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『レッド・ステイト』

2013年06月10日
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世の中で何が一番恐ろしいって、「自分が正しいと信じきっている人」ほど恐ろしいものはないと思うのですよね。

「こう言っておけばウケる」とか「こう訴えかけておけばチヤホヤされる」とか「この路線で行けばおぜぜが転がり込む」とか、そういった「損得勘定」があればまだマシで。
そうではなく、利害関係も妙な色気も一切なしで、「自分は世の中を変えたい!いや、変えられる!だって自分は正しい事しか言っていないのだから!」と揺るぎない信念を披露する人にはもう、太刀打ち出来ない。
「彼ら」の耳に、「彼ら以外」の人からの言葉は届かない。
たって「彼ら」は100%「正しい」のだから。


あらすじ・・・
高校の友達が出会い系サイトで女性をゲットしたので、ほんじゃぁまぁご相伴にあずかりましょうか!っつって3人で自宅訪問したら一服盛られて、目が覚めたらキリスト教原理主義者に囲まれててさあ大変。

『クラークス』や『チェイシング・エイミー 』『ドグマ』『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』などでお馴染みのケヴィン・スミス監督が、今までの作品とは雰囲気の異なる「攻めてる」映画を作ったと聞いて以来、ずっと楽しみにしていた『レッド・ステイト』を鑑賞しました。
内容はというと、「狂信的なキリスト教徒がATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)と銃撃戦を繰り広げる」という、ぞっとするようなストーリーだった訳なのですが、鑑賞後ちょこっと調べてみると、アメリカでは実際1993年に「ブランチ ダビィディアン」という宗教団体による痛ましい事件が起こっていたようで、事実は小説より奇なり・・というか、ただ映画を観ながら「ひゃー!おっかねー!」と無邪気にはしゃいでいればよかった時代は遠くなりにけり・・というか、なんだか胃の奥のほうがずうんと重くなってしまったのでした。

いや、本当はずっとずっと昔から、常に現実は想像の一歩先を進んでいたのでしょうけれども。

で、「狂信的な宗教団体も実際いるし、KKKなんかも有名だし、いやぁ、アメリカってこわいなー」と「現実」は「現実」でも「海の向こうの現実」として片付けようと思いつつふと周りを見ると、容赦ない「今ここにある現実」として日本の政治家さんの発言が目に飛び込んできたりして。
たとえば本作において、「カリスマ指導者」として熱弁を奮っていたクーパー牧師のありがたい説教の中に、「ゲイは悪だ!なぜならあいつらは子どもをうまないから!」「スマトラ島沖地震とそれによる津波はゲイにたいする天罰だ!」「神は人を殺すなと言ったけど、ゲイは人じゃなくて悪魔だから殺してもオッケー!」などというギョっとするような一節があったのですが、わーなんだろう!この既視感!
なんかね、誰かが同性愛者に対する蔑視発言を繰り返したり、「東日本大震災の津波は我欲を洗い流すための天罰だ」って言ってたような気がする!元都知事が言ってたような気がするよ!しかも今は現役国会議員だったような気がする!

この国会議員といい、「365日24時間死ぬまで働け」と檄を飛ばす会社会長といい、「弱者は守られなければならないけれど、私が(俺が)認める弱者以外はただのズルっこだから野垂れ死にしてもオッケー!」的な事を言うその他もろもろの偉い人たちといい、彼らの信念や主張は到底納得など出来ようはずもない内容です。ちょっとどうかしているとしか思えない。
もしもその発言の真意が、「支持者の囲い込み」であったり「ブラックさを愛社精神という言葉で誤魔化して儲けよう」という損得勘定からきているものだったら、交渉の余地は残っているでしょう。
だって、「それ言い続けてると損ですよ」と言えばいいのだから。
しかし、そうではないような気がしてならないのですよ。
彼らは「正しい」のです。
「正しい」という事を、微塵も疑っていないのです。
それが何よりも恐ろしい。

人を殺せる道具を手にしたクーパー牧師は、自分の信念を貫く為に、正しさを証明する為に、「人類の敵」を処刑し始めます。
しかし、人を殺せる道具は何も銃火器だけではない。
「権力」もまた、人を殺す事の出来る、しかも自らの手を汚さず、罪悪感にも苛まれず殺す事の出来る道具なのです。
それぞれがそれぞれの「正しさ」を振りかざし、人を殺してゆくストーリーは心底おぞましく、そしてものすごくおそろしかったです。
「正しい」と信じすぎている人に、「道具」を与えてはいけない。
本作を観て、改めて再確認させられました。

でもって、そんなこんなの殺伐とした展開や重いメッセージを全部ぶち壊すような最後の一言が超さいこうで、痺れまくった私ですよ。
あくまで想像ですけども、監督はあの一言を撮りたいが為にこの映画を作ったんだと思うな!
ああ!やっぱりケヴィン・スミス監督だいすき!!



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2013年になっちゃったけど2012年に観た映画のボツ感想をまとめてみるよ。(完結編)

2013年01月17日
こんにちは、アガサです。
座右の銘は「昨日できなかった事はそのうちやればいいじゃない」です。ちなみに明日できる事もそのうちやればいいと思います。
というわけで、2012年にできなかったことを今やろうシリーズ、いよいよ最終回です。
本当は一回で終わる予定だったはずが、なかなか書き終わらずズルズルと繰り越されておりますので、今回こそはさくさく行きますよ!


『監督失格』
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・・・かけがえのない女性をうしなってしまった男による喪の仕事。
だいすきな女性と一緒に、東京―礼文島自転車ツアーに出掛けてしまう男。家で待っている妻とは別れる気がない男。別れる気はないけれどだいすきな女性が他の男にメールを送った事を知ると彼女を責め立てる男。41日間の自転車ツアーという一大イベントを成し遂げ何かが変わったんじゃないかと、ひとり勝手に盛り上がる男。だいすきな女性と別れ、自暴自棄になる男。別の女性と自転車ツアーの上書きを試みる男。だいすきな女性のまぼろしを追い求め、迷走し始める男。友人としてだいすきな女性との関係を再開する男。だいすきな女性の亡骸の、第一発見者になってしまう男。

