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『パラノーマル・エンティティ』

2011年03月26日
パラノーマル

おい! 『パラノーマル・アクティビティ』って知ってるか?! そうそうそれそれ! 少ない元手でがっつり儲けたらしいじゃないか! うちもやろう! 是非やろう!

そんな社長の一言で、プロジェクトは動き始めました。
「雨後のパラノーマル」プロジェクトです。

まず、大前提ですが、お金はありません。 本家の人たちがどれほど貧乏だったのかは知りませんが、貧乏度合いならぼくらも負けません。
いつもなら一番くろうするお金問題ですが、今回はオリジナルも手持ちカメラ限定の画作りだったので、あまり苦労はありませんでした。
とてもうれしいです。
次にストーリーです。
本家は

一軒家に住むカップルを襲う怪奇現象

というコトなので、ぼくらはもう一人人数を増やして

一軒家に住む3人家族を襲う怪奇現象

というコトにしました。 万全です。
カメラも、本家では手持ちカメラ一台と定点カメラ一台のみの視点だったので、定点カメラの台数を3台に増やしてみました。 これまた万全です。
主人公の男性とヒロインの関係を、おにいちゃんといもうと、という日本市場を意識した設定にしました。
ちなみにいもうとはツンデレです。 大勝利です。
そして、そこに絡んでくるのはカトリーヌ・ドヌーブ系おかあさん。
今日本では熟女もそこそこ熱いそうなので、万全を期します。
本家で不評を招いていた、
「お色気要素がない」
という点にも配慮して、いもうと役にはムチムチプリンなJDを配置。 常に丘陵地帯を意識させるようなピッタリシャツを着用させます。 憎いばかりの心配りです。

さて、撮影手法についてですが、本家で非難の的だった
「都合のいい場面ばかりカメラに映り込むのが不自然だ」
という声に耳を傾けて、敢えて
「肝心な場面は映らない」
という手法を選んでみました。
そりゃそうですよ。 家の中でハンディカメラを回しっぱなしにする時点でもじゅうぶん不審者グルーヴ感丸出しなのに、家族の命に危険が迫っている時まで悠長にフレームインする範囲を考えて行動しますか?って話ですから。
定点カメラだってそうですよ。
毎回毎回カメラの真ん前で怪奇現象って、ゴースト、お前人類をナメてんのか?って話じゃないですか。
投稿ビデオをご覧なさいな。 毎回毎回、肝心なトコロで画像が乱れたり、あさっての方向にパンしちゃったりするでしょう。 で、カメラが戻るとすでに、コトは終わっているんですよ。 それが現実なんですよ。
というコトで、定点カメラの映像も、一番観たい部分、つまり、いもうとに性的なナニがアレされる場面で異常をきたして映らなくなる、という表現にしてみました。 だいじょうぶ。ぼくらも鬼じゃありませんから。声だけは流しますよ。 あわてないあわてない、ひとあんしんひとあんしん。

さて、手法ばかりに気をとられていましたが、ストーリーの方ももう少しひねりを加えて行きましょうか。
本家にはないウェッティな要素を、というコトで、「主人公一家の父親は事故で亡くなったばかり」というおまけポイントを入れてみましょう。
ドヌーブ系おかあさんは、愛する夫の死をいまだ受け入れるコトが出来ず、なんとかコンタクトを取ろうと夜中に霊通信を始めてしまう。
ところが、安易な交霊術が邪悪な悪霊を招いてしまい、いもうとの貞操が脅威に晒される。つまり、すべての元凶はおかあさんだった、という種明かしでどうでしょうか。
マズいですよね。 おかあさん大失態です。 これは身内なだけにガツーンと来ますよ。
ついでに、おにいちゃんがいもうとの言い分を明らかにバカにしていたせいで、女系家族から疎まれている、という設定もプラスしましょう。
どこの家庭に於いても、男というのは女に疎外されるものです。 亭主元気で留守がいい、というアレですね。
と言う訳で、本編開始早々から、ハイテンションでカメラを回すひょうきんなおにいちゃんと、それを生ゴミを見るような眼差しで見つめる母といもうと、という構図が映し出されますので、すわ「真犯人はおにいちゃん?!」みたいなスリルをも感じさせる事が出来るかもしれません。 瓢箪から駒とは、まさにこの事です。
ま、オリジナルに倣って、映画の冒頭で事件のあらましをオチも含めて説明しちゃっていますので、結論から言うと、スリルもへったくれもない訳ですが。

さあ、これで本編はほぼ完成です。
オリジナルでは「山羊足系の悪魔」というざっくりとした存在だった悪霊も、「若い女性の寝込みを襲うエロ悪魔」と目的や存在意志をクリアにしましたので、安心してご覧頂けることと存じます。
あとは、その道のプロ(心霊研究家)を登場させて、その辺(オカルト方面)の説明を足早に済ませたら一気にクライマックスへ。
オリジナルにはなかったおっぱいポロリのひとつも散りばめれば、男性のお客さまにとっては願ったり叶ったりなのではないでしょうか。 ドリームズカムトゥルー。 夢は必ず、叶う。

どうですか。 この完璧なプラン。

完璧ですよ。


ほんと完璧。


完璧におもしろくない。 おい!どうしてこうなった!責任者ちょっと表でろ!!




