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『リング0 バースデイ』

2012年05月11日
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あらすじ・・・
・ 昭和40年代の伊豆大島。 とある小学校を訪れた記者・田中好子は、一人の女性教師から彼女が10数年前に受け持っていた生徒についての奇っ怪な逸話を聞く。 生徒の名前は山村貞子。 「伊豆大島に志津子あり」と謳われた伝説の超能力者・山村志津子の一人娘にして、のちに「呪いのビデオ」を生産し現代人を恐怖のるつぼに叩き込む事になる、最強のサイキック・貞子です。
・ 実は、ランちゃんミキちゃんで言うところのスーちゃんこと田中好子は、愛する婚約者が「山村志津子の千里眼を検証する会」の最中不審な死を遂げて以来、その原因は貞子にあるに違いない、と断定して独自の調査を進めていたのです。
・ その頃、渦中のひと貞子はというと、東京の小劇団で研修生をしていました。

・ 舞台稽古中の看板女優をじっとりと見つめる貞子。
・ よりにもよって、舞台のど真ん中に腰を据え、看板女優の演技を凝視する貞子。
・ やりづれー。
・ 稽古後、貞子の粘着っぷりを愚痴っていた看板女優は、他の団員と話をしているうちに奇妙な事に気付いてしまいます。 どうやらほとんどの劇団員が、貞子が入団して以来「ふちの欠けた井戸が出てくるおっかない夢」を見ているらしいのです。
・ 「アイツなんかおかしいんじゃね・・・」と危機感を募らせる看板女優。
・ しかし、そんな彼女は公演初日を控えたある日突然死してしまうのでした。
・ 演出家の一存により、代役として大抜擢される貞子。
・ 劇団に吹き荒れる、ねたみそねみひがみの嵐・・!
・ そんな中、ただ一人貞子に好意的な態度をみせる、音響担当の田辺誠一。
・ 親切な田辺誠一に対し、「わたし・・なぜだか時々記憶がなくなっちゃうんです・・・」と胸襟を開いているうちに、なぜか朝チュンしていた貞子。
・ ホントになぜなんだか全くわからない。(そこまでの流れが)
・ すっかり彼氏気分の田辺誠一。
・ おもしろくないのは、そんな田辺誠一と友達以上恋人未満な関係だった劇団員・麻生久美子。 いやまあ確かに彼氏ではなかったけども。 ほら、微妙なニュアンスみたいなものがあるじゃないですか。 「これはイケるな!」みたいなのがさぁ・・・。

・ 色々な思惑が蠢くなか、貞子の居場所を嗅ぎつけたスーちゃんが、新作公演の取材という名目で劇団を直撃。
・ 「主演女優」を激撮すべくカメラを向けると、貞子の気功砲を喰らい粉々に砕け落ちるフラッシュ。
・ 持ち帰ったフィルムを現像してみると、貞子の背後にガッツリ写り込んだ髪の長い少女の白い影。
・ 劇団員の写真を見てみると、なんかもう知らない間に全員呪われちゃってます。
・ おおざっぱな展開だな!
・ そんな中、スーちゃんの元を訪れる伊豆大島の小学校教師。 
・ 教師いわく、「実はこないだは内緒にしてたんスけど、むかし彼女のおうちを家庭訪問した時、髪の長い白い服の少女が天井を這い回り、冒涜的な角度でこちらを覗いていたのを見ちゃったんスよね」
・ ははーん、貞子は2人いるんだな・・・ と察するスーちゃん。
・ 察しがいい人ばっかり出てくるので、実にサクサクと物語が進みます。

