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ぼくたち(大阪維新の会)が「はったつしょうがい」のざんしんな「ぼうしほうほう」をかんがえたよ!

2012年05月03日
Twitterを眺めていたら、ちょっとびっくりするようなツイートが飛び込んできたよ!




どうやら、橋下市長率いる大阪維新の会大阪市議団が、5月の定例議会で提案する予定にしている「家庭教育支援条例(案)」についてらしいのですが、実際読んでみるとなんというか、ちょいちょい宇宙パワーを感じるような斬新な文言が盛り込まれていましたので、ざっくりご紹介してみたいと思います。

大阪市・家庭教育支援条例 (案) ――― 全条文 (前文、1~23条) 大阪市・家庭教育支援条例 (案) ――― 全条文 (前文、1~23条)

近年急増している児童虐待の背景にはさまざまな要因があるが、テレビや携帯電話を見ながら授乳している「ながら授乳」が8割を占めるなど、親心の喪失と親の保護能力の衰退という根本的問題があると思われる。
(前文より)


いきなり先制パンチとして「ながら授乳」が槍玉に・・・!

たしかにね、
「授乳時には、一切子どもの顔を見る事なく、ただひたすらテレビもしくは携帯のみを凝視し、一言も子どもに声をかけないぜ!!」
というやり方を10回に8回は実行しているおかあさんがいるとするならば、それはちょっと子どもがかわいそうだなぁと思うのですが、ていうか逆にそれ実行するの難しくね?(←一度も子どもの顔を見ずに授乳するコト)

「ながら授乳」をしていても、おちちや哺乳瓶をくわえさせる時や飲んでいる最中など、子どもと目を合わせる事くらいあると思いますよ。
なのに、それがすなわち「親心の喪失」や「保護能力の衰退」になるって・・。
テレビや携帯に責任を押し付けて「ほらねー」と言うのがだいすきな人たちが、いかにも書きたがりそうな文言ですネ!


第1条・2項 保育、家庭教育の観点から、発達障害、虐待等の予防・防止に向けた施策を定めること
(第1章 総則より)


ん・・・? 「虐待」の予防・防止はわかるのですけど、 ・・・「発達障害」のよぼう・・?ぼうし・・・? 
 
「発達障害」の原因については、色々と研究が進められていると思いますが、現時点ではっきり「これだ!」という原因はわかっていないのが現実だと思います。
我が家のちびっこに関して言うと、5歳の時“広汎性発達障害”と診断された際「先天性、もしくは初期の成長・発達途中で生じた脳疾患のひとつ」という風な説明を受けました。 「ただし、絶対的な原因はいまだに不明です」とも。

つまり、「発達障害」は「予防」や「防止」出来るような病気ではないのです。
「あれ・・うちの子なんかちょっとまわりと違うかも・・」と心配になっていたある日、「おー!やっぱ違ったかー!」と理解する日がやってくる、どっきりプレゼントみたいなものだと、アガサは思っています。
受け取り拒否は出来ません。
ただし、周りの理解や接し方などで「支援」する事は可能ですが、それはまた別の話。


第7条 (保育園、幼稚園等での学習の場の提供)
すべての保育園、幼稚園等で、年間に1度以上、保護者会等での「親の学び」カリキュラムの導入
第8条 (一日保育士、幼稚園教諭体験)
すべての保育園、幼稚園で、保護者を対象とした一日保育士体験、一日幼稚園教諭体験の実施の義務化
(第2章 保護者への支援より)


第7条については、アガサは大賛成です。

よく「子育て」と言いますが、本当に育たないといけないのは親の方であり、その為に強制的にでも「親の為の勉強会」の場を設けるのは、とてもいい事だと思うのです。
ただ、現時点でも、保護社会・講習会等の「学ぶ機会」を用意している学校園は少なからずあると思いますし、多くの保護者は、そこに参加すべく都合をつけようと努力しているのではないでしょうか。

問題なのは、参加しようともしない保護者であったり、参加したくても仕事や家庭の都合で出来ない保護者に対し、行政が何をしてあげられるのか、という事。
まぁ、橋下市長ぐらいギャーンとした実行力のある方が「やる」と言えば、全部の「職場」を「保護者勉強会」の日に合わせて「絶対に」休みにして、「めんどくさいから行かない」だなどとヌルい事を言う保護者の家には怖い顔をした議員先生がドダダーってやってきてミニバスで強制連行するくらいの事はやってくれると信じていますけどネ!

