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『チェンジリング』

2010年04月27日
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希望と言う名の牢獄。


あらすじ・・・
我らがフェロモン核弾頭ことアンジェリーナ・ジョリーが、ある日忽然と姿を消してしまった我が子を探す為、

一人でゴロツキが闊歩する下町で聞き込みをしたり、
捜査の怠慢が目立つ警察署内で、署員15人を相手に大立ち回りをしたり、
やっと「見つかりました」と連れて来られた少年を瞬時に別人と見抜いたり、
本物の息子を探すよう、待ち伏せした警部の喉元にナイフを突きつけて脅したり、
警官に対する行き過ぎた行為のせいで、精神病院送りになったり、
病院内の情報屋から、「カルフォルニア南部の養鶏場で息子さんらしき少年が監禁されていたらしい」というタレコミを受け、脱獄脱走を決意したり、
昼間に医者の部屋からくすねておいたペンの先を使って手錠を外し、天井のダクトから屋上へと上がり、そこからシーツを使った簡易パラグライダーで塀の外に飛び降りたり、
通りかかった車を奪い、追ってきた病院の警備員の車とカーチェイスを繰り広げたり、
やっとの思いで養鶏場に辿り着くものの、そこは既にもぬけの殻で、少年の物とみられる複数の靴や衣服のみが散乱しており、呆然と立ち尽くしているトコロに、冒頭の一件で「姉貴」と慕ってきていたゴロツキが駆けつけ、丁度時を同じくして犯人が捕まった事を教えてくれたり、
怒り心頭で犯人が収監されている警察署に戻ると、「いや、これには訳が・・」と口ごもる警部の鼻を折り、署長室に乱入するや否や署長の銃を奪い取って「頼む!命だけは」とすがる署長の股間スレスレの所を撃ち抜き失禁させたり、
その後別室で取調べを受けていた容疑者のもとへ駆けつけ、彼女の鬼の形相に恐れをなして泣き叫び、命乞いをする容疑者の襟ぐりをつかんで「did you kill my son! you're mother(※)ucker!!」と締め上げたり、
冷静さを取り戻し、容疑者を放して「頼むから・・あいつら(警察)に本当の事を言うのよ・・」と言い残して部屋を出ようとしたものの、「なんだかんだ言って、最後に泣くのはお前なんだよ、この淫売ババア! そう、お前の息子みたいにな!」と逆ギレされた為、窓にかけたあったブラインドを容疑者の首に巻きつけ、「地獄に堕ちろ!」と叫びながら吊るし首にしたりしないお話。


こういうお話だったらスカッとするのになぁ・・・と。 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 勿論子供も最後に保護される感じで。  



以前、ちびっこが居なくなってしまった事がありました。

“近所のお友達の家に遊びに行く”と元気に家を飛び出して1時間後、そろそろ日も暮れかけてきたので、家に入るよう声を掛けようと、そのお友達のおうちに行ってみたのですが、そこにはちびっこの姿がありませんでした。
うちからそのおうちまでは、僅か500メートル程の距離。
間には数本の路地。
いつもはバタバタと賑やかに走り回っているちびっこの姿は、どこにもありません。
声を限りに名前を叫びましたが、応える可愛い声もありません。

瞬間、胃がぐるりと一回転した様な不快感に襲われ、指先が痺れ、頭の中に一滴、とてつもなく冷たい水を垂らされた様な、そんな感覚に見舞われました。

そんなはずはない。
いなくなるはずはない。
絶対この近くにいるに違いない。

そんな言葉がグルグル頭を駆け回るものの、口の中は異様に乾き、なんどもつばを飲み込もうとするのですが、蛇口をピッタリと止められたみたいに、何の水分も出てきません。

だからあれだけ、遠くには行っちゃダメって言ったのに。
うちの近くだけよ、って言ったのに。

一人、誰に言うでも無くつぶやいた怒りは、それ以上に湧き上がる不安を認めたくなかったから。
でも、その怒りもすぐ、後悔のつぶやきに取って代わられました。

ごめんね、やっぱりうちの庭だけって言っておけばよかった。
ごめんね、もっと早く迎えに来てあげてればよかった。

どうしよう。
どうしよう。
ほんとに何かあったんだったらどうしよう。

不安が恐怖へと変わりそうになったその時、かすかにちびっこの笑い声が聞こえました。

「・・ギャハ・・ハ・・  お・・え・・ちゃん・・ う・・こ・・  ・・うんこー!・・」



いつもは行かない反対側の路地裏からげらげら笑いながら現われたちびっこたちが、この後かあちゃんにこってりと叱られたのは言うまでもないのですが、この時見舞われた感覚は一生忘れる事が出来ません。

子供を失ってしまった親の気持ち。
恐ろしすぎで想像もしたく無い気持ち。
その入り口(ごくごく手前の、ですが)を覗いてしまった事があるアガサは、とてもじゃないですが、本作を平静に鑑賞することなど出来ませんでした。
本作は、どんなホラー映画よりも怖ろしく、どんなモンスター映画よりも破壊力があり、どんなサスペンスよりも心臓を痛めつける、近年稀に見る傑作であり、一生観直したくないトラウマムービーだと思います。


■ 今も昔も変わらない

本作の舞台となっているのは、1920年代のアメリカ。
LAコンフィデンシャルよりもブラックダリアよりもさらに昔、アンタッチャブルの時代です。
国家権力の横暴さや一般市民の無力さが、イヤと言うほど克明に描かれており、それを前に成す術の無いアンジェリーナ・ジョリーの姿が涙と憤りを誘うのですが、実は今もそんなに変わっていないと思うのですよね。
冤罪が未だになくならない様に、なんの権力も持たない一市民の声なんてほんとにちいさな存在で、いくら声を上げようと、掬い取られるものなどほんの一部。
真実は時に、えらい人がそうであれと願う真実なのだ、という恐ろしい現実は、昔も今もそのままなのかもしれません。
なので、アンジェリーナ・ジョリーが叩き込まれた地獄の日々は、今、あなたの傍でもパックリとその口をあけて待ち構えているのかもしれないのです。

