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『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』

2009年11月05日
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★★
タイラー! うしろうしろ!!

ゾンビ手帖さんでその存在を知ってから、かなり興味をそそられていた『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』が、いつの間にかレンタル屋さんに並んでいたので、迷う事無くカウンターに直行。
で、鑑賞してみるとその名(タイトル)に違わぬ戦慄っぷりでしたので、今回はいかに戦慄していたかを数字に表してざっくりご紹介してみようと思います。


戦慄のあらすじ・・・※ すみませんが完全ネタバレですのであしからず。







戦慄指数 20 ・・・ イケてるアラサー女性のリブ・タイラーが、大した理由も無く恋人の求婚を却下し、そのくせ悲劇のヒロインぶってメソメソ泣く。
戦慄指数 90 ・・・ 自分が袖にした彼氏を何故か色気攻めにする、セックスマシーン・タイラーのどすこい節。
戦慄指数 70 ・・・ 夜中の4時に、突然ガイキチ女が訪ねてくる。
戦慄指数 85 ・・・ というのに、怖がるタイラーさんを置いて気分転換のドライブに出かける彼氏。
戦慄指数 88 ・・・ 案の定、一人ぼっちのタイラーさんを襲うドアノック攻撃。
戦慄指数 40 ・・・ の、割には、なかなかおうちの施錠確認をしないタイラーさん。
戦慄指数 32 ・・・ やっと電話という文明の利器に気づくタイラーさん。
戦慄指数 10 ・・・ と思ったら充電が切れていたタイラーさん。
戦慄指数  8 ・・・ 携帯は充電器に差しといて、固定電話で彼氏を呼び出すタイラーさん。

そうそう、携帯はこまめに充電器にってマメすぎるわ!! どあほう! 
ていうかなぜ充電しながらかけないのか。 大人の事情か。 ならしょうがねえな! 


戦慄指数 60 ・・・ 予想通り、電話線を切られて用を成さなくなる固定電話。
戦慄指数 89 ・・・ 窓から覗き行為を繰り返す覆面男。
戦慄指数 40 ・・・ 彼氏がダラダラと帰宅。
戦慄指数 30 ・・・ 家が荒らされているのに、タイラーさんの訴えを信用しない彼氏。
戦慄指数 20 ・・・ 車が動く事を確認しながら、それを使って逃げようとしない彼氏。
戦慄指数100 ・・・ ダメだ! この現場バカばっかりだ!!
戦慄指数 60 ・・・ やっとこさ車で逃げる選択をしたものの、犯人グループにピックアップトラックで衝突され、また家に逃げ帰るタイラーさんと彼氏。
戦慄指数 25 ・・・ ライフルを持って犯人が現れるのを待ち伏せするバカップル。

愉快指数120 ・・・ ホモっぽい親友登場!
愉快指数180 ・・・ 親友、タイラーさんにフラれて傷心であろう彼氏の携帯に、励まし留守電を入れる。 やっぱホモっぽい! 「何なりとご用命を」とか言ってる! 超ホモっぽい!


戦慄指数 90 ・・・ 物陰から覗いた親友を、犯人だと勘違いしてうっかり瞬殺する彼氏。
戦慄指数 50 ・・・ 自棄になった彼氏が、無線で助けを呼ぶ為離れの納屋に向かう。
戦慄指数 40 ・・・ そしてやっぱりタイラーさんは危険な一軒家に置き去りの巻。
戦慄指数 12 ・・・ 彼氏、瞬殺。(※この段階ではまだ気絶状態)
戦慄指数 18 ・・・ 彼氏が帰ってこないので、自ら戦地(納屋)に赴くタイラーさん。
戦慄指数 70 ・・・ なぜか裸足のまま庭先に走り出るタイラーさん。
戦慄指数 80 ・・・ 足の裏に小枝やら松ぼっくりやら撒菱やらが刺さりまくり、挙句地面のへこみですっ転ぶ、ドジッ娘タイラーさん。
戦慄指数 75 ・・・ なんとか納屋にたどり着く。
戦慄指数 80 ・・・ 納屋の中が真っ暗で、普通に視界が悪い。
戦慄指数 81 ・・・ 納屋の外でガサゴソ物音がするけど姿が見えない。
戦慄指数 82 ・・・ 機械の使い方を知らないハズのタイラーさんなのに、誰かと無線が繋がってしまう。
戦慄指数100 ・・・ それはきっと、冥界とのファーストコンタクトに違いない!(←違う)
戦慄指数 20 ・・・ すったもんだの末、結局納屋から出て家に戻るタイラーさん。
戦慄指数 16 ・・・ 覆面犯人団と対峙するタイラーさん。
戦慄指数 10 ・・・ 生きてはいたものの、全くもって使えない彼氏。
戦慄指数  9 ・・・ まんまと捕まるバカップル。
戦慄指数 11 ・・・ 翌朝、いよいよ処刑の瞬間を迎えるタイラーさん。
戦慄指数 90 ・・・ 殺戮の理由を尋ねるタイラーさんに「お前らがたまたま家にいたから」と答える不条理な犯人団。
戦慄指数 50 ・・・ 事を終えて、次回への抱負を語り合いつつ現場をあとにする犯人団。
戦慄指数120 ・・・ たまたま戸別のチラシ配りをしていた宣教少年に発見された瀕死のタイラーさんが挙げる叫び声。


指数はアガサ独自の基準に基づいておりますが にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ま、こまけぇこたあいいんだよ!


と言う訳で、全編通して一番戦慄したのは、首から下がふとましいタイラーさんが挙げる野性の雄叫びだったという、何とも腑に落ちない結果となった本作。

「実在に起きた事件がベース」
「動機なき通りがかり殺人」
「最後まで顔を見せない犯人団」
など、心を惹きつける要素はありますし、実際タイラーさんと冴えない彼氏が覆面犯人団に翻弄され、どんどん疲労してゆく様は程よい緊張感に満ちており、かなり心拍数を上げつつ鑑賞させて頂きました。

特に、タイラーさんの背後にひっそり、覆面犯人が佇む瞬間。(ポスターに使われているシーンですね)
分厚い扉が外の世界から身を守ってくれ、本来は安心なハズの家の中。
そこに、自分の知らない間に部外者が闖入し、そしてまた、知らない間に出て行っているという恐怖。
もう、安心な場所などどこにも無いんだ、という絶望。
扉。 そして窓。
家の中と外とを隔てるそれらに、私たちは何故か過分な安心感を抱いてしまうものなのですよね。
でも、どんなに頑丈な木の扉もぶつかれば壊れるし、窓だって割られたらそれでおしまい。
「ここなら大丈夫」という自己暗示を鼻で笑い飛ばされている様な、本作での闖入シーンは、扇情的なアップを使うこと無く、ただ淡々と描かれる為、本当に背筋がゾゾっとして、胸の中にイヤ~な塊を流し込まれたような、とても不快な気分を味わうことが出来ます。
その気になれば、いつでも止めを刺せそうなのに刺さない。みたいなもどかしさもいいのですよ。
まるで意地悪なネコみたいな。


