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『バイオレンス・レイク』

2012年03月23日
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【バイオレンスな危機に対する回避度テスト 】式あらすじ・・・
次の質問に YES か NO でお答えください。
1・婚約者からキャンプに誘われました。 

けんもほろろにお断りしますか?  [YES/NO]

2・連れて行かれた場所はキャンプ場などではなく、建設中で立ち入りが禁止されている採石場でした。
きちんと整備されたキャンプ場に移動する事を提案してみますか?  [YES/NO]

3・フェンスの切れ目から無理やり侵入し、木の生い茂るけもの道を走っていると、大きな湖に到着しました。 そしてあなたの鞄には水着が入っています。
念のため普段着のままでいますか? [YES/NO]

4・開放的な装いで水辺でイチャイチャしていると、地元の不良少年たちが釣竿を片手にやってきました。
閉鎖的な装いに着替えますか? [YES/NO]

5・少年たちは大音量でスピーカーを鳴らし、湖に唾を吐き、獰猛そうな犬をけしかけて来ます。
注意したい気持ちをグっと抑え、スルーの方向でがんばりますか?  [YES/NO]

6・婚約者がやんわりと注意すると、少年たちは一向に反省する素振りもなく逆に罵声を浴びせてきましたが、そのまま放っておくと威嚇するように練り歩きながらどこかへ移動して行きました。
予定を切り上げて帰宅しますか?  [YES/NO]

7・朝起きて車を見てみると、タイヤがパンクさせられていました。 きっと昨日の少年たちの仕業です。
予定を切り上げて帰宅しますか?  [YES/NO]

8・スペアタイヤに付け替え、街に戻っている途中、一軒の家の庭に少年たちのものと思しき自転車が転がっているのを発見しました。
親にチクリたい気持ちをグっと抑え、そのまま予定を切り上げ帰宅しますか? [YES/NO]

9・勝手口から声をかけましたが、誰も居なかったのでそのまま家の中をウロウロしていると、ものごっそ粗忽そうな家主が帰ってきてしまいました。 慌てて物陰に隠れ様子を伺ってみたトコロ、どうやら少年たちの保護者はガチのウルトラDQNだったようです。
予定を切り上げて帰宅しますか?  [YES/NO]

10・再び湖に戻りくつろいでいた婚約者とあなた。 しかし、少し目を離した隙に貴重品が入った鞄を盗まれてしまいます。 しかも車も乗り逃げされていました。
徒歩でなんとか街まで戻り、予定を切り上げて帰宅しますか?  [YES/NO]

11・少年たちを探し、湖のそばの森を散策していると、件の不良どもが焚き火をしながら談笑している場所に遭遇しました。
いきなり突撃せず、様子を伺ってみますか?  [YES/NO]

12・大人の苦情に全く動じない少年たちは、再び犬をけしかけたり、ナイフを取り出して脅してきたりします。 
そのまま踵をかえし、帰宅する方向で検討してみますか?  [YES/NO]

13・ナイフを取り上げようと揉み合ってる最中、ついうっかり犬を刺してしまいました。
車の鍵を返してもらい、動物病院に連れて行きますか?  [YES/NO]

14・激高した少年が追いかけてきたので、奪還した車に飛び乗り逃げ出しましたが、慌てていたせいで巨木に激突してしまいました。 ケガをして動けない婚約者は、あなたにGPSナビを渡し「街まで逃げて助けを呼んでくれ」と懇願しています。
逃げ出しますか?  [YES/NO]

15・一度はその場を離れたものの、婚約者の事が気になったので現場に戻ってみると、愛する人は少年たちから酷い拷問を受けていました。
全力で逃げ出しますか?  [YES/NO]

16・物陰から盗み見していたあなたに気づいた少年たちが、えらい剣幕で追いかけてきました。 途中で見かけた作業小屋の屋根に登り、なんとか少年たちの追求をかわしたあなたの目の前には作業員用の無線機が転がっています。
とりあえず誰かに助けを求めますか?  [YES/NO]

17・辛くも拷問から抜け出した婚約者と奇跡的に合流出来たあなたは、森の中を闇雲に逃げ続けます。 そんな時、ボロボロの小屋が目にとまりました。
入らずに逃げ続けますか?  [YES/NO]

