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『アウトロー』

2013年02月01日
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あらすじ・・・
場所はピッツバーグ近郊。 川沿いの遊歩道。 穏やかな日常を6発の銃弾が切り裂いた。
5人の死者を出した白昼の惨劇。 
監視カメラの映像や現場に残された薬莢などから、容疑者はすぐに割り出され、身柄を拘束される事に。
揃いすぎた証拠品に事件の早期解決を確信した刑事は、自白供述書へのサインを促す。
しかし、容疑者は自分の名前をサインするかわりに、無言のままひとつのメッセージを書いた。
その内容は、「ジャック・リーチャーを呼んでくれ」。 


と、いうわけで、ぼくらのトム・・・じゃなかったジャック・リーチャーさんがやってきます!路線バスで!

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(文字通りの意味で)(バスで来た。)

イギリス人作家リー・チャイルドさんによる世界的ベストセラー小説「ジャック・リーチャー」シリーズが、満を持しての映画化。
頭脳明晰で、腕っ節が強く、曲がった事がだいきらいな元陸軍エリート捜査官を演じるのは、誰あろうトム・クルーズさんです。
代表シリーズ『ミッソンインポッシブル』とは一味違う、「アウトロー」なヒーロー。
そう、我々は今(トム史上)例を見ないような非常に「男くさい」ヒーローの誕生に立ち会おうとしているのです!
まさに歴史の生き証人! さあ!今すぐ劇場へ!


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(いい意味で変わり身の早いトム。)

軍を退役してからというもの、流浪の生活を送っているトム。
組織には属さず、携帯も持たず、クレジットカードも作らず、定職にもつかないで平日の昼間からゴロゴロしています。  ・・・いや・・えっと・・そういうんじゃなくてね、あのね、決してスーパーニートとかそういうんじゃないんですけどね、アレ・・なんでだろ・・何だかすっごい不安になってきちゃった・・・ごめん、ゴロゴロは想像!オレの想像!
基本的に荷物も持たない為、別の土地に移動するたび衣服一式を買い揃え、前の服はそのままゴミ箱へ直行。
夜寝る前に肌シャツを洗って干しておかないと、たちまち次の日がアウトになるという、緊迫感溢れる毎日です。
さすがアウトロー! 男くさい! パンツは洗ってなかったようなので、色んな意味で男くさい!

そんなトムと容疑者との関係はというと、何を隠そう、どちらも陸軍に所属していた間柄。
容疑者がイラクに駐在中に起こした連続発砲事件を担当したのが、当時憲兵として軍隊内の事件をせっせと捜査していたトムだったという訳なのです。
証拠ひとつも残す事なく、完全犯罪と思われた事件。 それをズバっと解決したトム。
トムなら・・・ (オレたちの)トムならきっと、コトの真相を突き止めてくれるはず・・・
そんな一縷の望みを込めて、最強ヒーロー・トムを召喚した容疑者。
かくして、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンと路線バスで駆けつけたトムの、トムによる、トムファンのためのトム祭り、いざ、開幕です! 
さあ、ファンのあなたは今すぐ劇場へ!


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(巣穴から顔を覗かせるトム&デュヴァル。)

映画の冒頭、冷血な狙撃犯の顔が、いともあっけなくスクリーンに映し出されます。
刑事コロンボ方式の導入部に驚く観客。
淡々と描かれる「無差別発砲」と、迅速な捜査によって割り出された容疑者の身元。
しかし、カメラが容疑者の顔をとらえた時、そこにあったのは一度も見た事のない別の顔。
警察の誤認逮捕が観客だけに知らされたこの瞬間の、たとえようもない高揚感。
すばらしいオープニングであると共に、今後の展開と、てくてくやってくるであろうトムへの期待で、胸がAカップマイナスからDカップぐらいに膨らみました。(※当社比)

監督と脚色を手がけたのは、『ユージュアル・サスペクツ』の脚本で世界を熱狂させたクリストファー・マッカリーさん。
無駄なセリフを排し、色んな事を(トムに)目で語らせるというスマートな演出で、落ち着いた大人な世界を作り上げていたと思います。
そう、130分という上映時間は決して無駄に長い訳ではないのです。
ファーストフードのようなお手軽な食事ではなく、長期熟成したお酒でもたしなみながらゆっくりとあじわう老舗の味のような映画。
もちろん、ファーストフードもおいしいですし、わたしはだいすきなのですが、地道な捜査をユーモアをまじえながら地道に描いてゆく本作も、なかなかどうしておもしろかったですよ。

大雑把にまとめてしまえば
「容疑者の無実をトムが晴らす」
という、ただそれだけのシンプルなお話なのですが、その大きな流れに絡めて、犠牲者の背景、遺族の葛藤、クズみたいな仲間とつるむしかない女の子、イラクで罪を犯してしまった容疑者の心の病みなどなど、細かなエピソードが紡がれており、そのどれもが物語に深みを与え、今思い返しても無駄なシーンなどひとつもなかったように思います。
もちろん、その中心で燦然と輝くトムの「まかせときんしゃい!」という笑顔なくしては、成り立たない作品だった事は言うまでもないのですけどね。