しかし、全てがこんな感じにいい按排に進めばよかったのですが、本作は徐々に雑になってくると言うか、「それは無いだろ」というツッコミ心がニョキニョキと盛り上がってくると言うか、なんだか残念な展開になってしまうのです。

スーパーヒロインも無敵のヒーローも、現実世界には存在しない。
理不尽な暴力の前では人は無力であり、頭がナイスなブービートラップを思いつく事も無いし、出来る事と言えばただ怯えて震えるくらいしかない。
それは勿論判っているのですが、どうしても期待してしまうのですよね。
観ているのが、「映画」という虚構の世界だからこそ。
主役を張っているのが、「リブ・タイラー」という、手相の生命線がマッキーの太い方くらい濃そうな有名女優だからこそ。
マッキー
(※ 参考資料:ゼブラ油性ペンマッキー。 太い方はあんまり出番がない)

劇的な反撃が無くてもいい。
しかし、もう少し気の利いた攻防があってもよかったのではないでしょうか。 ていうか純粋に見たかった。
ラストの情け容赦ないなぶり殺しっぷりの後に、何故か息を吹き返すタイラーさんのカットを付け加える余裕があるのなら、その分
「電気スタンドに火薬を詰めて、そこから電気コードを伸ばして、足を引っ掛けた犯人の耳元で火薬がバーン!」(※)
みたいな効果があるんだか無いんだかよくわからん反撃を入れればよかったのに・・・なんて思ってみたりなんかしちゃったりして。(※エルム街の悪夢参照)

「充電が切れていた携帯電話」でハラっとさせておきながら、バッチリ充電器を持っていたタイラーさんが、固定電話が切れた瞬間充電中の携帯に手を出さない理由がわからない。
知らない人の家で不審者攻撃にあった時、真っ先に警察に電話しない理由もわからない。
せっかく動く車があっちこっちに転がっているのに、さっさと逃げ出さない理由もわからない。
駆けつけた親友くんが、荒らされ放題の家に入ってきて、まず友達を呼ばない(おーい!どこだー!的な)理由も、
彼氏が事あるごとにタイラーさんを置き去りにする理由も、
クローゼットに隠れるタイラーさんが包丁ひとつ持たずに手ぶらな理由も、
犯人がわざわざ朝まで2人を放置していた理由も、
もっと言うならば、そもそも順調に交際していたらしいタイラーさんが、折角のプロポーズを断る理由もわからないので、危険に晒される2人に感情移入がし難いったらない。

不快王ハネケ風のリアルな作品づくりを目指したのでしたら、その辺の突っ込みどころをもう少し整然として貰いたかったですね。
あと、この手の作品にはビッグネームは必要ありません。 むしろ邪魔。

メイキングで
「オレはアレだよ。 怖がらせる事にはとことんこだわったよね!」
と、自信満々だったブライアン・ベルティノ監督の顔を見ていたら、なんとも言えないイライラがこみ上げてきた事を明記して、今回の残念な感想はおしまいにしたいと思います。

お前・・・ 次はもうちょっと謙虚な姿勢で臨めよな!

次があるかどうかは判らんがな!!


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『パーフェクト・ストレンジャー』

2009年08月11日
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★★
ただし、美人(イケメン)に限る。


古今東西、沢山の「驚異のどんでん返し映画」が作られてきましたが、どうも 『シックス・センス』 以降は行き詰っている感じがしてなりません。

あれを超える“どんでん返し”をしないと、もはや誰も驚いてくれない・・・!

そんな焦燥感を漂わせながら、多くのビックリ作品が世に送り出されたものの、しかし結局、人々の失笑と突っ込みと「だと思った」という言葉で一刀両断されたのでした。
そしてここにまたひとつ、観客の度肝を抜かんが為に、新たな刺客が登場。

“ラスト7分11秒―「衝撃の事実」に、あなたは絶対騙される”
というキャッチコピーも鮮やかに現れた 『パーフェクト・ストレンジャー』 は、一体どんな「驚異のどんでん返し」を魅せてくれると言うのでしょうか!
期待に胸を膨らませつつ、いざ鑑賞!


あらすじ・・・※ 完全ネタバレです ※

バリバリの有能美人記者・ロウィーナは、今日も元気に上院議員の政治ゴシップを暴くものの、上からの圧力によって記事を握り潰されてしまう。
よし!わかった! その議員にロウィーナが狙われるんだな! 理由はゴシップの証拠隠滅。間違いない。

やさぐれ半分のロウィーナは、帰宅途中で久しぶりに会った幼馴染から、とある大手広告代理店社長と不倫しているとの告白を聞く。
そりゃそうだよ! 議員が絡んでくる訳ないよ! アホか!まだ始まったばっかやっちゅうねん!

しかし、その2週間後、幼馴染は無残な死体となって発見される。
来たね。 死体来た。 真犯人は・・・議員・・じゃない!だから議員は関係ないんだってば! 次行こう!

その幼馴染と社長との関係を立証する鍵は、2人が出会ったきっかけでもあるチャットにあると考えたロウィーナは、同僚で腕利きハッカーのマイルズと共に、社長のハンドルネームである「ADEX」との接触を計る。
なんだこれ!楽勝楽勝! 犯人は社長で決定! だって幼馴染と付き合ってたんでしょ? 超かんたん! プゲラwwwww!

直接社長の動向を探ろうと決めたロウィーナは、偽名を使ってその広告代理店に潜入。
一方、ロウィーナの私生活をこっそり覗き見るマイルズの姿も・・・。
あのねぇ、社長が犯人だなんて誰が言いました? だから最初から、私はマイルズが怪しいって言ってたじゃないですか! 覗きイクナイ!

ところでロウィーナの過去には、ある秘密が隠されており、彼女は夜ごと訪れる悪夢に苦しめられていたのだった。
・・・ははーん・・。 ロウィーナの隠された過去ね・・・。 読めてきた・・読めてきましたよ! いや、まだ言わないけどね!

