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『17歳の肖像』

2011年04月25日
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オマエも教育してやろうか!!


あらすじ・・・(※ ネタバレしていますよ)
やあこんにちは、あ、突然声かけちゃってゴメンねw いや、怪しいものじゃないよ、全然怪しくない。って否定したら益々怪しいよねw   いやね、キミが持ってるそのチェロがね、この雨で水浸しになってるのが忍びなくってさぁ・・ ・・あ、そう?乗せてもいい? じゃ、チェロだけね、いや、さすがに見ず知らずの車だし、キミみたいな可愛くて聡明そうな女子高生が乗ってくれるだなんて思って・・・ でもやっぱ雨脚強いからなー・・・  ・・あ、乗る?どうぞどうぞ!
そっかー、キミ、学校でオケに入ってるんだー、いやー、音楽っていいよねー。 ちなみに今はどんな曲を練習してるの? あ、エルガーかエルガーねーエルガーはちょっとさー、いいんだけどさー、曲にバーミンガムなまりを感じるんだよねー。特にあのクレッシェンドの使い方とか・・ あ、トコロでキミって演奏会とか行っちゃってるの?行ったコトないんだー、へー・・ あ、ここが家?あ、そう。 じゃ、まあね、いつか演奏会行けるといいね。うん。

アレ? あ、なんだキミか!こないだのチェロの子ね!いやー奇遇だねー! あ、ちょうどよかった!いや、実はさぁ、今度の週末演奏会行くんだけど、よかったらキミも一緒にどうかなーって思って。 あの、ぼくの友達も一緒だし。グループだし。 あ、行く? じゃあねー、演奏会の後でご飯も一緒に食べに行っちゃうとか、アリ? お父さんに聞かないとわからない?だよねー! そっかそっか、まぁとにかく週末迎えに行こっか。 いやー、ホントまた会えてよかったよ!

演奏会どうだった?よかった?ねえ、よかった? だよねー!いや、ぼくはさぁ、キミみたいな若くて吸収力がいい子をどんどん応援したいんだよね。 知識の層と書いて、知層。あ、なんでもないです。 あー、絵画ねー。絵画もいいよねー。 ちなみにキミは誰の絵が好き? あーバーン・ジョーンズねー! 知ってる知ってる、バンジョのコトね。 ・・ああ、業界ではね、バンジョって呼んでるムキもあるんだよねー・・。 うーん、そうだねー、彼はどっちかというとアレ派のアレだよねー・・  そうそう、ラファエル前派ね!今言おうと思ったんだけどねw へー、他にもロセッティも好きなんだー。いやー、いい趣味してるわー見る眼あるわー。まぁぼくも若い頃ははまってたクチでさーw なんだかキミとぼくって似てるのかもしれないね!

ね! だから言ったでしょ? お父さんなら大丈夫だって! 超ウケるよねー!C・S・ルイスの名前出すだけでお泊り旅行オッケーとかww いや、嘘も方便って言うけどさーw お父さん、すごく素直な人なんだよきっとww いやー、それにしても充実した一日だったよねー。やっぱグループ旅行は健全でいいよね。 ・・あ、ここぼくらの部屋ね。いや、ほら、もちろん女同士の部屋っていうのも考えたんだけど、彼らも二人きりでゆっくりしたかったんじゃないかなーと思ってさー・・。 じゃあ、まぁ、ぼくらも、ゆっくりしてみる?どう? ・・あー、うんうん、わかるよ。 キミの言うコトは全て正しいよ。 ホント、まだ16歳なんだし、純潔っていうものは大切にしないとね・・うん・・クレバーな選択。ぼくも大賛成。  よし、わかった。 エッチはなしね。  エッチはなし。 エッチはなしなんだけど、せっかくのロマンティックな夜だから、ちょっとだけ見せて? え!いいの?!ありがとう!  あー・・・キレイだよ・・ぼくのミニーちゃん・・・  ・・え?「ミニーちゃん」ってほら、・・ミニー・・ミ、ミニーマウスってことだよ?  じゃ、じゃあさ、ぼくのコトは「バブラブ」って呼んでくれる? ちがうちがう!デイヴィッドじゃなくて!「バブラブ」で! ・・WOO・・イイヨー・・

