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『ブラザーズ・グリム』

2006年11月25日
「お婆ちゃん? 俺だよ、オレオレ。」
「まぁ、タカシかい? 久しぶりだねぇ、どうしたんだい?」
「それがさぁ、困ってんだよ。車でヤクザをはねちゃってさぁ。50万で示談にしてくれるって言うんだけど・・」
「まぁ、それは大変だったねぇ。50万で何とかなるのかい?」
「いいの?お婆ちゃん?! ありがとう!これで俺助かるよ!」


そうして、フジ(86歳)は、年金の全てを失う事になったのでした・・・。

大まかに言うとそう言う映画です。

うそです。
それはさすがに嘘ですが、『ブラザーズ・グリム』の冒頭でグリム兄弟が人生を狂わされる原因になっているのも、まさにこの様な切ない騙しのテクだったのです。

「このそら豆はねぇ、魔法のそら豆なんだよ~。これさえ蒔けば大金がガッポガポだよ~」
そう言われて、有り金全部つぎ込むバカがどこに居ますか?
ここに居たんですねぇ。
20061124211558.jpg←ここ


幼い頃、ファンタジーテイストのマルチ商法に会い、全財産はおろか家族まで失ってしまったグリム兄弟。
今ではその辛い体験を生かして、逆に純真な田舎の人たちを騙す、極悪非道な詐欺集団に身をやつしていました。

その土地土地に伝わる民間伝承を上手く利用し、身内に悪鬼役をやらせては、それをやっつけたフリをして報奨金をせしめていたグリム兄弟。
しかし、そんなヤラセがついに発覚し、フランス軍の将軍デラトンベに追い詰められた二人は、連続少女失踪事件が勃発している、とある村に派遣される事になります。

今までのように、上手く小芝居を打ってずらかろうとする兄ウィル。
しかし、その村で起こっていた事件にまつわる伝説は、ただの噂話ではなかったのです・・・。

果たして消えた少女達の行方は・・・?
そしてグリム兄弟は、もう一度夢と希望を取り戻す事が出来るのでしょうか・・?


衝撃的なジョニー・デップの姿が忘れられない 『ラスベガスをやっつけろ』 から7年。
やっとお目見えした、テリー・ギリアム監督の作品は、とっても素敵なファンタジー巨編だったのでした。

グリム兄弟の子孫がもし今も御存命なら、訴訟必至の設定で幕を開ける今作ですが、終わってみると結局シッポの先までファンタジーまみれでしたので、何とか示談で済みそうです。

赤ずきんちゃん、ヘンゼルとグレーテル、ラプンツェル、眠れる森の美女などなど、お馴染みの物から「このフレーズどこかで聞いた事が・・」位の物まで、御伽噺をチョコチョコと混入させたストーリーは、雰囲気バッチリ・波乱万丈の冒険活劇に仕上がっています。

ギリアム色満載な、動き回る森のシーンも素敵ですし、出てくる村の小汚さも完璧。
意外と違和感なく“女好き”を演じていたマット・デイモン、
頭皮の問題が色濃く映し出されていたヒース・レジャー、
話の通じない無骨なわからず屋(でも実はいい奴)を演じさせたら世界一のピーター・ストーメア、
『ブラジル』でやられた拷問を、今度は思う存分やり返すジョナサン・プライスなど、俳優陣も魅力的です。

しかしなんと言っても、この作品を全てかっさらって行ったのは
イタリアの至宝 モニカ・ベルッチの前代未聞のブリッコ演技なのでした。

森の奥にそびえ立つ高い高い塔の上で、ひたすら復活を目指す魔女。
元ラプンツェル、元白雪姫の義母・・、呼び名は何でもよろしいでしょう。
命を封印され、カラッカラのミイラと化したそのボディを、何とか元のナイスバディに戻したい・・
そしてもう一度ブイブイ言わせたい・・


その一心でやって参りました!!

ただし彼女が手助け願うのは、
たかの友梨ビューティクリニックの皺が無い肌が気持ち悪い院長では無く、
藤原紀香の髪型を手懸けたカリスマ美容師でもなく、
高島礼子の服を選んでいる人気スタイリストでもなく、
ただの真面目な狩人だったのでした。

腐っても鯛。
皺くちゃでもモニカ。
イタリアの至宝を、ナメたらいかんぜよ!

高島礼子の余波で、あらぬ方向に向かいそうになてしまいましたが、要はモニカの秘儀で男どもはメロメロな訳です。
それでいいのだと思います。
だってもうなんか、モニカに賭ける情熱が他と明らかに違うんだもの。
普段接しなれない過剰なフェロモンに触れて、ポワーンとなったか?テリー・ギリアム。

絢爛豪華な衣装と宝飾品に包まれて、ミイラメイクも余裕でこなすモニカ・ベルッチ。

他の女優どもとは、ランクが違いすぎます。

普通ですと、しなを作っていようものなら張り倒される位の年齢でしょうが、彼女のブリッコは色んなモノを全て凌駕してしまう、有無を言わさぬ迫力を持っていました。

圧巻です・・・。

もう、モニカのブリッコ演技には、シャッポを脱ぐしかありません。
こんなモニカに太刀打ちできる女優は・・・

・・・キャサリン・ゼタ=ジョーンズくらいしか思いつきませんね。

とにかく、そんなモニカにひれ伏した一本でした。
もうお腹いっぱいです。
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Trackback
 ヅラネタ満載のピーター・ストーメア。彼、笑えます。
なんか昔ばなし系が続くなあ・・・。んー、例えばコクと旨味タップリの濃厚トンコツラーメンを食べに、博多の専門店に行ったとする。ところが出てきたのは、何とも特徴の無い薄味のファミレスラーメンだった・・・・例
【鑑賞】試写会【日本公開日】2005年11月3日【製作年/製作国】2005/アメリカ【監督】テリー・ギリアム【出演】マット・デイモン/モニカ・ベルッチ/ヒース・レジャー【原題】“The Brothers Grimm”

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