噂好きのOLから、社長に関する様々なゴシップを入手して行くロウィーナと、意味深な眼差しでそれを見つめる社長の片腕・ジョージー。
だからね、ロウィーナのトラウマなんてのは、いわゆる一つのミスリードなんですってば。 犯人はジョージー! 8割がた間違いないと見た!

会社でのリサーチとは別に、例のチャットルームに潜入するロウィーナ。
その独自のエロ口調で、早速ADEXからチャットに誘われる。
そして、それと並行して、社内でもその抜群のプロポーションと美貌で社長の関心を得る事に成功。
一気に急接近して行く2人。
何が怪しいってね、社長の行動が非常に怪しい訳ですよ。 大企業の社長のクセに、社長室でエロチャットするか普通? 家でやれ! ていうか社長業なんてやめちまえ!

その頃、独自に調査を進めていたマイルズから連絡が入り、幼馴染の死因が明らかになる。
なんと彼女はベラドンナという薬物の点眼や注射によって、毒殺されていたのだった。
毒物と社長との接点に困惑するロウィーナ。
ADEXとエロチャットする事で、なんとか秘密を探ろうとするのだが、なんとADEXの名を騙りチャットでハアハアしていたのは、マイルズなのであった。
ほらね~! だから最初にマイルズが怪しいって言ったじゃないすか! 覗くわ騙るわ、もう最悪ですよコイツ! 

そうとは知らずに、ADEXに取り入る事に成功したと信じきっていたロウィーナ。
会社の方でも順調に社長と親密さを増して行くが、物陰からその光景を見つめる者がいた・・・社長の妻である!
旦那が不倫をしていました。 相手の女性は妊娠までしていました。 さあ、あなたならどうします? 殺しますよね! あったりまえじゃん! バカじゃね? と言う訳で、真犯人は奥さんです。 お疲れ様でした。

社長の寵愛を得るロウィーナでしたが、ある日「ADEX=社長」の確証を得る為社長室に忍び込んでいた際、その現場を社長に押さえられてしまいます。
ロウィーナをライバル社のスパイだと勘違いして、怒り心頭の社長。
絶体絶命のロウィーナだったが、なんとか色仕掛けでその場を収めることに成功する。
2人はオサレなバーで仲直りのキスに没頭するが、ロウィーナの携帯を覗いた社長がマイルズから送られてきたメールを見た事で再び激昂。
結局完全に信頼を失ってしまったロウィーナは、会社を解雇されてしまうのでした。
まあね! さっきは奥さんが犯人だなんて冗談を言ってしまいましたが、やっぱり浮気相手が殺されたとき一番疑われるのは相手の男な訳ですよ。 社長は「裏切り」と言うキーワードに非常に敏感ですから、きっと幼馴染みちゃんが社長を脅迫するような事をしたのが許せなかったんでしょうね。  いやぁ、火遊びするには程ほどにって事ですなぁ! くわばらくわばら!

ロウィーナのミッション失敗の原因が、自分からのメールにあったと知ったマイルズは、なんとか挽回しようと、社長のもとに単身乗り込む。
その頃、マイルズを訪ねて行ったロウィーナは、マイルズの部屋でとんでもない証拠を見つけてしまう。
なんとマイルズは長い間、ロウィーナをストーキングしていたのだ!
そして、その傍ら、殺された幼馴染とも深い関係を持っていたのだった!
だからあれ程マイルズだと!! ね!! 言ってたよね!! だってさぁ、もう見るからに変態じゃん! いかんともしがたい変態じゃん!  奥さんとか社長とか、んな訳ないない! 

誰も信じられなくなったロウィーナは、再びチャットでADEXを誘い出し、高級ホテルの一室で会う約束をとりつける。
そして、そこに現れた社長を駆けつけた警察が逮捕。
その後の捜査によって、あらゆる物的証拠が社長の身辺から発見される。
夫の浮気に気付いていたハズの妻は、法廷で知らぬ存ぜぬの証言をし、哀れ社長は有罪判決を受ける事に。
社長は嵌められてただけなんですよ。 それはもう、最初からわかってたんですよ。 じゃあ、一体誰がそんな罠を仕組んだのか? それはどう考えても奥さんな訳で。 マイルズ?誰それ?  きっとねぇ、奥さんは散々浮気に明け暮れてた夫に対し、堪忍袋の緒が切れちゃったんですね。 ある意味可哀想ちゃあ可哀想な人なんですよ、この嫁は。

全てが終わり、過去に決別をして歩き出すロウィーナと、それを見つめる社長婦人。
早くこの嫁、捕まえた方がいいですよ。 ほら、ロウィーナが狙われる可能性も大じゃないすか。

意味深な表情で佇むマイルズ。
と、みせかけて! 結局マイルズなんですってば! 最初のシーンでわかってましたってば! このド変態が!

洗面所でベラドンナの壜を手に摂り、排水溝に流しはじめる一人の女性。
その女性こそは・・・  ロウィーナだった!!!
奥さんっていうかマイルズっていうか、 ・・・え?! ロ??!!!

幼い頃、性的暴行を行っていた父親を殺害して埋めた、ロウィーナと母。
その姿を目撃した幼馴染は、長年に渡ってロウィーナを脅迫し続けてきたのだった。
我慢の限界を感じたロウィーナは、彼女を殺害しその罪を不倫中だという社長に擦り付ける事を計画。
社長に接近しつつ数々の裏工作を仕込み、見事完全犯罪を成立させたのだった。
そ、そうだと思ったんだぁ! ていうか、開始20秒で判ってましたけどね! なんていうか、初歩的ですよね! 何もかもが! 
初歩的で稚拙で短絡的でていうか無理やりすぎるわ――どアホ―――!! (ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻


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この手の「どんでん返し」作品鑑賞後に、あちらこちらで必ず見られる光景に

「オレは(アタシは)すぐ判ったけどね」

という“どんでん返し全否定”な態度の、映画好きな男子や女子の姿があるのですが、なんか大人気ないと思うのですよね。
明らかに「捻りも何にも無い」みたいな雑な作りの映画も多々あるのですが、製作者が無い知恵を絞って二転三転させたストーリーを、時には素直に受け止めようじゃないですか。
そして、「多分コイツが犯人だと思うんだ・・・と思ったんだけど実はコッチだったりして・・・みたいな事を思わせたいんだろうけど実は・・・」と、ああだこうだ踊らされながら観るのも楽しいと思うのですよ。
別にそれは恥でもなんでも無いし、「こんなオチも読めないの?バカじゃね?」なんて言う輩がいるとすれば、そいつの方こそ洒落の通じない野暮天なのではないかと。

