BBC製作ドラマ 『SHERLOCK シャーロック』感想
2011年09月02日
夏休みの終盤、BSで放送されていた『シャーロック』。
録画予約を忘れる事に関しては、日本で3本の指が入る・・じゃなかった、3本の指に入る自信があるアガサですので、世帯主さまの予想を裏切る事無くがっつり録り忘れてしまったのですが、遠方に住む姉上様がDVDを送ってくれたお陰で、無事鑑賞するコトができました。 ありがとうおねいちゃん!!
アガサがホームズを知ったのは、中学生の頃。
NHKで放送していた、ジェレミー・ブレット版シャーロック・ホームズを見たのが、最初のきっかけでした。
その時放送されていた話は「青い紅玉」。
テンポよく進められるストーリーと、ユーモアあふれるやりとり、ジェレミー・ブレットの美麗な立ち振る舞い。
そりゃもう瞬殺でしたね!
そこから原作に興味を持ち、今でも年に数回は読み直してしまう程度にホームズ好きな訳ですので、原作の舞台を現在に移してリ・イマジネーションされた今回の『シャーロック』は、楽しみでしょうがなかったのですよ。(その割には録画忘れてたんだけども)
で、とりあえず、送ってもらったDVDをさくさくと鑑賞。
ホームズ先生のビジュアルがなんだか爬虫類っぽくて、最初こそ「ウヌヌ・・」となったものの、気がつくとぐいぐいと物語に引き込まれ、ものの5分で全ての違和感が吹き飛んでしまいました。
「第1話・ピンク色の研究」は、その題名が物語っているように「緋色の研究」の要素を強く感じさせる【ホームズ×ワトソン誕生編】。
1880年代に書かれた、「アフガン帰りの軍医」という設定が、現在でもそのまま通用する、という点は、おもしろいというかおそろしいというか・・。
二人が出会うのが化学実験室だったり、ホームズ先生が打撲傷のデータ収集の為死体をバシバシ殴っていたり、といったエピソードもそのまま登場。
原作に比べ若干感情に乏しい所があるものの、自ら「コンサルティング・ディテクティヴ(コンサルト探偵)(原作では顧問探偵と訳されている)」と名乗り、警察の仕事に果敢に首を突っ込んでゆくホームズ先生の勇姿は、130年前と同じようにファンを熱狂させる事間違いなしなのではないでしょうか。
それに、「感情に乏しい」って言ったけど、要するにそれは「はげしくツンデレ」って事なので、全然問題ナシなんですよ!
ワトソンくんを小間使いの如くこき使い、ボロ雑巾のように足蹴にするけれど、なんだかんだ言ってむちゃくちゃ頼みの綱にしていて、しれっと食事誘ったりとか・・・ もうね、ワトソンくんとの絡みの全てが眩しいよね!直視出来ないほど輝いてるよね! 夜の8時台だなんていう健全な時間帯から、こんな濃厚なツンデレを映してもいいんですか?!え?! NHKさんは、いつからそんなに奔放になってしまったんですか! ちくしょう!いいぞ!もっとやれ!!
「なんでこれがわかんないの?」「肝心な事はなんにも調べれてないじゃん」などなど、何かとあほな子扱いされる事の多いワトソンくんを、「戦場で味わった死の危険(スリル)が忘れられないハードM」という設定にする事で、あほっぽさの軽減に成功。
生粋のドSであるホームズ先生との掛け算にも、より一層深い味わいが与えられました。
昨年公開された、ガイ・リッチー版『シャーロック・ホームズ』は、アメリカにおける原作の著作権を持っている女性から「ほも禁止!!」とキリキリ怒られてしまったそうですが、このBBS版はイギリスのドラマなので、誰に遠慮することもなく堂々と薄い本用のネタ提供に勤しんでくれていたのでしょうね! きっとそうでしょう!