・ その頃、公演初日を控えたステージ上では、貞子にベタ惚れ状態の演出家が貞子の出自をネタに自分とネンゴロになる事を強要して、こっぴどくフラれていました。
・ しつこく食い下がる演出家に突如殴りかかる田辺誠一。
・ どこに居たんだよ田辺誠一。
・ 揉み合いの末に演出家を殺してしまう田辺誠一。 自らも傷を負ったので、とりあえず貞子のかかりつけの病院へ。
・ 自首を考えていた誠一の目に、貞子が手かざし療法で入院患者の病を治している光景が飛び込んでくる。 「これはひょっとしたら・・ 自首しなくて済むかもしれん・・・!」 とばかりに、ステージに戻ることを提案する田辺誠一。
 
・ そしていよいよ迎えた本番の朝。 ステージに戻った貞子と田辺誠一は、袖に放置していた演出家の死体を大道具の陰に隠し、舞台の成功を祈る。
・ え、そんだけ?!(蘇らせるとかじゃないのな)
・ スーちゃんはというと、麻生久美子を懐柔し、貞子の出演場面に合わせて「山村志津子の千里眼を検証する会」の録音テープを流す作戦を決行。
・ お芝居の真っ最中にヘンな音声が流れ始め、騒然となる会場。
・ 音声に反応するように現れた志津子の亡霊を見て青ざめる貞子。
・ 雑に隠してあった演出家の死体を見つけてしまい青ざめる団員。
・ 全ての責任を押し付けられ、暴徒と化した団員から暴力的制裁を加えられた貞子は帰らぬ人となってしまう。
・ もう一人の貞子を殺さない限り劇団員にかかった呪いは解けない、と吹聴するスーちゃんに丸め込まれた団員たちは、ラブワゴンに乗り込み、伊豆にある伊熊博士の別荘に向かう。 そこで伊熊博士の口から語られた、途方もない事実。 「実は貞子は2人いるのじゃよ・・!」
・ うん・・・ それもう知ってる!
・ 一方、なんとなく一行について来たものの、貞子の死を受け入れられず涙に暮れるばかりだった田辺誠一は、ただのしかばね状態だった貞子の体が再び脈を打ち始めるのを目の当たりにする。
・ 果たして貞子と田辺誠一の愛は成就するのでしょうか・・? そして、もう一人の貞子の正体とは・・? 



1991年に小説が発行されて以来、ドラマや映画など様々な媒体に形を変え、沢山の人々を恐怖のるつぼに叩き込んできた『リング』シリーズ。
井戸と言えば貞子、黒髪白ワンピと言えば貞子、クルーと言えばきっと来るのが貞子、と、広く認知される事となった元祖スクリーム・クイーン(※ただし叫ばせる方)の知られざる過去に肉薄した本作は、原作者・鈴木光司さんによる短編小説「レモンハート」をベースにちょい足しを重ねた結果、原形を留めない衝撃の1本となっておりました。
何が衝撃って、ストーリーもさることながら、何より貞子に扮している仲間由紀恵の棒っぷりがね、観る者にちょっとした呪いをかけるレベルなんですよ!「おまえはだんだん眠くなーる・・・!」という呪いをね!

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(気 功 砲 !)

ドラマや映画での端役を経て、本作のオーディションを射止めた事から一気にブレイクへの道をひた走ることになった(らしい)仲間由紀恵さん。
まだまだ女優としては駆け出しの状態だった(今が成熟しているのかどうかはわかりませんが)仲間さんでも安心して演じて頂けるように、今回の貞子は「普通バージョンと邪悪バージョン」の2種類が存在していた、という衝撃設定を採用。
伝説の超能力者・山村志津子が「海からきたばけもの」との間に産み落とした天然モノの磯っ子・貞子。
彼女は、産まれた当初こそひとりの人間だったものの、途中の段階で「普通」と「邪悪」のふたつに分離してしまう。
「普通の」方の貞子は、強い霊能力を持ちながらもすくすくと成長し、一方「邪悪」な方の貞子は薬によって成長をとめられ、育ての親である伊熊博士の別荘内に監禁された。
「邪悪」な貞子は監禁状態をものともせず、折に触れては「普通」の貞子の身の回りに災いをもたらし、「普通」の貞子は不幸の連続だった過去から生まれ変わるため女優への道を目指すように・・・。
仲間さんは当然のごとく、この「純真無垢な普通バージョン」担当で、彼女が本来もつ清楚な雰囲気を壊すことなく、トレードマークの黒髪を活かした「今までにない貞子像」を作り上げた・・・はずだったのですが、いや、確かに雰囲気も黒髪もばっちりだったのですが、とにかくそれ以外が致命的なんですよね。 それ以外のすべてが。

