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『ワールド・ウォーZ』

2013年09月19日
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「僕が魅力を感じたのは、この主人公が普通の男という点だ。 超人的な能力の持ち主でもないし、武芸の達人でも特殊部隊の出身でもないが、家族を守るためならどんなことでもする愛情深い父親なんだ」
                         ・・・ブラッド・ピットさん[主演・製作]談



あらすじ・・・
「それ」はある朝突然始まった。
いつものように朝ご飯の支度をし、娘たちを学校へと送るブラッド・ピット。 普通の父親ブラッド・ピット。
市内のメインストリートは渋滞、上空ではヘリが旋回。
その時、いち早く異常に気づき、通りの様子を見ようとしていたブラッド・ピットの真横を、一台の暴走トレイラーが猛獣のような唸り声を上げて通り抜ける。 押しつぶされてゆく車や人。 
間一髪で事故を回避したブラッド・ピット一家は、トレイラーが「作った」車道をうまく利用し、渋滞から抜け出すことに成功したものの、市街地はどこも「暴徒と化した」人間たちで埋め尽くされ、娘の薬を購入するため向かった街角のスーパーは、生活必需品を手に入れようと我さきにとなだれ込んだ「暴徒ではない」人間たちでひしめき合っていた。
一体ここで、何が起こっているのか。
そう、彼らの街は、世界は、今まさに「それ」に飲み込まれようとしていたのだ。
ゾンビ禍という「世界の終わり」に。

・・・という訳で、万事休す!な状況ではあったのですが、何を隠そうついこないだまでスゴ腕の国連調査員だったブラッド・ピットさんなもので、さっさと救出のヘリが手配され、一家全員まとめて避難所代わりの航空母艦で保護して貰い、美味しくはないけれど充分な食事を与えられます。その後、復職を求められたブラッド・ピットさんは、家族を人質にとるという軍のやり方に若干カチンときつつも、世界を救うためゾンビ禍の発生源を突き止める旅に出て、韓国のアメリカ軍基地では頼みの綱だったウィルス研究者を失ったり、謎のCIA職員から次なる手がかりをもらったり、襲いかかるゾンビから無傷で逃げ切ったり、イスラエルでは「国連職員」という印籠片手に特別待遇を受けたり、有力者に次なる手がかりをもらったり、襲いかかるゾンビから無傷で逃げ切ったり、ついでに自分の警護を担当していた美人兵士をゾンビ化から救ってみたり、丁度通りかかった民間機に乗せてもらったり、機内で発生したゾンビパニックには手榴弾で対処したり、機体に穴が開いたので不時着するしかなかった飛行機から奇跡的に生還したり、飛行機が落ちた場所が丁度次に向かおうとしていたWHOの研究機関の傍だったり、お腹に金属片が刺さっているけど徒歩でその研究機関に向かったり、不審者であるにも関わらず傷の治療を施してもらえたり、「国連職員」の印籠片手にWHOを懐柔したり、根拠はないけど思いついちゃったからやってみよう!みたいなノリでゾンビうごめく研究棟へ乗り込んだり、自信はないけどイチかバチかで摂取してみよう!みたいなノリで注射した病原菌がまんまとゾンビに効いたり、ペプシを飲んだり、ゾンビの前で海を割るモーゼの真似をしてみたりとなんやかんやしながら、ものの数日でゾンビ禍の対処法を見つけるのでした。



・・「主人公が普通の男」

・・

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> 「主人公が普通の男」!!! <
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・ 本作のいちばんの教訓は何だったのか。 それはもう、誰の目にも明々白々ではありますが、とりあえず書いておきましょう。 いいですか。一度しか書きませんよ。 「仕事中は携帯の電源を切ろう」

・ もうこれ、映画館のマナー動画で鷹の爪とかの代わりに上映しとけばいいのではないでしょうか。 ちょっと長いけどおすすめですよ。

・ わたしは三度の飯よりゾンビがすきなものですから、本作も非常に楽しみにしておりまして。 なんてたって史上最も大勢のゾンビが出るっていうじゃないですか。 そんなもん傑作に決まっとるわ。

・ で、先日やっとこさ鑑賞してきたのですが、なんというか・・・どうもねぇ・・ ええとですね・・・こんな風にいうとちょっと語弊があるかもしれませんが・・・  ・・いや、回りくどい言い方はよそう! イマイチだった!オレ、いまひとつノレなかったわ! ごめん、ブラピごめん!

・ もちろん、空前絶後のゾンビ禍シーンはどれも迫力満点だったのですよ。 組体操みたくひとりひとりが重なって壁を越えるトコロなんて、なにわ小吉先生のマンガみたいでおもしろかったですし。 でもね、「おもしろいなー」と思うと同時に、「ああ、これじゃなかったんだ」とも思ってしまったのですよね。 わたしが求めていたのは、これじゃなかったんだ、と。

・ あまりに数が多すぎたのかもしれませんし、あまりにひとりひとりが小さすぎて「人間」として感じられなかったこともあるかもしれません。 ウジャウジャーっと集まるゾンビのみなさんには、悲壮感も絶望感も痛みもなくて、そこにはただ、コンピュータで増やされた「コマ」に対する、「わあ、多いな」というあっけらかんとした感想があるだけで。 なので、冒頭のフィラデルフィア壊滅シーンも、中盤のイスラエル崩壊シーンも、ものすごく冷静な気持ちで観てしまったのです。 心がザワザワとざわめくことも、ギュウッと締め付けられることもなかった。

・ 「ゾンビによる世界崩壊」を、間接的ではなく直接的に描いてもらえたのはものすごくよかったのですが、実際観てみてわかりました。 一部の土地や街や人々が崩壊してゆくさまだけで、絶望は伝わるんだ。 数は多くなくてもいいんだ。 ていうか、多いと薄っぺらく感じてしまうんだ。

・ これはあくまでわたしの好みの問題ですし、なにはともあれ、大手の制作会社が巨額の予算を投じてこのようなスケールの大きいゾンビ映画が作ってくれるということは有難いにも程が有ると思います。 聞くところによると、本作は3部作として企画されており、既に続編の製作準備にも着手しているとかしていないとか・・・。 実現するといいですね!