ちょっと話が本道を進みすぎましたので、脇道にそれましょうか。
「第2話・死を呼ぶ暗号」は、ホームズ先生が「踊る人形」っぽい暗号を解読しつつ、謎の暗殺団に迫るアクションミステリー。
・・という隠れ蓑の中には、知り合ったばかりの女性にうつつを抜かすワトソンくんにさりげない愛の告白をするホームズ先生のデレっぷりが潜んでいるという真実を見逃すな!(←結局本道に戻ってしまう)
「第3話・大いなるゲーム」は、実はまだ全部鑑賞できていないのですが、大本となっている「ブルース=パティントン設計書」の“キップがないのに列車から落ちて死んだ男”のトリックがそのまま出てきたのには、物凄く興奮してしまいましたねぇ。
まさか現代でも使えるネタだったとは・・・。 あと、ストーリーには関係ないのですが、殺された有名ファッション研究家の弟が限りなくエルトン・ジョンっぽくて胸アツでした。
事件がないと退屈で死にたくなる、というホームズ先生の性格は、一見すると「殺人を喜ぶ異常者」に見えなくもない。
そのことから、冷淡で情に欠けている人でなし、みたいに評されることも少なからずある。(このドラマでも、警察関係者からの評はさんざんでした)
しかし、彼の中には優しさや強い正義心も間違いなく存在しており、時折見せる本音の部分の圧倒的な熱量に、アガサは魅了されてしまうのですよね。
この第3話にも、「これはゲームだ!」「ヒャッハー!」と人殺しに興奮して顰蹙をかっていたホームズ先生が、人質にとられた子どもを助ける為声を荒げるシーンがあり、グっときてしまいました。
最初、この「もしもホームズが現代に生きていたら」というプロットを目にした時は、「ストーリーをそのまま現代で再現するのかなぁ・・」とか、「タイムスリップ劇なのかなぁ・・」と想像し、「それは下手したら大惨事になってしまうんじゃなかろうか・・」と勝手な心配をしていたのですが、全てが杞憂だった事が何より嬉しかったです。
原作の要素を上手に活かし、時には大胆に、時にはちょっと捻りを加えて、ホームズファンもミステリーファンも納得させるだけの良作に仕上げた製作陣には、「ホームズ」というキャラに対するこだわりを強く感じましたし、また同時に、イギリスという国において「シャーロック・ホームズ」という物語がいかに愛され続けているか、という事もひしひしと伝わってきました。
来年放送される予定というシーズン2が、早くも楽しみでたまりませんね!(あと、出来ればこのキャストで映画版も作ってほしい!)
-おまけとか元ネタ探しとか-
・ ワトソンくんが、アフガンで負った怪我は肩だったにも関わらず、PTSDから脚を引きずっていた点は、原作の中での怪我の設定が「緋色の研究」の時点では肩だったのが「四人の署名」で脚に変わっていた事に対するオマージュとみた! 違ってたらすまん!
・ 「ピンク色の研究」に出てくる「RACHE=復讐だ」「いや、女の名前だ」というくだり。原作でのレストレードくんとのやりとりをそのまま逆にしていておもしろい。 ちなみに、原作では結局その文字に深い意味はないのだけど、こちらはきちんと意味を持たせている。 真面目だネー。
・ この「ピンク色の研究」では、他にも「犯人が動脈瘤を患っており余命僅か」な点や、「殺したい相手に毒入りと毒無しの2つの薬を選ばせる」点でも原作のエピソードを再現していました。 あと、原作では「馬車の御者」をしていた犯人がこちらでは「黒タクシーの運転手」になっていたり。 こまかいネー。
・ 「死を呼ぶ暗号」にはレストレードくんの代わり別の刑事さんが出てきたので、てっきりグレグスン刑事なんだろうと思っていたら「オレはディボック刑事だ!」とのこと。 思わず「そんな刑事出てくるっけ?」と原作を引っ張り出してしまったじゃまいか!そして出てこなかったじゃまいか!いや、いいんだけども!