「映画監督」ってすごいなぁ、と思います。
ヒットしても、一般的な観客からの評価は役者に集中しがちだち、ヒットしなければ、責任のほとんどを押し付けらてしまう。
本当に描きたい物語だけを作れる訳ではなく、慢性的な資金不足に夢を妨げられる事もしばしば。
とことん惚れ込まれる事もあるけれど、心底憎まれる事だってある。
時には、誰かの人生を変えるきっかけになってしまうかもしれない「映画監督」。
急逝した伝説的女優・林由美香さんの最期が収められたというドキュメンタリー『監督失格』を作った「映画監督」平野勝之さんもまた、とんでもない人だなぁ、と思いました。
まず、自らを被写体にしつつ、愛する人の一部始終を描き出す。という腹の座り方がすごい。奥さんもいるのに。やっている事はけっこうなゲスっぷりなのに。 
「ひどい男だなぁ」「情けない男だなぁ」と、観た人の多くに非難されるであろう事もすべて覚悟の上で、だいすきな女性の輝きをカメラに収め続ける平野監督。 全く好きにはなれないけれど、心の底から「すごい人だ」と思いました。
そして、それよりなにより、監督にそこまでの覚悟を決めさせた林由美香さんがすごい。
監督が醜態を晒せば晒すほど、のたうちまわればまわるほど、観客の心のものすごく深い所に、林由美香という女性の存在が刻み込まれる。
「恋人」とか「愛人」とか「配偶者」とか、そういう「くくり」を越えたふたりの結びつきに、ただただ圧倒されました。

何があっても撮り続ける。繋ぎ続ける。観客の元へ届け続ける。そうしたい。そうせずにはいられない。
「映画監督」は、やっぱりすごいです。

『クライモリ デッド・ビギニング』
【人喰い三兄弟・思い出アルバム】
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(※ シリーズ当初)

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(※ ビギニング兄弟。 雑な造形ながらもオリジナルの面影をギリでキープか。 でもやっぱ雑。)
・・・もはや道を間違えさえすればクライモリ。
「オリジナルの監督が降りた? じゃ別の人でいいじゃん!」
「せっかく生き残ってたヒロインが再登板しない? じゃ役柄はそのまんまで中の人だけ変えちゃえばいいじゃん!」
「前作の時点で殺人気やっつけちゃってる? じゃ生き返らせりゃいいじゃん!」
「制作費を減らされた? じゃ舞台を一箇所に限定して予算を抑えればいいじゃん!」
「公開未定になった? じゃいっその事レンタル専用にしちゃってコンスタントに出し続けりゃいいじゃん!」
どんなピンチもチャンスに変え、たくましく生きてゆくホラー映画製作者の背中には、生きるヒントがつまっている!   ・・んじゃねえの!たぶん!  ・・・と、いうことで、スクリーンに固執することなく闘いの場をレンタルビデオ市場にさっさと移し替え、誰得な続編を作り続けてきたポジティブホラー「クライモリ」シリーズの第4弾『クライモリ デッド・ビギニング』です。
ホラーに限らず、猫も杓子も「前日譚」の時代なわけですが、たいがいの場合大した秘密は隠されておらず、このクライモリビギニングにしても「なぜ作った?」「どうしてこうなった」のオンパレード。
入院させられている精神病院に新しい女医が来たと思ったら、次のシーンではもう人喰い兄弟が脱走に成功。病院内の患者たちを全員解き放ったと思ったら、次のシーンではもう人喰いカーニバル状態。そして画面に流れる「30年後」の文字と、繰り返される人喰い兄弟たちの饗宴。 ええとええと、まあね、たしかにね、少年時代まで遡ったんだから、ビギニング要素はあったよね、でもなんでだろう!こんなしっくりこない気持ちになるのは!
ラストがまんま『2001人の狂宴』なところはご愛嬌。

『明日のパスタはアルデンテ』
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・・・ぼくもゲイ、おにいちゃんもゲイ、友達もゲイ、みんなちがって、みんないいじゃない。
老舗パスタメーカーの次男坊がゲイでした。それを跡取りであるお兄ちゃんにカミングアウトしようと帰郷したら、「実はおれ、ゲイなんだ」と先を越され、お兄ちゃんは怒ったおとうさんに勘当され、おとうさんはショックで入院して、なし崩しで工場の運営を任される事に。 「自分が思った道を堂々と歩みたい」という、ただそれだけの事が出来ない息子たち。しかしその苦しみを味わっていたのは彼らだけではなかった。 固定概念、しきたり、偏見。 色々な事にがんじがらめになり、敷かれたレールの上を進むしかなかった彼らの祖母の半生を交えつつ、「本当に自由に生きるとはどういう事か」を穏やかに語りかける物語。 おばあちゃんが選んだ「自由への道」が悲しすぎてちょっとつらい。 ゲイの友達によるドタバタシーンは、すごく楽しくて最高でした。

『アデル/ファラオと復活の秘薬』
アデル
・・・「ぼくがかんがえたすーぱーひろいん」3ねんBぐみ・りゅっくべっそん
女ジャーナリストがファラオを顎で使います。 不幸な事故により瀕死の状態となった最愛の妹を救う為、エジプトのミイラを盗んだり、勝手に蘇らせたり、脱獄の手引きをしたりと、オールマイティに違法行為をしでかすヒロイン。 誰に対しても終始横柄で自分の利益しか追求しない・・・けどおっぱいは出し惜しまない!という女性をヒロインに据えたリュック・ベッソンはあっぱれだと思います。 何があっぱれなのかは言いませんが、なかなかどうしてベッソンというおとこはたいしたやつだとおもいますよ!

『ALWAYS 三丁目の夕日』
吉岡くんの髪の量!

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』
だから吉岡くんの髪の毛の量!

『草食男子の落とし方』
人気作家が故郷に錦を飾ろうとして、なんかウジウジしたり、ワーってなったり、ちょ!えっ!ちょ!ってなったり、草を食ったりします。
「誰かの目に触れて欲しい・・・」という藁にもすがる想いが込められた邦題であることは想像に難しくないものの、たいして草食じゃないし、落とせてもないし、もうちょっとなんとかならんのか・・・と思わずにはいられません。 ま、原題(STAY COOL)のままだったとしても、本編のおもしろさがなんとかなるって事は無いのですけどね。 これはもうなんともならん。  
オネエになったサムワイズ・ギャムジーが超きゃわわです。

『ジャッカス3』
・・・吐瀉物と糞尿だらけのハチャメチャ男子会。

『カウボーイ&エイリアン』
テレビもねえ、ネットもねえ、車も全く走ってねえ、というアナログな村の中でひとり、腕に装着したレーザー銃みたいなのを撃ちまくるダニエルさんのチート感。 村の支配者・ハリソンくんが結局漢(おとこ)っぷりをあげるのですが、まぁね、たぶんそんなことだろうなーと思いましたよね。

『完全なる報復』
・・・奥さんと幼い娘を目の前で殺された男。自らは九死に一生を得たものの、司法が全く味方になってくれないまま犯人は罪を軽減され釈放。法のあり方に一石を投じる為、男が仕組んだ10年計画とは・・・。
兵庫県警本部の留置所も真っ青なユルい監視のおかげで、刑務所の中と外とを自由に行き来するジェラルドさん。地下通路は10年かけて掘りました。情 熱 の 注 ぎ ど こ ろ ま ち が っ て な い か 。
ものすごく引き込まれる前半戦と、一気に大味な展開になる後半戦との落差が非常にもったいない。