ま、オレくらいのレベルになると、大抵のオチは読めちゃうんだけどな!(←まさしく野暮)


そもそも、語り部である主人公が犯人というトリック(?)は、アガサ・クリスティの「アクロイド殺し」(←ネタバレの為反転)とか、おフランス産スプラッター「ハイテンション」(←同じく反転)でもお馴染みなのですが、要はその真実が明らかになった時、どれだけ観客を唸らせられるかなのですよね。
アガサは前者も後者も作品としてだいすきなのですが、さすがに後者の方は辻褄が合わない点が多く、都合の悪いトコロは全て主人公(もしくはアジャ)の妄想てコトにでもしなければ、気になって夜も寝られない程です。

で、本作なのですが、やはり若干無理があったと言わざるを得ない仕上がりに。
幼馴染の殺害ありきで動き始めた主人公は、とにかくやっている事が全て回りくどい。
「社長の奥さんがベラドンナを使った写真撮影をしていると知ったから、幼馴染にベラドンナを盛る」とか、別にそこは盛らなくてもいいじゃない。
っていうか、普通にハドソン川に重石つけて沈めときゃいいじゃない。

なんというかねぇ、すべてにおいて、「ただし美人に限る」が大前提なトコロが、いちいちカチンと来るのですよねぇ。
社長と急接近するとか、
マイルズに自分の言葉を鵜呑みにさせるとか、
顔を伏せたチャットにも関わらず、ADEXをモノにするとか、
絶対普通の記者レベルじゃ成功しないじゃないですか。
でも、何もかも主人公の思惑通りに進む。
何故なら彼女が超エロい体のウルトラ美人だから。

もうねぇ、そんな記者いるかよ、と。
男顔負けで、バリバリと仕事をこなしている記者が、ちょっとドレスに着替えたくらいでフェロモンむんむんのプレイメイトに変身出来んのか、と。
ここは声を大にして叫びたい。
みんな騙されるな! アメリカのベテラン女性記者なんて、概ねこんな感じなんだかんね!

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(※ ホワイトハウスに詰めて48年。代表的女性記者のヘレン・トーマスさん。 まさにもののけ。)


という事で、
「ジャジャーン!真犯人は主人公でしたー! どう?ビックリした?ねえねえ、ビックリしたでしょ?」
というスタッフのハイテンションな製作姿勢だけは、想像すると若干楽しいのですが、なんでも美人なら上手くいくみたいな世の無常も如実に伝わってきて、アガサちょっぴり泣いちゃった。

まぁね・・・、そういうもんさね・・・現実だって似たようなもんさね・・。・゚・(つД`)・゚・。

若い女に目が無い社長を、必要以上にリアルに演じてみせたブルース・ウィリス。
結局ただの女好き、というか、無類の女好き、というか、根っからの女好k(略)
散々おちょくられ、罪を被せられる為だけに登場させられたブルースが、役柄としても個人としても、両方の意味で気の毒に思いました。
次は頑張れ! ええと、確か前に『ダイハード5』やるとかやりたいとか言ってたじゃん!そっちで頑張れ!

そして、もう一人のハゲ被害男性ことマイルズ。
演じていたジョヴァンニ・リビシのお陰で、多面性を持つマイルズのキャラクターがとても魅力的に描かれていた、と思います。(アガサは)
変態性とか、秘密主義とか、誰にでもある一面ですよね。
マイルズはただただ主人公が大好きで、でも高嶺の花で。
誠心誠意尽くせば振り向いて貰えるかもと思って、命令されれば全部従って、でもダメだったマイルズ。
最後のチャンスと思って、ちょっと姑息な手を使おうとしただけなのに・・・。
結局主人公に上手いこと利用されただけのマイルズが不憫でなりません。

もしマイルズが、もう少しほら、アレですよ、イケメン方面だったなら・・・

・・・

・・Σ(・д・)!! 
そうか・・・ただイケって事だったのか・・・



という事で、男女合わせて様々な人生の哀しみを見事に描ききった本作。
今の自分とは違う別の(ちやほやされるような)人格、すなわちパーフェクト・ストレンジャーとして歩んでみたい貴方にお薦めの一品です。

違うか。


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『天使と悪魔』

2009年05月16日
天使と悪魔
★★★
主演、ユアン・マクレガー。 おまけ、トム・ハンクス。


信仰心というのは、恋心に似ていると思う。

のめり込むと周りが見えなくなる。
それさえあれば、何でも出来そうな気持ちになる。
多少のアバタもえくぼに思えてしまう。
かなりのアバタもえくぼに思えてしまう。
弱った心の拠り所にしてしまう。
上手く生活に活かせば、毎日ハッピーに生きられる。

ただ、大概の場合、それは片道通行である。

・・・え?
・・違う?
大概の場合、片道通行じゃなくて両側通行?

リア充はもげてしまえ!!


この物語は、そんな非リア充だった一人の哀れな青年の物語である。

※ 以下ネタバレしていますので、未見の方は引き返して下さい。※








あらすじ・・・
神様って、いると思うんですよね。
ていうか、いるんですよね、確実に。
いないとか言うやつはアレですよ。 もうアレ。 絶対彼女とかいないやつですよ。
いや、僕もいないんですけどね、彼女。
違う違う、彼女の問題じゃなくて、神様の話ね。

僕って孤児だったんですよ。
で、ヴァチカンの枢機卿だった今の父に引き取られて、途中でお国の為に兵役で空軍に入隊したりしながら色々学んだりして。
今はまたヴァチカンに戻って、教皇に出世してた父のもとで秘書みたいなことやってるんですけどね。
要するにずっと男社会一本で頑張ってきたって事なんですよ。
だから彼女とかはいませんよね、必然的に。
いや、別に彼女とか必要じゃないし。 不必要とも言いませんけど。
違う違う、彼女とかどうでもいいんですよ。 神様の話ですよ。

父は結構ヴァチカンの中でも革新派っていうか、頭固くない方で、物事の見方に柔軟な姿勢を見せてたんですけど、僕はそれはどうなのかなぁって。
確かに、ガッチガチの保守派っていうのも、時代遅れかなぁと思いますけどね。
でも、そのせいで神様の存在を軽視するみたいなのは許せないっていうか。
彼女が一生出来ないって決め付けるのは如何なものかっていうか。
正直彼女は欲しいですよね。 出来れば巨乳の。
違う違う、だから彼女の話は関係ないんですってば。

