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『インブレッド』

2013年06月19日
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たぶん政治的に正しいあらすじ・・・
社会奉仕活動の一環として、イギリスはヨークシャー地域へとやってきた保護観察官2名と、社会適応力が不自由な少年3名と少女1名。
その人たちは、まずは宿泊先となる、使われなくなり数十年は経過していると思しき家屋を掃除し、その後、夕餉をとる為近所にあった飲食物を提供することで生計を立てている者が所有する建物へ向かいました。
屋内に入ると、そこには先客として、歯列的にチャレンジされた人々や、ビジュアル的にチャレンジされた人々、はたまた頭脳的にチャレンジされた人々など、異なった能力を持つ人々が多数おり、社会適応力が不自由な少年少女たちをじっと見つめています。
保護監察官たちも屋内の雰囲気に戸惑うものの、なにはともかくも、飲食物を提供することを生業としている水平方向にチャレンジ中の人に、お腹を満たす為の物体を要求しました。
数分の後テーブルに運ばれたレモネードという飲み物は、どこかしら腎臓により生産される液体状の排泄物の匂いがして、人々の満腹中枢を反対方向へと刺激するのでした。
経済的にはじき出された人たちが醸し出す、一種独特の雰囲気に気詰まりした少女は、途中でたまらず屋外へと飛び出しましたが、飲食物提供者の子どもが性的なジョークを披露してきた為、慌てて屋内へと戻るのでした。

一夜明け、2名の保護監察官と4名の社会適応力が不自由な少年少女たちは、宿泊先から少し離れた場所にあるという、廃棄列車置き場へと向かいました。
なぜならその人たちには、使えそうな銅線などを回収しリサイクル業者と呼ばれたがっている人たちが持つ財産と交換することで、経済的に搾取され続けている状況から抜け出したい、という願望があったからです。
まだ勤労から得られる達成感に対し意欲的ではない2人の少年たちは、注意深く見守ることにあまり意欲的ではない保護監察官から離れた廃棄車両の中で、無機物が備えていた本来の形を斬新なスタイルに変えることに熱心になっていました。
そして、もう2人の少年と少女は、列車置き場の近くの民家から黒い煙が立ち上っていることに気づきます。
近くまで行ってみると、なんと燃やされていたのは偶蹄目類の動物伴侶でした。
モウモウとアグレッシブな声をあげる、垂直的にチャレンジされた偶蹄目類の動物伴侶を救い出した2人は、保護監察官へ一部始終を報告する為、廃棄列車へと向かうのですが、そこでは昨晩、カロテンやビタミンAが豊富な緑黄色野菜と自らの性器を関連付けたジョークを披露してきた若齢の市民が、知的にチャレンジされている友人たちと共に、自らの不自由な礼儀作法を公開しようとしていたのでした・・・。


ほんで後は、奇蹄目類の動物の蹄で頭蓋骨が粉砕されたり、固形状の排泄物を限界まで流し込まれることで膨張を続けた消化器の内壁に裂け目が生じ、破裂したのち重力に従い内容物が流れ落ちたり、弾丸と呼ばれる小型の飛翔体を高速で発射する武器より頭頂部が開放的になったりする様子が、歯列的にチャレンジされた人々や、ビジュアル的にチャレンジされた人々、はたまた頭脳的にチャレンジされた人々など、異なった能力を持つ人々によって繰り広げられる訳ですね! まぁ、いつものアレですよ!いつものアレ!!

というわけで、モンティ・パイソンのスケッチを彷彿とさせるような、とことん不謹慎で、めっぽう非常識なドロドログチャグチャコメディ『インブレッド』を観ましたよ。
「イギリス」だからモンティ・パイソンって言っとけばいいや、なんて思っている訳ではないですよ。
こじ付けでもなんでもなく、どこからどうみてもモンティ・パイソンだったのですよ。
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(※ 元祖・裸オルガン奏者のテリー・ジョーンズさん。きゃわたん。)

人間の体がありえないほどブチャーっと爆発したり、いかにもマネキンな手足が車に引かれてペチャンコになったり、おなかが風船のように膨れてパチンとはじけたり、その拍子に目玉がポコンと飛び出したり、というあっけらかんとした人体破壊。
汚い・臭い・金がないという、あからさますぎるカッペdis。
そして、身体的・精神的な疾患を抱えているであろう人々を快楽殺人鬼にしてしまう、という超きわどいキャスティング。
ありとあらゆるタブーを破り、ペッペッと唾を吐いてその上でポルカを踊るような罪深い姿勢が、とってもモンティ・パイソンだったのですよ。
あ、あと動物虐待ネタもきっちり盛り込まれていましたし! 

ただ、姿勢は通ずるものがあるものの、愉快さに於いては全くモンティ・パイソンの比ではなかった、というトコロがちょっと残念でもありまして。
ホントにね、バカな映画なのですよ。
「見世物以上風刺画以下」みたいな、すきものの皆さんがキャッホーと手をたたきながら観るだけの映画なのです。
誰も成長しないし、そもそもろくな人間が出てきませんし、であるからして当然押し付けがましい教訓もない。
主人公である不良少年(と彼らを監督するソーシャルワーカー)なんて、わざわざ田舎にやってきて何をするのかと思ったら、「列車から銅線くすねて小金に換金」ですからね!
どこの元EE JUMPメンバーだよ! おっととっとサツなのか!

物語の冒頭、田舎へと向かう車の中で不良少年が観ているハードゴアな動画。
足首やら生首やらを斧でポンポン飛ばす、その「B級スプラッター」自体が、他ならぬ『インブレッド』そのものを表しているのですよね。
「このあとの人体破壊がおもしれーんだよなー!」と無邪気によろこぶ少年は、私たち、そして製作者自身なのであると。
それはわかっているのです。
「深淵をのぞく時は・・」っていうアレはもう、がってん承知の助なのですよ。
そういう真面目なメッセージはもうさておいちゃっていいから、もっとふざけてくれよ! ・・と思ってしまったのですよね。 
「さあさあ皆の衆!ショーのはじまりだよ!」とさんざん勿体をつけて登場しておきながら、鼻にアスパラを入れて、口ににんじんをつっこんでおしまい!あとは馬にまる投げ!ってなんやねん! ・・と。
にんじんを入れるんなら、口じゃないだろ!
口は口でも、下のお口だr(略)

後半、草原を舞台に繰り広げられた「死にっぷりコンテスト」のようなほがらかさが中盤にも感じられたら、もっとばかばかしくておもしろかったのではないかなぁ、と思いました。
あとね、バーのマスターのメイクがね、夢に出るレベルなのですよね。
なんですか!なんなんですかあなた! ちょっとこわすぎじゃないですか!
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(※ 地獄の黙示録かと思ったよ!)

とまぁ、とても好感の持てる内容&姿勢だったがゆえに、少し物足りなさを感じてしまったりもしたのですが、ともかく、ここまで刺激的な映画が無事日本でリリースされたことは何より嬉しいことですし、まだ44歳だという若き俊英アレックス・チャンドン監督の次回作にも、大いに期待したいものだなぁ・・と思いました。
ごちそうさまでした!



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