『恋とニュースのつくり方』
・・・美人で茶目っ気があって有能なTVプロデューサーが仕事と恋と上司からの信頼を手に入れます。
キャストが豪華すぎてお腹いっぱいに。100%予定調和の世界。だが、それがいい。(という精神状態の時にご鑑賞ください) 過去の栄光にすがる偏屈(じじい)ジャーナリスト・ハリソンくんが結局漢(おとこ)っぷりをあげるのですが、まぁね、たぶんそんなことだろうなーと思いましたよね。

『男と女の不都合な真実』
・・・美人で茶目っ気があって有能なTVプロデューサーが仕事と恋と視聴率を手に入れます。
恋愛ベタなプロデューサーが、番組で雇った辛口コメンテーターの指南を受け、めきめき女子力を上げてゆきます。 100%予定調和の世界。だが、それが(ry
実は恋に奥手だったジェラルドさんに、思う存分萌えてください。それぐらいしか見所がな(ry

『TIME/タイム』
In Time (2011)
・・・このたび、世界に存在する「人間」のルールを変えようと思います!今後生まれる子はすべて遺伝子操作して25歳以上は老化が進まないようにします!ただし、体内に組み込まれたチャージ式タイマーが切れると心臓機能も停止しますので、長生きしたかったら時間を手にいれましょう!
「お金」を「時間」に変えて「お金がすべて」な社会を批判しているのかなぁ・・と思いましたが、じゃあどうするのかというと、結局金庫(時間庫)を襲って貧乏人にばらまいて終わりという。 どうしてくれようこの尋常でないほどのモヤモヤ感。 前半に「貧乏人に法外なお金(時間)を与えても、その使い方がわかっていなければ幸せには繋がらない」というシーンがあったように、単純にお金(時間)をばらまいて終わり。ではダメなんじゃないかと思うのですけどねぇ・・。 時間をあげたりもらったりの方法も超わかりづらい。 手の重ね方だけでいいの? 念を送るの? ギュっと力入れるとかそういうたぐいなの? どやねん。どないやねん。 「時間」が100万年もあったのに、ギリギリ分しか貰ってこなかった主人公は、漢(おとこ)というニュアンスではなくちょっとアホの子寄りなのかもしれないと思いました。

『マーラー 君に捧げるアダージョ』
・・・若いお嫁ちゃんに夢中なマーラー先生が、夫婦関係のこじれをフロイト先生に相談しに行きます。
時に滑稽、時に甘美、時に痛々しい夫婦の姿がとても普遍的。 マーラー、かわいいよマーラー。

『ファイナル・デッドブリッジ』
・・・主に橋から落ちます。(人が)
「くると思うでしょ」と期待させて「はい!来ませんでしたー!」とスカすいつもの盛り上げ方は、もはや名人芸の域に。 鉄棒とか鍼灸院とかレーシック手術とか、まだまだ尽きない「死亡原因」に無限の可能性を感じます。 「パリ」に反応してしまうファンにはたまらない大オチも最高。

『アンノウン』
・・・記憶を失ったリーアム・ニーソンさんがベルリンで大暴れします。

『F エフ』
エフ
・・・先生がひどいめに遭います
先生としても父親として夫としてもどん詰り状態の先生が残業中に暴徒に襲われます。 フード姿の殺人者たちがものすごく不気味なのだけれど、その正体が普通すぎて引く。(←褒めています) 予想外のオチに、心の中がぐっちゃぐちゃに引っ掻き回されたような気持ちになり、しばし言葉を失いました。(←褒めています) おもてたんといい意味で違う良作。

『デアボリカ』
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・・・(またもや)悪魔が地上の女を孕ませます。
オープニングタイトルが出る瞬間がもんどり打つほどかっこいい! その後1時間半くらいは延々続くおまけシーンだよ!

『30デイズナイト』
・・・極夜を迎えたアラスカの田舎町に吸血鬼とうじょう!
30日間太陽がのぼらない。というおあつらえむきの土地にやってきた吸血鬼クラスタと、生まれてこのかた一度も町から出た事がないというかっぺクラスタとの闘い。 限定された場所と時間にも関わらず緊迫感がいまひとつなのは、30日間というしばりのせいか。 ていうか30日ってけっこうありますよね、時間ね。 追い詰められた状態のはずが、いつの間にか平気で数日間過ぎていたりして「あれ・・?もしかしてどっかに隠れてればなんとななるんじゃね?」と思ってしまう人続出。(たぶん) 実際問題、さいごに壮絶に身も蓋もないシーンがあって、心の底から「これはひどい!」と叫んでしまいましたとさ。

『ヘルレイザー:レベレーション』
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(つぶれ甘食みたいな顔しやがって!)
『ヘルレイザー』シリーズ6年ぶりの新作。のはずが、わざわざシリーズを再開させる必要性も必然性もなにも感じられない超駄作に。 頭に針さしときゃセノバイトになれると思ってんの?おまえら魔道士業界なめてんの?と、製作者のおうちにリアルにルマルシャンの箱を送りつけたくなるような最悪の出来映え。

『宇宙人ポール』
宇宙人とかロズウェルとかエリア51とかスピルバーグとかを愛する私の心にダイレクトプラグイン。 おもちゃの詰まった宝箱のような作品。 ダーウィンTシャツを購入してしまう程だいすきな映画です。 あと、シガニーさんはマジでいい人。

『光のほうへ』
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物凄く「痛い」映画。 なんというか、心をグサっと刺されるのではなく、チクっと刺されたのちにグリグリえぐられるような。そんな深い痛み。 本当に「どうにもならない」人を前にした時、自分は何ができるのだろう。 寄り添うしかないのか、寄り添う事でも充分なのか。 色々と思い悩んでしまいました。 

『127時間』
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他人と真剣に関わることを避け、自分の好きなように気ままに生きてきた主人公が、声の限りに「他人」に助けを求め、それに反応して人のリレーが続いて行くクライマックス。 たくさんの人の手が関わることで、ひとつの命が還るシーンに涙があふれた。 自分ひとりなら、果たして彼はここまで「生きたい」と思えただろうか。 ひとはひとりで生きているのではないし、ひとりで生きてゆけるものでもない。 再び誰かと関わりたい、誰かと繋がりたいという気持ちが、彼を「生きさせた」。そしてそれはとても、尊いものなのではないかと思いました。 度肝を抜かれるような「痛い」シーンがあるので、そういうのが苦手な人は要注意ですよ。