・ 「死を呼ぶ暗号」に出てくる中国要素は「高名な依頼人」の中国ネタなのかなぁ・・と思ったのですが・・ それは違うかw (若干こじつけかも)
・ 「死を呼ぶ暗号」には、ドアに鍵がかかった密室で人が殺される、というトリックが出てくるのですが、ホームズ先生がいちいち窓を開けて壁の状態とか高さとかをチェックするものですから、ドーピングして猿になった大学教授が犯人だったらどうしようかと思いました。(※原作「這う男」より)
・ 「死を呼ぶ暗号」。 一対になった数字を“A-Z London Map and Walks”というロンドンでは超メジャーな地図に当てはめて言葉を探し出すくだりは、「恐怖の谷」に出てくる暗号解析のシーンから持ってきたのかもしれませんね。 「聖書じゃないの?」「いや、鉄道旅行案内だ!」「えー違うよー」と、ホームズ先生とワトソンくんがいちゃいちゃする名シーンですよ。
たぶんまだまだ沢山元ネタがあるのだろうと思いますので、もしもご存知の方は是非教えて下さい!
(第3話に関しては鑑賞後に追記する予定です)
追記(9月11日)
・ 第3話「大いなるゲーム」の主な内容は、先述したとおり「ブルース=パティントン設計書」ですね。 冒頭、退屈したホームズ先生が壁に弾丸でスマイルマークを作るのは、「マズグレーヴ家の儀式書」で紹介されている“壁にヴィクトリア女王のイニシャルを撃ち抜く”の現代版。
・ 地動説や太陽系の組織について何も知らないホームズ先生につっこむワトソンくんに、“知ったとしても今すぐ忘れることにするよ”と返すのは「緋色の研究」でのやりとりですね。 原作では、人間の頭脳のことを“空っぽのちいさな屋根裏部屋”と喩えたホームズ先生ですが、本作では「ハードディスク」と表現。 よっ!現代っ子!
・ 謎の人物から届いたメッセージ。 時報の音が5回鳴るのを聞いて“オレンジの種を5つ送りつける暗殺者もいる”と説明するのは、「5つのオレンジの種」のオマージュですね。
・ 事件をゲームと呼び、あからさまにテンションをあげるホームズ先生。 観たのは吹き替え版だったのでわかりませんが、もしかしてこのシーン、原語だと“A game is afoot!”と叫んでいたんだったりして。(「僧房荘園」の冒頭の名セリフ) 今度再放送があったら英語バージョンでも観てみます。
・ クライマックス。 死の危険に晒されたワトソンくんに「怪我はない?!だいじょうぶ?!」と駆け寄るホームズ先生。 「ガリデブが三人」のラストで、銃創を負ったワトソンくんにを前にいつもの冷静さを失ってアワアワなった時の姿と重なったのですが、ここもオマージュってことでいいのだろうか・・。 普段あんまり取り乱さないんですよねぇ。 なんかもうアレですよね。 おまえらもう、つきあっちゃえよ! って言いたくもなりますよね!ね!
・ コメント欄にて、タイムさんよりご指摘を受けましたが、第2話はの元ネタは「恐怖の谷」ですね。 そうだよーホント、ラストまでそのまんまだったよー!
・ ぐっさんさんとじみさんからもご指摘を頂きました。 「ニコチンパッチ三枚」は、「パイプ3服分の思考」(※)だそうです。 なるほど~。 (※「赤毛連盟」でのホームズ先生のセリフ)
・ 同じくじみさんからコメント頂きました。 ワトソンのくんの携帯から推理を働かせるのは「四人の署名」での懐中時計のエピソードと同じですね。 “都合がよければ来い、悪くても来い”というメールは、「這う男」でホームズがワトソンに送った電報と同じとのことです。 みなさんホントよくご存知ですね・・すごいッス! 自分ももっかい読み直してくるッス!
♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ → 録画予約を忘れる事に関しては、日本で3本の指が入る・・じゃなかった、3本の指に入る自信があるアガサですので、世帯主さまの予想を裏切る事無くがっつり録り忘れてしまったのですが、遠方に住む姉上様がDVDを送ってくれたお陰で、無事鑑賞するコトができました。 ありがとうおねいちゃん!!
アガサがホームズを知ったのは、中学生の頃。
NHKで放送していた、ジェレミー・ブレット版シャーロック・ホームズを見たのが、最初のきっかけでした。
その時放送されていた話は「青い紅玉」。
テンポよく進められるストーリーと、ユーモアあふれるやりとり、ジェレミー・ブレットの美麗な立ち振る舞い。
そりゃもう瞬殺でしたね!
そこから原作に興味を持ち、今でも年に数回は読み直してしまう程度にホームズ好きな訳ですので、原作の舞台を現在に移してリ・イマジネーションされた今回の『シャーロック』は、楽しみでしょうがなかったのですよ。(その割には録画忘れてたんだけども)
で、とりあえず、送ってもらったDVDをさくさくと鑑賞。
ホームズ先生のビジュアルがなんだか爬虫類っぽくて、最初こそ「ウヌヌ・・」となったものの、気がつくとぐいぐいと物語に引き込まれ、ものの5分で全ての違和感が吹き飛んでしまいました。
「第1話・ピンク色の研究」は、その題名が物語っているように「緋色の研究」の要素を強く感じさせる【ホームズ×ワトソン誕生編】。
1880年代に書かれた、「アフガン帰りの軍医」という設定が、現在でもそのまま通用する、という点は、おもしろいというかおそろしいというか・・。
二人が出会うのが化学実験室だったり、ホームズ先生が打撲傷のデータ収集の為死体をバシバシ殴っていたり、といったエピソードもそのまま登場。
原作に比べ若干感情に乏しい所があるものの、自ら「コンサルティング・ディテクティヴ(コンサルト探偵)(原作では顧問探偵と訳されている)」と名乗り、警察の仕事に果敢に首を突っ込んでゆくホームズ先生の勇姿は、130年前と同じようにファンを熱狂させる事間違いなしなのではないでしょうか。
それに、「感情に乏しい」って言ったけど、要するにそれは「はげしくツンデレ」って事なので、全然問題ナシなんですよ!
ワトソンくんを小間使いの如くこき使い、ボロ雑巾のように足蹴にするけれど、なんだかんだ言ってむちゃくちゃ頼みの綱にしていて、しれっと食事誘ったりとか・・・ もうね、ワトソンくんとの絡みの全てが眩しいよね!直視出来ないほど輝いてるよね! 夜の8時台だなんていう健全な時間帯から、こんな濃厚なツンデレを映してもいいんですか?!え?! NHKさんは、いつからそんなに奔放になってしまったんですか! ちくしょう!いいぞ!もっとやれ!!
「なんでこれがわかんないの?」「肝心な事はなんにも調べれてないじゃん」などなど、何かとあほな子扱いされる事の多いワトソンくんを、「戦場で味わった死の危険(スリル)が忘れられないハードM」という設定にする事で、あほっぽさの軽減に成功。
生粋のドSであるホームズ先生との掛け算にも、より一層深い味わいが与えられました。
昨年公開された、ガイ・リッチー版『シャーロック・ホームズ』は、アメリカにおける原作の著作権を持っている女性から「ほも禁止!!」とキリキリ怒られてしまったそうですが、このBBS版はイギリスのドラマなので、誰に遠慮することもなく堂々と薄い本用のネタ提供に勤しんでくれていたのでしょうね! きっとそうでしょう!