はい、と言う事で『パラノーマル・エンティティ』な訳ですが。

本家は言うまでもなく、小さな元手でがっつり儲けた映画界のわらしべ長者こと『パラノーマル・アクティビティ』。
それを大胆にリメイク・・・じゃなかったリ・イマジネーションしたのが本作でして。
製作したのはモックバスター(※)の雄・アサイラム社。

(※参考記事・・・ここまでパクっていいの?訴訟上等!チープだけどアイデア満載の超B級「モックバスター」!! - シネマトゥデイ)


普段はビッグバジェットムービーをスモールライトで縮小したような作品を多く送り出しているアサイラム社ですが、本作に関してはオリジナルの元手が極端に少なかった為、ところどころで逆転現象が発生しております。
まあ、逆転っつっても大したレベルじゃないんですけどね。 ほら・・なんつうか・・画質がね、家庭用ハンディカムだったのが、プロ仕様のカメラに変わったっていうか・・ まぁ・・その程度の話なんですけどね・・フフ・・。

先に挙げたように、いくつかの改良(?)点や創意工夫を重ね、追い抜け追い越せオリジナル!とばかりに頑張った本作なのですが、肝心要なシーンが映らなかったり、カメラに映る「怪奇現象」がちっとも「怪奇っぽくない」という致命傷を負い、結局終わってみると、オリジナルと目くそ鼻くそ大して変わらない、すっとこどっこいな仕上がりになっていたのでした。

そもそもの始まりは、
「いもうとの身に降りかかった夜毎の怪奇現象」で、それを心霊博士に相談したら「じゃあ家中にカメラ仕掛けてみたら?」とアドバイスされた
というコトなのですが、のちのちの会話を聞いていると、どうやら最初の怪奇現象が起こったのが1週間前で、カメラを仕掛けたのがその2日後らしいんですよね。
で、カメラを仕掛けた当日から、がっつり怪奇現象(夜中にイタ電がかかってくる)が映り込むのですが、博士に「たいへんですよー!」と電話をしても、全く繋がらない。
それもそのはず、なんと博士はカメラのセッティングを指示した翌日、旅行に出掛けてしまっていたのだ!
う お お い !
今行くタイミング? ねえ、それ今行くタイミング? 相談者放りっぱなしかよ! ていうか旅行行くにしても、携帯くらい持っていこうよ!
もしかしたら、イタ電の主って心霊博士なんじゃねえn・・ゲフンゲフン  ・・まあそれはいい。それはひとまず置いておこう。

で、博士無き今、頼りの綱はおにいちゃんだけなのですが、このおにいちゃんもまた、やる気が空回りしているというかなんというか。
最初は女系家族の主張を、全く信じていなかったおにいちゃん。
カメラに映り込んだ諸々の現象に衝撃を受け、やっとこさ家族を守る為に立ち上がるのですが、なんというか、ズレてるんですよね。色々と。
天井に謎の足跡がついているのを発見したおにいちゃんは、敵の動きを捉えるため、廊下のあちこちにテグスを張り、そこに鈴をつけるという簡易トラップを仕掛けるのですが、いやオバケさっき天井歩いてたじゃん。
家中の天井を練り歩いていたのを見て「ファアアック!!」って言ってたのに、なぜ廊下に罠を仕掛けようと思ったのか兄よ。 ま、オバケもそんなおにいちゃんの気持ちを酌んで、きっちり鈴に引っ掛かってくれるんですけどね。 おい!おまえら両方律儀な性格か!

おかあさんが軽い気持ちで初めてしまった交霊術に、部外者のクセしてちゃっかりやって来てしまった悪魔も悪魔ですよ。
心霊博士によると、
「この悪霊の名前はMARON。ゲルマン祖語で夢魔を意味します。ゲルマン民族の間で、夜な夜な乙女の貞操を狙いに来ると評判の悪魔で、キリスト教ではインキュバスとも呼ばれている類のアレなのです」
だそうなのですが、だったらそれ、インキュバスでよくね?
そのこだわりは何なのか。 なぜゲルマン民族でなければならなかったのか。

気になったので、試しに「ゲルマン祖語」でグーグル先生にお伺いをたててみました。

現在、この言語を話す者は一人もいない。文献も残っているわけではないので、子孫の言葉から遡って、こんな言葉だっただろうという推測がなされているだけだ。
インド・ヨーロッパ祖語」より引用



おい! 煙に巻く気満々じゃねえかYO!!!

アガサ思うに、たぶんアサイラム社に依頼された脚本家の人が、思いついたのではないでしょうか。 誰も知らなくて、確認もとれない言葉をね! アイデア一本勝負!!


という訳で、『パラノーマル・アクティビティ』の類似品なので、間違って手にとると痛い目に遭う可能性が大だった『パラノーマル・エンティティ』なのですが、そもそも『パラノーマル・アクティビティ』自体が自由奔放な映画でしたので、仮に見間違っても大したダメージは食らわない様な気がしますし、どっちがどっちか判らない時は、この際どっちでもいいのではないでしょうか。 
なに? 投げやりすぎる? よしわかった!じゃあ、「おっぱいが出てくる方がエンティティ」で「おっぱいが出ない方がアクティビティ」ってコトで! みなさんの健闘を祈ります!!


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