18・瀕死の婚約者をその場に残し、街を目指して疾走を再開しますが、運悪くゴツい釘を踏んづけてしまいました。 すると、脚を負傷し途方に暮れていたあなたの前に、真面目そうな一人の少年が通りかかります。
取るものも取り敢えず、携帯電話の所有を確認しますか?  [YES/NO]

19・真面目そうな少年にハメられたあなたは、不良少年たちに捕まってしまいます。 証拠隠滅をはかる少年により、焼却処分されそうになる婚約者とあなた。 しかし、首謀者の少年以外の子どもたちは、あまりに陰惨な展開にショックを受け、戸惑っている様子です。
「首謀者に反旗を翻してくれれば、裁判で有利な証言をしてあげる」とかなんとか甘言を弄し、自分たちに寝返るよう説得してみますか?  [YES/NO]

20・既に事切れていた婚約者は火に包まれてしまったものの、なんとか縄を切って逃げ出す事に成功したあなた。 遊歩道を見つけ、森の地図をゲットしたトコロで、ふと、この1日半で浴びせられた苦痛や屈辱の記憶に襲われてしまい、呆然と立ち尽くしてしまいます。 その時背後から、不良少年グループの中でも特に気弱そうな少年がおずおずと近づいてきました。 あなたの手には、護身の為に用意したガラスの破片が握られています。
ガラスを捨て、少年を説得して街まで案内してもらいますか?  [YES/NO]

【すべて YES だったあなた・バイオレンス回避度100%】
石橋を叩き割ったのちに外出そのものを取りやめるタイプのあなたは、まさに慎重界のカリスマ。あなたにとって、ヒッチカイカーを拾う事はもとより、初めて訪れたガソリンスタンドで道を聞くなんて行為は愚の骨頂なのでしょうね。すばらしいです。 ただ、慎重な事はよいのですが、婚約者が誘ってきたキャンプぐらいはつきあってあげないと、のちのちめんどくさいですよ。
【YES の数が17~19個だったあなた・バイオレンス回避度90%】
いい塩梅に慎重ですね。これからもその姿勢を貫いてください。 あと、誰になんと言われようと、人気の無い湖畔では水着にならないようくれぐれも気をつけましょう。
【YES の数が10~16個だったあなた・バイオレンス回避度60%】
若干チャレンジャーな所もありますが、引き際を心得ているようですので今後もなんとか危険を回避しながら暮らして行けるでしょう。どどんまい。
【YES の数が9個以下だったあなた・バイオレンス回避度10%】
おおよそ慎重には程遠いですね。 運がよければギリギリ回避出来るかもしれませんが、限りなくアウトに近いセーフだと言う事を肝に銘じましょう。
【すべて NO だったあなた・バイオレンス回避度0%】
安全厨、と言われても何の申し開きも出来ない程のていたらくっぷり。今一度、これまでの人生を振り返り慎重さを取り戻す事が肝要です。でないと、あなたを待ち受けているのは破滅だけですよ。


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(※ 残念ながら安全厨判定されてしまった水辺のふたり)

なぜ西洋のカップルはどこの湖でもすぐ泳ぎたがるのか?!
西洋の方が「日本人といえばサムライ・ニンジャ」と思っているように、アガサも思っています。「西洋といえば、どこでもスイミング」である、と。
実際のところは違うのかもしれません。(外国の山奥の湖など行った事ありませんし)
しかし、映画の中、特に血の気の多いジャンルの映画において、西洋のカップルはたいがい水を見ると服を脱ぎ捨て「ヒョッフー!」と叫びながら飛び込んで行く。 
先に入ったのが男性の場合、「ウブッ・・ゴファッ・・な、なんなんだ!」と言いながら溺れたふりをして「ビックリしたじゃないの!もう知らない!」と怒った彼女とイチャイチャし、女性の場合は「ヘ~イ こっちこないの~」と言いながら脱衣した下着を水面にちらつかせそれを見て発情した彼氏とイチャイチャする。 要するにイチャイチャする。
なぜ彼らは水を見るとイチャイ・・ ・・ええと飛び込みたがるのか。
大して綺麗そうな水でなくても、躊躇なく半裸(もしくは全裸)で泳ぎ始めるのはなぜなのか。
ボウフラだの雑菌だのどじょっこだのふなっこだのは気にならないのか。 
そもそも私有地でもないそれらの水辺に、よその人が来たらどうするつもりなのか。
びそぬれの服のまま車に乗ったら超気持ち悪いのだという事に、気づいた時にはもう手遅れだのに。

