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『ダークナイト ライジング』

2012年07月28日
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「伝説が、壮絶に、終わる。」

あらすじ・・・
強敵ジョーカーと死闘を繰り広げ、堕ちた英雄ハービー・デントにすったもんだの末引導を渡したのち、すべての罪を背負い、長期休暇という名の自粛モードに突入してしまったバットマン。
マスクをタンスの奥にしまい込んだ彼は、ロングなバケーションを一体どのようにして過ごしていたのか。
自警活動はともかく、会社とか、社会的な付き合いとか、もろもろありますよね?

・・・とおもっていたら、ひきこもっていました! まあね!お金はありますもんね!


きっかけは、犯罪者に殺された両親の敵を討つため。
途中からは、犯罪者全般から生まれ育った街を守るため。
「正義」と「自己満足」の合間で心揺れ動かされながらも、恐怖に抗い、人々に「悪に屈しない」というメッセージを送ってきた男、バットマン。
前作『ダークナイト』のクライマックスで、「光」を輝かせるため自ら「闇」になる事を選んだ彼が、ふたたび窮地に立たされたゴッサムシティに舞い戻り、これまでにない程の絶望に堕ちてゆく様を描いた『ダークナイト ライジング』を観てきましたよ。

バットマンが「わるもん」の役を引き受けたお陰で、「いいもん」のシンボルとなったハービー・デントは8年もの間人々に希望を与え続け、その名を冠した「デント法」によって数千人もの犯罪者が捕らえらました。
「悪」は抑えられたと思っていた。 
しかし、そうではなかった。
自分たちを「正義」と信じる者たちによる「裁き」が、非情にも行われようとしていた。
その匂いをひょんな事から嗅ぎつけ、
「そっかぁ・・じゃあ戻らなきゃなぁ・・・いや、そんなに戻りたかった訳じゃないけどね・・」
とばかりに、いそいそとバットスーツを取り出すブルース・ウェインの頭に、白いのもが混じっているのを観た瞬間、「待ってました!」とばかりに諸手を挙げて喜んでいいものか、複雑な気持ちになってしまいました。
8年もの長い期間は、ブルースさんにとっての「バットマン」をどう変えていったのか?
肉体的な面だけではなく、精神的な面でも、若かった頃と同じように「正義」を貫き通す事が出来るのか?

もしかしたら今までのブルースさんにとって「正義」とは、死ぬまでのヒマつぶしだったのかもしれない。
死を恐れないのは勇敢なのでも高潔なのでもなく、ジョーカーと同じように「一番怖いこと=死」ではないというだけの事だったのかもしれない。
では一番怖かったは何なのか。
アガサは、「誰からも必要とされない」事だったのではないか、と思いました。
そして今回、お金や強靭なスーツで常に自分を保護してきたブルースさんはそれらを失い、はじめて「無力な人間」として苦痛を味わう事となった。
死ぬことは恐ろしい。 
だからみんなを死なせたくない。
誰に望まれたからでもなく、ただ純粋に、死の恐怖におののく人々を救いたいと願った時、ブルースさんは本当の「正義」を見つけられたのではないでしょうか。
怒りのはけ口でも、自己愛を満たすためでもない、ひたむきな「正義」を。

ノーラン監督による本シリーズはこれにて完結という事ですが、その言葉を裏打ちするかのように、過去2作の登場人物や届けられなかった手紙、運命を変えた瞬間などがタペストリーのように織り込まれ、最終章にふさわしい、見応えたっぷりな大団円となっていたと思います。
正直言うと、不満な点も少なからずありました。
しかし、過去2作に足りなかった「ブルース・ウェインの成長」が最もきちんと描かれており、ファンにとってははたまらなく「いとおしい」ラストも含めて、とても素晴らしい「バットマン」だったのではないでしょうか。

あと、これから鑑賞される方は、出来れば『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』を再見される事をおすすめします。
観ていないと置いてけぼり、なんて事はありませんが、観ておくほうがきっと隅々まで堪能出来ると思いますよ!

なにはともあれ、お帰りなさいバットマン! 我らが光り輝く闇の騎士よ!



(※ 以下ネタバレしますので追記に続きます。 鑑賞後の方は「続きを読む」からどうぞ)













「伝説が、壮絶に、おわ・・お・・ えっとえっと、終わらなかったヨ!!」

【ブルースさんについて】
・ 「デント法」ってどんななの?! 結構攻めてる内容らしいけど、どんななの?!おせーてノーランさん!

・ 「ひきこもり生活を送っていたブルースさんがいかに現場復帰するか?」というのが今回のミソだったと思うのですが、なんかわからんうちに復帰してた! ていうかいつだってやる気まんまんだった!こわい!この人こわい!

・ 虎の穴(通称)って、ゴッサムシティの外にあるのかと思ってたんだけど、厳戒態勢の中さっくり帰ってきたってコトは、シティの中にあったんでしょうね! じゃなかったら無理ですよね!河凍ってるし!

