に出てくる女性出演者すべてを凌駕してしまった、荘厳なまでのダイナマイトバディ。 おお・・神よ・・・!
だいたいねぇ、コートって普通からだを覆うのもじゃないですか!ボディラインを隠すくらいの、なんつうか「着膨れ」感すら漂うくらいの衣料品じゃないですか!それがなんですか!このピッタリ具合は!ドニーさんの皮ジャンかっつうの! 
横乳に沿って出来た服皺の丁度いい膨らみときたらもうね・・・ あたしゃこの衣装をあつらえた人に、ノーベル平和賞をあげたいよ!(←まだちょっとさくらももこを引きずっている)

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(※ 「毛がはえてて、こーんな口してて、こんなのと、こんくらいのと、こーんなに大きいのが寝てた!」 メイ談)

『となりのトトロ』や『指輪物語』などのファンタジーでもお馴染みの生き物・トロルを、とことん真面目に蘇らせた『トロール・ハンター』。
「実在する」ことを前提に作られた本作を観ていると、ばかばかしい事を全力でやることの尊さを再確認させられましたねぇ。
ありえない事なのに、出来上がった作品の完成度の高さから圧倒的な説得力を感じてしまう。
なんかすごくかっこいいよ・・監督もスタッフもさぁ!
これからは、何気ない見慣れた風景も、特別なものに見えてきそうな気がする・・・。 ほらご覧・・あの峡谷はトロルが流したおしっ・・ ええと、涙の跡だよ・・!

官庁の下請けとして劣悪な労働条件を飲まされている職人さんの嘆きだったり、自然に生きるモノと人間との共存だったりと、実は「トロール」という特殊な設定を取り除いてもなお、充分我々の身に思い当たる問題が描かれており、社会派映画としても見応えたっぷりだったりします。
山から降りてくるクマが悪いのか、自然を破壊した人間が悪いのか、お互いに傷つけ合わず生きてゆく術はないのか。 トロールハンターの生き様から学ぶ事は多い・・・  ・・かもしれない!

非常に素晴らしい作品でした!
わたしは大好きです、この映画!

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『プロメテウス』

2012年09月13日
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あらすじ・・・
ものすごく昔の遺跡を調べていたんですよね!
そしたら共通したモチーフの壁画が何箇所からも発見されて、ははーん・・こりゃ呼ばれてるな、と。 
ここに描かれた星座は、我ら人類に対する道しるべだな、と。 
「いつの日にか来られるようになったらおいでよ!」「カモンジョイナス!」というメッセージだな、と。 
そういう事なんだと思って宇宙船をこしらえて行ってみたら、フルボッコにされちゃいました!どうしよう!


映画好きな人でなくても知っている超有名かつ超面白いSFホラー映画『エイリアン』。
その「前日譚」として企画された・・・と聞いていたのがいつの間にか「そんなんじゃないよ」と別モノ扱いとなり、そっか別なのか・・と思っていたらいつの間にか「でも関係なくもないかもよ」と同じ釜の飯で育ったくさいニュアンスを感じさせてくるようになり、結局のトコロ繋がりがあるのかないのか親子どんぶりなのか他人どんぶりなのかハッキリしないままシレっと公開されていた『プロメテウス』を観てきましたよ。

大きな船に集められた、一見エキスパートには見えない風のエキスパートたちが、こんもりとした謎の建造物の中で(デュロっとした未知の生物との)出会いと別れを繰り返し、時に泣き、時に笑い、時に寄生されながら淘汰されてゆく。
で、あとはなんというか、ボガーン!とかプシャー!とかブワワー!とかなってキラキラ天体ショーがあったりして、SF小説の表紙みたいなキメ絵も満載で、宇宙船の室内インテリアなんかもホントもうセンスさいこう!って感じな映像の連続で、ちょっとした疑問は残るものの、めくるめく2時間強を過ごす事が出来ましたよ。

という訳で、以下その疑問について記しておこうと思います。
(※ただし、早くも続編の製作が決定しているとの報道があったように、これらの疑問に対する答えは次回に持ち越しなのでしょうから、これはあくまでアガサがぼんやりと考えた事をまとめておく為の、備忘録的なアレだと思って一笑して頂けるとありがたいです。)