こわい話ですね。
こうなったらとりあえず、警察の偉いさんと身内になるっきゃないか!(もしくは弱みを握るか)(←握れません)


■ 正気と狂気

私はどこもおかしくありません。 だからここから出してください。
そう、もしも精神病院の中の人に言われたら、自分はそれを信じられるだろうか?
その相手が自分の身内だったら信じるかもしれないけれど、知らない人だったら到底信じられない。
専門家だったら正しく判別できる、と言われても、その専門家が実は心の病だったらどうするのか、とこれまた信じられない。
そもそも、こんな善悪すらもあやふやな世の中で、誰が正気で、誰がそうでないかなんて、どうやって判断するのか?
判断する権利が誰にあるというのか?

みたいなね。
そういう事をずっと考えていたら、なんかもう思考回路がおかしくなってしまうので、考えないんですよ。
なのでたぶん、考えない人が正気。(←投げやり)


■ 希望という名の牢獄

異常者によってさらわれた我が子を、“死体が見つかっていない”という一点から“まだ生きているかもしれない”と信じ、探し続ける母。
真犯人が捕まっても、共犯者の証言を聞いても、同時期にさらわれ、殺された多くの子供の骨が掘り起こされても、頑なに“死の可能性”を受け入れない母。
それは、受け入れない事だけが彼女の生きるよすがであり、受け入れた瞬間、彼女の人生は終わってしまうから。
何の確証も無いまま、生きる為だけに“死”を受け入れなかった彼女に、クライマックスでもたらされる一筋の希望の光。
でも、結局その希望は、彼女を一生抜け出せない牢獄に閉じ込める決定打となっただけなのではないかと思いました。
もちろん、その牢獄には“希望”があるので、彼女なりの充実感や生きる力は得られるかもしれない。
でも、その影にはいつも“後悔”や“罪悪感”が潜んでおり、ふとした隙に彼女の心を責め立てる。

生きているかもしれない、と信じて待つ事と、
天国で心安らかに過ごしているんだ、と諦めてきちんと弔ってあげる事は、一体どちらの方が苦しいのだろうか。
目に見えぬ檻で暮らす事でしか、子を守れなかった自分を赦す手立てはないのだろうか。


まぁ、でもきっと自分が同じ立場だったら、探し続けるのでしょうけどね。
可能性が0で無い限り、探さずにはいられないのでしょうけどね。


■ そして女は強い

一言でくくるのもどうかと思うのですけどね。
じゃあ、男は強くないのかよ! っていうとそんな事はもちろん無く、子を思う気持ちも、逆境に立たされた時の馬鹿力も、同じくらい強いと思うのですけどね。
ただ、本作で描かれている時代は、問答無用に“女の方が弱い”時代なのですよ。
今どころではないくらい、「女は黙ってろ」っていうのが当たり前の時代。
でしゃばってたらあっという間に叩かれるような時代。
そんな時代の中で、最初こそ威圧的な警察に涙するしかなかったアンジェリーナ・ジョリーが、我が子への思いだけを支えに立ち上がり、真っ向から闘う姿勢になっていくトコロが、とても素晴らしかったのです。

拳の堅さだけが強さの表れなんじゃない。
アクション映画での彼女とは、強さの種類は全く異なるものの、同じくらい逞しく、鋼の様に堅い精神力を身につけたアンジェリーナ・ジョリーの凛とした美しさに、自分もかくありたいものだ、心から思ったアガサだったのでした。
やっぱ女は強くないとダメ!


もう観直したくは無い作品ですが、沢山の方に観て頂きたい作品でもあります。
未見の方は是非。


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『エスター』

2010年03月30日
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真の“愛されガール”の姿を見よ! そして跪け!!

エスター、なんと甘美な響き。
北欧に咲く一輪の薔薇。
その棘は心を刺し、その香りは心を癒し、その眼差しは心を惑わす。
エスター、ひたすらに無上の愛を渇望し続けた少女。
エスター、ああ、エスター。

養親になってくれたのが、モーガン・フリーマンさんだったらよかったのにな!マジで!(もしくはウディ・アレンさん)

衝撃の朗報? 72歳のモーガン・フリーマン、45歳年下の孫娘と結婚!? - MovieWalker


(↑ガセだという節もあるそうです)
(↑ウディの方はガチ)


と言うわけで、去年観た方の間で話題騒然だった 『エスター』 を、遅ればせながら鑑賞しました。

エスターなんだこれ超SUGEEEEE!!
最近怖い映画が少なくなったとお嘆きの自分に、心ばかりの増強剤とばかりに借りてみたのですが、滋養がつくどころか超劇薬だったのでした。 バンザーイ!どうせ盛られるんならやっぱ劇薬だよね!

待望の赤ちゃんを死産という形で亡くし、失意のどん底だった夫婦が迎え入れた新たな家族。
それは、どこか寂しげで、でも芯が強そうで、不思議な魅力にあふれる少女・エスターだった・・・!