いやー、いよいよ明日はパリ旅行だねー。 今回もお父さん、すんなり説得できてよかったねーw ぼく、そんなに信用あるのかなーw  ああ、どう?この部屋?今回はちょっと奮発してスイートルームを取ってみました! なにせほら、キミも無事、17歳になったことだし・・ もう、大人の仲間入りだよね・・ ・・だから・・ほら・・わかるでしょ・・? ・・大丈夫、痛くしないから・・ 怖くないよ・・ え?緊張する? ・・あ、いい事考えた! 試しにコレちょっと入れてみるってのはどう? このバナナを。    いやいやいやちがうちがう!そういうんじゃなくて! ほら、形も堅さも同じくらいだから・・いや、ぼくのがもうちょっと太くて長いけd・・いやいやいやゴメン!うそうそ! 冗談だってば! 入れないってばー!果物で処女消失なんてシャレになんなんじゃーん!わかってるってー! そうだね、やっぱ明日にとっとこうね、大切な初夜だもんね、パリに行くまでとっとこう。 フウ・・。

ぼくら付き合いだして、もう何ヶ月経ったっけ・・? まだ1年も過ぎていないんだね・・ でも、ぼくらはもうお互いの存在なしでは生きてゆけない・・。 ぼくはキミの知性や、キミの美しさや、キミの何もかもをぼくだけのモノにしたいんだ・・ ねぇ・・いいだろ・・? ぼくと結婚してくれないか・・?  いいの?! あ、うそ!やったー!  ・・あ、でも、学校は・・ あ、やめるの?ていうかもうやめてきたの? ああ・・そう・・じゃ、受験するって言ってたオックスフォード大学は・・ あ、もうどうでもいいの? ふ、ふーん・・ いや、うれしいよ!ありがとう!キミの決意は無駄にしないよ! それじゃあ、お父さんやお母さんも賛成してくれてる事だし、みんなでお祝いのディナーにでも行きますか! レッツドライブ! 

・・え?何?ダ、ダッシュボード開けちゃったの? ・・あ・・そんで見ちゃったの・・ いやー・・マジでか・・・ うーん、ちがうんだけどさー、ちがうんだけど、全然そういうんじゃないんだけど、まぁ、確かに法的に妻がいるかいないかって聞かれれば、いるような状態と思われる可能性も無きにしも非ずなんだけど・・  ごめんごめんごめん怒らないですみませんごめんなさい・・ ・・はい・・ ・・そうですね・・ いや!妻には・・!  ・・ああ・・ご両親に説明ね・・ うん・・もちろんまた日を改めてきちんと・・ えっ・・今? いやー・・それはどうだろうか・・ あ、はい、ごめんなさい・・ ごめんなさい・・  あ、お腹痛い・・イタタタタ・・・ ごめんね・・今日のトコロはお腹が痛いので・・ほんと・・ほんとごめん・・サ ヨ ナ ラ ・・・

彼女との辛い別れから早数ヶ月。
一時期はぼくを探して、ぼくの友人の家に押しかけたりしていたらしい彼女ですが、今では学校にも復学し、オックスフォードの受験にも無事合格したと、風の便りに聞きました・・。
なぜこんな事になってしまったのか・・ 今でも悔やまれてなりません。 
ただ、ぼくは真剣に彼女のことを愛していたし、今でも大切に思っています。それは、嘘偽りの無い気持ちです。
ぼくはこれからもずっと、彼女との美しい思い出を忘れない。 
彼女にもどうか、幸せな人生が訪れますように・・・。



『17歳の肖像』は、男たちの夢とロマンの結晶なのか?

