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『プライドと偏見』

2010年09月16日
プライドと偏見

あらすじ・・・
イギリスの田舎村に住むエリザベス・ベネットは5人姉妹の次女。
不自由ない暮らしは送っているものの、先行きは常に不透明。なぜならベネット家には跡継ぎになるべき男児がおらず、家長であるベネット氏が死去すれば、その所有物はすべて従兄弟の元へと流れ込んでしまうからだ。
したがって、ベネット夫人の願いは唯一つ。
娘たちが適度なお金持ちと幸せな結婚をすること。それだけ。

そんなある日、村にロンドンから2人の富豪がやってくる。
充分過ぎるほどの資産を持ち、悠々自適な生活を送る彼らはたちまち村の話題の的となり、娘を持つ親たちは一様に色めき立つのだが、懇親会を兼ねた舞踏会で富豪のうちの一人・ビングリー青年が心を奪われたのは、なんとベネット家の長女・ジェーン。
喜びに我を忘れ、公衆の面前で醜態をさらすベネット夫人をよそに、次女エリザベスは自分の容姿をこっそり貶していたもう一人の大富豪・ダーシー青年に、ひそかな失望と怒りと悲しみを抱くのだった。

一方、順調に交流を続け、婚約も目前と思われたビングリーとジェーンにも思わぬ展開が。
兄が夢中になっている身分違いの恋に自尊心を傷つけられたビングリーの妹と、ジェーンの気持ちを量りかねたダーシーが、彼らを引き離すためにビングリーを引き連れてロンドンに戻ってしまったのだ。
悲しみに暮れるジェーンと、ダーシーに対する憤りを隠せないエリザベス。
気分転換に家を離れ、新生活を送りつつ、なんとか彼らへの思いに蓋をして、過ぎた事と忘れ去ろうとするのだが、一度心に宿った複雑な感情は簡単には消えない。
そんな時、寄寓にも、ダーシーの叔母である大富豪・キャサリン夫人の家に招かれる事となったエリザベスは、会いたくなかったダーシーに久しぶりに再会し、しかも彼から、予想だにしなかったとある告白を受けてしまい・・・。


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ダーシー! かわいいよダーシー!
オレもダーシーのもみあげもじょもじょしたいよう!!


『高慢と偏見』を愛読されている方には、「何をいまさら」という感じが否めないかもしれませんが、『ブリジット・ジョーンズの日記』でしかダーシーの存在を知らなかったアガサにとっては、人生に突如差し込んだ希望の光としか言いようが無い程、完璧な萌え要素を兼ね備えていたダーシー。
代々続く大地主の跡継ぎに生まれ、年収1万ポンド(※原作注記よると推定1億円)という潤沢な資産を持つダーシー。
名誉を重んじ、尊大とも思える態度でプライドを守り続けるダーシー。
そんなダーシーが恋に落ちました。
資産狙いで、甘ったるい笑みばかりを浮かべて擦り寄る女たちとは異なり、知性とウィットに富んだ意見を忌憚無くぶつけるエリザベスに、否応無く惹かれてしまうダーシー。  気になる。でも言えない。  目が追う。でも言えない。  身分違いの恋だもの、諦めるのが男というものさ。でも諦められない。 気持ちが高揚して、思わずエリザベスの部屋に凸してしまいましたダーシー。でもすぐ帰っちゃうダーシー。ダーシー、かわいいよダーシー。 ダーシーモジモジ。モジモジダーシー。
わかった、ちょっと落ち着こうかオレ。いや、落ち着かないもんね!ダーシーのもみあげの上でオレお昼寝するんだもんね!


■ ダーシーを誤解していたオレ
だーしー2

ジェーン・オースティン作品は、ケロヨン(グウィネス・パルトロウ)の『エマ』とエマ・トンプソンの『いつか晴れた日に』で体験済みでしたので、その世界が魅力的である事はがってん承知のすけだったアガサ。
優雅な様式美、やきもき要素たっぷりのストーリー、愛嬌溢れるキャラクター。
中でも『いつか晴れた日に』で年下の美少女に思いを寄せるブランドン大佐が非常に素晴らしくてですねぇ。中の人が。いや、回りくどい言い方はよそう。要するにアラン・リックマンが最高だった訳ですよ!
ぶっきらぼうな顔と内に秘めた温かな性格とのギャップ。 どことなく本作のダーシーに通ずるモノを感じてしまうアラン・リックマン。
で、また、本作のダーシーを演じていた俳優さんが、実にアラン・リックマンっぽいんですよね。
陰気そうな面持ちとスラリと伸びた手足。 そのまますぐにでも闇の魔術を使いそうな冷ややかな眼差し。
なにこのアラン・リックマン風味。 ていうか、だったらもう、アラン・リックマンでいいじゃない! ジェーン・オースティンも生きてたらきっとそう言うよ! 「YOU、高慢と偏見とアラン・リックマンで行っちゃいなヨ?」って言うよ!絶対だよ! なあんて思っていた時期が、私にもありました。