そんな彼女が家に到着してから去ってゆくまでの数週間を、くしゃみするもの躊躇われる様な緊張感でもって描いてゆく本作。
エスターが魅せる、他人を疑心暗鬼にさせる巧みな会話テクや、絶妙な間合いの自虐ネタ、心の中の触れられたくないトコロを的確に突いてくる心理攻撃がまぁ、見事な事と言ったら。
で、それらが功を奏し、災いが雪だるま式に膨れ上がってゴロゴロを悲鳴を上げながら暴走し、そして行き着くところまでノンストップで行き着いて爆発してしまう様は圧巻の一言です。

外見は幼い少女なのですが、劇中で披露するあーんな駆け引きやこーんな嫌がらせの数々は、手練手管に長けた女(メス)のまさにそれ。
いやー、勉強になりますなぁ! (するな)

異質な訪問者と家族の崩壊、という古今東西お馴染みな内容ではあるのですが、不穏な空気に満ちた導入部から、ひたすら続く悪夢のような中盤、そして斬新過ぎる真相が待ち構えるクライマックスまでが、非常にテンポよく、リズミカルに紡ぎだされる為、中だるみとは全く無縁な傑作ミステリーとなっております。
ほんとこれ、去年観ていたら間違いなく09年代ベストに入れてたのになぁ。
ちくそう! これだからかっぺ地域は! (※岡山では公開されませんでした)

まだご覧になっていない方は1食抜いてでも鑑賞されるコトをおすすめします。
衝撃真相なのに、オチがわかってからももう一度観直したくなること請け合いですよ!
あと、絶対鑑賞前にネタバレブログとか読まないようにして下さいね! 人生損してしまいますよ!(そこまで言うか)




では、以下ネタバレ。 (※未見の方は読まないで下さい)




そりゃ、うっぷんも溜まりますよねー!

愛を求め、愛に流離い、愛に弄ばれた33年間。
成長ホルモンの異常により、自らの意思とは裏腹に、ジュニアサイズで生きることを運命付けられたエスター。
愛撫に焦がれ、夜毎疼く発展途上ボディ。
でも、その外見が災いし、彼女の欲望は決して満たされることは無い。

33年間ノータッチ・ノーベッドインて! これを悲劇と言わずして何を悲劇というのか!
らめえ!もうエスター、魔法使いにらっひゃうお!(※一説によると、手付かずのまま30歳を過ぎると魔法使いになれるそうです)

「愛が欲しい」だの「愛されたい」だのと無いものねだりも甚だしい“自称・愛されガール”どもは、膝を屈してよく見ておくがいいですよ。
こうなる前に、愛を欲する側から与える側にシフトしなきゃダメだかんね!
愛されるよりも、愛したい本気(マジ)で!みたいな!
でないと、エスターみたいな不毛な“愛され地獄”に陥っちゃうよ!

で、そんな不毛なエスターですが、劇中の設定では、もともと精神を病んでおり、暴力性もあったとされているのですが、ホントにそうなのかなぁ、と思えてなりませんでした。
ホルモン異常は彼女のせいではないのに。 
周りの女子と同じように発育していかないのは彼女のせいではないのに。
心はどんどん大人になり、肌つやも無くなり、ほうれい線まで出始めたというのに。
なのに「子供にしか見えない」という理由で、性的アピールをスルーされてしまうなんて。
そりゃ歪むんじゃないですか? 心のひとつも歪んでしまいまさあ・・ねえ、旦那・・・。

もしエスターが、出生と同時にキチンとした医療を受けており、理解ある人々に出会えていたなら、こんな悲劇は生まれなかったかもしれないのになぁ。
形振り構わず、養父にお色気攻撃をしかけ、案の定拒絶されて怒りに燃えるエスターの姿を見ていたら、彼女の人生の裏側でこれまで流されてきたであろう数多の黒い涙が目に浮かび、思わず目頭が熱くなってしまいました。
ほんと、ウディ・アレンくらい男気のある養父に出会えたらよかったのにな!


で、ここまでエスターに感情移入してしまうのは、彼女を迎え入れる一家に対する違和感にも原因がありまして。
赤ちゃんを死産で亡くし、その代わりに養子を・・・という事なのですが、既に2人の子供に恵まれているのに、なぜそこまでして兄弟を増やしたかったの? 平成の大家族を目指してるの? 改編期に特番するの?
それに、その実子のうちの一人は聴力に障害を持っていて、手も目も人一倍かけてあげるべき存在。
なのに養子をとる意味が、どうしても理解出来ない。
なんなの? もしかしてそのお世話係にでもしようと思ってたとか?みたいな意地悪い感情まで首をもたげてくる始末。

死産の悪夢から立ち直れない母の気持ちはわかりますが、子供は何かの代わりじゃないんだかんね。
ま、そもそも旦那さんとは破綻してしまってた(旦那さんに対する信頼が無くなっている事は、冒頭の悪夢のシーンを見ても明々白々)みたいですので、あの離別は仕方ないのかなぁと思いますし、喪った赤ちゃんへの想いに関しても、エスターのお陰で見事に決別出来たようですので、終わりよければ全てよし、みたいな感じなのかもしれませんね!

よし、とりあえずエスターさんに感謝の意!


全ての女が持つ二面性を余す事無く表現した、エスター役のイザベル・ファーマン・齢13歳がとにかく素晴らしかったです。
あまりにエスターが憑依していた為、今後のキャリアに差し支えるのではないか(※リンダ・ブレアみたいに)と心配でたまりませんが、是非これに懲りずに色々な役にチャレンジしてもらいたいものです。
アガサとしては、ファーマン女史とエレン・ペイジ師匠とのがっぷり四つが、今一番見てみたい取り組みですね!

いやぁ、やっぱ男がまるで役に立たなくて女がめっぽう強い映画はおもしろいなぁ!
最高でした!

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『パラサイト・バイティング 食人草』

2010年03月03日
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浜辺で乳繰り合うようなヤングは、みんな草に食べられちゃえばいいんだよ!