■ ピューと吹く!ファスベンダー

宇宙船からアンドロイド開発まで、幅広く手掛ける世界的巨大企業・ウェイランド社。 
「人類の起源」を辿る為の一大プロジェクトにおいて、最も重要な役割を担わされたのがアンドロイドのデヴィッド(演じるのはマイケル・ファスベンダーさん)なのですが、とにかくこのデヴィッドが素晴らしいわんぱく小僧でして。
「人間」であるクルーがコールドスリープ状態でいる中、ひとり黙々と機内のメンテナンスやクルーの管理をこなすデヴィッド。
アンドロイドだから孤独を感じる事はない。
アンドロイドだから喜怒哀楽もない。
ところが、目的の惑星に到着し、件の建造物を探索し始めたデヴィッドは、どことなくテンションがおかしいご様子。
クルーのみんなが不気味な巨像を見て「やべー!やべー!」と興奮している傍らで、こっそり怪しげな物体をお持ち帰りしてみたり、その物体の中身をこっそりクルーのメンバーに飲ませてみたり、そのメンバーとまぐわった女性クルー・エリザベスの体調変化をワクワクしながら見守ってみたり、勝手に建造物を探検してコントロール室を発見してみたり、起動させてみたり、フエ吹いてみたり。
喜怒哀楽がないどころか、完全に楽しんでいるのですよね、一連の状況を。

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(※ 読める!読めるぞ!みたいなテンションになってしまったファスベンダーさん)(※イメージ)

デヴィッドは要するに、何がしたかったのかのでしょうか。
自身の創造主であるウェイランド社長の指示は、「人類の創造主=エンジニアを探すこと」だったはずです。
デヴィッドが2年4ヶ月もの航海の間、古代語をはじめとした様々な語学の勉強に勤しんできたのもその準備のひとつ。
ならば、クルー全員でその目的を果たせばよかったのではないでしょうか。
怪しげな物体を持ち帰る必要など無かった。
なのにデヴィッドがそれをしたのは何故なのか。

アガサが思うに、デヴィッドはエリザベスに興味を抱いていたのではないか、と。
長旅の間、眠っているエリザベスの記憶をちょいちょい盗み見ていたデヴィッドは、「ファーザー・コンプレックス」な点や「子孫を残す事が出来ない」点という自身との共通点を知り、エリザベスに特別な何かを感じはじめてしまったのではないか。
それは、人間で言うところの「恋」みたいなものだったのかもしれませんが、ともかく、デヴィッドはエリザベスに子どもを生ませてみようと思ったのではないかと思うのですよね。
自分が持って帰った「種」を植え、エリザベスの「お腹」で成長させてみたらどうなるだろうか、と。
あとはええと、エリザベスならなんとか生みきってくれると踏んだのかもよ! 
ほら、あいつ頑丈そうじゃん!

■ 待ちわびた・・・丹念に育んだ種が時とともに成長し・・・遂にはこの俺に牙を剥く!

本編の冒頭、地球とおぼしき惑星の上空を漂う巨大な円盤が映し出されます。
そこから降り立ったと見られる、山海塾をより一層マッチョにしたような男性。
彼が真っ黒な液体を口にすると、みるみるうちに体は溶け始め、滝壺に崩れ落ちたその残骸が水と混ざり合い、水の中のなんらかのDNAに変化を与えるトコロが描かれるのですが、きっとこれがリドリー・スコット監督が考えた「人類の起源」なのだろうと思うのですよね。(もしくは、「どこかに存在する、とある惑星の、生き物の進化に劇的な影響を与えた要因」なのだと)
進化を続けた生き物は、のちに「人間」となって尽きない好奇心と飽くなき探究心により更なる知識を手に入れ、ついには自分たちが生まれた理由を知る事を欲するようになる。

「どうやら、我々が誕生したのは別の惑星に生きる創造主が一枚噛んでくれたお陰らしい」
「生まれさせる事が出来るって事は、死なせない事も可能なんじゃねえの」
「じゃ、いっちょ行ってみんべ!」
そう考えたひとりの男(ウェイランド社長)。
しかし、やっとたどり着いた惑星で、たったひとりだけ冬眠ポッド内で生き残っていた創造主(エンジニア)は、成長した我が子を思わぬ方法で歓迎します。

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(※ 「見て見て!」とばかりに必殺マッハパンチを繰り出してみるも、ムキムキの創造主に「スロー過ぎて眠っちまうぜ・・」と軽く捻られちゃったみたいな状態のファスベンダーさん)(※イメージ)

エンジニアは要するに、何がしたかったのでしょうか。
自分たちに似せた生き物を生み出したのは、その遺伝子の中に特定の惑星の存在を知らせるような情報を残したのは、一体何故だったのか。
人間たちはすくすくと育ち、遥かな宇宙へと赴く術も、特定の惑星を探し出す知恵も手に入れました。
そしてがんばって辿り着いた。
果たしてエンジニアはそこまで予想していたのでしょうか。
特定の惑星が最凶生物兵器の保管場所だったのは、いつか来るであろう人間を滅ぼす為だったのでしょうか。