『襲撃者の夜』
襲撃者
ウンバボー!(←合言葉)  鬼畜帝王ジャック・ケッチャムさんの人喰い小説が華麗に映画化されたものの、見事に原作通りで見事につまらないションボリ作品に。 原作小説がそのままシナリオになったのではないか、と思うほど忠実に描かれる、人喰い一家と喰われる一家の攻防戦。それなのにどうしてここまで単調になってしまったのか。 映像化の難しさを再認識させられました。 このおはなしの続きに位置する『ザ・ウーマン』(※昨年一部劇場で公開)が今年3月に発売されるようなのですが、そちらはかなり評判がよろしかったようなので期待したいです。

『叫』
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(いつもあなたのおそばに・・・リオナです)
・・・役所広司のおうちでおばけが大運動会。
ピューと飛ぶリオナ! 役所さんにつきまとう葉月里緒奈さん。壁から出てきたり部屋の端っこに佇んでいたりと、目立ちたいのか奥ゆかしいのか判らない里緒奈が、突如階段の踊り場からピューっと上空高く飛んでくシーンがあり、その画が余りにおもしろすぎて、その後も「またとばないかな・・・こんどいつとぶのかな・・・」とワクワクしちゃってしょうがありませんでした。そういう映画じゃないのに。じゃあどういう映画なんだよ。
しかしあの浮遊感はすてきですね。どうやって撮影したのでしょうか。気になるなぁ。

『ワンダーランド駅で』
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とても詩的で、とても奇跡的で、とても心に染み入るすてきな映画でした。 「会いそうで会えない」ふたりにやきもきしながらも、それだけで引っ張るのではない、それぞれの人となりが活かされたストーリーがとてもおもしろく、物語の世界に没入してしまいました。 ヒロインの元カレ役でオレの嫁ことシーモア(フィリップ・シーモア・ホフマン)が登場。 かわゆすぎて悶える。 公開されたのはもうずっとずっと昔の作品なのですが、アガサが昨年観た中で最もすきな映画です。もっと早く観ればよかった。

『ニューイヤーズ・イブ』
ゲイリー・マーシャル監督によるゆるふわ愛され群像劇第二弾。(第一弾は『バレンタインデー』)
まあようするに、何組かのカップルが狭い世界でくんずほぐれつする訳なのですが、クライマックスに至るまでに描いてきた親子の絆を丸投げにしてまで、サラ・ジェシカ・パーカーに花を持たせたオチの、そのあまりの酷さに、座ってた椅子ごとひっくりかえりましたね、ぼかあ。 ちなみにサラさんちの旦那さんもカメオで登場。 むせ返らんばかりの「特別優遇」臭。 マシュー・・それでいいのかマシュー・・・。

『マダガスカル3』
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(2012年最も踏まれたい女・ナンバー1!)
文句なしにおもしろい! ものすごくしあわせな気持ちになれる映画です!ちょうさいこう!!




以上です!
あと何本か観たと思うのですが、もう記憶の彼方に消え去ってしまいました!しょうがない!にんげんだもの!

と、いうわけで、これにてアガサの2012年はこれにて終了。
次回からは通常ペースにもどります。
拙いブログではございますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします!

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2013年になっちゃったけど2012年に観た映画のボツ感想をまとめてみるよ。(中編)

2013年01月08日
はい、どうもです。
先日に引き続き、2012年に書きかけて放置したままだった感想たちのまとめをお送りします。
後半戦はさくさく行きますよー。


『猿の惑星 創世記』
さる
(※賢い猿のシーザーくんにお世話されるジョン・リスゴーさん)(※バージョン違い)
・・・猿がシャベッター!!!
「1968年に公開されたSFの古典『猿の惑星』の大オチだけど、もうみんな知ってるよね!」という大前提で作られた(であろう)前日譚。 もしも知らない人がこっちを先に観ちゃった後に1968年度版を観たりなんかしたら大惨事。 父親が患っているアルツハイマーをなんとかして治療したい息子が、猿を使って投薬実験を行なった結果、予想だにしなかったレベルの天才猿・シーザーくんが誕生。 猿と人間という異なる心情の両方を柔軟に理解する、たとえるならマツコデラックスのようなシーザーくんが、得意のベシャリと仕切り能力を活かし、猿業界でメキメキ頭角を現します。 とにかくシーザーくん・・というか中の人であるアンディ・サーキスさん(ゴラムの中の人)がすばらしく、ジョン・リスゴーさん以外の登場人物を全部食っちゃっています。 ジョン・リスゴーさんはほら、こちらもなんつーか、猿と人間の中間としてある意味美輪明宏的な方なので、圧倒的な存在感でしたよ。(※一部失礼な発言があったことをお詫びします)

『ラビット・ホラー』(※ネタバレ)
ラビットホラー2
(かわいいはつくれる!)

ラビットホラー
(つくれなかった!)
・・・【弟がうさぎに付きまとわれています】
Q:私は20代の独身女性です。 小学校の図書室で働いています。
年の離れた弟の事なのですが、少し前に小学校で飼っているうさぎを安楽死させたせいで周りのおともだちから避けられるようになり、そのまま不登校になっているのですが、その弟と先日一緒に映画を観に行ったのですが、その時からどうも様子がおかしくなっています。 毎晩のように夢遊病のように夜中歩きまわるようになり、気がつくと物置部屋で騒いでいます。 しょっちゅう私を呼ぶ為、その都度弟を探しに行くのですが、先日は気がつくと物置部屋で騒いでいました。 弟が言うには、夜中にうさぎに連れられ、どこかの遊園地に行ったらしく、最初はやさしかったうさぎが途中で豹変して大変怖かった、と。 うさぎの大きさですが、小さいうさぎと大人くらいの大きさのうさぎがいるそうです。 小さいうさぎはぬいぐるみです。 実は弟が産まれた時、彼を取り上げたのは私で、当時父が連れてきた新しい母を受け入れる事が出来ず、反抗的だった私と義母との間でちょっとした事故があり、そのせいで義母は死亡しました。 私は、なんとか産まれてきた弟を義母に代わって面倒をみようと思っていたのですが、先日ついに小学校にまでうさぎが現れて、弟と私は大変おそろしい思いをしました。 この事を父に相談しても、全く真面目にとりあってくれません。 もしかしたら、うさぎは本当にはいないのではないかという気がしてきました。 私たちは幻でも見ているのでしょうか。

回答:
うさぎの事はさて置き、まさかとは思いますが、この「弟」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。

