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『SHAME -シェイム-』

2013年05月26日
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あらすじ・・・
男女も2次元とか3次元とかも問わず、とにかくやりまくりな日々を送る平成の火野正平ことブランドンさん(中の人:マイケル・ファスベンダーさん)のおうちに自傷癖のある妹が乱入します。


セックスは苦行なのかもしれない、とわたしは思います。

そこにはまず最初から、とんでもなく高いハードルがそびえ立っている。
そう、「すきな人の前で素っ裸になる」という試練です。
電気を消せばいい。 と、あなたは言うでしょう。
されど、裸は裸。 
薄暗い部屋の中、だいすきな人に「パット」という後方支援を失い意気消沈したおっぱいを曝け出さなければならないという苦しみ。
相手の瞳の奥を、「無駄毛の処理あまくね・・?」という失望の影が横切るのを、目の当たりにしなければならないという哀しみ。

なんとかハードルを超えると今度は、「日常生活ではまず披露する事のないアクロバティックな体勢の披露」という試練が待ち構えています。
それは人体の構造上、仕方のないことなのかもしれない。
合理的に結合する為の、最善の方法なのかもしれない。
しかし、そのさまはまるで理科室で解剖台の上に乗せられたカエルではないか。
何が悲しゅうてこんな無様なかっこうを・・・ きしむベッドの上でいくら優しさを持ち寄ったところで、そんな思いを払拭することなど出来ようもありません。

そして、ポージングのことは観念できたとしても、どうしても諦めきれないのが顔です。
この日の為に、だいすきな人に「かわいい」と思われたいが為に、塗りに塗ったファンデーションと重ねに重ねたつけまつ毛。
控えめだけどしっかり自己主張するグロスが、すべて台無しになってゆく。
それはまるで、いたずらな波に弄ばれる砂の城のよう。
念入りにキメ込んだ髪型も今は、見る影もない。
ナニをアレしようものなら、そんな前衛絵画メイクのままで、さらに間抜けな顔を見せなければなりません。
鼻の穴を広げて。
時には白目になりながら。

ああ恥ずかしい。 穴があったら入りたい。 まぁ、今は穴に入れられてるんだけども。

これを苦行と言わずして、何を言うというのか。


本作の主人公・ブランドンさんは、何かにとりつかれたようにセックス浸けの日々を過ごしています。
仕事をしていても、家に帰っても、電車に乗っても、街を歩いていても、頭の中は常にそれのことばかり。
マラソンをして紛らわせてはみるけれど、下半身で燻り続ける炎をおさめる事は出来ない。
そしてそんな自分を罰するかのように、激しくナニをこすり上げるブランドンさん。
商売女を相手に、会社の同僚を相手に、通りすがりのゲイを相手に、インターネットの出会い系チャットを相手に、妄想を相手に、出して出して出しまくるブランドンさんの表情は、快感ではなく苦悶で激しくゆがみます。
それはまるで、苦行のよう。

どうしてブランドンさんは苦行にチャレンジしているのか。
セックス浸けな自分を恥じ入りながらも、同じ「セックス」で自らを鞭打とうとするのはなぜなのか。
その謎を解く重要な人物として登場するのが「自傷癖のある妹」な訳ですが、この二人の関係は作中ハッキリとは物語られません。
ただ、想像するに、30歳も越えようかという兄の前でどうどうとおっぱいをさらけ出したり、まるで「恋人」のように甘えてみたり、兄の自慰をいじわるく嗤ってみせる妹と、そんな彼女の前で感情を顕に瞳を潤ませる兄は、超えてはならない一線を越えたという過去があるのではないかなぁ・・と。
もともとセックス依存症だった兄が手を出したのか、奔放な妹が誘ったのか、はたまた一度も登場しない(存在すら感じさせない)彼らの親が関係しているのか、それは定かではありませんが、彼らは一度、男女の関係になってしまい、その罪悪感がゆえに兄は妹と距離を置いたのではないでしょうか。
セックスを愛し、セックスを憎み、セックスによって自分を傷つけようとする兄。
一方、妹はもっと無邪気に、自分を愛してくれる誰かを求め、その為にいとも簡単にセックスをし、しかし結局誰も得られることはなく、人生に絶望して手首を切り裂く。

ブランドンさんにいつか、苦しみから逃れられる時は訪れるのでしょうか。
ブランドンさんの妹の心に空いた穴が、愛で満たされる日はやってくるのでしょうか。
本編の最後まで、彼らの人生に対する明確な答えは示されませんでしたが、男ではなく「兄」として妹を見舞うブランドンさんの姿は、かすかな可能性を帯びていたように見えて、もしかしたら彼らは少しだけ前進したのではないか、と。 兄妹として、あなぼこだらけの家族として、支え合い生きてゆくことが出来るかもしれないのではないか、という気がして少しだけホっとしたアガサだったのでした。

あとね、ひとつだけ言いたいんですけどね、いっかいカウンセリングとか行ってみたらいいんじゃないかな! ごめんなさいね、マジレスしちゃって!

「こんな生き方しか出来ない自分が恥ずかしい・・・」「羞恥プレイだからこそ興奮するのだよ・・・!」「自慰を見られて恥ずかしい・・」「ここぞという時に中折れしちゃうだなんてなんたる屈辱・・」などなど様々な種類の「シェイム」が登場する所がとても面白く、人間の営みとは「恥と共に生きること」なのかなぁ・・ と思ってしまいました。 
悔いたり開き直ったり赤面したりしながら、それでもなお、そうやって生きてゆくしかないわたしたち。
まあね、そういう不完全でいびつなトコロが、人間の魅力でもあるのでしょうけどね。

あと、「苦行」と書きましたが、世の中にはその苦行さ加減にたまらなく興奮する、というどこかのセノバイトみたいな嗜好の方もいらっしゃるので、なんというか、セックスってむずかしいですよね。 
まぁなんだ、みなさんもそれぞれの好みを確認しあって、すてきなセックスライフを!(どういうまとめなんだ・・)



-追記-

・ 映画の冒頭、画面の上をいったりきたりするファスベンダーさんのナニが大写しになるのですが、あまりにそれしか映らない為、色んな意味でオラわくわくしたぞ!

・ まぁ、モザイクありだったので実質上なにがなんだかさっぱりだったのですが・・・ だいじょうぶ!オレには想像力という翼がある! モザイクをかけられたって、まだ飛べるさ!

・ 会社のパソコンにエロ動画を保存しておくのはよくないと思いますが、それをチェックした上で本人に「性欲の鬼め!」と罵声を浴びせる上司もどうかと思いますね。 あなたたちの中で無修正ポルノにお世話になったことのない者が、まずこの者に石を投げなさい・・・ 

・ それにしても、見つめるだけで女性をジュン・・ってさせてしまうブランドンさんは、どこかの島でジュクジュクの実的な何かを食べちゃった系なのだろうか。 ・・快楽王に、オレはなる!

・ どういうまとめなんだ・・・





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