・ ブルースさんがバットマンを、「悪の為に存在させているのではなく、自分のなんらかの捌け口の為に存在させている」のだという事を危惧するアルフレッドを見ていて、「ははーん、め組の大吾のアレやな!」と思ってしまったのはナイショ!

・ 裸一貫からやり直す今回のブルースさんは今までで一番好感が持てたものの、もともとの印象があまりよくないのでプラマイゼロくらいな感じですよ。 

【アルフレッドさんについて】
・ とにかくね、ブルースさんにはアルフレッドさんに冷たくするとかおまえはアホか!と言いたい。 唯一の家族じゃないですか。 一番ブルースさんの身を案じてくれている人じゃないですか。 今までなんど「ぼくを見捨てない?」と聞かれても「NEVER」と答えていたアルフレッドが、最後の切り札として「コスプレにうつつを抜かして正義づらしてないで現実を生きましょうよ。でないと出ていきますよ」と申し出た裏に、どれだけの眠れぬ夜があったか・・・!ばーか!ブルースばーか!

・ 物語の進行上、アルフレッドさんが出ずっぱりでは困るというのはわかりますが、途中から気配すら感じさせなくなってしまった点は非常に不満です。 あんな風に啖呵を切って出て行っても、アルフレッドさんの事だからきっと、ネットとかでブルースの動向を見守ってたと思うんだ。 完全に放っておく訳ないよ。 そうよそうよ、わしらそう思うよ。

・ ブルースは自己犠牲の精神を発揮し、バット(飛行メカ)に乗り込み核融合炉と共に自爆してしまう。そして、残されたアルフレッドはひとり、お墓の前で号泣します。大切なブルースを守るつもりが見捨ててしまった事を悔やみ、魂の抜けたような顔で。 でも、実はブルースはとっくの昔にバットの自動操縦機能を完成させており、つまり、最初から自爆するつもりなんてなかったのですよね。 まったく、やらしい男だぜ! かえせ!アルフレッドさんの涙をかえせ!!

・ お願いだから、今後はアルフレッドさんに心配かけないように自警活動がんばってほしい。 というか、このさい思い切って世代交代しちゃうってのもアリなんじゃないか。

【ジョゼフ・ゴードン=レヴィットさんについて】
・ もう役名じゃなく中の人の名前で言っちゃいますけど、だいすき!ジョゼフさんだいすき!つべこべ言わずにけっこんしてくれ!!

・ 虎の穴に放り込まれたブルースさんが暫くもっちゃりもっちゃりしている間、誰が活躍するかっつったらもうジョゼフさんしか居ない訳ですよ!

・ むしろ、途中らへんから「このままジョゼフさんが主役っていう流れでもオレは構わないぜ・・・」 って思った。そこそこ本気で思った。すまんかった。

・ 幼い頃両親を亡くし、仇である犯罪者に対する怒りを「ただしい正義」を行う事で消化させようとしたジョゼフさん。 ブルースと似た過去を持っているけれど、そのベクトルはとてもまっとう。やはりお金は人を狂わせるのかねぇ・・。(ブルースさんもお金持ちじゃなかったらバットマンにはなれなかっただろうから)

・ 細かな心の動きを繊細な表情で的確に表現するジョゼフさんの力なしでは、「正義を貫くとは」という本作のキモの部分は成立しなかったと思います。 という訳で、けっこんしてくれ!!

【ベインさんについて】
・ いかついのは愛する人を守る為。 非情なのも愛する人の願いを叶える為。 バットマンに厳しいのは愛する人を寝取った為。(たぶん)  ・・なんだよ!かわいいじゃんかよベインさん!

・ 愛に生き、愛に死んだベインさん、かわいそう!!

・ 口元を覆い見えているのは目元だけ、というビジュアルが、あまりにも出オチくさいというか、最初のインパクトがあとあとまで続いてくれるのか心配だったのですが、さすがは中の人がトム・ハーディさんなだけあって、知性のきらめきや感情の機微を、目の動きだけでつぶさに物語ってくれていました。 北斗の拳に出てくる人みたいって思っちゃってごめん!足りないのはモヒカンだけだなーとか思っちゃってごめん!

【マリオン・コティヤールさんについて】
・ またおっかないひとの役だったよ!(インセプションの奥さん役につづき)

・ ウェイン社の役員として、はたまたフォックスさんからの信頼厚い投資家として、新エネルギーの開発に積極的だったマリオンさん(※役名ミランダさん)。 ゴッサムシティがベイン一味に支配され、富裕層がびんぼう人にひんむかれるという殺伐とした生活の中、何故かきれいな縦巻きカールを維持していておかしいなーと思ったら、1作目に悪の頭領として登場したラーズ・アル・グールの娘さんだったという。 つまり、ケン・ワタナベのお嬢さんだったのですか!