なんというか、実を言うと昔(20年位前)はトムの事、いけすかないニヤケ野郎ぐらいにしか思っていなかった私なのですけども。
年を重ねるごとに輝きを増す(テカってるとかそういう意味じゃなく)(そういう意味もゼロではないけれど)(だってそういう年齢ですし)トムのほほえみ。
観ているだけで「がんばれー!」と応援したくなってしまうのですよね・・テヘヘ・・。
トムを前に湧き上がってくる、この多幸感。 
もはや、トムがサイエントロジーなのではなく、サイエントロジーがトムなんじゃないかという気すらしてきました。
あの、ここあまり深く追求しないでください。

今回のトムは、決して超人ではありません。 イーサン・ハントのように裏をかく名人でもない。
荒くれ者と格闘している最中、背後に立たれてポカン✩なんて事も日常茶飯事です。(茶飯事ってコトはないか)
ただ、彼にあるのは軍人としてのすぐれた身体能力と、抜きん出た洞察力のみ。
そのふたつを武器に、いかにも頼りなさそうな女弁護士が抱えるヤマを片付けてゆく、その手際の鮮やかな事といったらね! ダイレクトに告白します!オレ、トムの事だいすきです!
あと、超人ではないのですが、やっぱ女こどもはトムと視線を合わせるだけで目がハートになりますよね! なぜなら彼はもう、超人とか特技とか、そういうレベルを超えてしまっているのだから!
法に縛られず、余計なしがらみも捨て、自分が信じる正義をもって困っている人を助けてゆくトムの新たな大冒険。
これはもう、おおきなスクリーンで観るしかない! 迷っているあなたも今すぐ劇場へ!


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(続くかどうかはあなた次第!)

お尻がビリビリするような重低音とともに繰り広げられる、大迫力のカーチェイスシーン。
名優ロバート・デュヴァルさんとトムのダブルきゃわわシーン。
いたって真面目なストーリー。
その長さも含めて、アガサは大満足でした。
聞くところによると、本国では微妙なヒット具合だったらしいので、鑑賞を迷っていらっしゃる方はぜひ劇場に足を運んでいただければと。
そしたらまた、トムが「まかせときんしゃい!」っつってバスにのってやって来てくれる・・かもよ!




― 追記 ―(※ネタバレあり)

・ とにかく全編ぶっとおしで「トムきゃわわ祭り」だった訳なのですが、サバンナの岩陰からひょこっと顔をのぞかせるミーアキャットのように「やっほーきたよー」と現れるデュヴァルさんが、これまた超きゃわわでしたね。 ふたりで敵陣へと乗り込むくだりは、胸アツというより萌え転がるといった印象で、じぶんちの茶の間だったら座布団抱えてジタジタしていたと思われます。

・ そんな中、今回のマイ・フェイバリット・トムは「射撃の準備をすればいいだけなのに、なぜか銃を抱えてゴロゴローってするトム」です。 その動きいらんやろ。 だが、そこがいい。

・ 罪を着せられ、警察隊から逃げ惑うトムが、車を乗り捨てシレーっとした顔でバスに並ぶシーンもさいこうでした。 謎の一体感イイネ!「おまわりさんに対する苦手意識」は万国共通!

・ 黒幕を演じていた不気味な俳優さんが、実はドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォークさんだったとはね! 『ノスフェラトゥ』と『バッド・ルーテナント』くらいしか観た事はないのですが、まさかこんなメジャー系の映画に俳優さんとして出演されるとは・・・。 ええもん魅せてもらいました!

・ その黒幕、「めちゃくちゃおっかない人」として紹介されていたものの、いや、たしかにおっかないのですけど、結局どうして刑事がヘルツォークさんの言いなりになっていたのかよくわかりませんでした。 けれど、最後に中の人がヘルツォークさんだった事を知り、「じゃ、しょうがないか!」となんとなく納得しましたね! もうここは、納得した方がいい!そんな気がする!

・ 関節を弱い方向から攻めれば敵は大ダメージを受ける。 アガサおぼえた!

・ すべて終わったエンディング前。 別の土地へとバスで移動するトムが、車内での揉め事に首をつっこもうと立ち上がる姿を観ていて、なんとも言えない安心感に包まれました。 なんだろう、なんかね、もうずっと観ていたいんですよね、トムを。

・ という訳で、もしも映画の続編が作られないようでしたら、ぜひ日本独自の展開としてトムにオファーし、水曜日の夜9時くらいの枠で『はぐれトム純情派』みたいな連続ドラマを企画してみてはいかがでしょうか。 毎週人助けするトム。 1時間くらいでサックリと。 ほんでまた、次の土地へ・・・バスで・・・。 恋バナもあるでよ!



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