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『食べて、祈って、恋をして』

2010年09月24日
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2時間20分で出来る自分探しの旅。 


(※忙しくて映画が観に行けないよ!という方でも5分で自分探しが出来るように、超くわしいあらすじを書いております。 鑑賞予定の方はくれぐれもご注意ください)

あらすじ・・・

■ NY編 【食べる度・・・20%】【祈る度 ・・・35%】【恋する度・・・40%】 
優しく言うと“夢追い人”、厳しく言えば“ヒモ夫”との結婚生活に空虚さを感じているリズは、ゆるやかに、しかし確実に自分を囲い込むストレスに食欲も大幅減退。 ヤケ食いする気すら起こらない。 かなりの重症。
そんなヒモ夫が、今度は「仕事をやめてもう一回大学で勉強し直したい」と言い始めた。 
結婚8年目のクライシス。 
ていうかお前今何歳だよ。自由すぎるよ。 
今までの人生ではおよそ神頼みなどした事がなかったリズだが、さすがに今回は夜中のバスルームで一人祈った。
「神様、私はいったいどうすれば・・」
その後、離婚を決意したリズだったが、なかなか応じてくれないヒモ夫。 
とりあえず家を飛び出したリズは、ある日知り合った駆け出しの役者・デヴィッドの細やかな気配りや優しい眼差しに惹かれ、同棲を始める。 
で、でも、恋とかじゃないんだからね!現実逃避しただけなんだからね! 

■ イタリア編 【食べる度・・・98%】【祈る度 ・・・5%】【恋する度・・・5%】【生活費が気になる度・・・50%】
デヴィッドとの生活にも行き詰まりを感じてしまったリズは、自分自身に1年間の休暇を与える事を決める。 
以前から一度旅してみたかった土地を訪れ、悠々自適に暮らしながら自分探しをするのだ。 
晴れて離婚が成立したリズは、デヴィッドの懇願を振り切り一路イタリアに飛ぶ。 
今や彼女は、なんのシガラミにもとらわれない自由人! 
新しい恋人はパスタとワインとピッツァ・マルゲリータ! ようこそ余分3兄弟!
食べるのに一生懸命なので、今んトコお祈りはノーサンキュー。 大丈夫、癒しはワインから受けてますから!
現地で知り合ったイタリア語講師に少し心がグラつくものの、あくまで“自分探し”がメインの旅なので恋愛スイッチはオフ。
食って寝て観光して食って寝て観光して食って寝て観光した果てに、“食って寝て観光するだけでもいいじゃんいいじゃんスゲーじゃん!”という境地に達したリズは、中途半端な別れ方をしたデヴィッドに正式な別れのメールを送るのだった。

■ インド編 【食べる度・・・60%】【祈る度・・・80%】【恋する度・・・0%】【生活費が気になる度・・・70%】【夢をかなえるゾウ度・・・50%】【ゾ~っとするゾー度・・・測定不可】
イタリアで人生の境地のひとつを手に入れたリズは、デヴィッドが傾倒していたグル(導師)が経営している修行道場を訊ねる。
インドの食事はどれも美味しく、イタリアで培ったドカ食いスピリットで、山盛りのインド飯を平らげるリズ。
しかし、肝心の修行は一向にはかどらない。 瞑想しようと足を組むものの、首筋にまとわりつく虫や、空調の音や、その他諸々の雑念が気になって集中出来ないのだ。
そんなリズに何かとちょっかいを出してくるアメリカ人男性・リチャード。 最初はただの鬱陶しい加齢臭オヤジだと思っていたリズだったが、その言葉が意外と的を得ていた為、徐々に心を開くように。
リチャードもまた、心の傷を癒そうともがくリズの姿を見て、自らの過去を打ち明ける決意を固める。
常に賢者モードに入っている様なリチャードだったが、実は10年前は、のんべえのジャンキーで手が付けられないダメ人間だった。ある日いつものごとく酔っ払って帰宅したリチャードは、うっかり自分の息子を轢きそうになってしまい、それを目の当たりにした妻に三行半を叩きつけられ今に至るというのだ・・・。

