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『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』

2010年06月02日
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ベン・キングズレーのアイラインは悪人のしるし!


あらすじ・・・
オレの名はダスタン。 スラムで育った元孤児だ。
15年前、偶然市場を通りかかったペルシャ国王に見染められ、王族に迎え入れられてからというもの、オレは血の繋がっていない2人の兄と共に天下統一に粉骨砕身してきた。

そんなある日、隣国の裏切り情報を入手したという叔父を信じ、オレたちは禁断の地アラムートを攻め落とした。
アラムートは聖なる地として崇め奉られてきていた為、オレたちの行為を知った父王は激怒したのだが、アラムートが持つ神秘的な宝物に心奪われ、王女とオレたちのうちの一人を結婚させる事で色々なし崩しにしてしまおうと思いなおしてくれた。
しかし、その婚約発表の場で事件は起こった。
オレが父王に贈ったローブに毒が仕込まれていたのだ。
侵略戦争の英雄から一転、王殺しの犯人として追われる身となったオレ。
そして、結婚する事になりかけていた王女もまた、オレと一緒に逃げる事に。
聞くところによると、なんと王女は、幼い頃に神と約束を交わし、時間を掌る<時間の砂>の守護をまかされていたのだと言う。
悪人の手に渡れば、世界を滅ぼしかねない<時間の砂>。
オレはその砂を封印したいという王女を助ける為、また、非業の死を遂げてしまった父王を救う為、危険な砂漠の都市を駆け抜ける。

運命は、決まってなんかいない。
運命は、自分で切り開くものだ。

オレは必ず、愛する父王を甦らせてみせる・・・。この上部の蓋についてる赤いボタンをカチっと押せば<時間の砂>がささーっと巻き戻る伝説の短剣をアラムートの地下に隠されている<時間の砂>の本体にザックリつき立てて神様のスーパーパワーでお好きな分だけ時間を巻き戻して父王が死んじゃう前くらいからやり直してみせるんだ・・・!


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いやいやいやダスタンおまえコレ、結 局 神 頼 み や な い か - !!

と言うわけで、全然運命を切り開いていない、いや、そこに至るまでは奮闘するものの、結局最後は「神様ヨロシク」なメガハッピーエンドだった本作。
もう、どこを見渡しても我の強い人間しか出てこないという、ウルトラしんどいヒロイックファンタジーだったのでした。

主人公からしてもう、むちゃくちゃ“オレ様”人間ですからね。
“隣国やっつけちゃおう”というテーマで計画をたててる最中から「オレ行くよ。オレ超すばしっこいし」とひな壇芸人ばりの前のめり姿勢で攻めのトーク。
で、「いや、お前にはまだ早いから、お兄ちゃんに任せとこうね」と長男に諭されても、やっぱり納得がいかず奇襲攻撃で手柄を独り占め。
その後王女と行動を共にしてからも、何かと「いや、オレが」「オレも」「オレに任せとけー」とオレ様節全開。 よく言えば責任感の強い。 悪く言えば鬱陶しい。 上司や部下や彼氏や結婚相手にはしたくないタイプですね。

で、そんな主人公とコンビを組まされる王女もまた、これがなかなかどうして我が強いのなんのと。
1分間だけ時間を巻き戻す事が出来る<伝説の短剣>の秘密を知り、中に入っている<時間の砂>についても知りたがる主人公を、「それはだから・・・イヤやっぱ言えない」と焦らしに焦らすテクニシャンな王女。
死人も増え、のっぴきならない状況に追い込まれた為、やっとこさ秘密を打ち明ける段になると、
「あのね・・。 昔、人間の横暴さに神様が怒ったのよね・・で、“もうアイツら絶滅させちゃう?”みたいな空気になったんだけど、その時、一人の純真無垢な絶世の美少女が・・・いや、誰とは言わないけどね・・ その美少女が自らの命を賭して神様に交渉したのよ・・ ね、崇高でしょ?  ・・で、誰とは言わないけど、その美少女が時間の砂を絶対守るって約束したお陰で、神様もなんとか矛を収めてくれたって訳。 その少女がいなかったら、ぶっちゃけ世界は終わってたわね・・ みんなは知らずにのほほんと暮らしてるけどね・・いや、誰とは言わないけど・・」
うん、それ要するにおまえの事なのな。

なんかもうね、イラッッっと来ますよね。 
奥ゆかしいのか自慢したいのか、どっちやねん、と。
むしろ「あたし! 神様と対等に渡り合ったの、あたし! すごいっしょ! モアーリスペクト!!モアーモアー!!」と言ってくれた方がよっぽどか乗りやすい。  ま、乗りたい訳ではないけれど。

その他の登場人物も、
頭で考える前に「オレが殺ったるー!父の仇ー!」とむやみやたらに剣を振り回す第2王子や、
アイラインが異常に濃い叔父のベン・キングズレー、
物語の中盤から突然レギュラー出演者みたいにシレっと出てくる暗殺集団・ハッサンシンに、
ガチョウ推しの小悪党、
砂漠界ではちょっとした有名人である伝説のナイフ投げ名人や、
王女に仕えるアラムートの戦士まで、みんな揃いも揃って我が強い人ばかり。
アラムートの戦士なんて、
「王女さま! この<伝説の短剣>はわたくしめにお任せ下さい!絶対安全な場所に隠しに行きますさかいに!」
って大事な短剣預かったにも関わらず、その足で
「えいやー! そこの悪党めー!覚悟しろー!」
って主人公に突進する有様ですからね。
お前、いまそこ突進してる時ちゃうやろ! という話ですよ。 順番、逆!逆!隠すのが先! と。
で、案の定一発で主人公に殺されちゃってるし。もちろん短剣も盗られちゃってるし。 
もういいから帰ってくれよ。 と、アガサが王女なら言ってますよね。確実にね。