「うさぎ=かわいい」というイメージに一石を投じた問題作。たぶん。 目頭切開しすぎたみたいなおっかない顔のうさぎに付きまとわれ、満島ひかりさんが大いに迷惑します。 「トラウマがー」とか「贖罪がー」とかいう重い内容と、アワワ・・・と神経をすり減らす満島さんのてんてこまいっぷりが、どこか噛み合わっていない印象を受けました。 「罪悪感から声をなくしたヒロイン」という設定なのに、そのヒロイン自身によるナレーションががっつり入る為、これまたチグハグな事に。 結果喋ってるじゃん・・・。 余談ですが、自分になついてくれない継娘をほっこりさせたかった後妻さんが、ここぞとばかりにとった行動がエキセントリックすぎてひっくり返りました。 あれはないわー。

『スペイン一家監禁事件』
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・・・セコム、していなかったのですね!
犯人密着型スーパー監禁エンターテイメント。 豪邸に引っ越してきたその日の晩に押し入られた金持ち一家の悲劇が、「まるで自分がその場に入り込んでしまった」ような視点で描かれます。 おとうさんは娘に甘く、おかあさんは娘の反抗的な態度にキリキリしている。と、とても一般的な家族の情景が、窓ガラスの砕け散る音と共に崩壊してゆく様は背筋が凍るほどおそろしく、鑑賞中ずっと胃がキリキリ痛むわ手がべっとりするわで疲労困憊してしまいました。  父親の前で目出し帽をあっさり脱ぎ捨て、「通報しないよね?」と平然と言ってのける強盗団のリーダー。 彼は無駄な殺生をしたくない訳ではなく、ただ単に仕事を簡素化したいだけ。殺してしまうと後片付けが面倒なので、しないだけ。 「人の命に対し空気ほどの重みすら感じていないのだ」、という事をまざまざと見せるけられるラストシーンは、あまりに残酷で、あまりにショッキングでした。 ひたすら淡々と一部始終を収めるだけのカメラなのかと思いきや、突如画面ニ分割というブライアン・デ・パルマ的な技法に走ったりするのですが、これがまたより一層「誰も家族に味方してくれない」という無情感をかきたてるのですよね。 カメラですら、この悲劇をちょっとおもしろい見物にしようとしているのか、と。 ホントにおそろしかったです。 

『共喰山』
共食い
・・・もしもオーストラリアの山奥に旧支配者がいたら!
遠い親戚のおじさんは、とある国立公園内の深部にある壁画を調査中精神を病み死亡。今まで付き合った男はクズだらけ。無理やり性的関係を迫られた経験も数知れず。その中でも特にクズだった彼氏によって、一週間もの間地下室に軟禁されていた事があり、その時のショックから軽い閉所恐怖症となっている。バックパッカーの男性と揉めた事があり、今でもその単語を聞くと若干ナーバスになってしまう。 という「訳があり過ぎ」美少女が、おじさんの遺した壁画を観に行って散々な目に遭います。 その界隈ではお約束となっている「得体の知れない湖での全裸スイミング」あり、程よいゴアあり、触手あり、とサービス旺盛な内容となっており見応えばっちり。 

『フェイズIV 戦慄!昆虫パニック』
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・・・アリンコが新世界の王になります。
宇宙で起きた変化が地球の生態系を変えてゆく、という壮大なお話。 人間さまから見ればちっぽけな存在でしかなかったアリンコが、物量作戦により支配される側から支配する側へとその立場を逆転させてゆくのですが、脅威というより何処かしらいじらしくてですね。気づけば「がんばれアリンコー!トップをねらえー!」と声援を送ってしまっている自分がいました。 「どんだけ抵抗しても無駄なら、思い切って傘下に入り流された方が楽」とばかりにアリンコの傀儡となる人間カップルの姿に、日頃から国や決まりごとに流れ流され続ける我々の姿が被って見えました。 なんと監督は映画のタイトルデザイン界の巨匠ソウル・バスさん。 随所で爆発する美的センスあふれる造形にうっとり。

『新少林寺/SHAOLIN』
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(ウー・ジン、かわいいよウー・ジン!)
・・・おもてたんとちゃう・・・(世帯主さま談)
カンフー好きの世帯主さまと観たのですが、思った以上に殺伐とした内容にしょげかえる41歳(既婚男性)。 「豪華俳優陣による胸踊るアクション大作だよ!きっと!」というプレゼンテーションが間違いだったのかもしれませんが、改めて「人に映画を勧める」事の難しさを痛感した私でした。  とはいえ、かっこいい男たちが身を犠牲にして弱き人々を守る姿や、人の裏切りによって傷ついた主人公が人の思いやりによって救われる姿などは問答無用に胸が熱くなりましたし、とにかくもう、全編通して男祭りの様相を呈していたのでアガサは大満足です。 鑑賞後も耳に焼きついて離れない\フォンシャンフェーン シャン フォンシャンフェンシャンフェーン/という主題歌は、主演を務めるアンディ・ラウさんご自身によるもの。 

『小悪魔はなぜモテる』
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(厳密に言うとモテていない。)
・・・ハイスクール版「緋文字」
水難事故で夫を亡くした若い嫁がとある人物と不貞を働き子を宿す。死刑を免れる代わりに、胸に姦通(adultery)を意味する「A」のアップリケを縫い付けた服を着続けるという罰を受けたヒロインが、大切な人を守る為、周囲を取り囲む幼稚な悪意と闘う為、暴露話の一切を胸にしまい凛とした態度で生きてゆくという、アメリカ文学の名作『緋文字』を現代的にリニューアル。 元ネタほどしんどい話ではなく、あくまで現代っ子らしくさばさばした性格のヒロインが、童貞やゲイの級友を救うべく悪評を一身に受ける物語。 女子特有のうすっぺらいトークについてゆけず、とはいえ孤立の道を選ぶでもなく、適度に周りと折り合い、ふところの深さを見せつけるヒロインがとても魅力的です。 ヒロインを理解してくれる人が、実母・養父・初恋の人、と品揃え豊富なので悲壮な感じになる事もなく、終始余裕があってよかったと思います。 

『マーガレットと素敵な何か』
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・・・で、でた~ww 地位も名誉も彼氏もいるのに突如自分探しを初めた挙句初恋の男性と再会して墓穴掘奴wwwwww
「2012年度この邦題が酷い大賞・受賞作!」 素敵な何かってなんやねん・・・ そんな軽い気持ちで観始めたのですが、ソフィー・マルソーが超出来る女だわ、いかにもシャレオツな小物がわんさか出てくるわ、癒し力満点な南仏プロヴァンス的な風景は出てくるわで、なんかもう「おまえはELLEジャポンか!」と言いたくなるような小奇麗な映画だったのでした。 自分探しの果てに「そうだ!井戸を掘ろう!」とばかりにアフリカの貧しい国に行き、井戸掘り事業を(※「事業」なトコがポイント!)始めるソフィー・マルソーさんの行動力は圧巻です。 ちなみに役柄の設定年齢は40歳。 タメかぁ・・ ・・わ、わしも井戸堀りにいかな!