「邪悪バージョン」がちょっかいを出してくるせいで、常に周りから「ヘンな子」扱いされ、誰からも理解されずひとりぼっちで生きてきた「普通バージョン」の貞子。
ところが、ほとんど変わることのない表情や、一本調子の台詞回しからは、「普通じゃない人生を強いられてきた」貞子の悲しみも絶望も孤独も、何も伝わってこないのですよ。
「悲しみを帯びた瞳」は「辛気臭い表情」にしか見えませんし、「陰のある佇まい」も「ボケーっとしている人」にしか見えない。
彼女にはじめて優しく接してくれた田辺誠一との間に生まれる儚い愛も、「あれ・・・いつのまに・・・」と突拍子もない展開に感じられてしまう始末。
もうね、抑揚のないシーンの連続を前に睡魔との戦いに必死で、正直「グッド貞子」とか「バッド貞子」とか置いてけぼりでしたもんね。
あと、そんな「新人女優」の呪いが蔓延したのか、共演者の麻生久美子とか田辺誠一もどえらい「棒」だったという。 (役者としてのキャリア的には)おそろしい話やで!

「特殊能力」×「無理解」=「血の海」 という『キャリー』っぽい悲劇に、「種族を超えた純愛」をプラスしたかったのかなぁ・・・ という気はするのですが、色々な残念要素が祟って、成功には程遠い出来栄えとなっていたのではないでしょうか。
「貞子が2分割しちゃったよ!」という奇抜な展開もねぇ・・・。 
「薬で成長を止めた」というのならば、「邪悪な貞子」は実体を持つ存在なのだと思うのですが、その割には神出鬼没で霊体っぽさ満開でしたし。
一度は死んだ「普通の貞子」が「邪悪な貞子」と合体する事で復活する、という終盤の展開を見ても、やはりふたりはそれぞれ別の実体ではなく、精神的な意味合いで分離していただけなのかなぁ・・と思うのですが、だったら別荘にあった「結合双生児」のイラストや「監禁用のテレビ部屋」はなんだったのか、という事になってしまうじゃないですか。 ごめんなさいね!細かいトコロが気になる性格で!
  

ということで、今回改めてシリーズを通して鑑賞してみたのですが、ホラー路線から早々に離脱した原作と違う展開を取り入れるたびに、辻褄の合わなさっぷりが際立ったり「要するになにがしたかったのか」がわからなくなったりしていて、ホントもったいないなぁ・・と思いました。
オカルトならオカルトだけを突き詰めて、妙に「不幸な生い立ち云々」で装飾する事無く、どうどうと「得体の知れない邪悪な存在」として描ききった方が、「ホラー映画」としては良かったのではないか、と。
だってほら、正体なんかわからない方がおもしろいじゃんか。
湿っぽいのは出自だけにしておくれよ! 磯っ子なだけに!

明日からいよいよ、実に12年ぶりに製作されたリングシリーズ最新作『貞子3D』が公開となる訳ですが、今までのあれやこれやは潔く全て「なかった事」にし、とことん性悪で粘着でいかにも成仏しなさそうな貞子となっている事を切に願いますね!
取ってつけたような裏設定や因縁話はもういいから、びっくらかしに専念してくれればいいと思うよ!ぼくは!


でででん
(※ 本作中いちばんのショックシーン・・・ぬーん!って物陰から飛び出す貞子)

すみません、
(※ か ん ぜ ん に 一 致 ! ! )






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