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『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』

2012年07月12日
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あらすじ・・・
今日は(見えない)お友達を呼んでパーティするよ!カモンジョイナス!



(※以下ネタバレしていますが、予備知識なしで観るほうがぜったいに面白いので、未見の方や観る予定がある方は鑑賞後に読んでいただく事をおすすめします)

・ なまいき盛りのジョンが銀行を襲いました。怪我しました。逃げました。すぐに身元が割れて指名手配されました。その辺にあった車をパクって郊外の閑静な住宅街にやってきました。

・ ジョンは怪我した足をなんとかしたいのと、ちょっくら休憩したくてたまりません。だって朝から重労働して疲れたから。 そんな時、たまたま目の前にあったおうちのガラス窓に「うちはエホバの証人に入ってますよ!」というシールを見かけたジョンは、ためらうことなく「こんちはーオレもエホバの証人に入ってるんスけど、仲間ってことでちょっと休ませてもらます?」とピンポン攻撃。

・ でも、「あら?クロスをつけてないわね?」「あーえーっと、そ、そうなんスよーちょっと盗られちゃって」「ダウト!エホバの証人は偶像崇拝を禁じています!」とあっさり嘘を見破られてしまいます。

・ 甘ぇー。 ジョン詰めが甘ぇー。

・ そして、そんなジョンの甘さがとんでもないスリリングな経験をもたらす事に・・・。

・ (その後、またもや浅はかな嘘をついてよそのおうちに上がり込む)ジョンの事はさておき、本作の主役はあくまで、愚かなジョンをもてなす豪邸の主・ウォーウィックさんに尽きるのであります。

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( え え か お ! )

・ ちりひとつ落ちていないしょうしゃな室内。こだわりの詰まった装飾品。オーブンから漂ってくる、アヒルの丸焼きの香ばしい匂い。 「ぼくね、あなたのおうちの“ジェーン”さんと友達なんですけどね、ちょっとお邪魔してもいいですか?」といういかにも嘘くさいジョンの小芝居にも嫌な顔ひとつせず丁重に接客するウォーウィックさん。 ちょっとあなた、いいひと過ぎやしないですか?! 騙されてますよ! そいつ危険なやつですよ!

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(ほらほら、言わんこっちゃない!)

・ ウォーウォックさんの懇切丁寧なもてなしに調子こいたジョンは、赤ワインをかぶ飲みし、「このあと友達がきてディナーパーティするんだけど、なんだったら一緒にどうですか?」というお誘いまで「じゃ、お言葉に甘えて・・」と乗り気になるものの、そのお友達の中に現役検事さんがいる事を知ると「万事休す!」とばかりに豹変。 台所にあった包丁を片手に「今すぐパーティを中止しろ!」とウォーウィックさんを恫喝します。 かわいそうなウォーウィックさん!

・ 「オレはよー!ムショ帰りなんだよ!ちょうえきだって怖くねえんだよ!」と威張り散らし、ピッカピカに磨き上げられたウォーウォックさんちのダイニング床にタバコの灰や(怪我している足から)血をこぼしまくる無法者のジョン。 か弱い中年のウォーウォックさんに打つ手はあるのか?!

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(ふえっ・・・ふええっ・・  って泣くと思った? 残念!全部“おもてなし”の一環でした!)

・ 浴びるように飲んでいた赤ワインの中に一服盛られていた、ということにジョンが気づいた頃、パーティは既に最高潮を迎えていました。 「どうだいルパート、このアヒルは?」「・・・」「そうだろそうだろ、ああ、モニカ、ワインのおかわりは?」「・・・」「オーケイ、ちょっとまってつかあさい!」 楽しそうに食卓を囲むウォーウォックさんと愉快な仲間達・・・ ま、ジョンには見えないんだけどな!

・ 実はウォーウォックさんには、ウォーウォックさんの世界にだけ存在するお友達がいるのです。ひとはそれを、「心の病」と呼びます。 でも、ウォーウォックさんは信頼出来る友達に囲まれしあわせそうです。 ということで、ジョンが手足を拘束されてからは、ずっとウォーウォックさんのターン!

・ どんどん盛り上がるパーティ。 4人だったゲストは徐々に増え、深夜を迎えることには数十人ものお友達がダンスを踊っておおはしゃぎ。 今夜パーティを計画してよかった・・・みんなが楽しんでくれたみたいでよかった・・・ホントよかったね、ウォーウォックさん・・・ま、ジョンには見えないんだけどな!

・ ジョンがウォーウォックさんのおうちを訪ねるきっかけとなったのは、家の前のポストから拝借したポストカード。そこに書かれていた「オーストラリアに滞在中のジェーン」の名前を勝手に使う事で、家主(ウォーウォックさん)を騙せた気まんまんでいた訳なのですが、実はそのジェーンも、ウォーウォックさんの脳内家族なのでありまして。 つまり、ジョンは「存在しない人」の友人を語ってお宅訪問していた、と。最初から勝ち目のない戦いだったのじゃよ・・・

・ しかし、ウォーウォックさんにとっては、ジェーンも「存在する人」なのです。ウォーウォックさんはジョンの嘘を見破っていたのではなく、ジェーンの友達として正式にもてなす気だったのですよね。 この辺の、「本人はしごく真面目にやっている」感じが、観ている私の心を強く揺り動かしました。 「みんなーパーティにきてくれてありがとう!」と脳内友達のわき腹をツンツンしてキャハハウフフすればするほど、ウォーウォックさんの孤独がバシバシ伝わってくるのです。 「この世界」が無くては、ウォーウォックさんは生きてゆけない人なのだろう。いや、ウォーウォックさんにとっては、「この世界」こそが本物なのかもしれない。 こっそり脳内友達を従えて現実世界を闊歩するウォーウォックさんの姿に、なんだか心がシクシク痛みました。 

・ そして、そんな安っぽい同情を寄せ付けないほど弾けまくっているウォーウォックさんの完璧なホストっぷり! とにかくウォーウォックさんが嬉しそうならそれでいい! 「金が無いなら強盗すればいい」みたいな安直な生き方のジョンなんて、もうこの際どうでもいい! ウォーウォックさんの未来に幸あれ!!

・ 舞台劇みたいな「ウォーウォック邸での一夜」を経て、物語は外の世界へと続きます。 この「延々続くおまけ」みたいな終盤のくだりは、そこに至るまでのじっとりとした不安な感じが消え、よくあるクライムサスペンスに落ち着いてしまっていて、なんだかもったいないなぁ・・と思いました。 おうちの中だけで終わらせられると、もっと面白かったのではないでしょうか。

・ 心は病んでいるけど、一本筋の通ったウォーウォックさんの七変化が楽しい一品でしたよ。 借りようか借りまいか迷っていたんだけど、丁度WOWOWでやってくれてよかった!ありがとう和崎社長!(WOWOWの社長) あと、余談だけど、3チャンネル製になってからのWOWOWはホントいい仕事っぷりだと思います!

・ ウォーウォックさんはハイター博士(ムカデ人間)といい友だちになれるんじゃないかなぁ・・と思いました。 ほら、どっちもお世話好きだし!

・ ローラちゃん一家(ラブド・ワンズ)とも仲良くなれそうな予感・・・。 ほら、どっちも「想い出アルバム」作るの好きだし!



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