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『エイリアン・ビキニの侵略』

2013年04月17日
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ひょうきんな顔してるだろ・・・コメディみたいだろ・・・ ハードバイオレンス映画なんだぜ、これ。

あらすじ・・・
わたしの名前はモニカ。宇宙の遠い遠いところから、ここ、地球へやって来ました。 
一族の血を絶えさせる訳にはいかない。その一心でした。 
しかし、地球のオスたちは不親切でした。 
種の保存の為、受精させてほしい・・・。そんな願いは一蹴され、一緒に来たなかまたちは、「地球防衛軍隊」という名のグループに属するオスたちによって、次々と命を奪われていきました。 
残ったのはわたし一人。 受精のチャンスはたった一日。  
そんなある日、「地球防衛隊」に襲われ窮地に立たされたわたしの前に、颯爽とあらわれた単体のオス。
オスの名はヨンゴン。 
「都市防衛隊」を名乗るヨンゴンは、得意のテコンドーであっという間に「地球防衛隊」を叩きのめしました。
そのまま自分の住処へとわたしを連れ帰ったヨンゴン。 
聞くところによると、健康に並々ならぬ関心があり、貞操観念にもかなりのこだわりがあるとのこと。
「正義感」「格闘スキル」「健康オタク」「童貞」。 ここまで完璧なオスに出会ったのは、初めてです。
もうこのオスしかいない。 
幸い、ヨンゴンはわたしの外見に魅力を感じているらしく、まっすぐ目を合わせられない程緊張している様子。 これならすぐにでも受精に至らせることが出来そうだ。
わたしはそう思いました。
しかし、その時、わたしはまだ気づいていなかったのです。
何を隠そうヨンゴンは、暴力によって覚醒する、アレなタイプのオスだったということに・・・。



・ ということで、前半セクシーコメディ&後半ドン底鬱映画というあしゅら男爵のような映画だった訳ですが。

・ だった訳ですが前半の時点で既に、「自衛」と呼ぶには度が過ぎている暴力行為に我を忘れて没頭するヨンゴンの姿が観られる為、どことなくイヤ~な感じと言いますか、「熱心に笑わそうとしているけれど、目の奥が笑っていない」ような感じを受けていたのですよね。 そして、その感覚はますます増してゆくことに。

・ かくして、後半のドン底鬱部分に突入してからは、虐待あり、親殺しあり、DVあり、死体相手のナニありというハードバイオレンスに早変わり!

・ 30年間貞操を守ってきたヨンゴン。 実は彼は幼い頃から実父から虐待を受けており、自らの手でその父を殺めたという過去を持っていたのです。 トラウマと罪悪感を打ち消すため、そして父への贖罪の念から、街の暴漢退治をなりわいとすることに決めたヨンゴン。 収入はどこから得ているのかヨンゴン。 贖罪と貞操はどう繋がるのかヨンゴン。 あ、もしかしたら性欲という名の内なる鬼と闘うって意味とか?ねぇねぇヨンゴン。

・ モニカからあの手この手で子種を摂取させられそうになるものの、鋼の意思でエレクチオンを阻止し続けるヨンゴン。 業を煮やしたモニカは最終手段に出ることに。 

・ 「地球の男の人って、首を絞められたら出すらしいわね」

・ モニカ、その情報はどこ経由の情報なのかモニカ。 そういうアレって無くはないらしいけど、けっこうニッチな層のアレなんじゃないのかモニカ。

・ まんまと裏目に出てしまったモニカの作戦。 首を絞められたことで、父親を殺めた瞬間の心境へと引き戻されたヨンゴンは、スーパーパワーで形成を逆転。父親(モニカ)の首を一心不乱に締め上げます。 

・ 意識をうしなったモニカに馬乗りになり、なおも滅多打ちにするヨンゴン。 ぐったりとしてピクリとも動かなくなってしまったモニカを見下ろし呆然としていたヨンゴンは、殴った感覚に対してなのか、それとも死んだような姿に対してなのか、気づくと激しくエレクチオンしていました。

・ 先程まではどんなサービスにも屈しなかったのに・・。 これぞ文字通り「タッチの差」ですね! まぁ、モニカさんは今回ノータッチでしたけども!

・ 恍惚とした表情のヨンゴンは、あろうことかそのまま物言わぬモニカさんの奥深くへとわけ入り、激しく腰を振ります。そしてそのままフィニッシュまで果たしてしまうというね。ちょっと言葉を無くしてしまいましたよね、ぼかぁ。

・ つまりアレですかね、ヨンゴンは「首を絞められて」フィニッシュするタイプではなく、「首を締めること」でフィニッシュを飾るタイプのアレだったということでしょうか。 まぁ、とりあえずクズですね、クズ。

・ そんなクズが、ハっと我に返った途端「彼女はオレが守る!」なんつって息巻くとかね・・・なんかもうね、「はぁ・・そーっスか・・・」としか思えませんでした。 はい、ヨンゴンさんいいですか、よく聞いてくださいね、モニカさんを殺したの、あなたですよー。

・ もちろん、そこに至るまでには、モニカさんのハードなおしおきがあったことを忘れてはいけません。 中でも、「ヨンゴンの口元と鼻を覆って唐辛子ドリンクを注入する」という字面だけはユーモラスなおしおきなんて、むせ方がえげつなさすぎて「うわー」ってなりましたもんね。 節子!これコメディやない!パク・チャヌク監督の復讐三部作とかで観るようなヤツや!
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(※ 見た目はコミカルですがやってることは相当ハードです。)