・ あとね、主人公だから生き延びて当然とばかりにサクサク世界旅行しちゃうブラッド・ピットさんが、どうしても「普通」に見えなかったというのも大きかったかもしれませんね。 いくらなんでも「普通じゃなさすぎる」じゃん! 「普通」の概念変えちゃうナツかもね!

・ もうね、モデルさんにね、「美貌の秘訣は?」って聞いた時に「えー普通のお手入れしかしていませんよー」って言われた時のごとき釈然としなさですからね! 「普通」って言いながら毎日水4リットルとか飲んでたりするんだもん! っていうか普通ってなに?先生、もうぼくにはなにが「普通」でなにが「普通でない」のかわかりません!  

・ そもそも、オープニングシーンで子どもたちに「あさごはんパンケーキがいい!」と言われた後、ブラッド・ピットさんがキッチンに立っている時点でガツンとやられましたし。 「ああ、自分で焼いちゃうタイプのアレか・・」みたいな。 「“おーいおかあさん、パンケーキだってさー”とか言わないアレなのか・・」って。 これ日本のご家庭の大多数の場合ですと、下手したら「朝からパンケーキやだなーオレだけ味噌汁とごはんにしてよ」ぐらい飛び出すパターンですからね。 いいなー! ブラッド・ピットさんちの「普通」いいなー!

・ まあね、SFですし、フィクションですし、百歩譲って主人公ならではの不死身のパワーはいいとしましょうよ。 「パンケーキ焼いてくれるいい夫」も大いに結構。 ただ、ゾンビ対策法を見つけるまでがあっさりし過ぎなのはちょっとどうなんですか、って話なのですよ。 努力と根性だけでなんとかなるのなら苦労はしないよ、と。 世界がめちゃくちゃに荒らされてゆく反面、ブラッド・ピットさん一家だけは何のダメージも受けない。 「ああ、彼らは特別なんだなー」としか思えませんて。

・ 主人公が世界のあちこちを旅し、ゆく先々で物分りのいい人に出会えて、都合のいい展開だけが待ち構えていて、ほとんど苦労せずにハッピーエンドを迎える、という流れだけみると、同じくプランBエンターテインメント製作の『食べて、祈って、恋をして』みたいだなー。 ・・とまでオレは言う。 まぁ、それぐらいの軽い気持ちで観ればいいのかもしれませんし。

・ それにしても、“ゾンビは自らの「ゾンビウィルス」を増やすにあたり、イキのいい宿主だけを選ぶ習性があるため、致死性の病原菌を持つ人間は華麗にスルーする”という設定は非常に斬新な一方、「アレ・・・?じゃあ病院には生存者がいっぱいいるの?」という疑問がぶくぶくと湧き上がってきましたね。 「どこまでの病気ならスルーされるのか?」とかね。 糖尿病は? 痛風は? 足を引きずっていた在韓アメリカ兵は何の病気だったの? ていうか痛風なの? おせーてブラピ先生!

・ 韓国から入った「ゾンビ」という第一報がアメリカ本国でスルーされたのは、受け取った担当者がアレだったんじゃね? 「ゾンビと感染者は違う!」っていうアレだったんじゃね? 「28日後・・は感染者!ロメロはゾンビ!別モノなの!」っていちいち言うタイプの! 

・ ちなみにわたしもそのタイプでごわす!

・ わざわざヘリ飛ばしてまで連れてきたブラッド・ピットさんを調査員として出張させるだけさせておいて、途中経過報告に全くこだわらない国連事務次長。 絶対仕事できないタイプだろ!

・ とはいえ、いつもの「ちわっす!ワールドポリス・アメリカっす!」ではなく、一応「国際連合」を表に出した点はよかったと思います。 ま、仕事はできてなかったですけど。

・ すきな要素はたくさんあったはずなのに、いざ観てみるとノレない・・という状態は、『ゾンビランド』を観た時のそれに似ているかもしれません。 うまく説明できませんが。

・ 成す術なく広がってゆく感染の恐ろしさなら『コンテイジョン』の方がゾっとするし、「人間らしさを失ってゆく」という意味で感染者と非感染者の境が曖昧になってゆく様なら『28日後・・・』という傑作がある。 では本作の存在意義というか、見所は何なのか・・というと「とりあえずすげえいっぱいゾンビ出しとくわ!」に尽きるのかなぁ、と思った次第です。 

・ 重い病気を持っている人はゾンビ化しないけれど、結局病で亡くなってしまう、というのがものすごくつらかったです。 「ゾンビ化しない」というスペシャルポイントは、命そのものを救ってくれるわけではない。 ゾンビになろうとなるまいと、結局待ち受けている運命は同じなのか。 健康な人を「病気」にしてしまう「偽装ワクチン」の存在が、とても残酷なモノに思えてしまったわたしです。

・ ブラッド・ピットさんが手当たりしだい、試験管やサンプルなんかを空き缶に詰め込むシーンのガサツさ加減がよかったです。 あそこで「あかん・・・アイツ・・・エボラウィルス持ってきよったで・・・!!」つってなっていたら超おもしろかったのになぁ。





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