■ ダーシーを理解したオレ
だーしー
(デンジャーゾーン!)(胸元が)

と・こ・ろ・が、そんなアラン・リックマン熱は、あっという間にダーシー本人の魅力に掻き消されてしまう事に。
エリザベスへの想いに狂わんばかりになるものの、生まれ持っての自制心でそれを押さえつけるダーシー。
彼女が苦境に立たされれば、全力でもってそれを救おうと尽力し、でも、決して表に出すことはなく、ただただ静かに見守り続けるダーシー。 どこまで行っても紳士。 こいつはまさに“紳士”の金太郎飴状態。
でも、「ただ黙ってみている」というような草食男子的なスタンスでは無いのですよね。
言うべき時はきっちり言う。「愛しています」って目を見て言う。 そういう潔さも兼ね備えているトコロがさらに魅力的。
もうさぁ、「ついたらすぐいる?」とか、そういうゲスい事言わないの! 肉欲を求めるオレってワイルド?じゃないんだよ! 世の中を肉食か草食かで割り切ろうとするな! 人間たるもの常に雑食であれ!

寡黙さと奥ゆかしさが美徳とされていた時代に生きる男女の、せつなくて、もどかしくて、胸が締め付けられるような恋模様に、夢中にならない人などいるでしょうか。 ああ、いるかもしれん。 だが、オレは好きだよ!こういうの!! 



先日、あるブログで恋愛映画数本がめちゃくちゃに貶されているのを拝見していて思ったのですが。
よく、こういう“恋愛映画”を“いかにも女受けしそうなスッカラカン映画”と決め付ける人がいますが、恋愛しない人ってそんなに居ないんじゃないかと思うんですよね。
誰の心の中にも、“愛が成就するさまにドキドキする”部分はあると思うし、自分の経験に重ね合わせて(`ェ´)ピャー みたいになる部分もあると思う。
煌びやかな衣装を着て色恋に明け暮れる映画、だからスイーツ、みたいに頭から否定しようとする人は、なんか勿体無いなぁという気がしてならないのですよ・・。
いや、勿論「純粋に苦手」「観てると必ず眠気が」という事もあると思うのですけどね。

アガサは、先日観た『SPL』のような男汁溢れる映画も好きだし、本作のようなスーパーモジモジ映画も好きですし、血が噴水のように噴き出す映画も手足が飛び交うような映画も大好きです。
女だから恋愛脳、男だから筋肉脳、みたいな、ちょっと見下したような決め付けはとてもありがた迷惑で、観る映画によってその人となりを判断してしまうのも、とても軽率なんじゃないかと思うのです。
それこそ、高慢(自分が興味無いジャンルは見下す)と偏見(映画の嗜好と現実の性格を勝手に繋ぎ合わせる)じゃないかと。

本作でそれらを、苦悩はあったものの、持ち前の謙虚さや冒険心で軽やかに飛び越えたダーシーとエリザベスのように、勇気を持って飛び越えてみれば、その先の人生はもっと豊かになるじゃないかなぁ・・と思ったアガサなのでありました。
つまり、食わず嫌いせずに色んな映画を素直な目線で観てみれば、面白い発見は沢山あると思うよ!ってコトです。
(※自分自身への戒めの意味も込めてます)




-追記-

・ ダーシーの事ばかり書いてしまいましたが、本作の見所はその見事な映像でもあります。 フェルメールの絵画のような淡い光が差し込む景色は、どのシーンも完成された芸術品のような美しさでした。 満腹。

・ アガサは映画を観る前に原作を読んでいたので、どの展開も違和感無く受け入れる事が出来たのですが、一緒に鑑賞していた世帯主さまは「話が飛びすぎてよくわからん」と嘆いていました。(でもガッチリ前のめりで最後まで観ていたのですけどね)
確かに、小説からかなり省略されている部分もありますので、もしご覧になって物足りなかった方は、小説の方も読んでみてはいかがでしょうか。 そして、その後もう一度鑑賞すれば、完璧なダーシー天国を味わうことが出来ますよ!

・ ダーシーって、真澄さんに似てるなぁと思ったのですが、どうなんでしょうか美内先生。 ジェーン・オースティン好きはおきらいですか?
むっつりスケベで、お金持ちで、こっそり援助してくれて、影から見守ってて、冷血ゲジゲジ虫で、誰よりもマヤエリザベスのコトを愛している一途な男。
本作のクライマックスにも、スーパーおまえさまタイムを彷彿とさせる名シーンがありますので、ガラスの仮面ファンの方は必見ですよ!

おまえさまタイム
(イメージ図・スーパーおまえさまタイム) (※実際は服を着ています) (※じょうだんですのでオースティンファンの方は本気で怒らないで下さい)


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