あらすじ・・・
・ 異国の地でアハハウフフなアメリカン。
・ 同じく旅行中のドイツ人から、「マヤ遺跡行ってみぃひん?」と誘われるアメリカン。
・ 思い出作りの為に、獣道に分け入るアメリカン。
・ ジャングルのど真ん中で遺跡を見つけるアメリカン。
・ 原住民に囲まれるアメリカン。
・ 「WAO! 土人デスネー!」と写真を撮りまくるアメリカン。
・ 原住民に怒られるアメリカン。
・ とはいえ、言葉が通じていないので知らぬ顔の半兵衛のアメリカン。
・ 遺跡の上に追いやられ、周りをグルリと包囲されるアメリカン。
・ 逃げようとして撃ち殺されるギリシアン。
・ 遺跡上で、やんわりとした監禁状態のアメリカン。
・ 姉さん事件です。フラワーがトーキングしています。
・ 実は、この遺跡には食人草が巣食っていたのだ。
・ 果たしてアメリカンな若者たちに、ワールドポリスたるアメリカ合衆国からの救助の手は差し伸べられるのであろうか!



「ギリシア人」は「ギリシアン」じゃないですよね! にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  わかってる! いや、わかってるんだけどさ!


2008年版の“この蔦がすごい!”大賞(通称「このツタ」)・廃墟部門に、見事ランクインしたハイパー蔦アクション小説「ルインズ ―廃墟の奥へ」が映画化されたと言うので、早速レンタルしてきましたよ!


うそですよ! (観たのは本当です)


それはとてもとても救いがなく、人間不信に拍車がかかるような快作だった原作。
必然的に、映画版にも幾許彼の期待を抱いていたのですが、結論から言うと、なんともかんとも惜しい作品だったのでした。
脚本を書いたの、原作者なのにな。 どうしてこうなった!どうしてこうなった!

実は、そもそも原作自体も、設定だけみるとかなり際どい作品ではあるのですよね。
なにせ、相手は“草”ですし、舞台となるのも“こんもりとした丘の上”と、非常に限られた空間。
そんな中で、“植物が形態模写する”という、一歩間違ったらコントか「おかあさんといっしょ」の1コーナーに成りかねないシーンがお目見えしちゃいますからね!
もうこっちとしては、危なっかしくて見てられないって話ですよ。
「怖くなるの? ならないの? お花さんが喋っちゃうの? それ大丈夫なの?」
無理めな設定に翻弄されながら、恐怖と失笑の狭間を行ったりきたり。
もういい。 それ以上無理しなくてもいいんだよ。 
君の笑顔は、いつだって泣いてるように見える・・・だから僕は君を別の涙で濡らしてしまおう・・そう・・喜びの涙で・・・。


だから「観たらすぐ書け」と、あれほど言っておいたのに!(※『ドゥームズデイ』の項参照)


という事で、今回も鑑賞してからかなり間が開いてしまった為、放っておくとハーレクインbotみたいな事ばかり書いてしまいそうですので、ちょこっとだけ、記憶を掘り返せた分だけ書いておきます。

怖いというか怖くないというか、なんとも微妙な存在だった“蔦描写”よりも、極限状況下における人間性の崩壊に重きを置く事で、見事読者に、じっとりとした汗をかかせる事に成功していた原作。
では、映画版はどうだったかというと、もう、とにかく圧倒的に尺が足りていない訳ですよ。
足りないから、全てのエピソードの間合いを詰めて、濃度を薄くして、わずか2日の出来事に圧縮してしまった。
結果、奇怪な“蔦”はちょいちょいフレームインする程度、
人間は大した過程も描かれないまま、いつの間にか狂気へと陥ってしまい、
不信感を払拭出来たのか出来ていないのかわからないままに、じゃんじゃん退場(死亡)してしまい、
最後は、一番使えなさそうだった登場人物が、あっけないほど簡単に脱出するしてしまう始末。

全てがあっさり。山もなければ谷もない。
なんや、蔦がメインなだけに、盛り上がりも横ばい状態ってか!(←蔦が這うような)(←なだらかな横線って)(←大してうまくなかった)

監禁されている遺跡の頂上がそんなに居心地悪そうじゃない、という点もいけないのかなぁ、と思います。
容赦なく照りつける日差し、ごくごく僅かな食料、断絶されたライフライン、致命傷を負った仲間。
それらの要素によって人間性を著しく破壊されてゆく若者たちの姿が、この作品のキモであるはずなのに、お水gkgk、サイドイッチmgmg、え?怪我した?じゃ、斬るか!みたいなフットワークの軽さ。
ていうか早くね?
決断はやくね?
そこ、もうちょっと悩もうよ! “青春”から“悩み”を取ったら、もう性欲しか残らないよ!(ですよね?)

一番知性も勇気もありそうな、いかにもヒーロー然とした医大生の男の子が、独断で怪我人の足を切断してしまうと言うこのくだりは、若者たちの集団と“理性”とをなんとか繋ぎとめていた線がブツリと切れた事を実感させる、とても恐ろしいシーンなだけに、もう少し医大生くんの変化過程に時間をさいて欲しかったです。


なんだか貶してばかりのようになってしまいましたので、ここで忘れちゃいけない見所をひとつ。
というか、もう一番の見所と言ってしまってもいいような気もするのですが、本作はとにかく映像が非常に美しいのですよね!
乱痴気騒ぎの夜が明けたその朝の、ぬけるような青空と見渡す限りの砂浜。 そこにポツリと残されたカップルたち。
もしくは、妄想にとりつかれた女の子の虚ろな佇まい。
その画のひとつひとつが、ハっとしてしまう程美しく、だからこそ、そこから尋常でない程の緊張感が伝わってきます。

