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『アジョシ』

2012年02月29日
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(※ もちろんそんなお話じゃないですよ!)

あらすじ・・・

質屋のおじさんの名前はチャ・テシク。 そして隣に住む少女の名前はソミ。 ごく過酷な生活を送る少女とおじさんは内に抱える苦しみをいつしか共有し、ごく親密なおつきあいをしていました。 でもただひとつ特筆すべきなのは、おじさんは暗殺を専門とした元特殊部隊員だったのです!

・ アジョシ!かっこいいよアジョシ! 明日からオレもアジョシになる!ドニーさんと週替わりでアジョシになる!(以前ドニーさんになる宣言をしていたので隔週にします)

・ 絶賛育児放棄中のジャンキーかあちゃんに心傷つきながらも、たくましく生きてきた少女・ソミちゃんの薄幸そうなへの字口よ! 今最も「目の下の隈」が似合う12歳児ですね!

・ そんなソミちゃんの隣人で、質屋にいるのがおかしいくらい男前なおじさん(=アジョシ)・テシクは、数年前まで「国家に命ぜられた正当な殺し」を生業にしていたのですが、その代償として愛する家族を失ってしまった事から隠遁生活を送っていたのでした。

・ 足りないものを埋めあうかのように、家族ごっこに興じるおじさんと少女ですが、ある日、欲にかられたかあちゃんがマフィアのヤクを横取りしたことから血で血を洗う抗争に巻き込まれてしまい、組織に拉致された少女を救う為、おじさんは封印していた「殺人マシーン」としての本能をよみがえらせる・・・・という、まぁ要するに『グロリア』みたいな『レオン』みたいなお話だった訳ですよ。

・ で、お話自体は暖簾をくぐって「おやじーいつものヤツねー」と言えば「あいよー」と出される生中と鶏皮のポン酢あえの如き安定感あふれる内容だったのですが、製作者はそんなトコロに突っ込まれるのは百も承知で、ひたすらひとつの事に全精力を傾けていたのではないでしょうか。 そう、アジョシのかっこよさに。

・ どのシーンのどのカットを切り出そうと、余裕で小粋なポストカードになるのではないかと思うほど絵になるおじさんの面構え。 深い哀しみを湛えた節目がちな瞳、その淵に暗い影を落とす長い睫。 千々に乱れた前髪と、ストイックに絞り込まれたしなやかな体躯。 しかもスーツ。 日本語でいうトコロの背広ですよ奥さん。 わかっておる。アジョシの関係者の「わかっておる度」はそらおそろしいほどじゃわい・・・!

・正直言って、巷でうわさの「韓流イケメン」には全く興味が沸かず、むしろ「この程度でいいんなら各学区内に2人くらい居るんじゃね?」としか思えないアガサですが、このアジョシにはシャッポを脱いだね! ウォンビンすげえ!ウォンビンビンビンじゃんか!

・ 言いたかっただけです。すみません。

・ どれくらいかっこよかったかというと、例えばおじさんが机の上のお茶碗を足で押して落っことすシーンがあったのですが、ここでビンビンはおもむろに靴を脱いで靴下状態のつま先でお茶碗をグイグイするのです。靴下オンザ食卓ですよ。トラディショナルなおじさんなら訴訟沙汰ですよ。 しかしビンビンの靴下は湿り気どころかなんの異臭すら感じさせない。 むしろ、どことなくフローラルな香りすら(脳内で)漂わせる事に成功。漂ってないのに。 おいかあさん!かっこいいは正義だな!

・ まじめな話、ただ男前なだけではなく「本当に足が速そう」だったり「本当に強そう」に見えたのも素晴らしかったと思いますよ。 走る時のフォームや接近戦の時のちょっとした身のこなしがきちんとしている為、おじさんの特殊なプロフィールにも説得力が感じられるのですよね。 こういうのって、一番軽んじてはいけない部分(日本の映画ではちょいちょいおざなりにされますが)だと思います。

・ ナイフを使っての格闘の時も、脇の下や脚の付け根といった「そこ切ったら本気でアカン」箇所を狙って攻めており、おじさんが今までの人生でいかに多くの人を殺してきたか(人殺しに慣れているか)が感じられて薄ら寒い気持ちになれました。 だが、そこがいい。

・ おじさんがここまで完璧すぎると、お話の中で浮いてしまいそうなものなのですが、本作は敵チームにもビックリするほどゲスい悪役が用意されており、クスリの密売から臓器売買まで幅広く手がけるマンソク兄弟のふてぶてしさには唾をぺっぺとしたくなりましたし、そんなマンソク兄弟に雇われたベトナム人用心棒の「清く正しい強敵っぷり」には二度目のシャッポを脱いだ次第です。

・ このベトナム人用心棒とおじさんの魂と魂が触れ合う瞬間がたまらんかったよね!アレがね!みんなにもわかるよね!

・ 特に用心棒の方は「初めての恋か!」っていうくらい動揺しちゃってましたからね!もうさーなんつーのかなー、用心棒くんの心臓のドキドキがこっちにまで伝わってくる感じ? 最後のアレなんかもね、きっとおじさんに気づいて貰いたかったんだよね。気づいて欲しい気持ちと、ライバル(と書いてトモ)として最後まで正面から向き合いたいというね、だから敢えて非情な振る舞いに出ずにはいられないという複雑な用心棒ごころ・・わかった!わかったからみなまで言うな!
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(※ 色んな意味で す ば ら し い と思 い ま す !)

・ 今回もとことん役に立たない韓国警察24時!

・ いくら「自分が守れなかったもの」の代用としてピッタリマッチした少女だったとは言え、所詮は赤の他人。 かわいそうな孤児を引き取ってエバーアフターな結末を迎えるのではなく、スタートラインまで送り届けたらきちんと背中を押す。たとえそればお互いにとって寂しい結末でも。  そんな、「大人としてあるべき姿」を保ったままのエンディングも胸に沁みましたね。  一緒に暮らせばお互い楽しいとは思うのですが、長い目で見れば、自分の生い立ちを受けとめ自分自身の足で立たせることが一番大事なのだ、と。「隣のおじさん」として正しい態度だったのではないかと思いました。

・ というわけで、超おもしろかったです! あー去年大画面で観たかった!

 
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