そんな父が、スイスにある原子核研究所で反物質の研究をしてる神父から、なんか相談をされたみたいで。
その神父が言うには、万物の誕生のもととなる物質を作り出す事に成功したとかなんとか。
で、それを発表しますか、それともしないでおきますか、と。
そんなの発表しちゃったら、天地創造説はどうなるんだって話じゃないですか。
バカ言っちゃいけないよ、って。
この世界は神様が作ったんでしょ、って。
アダムとイヴがいて、そんで今日の僕らがいるんでしょ。
だから当然、いつの日にか僕にもかわいい彼女が出来るはずでしょ。 っていうか、出来ない訳がない。
ホント彼女欲しい。 見方を変えれば、貧乳っていうのも僕はアリだと思う。
違うんですってば。 神様の話なんですってば。

で、何を思ったのか、賛成しちゃったんですよ、父が。
その物質の発表に。
もうねぇ、ダメだと思いましたよね。
このオヤジはもうダメだ、って。
今まで僕を育ててくれた父なんで、こんな事言うのも気が引けるんですけど、マジお前ボケちゃったんじゃねえの、って。
ぼくは本気で神様を信じてるんですよ。
だから、その神様を否定するみたいな化学の進歩とか、ホントもう見てらんないっていうか。
そんな発表、見過ごすわけにはいかないっていうか。
神様はいますよ。
いつもぼくらを見てくれているんですよ。
だから僕にも絶対彼女が出来るんですよ。 これはガチ。
違うの。 聞いて。 もうちょっと聞いてみて。 神様の話に戻すから聞いて。

仕方ないから、僕は父を殺す事にしました。
ただ殺んじゃあ僕が罪人みたいなんで、その父の死を上手く利用しようかな、って。
最近ヴァチカンの枢機卿の間でも、ちょっと意識にバラつきがあって、ヘンな野心とか色気を出してくるご老体とかに辟易させられてたんで、父の死を皮切りに、大規模なドッキリを仕掛ける事にしたんです。
大昔にヴァチカンと敵対していた秘密組織があったみたいなんですよ。
イルミナティとか言う科学者の集団らしいんですけど、そいつらの残党が父の死の真犯人だったって事にして、ついでに何人かの枢機卿に殉教してもらって。
ヴァチカンに迫る狂った科学者の魔の手。みたいな構図にしたら、もうみんな焦りますよね。きっと。
今こそ信仰心を新たにして、神様を信じよう! みたいな。
絶対いるから、神様は! みたいな。
絶対出来るから、彼女も! みたいな。

彼女、出来るんだよ、絶対出来る。



彼女欲しい。

マジで彼女欲しい。


・・あ、ラングドン教授来ちゃった?
・・・じゃあまぁ、僕の計画を上手く進める駒として、せいぜい有効に活用させて頂くとしますか。


っていうか、ラングドン、女連れだし。


ラングドンもげてしまえ。



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前作の 『ダ・ヴィンチ・コード』 では、

衝撃! イエス・キリストに隠し子が!

という、仏教徒には限りなくどうでもいい真実を追っていた我らがラングドン教授。
そのどうでもいい真実のせいで、日本人のお客さんからは今ひとつ支持を得られなかったと聞きます。
しかも、真実を解き明かす過程が実に判り難い。
お前ら、ちょっとダヴィンチ先生に乗っかり過ぎなんじゃねえの? というくらいのダヴィンチ頼み。
この名画にも、この壁画にも、実はこんな暗号が・・・! って、どこまでも突き進む妄想伝。
ダヴィンチ先生もいい迷惑でしょうね。

で、そんな反省点を活かした本作は、いちおう 「今度はガリレオ先生が隠した暗号を解け!」 みたいな宣伝文句をあるものの、要は単純な犯人探しだったりします。

教皇を殺した真犯人は?
略奪した4人の枢機卿を次々血祭りにあげる犯人を、ラングドンは止めることが出来るのか?
18世紀に暗躍したイルミナティが、ローマの街に隠した“啓示の道”を、無事見つける事が出来るのか?

という謎解きを、美しい景観と共に駆け足で進める事で、ちょっとした観光気分も味わえて、なおかつハラハラドキドキのサスペンスも堪能できると言う、一粒で2度おいしい作品に仕上がっています。
勿論、その駆け足具合は前作とどっこいな部分もありますので、「う~っとえ~っと」と考え込む隙間は与えて貰えません。
ひたすら不自然な生え際をフル回転させるトム・ハンクスと、やたらとやる気のないヴァチカン警察(とスイス衛兵隊)の行動に翻弄されているうちに、物語は一気にクライマックスへとなだれ込むのです。

しかし、その暗号の仕組み(暗号にまつわる薀蓄話)を理解しきれなくても、犯人探しの楽しみは充分に味わえるでしょうし、派手な追いかけっこと地味ながら滅法腕のたつ殺し屋の仕事っぷりもなかなか見ごたえがあります。
また、ヴァチカンの中で見られる様々なコスプレもたまりません。
中世の絵画から抜け出してきたような衛兵の制服は可愛いし、ぽってりとした枢機卿の真っ赤なケープはおしゃれだし、カメルレンゴ(教皇の秘書長)の黒い聖職服もスマートでかっこいい。
こいつはまさにコスプレ天国。


本作の中で、たびたび信仰心(というかキリスト信者)はバカっぽい描かれ方をしています。
バカっぽいというのは失礼かもしれませんが。
例えば、ヴァチカンの内部に爆発物(街一個消滅するくらいの)が隠された為、避難するよう求められた枢機卿が 「大丈夫。 わしらには神様がついてるから」 って聞く耳もってくれなかったり、奇跡っぽい(実は科学がもたらした大惨事)光景を目の当たりにした群衆が 「神様からの贈りものだーハレルヤー!」 って集団催眠みたいになったりと、なんだかちょっとゾっとする瞬間がありました。
信仰心って怖いなぁ、と。
いや、信じる力は尊いですし、その力が人を強くしたり支えたりするのはわかるのですが、ちょっと冷静さを欠いてしまうというか・・・。

所詮、信仰心なんてものは片道通行でしかないと思うのですよね。
神様がいるかどうかは置いておいて、仮に居たとしても困った時に助けてはくれないし、人の命なんて1ミクロンも感心を示してくれない。
一生懸命願って、信じて、その気持ちが結果自分自身を助ける事に繋がる、いわば自家発電みたいなものなのではないかと。

で、なにせ前作でもキリスト教徒をキリキリ舞いさせたダン・ブラウンさんですから、今回もとことんキリスト教を皮肉って終わりなのかなぁ、などと考えながら観ていた訳なのですが、しかし、今回は前作と違ってヴァチカンが作品にああだこうだケチをつけていない。
撮影は許可してくれなかったらしいですが、態度は比較的穏やかだ。
なんでだ?
現ナマ作戦か?(←不謹慎)


と思って最後まで観ていましたら、ずっと頑なな保守的信仰心をみせていた枢機卿の中の偉いさんが、トム・ハンクスにいい事を言っていました。
「たしかに宗教にも欠点はある。 人にも必ず欠点があるように」
あんたいい事言ったよ! それすごく大事な事だよ!