と、ここまで書いてはみたものの、前回と同じくまだ終わりそうにないのでもう一度だけ続くのじゃ! 
次回「2013年になっちゃったけど2012年に観た映画のボツ感想をまとめてみるよ・完結編/オレの2012年はまだまだ終わらない・・・」 おたのしみに!



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2013年になっちゃったけど2012年に観た映画のボツ感想をまとめてみるよ。

2013年01月05日
あけましておめでとうございます。
ちびっこ宛に届いた級友(小五)からの年賀ハガキが、軒並み「あけおめ!ことよろ!」状態だった事に動揺が隠せないアガサです。 
あのさあ!きみたちさあ!「まして」「でとう」「しも」「しく」くらい書きたまえよ!省いて得する程の字数でもないじゃん!すげえちょっとの差じゃん!
やだーもしかしてそのうち「コクる」とか言い出しちゃうのーやだーすげえやだー!

まぁ、それはさておき。 2013年最初の更新になる今回は、省いて得したかった訳ではないものの、下書き状態のままなんとなく放置&越年してしまった感想たちを、ドドーンとまとめて成仏させてみようと思います。
なんのメモも残していない作品もあった為、超簡潔な感想からやや長めのものまで統一感の無い感想ではありますが、お正月休みが余ってお手すきな時にでも見て頂けるとありがたいです。




『Evidence』(原題)
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(こおんなカワイイ女の子が)

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(出会って5秒でチチ出し!)

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(いい意味で予測不能!いい意味で!)

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(邪悪な黒ムックが超絶かわいい!)
・・・ダダダーってドドーってバンバンバンってドゥワワーってプシュルシュシューってなります。
ドキュメンタリー作家志望のアホ男、そしてその友達と彼女というアホ4人衆が、カメラ持参でキャンプに向かいます。 よくある低予算POVホラーか・・・誰もがそう思っていたその時、物語は怒涛のようにその姿を変え始める。 1分後の予想すら全くつかない、予想したとしてもあっけなく裏切られる、めいっぱい新しくとことん攻めまくった内容の新機軸パニックホラー。 登場人物も観客もなんの説明もされず、全員完全おいてきぼり状態のまま全速力で進む物語。 「投げっぱなし」が全く作品のおもしろさを損なっていない、非常に完成度の高い映画だと思います。 どうやら今年4月に『エビデンス 第6地区』というへっぽこタイトルにて国内盤がリリースされるそうですので、その節は是非ご覧ください。 超おすすめです。

『インモータルズ』
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(いい意味で無駄に美しいビジュアルの洪水!)
・・・水戸黄門スタイルで下界に潜入した全知全能の神・ゼウスが、来たるべき世界戦争に向けスカウトした成人男性を蘇化子ばりに鍛え上げます。 
「困った時の神だのみが通用しなかった」からといって、神そのものに喧嘩を売るミッキー・ロークのやんちゃっぷりもさる事ながら、「人間を鍛えるのはオッケーだけどサポートするのはNG」という超オレ流を貫き通し、我が子さえも無駄死にさせるゼウスの非道っぷりがとにかく酷い。(※褒め言葉) 神さま一家が着ているキンキラシャツかっけー!

『チェイサー』
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(時代は中肉中背!)
・・・デリヘルを経営する元刑事が、風俗嬢を嬲り殺しにするのが生き甲斐の若き猟奇殺人鬼を追い詰めます。
登場人物の生い立ち、性格、業などがきっちり描き込まれており、ありえないほど凶悪な物語が「遠い世界のお話」ではなく「自分の隣の家でもいつまにか起きていそうな惨劇」くらいの距離に感じられる。心底おそろしい。 全編に漂う尋常ならざる緊張感は、息をするのも忘れる程。 身震いするような悪(あく)に圧倒されます。

『哀しき獣』
사람
(なんと先程の中肉中背と同一人物!)
・・・ぜんぶびんぼうがわるいんや!
膨大な借金を返済する為、危険な仕事をキケンな男から引き受けた主人公が、偏見だらけで夢のない別天地で犯罪に巻き込まれます。巻き込まれるというか、上っ面を撫でようと思ったらがっつり噛み付かれたというか。 『チェイサー』の元刑事&殺人鬼コンビがふたたびタッグを組んでいるのですが、まさか中の人が同じだとは思いも寄らないほど、全くの別人と化しています。 別の作品なので当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、日本でこういう役者さんがいるかなぁ・・と思うとちょっと見当たらないような気が。 不死身すぎる登場人物の超自然さ加減も、彼らが頬張る謎肉のインパクトで帳消しに。 『インセプション』ばりに心がざわつくラストも素晴らしい傑作。

『ビー・デビル』
김복남
・・・なにもかもぜんぶびんぼうがわるいんや!
心をグリグリ抉られるような「痛い」映画。 とんでもなく「ヤな」顔の役者さんがどんどこ出てくる奇跡の作品。 韓国映画の俳優層、幅広すぎだろ! とにかく画面を観ているのがしんどくなる程のえげつなさ。 閉塞感あふれる「村」(というか島)に堆積する澱んだ空気と濁った目つきの人間たちに、『黒く濁った村』を観た時抱いた「コレじゃない感」が見事に払拭され、「そう、コレ、コレなんだよ!」とドン底気分に陥る事が出来た大傑作でした。

『ラスト・エクソシズム』
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・・・聖職者のおうちに生まれたものの、信仰心が芽生える事なく成長した主人公。ベシャリの腕がグンバツだった為、日曜礼拝で説教をかませば皆うっとりとした眼差しで頭を垂れ、副業として請け負った悪魔祓いパフォーマンスも大好評。 しかし、そんな生活に嫌気がさした彼は、すべてを白日の下に晒すべく、「ただの思い込み」でしかないエクソシズムの一部始終をカメラに収めさせようと試みて・・。
出尽くした感のある「エクソシスト」モノを、これまたやり尽くした感のある「POV」方式で製作。 「ここではないどこかで観た気がビンビン物語」ではあるものの、リアルにかわいそうな女の子がひたすら酷い目に遭う姿が痛々しく、信仰心があろうとなかろうとただただ無力な牧師が哀れな、なかなかどうしておもしろい作品だったと思います。 クライマックスの超展開、オレはきらいじゃないぜ・・・!