・ しかし、「地球防衛隊」からその真の正体を知らされるまでは、ヨンゴンにとってモニカさんは「やっと出会えた運命の人」であり、ただの「女性」であり、「なんかよく知らないけどめちゃくちゃ子種を欲しがっている人」でしかなかった筈なのですよ。 「地球を守る為殺さなければならない相手」などでは、なかった。 だからこそ、何も殺めなくても・・、と思えてならなかったのですよね。 凶暴な女性なのだったら、警察に通報するなり手足を拘束するなりすればよかったのではないか。 

・ で、いざ真相を聞かされたものの、モニカさんへの想いからなかなか「地球防衛隊」の言葉を信じず、暴力の上塗りをし、やっと状況を飲み込んだと思ったら今度は「わるい宇宙人め~!オレのモニカさんを殺してやがって~!ゆるさん~!」と愛の為に立ち上がるという。 はい、ヨンゴンさんいいですか、もう一回言いますからよく聞いてくださいね、モ ニ カ さ ん を 殺 し た の 、 あ な た で す よ ー 。

・ モニカ(エイリアン)との貞操をめぐる攻防戦は確かにおもしろかったですし、童貞ならではのドキドキ感もたのしかったです。 いい香りのする髪がふわりと鼻をかすめた時の童貞の固まり具合なんかも、とても真に迫っていましたしねぇ。 女性の純潔を大事に思っている割には、やたらと自分ち(見知らぬ男性の家)に引き止めておきたがる。という矛盾だらけな貞操観念もね、いかにも童貞って感じでよかったですよね。 妙なテンションになって墓穴を掘りまくる、それが童貞。

・ ただ、あっというまにハードな拷問に突入してしまうので、それらのコミカルな描写を楽しむ時間があまりに少なかった。 それが非常に残念でした。

・ 結局、ヨンゴンは何の為に自警活動をしていたのでしょうか。 第二、第三の父親(暴力的な男性)を阻止したかったのでしょうか。 わるいやつを叩きのめせば、父殺しの罪が消えると思っていたのでしょうか。 それとも、わるいやつに自分自身を重ねて、自らを退治しようとしていたのでしょうか。 ちょっと、わたしにはそこのトコロがよくわかりませんでした。 もしかしたら、ただ単に正当に暴力をふるいたかっただけなのかな。

・ モニカさんの死体にフィニッシュをかますのも、「どういう心境なんだ・・?」と全くもって解せませんでした。 ただ単に「興奮していた」からなのでしょうか。 Sなの? 受けじゃなく攻めなの?

・ アガサは思ったのですが、もしもヨンゴンが父親殺しの瞬間に射精していたら、どうだったろうか、と。 「耐えられないほどの苦痛」と「やってはならないこと」と間でぐちゃぐちゃになって、頭の中がまっしろになって、わーって、ブラックアウトして、気づいたら出ちゃってた。 ものすごく不快なんですけど、それなら腑に落ちるなぁ・・と。 つらい過去を持つヨンゴンだからこその現象として、解せるなぁ・・と。

・ なので、モニカさんの死体にわっせわっせしている姿と、過去の父親殺しのシーンが重ねった時、「ああ、ヨンゴンはこの時(お父さんを殺めた時)きっと射精しちゃったんだろうなー」と思ったのですよ。 というかむしろ、していて欲しいと。 なんだったら、その時がヨンゴンくんの精通であってもいいんじゃないかというぐらいに。

・ まぁ、そうなってしまうと今度はヨンゴンの「純潔」が成り立たないので、もうしょうがないのかなぁ・・と思うしかないのですけども。 というか、そもそもそこまで繋がりを考えなくてもいいのかなぁ・・なんつって思わなくもなかったりなんかして!

・ ともかく、モニカさんへの行為があまりに唐突で、尚且つ酷く、ヨンゴンくんの中の「正義」もいまひとつしっくりこなかったことから、観終わったあと苦虫を噛み潰したような顔になってしまったアガサだったのでした。 

・ 「おもしろいことやったるで!」という勢いはビュンビュンに感じられましたし、陰惨さとコミカルさのまざり具合に熱狂された方も多いと思いますよ。 あくまでわたしにははまらなかったというだけです。

・ なんでも、本作は超低予算映画だったそうで、制作費はたったの35万円とのこと。 なるほど、それでヨンゴン役の俳優さんが何世代もの役をひとりで演じていたのですね。 創意工夫の末の選択だったのかもしれませんが、「因果応報」というか「輪廻転生」というかネバーエンディングストーリーな内容に説得力を与える、ナイスなキャスティングだったと思います。 あと、やっぱり映画の出来はおぜぜのかけ方で決まるのではないのだなぁ・・ということも痛感しました。 映画製作を夢見る若者に、大いに勇気と希望を与えてくれる作品だったのではないでしょうか。

・ あと、とりあえず「エイリアン・ビキニ」のくせにビキニじゃないという事だけは、声を大にして糾弾してゆきたいですよね、ぼかぁ。 ブラと謎リボンがついたパンツのコンビネーションは、ビキニとちゃうのよ! ビキニっつうのはね、もっとこう、ロマンと夢がと遊び心がつまってるもんなのよ! わかっておくれよ!


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