・・・

・・・・

・・ってふぉおおい! それ呑気にインドで瞑想してる場合ちゃうやないか!  
10年前の話だって言ってるケド、いつからインドにいるのか知んないケド、養育費とか養育費とか養育費とかモアーマニーよ!!
あとそこのジュリアさんも、ジンワリなってる場合ちゃうよ!ちょっとええ話やなぁ・・やないよ! かなり恐怖指数高い話よ!ベリースケアリーよ! ナマステー!(亀仙人流挨拶)

■ バリ編 【食べる度・・・70%】【祈る度・・・120%】【恋する度・・・100%】【生活費が気になる度・・・100%】【バリの人の英語理解度・・・99%】【写せばいいってもんじゃない度・・・100%】
リチャードの告白から“自分を赦す”というスキルを手に入れたリズは、最終目的地のバリを目指す。
1年前、取材旅行で訪れた時に、リズの未来をズバっと予言した薬療師を再訪し、彼に“心の調和”を得るヒントを授けて貰おうと目論んだのだ。
薬療師はリズに、早朝は瞑想をし、日中はバリの生活を満喫することを指示する。
とにかく気楽に。 とにかく人生を楽しむこと。
イタリアで鍛え上げた“無心に食う寝る観光する”精神と、インドで習得した“瞑想術”をフル活用して、師匠の教え通り、NOスロー、NOライフ!な生活を送るリズ。 
ロハスか!これがロハスなんか!スローフードでロハスでラグジュアリーでコンテンポラリーなんか! くそう!爪に火をともすようにロハスやってみろってんだよ! こんにゃろう!お金持ち!!

そんなリズはある日、ブラジル人のフェリペと運命的な出会いをする。 
最初はいけすかない男だと思っていたものの、自分と同じように離婚を経験して心に深い傷を負ったフェリペに、徐々に親近感以上のものを抱き始めるリズ。
バリののどかな田園風景の中で、心も体も満たされたリズは、人助けがしたくなった為、世界中の知りあいに寄付金を募る。 
「拝啓、世界中のおともだちのみなさま。 もうすぐ私の誕生日ですよ。 でも悟りを開いた私は“安物買いの銭失い”みたいなプレゼントなんて要りませんからドンウォーリーですよ。 ところで、今バリでお世話になっている女医さんが、離婚経験者で、貧乏で、シングルマザーで、とても困っている様子なのでおうちをプレゼントしようと思うんですけど、どうでしょうか。 どう思いますか。 人助けしたいなぁっていう気持ちになりませんか。 この女医さんを助けるって事は、お世話になってる私を助けるって事にもなると思うんですけど、どうですか。 私を助けるって事は、みなさん自身の心の救済に繋がると思うんですけど、どうですか。 手元の小切手に何か書き込みたくなりませんか。 よおく考えてみてください。 敬具」

めんどくせえ女だな!おい!!

無事一戸建てをプレゼントし、“心の調和”が最高に整った状態のリズだったが、ある日フェリペにプロポーズをされた事で激しく動揺する。
楽しいだけの恋愛は人生の潤滑油になるけど、結婚となると、せっかく手に入れた“バランス”が崩れてしまうのではなかろうか・・。
フェリペの愛を拒絶し、荷物をまとめ始めるリズ。 もちろんフェリペの事は大好きだ。
しかし、あまりにも愛にのめり込んでしまうと、また以前の様な、優柔不断でオトコに流される人生になってしまいそうで怖い。
後ろ髪を引かれつつ、帰国の意を伝えに来たリズを見た師匠は、「恋愛で調和が崩れることも含めて、心の調和は完成するのじゃよ」というアドバイスを与えるのだった。

慌てたリズ背中を押されたリズがとった行動とは・・・。


5分で終わらせるつもりだったのですが にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 長くなり過ぎてしまってどうもすみません。