『モンスターズ/地球外生命体』
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・・・「おかえりはやぶさ!」的な祝賀モードが、大気圏突入時の大破&内容物撒布で一転、「やらかしよった!」というお通夜モードに・・・!
この宇宙のどこかに存在する、我々以外の生命体の痕跡を持ち帰りたい。 そんな人類の夢が思わぬ形で実を結び、北アメリカ南部で大繁殖してしまったというロマン溢れる物語。 貧乏カメラマンと社長令嬢という、昭和枯れすすき的というか或る夜の出来事的なカップルの珍道中と思いきや、道なき道をゆく川口浩テイストの山歩きあり、危険と隣り合わせの川下りありと、ドキュメンタリータッチの真面目なロードムービーに仕上がっておりました。 正直、ややかったるい部分もあったのですが、素直になれない男女の心の機微であったり、ひねりの効いた構成などはおもしろかったと思います。 クライマックスからラストシーンまでのくだりが物凄く好きすぎて、なんでか、嗚咽が漏れるくらい泣いてしまいました。 それにしても地球外生命体かわいい。

『マカブル/永遠の血族』
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・・・肝っ玉かあちゃんの細うでゴアゴア繁盛記。
へび顔のかあちゃんが最高。 そして睨まれたカエル状態の若者たちは、粛々とごはんのお供へと姿を変えるのでした・・。  インドネシアの若き俊英モー・ブラザーズによる「悪魔のいけにえ」リスペクトな切株映画。痛い描写が非常にバリエーション豊かで、ピリっと痛そうなものからガツンと痛そうなものまで各種取り揃えられており好感度大。 なぜ一家は食肉業を始めたのか。食べる為なのか売る為なのか。まじない的な何はあるのか。赤子をどうするつもりだったのか。 散りばめられた謎にはあえて手をつけず、かあちゃんの不気味さだけで押し通した姿勢、アガサは潔いと思います。私にとって、好感度の塊みたいな映画。 かあちゃん役の人がビョークにそっくりなので、「もしもダンサー・イン・ザ・ダークのセルマが本格的にアカン方向に舵をきったら」という番外編的な楽しみ方も、しようと思えば出来るのではないかと思います。心の底からそう思えば。




と、ここまで書いてはみたもののまだまだまとめきれそうな気配がないので、後半につづきます! たぶん!



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すきもの主婦が選ぶホラー映画ベストテン

2012年11月08日
秋だ!紅葉だ!ベストテン企画だ!

と、いうことで、今年もまた大人気ブログ・男の魂に火をつけろ! 様の恒例企画「映画ベストテン」が発表されましたよ!

ホラー映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! ホラー映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ!



アガサも2009年に開催された「ゼロ年代ベストテン」以降、2010年の「続編映画ベストテン」、2011年の「スポーツ映画ベストテン」に参加させて頂いてきたのですが、なんと今年のお題は「ホラー映画ベストテン」! 待ってました! よっ!大統領!!

とはいうものの、何を隠そう過去のベストテン企画の際も、勝手にホラー縛りを自らに課してきたアガサなものですから、実は今回で3回目のホラー選出となります。 
なぜ待てなかったのかオレ!堪え性のなさ部門都道府県別ナンバー1か!

なんて己の先走り感を責めてもしかたないので、過去のベストを今一度観直し「ホラーとは何か?」「本当の恐怖とはどのようなものなのか?」と自分をこっぴどく問い詰めた末に絞り込んだ、アガサの2012年度版ホラーベストテンはこちら。


1 『エクソシスト』(1973年)
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(ウィリアム・フリードキン監督/リンダ・ブレアさん、エレン・バースティンさん、カラス神父、他)

説明不要の大傑作。 
初見は中学生の時。 両親に隠れて、真っ暗な部屋でこっそり観ていました。
リーガンちゃんの豹変っぷりよりも(まぁそれも怖いんですけど)、病院の検査のシーンとか、「宇宙で死ぬわ」からのジョンジョロリーンとか、カラス神父が見るおかあさんの夢とかが非常におそろしくてですね。
中でもサブリミナルで挟み込まれる悪魔の顔は超トラウマ級で、夜うなされるわ白昼夢は見るわ、目を閉じるたびにあの顔がパっと瞼に浮かんでしまい、幼いわたしはもうひたすら泣きそうだったのでした。
ショッキングな悪魔憑きの部分だけではなく、作品全体から漂ってくる「絶望」にひどく戦慄した思い出の作品です。


2 『オーメン』(1976年)
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(リチャード・ドナー監督/グレゴリー・ペックさん、超こわい乳母、黒犬、他)

これまた説明不要のオールタイムベストですね。
子ども心に「切株」というものを深く印象づけた首ちょんぱシーンは言うまでもないのですが、とにかく徹底して「信じる者が救われない」ストーリーが続けられてゆく事の恐ろしさといったらねぇ・・・。
アガサのフェイバリットシーンは、緑が美しい河沿いの遊歩道で、ブレナン神父がグレゴリー・ペック演じるアメリカ駐英大使に「あなたのお子さんは悪魔です」と淡々と告げるシーン。 困惑した大使が立ち去った途端、一天にわかにかき曇り、落ち葉が不穏に舞い上がる。 怯える神父は近くの教会に駆け寄ります。(もちろん、そうなる事を見越して待ち合わせ場所を選んでいたから)  しかし、柵を越え扉を叩いても、神はその懐に迷い子をかき抱いてはくれない。 雷鳴が轟き、助けを求める神父の声は無情に断ち切られる。 彼の命を奪ったのは、他ならぬ「教会の上に立てられた避雷針」だった。  
この一連のくだりの美しさと救いのなさは、本当にすばらしいと思います。


3 『ドラキュラ'72』(1972年)
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(アラン・ギブソン監督/クリストファー・リーさん、ピーター・カッシングさん、無軌道な若者たち)

先の『エクソシスト』『オーメン』と共に、アガサのホラー原体験となっているホラーの古典。
初見は(たぶん)6、7歳の頃。
チャラい若者たちが、よせばいいのに遊び半分でドラキュラを復活させてしまうというストーリーだったのですが、きれいなチャンネーの手から滴り落ちる鮮血と怪しげな儀式は、幼心に「ばか!ばか!そんなことしたらドラキュアいきかえっちゃうじゃんか!」と強烈なストレスとして焼き付き、それ以降数年間に渡って首に毛布を巻きつけないと寝られなくなるという呪縛に悩まされる事に。 真夏でもタオルケットで首元を覆って寝ていましたからね!おへそは丸出しでしたけどね!
今でこそネタ扱いされる事の方が多い「クリストファー・リー」ですが、当時は本当に怖かったんですよ!洒落にならないこわさだったんだから!


4 『悪魔のいけにえ』(1974年)
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(トビー・フーパー監督/マリリン・バーンズさん、ソーヤー一家、他)

なぜかジェイソンに持たされてる感の強いチェーンソーの本来の持ち主、レザちんの記念すべきデビュー公演。
そのド派手な外見とは裏腹に、とても繊細なメンタルの持ち主であるコトや、オシャレに敏感であるコト、家族だいすきで甘えっ子なコトが赤裸々に紹介される記念作です。
とにかくもう、全編通して狂いっぱなし。
延々響き渡るヒロインの叫び声に、観ているこちらの神経までおかしくなってしまいそうな大傑作。
家族の食卓のシーンにおける、「訳がわからなすぎておそろしすぎて笑えてくる」現象に、誰か名前をつけてくれ!


