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『インシディアス』

2011年09月16日
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よくね、「ホラー映画をカップルで観に行く」みたいな話を耳にするじゃないですか。「デートムービーに最適」みたいな。
10代の頃から、デートと名のつくシロモノとは一切縁がなかったアガサにとっては、そんな話全く現実味を帯びていない、いわばある種のファンタジーみたいなものでして、今日もひとりで映画館にいそいそと出掛けて行った訳なのですが、たまたま隣の席に座っていたのが、なんというか、センスのよさそうなメガネ青年でしてね。
で、映画本編も、コレが結構心臓破りの丘的な、ハートブレイクな刺激溢れるホラーだった為、お恥ずかしい話、所々「キャー」みたいな、「ビクン・・はうう・・」みたいな、思わず隣の席との間に位置する手すりに、先客があるのも忘れてしがみつきそうになってしまってですね。
鑑賞中はほとんど意識していなかったのですが、やっとこさエンドクレジットが終わり、場内に明かりが灯った瞬間、「ホウ・・」とためいきが漏れてしまって、しかもそれが隣の席の青年と同時だった為、思わずクスッと笑ってしまったら、その青年が「けっこう・・こわかったですね」と話しかけて来て、私も思わず「そうですね・・でも、おもしろかった!」と返したら「そうそう、後半の展開なんかすごく独創的でよかったですね」と会話が続いて、アレ?なんかこれって、すごく趣味が合いそうな人なんじゃね、みたいな、しかもメガネみたいな。 そんな風にドキドキしてしまって、目を上げられなかったのですが、「あのー、いつもここに観に来られてるんですか?」と聞かれたので、意を決して「あ、はい」と顔を上げたら、そのメガネ青年もすごく恥ずかしそうに笑っていたという夢をみました。  そうです。いわばある種のファンタジーです。

ホラー映画を観に来るカップルは、帰り道で双方ともガム踏め。


あらすじ・・・
夢のマイホームを手に入れ、幸せいっぱい夢いっぱいのジョシュとルネ夫婦。
しかし、引越しの荷物の紐を解ききらないうちに、彼らの幸せは打ち砕かれることに。
最初に起こったのは、ポルターガイスト。
誰も触れていないはずの本が床に落ちる。誰も居ないはずの場所から物音が聞こえる。
不審に思いながらも、深く追求しようとしなかったルネだったが、そんな矢先、屋根裏部屋を探検していた長男・ダルトンが梯子から転落し、昏睡状態に陥るという不幸な事故が起こってしまう。
精密検査を受けさせたものの、はっきりとした原因が特定されず、何の治療法も見つからないまま自宅でダルトンの介護を始めるルネ。
日に日に疲弊してゆくルネに追い討ちをかけるように、怪奇現象は激しさを増し、ついに一家は家を捨て居を移す事を決意するのだが・・・。
彼らを襲うモノの正体とは?
その本当の狙いとは一体?


というわけで、『SAW』の生みの親であるジェイムズ・ワン&リー・ワネル・コンビの最新作『インシディアス』を観て来ました。
ちなみに、本作にプロデューサーとして参加しているのは『パラノーマル・アクティビティ』のオーレン・ペリ。
ホラー映画史に燦然と輝く、「少ない元手でがっつり稼いだ映画」ツートップがタッグを組んでお送りする、夢の一大プロジェクトがここに・・・!

・・・
・・って、ここに『ブレアウィッチ・プロジェクト』のダニエル・マイリックさんとエドゥアルド・サンチェスさんが呼ばれなかった理由って何なのでしょうね・・・ なんだろう・・この「同窓会に一人だけ呼ばれなかった感」は・・・。 奥さん、シビアな世界でっせ!ショービズ界は!
ま、それはさておき、そんな旬なみなさんが「オレ流ポルターガイスト」を目指したであろう本作は、古典的なびっくらかし手法を使いつつもそのストーリー(※特に後半)は新鮮な驚きに満ちており、今までになかったオカルト映画に仕上がっていたのではないかと思います。

新しい家というのは、明るい未来を感じさせると共に、不安の象徴でもある。
住み慣れた家にはない緊張感と、新参者扱いされているという疎外感。
そんな「ちょっとした不安」を、子ども部屋に置いたベビーモニターから聞こえる謎の雑音や、2階の窓の外に浮かび上がる青白い男の顔、廊下の隅に佇むレトロな身なりの双子などのショックシーンで煽りたて、さらに「子どもを付けねらう邪悪な存在」によって絶望へと叩き込む一連の流れはとても素晴らしいと思いますし、その直後に「いや・・でも今の双子けっこう老けてたよなぁ・・」「どんだけノリノリに踊るおばけやねん」「ていうかおばけ出て来すぎだろ」と(心の中で)突っ込ませる事で「恐怖と笑い」のバランスをとっているのも見事だと思います。
いかにも曰く有りげな置時計や、ドアの陰で揺れる木馬、スケッチ用の木炭やレコードプレイヤーなどの小物の使い方が秀逸だった他、おどろおどろしく奏でられる弦楽器とピアノの不協和音も実に効果的で、「じんわりとヤな感じ」を上手に醸し出していたのではないでしょうか。
いや、オレは最初からわかってたよ! ワンとワネルはできる子だってさ!