 
自分の人生は、ほんとうにこれでいいのだろうか。

お金持ちだろうと、低所得だろうと、先進国だろうと、発展途上国だろうと、人が抱える悩みに大差はなく、何気ない日常の中では多くの人が、ぼんやりとした不安に襲われる瞬間があるのではないかと思います。
いや、不安にならない方が少ないのではないかと思います。
だって、この人生は一方通行だから。 どんなに願っても、Uターンは出来ないから。
“人生は何度だってやり直せる”  なあんて言葉をよく聞きますが、まぁ、確かに歩む方向や姿勢を変える事は出来ますが、あくまで現時点からの方向転換でしかなく、“一番楽しかったあの頃”からやり直せる訳ではない。
だからやっぱり、不安なしの人生などあり得ないのではないかと思うのです。
“物に囲まれているのに満たされない気持ちなのは何故なんだろう” “取り返しのつかない失敗をしているのではないだろうか” “本当の自分って何?” 忙しい毎日に、突如湧き上がる焦燥感。

だから、人生にはちょいちょい、“自分探し”という名の現実逃避が必要となってくる。
途切れない人生の中にほんのちょっと風穴をあける事で、胸に新鮮な空気を取り込み、新たな気持ちで現実に取り組み、本当に自分が進むべき道を再確認する。
現実逃避の方法は人それぞれで、旅行に出掛ける人もいれば、コンサートや映画に行く人もいるでしょう。 お酒を飲んでいい気持ちになる人もいれば、好きな食べ物をおなかいっぱい食べる人もいる。 あるいは、離婚して仕事も休んで1年間世界旅行をする人も。

1年間・・

世界旅行・・・



ギ ギ ギ ・ ・ ・ !!



なあんてね! まぁ、そこまで大規模な現実逃避が出来る人はかなり限られてくると思いますので、その他の“現実逃避したいんだけど諸般の事情で出来ない”みなさんに仮想現実逃避して頂こう、というのが本作であり、その原作となった小説なのではないかと思います。
行きたくても簡単には行けないイタリアや、スピリチュアルな雰囲気に包まれたインド、絵に描いたようなバカンスが満喫できるバリ島を、これでもかと魅力的に映し出し、見たくない“現実”の部分は極力映さないよう心がけ、どこの土地にも味方となる欧米人(もしくは、それに近いラテンアメリカ人)を用意し、主人公に安全な“自分探しの旅”を送らせることで、ハラハラドキドキとは無縁のゆとり空間が誕生。 それを見ている観客も、安心して仮想空間に没入出来るというわけです。
よかったね!

ホント、これがもし
イタリアではスリにパスポートとカードを盗まれ、親切に言い寄ってきた現地の男性に現金を持ち逃げされ、懲りずに次の国・インドに向かったら置き引きに遭い、水にあたって体重が10キロ減り、フラフラになりながらたどり着いたバリ島で知り合ったブラジル人に歓迎会という名のパーティを開いて貰ったら、ガンガンに酔わされて、目が覚めると臓器売買組織に拉致されていた。 ちなみに、本国では妻に捨てられた夫が捨て鉢になって大量殺人に手を染めていた。
みたいな夢も希望もへったくれも無いような超現実的ストーリーだったら、自分を探すドコロじゃないですからね。
ま、もしかしてイーライ・ロス兄貴あたりが映画化してくれたら、別の意味でステキな現実逃避映画になるかもですけどね!