5 『シェラ・デ・コブレの幽霊』(1964年)
(ジョセフ・ステファノ&ロバート・スティーヴンス監督/マーティン・ランドーさん、幽霊、他)

『サイコ』の脚本家であるジョゼフ・ステファノさんが製作したものの、あまりの怖さからお蔵入り。 
その後日本でも一度だけテレビ放送され、当時の視聴者に多くのトラウマを植えつけ、『女優霊』『リング』にも影響を与えたといわれる伝説のホラー作品。
作品に漂う禍々しい空気に体が竦められ、小さなシーンの積み重ねによりジリジリと高められた緊張感が、今観ても充分すぎるほどえげつない幽霊のビジュアルによってドカーン!と爆発する瞬間に感じる歓び。
ホラー映画の原点として外せない1本です。


6 『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)
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(ロマン・ポランスキー監督/ミア・ファローさん、ジョン・カサヴェテスさん、他)

「我が家」という安全地帯にずかずかと侵入してくる隣人への不快感、あてにならない夫への不信感、そしてお腹に宿った我が子への不安。
疑心暗鬼という名の地獄に陥ってしまった若妻ミア・ファローが、みるみるうちにやせ細ってゆく姿が、何よりホラーな名作です。
彼女の恐怖はパラノイアにすぎないのか。マタニティ・ブルーをこじらせただけなのか。
ミアが見る悪夢のシーンに翻弄され、誰を信じればいいのかわからなくなる終盤から狂気のラストまで、ひとときも気が抜けません。
母・ミアがみせる最後の表情は圧巻です。

(ちなみにミア・ファローさんはリメイク版『オーメン』において猛烈におっそろしい乳母役を演じているのですが、オリジナル版の乳母さんに負けない狂気を発揮しておりますので、そこだけ見所ですよ。それ以外の見所は無いですよ。)


7 『サスペリア』(1977年)
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(ダリオ・アルジェント監督/アリダ・ヴァリさん、ウド・キアさん、バレエ寄宿生、他)

雰囲気番長。 
細かいことはわからないけど、とにかく美少女が怯えまくって派手派手しくて怖ければいいんだよ!というダリオさんの美学に酔いしれる逸品。


8 『ハイテンション』(2003年)
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(アレクサンドル・アジャ監督/セシル・ドゥ・フランスさん、マイウェン‎さん、殺人鬼)

本作に関しては、もっぱらその「オチ」の「フェアかアンフェアか」という点にばかり話題が集中し、この映画の「おそろしさ」が蔑ろにされているような気がして本当に悲しい私ですよ。
声を大にして言いますが、アガサは『ハイテンション』が大好きですし、鑑賞している最中こんなに手汗が尋常ではなかった映画はここ10年の間で本作のみです。
血の量と恐怖がなかなか比例しないホラー映画界(やりすぎると可笑しくなってしまう事もしばしばですので)において、心と体を同時に痛めつける事に成功した傑作。
『アレックス』や『変態村』を観た上で本作を観ると、殺人鬼が出てきた瞬間「うわあ・・・」と恐怖が倍増すること請け合いです。


9 『屋敷女』(2007年)
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(アレクサンドル・バスティロ&ジュリアン・モーリー監督/アリソン・パラディさん、ベアトリス・ダルさん、他)

すきっ歯×ハサミ=最凶ホラー。 という事で、フレンチホラーからもう1作品。
先に挙げた『ハイテンション』にせよ本作にせよ、フランス産のホラーは痛みの表現が実に秀逸だと思いますねぇ。
おびただしく流された血の濃い匂いが画面から染み出てくるような、豊潤なゴア描写。
タブーなんてこの世に存在しないかのように、思いつく限りのありとあらゆる残酷な行為が仕掛けられ、観ているだけで息苦しくなってしまう。
しかしその裏にある「女」の哀しみに気づいた時、ひたすら圧倒され、同情を抱くことすらおこがましいような気がして、ただただ言葉を呑むしかなかった。
最高に痛ましくて、最高におそろしい映画。


10 『ネクロマンティック』(1987年)
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(ユルグ・ブットゲライト監督/死体、うさぎ、他)

今回10作品を選ぶ際、最後まで迷ったのが本作を入れるかどうかという点でした。
『ネクロマンティック』はホラーなのか? ただのエログロナンセンスなのか?
本作は、アガサが今まで観た映画の中で最もおぞましく、なぜこんなものがこの世に存在するのか理解したくない1本です。
出来ないんじゃなく、したくない。 観ちゃったけど、観なきゃよかったとも思わないけど、理解したくない。
その感情は恐怖に近いのかもしれない、と思ったのですよね。 
この映画に登場する「世界」は自分の住む「世界」にも存在しているのだという事を、到底受け入れる事ができない。 恐ろしくて出来ない。
理解できない(したくない)モノを拒絶する事が恐怖の根源だとするならば、本作は私にとって確実にホラー映画です。
と、いうことで『ネクロマンティック』。 よいこのみんなは絶対観ちゃダメですよ!





結局有名タイトルばっかりですよ!だってホントにこわいんだもん!

今回「ゾンビ映画」を一切カウントに入れなかった為、8本くらいまでは割とさくさく選ぶ事ができました。
最後まで迷ったのは、『デッドゾーン』を入れるか否か。
オールタイムベストに入る程だいすきな映画なのですが、「ホラー」の印象よりも「報われない愛」の印象の方が強いのですよね・・。

という訳で、以上、私の人生に大きすぎる影響を与えた10本でした。


入りきらなかった作品は、ピン兄貴のデビュー作『ヘル・レイザー』、まちゃまちゃそっくりな人形がおっかない『サスペリア PART2』、ふくろう仮面がキモこわい『アクエリアス』、最後のアレが反則な『キャリー』、夜中にトレイに行くのがこわかった『ノロイ』、寒いわ怖いわで震えまくる『P2』、ラストに夏八木勲が山頂でワーッハッハッハするシーンがトラウマ必至だった『八つ墓村』、堤大二郎の目ヂカラとしっかりしたゴア描写に感心しまくりだった『DOOR』、ただひたすら犬がこわい『クージョ』などでしょうか。
キング作品中映像化に成功している部類に入る『クージョ』ですが、原作のラストと大きく異なるエンディングがとても「いい」と思います。 
あとは、最近の作品ですと『スペイン一家監禁事件』『ビー・デビル』『マカブル 永遠の血族』あたりもかなりいいホラーでしたYO!


ではワッシュさん、集計の方大変かとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします!



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