第8条については、正直「何言ってんの」レベルの話だと思います。

たぶんこれは、維新の会の関係者の人たちがだいすきな「文句言うんならやってみろ!」大作戦なのだろうなぁ、とは思うのですが、幼児教育の大変さや需要性を学ばせたいのなら、一日体験の前にまず参観日を設ける方が先なのではないでしょうか。
いや、今でも「子どもを見守る」参観日はあると思いますよ。
そうではなく、「保護者同士の私語を一切禁止して、先生のお仕事だけを黙々と観察&お手伝いをする」参観日をね。 
やってみればいいさ。

それにしても、「全保護者による全保育所・全幼稚園での一日体験を義務化」ってずいぶんサラっと書いていますけど、
・ お仕事をしている人を含めた全保護者の休みの都合と体験する日を擦り合わせて、
・ その上で先生方に「体験しにやってくる保護者に対する説明書」を作成させて、
・ しかも「保育士の体験をしている最中事故があった時用の保険」の手続きを用意させて・・・
などなど、現場の先生方に途方もない労力を強いる事になるって、わかって書いてるんですよね? 

まさかそこまでは考えてないとか言いませんよね? まさかですよね?


第10条 (親になるための学びの支援の基本)
これまで「親になるための学び」はほとんど顧みられることがなく、親になる自覚のないまま親になる場合も多く、様々な問題を惹起していることに鑑み、これから親になる人に対して次に掲げる事項を基本として、学びの機会を提供しなければならない。
(第3章 親になるための学びの支援より)


これもいい事だと思います。

あまりに「親になるってのはなー大変なんだぞー」と脅すと、余計に子育てに後ろ向きになってしまう人や、これから子どもを持つという事に躊躇してしまう人を生み出さないとも限らないのですが、「子どものいのちの重さ」や「親の責任の重さ」をはっきりと伝えていくのは大切な事だと、アガサは思います。
「子どもの事より自分の事の方が大事」な人よりは「まずは子どもの事が最優先」という人が多いほうがマシ、というのが、アガサの持論だからです。
あ、念のため言っておきますが、「過保護を勧めている」のではなく、「子どもを好きすぎるくらい好きな方がいいじゃん」という話ですよ。


第15条 (発達障害、虐待等の予防・防止の基本)
乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因であると指摘され、また、それが虐待、非行、不登校、引きこもり等に深く関与していることに鑑み、その予防・防止をはかる
(第4章 発達障害、虐待等の予防・防止より)


ええと、まず重箱ツンツンしますが、「軽度発達障害」という用語ってあんまり正しくないんじゃありませんでしたっけ?

「軽度発達障害」の表記は、その意味する範囲が必ずしも明確ではないこと等の理由から、今後当課においては原則として使用しない。
(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)
「発達障害」の用語の使用について:文部科学省
「発達障害」の用語の使用について:文部科学省

まあね、いわんとしたい事はなんとなくわかりますけどね。

で、それよりなにより問題はその前の一文ですよね。
「乳幼児期の愛着形成の不足が大きな要因」
という、一昔前に絶滅したはずのアレです。

条例(案)を作っていた維新の会の人たちはノってきたのか、さらにこう続けます。


第18条 (伝統的子育ての推進)
わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できるものであり、こうした子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる人に提供する
(第4章 発達障害、虐待等の予防・防止より)


わが国伝統的子育てによって予防、防止できるんだとよ! すげえな! おら斬新すぎてめまいがしたぞ!

維新の会の人たちが、この条例(案)の一文を自分たちで考えたのか、はたまた、どなたか頭がウルトラハッピーな人に入れ知恵されて盛り込んだのかはわかりませんが、ドヤ顔して発表する事じゃないですよコレ。 むしろはずかしい事だよ。 

先にも書きましたが、「発達障害」は「予防」も「防止」もできません。
できるのは、発達障害を持つ人たちの特徴を理解し、「世の中のルール」を彼らに少しでもわかりやすく伝えられるような方法を考え、「誰かのせい」で済ませるのではなく一緒に成長していこうとする事です。

「わが国の伝統的な子育て」は一体なにを指しているのか。
具体的な例が書かれていないのでアレですが、きっとね、みなさんもなんとなくわかっていますよね。
もうね、そんなに三丁目の夕日が好きか! と。 恋に恋焦がれ恋に泣くのか、と。
そりゃ、アガサも近所に「おっかないおっさん」がいたあの頃が懐かしいなーとは思いますよ。
他人の家の子であろうと、堂々と「いけないことはいけない」と注意したりとかね。