旅の最中に、誰でも一度は感じた事のある(であろう)、「胃が軽く横転するような」瞬間。
「あれ・・? もしかしてあと一日でおしまい?」みたいな、悪夢のような現実直視タイム。
何よりも恐ろしい、その瞬間。
映画そのものは、バカっぽいありえない設定の奇想天外な物語なのですが、合間に挟み込まれた美しくも緊張感溢れる画のおかげで、ちょっぴりリアルな恐怖を味わう事が出来たアガサだったのでした。


全体的にグロい内容ではないものの、予想を裏切るナイスなタイミングで脳髄を撒き散らされるギリシャ人や、蔦に蝕まれて自らを切り刻むギャル、麻酔無しで両足をギコギコされてしまうドイツ人など、ちょいちょい楽しい良シーンも出てきますので、耐性の無い方にはちょっとキツいかもしれません。
逆に、耐性のある方にとっては血の量が物足りないかもしれませんが、そこはほら、どっちでもない丁度いい配分という事で。
“惜しい作品”だとか色々言いましたが、「今日はちょっとデンジャラスな気分」というような欲張りOLの皆さんには、充分ご満足頂けるサバイバル映画なのではないかと思いますよ。

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『ブラックサイト』

2009年12月07日
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★★☆
ほうれいせん! ほうれいせん!(って指差してるみたいなポスター)

あらすじ・・・
俺はグリフィン。職業はFBIのサイバー捜査官。 この職業、マジでやばすぎる。

ある日の出来事。
いつものようにネット詐欺犯のパソコンをハッキングしたり、ネカマのフリをして変態じじいとエロチャットしたりしていた俺に、新たな捜査依頼がきた。
「グリフィン、ちょっとこのサイト見てみて」
「あ、はい」
先輩捜査官のジェニファーさんだ。 
どうみても熟女だ。
ジェニファーさんが見せてくれたのは、“killwithme.com”という個人サイト。
どうやらどっかのアホが、ライブ中継で子猫の虐待映像を流して、ネットユーザーの反応を楽しんでいるらしい。
全くもって最低のヤツがいるもんだ。
ジェニファーさんはシングルマザーな為、夜だけの勤務になっており、俺に引き続きサイトをチェックしておくよう言い残して日の出と共に帰っていった。
俺は今日も貫徹だ。 そして、それが俺の日常だ。

数日後、サイトを巡回してみると子猫は死んでいた。
ジェニファーさんは上司にサイトの閉鎖のことで掛け合っていたみたいだったけど、本気で取り合ってもらえなかったみたいだ。
「たかがネコ1匹だろ」
それでおしまい。
ダメだ。 この上司なんとかしないと。

しかし、当然のごとく、話は“ネコ一匹”で終わらなかった。
中年男性が浚われ、ネコの時と同じ地下室に監禁されている姿が、またもやネット中継され始めたのだ。
しかも今回は用意周到に仕掛けられた装置で、このサイトへのアクセス数が男性の命綱と直結している。
つまり、サイトを見るヤツが多ければ多いほど、この男性は早く死ぬって訳。
今回はさすがに、警察との合同調査になったのだが、上司はこの事件の責任者にジェニファーさんを名指しした。
夜勤担当なんだから無理だろ。
ていうか、俺でいいじゃん。
結構頑張ってるつもりなんだが報われない。 つくづくこの職場がイヤになる。
そう言えば明日は、ジェニファーさんちの娘さんの誕生日会だ。
俺は全員分のピザを用意しないといけない。 もちろんプレゼントもだ。
公私共に付き合いがあるとはいえ、最近だんだんその垣根が低くなっているような気がしてならない。
公休日なんてあって無きが如し。
それがこの仕事なんだ。

結局監禁されていた男性は死に、件の誕生日会の最中、またもや新たなターゲットが明らかになった。
サイトが更新され、また別の中年男性が手足をコンクリートで固められ、四方から熱線で炙られている姿が中継されたんだ。
俺たちは急遽職場に戻った。
振り替え休日・・・は・・無いよな・・。

被害者もついに2人目。って事で、上司は記者会見を開こうとした。
これにはジェニファーさんも俺もビックリだ。
だって、会見でサイトの存在を公表したりしたら、全米中のネットユーザーが見に行くじゃないか。あっという間に炎上だろ。
うちの上司は前からバカだバカだと思っていたけど、ホンマもんの低脳だったらしい。
ま、IPアドレスの意味もサーバの意味も判ってないくらいだからな。
何でこの部署のトップがこいつなのか、未だにわからない謎のひとつである。

で、ジェニファーさんと
「国家安全保障局のスーパーコンピューターを使わせてもらえれば一発でサイトを閉鎖させられます」
って言ってみたけど、まぁ案の定却下だよな。
全米のマスコミで宣伝(会見放送)されたサイトは、驚異的なアクセス数を叩き出し、男性は僅か6時間で死に至った。
俺のせいではないけれど、こんな後味の悪い仕事は初めてだ。

とにかく一旦サイトはお休みモードに入ったようなので、久しぶりに家に帰ろうと思ったんだけど、目の前には山と積まれた書類とDVDが。
例のサイトと関わりがあると思しき人物が、以前管理していた動画まとめサイトの一覧表だ。
最初はみんなでチェックしようって言ってたんだけど、ジェニファーさんちが犯人に個人的に狙われたせいで、今後は俺一人の仕事と認定されたらしい。
マジかよ・・・ これ照らし合わせるとか何日かかるんだ・・・完全にデスマじゃねーかよ・・・

でもさ、俺はやり遂げたんだ。
何故なら、どんなに劣悪な環境でも、どんなに過酷な労働時間でも、これが俺の仕事だから。
昔の俺だったら、もしかしたら途中で投げ出していたかもしれない。逃げていたかもしれない。
だけど俺はそうしなかったんだ。
色んな人との出会い、そして別れ。そうした中で、もう少しだけ頑張ってみようと心に決めたから・・・。
で、そう思って仕事を続けていたらなんと、犯人の重大な手がかりを発見してしまった。
頑張ってよかった・・・。
ジェニファーさんに連絡したら、早速職場で落ち合おうって事になった。 教えてあげるのが楽しみだ。

・・・
・・とかなんとか浮かれていたら、よくわからないうちに俺自身が犯人に監禁されて、硫酸入りのプールに浸けられていた。
サイトは既に再開され、アクセスが爆発するのは時間の問題。



なんなんだよこれ。
やっぱ逃げときゃよかったな、あんな職場。

と言う訳で、ブラックサイトを摘発するブラックな職場に勤めてたんだが、もう俺は限界かもしれない。ていうか誰かたちけて。



どうでもいいですが、 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ アガサが昔勤めていたのもブラック会社だったように思います。(ま、ほとんどそうなのかもネ!)


