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『孫文の義士団』

2011年09月07日
義士団
月刊 EXILEじゃないよ! 義士団だよ!

あらすじ・・・
1906年、香港。 
圧政に苦しむ中国本土の人々が、孫文という偉大な指導者のもと武装蜂起を成功させるにはまだ至っていなかったものの、確実に変化への下準備が整い始めていた革命前夜。
亡命先の日本から秘密裏に来航しようとしていた孫文。
彼を亡き者にせよという、西太后からの命を受けた500人の暗殺団。
そして、その大集団にたった数人で立ち向かおうとする名も無き義士団。
彼らが揃った時、中国の未来をかけた壮絶な1時間が幕を開ける・・・!


岡山でもついに公開された『孫文の義士団』を観てきましたよ!!
中国で約100年前に起こった辛亥革命。
その痛みや重みをみっしりと実感している中国の人と、「そういえば世界史でそんなの習ったような・・・」程度のアガサとでは、作品に対する理解度も思い入れも全く異なるわけで、というのは単なる言い訳なのですが、まぁ、要するに孫文到着までの1時間あまりが若干長く感じてしまったのでありました。
「孫文先生がくるんだとよ!」
「中国全土から集まる仲間と革命の相談がしたいんだとよ!」
「じゃあ1時間くらい都合すっぺか!」
「よし!がんばっぺ!」
「んだー!」
(※以上アガサ意訳)
というシンプルな計画を、苦悩と陰毛ヘアー(※すごい縮れてるという意味)に包まれたレオン・ライや、
屋台の揚げパンを万引きしたり屋台のリンゴを万引きしたりするドニーさんや、
手汗にまみれたボロボロの手ぬぐいすらオシャレなストールに見えてしまうというリアル「イケメンすぎるホームレス」状態のニコラス・ツェーが、飲んだり食ったりしながら相談する描写に1時間強。
いや、彼らが背負うドラマの説明なくしては、義士団に対する感情移入も物語に対する想いも発生しないので、とても重要なくだりではあるのですが、ちょっとね・・ゆっくりペースだなぁ、と思ったんですよね。 もうちょっとさくさく進んでもよかったのになぁ・・と。
・・いや、奥歯にものの挟まったような話し方はよそう!
オレはもっと、アクションが見たかったんだよ!!ドニーさんの!


ドニーさん
(これこれ!こういうやつ!!)

ポスターの印象だけで、勝手にドニーさんメインの映画なのだと思い込んでいたのですが、本作におけるドニーさんはあくまで「8人の義士団」の中のひとりでして。
もちろん、画面の中心だろうと隅っこだろうと全身から「ドニーさんオーラ」を発していますので、脇役という感じはしないのですが、孫文の思想に惹かれ革命を支援してきた事業家とその息子の関係だったり、元教師の革命活動家とその教え子(現・暗殺者)との関係だったり、少林寺から追い出された大男のエピソードだったり、各種恋愛沙汰だったりがまんべんなく語られて行きますので、ドニーさんの本領発揮シーンは後半までお預けに。
このドニーさん、博打にのめり込むあまり嫁に捨てられた過去があり、それ以降ずっと自堕落な生活に身をやつしているという設定で、小銭稼ぎのために悪党の下働きみたいなコトまでやっているという、まぁ、完結にいうとクズ人間な訳ですね。
で、そんなクズ人間のもとに、彼の元嫁で現在は事業家の後妻さんとなっている女性がやってきて、夫の身を守ってくれと依頼することで、彼の隠された実力が明らかとなるのですが、前半のぐーたら具合とのギャップがありすぎて釈然としないというか。
もうちょっと「実は出来る男だった」描写があった方がよかったなぁ・・と。(身のこなしが軽い、という描写はちょこっとだけありますが)
なんかね、「義士団を作ろうと思って周りを見渡したら超人がいてラッキーだったでござる!」みたいに感じなくも無いんですよね。

ドニーさんのほかに、もうひとり「いきなり超人」シリーズにエントリーした人物がおりまして、それが前述した陰毛ヘアーのレオン・ライさんなのでありますが。
いやぁ・・正直、さっきから陰毛インモウって書きすぎていて、かなり沢山の敵を作っているような気がしてならないのですが、これはレオンさんがどうこうっていうんじゃなく、あくまで髪形の話ですからね!レオンさんはかっこいいですよ!全然disってないですよ! ただね、長年路上で生活していた為、身だしなみに構う余裕がなかったというかね、髪の毛も髭も伸び放題の縮れ放題で、もうこれ学生時代だったら確実にあだ名が「ちんげさん」になってるレベルだよね、って。そういうニュアンスでお願いします。
さて、このちんげさん、昔自分の父親の妻(これも後妻さんか・・)に想いを寄せ、それが原因で家庭崩壊させてしまったという苦い過去を引きずり、今ではお金持ちから施しを受け、麻薬で心の痛みを誤魔化す日々という、まぁ、完結にいうとこれまたクズ人間な訳ですよね。
しかし、これまた実は、そんなちんげさんも家宝の鉄扇をひとたび手にすると無敵になるという、いきなりな展開に。
しかも、鉄扇を片手に颯爽と現われた時には、きっちり髭を剃り、髪型もさらさらストレートパーマになっているという・・・!
どうですか、みなさん!
もう、ちんげさんとは呼ばせない・・・!!!という意気込みがひしひしと伝わってきませんか!

冗談はさておき、この鉄扇無双のシーンは、ドニーさんの見せ場に負けないくらい、というか、かっここよさではドニーさんを越えてしまっているのではないかという程、血がたぎって、心が躍って、目頭が熱くなる名シーンだったと思います。
いや、もちろん、ドニーさんによるパルクールや投げ飛ばしあい蹴り飛ばしあいといった死闘も超スゴイんですけどね。 こんなの見ちゃったら、また「壁が走りたい病」が再発してしまうじゃないか!(※ドニーさんの映画を観る度に再発している)
とにかく、前半に関してはちょっと物足りない部分もあるものの、後半(孫文到着以降)の展開はめちゃくちゃ燃えますので、補って余りあるというか、アガサの中では今年度トップ10に入る事間違いなしの名作と認識されました。 
ちょこっとだけ出てきて、抜群の存在感と遺恨の念を植えつけて行くサイモン・ヤムさんも最高でしたよ!

多くの命を救うけれど、同時に多くの犠牲をも生み出すのが革命であるという、なんとも納得しがたい事実。
中心になって革命を盛り上げるのは理想に燃える指導者ですが、それを支える市井の人々は、革命に対する大きなビジョンではなく、ごくごく私的な事柄の為に命を差し出している。
理想って一体なんなんだろう、と思います。
要するに、みんな幸せに暮らしたいだけなのに、それを実現させる為には死体が山と積まれる羽目になる、ってどういう事なんだろう、と。
「痛みを伴う」とよく聞きますが、その痛みは本当に必要な痛みなのか?とかね、なんだか非常にもやもやしますね。

と言う事で、もやもやしたりうおーってなったりビンビンになったり涙腺崩壊したりする、とても熱い作品でしたので、未見の方は是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

あ、それと最後に、アガサちょっと思ったんですけど、「中国本土から集まった仲間との密談を成功させる為、義士団が身を犠牲にして暗殺団を引き寄せる」という計画って、もしかして、孫文さんを香港本土に上陸させるんじゃなくて、仲間のみなさんが孫文さんの船に乗り込めばよかったんじゃねーの? ほら、逆転の発想的な感じで。
人の上に立つみなさんには、リスクアセスメントをしっかり行って頂きたいものですね!


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