で、ですね。
アガサ思うんですけど、“現実逃避”って、その行為だけではなんの意味もなさないのですよね。
だって、逃避しても、帰ってくる場所は同じだから。
現実逃避する為には、その行為を受け入れるだけの余裕がないと、結局どれだけ豪華な食事をしても、ステキな場所を旅しても、沢山の買い物をしても同じ。 からっぽな心は満たされないのですよね。
アスファルトの隙間から芽を出す野草を見て、「一生懸命咲いているなぁ」と思うか、それとも「雑草がこんなトコまで」と思うか、というのと一緒で、現実逃避の旅に意味を与えるも与えないも自分次第。
旅に出る事も時には必要ですし、環境を変えると効果が得やすいとも思いますが、その前に、自分自身と向き合う事が大切なのではないでしょうか。

逃避しなくても、自分が向き合うべき現実の中にも癒しはあると思うし、逃げた先に必ずしも答えがあるとは限らないから。
“自分探し”をしたいのなら、まずは“自分が常にいる場所”の中で探したいです。アガサは。


本作のヒロインは、NYの現実の中では“自分を探す”事が出来なかったので、訪れた国々でののんびりとした生活の中で、徐々にそれを見つけ出していった。
それはそれで幸福なことだと思うのですが、そんなプランを実行出来る余裕がある時点で、既に幸福なんじゃないかとも思うのですよね。
やっかみなのかなぁ。 やっかみなんだろうなぁ。
でもアガサは、“恵まれた生活を送っている人ほど、そのありがたさに気付き難いのかもしれないなぁ・・”と感じてしまいました。  自戒の意味も込めて、心に刻んでおこうと思います。

と言う訳で、とても優れた“現実逃避”作品であり、“自分探し”の理想形だった本作なのですが、実際の現実逃避と同じく、この恵まれた設定を受け入れるだけの余裕がない方には、ちょっぴりキレイ過ぎているように感じられるかもしれませんね。
そういう方は、思い切って“ジュリアがガイドしてくれる世界の旅”という見方をしてみてはいかがでしょうか。
なんらかのフェティシズムがひしひしと感じられる“ジュリアがパスタを食べるシーン”や、バリののどかな田園風景、インドの絢爛豪華な婚礼シーンなど、目に楽しいシーン満載ですので、どうにもこうにも行ってみたくなる事間違いなしですよ!
“自分探し”にはならなくても、“観光名所探し”には文句なしに事足りる、ほんわかとした作品でした。
ただ、実際に世界を旅行する時は、もうちょっと危機感を持った方がいいと思うよ!これアガサからのアドバイスね!



-追記-

・ バリ島で、師匠に「薬療師に代々伝わる経典を書き写しなさい」と言われたものの、ちょうめんどくさかったヒロインは、持ち出し禁止の経典をこっそりカバンに隠し、街中のコピー機を使って転写するのであった・・って、そういう事を言ってんじゃないでしょ!写せばいいって問題じゃないでしょ! なんや!とんち大好きっ子か!

・ インドで“自分を赦す”事に成功したヒロインは、後味の悪い別れ方をした夫と心を許しあってダンスをする、という夢想にふけるのですが、「今でもキミの事を愛してるんだ・・」「愛してくれてていいのよ」「今でもキミが恋しいんだ・・」「想ってくれてていいのよ」って、どんだけ上から目線の妄想やねん。 なんや!自分大好きっ子か!

・ イタリアで現地の友達の実家に招かれ、アメリカ式の感謝祭料理をふるまう事になったヒロイン。 出来上がった料理を前に、「一人づつ感謝の祈りを捧げましょう」、と提案するのだけれど、2人祈った時点でお祈りタイム終了。残った時間は全て自分のイタリア滞在感想って、イタリアの人おざなりにし過ぎじゃね? なんや!スピーチ大好きっ子か!PTA会長に立候補するか!


なんだかんだ書きましたが要するにアガサが、 “映画は面白いものの、「行く先々ですぐ友達が作れて、親切な人にも恵まれて、熱烈に愛してくれる恋人にも出会えて、尚且つその顛末を書いて出版したら世界中で大ベストセラーになりました。リア充でごめん」という内容がどうにもこうにも面白くない” という妬み嫉み僻みパワーに屈したというだけの事なのかもしれません。
 
くそう! オレもおぜぜの心配せずにイタリア旅行してみたいよう!!

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