てな事をまたしても思ってしまった『バイオレンス・レイク』。 
レイクはレイクでも、ほのぼの成分皆無の猛毒レイクです。 まぁ、ほのぼのな方のレイクもある意味猛毒ですけども。

結婚をひかえた幸せいっぱい夢いっぱいなカップルが、たまたま人生の選択を連続ミスしてしまったが為に破滅へとひた走ることになる本作。
彼らに引導を渡すのは、何を考えているのかわからない「おそろしい少年」たち。
しかし、ありがちな「子ども怖い」映画で終わるのではなく、もっとおぞましく、もっと無間地獄的な恐怖が用意されており、鑑賞後は精神的に疲労困憊してしまったのでした。
ヒロインが必死に繰り出す反撃のパンチがことごとく無に終わる様を、ただ眺めているしかない自分。
物語と観客という、至極当たり前な関係すら受け入れたくなくなるほどの、猛烈なもどかしさと虚しさ。
それはきっと、ここに描かれた無間地獄がごくありふれているものだから。

教育者(小学校教員)であるヒロインと、良識ある社会人である婚約者は、旅先で「親にどつかれている子ども」や「夜中だというのに平気で徘徊しまくっている少年少女」や「社会常識を身につけていない荒ぶる青少年」などをたびたび目にするのですが、積極的にそれらに介入しようとはしません。
親を制止するでもなく、少年少女に「はよ家帰りんさいよ」と注意するでもなく、「人と話す時は相手の目を見て話しましょうね」と諭すでもなく、ただただ「いやはや参ったね」という曖昧な表情で目と目を合わせるのみ。
しかしそれは、彼らが特別卑怯だからという訳ではないと思うのですよね。

実際のところ、「超チンピラっぽい親に堂々と物申せる」人がどれだけ存在するのか。
隣の家から聞こえてくるどつきあいの音に、ピンポーンとチャイムを鳴らす事が出来る人がどれだけ存在するのか。
もちろん、勇気を出さなければ何も変えられない事はわかっています。
でもね、やっぱりね、こわいのですよ。 
間違いを指摘した時、もしもその攻撃性がこちらに向かってきたら・・・と思うと二の足を踏んでしまうのです。

私がヒロインと同じ状況だったとしても、きっと彼女がしたように「どついている親の顔をモノ言いたげにじっと見て、プレッシャーを与える」くらいが精一杯だろうと思います。
相手が男親だった場合はさらに困難になりますので、こっそり警察に通報する作戦に切り替えるでしょうし。
自分がランボーばりの格闘スキルを持っていたならば躊躇しないかもしれません。
しかし、そうではない。
無関心でいるつもりなんて全くないけれど、力のない自分に出来る事はあまりに小さい。

そして、周囲によってこれといった軌道修正がなされないまま、DQNな保護者は少年少女に歪んだ価値観を植え付け、成長した彼らがまた自分の子どもたちに誤った「しつけ」をくりかえしてしまう・・・。
登場人物たちは、ヒロインも少年少女もその保護者もみな最悪の結末を迎えてしまいます。(罰を受けない、という一見加害者にとって都合のいい結果も、彼らの人生にとって決してよくない事だと思うので)
しかし、その悲劇は「よその家に無関心」だったことに対する報いではなく、負のスパイラルを断ち切る効果的な解決策を未だに見いだせない私たちにとって、いつ起こらないとも限らない非常に身近な悲劇なのではないでしょうか。

『イングロリアス・バスターズ』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のミヒャエル・ファスベンダーさんがとことん痛い目に遭ったり、『シャーロック・ホームズ』のワトソン夫人ことケリー・ライリーさんが汚物にまみれて奮闘したり、とキャスト陣が何気に豪華な本作。
一難去ってまた一難どころか五難も六難も訪れる展開や、「同調圧力」という絶対的なパワーに、心臓がキュウウっとなる事必至の心底おそろしい映画でした。
ケッチャム作品級のどんより感を味わいたい方は、是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
(味わいたくない方は観ちゃダメ!ぜったい!)

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