ちょっと話が本道を進みすぎましたので、脇道にそれましょうか。
「第2話・死を呼ぶ暗号」は、ホームズ先生が「踊る人形」っぽい暗号を解読しつつ、謎の暗殺団に迫るアクションミステリー。
・・という隠れ蓑の中には、知り合ったばかりの女性にうつつを抜かすワトソンくんにさりげない愛の告白をするホームズ先生のデレっぷりが潜んでいるという真実を見逃すな!(←結局本道に戻ってしまう)
「第3話・大いなるゲーム」は、実はまだ全部鑑賞できていないのですが、大本となっている「ブルース=パティントン設計書」の“キップがないのに列車から落ちて死んだ男”のトリックがそのまま出てきたのには、物凄く興奮してしまいましたねぇ。
まさか現代でも使えるネタだったとは・・・。 あと、ストーリーには関係ないのですが、殺された有名ファッション研究家の弟が限りなくエルトン・ジョンっぽくて胸アツでした。
事件がないと退屈で死にたくなる、というホームズ先生の性格は、一見すると「殺人を喜ぶ異常者」に見えなくもない。
そのことから、冷淡で情に欠けている人でなし、みたいに評されることも少なからずある。(このドラマでも、警察関係者からの評はさんざんでした)
しかし、彼の中には優しさや強い正義心も間違いなく存在しており、時折見せる本音の部分の圧倒的な熱量に、アガサは魅了されてしまうのですよね。
この第3話にも、「これはゲームだ!」「ヒャッハー!」と人殺しに興奮して顰蹙をかっていたホームズ先生が、人質にとられた子どもを助ける為声を荒げるシーンがあり、グっときてしまいました。
最初、この「もしもホームズが現代に生きていたら」というプロットを目にした時は、「ストーリーをそのまま現代で再現するのかなぁ・・」とか、「タイムスリップ劇なのかなぁ・・」と想像し、「それは下手したら大惨事になってしまうんじゃなかろうか・・」と勝手な心配をしていたのですが、全てが杞憂だった事が何より嬉しかったです。
原作の要素を上手に活かし、時には大胆に、時にはちょっと捻りを加えて、ホームズファンもミステリーファンも納得させるだけの良作に仕上げた製作陣には、「ホームズ」というキャラに対するこだわりを強く感じましたし、また同時に、イギリスという国において「シャーロック・ホームズ」という物語がいかに愛され続けているか、という事もひしひしと伝わってきました。
来年放送される予定というシーズン2が、早くも楽しみでたまりませんね!(あと、出来ればこのキャストで映画版も作ってほしい!)
-おまけとか元ネタ探しとか-
・ ワトソンくんが、アフガンで負った怪我は肩だったにも関わらず、PTSDから脚を引きずっていた点は、原作の中での怪我の設定が「緋色の研究」の時点では肩だったのが「四人の署名」で脚に変わっていた事に対するオマージュとみた! 違ってたらすまん!
・ 「ピンク色の研究」に出てくる「RACHE=復讐だ」「いや、女の名前だ」というくだり。原作でのレストレードくんとのやりとりをそのまま逆にしていておもしろい。 ちなみに、原作では結局その文字に深い意味はないのだけど、こちらはきちんと意味を持たせている。 真面目だネー。
・ この「ピンク色の研究」では、他にも「犯人が動脈瘤を患っており余命僅か」な点や、「殺したい相手に毒入りと毒無しの2つの薬を選ばせる」点でも原作のエピソードを再現していました。 あと、原作では「馬車の御者」をしていた犯人がこちらでは「黒タクシーの運転手」になっていたり。 こまかいネー。
・ 「死を呼ぶ暗号」にはレストレードくんの代わり別の刑事さんが出てきたので、てっきりグレグスン刑事なんだろうと思っていたら「オレはディボック刑事だ!」とのこと。 思わず「そんな刑事出てくるっけ?」と原作を引っ張り出してしまったじゃまいか!そして出てこなかったじゃまいか!いや、いいんだけども!
