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『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』

2011年12月06日
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目には目を!歯には歯を!臀部には臀部を!!

あらすじ・・・
執筆活動に専念する為、田舎のコテージにやってきたうら若き女流作家が、自分を陵辱した、頭が悪くてイカ臭そうなカッペどもにそれ相応のお返しをします。


ある時は野蛮な殿方の欲望を満たす為、またある時は物騒な御婦人の溜飲を下げる為、数多くの「リベンジ・ムービー」が作られてきましたが、その中でも群を抜いて「エグい」とされるのは78年に制作された『発情アニマル(悪魔のえじき)』なのではないでしょうか。
そして今、容赦ない性的暴行描写や突き抜けた報復攻撃で、観客の股間を縮み上がらせ拳を振り上げらせた伝説の「リベンジ・ムービー」が、その舞台を現代に置き換えてスタイリッシュに再映像化!
ホントにね、そりゃもうスタイリッシュですよ! 
スタイリッシュすぎて、報復するヒロインなんて『リング』のサマラみたいになっちゃってますからね!
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(※ 「きっとクルー!!」状態のヒロイン)

「都会っ子」「美人」「お金持ち」「作家」という華々しいキーワードを身にまとうヒロインが、荒くれ者のカッペに言いがかりにも程があるような因縁をつけられ、「欲求不満の都会人はこってり調教してやんねえとな」とばかりに嬲られる前半のくだりは、時間をかけて一部始終を描いているだけにとても生々しく、エロに比重を置くのではなく、ねちねちとした言葉責めや小道具責め(代表例・マッチに火をつけて一本づつ投げつける)(←陰湿!)に徹している点も効果的で、なんというか、底なし沼にはまったような「終わりの見えない恐怖」を感じさせてくれます。
この地獄のような夜は、もう二度と明けないのではないか。
そんなヒロインの絶望がひしひしと伝わってくるようで、とても気分が悪かったです。(←そしてそれは映画として正解だと思います)
しかし一方、男根主義のクズ人間であるカッペたちの装いに今ひとつ「汚さ」を感じられなかったり、ヒロインが基本サラサラヘアだったりする点にはちょっぴりがっかりしてみたり。
「血まみれで萎えるぜ」と、男どもが吐き捨てた直後に映るヒロインの後ろ姿には、一滴の血も流れ落ちていないという・・・。 とても泥道で繰り返し陵辱されたとは思えないようなキレイなおしりだったという。
こういうのはほんとアカンと思います。
オールヌードで体当たり演技を披露している女優さんの苦労も水の泡ですよ。マジ台無しですよ。

嬲られ続けたたのち放心状態で川に飛び込み、その1ヵ月後に奇跡の生還を果たしたヒロインが報復攻撃を始める後半のくだりになると、事態はさらに「それはアカンわ・・・」状態となっており、瀕死のヒロインがいつ、どこで、どのようにして復讐の段取りを整えたのか全くわからないまま、再登場した時には既に無双状態。
見知らぬ田舎町を舞台に、圧倒的有利なポジションをキープしたまま、ずっとヒロインのターンが続きます。
「カッペがヒロインの急襲に遭い失神」 → 「拷問」 → 「ウギャー」 → 「カッペが失神」 → 「拷問」 → 「ウギャー」 の繰り返しで、大きな波乱が起こるコトもなく淡々と執り行われる復讐の儀式。
せっかくリベンジモノのセオリーにならって「雑魚キャラから」殺って行くにも関わらずですよ。
一番タチの悪い保安官ですら、後ろからポカンと殴られ失神して、ピタゴラ装置にセッティングされてギャーですからね! おまわりさんのくせにどんだけ隙だらけなんや!
これがもしもフランスの映画だったならば、途中でヒロインのセッティングが甘かったり不慮の事態が起こったりして、ラスボスによる反撃があっただろうになぁ・・・、と妄想が花開いてしまったアガサ。

いやだってね、彼女は毎回カッペの後ろから忍び寄り、ポカンと殴って失神させるのですが、百戦錬磨の人さらいでもあるまいに、そんな丁度いい力加減で人の頭って殴れるかァ?
とりあえずオレには無理だね! そんなもん「ポカン」とやったあとは神のみぞ知るですよ! ヘタしたら「冥土行き」だけど勘弁な!っつって心の中で全力謝罪ですって!
で、運良く失神してくれたからと言って、それが何時間続くのか・・というのもコレまた不明瞭な世界じゃないですか。
いつ目を覚ますかわからない状態で、えんやこらせーって山奥のコテージまで運んで、拷問装置に乗せて・・・ って無理だわー!こんな細腕モデル体型のモテカワ女子じゃ無理だわー! おーい、誰かちょっと北斗晶呼んできて!


これはあくまでアガサ独自の考え方なのですが、この種の「女性が性的暴行を受けて反撃する」ような映画は、とことん描き込まれていて欲しいのですよね。
なんだったら、観た事を後悔してしまう程のトラウマムービーであって欲しい。
なぜなら、実際の性的暴行そのものが、「誰かにとっての快楽」だけではすまないような最低最悪の悲劇だから。
そしてアガサは、性犯罪は殺人と同等に裁かれるべきだと思っています。
性的虐待や性的暴行は、人の命までは壊さないかもしれない。
けれど、人の心は完全に壊してしまうから。
性犯罪者に人権なんてないと思っていますし、どんな酷い目に遭ってもしょうがない。いや、そんな目に遭って欲しい。
だから、映画においても反撃はあっててしかるべきだと思いますし、その内容はとことん過激でとことん痛いものであって欲しい。
「虐待」も「報復」も、中途半端であって欲しくないのです。
そんな独自の目線で観ると、本作は肝心な所で遠慮していたり流行りのトーチャーポルノっぽさを取り入れている為に、全体的に「軽い」印象を受けてしまいました。
何を伝えたかったのか、薄ぼんやりとしてしまっている。 そんな気がしてならなかったです。
「加害者側の諸事情」も描こうとするなど、物語に奥行を持たせようとしている気合が伝わってきただけに、ホント残念だなぁ。

まぁ、そういう「鬱映画」ではなく、「べっぴんさんが強面の男どもをヒーヒー言わす」映画として観るならアリなのかもしれませんけどね。
なんだかんだ書きましたが、自分が受けた虐待をそのままアレンジした「目には目を、歯には歯を、ケツにはケツを」という工夫に富んだ報復攻撃はおもしろかったですし、この種の映画ではすっかりお約束となった「シャウエッセン切断の刑」もありましたしネ!
あと、やたらと「田舎だからさ・・・」とばかりにカッペ・ルサンチマンが全面に押し出されていましたが、男がアホで男根第一主義なのは都会も田舎も同じだと思いますので、そういう輩は等しく「ポークビッツ切断の刑」に処せられるといいと思うよ!

と、世の中の男性を敵に回した所で、今回の感想はお開きにしたいと思います。


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