観終わった瞬間、この映画は「男性目線で見た理想の恋の終わり方」なんじゃないかと思ったのですよね。
というか、「理想の捨て方」であると。
なにせ、自分が熱烈に恋をして、恋された女の子が、
①大切なモノを捧げてくれて、
②思う存分愛を語り合って、
③ずぶずぶになるまで恋愛に浸って、
④でもって、都合が悪くなったら華麗に逃げて、
⑤その後も特に女の子から直接被害を被る訳でもなく、割りと潔く身を引いてくれて、
⑥で、その女の子も無事立ち直って新たな人生を歩んでくれますからねぇ。 
恋愛というのは、このように後腐れなく終わるパターンも無くはないのですが、多くの場合泥沼化するものなのではないかと思いまして。(片方が想いを残している場合はなおさら)
ストーカー化したり、訴訟沙汰になったり、罵詈雑言の地獄絵図になるコトも、決して珍しくはない。

本作のゲス男・デイヴィッドは、既婚者である事がバレた途端、そそくさを修羅場から立ち去り、関係者の家も避け、直接対決に至らないよう上手に逃げ回ります。 
しかし、それに対し、まんまとダマされていた女子高生・ジェニーは、一度だけ勢い余ってデイヴィッドの家を覗きに行くものの、その後は粘着するコトもなく、「してやられた」という現実を冷静に受け止めて、早々に人生を再スタートします。
現実だったらこうは行かないですからね! 
「会社にバラすからね!」とか「あかちゃん・・できたみたい・・」とか「ご主人は私の方がすきだと言ってました!だから別れてください!」とか「とにかくわたしは彼のそばから離れませんから!」とか言っちゃって家に上がり込んじゃって仕舞いには奇妙な同居生活まで始まっちゃって、ホント針のむしろ生活到来ですよご主人。どうしますかご主人。

と言う訳で、てっきり「男の人が夢想した後腐れないラブ・アフェア」なんだと思って観ていたのでした。
そしたらなんと、本作は実在する女性ジャーナリストの自叙伝を映画化したものだ、というではないですか! 衝撃の展開!

で、それを知った上で改めて考えてみると、確かにこのJKの落ち着きようは、女性によく見られる特性なのかもなぁ・・と思ったのですよね。

「初めての経験」は神聖なもの。 
若い頃はみなそんな風に思いがちなものですが、では実際に「初めての経験」が「キレイなままの大切な思い出」という人がどれくらい存在するのか。
これはあくまでアガサが知っている範囲の話ですが、結構「今思えば、なんであんな男と・・・ギリギリ(←歯を噛み締める音)」という人の方が多いものなのではないか、と。 
もちろん、実際にそれを経験した頃というのは、脳みそが若干ユルくなっている年頃ですので「あたい・・この人なら・・」っつってボワワーンっつって色んなモノが麻痺していただけで、別にイヤイヤという訳ではないのですが。
「何某かの熱病に冒されていたかのようになんとなく喪失した」という女の人って、男の人が思っているよりもずっと多いと思います。
そして、それを「私は穢されてしまった」と思う人よりも「今思えば不本意だけど、ま、しょうがないか。過去は過去だよ」と思える人の方が多いような気がするのですよね。 本作のジェニーのように。

女の人というのは生まれつき、自分が経験した「あまりたのしくない経験」を無かったことにして立ち直る、強靭な精神力を兼ね備えているのですよきっと。
体の構造上の問題とか、性別が持つ役割上の問題とか、そういう太古から脈々と受け継がれているモノに潰されない為に、遺伝子レベルで組み込まれているのではないでしょうか。
いや、全員がそうだとは言いませんよ。中には心を破壊されてしまう女の人もいるでしょう。
ただ、やはり女の人は強い。 逞しい。 儚いけれど、何度でも立ち上がる力を持っている。
女性ばんざい。 ジェニーばんざい。 あと、デイヴィッドはハゲろ。