■ FBIはブラック企業だ。

そうそう、FBIがね。
ホント過酷な職業だなぁと思うのですよ。
ま、リアルにお目にかかった事も無いですし、生の現場の声を聞いた事がある訳でも無いのですけどね。

映画でしか知らない職種・FBIではありますが、その映画の中ではとにかくサービス残業も休日出勤も当たり前、その上死傷率が異常に高いのがウリとなっております。
またそれが、主人公の同僚なんぞであろうものなら、もうほぼ間違いなく死ぬと言って過言ではない。
フラグをガシガシ立てては、華々しく散ってゆく。
それがFBI捜査官なのです。

と言う訳で、本作の主人公であるジェニファー捜査官(ダイアン・レイン)を、陰日向から支え続けた縁の下の力持ちな同僚・グリフィンくん(コリン・ハンクス)も、ご多分に漏れず無情な公開殺人の被害者となってしまいます。
オスカー俳優であるお父さんの名に恥じないように、舞台もいっちょド派手に、と思われたのか、「硫酸が注入されるジェットバスでブクブクされる」というまことにバブリーな刑です。
オー!モウレツ!

よし。 将来うちの子がFBIになりたいって言ったら、全力で阻止しよう。今決めた。


■ ロシアの鯖は強かった。

本作でレインさんやその他の皆さんを恐怖のずんどこに叩き落す犯人は、インターネットに滅法強いのですよね。
アクセス数が死に直結する装置をなんとか止めようと、腕利き捜査官のレインさんがパソコン相手に奮闘するのですが、なんでも犯人が使用しているサイトはロシアの不正サーバを使っているので追跡できない(←かなりかいつまんで書きました)とかなんとか。
天下のFBIサイバー捜査官が手も足も出ないなんて・・・ ていうかそれ普通にあかんやろ。(国として)

しかもこのサーバー、全米はもとより世界中からアクセスが殺到して1時間足らずのうちに1800万ヒットを記録し、書き込まれたコメントも3万と、天文学的な数だったにも関わらずビクともしないという、脅威の強さを見せ付けます。

こりゃ「バルス!」程度で落ちてる場合じゃないな! がんばれ!日本の某巨大掲示板!!


■ ほうれい線があってもいいじゃないダイアン・レインだもの。

よくね、「キミをいつも笑顔でいさせて、いつか皺くちゃのおばあちゃんになっても、ずっとずっと愛し続けるよ」みたいな事を言うじゃないですか、J-POPで。 「笑い皺でいっぱいにしたいんだ」とかなんとかね。
かく言う私も数年前までは思っていました。
女性だろうと男性だろうと、歳を取ったら皺が出来るのは当たり前。沢山笑って、沢山泣いて、そんな数え切れない人生の経験が、顔に刻まれるのが皺ならば、その皺にいちいちジタバタするんじゃないよ、と。
が、しかし!
この歳になってリアルに皺の存在を感じ始めたら、わかりましたね。 皺はあかん。 あれはへこむ。
アンチエイジングだコラーゲンだともがくつもりも無いのですけど、正直皺はキツい。まじブルー入る。
ったく!誰だよ! 「笑い皺でいっぱいにしたい」とか言ってたヤツ! 不吉な事言いやがって!!
ええいハゲろ! J-POPシンガーなんて全員ハゲてしまえ!!


ま、ただそれはあくまでモンゴロイド的遺伝子情報丸出しのアガサの場合であって、ダイアン・レインさんレベルになると、ほうれい線が出ていようが、ほうれい線が目立っていようが、ほうれい線を実感しようがそんな事は関係なく犯人に浚われますよ。 だってダイアン・レインだもの。
まぁもう当然のごとく浚われます。
犯人が潜んでいそうな不審車だって、ほぼノーチェックで乗り込みますから、ダイアンさんは。
ここまで来ると、「浚われてなんぼ」みたいなトコロもありますからね。
このストーリー展開で浚われなかったら、ほんとダイアンさん、出てきてモニターの前でわーわー言ってただけですから。
主役の意味ないっちゅうねん。
ていうか他のやつら(FBI)もうちょっと仕事しろ。


■ 全国総やじ馬化計画。

結局本作が言わんとすることは、「我が身に降りかからない火の粉を見るのって、楽しいんだよ」という事なのですよね。
テレビの中で、新聞の中で、パソコンのモニターの中で、自分の手の届かないトコロで流される血や、上げられる叫びや、消え行く命なんて、一瞬胸が痛んでそれでおしまい。
もしそれが自分の家族の命だったら。 もしそれが自分の友人の涙だったら。
そう想像してみれば、とてもつらく、許しがたい映像だけれども、実際問題、画面の中の出来事は自分自身の出来事ではないので、許してしまう。つい消費してしまう。
悲しいほどにドライな感情で片付けられる、この私たちのやじ馬根性を最高に皮肉った形のラストシーンは、なかなか耳が痛くてよろしいのではないかと思います。(※大音量だったとかそういう意味じゃなくて)

それにしても、アクセスを阻止しないといけない立場の捜査員たちが、モニターの前に大集合して、超盛り上がってるとか・・・さっきも言ったけど、もうちょっと仕事しようよ!
犯人が新たに選んだターゲットが、浚われたダイアンさんだと判った瞬間の捜査ルーム・・・

「ヒュ~!」って。

お前ら喜びすぎだろ!