ま、そもそもお話自体も

「あそこの国には恐ろしい大量破壊武器があるらしいぞー」「危ない国だー攻め込んで焼き討ちにしてやれー」「指導者を確保したぞー」「武器がないぞー」「えーマジでー」「あるある、絶対あるぞー」「やっぱ無いぞー」「やばいぞー」「魔法で元に戻すぞー」「戻したぞー」「めでたしめでたしー」

という、なんかもう真面目に生きてるのがイヤになるような内容ですからね。
お前らちょっと、中東のみなさんに本気で謝っとくほうがいいぞ。 と。
どう考えても、現実に起こっている例の無為な侵略戦争を匂わせてるのは明らかなのですが、その終わりが「魔法の力で無かった事に」・・・って、ねえよ!
運命を自分でどうこう、と言うのならば、現実に死んでしまった人たちや壊してしまったものたちへの落とし前も、自分でつけるべきじゃないですか。
そりゃあね、魔法の砂時計があって、それをサラサラと巻き戻して、悲劇が起きる前からやり直せればいいですよ。
でも、“現実”という名の時計は砂時計じゃないんですよ。 ひっくり返せないし、零れ落ちた砂も元には戻せない。
延々と先へ先へと進んでゆくしかないんです。 たとえそれが、取り返しのつかない失敗の上に築かれた血塗られた道であっても。

ま、そんな風にカリカリなるような映画ではないのでしょうけどね。
なにせディズニーですから。
オープニングタイトルでシンデレラ城が映し出された時点で、もう出落ちしてしまっているようなものですもの。
時間も元に戻して、死人もグっと減って、恋も成就して、栄誉も手に入れて、めでたしめでたし、と。
それに、映画の中でくらい、そういう未来が待っていてもいいのかもしれませんしね。

最近の映画でありがちな、“なんでも台詞で説明しちゃう”技は本作でも存分に披露されており、中でもいきなり挿入される長男(第一王子)のナレーションは何をどうしたかったのか全く意味不明。
「それ、今言っとかないといけない事?」 と思いつつも、「まぁでもこういう感じで展開されてくのかなぁ」と観ていたら、結局ナレーションがついていたのはそのシーンだけだったという。
ばか! おまえばか!
あと、懇切丁寧なテロップも要りませんよね。
突然主要キャストみたいに“ハッサンシンの隠れ場”とテロップが表示されるのですが、まずその前に「ハッサンシンて誰やねん」という話じゃないですか。
そんな社長、最初から居てたみたいにテロップだけ出されても。
我々としましても。
前向きに善処いたしますけども。 ばか!おまえもばか!

全くそりの合わなかった主人公と王女が、なんやかんやでスキモノ同士・・じゃなかった、好き同士になるくだりも、かなり力技ではありますよね。
そして、「急いで現場に向かいます!」というシーンになるたび、いい空気を醸し出そうとする2人。
もう、時間ないよ? マジで急がないと、ヤバい事になるよ? 一分一秒を争っちゃうよ?
とヤキモキするアガサを嘲笑うかのように接近する唇と唇。 帰れ帰れ!リア充コノヤロウ!(←やっかみじゃないですよ)


とまぁ、ディズニーじゃなかったら大目玉をくらいそうな、とても大雑把なお話だったのですが、ヤマカシのようにスクリーンを縦横無尽に駆け回るジェイク・ギレンホール(ダスケン)の姿は観ているだけでとても楽しかったですし、『タイタンの戦い』に続いて我の強いヒロインを演じたジェマ・アーターソンのツンデレっぷりもなかなか眼福でしたし、圧倒的な砂漠の風景や、判りやすく描かれた戦闘シーン(お城の中と外から兵が押し寄せるシーンは今までにない判り易さ! ああ、実際の(昔の)戦争って俯瞰でみるとこんな感じなんだろうなぁ、と感心しました)も見ごたえ充分でした。
ホント、ジェイク・ギレンホールはあまりにムキムキすぎて、てっきりよく似た若手なんだと思ってしまいましたよ。
なにあのリアル肩パット。 肉なの? 本物の肉なの? ドーピングに次ぐドーピングなの?ジャック・ハンマー)

とことんバカな映画でしたが、アガサはきらいじゃありませんでした。
元ネタは世界的に有名なゲームだというコトですので、そちらのファンの方の感想などもお聞きしてみたいところですね。




余談:
あと、「ペルシャ」と聞くとこっちも思い浮かべやすいですよね。

ペルシャ2
ペルッコ ラブリン クルクルリンク・・ ・・あれ?  あ、ちがったちがった!すみません、こっちでした!
ペルシャ

マミからのギャップが激しすぎて、脱落者が続出したのはいい思い出です。
ていうか、映画関係ないんですけどね。
ヒョウ柄さんの画像が使いたかっただけなんですけどね。 ばか! わしもばか!

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古代ペルシャ帝国を舞台に、神秘的な短剣に秘められた“時間の砂”を巡るエキゾチックなアクション冒険ファンタジー。
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