なんかね、アガサにはこのエンジニアさんたちの行動が、すごく場当たり的に思えたのですよね。
場当たりというか、衝動のおもむくままにというか。
「こんなに優秀なオレの遺伝子なんだから、あっちこっちにばら蒔いときたいわー」みたいな、子孫を残したいという本能のままというか。
で、特定の惑星の星図を遺伝子に残しておいたのは、「おまえらがここに来れるだけの高度な成長を果たせるかどうか・・・見ものだな・・フフ・・」という親心だったような気がするのです。

「こんな遠くまで来られるものか・・いや・・・しかしあいつらならやってくれるかもしれぬ・・・その時こそ、真の最強生物が誰なのかを思い知らせてやりたいものだな・・・アレ・・?・・なんだかオレ・・さっきからあいつらの事ばっか考えちゃってる・・・」
エンジニアさん・・ひとはそれを恋と呼ぶのですよ!


蓄えまくった知識を総動員して、睡眠状態のエンジニアさんを呼び覚まし、褒めて貰いたがっている子犬のように嬉しそうに目を輝かせるデヴィッドを、どこか愛おしいような眼差しで見つめ、「そうかそうか・・・ここまできたか・・・・よしよしイイ子だ・・・イイ子・・グワッ!」みたいに締め上げるエンジニアさんの背中に、オレはオーガを見たね!

■ シャーリーズ・セロンさんは電気羊の夢を見たのか?

ウェイランド社長の一粒種(たぶん)であり、ウェイランド社の幹部兼今回のミッションの責任者であるメレディスさん。(演じるのはシャーリーズ・セロンさん)
整いすぎた容姿と切れ味抜群の知性、そしてなにより100歳超のウェイランド社長に比べ歳が離れすぎている娘、という事から、彼女もまた人間ではなくアンドロイドなのではないかという疑惑がちょいちょいチラつかされていました。
メレディスさんは要するに、どっちだったのでしょうか。

ええとね、たぶんだけど、人間だったんじゃねえの! だってほら、恐怖を感じてたもん! アンドロイドはね、「嬉しい」「楽しい」までは理解出来ても、恐怖までは学習できないと思うんだ! だって死なないから!  ちがうちがう!投げやりになってないよ!そろそろまとめに入りたいとか、そういうんじゃないよ!

■ まとめ

・ ひとつずつ画面上に浮かび上がる線。 意味を持たない記号のように見えたそれが徐々に形をなし、 PROMETHEUSという単語が出来上がった瞬間の快感はまさに、初めて『エイリアン』を観た時のそれでした。 テラかっこいい!

・ 会社説明会の時に流れるサントラとか、チ○コみたいな形の椅子に腰掛けたスペースジョッキーとか、宇宙船のクルーのお腹に植え付けられた異物とか、アンドロイドの首もげシーンとか、思っていた以上に『エイリアン』していて楽しかったです。

・ とは言いながらも、実は前半(正確に言うとクルーが寄生虫みたいなのに襲われる辺りまで)かなりの睡魔に襲われてしまいまして、眠気覚ましのミントタブレットをガリガリ噛み砕きながらの鑑賞となりました。 お陰で鑑賞後は舌がビリビリしていましたヨ!

・ ほんで、よくよく考えてみたら、『エイリアン』もフェイスハガーにフェイスをハグされる辺りまでは大体睡魔との闘いになっていた事を思い出したので、まぁ、しょうがないのかもネ!(私の場合はね!)(もっとね、ガンガン闘って欲しいんですよね!)

・ 人類に対してエンジニアがした事と、人間に対してデヴィッドがした事の根っこは同じなんだろうなぁ、と思いました。 この黒い水を飲ませたらどうなるものか。危ぶむなかれ。危ぶめば進化はなし、みたいな。 要は「好奇心」なのかなぁ・・と。 迷わず飲ませよ!飲ませばわかるさ!

・ 飲ませてアカンっぽかったら無かった事にしちゃえばいいじゃない!

・ で、誰に飲ませるのかってなった時、わざわざエリザベスの彼氏を選んで一服盛った理由は、やはりその先にあるエリザベスの存在が大きかったのではないかと思う訳で。

・ 創造者と人間、人間とアンドロイド、アンドロイドとエイリアン、という「父と子」の関係性が本人たちの意志とは裏腹に壮絶に拗れぶつかり合う本作は、SFなのだけれどなんだかとっても人間臭くっておもしろかったです。 

・ 余談ですが、なぜキリスト教って「神」を「父」と呼ぶのでしょうね。 おい!お母さんどこ行った!

・ 雑な扱いを受けた「母(エリザベス)」がデヴィッドを連れて向かった先で、今度はどんな小競り合いが待ち受けているのか。 2~3年先に予定されている次回作の公開を楽しみにしたいと思います。 



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