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『The 有頂天ホテル』

2006年09月07日
あらすじ
高級ホテル・アバンティは、お客様第一の誠実な接客で人気のホテル。
大晦日のその日も、大勢の客でごった返していました。
汚職事件発覚で、マスコミから身を隠している若き政治家。
お正月公演を控えて、ナーバスになっている大物歌手。
ホテルでの授賞式に備えてピリピリしている、とある学者(とその妻)。
年の瀬も客獲りに余念が無い、コールガール。
年越しパーティに出演する為にやって来た芸人たち。

そして、そんな訳ありな客たちを迎えるのは、
舞台監督の夢を捨てホテルマンに転身した、やり手の副支配人。
お人よし(で能なし)の総支配人。
副支配人に仕事を任せっきりで、自分はイイトコどりの支配人。
歌手の夢を捨て、田舎に帰る決心をしたベルボーイ。
どこか冷めた所があるシングルマザーの客室係。

次から次に起こるトラブルと、思わぬ再会から始まる混乱の一夜。
ホテルは無事に、元旦を迎えることが出来るのでしょうか?



何を隠そう、私は三谷幸喜作品の大ファンです。
初めて舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』を観た時から、すっかり三谷作品の虜になり、映画やドラマも欠かさず観ています。
都会まで、お芝居を観に行く事は出来ませんが、私の命綱・WOWOW様のお陰で、最新作も観る事が出来て幸せ一杯夢一杯です。

で、そんなファンの私から観て、 『The 有頂天ホテル』 の出来はどうだったのか?
正直 今ひとつだったのでした。

三谷作品の(いや、シュチュエーション・コメディの)黄金パターンである、トラブルの連鎖とそれらが一気に解決に導かれる事のカタルシスが、どうにも中途半端。
この作品の大きな売りだったのが、その豪華な俳優陣だったのですが、豪華すぎて、いまいちまとまりが無いのです。

例えて言うなら、お正月にデパ地下で売り出される、5万円のおせち。
“キャビア”だの“フォアグラ”だの“鴨のなんとか”だのと、1品1品は豪華極まりないのですが、何故かしょぼさが否めない。
5万円もしたのに。
・・・そんな感じとでも言いましょうか。

役所広司・佐藤浩市・松たか子・香取慎吾・津川雅彦・西田敏行・オダギリジョー・篠原涼子・唐沢寿明・生瀬勝久・浅野和之・川平慈英・梶原善・近藤芳正などなどなど、三谷幸喜が過去に仕事をした役者さんを、総動員したかのような惜しみない配役だったのですが、むしろもうちょっと惜しんだ方が良かったのかもしれません。

公開時に、三谷幸喜がくどいくらい引き合いに出していた 『グランド・ホテル』 が、当時の超一流スタア達をバランス良くまとめて、尚且つ素晴らしいドラマを紡ぎ上げていたのに対して、『有頂天ホテル』がどこまで成功したのか微妙なところです。

豪華な役者を揃え過ぎて、そのエピソードがどれも中途半端に終わってしまったのではないでしょうか。
中でも、大物歌手(西田敏行)のエピソードは一番消化不良です。
“公演前でナーバスになっている大物歌手”という設定と、活き活きとハメを外す西田敏行は面白いのですが、最後に向かってそれが活きてこない。
本当に必要だったのか?西田敏行。
何人か登場人物を減らせば、もっと面白くなったような気がします。
もしくは、連続ドラマにして毎回一人に焦点を当てるとか・・・。

同じく大勢の登場人物で、クドクドとエピソードを展開させたせいで、3時間半もの大作になった 『オケピ!』(三谷幸喜作のミュージカル)も、観ている最中は「大丈夫なのか・・・?これ・・」と、観ていて何度も挫けそうになりましたが、最後は見事に着地を決めており、三谷幸喜の底力を感じました。

そんな『オケピ!』と、一体何が違ったのでしょうか?
豪華キャストを揃えて、本当に有頂天になってしまったのでしょうか?
それとも才能に翳りが見えはじめたのでしょうか?

惜しい。
惜しいなぁ。
もっと面白くなるべき映画だったように思います。

個人的には、胡散臭い男を演じさせたら日本一・池田成志が、踊るバンマス役で相変わらずの胡散臭さをめいっぱい振り撒いていたのがツボでした。
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