でも、それと「発達障害」とは別問題なのだということを、ぜったいに忘れてはいけません。


第21条 (民間有資格者の育成に対する支援)
(・・略・・)「親学アドバイザー」など、民間有資格者等の育成を支援する
第22条 (「親守詩」実行委員会の設立による意識啓発)
(・・略・・)親守詩実行委員会を設立して発表会等の催しの開催を支援し、意識啓発をおこなう
第23条 (家庭教育推進本部の設置と推進計画等の策定)
1項・首長直轄の部局として「家庭教育推進本部」を設置し(後略)
(第5章 親の学び・親育ち支援体制の整備より)


かったるいので(略)を多様しましたが、「民間有資格者」とか「実行委員会」とか「推進本部」なんて単語を使い始めるのは、大概がお役所的な「ね、真面目に考えてるでしょ?」アピールですので、形ばっかりで意味をなさないモノの代表だと思って間違いないと思います。
ほら、部署を作れば人員を割り当てれるし、その中でえらいひとも任命できますし、資格制度を取り入れればおぜぜが発生しますし。
まったく! 便利なワードだぜ!


というわけで、
「発達障害」は子育て方法の間違いが原因なのだ。
というあまりにもアレな考え方を「家庭教育条例」にババーンと載せてしまえる維新の会の人の脳内スケールの途方も無さに、思わず長々としたエントリを書いてしまいましたが、冗談めかさずにハッキリまとめると、
ばっかじゃねーの!
という一言につきます。

「発達障害」によって最も苦しい思いをしているのは、親でも教師でも周りの人たちでもなく、本人自身なのですよ。
彼らは何も、好き好んで周りと違う行動た言動をしたり、異常なテンションになったりしているのではありません。
彼ら自身にもコントロール出来ない。 
けれど、周りからは「ただのおかしなひと」と好奇の目で見られ、そしてつらい思いをする。

私たち親は、彼らが「自分と周りとのちがい」に苦しまないで済むよう、時にバリヤになり、時に通訳になりながらサポートし、いつか必ず訪れるであろう、「親がサポートできなくなる日」までに彼らが自分自身で生きる力を身につけれるよう試行錯誤を繰り返しています。

そんな発達障害児やその家族に対し、行政が出来る事は沢山あるのに、なぜよりにもよって「偏見を助長させる為の煽り文句」だけなのか。

発達障害や、診断は受けていないけれどちょっと「気になる子」が増えている事も、全国的にひきこもりの人や不登校が増えている事、目に見えないレベルの虐待が日常的におこなわれている事も事実だと思います。
ただ、今回の条例(案)が万が一にもまかり通るような事になったら、周囲からの無理解パワーに追い詰められ、学校にいけなくなる子はさらに増えるのではないでしょうか。

アガサはこれを見て、「大阪に住んでいなくて本当によかったなー」と思いました。
そして、これに触発されて「うちもうちも」なんて言い始める岡山市議会議員などいないと思いますが、もしも出てきたら全力で阻止します。
オレの目の黒い内は、こんな邪悪な条例など俎上にもあげさせやしないですよ!


5月に行われる大阪市の定例市議会で本条例(案)が一笑に付される事を、心から願ってやみません。





余談ですが、おらが町岡山での「発達障害児」に関するサポート状況はというと、これがまたニンともカンともなのが現実でして。
幼児教育で言うと、国公立幼稚園連合会から岡山市教育長宛に2年連続で要望書を提出している
「特別支援教育支援員の増置配置」
に関しては
「前向きにがんばるけどごめん」(←要約)
と暖簾に腕押し状態。
昨年11月には「岡山市発達障害者支援センター(愛称 ひか☆りんく)」が開設されたものの、いざ利用しようと電話をしても、たらい回しの末門前払いを受ける事すらあるとの事です。(アガサの友人談)
結局、発達障害の子どもを持つ親は、自分たちで勉強し、自分たちでコミュニティを立ち上げ、自分たちで周りに理解を仰ぎ、サポートし合うしかない。

このような現実は、全国の発達障害児とその家族に於いてもあまり変わらないのではないでしょうか。

もうね、協力してくれだなんて贅沢は言わないから、せめて足を引っ張るような事だけはしないで欲しいですネ! マジで!!


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