肝心のダイアンさんも、犯人を倒した後ライブカメラにご丁寧にFBIバッヂを映す有様で、もう完全にカメラの向こうのお客さん意識しちゃってますからねー。 
瞬間最高視聴率ポイント狙っていってますもん。 こわいわー。 プロやわー。



・・・という訳で。
物語自体は、ありがちなご都合主義サスペンスなのですが、パンチの効いたラストや、ダイアンさんの無駄なシャワーシーン、ハンクスさんの息子さんの熱演や、『SAW』系の拷問装置などのお陰でとても面白い作品に仕上がっていたのではないでしょうか。

みなさんも、ブラックな社会に揉まれて疲れた時、ちょっと一休みしてこの様な映画を楽しんでみてはいかがでしょうか。
と、無理やりなまとめも決まったトコロで、今回の感想はおしまいに。




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『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』

2009年11月05日
the_strangers.jpg
★★
タイラー! うしろうしろ!!

ゾンビ手帖さんでその存在を知ってから、かなり興味をそそられていた『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』が、いつの間にかレンタル屋さんに並んでいたので、迷う事無くカウンターに直行。
で、鑑賞してみるとその名(タイトル)に違わぬ戦慄っぷりでしたので、今回はいかに戦慄していたかを数字に表してざっくりご紹介してみようと思います。


戦慄のあらすじ・・・※ すみませんが完全ネタバレですのであしからず。







戦慄指数 20 ・・・ イケてるアラサー女性のリブ・タイラーが、大した理由も無く恋人の求婚を却下し、そのくせ悲劇のヒロインぶってメソメソ泣く。
戦慄指数 90 ・・・ 自分が袖にした彼氏を何故か色気攻めにする、セックスマシーン・タイラーのどすこい節。
戦慄指数 70 ・・・ 夜中の4時に、突然ガイキチ女が訪ねてくる。
戦慄指数 85 ・・・ というのに、怖がるタイラーさんを置いて気分転換のドライブに出かける彼氏。
戦慄指数 88 ・・・ 案の定、一人ぼっちのタイラーさんを襲うドアノック攻撃。
戦慄指数 40 ・・・ の、割には、なかなかおうちの施錠確認をしないタイラーさん。
戦慄指数 32 ・・・ やっと電話という文明の利器に気づくタイラーさん。
戦慄指数 10 ・・・ と思ったら充電が切れていたタイラーさん。
戦慄指数  8 ・・・ 携帯は充電器に差しといて、固定電話で彼氏を呼び出すタイラーさん。

そうそう、携帯はこまめに充電器にってマメすぎるわ!! どあほう! 
ていうかなぜ充電しながらかけないのか。 大人の事情か。 ならしょうがねえな! 


戦慄指数 60 ・・・ 予想通り、電話線を切られて用を成さなくなる固定電話。
戦慄指数 89 ・・・ 窓から覗き行為を繰り返す覆面男。
戦慄指数 40 ・・・ 彼氏がダラダラと帰宅。
戦慄指数 30 ・・・ 家が荒らされているのに、タイラーさんの訴えを信用しない彼氏。
戦慄指数 20 ・・・ 車が動く事を確認しながら、それを使って逃げようとしない彼氏。
戦慄指数100 ・・・ ダメだ! この現場バカばっかりだ!!
戦慄指数 60 ・・・ やっとこさ車で逃げる選択をしたものの、犯人グループにピックアップトラックで衝突され、また家に逃げ帰るタイラーさんと彼氏。
戦慄指数 25 ・・・ ライフルを持って犯人が現れるのを待ち伏せするバカップル。

愉快指数120 ・・・ ホモっぽい親友登場!
愉快指数180 ・・・ 親友、タイラーさんにフラれて傷心であろう彼氏の携帯に、励まし留守電を入れる。 やっぱホモっぽい! 「何なりとご用命を」とか言ってる! 超ホモっぽい!


戦慄指数 90 ・・・ 物陰から覗いた親友を、犯人だと勘違いしてうっかり瞬殺する彼氏。
戦慄指数 50 ・・・ 自棄になった彼氏が、無線で助けを呼ぶ為離れの納屋に向かう。
戦慄指数 40 ・・・ そしてやっぱりタイラーさんは危険な一軒家に置き去りの巻。
戦慄指数 12 ・・・ 彼氏、瞬殺。(※この段階ではまだ気絶状態)
戦慄指数 18 ・・・ 彼氏が帰ってこないので、自ら戦地(納屋)に赴くタイラーさん。
戦慄指数 70 ・・・ なぜか裸足のまま庭先に走り出るタイラーさん。
戦慄指数 80 ・・・ 足の裏に小枝やら松ぼっくりやら撒菱やらが刺さりまくり、挙句地面のへこみですっ転ぶ、ドジッ娘タイラーさん。
戦慄指数 75 ・・・ なんとか納屋にたどり着く。
戦慄指数 80 ・・・ 納屋の中が真っ暗で、普通に視界が悪い。
戦慄指数 81 ・・・ 納屋の外でガサゴソ物音がするけど姿が見えない。
戦慄指数 82 ・・・ 機械の使い方を知らないハズのタイラーさんなのに、誰かと無線が繋がってしまう。
戦慄指数100 ・・・ それはきっと、冥界とのファーストコンタクトに違いない!(←違う)
戦慄指数 20 ・・・ すったもんだの末、結局納屋から出て家に戻るタイラーさん。
戦慄指数 16 ・・・ 覆面犯人団と対峙するタイラーさん。
戦慄指数 10 ・・・ 生きてはいたものの、全くもって使えない彼氏。
戦慄指数  9 ・・・ まんまと捕まるバカップル。
戦慄指数 11 ・・・ 翌朝、いよいよ処刑の瞬間を迎えるタイラーさん。
戦慄指数 90 ・・・ 殺戮の理由を尋ねるタイラーさんに「お前らがたまたま家にいたから」と答える不条理な犯人団。
戦慄指数 50 ・・・ 事を終えて、次回への抱負を語り合いつつ現場をあとにする犯人団。
戦慄指数120 ・・・ たまたま戸別のチラシ配りをしていた宣教少年に発見された瀕死のタイラーさんが挙げる叫び声。


