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『ゾンビランド』

2010年12月30日
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あらすじ・・・
ゾンビランドで生き延びる為の32のルール。
・ 有酸素運動 (走って追いかけてくるゾンビから逃げとおせるだけの体力が必要)
・ 二度撃ち推奨 (一度撃ってゾンビが動きを止めたからといって油断は禁物。頭を撃って止めを刺そう)
・ シートベルト必須 (ゾンビから逃げても、車で事故っちゃうんじゃあ意味がないよ)
・ 後ろの座席を確認 (車に乗った時もう一つ気をつけるのは、後部座席。ゾンビが隠れている可能性大。ホラーの鉄則だよ)
・ トイレに注意 (一番無防備になるトイレタイムは、ゾンビにも狙われ易いから気をつけよう)
・ 情を捨てよう (親子どもでも情けは無用。噛まれちゃってる人は思い切って見捨てていこう)
・ 準備運動を忘れずに (急な動きに人の体はついていけない。行動を起こす前はまず体をほぐしておこう)
・ 荷物は少なめに (ゾンビランドでは一度乗った車に乗り続けられるとは限らない。いつでも移動出来るように身軽でいよう)
・ 脱出経路の確保(どこかに侵入する時は、不測の事態に備えて逃げ道を用意しておこう)
・ ヒーローを目指さない (かっこつけるのと自分の命とどっちが大事なのかよく考えて行動しよう)
・ 些細な事を楽しもう (娯楽の無い世の中だから、気持ちを明るく保てる為に、どんなコトでも楽しもう)


・ 臨機応援 (とかなんとか言ってても、いざとなったら自分のやりたいようにやってみよう。 その世界の主人公だったら生き残れるはず。  ま、ゲスト出演だったら死んじゃうかもだけどね!)


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今年最後の劇場鑑賞、というコトで、『ゾンビランド』を観て来ました。
大きなスクリーンいっぱいに映し出されるゾンビ顔。
引きずり出される小腸。
軽快に響き渡る咀嚼音。
オレはこれが観たかったんだ・・・!  そう心から思えるステキなゾンビ渦がそこにありました。

主人公の青年は、世界がゾンビで埋め尽くされる前から人付き合いが苦手で週末はいつも引き篭もり。
その為、ある日突然始まったゾンビ現象で地上から生きた人間が消えて行っても、大きな精神的ダメージは受けずに、自分が定めたルールに則り淡々と生き延びてきました。
「ゾンビを恐れるように、生きている人間を恐れてきた」という一言があるのですが、対人関係と社会性に課題山積のアガサはなんかもう非常に身につまされましたねぇ。 うん、出来ることなら避けて通りたいよね。わかる、わかるよー。

しかし、人口の殆どがゾンビ化する中、さすがに生きた人間が恋しくなってきた青年は、車を乗り継ぎ、ゾンビを倒しながら、両親が住む街・コロンバスを目指すコトに。
そしてその道中、自分とはタイプの違う色んな人たちと出会い・・・ というのが大まかな流れなのですが、本作の特徴は、生き残り組の4人がみな、ゾンビ化現象によって人間不信になったのではなく、もとからその気があったトコロなのでありまして、もしかしたら全人類の中の最後の生き残りかもしれないというのに、まあどいつもこいつも心開かないコトこの上なし。
まず全員偽名(出身地にちなんだ名前)ですし。いや、名前くらいよいではないか。

で、生きるか死ぬか感染するかの状況下で、協力したり、利用されたり、いがみ合ったりしながらも、苦楽を共にするコトで、やっと頑なな心を解いて行くのですが、やはり本名は明かしません。
まあね。 “ハンドルネームで呼び合う仲から、本当の名前を教えるまで”なんてのも、結構段階踏みますからねぇ。
ネットの世界ではよくある事さね。 
他人を信じるな。 
本音は隠せ。 
暴言を吐くときは“通りすがり”と名乗れ。

きっと私たちは、匿名という鎧をまとうコトで、自分の中の汚い部分も奇麗事な部分も安心して曝け出すことが出来るのですよね。
もしも叩かれても、匿名だから大丈夫。 本当の自分が嫌われているのではないから。
一方、本名というモノには、誠実さが込められているような気がするのですよね。
本当の名前で発した言葉には、逃げ隠れが許されないような重みや、責任感が宿っているのではないでしょうか。
本名を明かすというコトは、本当の自分をさらけだすと言う事。 
その為、お互い恋心を抱いたり、頼りにしたりしていても、本名だけは頑なに教えようとしない4人。
“閉ざしていた心を開く”という変化を、“ハンドルネームから本名へ”という現代風な垣根の取り払い方で描いているのが、なんだかとてもおもしろかったです。