人が作り上げた宗教だから、絶対欠点もあるのですよね。
その欠点を見ないフリしたり、認めなかったりするから揉めるのではないでしょうか。
他人を、違う考え方を認める事が出来たなら、その欠点が少しでも修正され、宗教は本当に人の心を救うだけの素晴らしい手助けになるのではないかと。 そんな事を思った今日この頃。

まぁ、ヴァチカンの公式談話じゃないですけどね。
ダン・ブラウンさんの談ですけどね。


信仰心が篤すぎた為に暴走してしまった哀れな青年(中年?)役のユアン・マクレガーが、とても魅力的でした。
あと、“悪そうな顔で実は悪くない”という役が定着しつつあるステラン・スカルスガルドも渋いわおっさんだわ渋いわで、もうドキがムネムネ状態。
トム・ハンクスはむしろ脇ですね、今回。
ていうか、もうどうでもいい。
あ、いたの? くらいの気持ちです。アガサとしては。
オヤジ、開いてる? くらいの。 暖簾を潜りながらの。 意味は判りませんが。


と言う訳で、前作よりは(キリスト隠し子?!とかどうでもいいもん。って)引かずに、純粋に楽しめる娯楽観光ミステリーだった本作。
つまり、大規模な土曜ワイド劇場って事ですね。
船越英一郎は出てきませんが、似たような生え際のトム・ハンクスが奮闘していますので、曜日を問わず劇場に足を運んでみては如何でしょうか。


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『1408号室』 

2009年04月12日
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★★★
ノーアウト 1408号室。

おひさしぶりです。 アガサです。

言葉には言い表せない感じの奇病に罹りまして、少しばかりご無沙汰致しております。
徐々に復調できればと思っておりますので、もうしばらくスローペースにお付き合い頂ければ幸いです。

と言う訳で、今回は手短に。

(エキサイト韓国語翻訳サイトにて「アガサ原文→韓国語」「韓国語→日本語」と再翻訳したバージョンの)あらすじ・・・

どんな理由を抱いて今は一人で住んでいるマイクは, 各地の幽霊スポットに泊まって, その模様を本に整理する事で大成功をおさめたベストセラー作家だ

マイクは幽霊を信じない.
信徒信じない.
何故ならばマイクは, それらを無意味な代用品に変えてしまう, 堪えにくい経験をしているから.

ある日そんなマイクのそばで, 一枚のポストカードが到着される.
そこには
「NY義ドルフィンホテルの 1408 号室には絶対ドルオがソンだめだ」
(わ)とだけ記録されていた.
興味をひかれたマイクは, 数年ぶりに NY義地に戻る.
その旅行には, マイクがずっと避けて来た過去と代置すると言う意味もあった.
しかし, ホテルに到着して, 憚るマネージャーから鍵を受けて, 部屋に入ったマイクに, 想像を超越する恐怖が飛びかかったからあった.
果してマイクは, ノーアウト 1408 号室から生還することができるのですか.


果たしてアガサは にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  応援の一押しとかお願いできるのですか

先日ニコニコ動画で再翻訳字幕ネタを見て、面白そうだったのでやってみました。
ちなみに英語でもやってみたのですが、やはり韓国語がダントツですね!
このキレ具合!
オレは今、韓流の波に乗っているっっ!!(←実は乗り遅れてる)
前半は意外と普通に翻訳されているのですが、後半のカオスっぷりが実にアガサ好みです。
「ドルオがソンだめだ」て! マジうける!!

皆さんも是非一度お試しアレ!


ええと、ここで終わるのも何なので、ちょっぴり内容にも触れましょうかねぇ。

スティーヴン・キングの短編小説を映画化した本作。
原作では
「幽霊も神様も信じていない故に全米の心霊スポットをレポートして荒稼ぎしていた男が、たまたま訪れたホテルでモノホンの悪霊に遭遇して黒コゲの刑」
と言う簡潔な自業自得物語でしたが、映画化にあたってこの主人公の人となりを大きく彩色。
ただの無心論者ではなく、愛する娘を病気で亡くした為霊現象や神を信じられなくなった哀れな男にした事で、この不思議な部屋が持つ攻撃力を更に高めています。

そもそもこのホテルの部屋は何だったのでしょうか?
「オーバールックホテル」の様に、過去の怨念がバウムクーヘン状に折り重なった怨霊ホテルなのか?
それとも、働き者の悪魔が仕込んだお仕置き部屋なのか?
過去に泊まった客が必ず死を遂げる、呪われた部屋。
サミュエル・L・ジャクソン兄貴扮する支配人が仰るには、「1時間もった人はいない」との事。
大きく出ましたねぇ! 兄貴!!

で、娘を亡くし、妻とも埋めがたい溝が出来てしまった主人公・マイクもまた、意気揚々と潜入した室内で、さまざまな粘着攻撃に苦しめられることに。

部屋のエアコンが壊れ、半そでになっても汗まみれなくらい暑くなったり、
かと思えば鼻水も凍る程、氷点を下回ったり、
過去に部屋で自殺した自縛霊っぽいのが、「オレ、どう?」的に自己アピールしてきたり、
コンセントを抜いているはずのラジオから、何回も何回も「We've Only Just Began~」ってカーペンターズの愛のプレリュードが無限のリピートされたり、
不仲だった父親がスーパーイリュージョンしてくれたり、
窓のサッシがバーンって降りてきて、指をベチーンって挟まれたり、
水道の水が、突然アチーってなったり、
壁に掛けられた絵が勝手に動き始めたり、
スーパー浮浪者が刃物を持って追いかけてきたり、
壁の亀裂から水が、ドリフ並みの勢いでドシャーって溢れ込んだり、
夢だけど、夢じゃなかったり
枚挙に暇が無い程浴びせられる、ボディに地味に利いて来る嫌がらせの数々。