指数はアガサ独自の基準に基づいておりますが にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ま、こまけぇこたあいいんだよ!


と言う訳で、全編通して一番戦慄したのは、首から下がふとましいタイラーさんが挙げる野性の雄叫びだったという、何とも腑に落ちない結果となった本作。

「実在に起きた事件がベース」
「動機なき通りがかり殺人」
「最後まで顔を見せない犯人団」
など、心を惹きつける要素はありますし、実際タイラーさんと冴えない彼氏が覆面犯人団に翻弄され、どんどん疲労してゆく様は程よい緊張感に満ちており、かなり心拍数を上げつつ鑑賞させて頂きました。

特に、タイラーさんの背後にひっそり、覆面犯人が佇む瞬間。(ポスターに使われているシーンですね)
分厚い扉が外の世界から身を守ってくれ、本来は安心なハズの家の中。
そこに、自分の知らない間に部外者が闖入し、そしてまた、知らない間に出て行っているという恐怖。
もう、安心な場所などどこにも無いんだ、という絶望。
扉。 そして窓。
家の中と外とを隔てるそれらに、私たちは何故か過分な安心感を抱いてしまうものなのですよね。
でも、どんなに頑丈な木の扉もぶつかれば壊れるし、窓だって割られたらそれでおしまい。
「ここなら大丈夫」という自己暗示を鼻で笑い飛ばされている様な、本作での闖入シーンは、扇情的なアップを使うこと無く、ただ淡々と描かれる為、本当に背筋がゾゾっとして、胸の中にイヤ~な塊を流し込まれたような、とても不快な気分を味わうことが出来ます。
その気になれば、いつでも止めを刺せそうなのに刺さない。みたいなもどかしさもいいのですよ。
まるで意地悪なネコみたいな。


しかし、全てがこんな感じにいい按排に進めばよかったのですが、本作は徐々に雑になってくると言うか、「それは無いだろ」というツッコミ心がニョキニョキと盛り上がってくると言うか、なんだか残念な展開になってしまうのです。

スーパーヒロインも無敵のヒーローも、現実世界には存在しない。
理不尽な暴力の前では人は無力であり、頭がナイスなブービートラップを思いつく事も無いし、出来る事と言えばただ怯えて震えるくらいしかない。
それは勿論判っているのですが、どうしても期待してしまうのですよね。
観ているのが、「映画」という虚構の世界だからこそ。
主役を張っているのが、「リブ・タイラー」という、手相の生命線がマッキーの太い方くらい濃そうな有名女優だからこそ。
マッキー
(※ 参考資料:ゼブラ油性ペンマッキー。 太い方はあんまり出番がない)

劇的な反撃が無くてもいい。
しかし、もう少し気の利いた攻防があってもよかったのではないでしょうか。 ていうか純粋に見たかった。
ラストの情け容赦ないなぶり殺しっぷりの後に、何故か息を吹き返すタイラーさんのカットを付け加える余裕があるのなら、その分
「電気スタンドに火薬を詰めて、そこから電気コードを伸ばして、足を引っ掛けた犯人の耳元で火薬がバーン!」(※)
みたいな効果があるんだか無いんだかよくわからん反撃を入れればよかったのに・・・なんて思ってみたりなんかしちゃったりして。(※エルム街の悪夢参照)

「充電が切れていた携帯電話」でハラっとさせておきながら、バッチリ充電器を持っていたタイラーさんが、固定電話が切れた瞬間充電中の携帯に手を出さない理由がわからない。
知らない人の家で不審者攻撃にあった時、真っ先に警察に電話しない理由もわからない。
せっかく動く車があっちこっちに転がっているのに、さっさと逃げ出さない理由もわからない。
駆けつけた親友くんが、荒らされ放題の家に入ってきて、まず友達を呼ばない(おーい!どこだー!的な)理由も、
彼氏が事あるごとにタイラーさんを置き去りにする理由も、
クローゼットに隠れるタイラーさんが包丁ひとつ持たずに手ぶらな理由も、
犯人がわざわざ朝まで2人を放置していた理由も、
もっと言うならば、そもそも順調に交際していたらしいタイラーさんが、折角のプロポーズを断る理由もわからないので、危険に晒される2人に感情移入がし難いったらない。

不快王ハネケ風のリアルな作品づくりを目指したのでしたら、その辺の突っ込みどころをもう少し整然として貰いたかったですね。
あと、この手の作品にはビッグネームは必要ありません。 むしろ邪魔。

メイキングで
「オレはアレだよ。 怖がらせる事にはとことんこだわったよね!」
と、自信満々だったブライアン・ベルティノ監督の顔を見ていたら、なんとも言えないイライラがこみ上げてきた事を明記して、今回の残念な感想はおしまいにしたいと思います。

お前・・・ 次はもうちょっと謙虚な姿勢で臨めよな!

次があるかどうかは判らんがな!!


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