原題の『An Education』が示すように、人生にとって非常に貴重な指導を受けたジェニー。
その教えを無駄にするか活かすかは、全て自分次第なのだというコトをしっかり教えてくれたラストは、観る人にとっても、有り難い教示になったのではないでしょうか。

それから、教育といえば本作に登場するジェニーの担任・スタッブズ女史。
ケンブリッジを卒業し、将来有望な少女たちを指導する道を選んだスタッブズ先生のことを、艶やかな恋に浮かれるジェニーは「オールドミス」と見下し、「何の面白味も無い無意味な人生」と貶します。
そして大方の予想通り、ボロ雑巾の如く捨てられたのち、学生生活に復帰することを望んだ時、躊躇いつつスタッブズ先生の家の門を叩くのですが、そこで先生の家が自分の理想そのままである事を知り、衝撃を受けます。
知性に溢れ、品がよく、シンプルで心地よい部屋。
軽蔑していた自分の愚かさに気付き、心から助けを請うジェニーに、スタッブズ先生は一言「その言葉を待っていたのよ」とつぶやきます。
教育というものは、教師ひとりでは出来ないのだ、と。
教える側と教わる側の双方が本気になって、初めて成果が生まれるのだ、と。
改めて思い知らされる、とても美しいシーンでした。

本作には他にも素晴らしいシーンがあります。
中年に捨てられて落ち込むジェニーの部屋を訪ねた父親が、悪党と見抜けなかった自分を責め陳謝している時、ジェニーはドア越しに聞こえる父親の弱弱しい声に嗚咽してしまうのですよね。
確かにこの父親は、学歴コンプレックスやら虚栄心やらの塊で、口八丁手八丁のデイヴィッドにコロリと懐柔されてしまうのですが、娘に対してはいつも自信満々で、弱気なトコロを見せたことなどありませんでした。 それは、父親としての威厳であり、プライドだったと思うのです。バカなプライドですけどね。
そんな父が、娘を前に、素直に非を認め謝罪する。 自分の狭小さを自嘲気味に話す。
ジェニーは、それを聞いた時、自分の愚かさが父親の最後の砦をぶち壊してしまった事を知り、そして思い切り泣くのです。
すれ違ってばかりだった父と娘が、ようやく心を通わせるこのシーンは、とても素晴らしかったと思います。
代償は少なくなかったけど、オールオッケーでよかったよ!


それにしても、デイヴォッドのアレやコレといった手口ときたら、どれも「中身の薄っぺらさ」が透けて見えるようなありきたりなやり方ばっかりで、いくらJKとは言え、ジェニーおまえマジでもうちょっとしっかりしろよ!と喝を飛ばしたくなってしょうがありませんでした。
「知性溢れる大人の魅力」っつっても、よく見てたらデイヴィッド全然大した知識披露してないからね!
エルガーうんぬんの事くらいで、あとの絵画の薀蓄とか色々なのは、デイヴィッドの友達のダニーだから殆ど! デイヴィッドはさも「オレ知ってるよ」的なしたり顔で頷いてるだけ!
実は違法スレスレ(というかアウトのもある)な商売を生業にしている、という点も、早い段階で明らかになるのに華麗にスルーするジェニー。 おい!それは「大人の知的な魅力」って言わないだろ!落ち着いてよく考えろ!
しかし、そんなこんなも「ミニーちゃんプレイ」と「バナナプレイ」に比べればかわいいものですけどね! 処女相手にバナナプレイっておまえどんだけヘンタイやねん!!! 
あと、処女じゃなくても、付き合い始めて初めてのナニでバナナ持ち出してきたらしばき倒しますからね!ぼくは!


少なくともジェニーは、「ベッドに入った途端へんなあだ名を強要する」男や「料理をしないのにきゅうりやナスやバナナを常備している」男は要注意だというコトは、しっかと肝に銘じたことでしょうから、ホントいい人生勉強になったと思いますよ! 
全国のみんなも気をつけようね!

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