これらの攻撃を一身に受けて、苦悶の表情を“やりすぎ境界線”ギリギリに演じるジョン・キューザック(ザっくん)は、ギリギリと言ったけど正直一線を越えた感もある熱演を披露。
その線は越えちゃいけないと、あれほど言ったのに・・・。
その線の先にあるのは、『ウィッカーマン』のニコラス刑事なんだよ、と、あれほど言ったのに・・・。

ていうか、もう肩を並べちゃいましたね。
「慌てれば慌てる程面白い」、ネクスト・ニコラス・レベルに到達してしまいましたね。
ようこそザっくん。 魅惑の摩訶不思議アドベンチャーワールドへ!
熱烈歓迎しつつ、演技派として地道に活動をしてきたザっくんの行く末を案じてみたりする私です。

下手するとコントすれすれの嫌がらせ攻撃に、正気と狂気の狭間を行ったりきたりのザっくんですが、それらの攻撃の中で最も耐えがたく、何とか保っていた自制心を破壊されてしまったのが、愛する娘に関する幻覚攻撃。

小児ガンに侵され亡くなってしまった娘。
親として、あらゆる手を尽くしたつもりだが、心の中は未だに後悔で埋め尽くされているザっくん。
その自責の念から、支えあって生きて行くべき妻から逃げてしまった弱い男。
不思議な悪意に満ちた部屋は、そんなザっくんに執拗に、娘の死を再生して見せるのです。
現実に助けられなかった命。
幻想の中でも助けられない命。
魂の底から搾り出した、救済を願う声をあざ笑うかの様に、目の前で一瞬にして崩れ去る娘の体。
こんな悪夢耐えられません。
この人でなし!
いや、部屋でなし!!


作品としては面白い(ギャグ的な意味で)部類に入ると思うのですが、この娘にまつわる悪夢のシーンのお陰で、心理的にもかなり堪える出来となっているのではないでしょうか。
捨て身の反撃に拠って、奇跡の生還を果たしたザっくんが、原作通りに恐ろしいトラウマを抱えて生きる羽目になっても面白かったのではないかと思いますが、娘の哀しい思い出を夫婦で乗り越えようと歩み寄るラストもそれはそれで希望に溢れてよかったですね。

ちなみにアガサのお気に入りシーンは、サミュエル兄貴が手乗りサイズになるお茶目でファンシーなシーンです。
小さくても兄貴。
ポケットサイズの兄貴。
叩いても増えません。


全国の兄貴ファンは必見のシーンです。 (※くどいようですが増えません)


ていうか、あんまり手短じゃなかった罠。
どうもすみません。
では皆様、ごきげんよう!



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『FRONTIER(S) フロンティア』 

2009年01月26日
フロ
使いも使ったり、その血量400ℓ。

はいどうも、アガサです。

先日ちょこっと皆様にお知恵を拝借していた、当ブログの移転の件ですが、諸事情により全て白紙に戻すことになりました。
その節にコメントを下さったみなさま、本当にありがとうございました。
なんかゴタゴタして申し訳ありませんでした(´・ω・`)

今までどおりFC2にて頑張って参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

という事で、はてなの方で書いていた 『フロンティア』 レビューを出戻り記載の巻。


あらすじ・・・
「よし、オランダに行こう!」と彼は言った。
と言う事で、先立つものが必要なので銀行を襲った。
二手に分かれて逃げる途中で、お兄ちゃんが撃たれた。
仲間を先に国境へ向かわせ、とりあえずお兄ちゃんを病院に運んだ。
お兄ちゃんが死んだ。
超泣けた。

その頃、先行していた仲間が辿り着いた辺境の宿は、にゃんとキチガイの宿だった。
キチガイから逃げ出した仲間たちだったが、崖から転落して巡りに巡って、結局またキチガイの総本山に迷い込んだ。
遅れること数時間、私たちも宿に到着した。
まさか仲間たちが襲撃されていたとは知る由もなかった私たちを、宿の主人が別宅へと招待してくれた。
そしたらどっこい別宅には、さらなるキチガイが待ち受けていた。
キチガイというか、ナチの親衛隊ね。
これはヤバいと逃げ出そうとしたけど、屈強な大男たちに阻まれてサックリ身柄を拘束された。
私たち(私と元カレのアレックス)は、ブタ小屋に鎖で繋がれ、どうにもこうにも殺される雰囲気たっぷりだった。
その時、私の妊娠がきっかけで喧嘩別れしていたアレックスが漢(おとこ)気を魅せた。
火事場のクソ力で私の鎖をザンパノ((エイヤーって引き千切る))して、逃がしてくれたのだ。
ヤダ・・・そんな事されたら・・あたし・・・あたし・・また、好きになっちゃうかも・・・*:.。.:*゜( n´∀`)n゜*:.。.:*
なんて悠長な事も言ってられないので、とりあえず逃げた。
でもすぐキチガイの仲間に捕まった。
腑抜けでどうもすみません。

逃亡を知って怒り心頭のファシストじじいが、アレックスに銃を突きつけた。
アレックスは最後の根性を振り絞って「クソじじい死ね!」と罵ったが、言葉だけでは銃に勝てるはずもなく、あっさり射殺された。
一方、じじいは私の妊娠を知ると態度を一変させた。
どうもこのじじいは、家族を増やす事に重きを置いているらしいのだ。
「純粋な血族こそ国家の宝!」とかなんとか素晴らしくキ印な発言を繰り返しているが、この子移民の子なんだけど。
そんな事見りゃわかんだろ!じじい!ボケてんのかよ!バーカバーカ!

しかしどうやら、じじいにとっては本当の遺伝子など大した問題ではなく、とにかく若い母親が必要だっただけなのだ。 
「ボケてんのか」とか言ってゴメン。 つまり形振り構わずって事だったのね。失敬失敬。
鎖を解かれ、じじいの長男の嫁としてキチガイ家族に迎えられる事となった私は、一時は抵抗する気力も無くし「どうにでもなれ」と思っていたのだが、加齢臭のキツイ長男に唇を奪われた事で怒りに火がついた。
ただキスされただけでもキモいのに、キスしたあと口をベローンとかもう! (`Д´*)ノ゙ エロおやじ!! エロいんだよてめぇ!
そこで、手元に置いてあったナイフを手にじじいを人質にとり、
お前ら! 撃てるもんなら撃ってみろ! じじいの喉元掻っ捌いてブタみたいにギャーギャー叫ばしてやんぜ!
って言ってみたら、ホントに撃ったバカがいた。
じじいポックリ。
こりゃビックリ。