・ 「死を呼ぶ暗号」に出てくる中国要素は「高名な依頼人」の中国ネタなのかなぁ・・と思ったのですが・・ それは違うかw (若干こじつけかも)
・ 「死を呼ぶ暗号」には、ドアに鍵がかかった密室で人が殺される、というトリックが出てくるのですが、ホームズ先生がいちいち窓を開けて壁の状態とか高さとかをチェックするものですから、ドーピングして猿になった大学教授が犯人だったらどうしようかと思いました。(※原作「這う男」より)
・ 「死を呼ぶ暗号」。 一対になった数字を“A-Z London Map and Walks”というロンドンでは超メジャーな地図に当てはめて言葉を探し出すくだりは、「恐怖の谷」に出てくる暗号解析のシーンから持ってきたのかもしれませんね。 「聖書じゃないの?」「いや、鉄道旅行案内だ!」「えー違うよー」と、ホームズ先生とワトソンくんがいちゃいちゃする名シーンですよ。
たぶんまだまだ沢山元ネタがあるのだろうと思いますので、もしもご存知の方は是非教えて下さい!
(第3話に関しては鑑賞後に追記する予定です)
追記(9月11日)
・ 第3話「大いなるゲーム」の主な内容は、先述したとおり「ブルース=パティントン設計書」ですね。 冒頭、退屈したホームズ先生が壁に弾丸でスマイルマークを作るのは、「マズグレーヴ家の儀式書」で紹介されている“壁にヴィクトリア女王のイニシャルを撃ち抜く”の現代版。
・ 地動説や太陽系の組織について何も知らないホームズ先生につっこむワトソンくんに、“知ったとしても今すぐ忘れることにするよ”と返すのは「緋色の研究」でのやりとりですね。 原作では、人間の頭脳のことを“空っぽのちいさな屋根裏部屋”と喩えたホームズ先生ですが、本作では「ハードディスク」と表現。 よっ!現代っ子!
・ 謎の人物から届いたメッセージ。 時報の音が5回鳴るのを聞いて“オレンジの種を5つ送りつける暗殺者もいる”と説明するのは、「5つのオレンジの種」のオマージュですね。
・ 事件をゲームと呼び、あからさまにテンションをあげるホームズ先生。 観たのは吹き替え版だったのでわかりませんが、もしかしてこのシーン、原語だと“A game is afoot!”と叫んでいたんだったりして。(「僧房荘園」の冒頭の名セリフ) 今度再放送があったら英語バージョンでも観てみます。
・ クライマックス。 死の危険に晒されたワトソンくんに「怪我はない?!だいじょうぶ?!」と駆け寄るホームズ先生。 「ガリデブが三人」のラストで、銃創を負ったワトソンくんにを前にいつもの冷静さを失ってアワアワなった時の姿と重なったのですが、ここもオマージュってことでいいのだろうか・・。 普段あんまり取り乱さないんですよねぇ。 なんかもうアレですよね。 おまえらもう、つきあっちゃえよ! って言いたくもなりますよね!ね!
・ コメント欄にて、タイムさんよりご指摘を受けましたが、第2話はの元ネタは「恐怖の谷」ですね。 そうだよーホント、ラストまでそのまんまだったよー!
・ ぐっさんさんとじみさんからもご指摘を頂きました。 「ニコチンパッチ三枚」は、「パイプ3服分の思考」(※)だそうです。 なるほど~。 (※「赤毛連盟」でのホームズ先生のセリフ)
・ 同じくじみさんからコメント頂きました。 ワトソンのくんの携帯から推理を働かせるのは「四人の署名」での懐中時計のエピソードと同じですね。 “都合がよければ来い、悪くても来い”というメールは、「這う男」でホームズがワトソンに送った電報と同じとのことです。 みなさんホントよくご存知ですね・・すごいッス! 自分ももっかい読み直してくるッス!