ということで、“ゾンビ世界”という特殊な状況下でなくても通用しそうな、青春ドラマであり成長物語である本作なのですが、「アレ・・?もしかしてホントに“ゾンビ世界”じゃなくてもいいんじゃないの?」と思ってしまうくらい、ゾンビ要素が薄い作品だったりしますので、アガサはちょっぴり物足りない気持ちになってしまいました。
確かに、成長の過程において、“ゾンビ化現象によって人類がほぼ絶滅”という設定は必要なのですが、その他の部分はあんまり関係ないですからねぇ・・。
主人公の内向的な性格も、他人を踏み台にするコトしか頭に無いヒロインの人格形成も、ゾンビ関係ないですもん。  
中盤は全くゾンビ出てこなくなりますし。
主人公が故郷にいる家族の生存を諦めるくだりなんかも、結構アッサリしていましたねぇ。
やたらとナレーションで説明されるのも、アガサの好みじゃなかったりして。 いや、ホントこれはもう相性の問題でしかないと思うのですけどね。
あと、相性ついで言うと、ヒロインが好きになれなかったのも、今ひとつスッキリしなかった要因のひとつだったのかもしれません。
顔は文句なしに超タイプなのですが、作中の立ち振る舞いが“嫌いなタイプのおんな”過ぎて、やたらとイライラしてしまいまして。
そういえば、『REC』の時にもアンヘラさんに同じような苛立ちを感じたような気が・・・。 いや、ちがうから。 ヤッカミとかじゃないから。

百歩譲って、ヒロインの人を人とも思わない(人間不信だからしょうがない)言動はすべて、
“絶望的な状況下で、せめて幼い妹を楽しかった思い出の地に連れて行ってあげたい”
という一心から来ているというコトだったとするならば、ソコにゾンビが湧いて出ても甘んじて受け入れろ、と。
園内の電源全部オンにして、超エレクトリカルな電飾やら楽しげな音楽やら轟音をたてて走り回るジェットコースターやらを稼動させたら、周辺地域のゾンビが大挙して押し寄せてきちゃいました。キャーどうしましょうって、キャーじゃないよね! おい、そこの小悪魔系女子!!
そりゃ来るよ。楽しそうな雰囲気が漂ってたらゾンビさん来ちゃうよ。 元にんげんだもの!

もしくは、本当に“その遊園地はゾンビが全くいないパラダイスらしい”というガセを信じていたのだとしても、だったら生存者が居そうな雰囲気すらない遊園地に着いた瞬間「おもてたんとちゃう!」って踵を返しましょうよ。 
彼女たちの真意の程はさておき、結局その尻拭いは、男たちがする羽目になっちゃうんだかんね。
もうさぁ、ちょっとゾンビさんにあたま甘噛みしといて貰った方がいいかもよ! 縁起ものだよ! かしこくなるかもよ!

とまぁ、若干、若くてピチピチしている女子に対して厳しい意見を申してしまいましたが、あくまで、ご家族で安心して楽しんでいただけるライト感覚のゾンビ映画だと思えば、充分その役目は果していると思いますので、機会がありましたら是非お手にとってみてはいかがでしょうか。
ゾンビ映画(ホラー映画にも共通する部分はありますが)のセオリーをパロディ化させて取り入れているのも、とっつき易くておもしろかったですよ。(『スクリーム』でやっていましたよね。こういう笑いの取り方)
遊び心溢れるオープニングタイトルと、終盤の対ゾンビ戦も、否応無しにテンションが上がってしまう、とても素晴らしい仕上がりでしたし、あと、なんと言っても、主人公と旅を続ける、ツンデレなマッチョ野郎を演じるウディ・ハレルソンさんが最高の最高の超最高。
ヘタレな童貞と小生意気な姉妹を、なんだかんだ言いながら最後まで面倒を見る、頼れるマッチョ。 
実は心に深い傷を抱え、ただひとつの拠り所を求めて当て所ない旅を続ける、繊細マッチョ。
そんな、とってもおいしい役どころを表情豊かに演じたウディ・ハレルソンさんは、本作での一番の見所であると言っても過言ではないと思いました。


今年、アガサが劇場で鑑賞出来た映画は、全部で38本。
決して多くはないですが、色々と制約がある中での38本は、自分としては大満足な本数であります。
そして、その最後がゾンビ映画だったコトは何より嬉しく、映画館ですきな映画を観るということの喜びを、改めて噛み締めさせて頂きました。
おぜぜにも時間にも限界はありますが、また来年も出来る限り劇場に足を運びたいと思います。


それではみなさん、よいお年を!



― 追 記 ―

・ 中盤に登場するハリウッドの大スターが超おもしろかったです。 

・ 例のシーンは笑いが止まりませんでした。 これだから銃社会は!ww

・ 遊園地で遊具から降りれなくなったバカ姉妹が、下に下がって行くシーンで、「よし!そのままゾンビに喰われてしまへ!」と思ってしまったんだけど、後 悔 は し て い な い 。

・ 妹役がアビゲイル・ブレスリンちゃんだったよ・・・ ・・時の流れは・・無情でごわすなぁ・・・(いや、健康的でかわいかったんですけどね!)

・ 非常に説得力のある童貞を演じていたジェシー・アイゼンバーグさんは、来年の期待作「ソーシャル・ネットワーク」の主役も演じているそうです。 がんばれ!童貞界期待の星!



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