物語はクライマックスへ進むにつれ、徐々に「恐怖映画」から「お祭り映画」に様変わりし始め、キーパーソン的おばけとして登場する“赤と黒に塗られた顔を持つ悪魔”は、頭はハゲ散らかしちゃってるわビジュアルはまんまダースモールだわ、主人公・ジョシュを幼少期に悩ませていた“老婆型おばけ”も、これまた周囲の皆さんが「老婆が・・老婆が・・」と呼んでいる割にはどう見てもおっさんにしか見えないわで、怖いのかオモロイのかわからなくなってしまいます。
どちらのおばけも、初登場シーンの超おっかない様相から一転、一気にお笑い方面へと堕ちてゆく様がなんとも味わい深いです。
その他のおばけも、コスプレの種類は違えどみな一様に老け顔で、若干ズレ気味のつけ睫毛と過剰に塗りたくったドーランが、中の人の実年齢と相まって、えげつない程グロテスク(醜悪)な美しさを生み出しているトコロがステキだと思いました。
みんなホント、いい表情(かお)しててさぁ・・ なんかもうそのままみんなでUSJのナイトパレードに繰り出したいような気分ですよ!


でね、ちょっとばかし話を戻しますけどね。 
要は、百歩譲ってホラーをカップルで観に来たとして、それで何がどうなるんだって事を、ぼくは言いたい訳なんですよ。(←かなり戻ってる)
ビックリさせるような過激なシーンがありました、はい、案の定ビックリしました、はい、隣の男子にしがみつきました。 「キャー」つって。 「やだー」つって。
おい!目を覚ませ! それでおまえは満足なのか! と。
本当の恐怖に出会った時、そばにいる男子に頼って、なんとかしてもらって、そうやってのらりくらりと過ごしてゆくだけの人生でいいのか? と。
だけじゃない。 だけじゃないよ、テイジン。
困難な時こそ、誰かに頼るのではなく、自分自身で解決方を見つけなければならないのではないか。
「あたしよわいんですう」と泣きべそを書くだけの人生でいいのか。 否!ノーだ!
究極の恐怖に直面した時、そばにいる男子にその豊満な乳を擦り付けても、そこには何も生まれない! いや、生理学的反応は生まれるけども!ニョッキン7!そうじゃなくて!
勝利は、自分のその手で掴みとらなければ、真の勝利とは呼べないのだよ!

実は、本作に登場するルネも、まさにこの「あたしよわいんですう」タイプでありまして、ポルターガイストが多発し、あまつさえモノホンの幽霊まで出現し始めた最中、彼女は夫のジョシュに「はやく帰ってきてよ!」とかえれコールを頻発。
子どもの傍から離れ、家の外でジョシュを待つという暴挙に出ます。
もうね、ちょっと待てと。
おばけがウロウロしているって非常事態時に、幼い子どもの傍から離れるんじゃないよこのゆるふわ主婦、と。
とりあえず、アガサだったら子どもを一部屋に集めて、そこをベースに防衛網を敷きますよね。そりゃもう徹底的にやってやりますよ、ぼくは。
まずは、ジャパニーズのトラディショナルな手法「塩」を撒きますよね。 そこに西洋の手法から「聖水・十字架・おまじない」を拝借。小学生の頃日曜学校に通っていた経験は伊達じゃないってトコを、おばけの連中に思い知らせてやりますよ。 まぁ、実際は献金用に母から貰ったお金を駄菓子屋に横流しする為に通っていたようなものなんですけどね。大事なのは気持ち!「負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じぬく事」、それがいちばん大事!

あとはまぁ・・何か適当に・・お線香を焚くとか・・ほら、あの、お椀みたいな鉄のやつをチーンって・・織田無道みたいなジャラジャラを首にまいて・・「キッ」って・・精一杯がんばる方向で・・。
・・と、とにかく、男手に頼る前に、自分で抗戦しないとダメだった事をね、どうしてもお伝えしておきたかった。それだけなんですよ。  カップルでホラーを観に来ているという状況が妬ましいとかじゃない、断じてない。 あー1人でホラー観るの超たのしー。

と言う訳で、お母さん方の頑張りが圧倒的に足りない点がやや不満ではありましたが、二転三転するストーリーやグっとくるオチも含めてとても面白い作品だったと思いますので、機会がありましたら、是非。



― 追 記 ― (※オチバレ含む)


・ よくある「幽霊屋敷モノ」なのかと思いきや、物語の終盤、全ての凶事は少年の「幽体離脱体質」が招いたのだということが明らかになります。 
つまり、少年はもともと頻繁に観光気分で幽体離脱しており、その最中「この世とあの世の境」に迷い込んでしまった

魂がお留守で、空き部屋状態になった少年の体

その体を拝借して現実世界への復帰を果すべく、様々な幽霊が家に集まってきた

「ちょっとまて、そこわしが入居する!」とばかりに悪魔までやってきた ←イマココ
というコトなのですが、なにその賃貸物件感覚! 30年一括借上で安心か!託してみますか! みないよコンチキショウ!

・ で、まんまと老婆に借上されてしまったお父さん(同じく幽体離脱体質)。 

・ まぁね、でも、老婆といっても、限りなくおっさんに近いおばさんでしたし、ここは思い切って、しっかり話し合って仲良く暮らして行けるように頑張ってみてはいかがでしょうか。   

・ 幽体離脱といえば、昔アガサが読んだ本に「夜仰向けに寝転んで、うとうとして、深い眠りにおちる瞬間を見計らってガバアッって起き上がったら見事に魂だけが分離できますよ」というザックリとした幽体離脱法が載っていたのですが、どうしてもそのタイミングがわからないのと、なんだかんだいっても怖いのとで実践した事はありません。 もしよかったら、どなたか一度試してみてください。(←おっかないので丸投げ)

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