・ なんてことある訳はなく、本当のラーズ・アル・グールことリーアム・ニーソンさんの娘さんだったのでした。 

・ ケン・ワタナベの存在はすべてなかったことに・・・まあね・・まあただのつかえない坊主でしたし・・・

・ 重要な役である事に間違いはないのですが、いかんせんもうひとりの女性キャストがアンさんなので、モンゴル相撲みたいな衣装着てホーッホッホ!ってやるくらいしかありませんでした。 いや、いい役でしたけどね!

【キャットウーマンについて】
・ バットポッドにまたがって市内を颯爽と駆け抜ける姿がたまらんよ!

・ とにかくさいこう! セクシーで知的で強くで脆くてしりがプリっとしていて完璧じゃないか!なあ母さん!

・ まあね、最初にキャットウーマンのビジュアルが流れた時は、「え・・・」と思いましたよ。「露出・・少なくね?」とね。 「いやいやまてよ、これはあくまで第一報だ。きっとここから闘いを経て、壮絶に乱れた格好になってくれるに違いない」みたいなね、あわよくば的な考えも浮かびましたよ。 で、結局このまんまの格好でしたけどね! ノーランーきさまぁぁぁぁ!! 

・ ぼくは言いたいのだがね、せっかくしりを突き出してまたがっているというに、なぜそのしりを、ねっとりとしたカメラワークで映し出さないのか。 そこはほら、変質者みたいなカメラで映すべきじゃないのかね。タランティーノまでいかなくとも、せめてマイコー・ベイくらいのこだわりがあって然るべきじゃないのかね。 どうなのかねノーランくん。

・ 虐げられた生活、無残に踏みにじられた人生への落とし前を、九つの命と共に晴らそうとするバートン版キャットウーマンのイメージがアガサの中には強く残っていたので、いきなり「女泥棒」として登場したセリーナ・カイルに戸惑ってしまいましたが、彼女がどんな宝石や金品よりも手に入れたかったものの正体が明らかとなった時、その大胆不敵な笑顔の影でどれだけの苦い涙がこぼされてきたのかが見えたような気がして、バットマンのパートナーとしてこれ以上の女性はいない、というか、うちで一緒に暮らさないか。 と強く思ってしまったのでした。

【その他の事柄について】
・ Dr.クレインことキリアン・マーフィさんも、ラーズ・アル・グールことリーアムさんも、ブルース・ウェインのおとうさんも、トゥー・フェイスさんも、若い頃のゴードンさんもみーんな出てきていかにも最後っぽい!イイネ! でも、ケン・ワタナベは出ない・・・まあね・・マアネ・・

・ 過去2作では、「大丈夫じゃない状況で、愛するものに大丈夫と呼びかける」というシーンが、それぞれ需要な意味を持って登場していました。 今回もまた、裏主役とも言えるジョゼフさんが絶望の中で子どもたちに「大丈夫だよ」と優しく語りかけるシーンがあり、それがジョゼフさんの「正義」に対する考え方を大きく変えるターニングポイントとなっており、おもしろいなぁ、と思いました。 ただ、なぜブルースじゃなかったんだろう・・とも思いましたけども。

・ 前回燃やしたレイチェルさんの手紙についてもきちんとストーリーに絡ませていてよかったです。 まあそのせいでアルフレッドさんがクビになっちゃんですけどね!

・ 結局「ゴッサム市民」にとって「バットマン」はどのような存在だったのだろう、というのが、アガサには今ひとつわかりづらかったです。 尊敬するデントさんを殺したにっくき犯人。という割には復帰した際に叩きまくっている雰囲気ではなかったですし。(警官は追い回していましたが)

・ ひた隠しにしてきた、その「デントさん死亡」に関する真実が、ゴードンさんのうっかりミスからベインの手に渡り、市民に公表された時。 おまわりさんのトップであるゴードンさんの裏切りと、おぞましい殺人者と思っていたバットマンの本当の顔を知った市民は当然困惑したと思います。 どこまで人を信じていいか、わからなくなってしまったのではないでしょうか。 ただ、そのへんのくだりが全く描かれていないので、「いつから市民はバットマンを許していたのか」みたいな感情が伝わってこなかったのですよね。 

・ バットマンに空白の8年を作らせる事になった、とても重大な事柄だと思うのですが、ゴードンさんとジョゼフさんの「正義論」を展開させる為だけに使われたみたいで、ちょっとモヤっとしました。

・ あと、ベインとマリオンさんが地獄の苦しみを味わった監獄(通称虎の穴)が、あんまり居心地悪そうじゃなかったのもね・・ ブルースのお世話してくれる人もやさしかったですし・・。 みんなお揃いでデニム地の作務衣みたいなの着てて、一致団結して、ご飯の心配もなさそうだし、修行出来るし、ちょっとベインさん!もしかしたらこれ、お仕置きになってないかもですよ!

・ きれいに終わったはずなのに猛烈に続きが観たくなる、という点で、とても『ビギンズ』に似た印象を受けました。『ダークナイト』の時は、「ああもうこれで終わりでいいや」と思ってしまったので。

・ 色々書きましたが、最後にロビンが出てきた時点で全部ふっとんだから最高傑作でいいです! あと、続きはよくれ!たのむ!!

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