一家の長であり、総統でもあるじじいを失った一家は我を失い私に襲い掛かってきた。
いやいやいや、じじいを撃ったの私じゃないんだけど。(´д`;)
しかし、私も私で相当な怒りを身に纏っていた。
仲間はみんな殺されたし、その一部なんか食卓に出されちゃたし、アレックスもせっかく仲直りしかけたのに死んじゃったし、おなか痛いし、お兄ちゃんも死んだし、もう誰も居ないじゃない! 信じらんないっつーの! 文字通りシングルマザー確定だっつーの!
かくして、キチガイ一家と私の壮絶なサバイバルゲームが幕を切って落とされた。
勝つのは私か、それともキチガイか?
血で血を洗う闘いが、今始まろうとしている・・・。


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今、フランス産ホラーが面白い!
『ハイテンション』のアレクサンドル・アジャ、『屋敷女』ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロに続いて、オサレの都・フランスから送り込まれた第3の刺客、ザヴィエ・ジャンの長編デビュー作『フロンティア』。
去年一部の劇場でひっそりと公開されたものの、当然のように我が岡山には来なかった本作を、ホラー番長ことwataruさんが快く貸して下さったお陰で鑑賞出来ました。
おありがとうございます~゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

先ほど述べた2作品に比べると、残酷シーンは前半やや大人しめだった本作ですが、後半は足りなかった赤血球を取り戻すかの様に、血しぶきのオンパレード。
食肉解体用テーブルのこぎりで胴体縦まっぷたつ!
ライフルで頭破壊。

・・・
・・
ん?
そんなもんか?
(400ℓはもっぱらのこぎりシーンで使用と思われ。)

しかし、その他にもちょいちょい挟まれる拷問シーンの痛そうな事と言ったら・・・!
アキレス腱をちょっきんとか、喉元噛み千切るとか、フックで足首貫通とか、全く爽快さのない表現はさすがはおフランスざますねぇと言ったトコロでしょうか。

冒頭のフランス移民チームによる暴動シーン(ニュース映像)のお陰で、なんだか社会派っぽい雰囲気を醸し出していましたが、要はバカな若者が田舎の怖い家に迷い込んでどんじゃらホイという単純極まりないサバイバル・ホラーですので、構える事なく気軽にご覧頂ければよろしいかと思われます。
極右政党が政権を奪いそうなフランスから逃げたマイノリティの若者たちは、逃げたつもりがもっと手加減の無いナチの生き残りに捕まってしまう。
何事からも、逃げるんじゃなく、立ち向かわないといけないんだ!というメッセージを感じなくもない事もない。 てことは無いって事か。
暴動騒ぎに乗じて強盗を働いた若者が、撃たれて瀕死の仲間の分け前を巡ってリーダー争いをした構図が、後半のナチの巣窟で再び似たようなリーダー争いとして繰り広げられたり、ホント人間ってヤツはしょうがない生き物ですね。

で、どいつもこいつも無残に殺されて行き、最後に残るのが妊婦2人だけだったと言うラストが実に希望に溢れていて素晴らしい。
結局未来を握っているのは女なんですよね。
そうだよ!そうなんだよ! 男は黙ってついて来りゃあいいんだよ!! 
(何か違う様な気もするが、そういうホラーが一番面白いんですものねぇ。)

しかし、その過激な生き残り戦や、ダークで美しい映像や、陰惨な雰囲気の素晴らしさとは裏腹に、ところどころに物足りなさを感じ無くも無い。
最初に襲われた若者から、意味ありげに回収された携帯電話・・・。 でも特に物語に絡んでこないのはアレか? ザヴィエ忘れちゃったのか?
狭い横穴を這って逃げる若者の後ろから意味ありげに追いすがってくる不気味な人影・・・。 でもその後大して出てこないのはアレか? 『ディセント』がやりたかっただけか?
納屋の入り口に意味ありげに置かれた粉砕用トラック・・・。 これもてっきりラストで大ミンチ大会が開かれる用なんだと思っていたけど、結局出てこなかったのはアレか? ベッソン野郎(※本作プロデュースの元祖・金髪豚野郎)に「ミンチより爆破!」って吹き込まれたか?
黒髪が気に入らないからってヒロインの長い黒髪をバッサリカットさせたナチのじじいだけれど、肝心のその家族の女性はほとんど黒髪なんじゃん、と言うのはアレか? 『ハイテンション』がやりたかっただけか?

伏線のように思えた小道具や設定の数々が、なんとなくお座なりにされていた様な印象が残るのが残念極まりないですね。 それ以外が素晴らしかっただけにね。

さて。 本作でアガサの胸を最も鷲づかみにしたのは、キチガイ一家に子供の頃浚われ、子を産む機械として育てられた少女。
キチガイたちから「オレたちの言うことを黙ってきいてりゃ、そのうち親が迎えに来るだろう」と嘯かれ、しかもその嘘八百を信じるしかなかった少女。
近親相姦の種を植えられたせいで、生まれてくる子供は奇形児ばかり。
同じ妊婦同士ということでヒロインに並々ならぬ感情移入をし、時にはママ友、時には年の離れた姉妹、また時には生き別れた母親に向けるような眼差しでヒロインに接する少女は、そのヒロインの脱出を助けたのち「一緒に逃げよう」と諭されますが、頑としてそれを拒みます。
キチガイの種から生まれたモンスターの様な子供でも、彼女にとっては大事な我が子。
その子供たちを捨てて逃げる事なんて、彼女には出来なかったのです・・・。
唐辛子を飲ませて幼子を殺す様なヤツには、彼女のつめの垢を400ℓくらい飲ませてやりたいものですね。

ヒロインの豹変&頑張りも素晴らしいですが、この少女(今は大人?)のシークエンスがあったからこそ、本作は「一見の価値アリ」と呼ぶに相応しい作品になったのではないでしょうか。
何も判らないままに監禁され、大きく狂わされた人生を全うするしか出来なくなってしまった一人の少女の姿が、憐れで哀しくて胸を締め付けます。


で、ここまで書いておいてなんですが、今回アガサはフランス語版英語字幕つきで鑑賞しましたので、実は内容が上記の通りだったのかどうか正直自信がありません。(えー)
と言う訳で、2月にリリース予定の国内版は、確認の為にも是非再鑑賞してみたいと思います。

そうそう、そんなボンジュールなフランス語ですが、英語で言う「STOP!」という台詞が、そのまんま「ヤメテー!(Arrêtez!)」だったトコロが非常にアンニュイかつシルブプレな感じで勉強になりました。
いつかフランスでキチガイに襲われたら、迷わず「ヤメテー!!」と叫んでおこうと思います。

皆さんも是非お試しあれ!

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