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『ヒルズ・ラン・レッド』

2010年05月21日
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とことん真面目にハードコア。

あらすじ・・・
若い身空で、山奥なんかに向かおうものなら、あっという間に車も携帯も使えなくなるわ、怪しい殺人鬼が出てきて一人ずつ血祭りにあげられてしまうわなので、ぼくは絶対行きません、山奥。 それに引き換え都会は最高です。 そんな目には絶対遭いませんからね、都会は。 いやぁ、都会に住んでてよかった。 都会、かわいいよ、都会。

みたいな事を言ってた劇中人物は にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ NY遠征経験を持つジェイソン先生にお仕置きしてもらうといいんじゃねえの!

もうちょっと真面目にあらすじを説明するとしますと、
その昔、ひっそりと公開されたものの余りの怖さに上映中止になり、そのままお蔵入りになった伝説のホラー映画を一目観ようと捜し求めていた青年が、奮闘と周囲の協力のお陰でフィルムに辿り着く
というお話なのですが・・

お話・・

お・・  ・・なんかこれどっかで見た事あるような・・・


(※早くDVD出るといいですね!)

じゃなくてですね、こういうクラシカルで品行方正なホラーではなくて、血がスプリンクラーのように噴き出し手足がイボコロリの様に落ちまくる、品行不方正なエログロスプラッターをひたすら追い求め、そのまま深淵に飲み込まれてしまう男の子のお話なのであります。

一時はダメな子の代名詞みたいな印象だった“ダークキャッスル”印ですが、『エスター』のお陰で随分イメージ回復がなされてきたようで、なんだか目頭が熱くなり今日この頃。 
で、本作もそんな“ダークキャッスル”出身だったのですが、これまた立派に更生構成されており、とても面白く鑑賞出来たのでした。
ダークキャッスル、お前よく頑張ったよ。(←偉そう)

まず、殺人鬼の造形がすばらしいのですよね。
久しぶりに「kawaii」と外人さん風に思ってしまう程グっとくる殺人鬼に出会えた様な気がします。 
自分の皮膚に、直に人形の顔を縫い付けると言う思い切りの良さが魅力的なんだなぁ。
なんといいますか、ジェイソンだのレザーフェイスだのと言った諸先輩方に真っ向から挑戦状!みたいなね。
「お面被るとか、生ぬるいことやってんじゃねえよ!」みたいな。
わかる、わかるよ。 若者はそうやって先走ってしまうものさね。(で、歳行ってから後悔する)

そして入れ子になったストーリー。
幻の映画を探していた主人公が、実はその映画の登場人物になっていた、という、ちょっぴり捻りのあるストーリーがこれまたとっても魅力的。
とにかく、映画製作に関わっている一家の狂いっぷりが凄まじいのですよ。
とことんリアルで過激な暴力表現を突き詰める余り、自らの手で理想の殺人を犯すようになってしまった父と、その父に本番を含めた性教育を施されたり、実践を伴った撮影のノウハウを叩き込まれて、根っからのハードコア監督になってしまったアレクサ。 あと、そんな最凶な2人の間に生まれ、育てられた不幸な息子。
最初はひとつの道(究極のホラー)を目指していたはず一家が、方向性の違いによって崩壊へと突き進む、まぁ、判り易く言えば仲間割れする姿は、滑稽であり、虚しくもあり。(なにせみんな大真面目ですので)
「パパ見て!この血の滴り具合を見て!」
「ばかもん! なんだその無駄にエグい刻み方は! お前センスゼロ!」
「なによ! お客さんは過激な方が好きなのに! そんなだからパパの映画は売れないのよ!」
「なにおー! お前ばーか!」
「私たちがやってる事なんて、所詮はただの殺人なのよ! パパは能書きを垂れるばっかりで、私たちの行為の本質から目を背けてるだけじゃない!」
「むむ! この・・このおっぱいめー!」
と、主人公やそのお友達をそっちのけで揉め始める一家。

もうさぁ、頼むから家でやって来いよ! (←ここが家だった)(←すまんかった)

彼らが目指す到達点は、確かに異常な世界であり、そこへと向かう工程も鬼畜としか言いようがないのですが、ひとつの事に取り憑かれた者の情熱とは、時としてブレーキの無いジェットコースターの様に恐ろしいスピードで持って突っ走ってしまいのではないか、と思うのですよね。
人道に反しているか否か、他人に迷惑を掛けているか自己完結なのか、という違いはあるものの、こういう情熱と言うのは我が身をも滅ぼしかねないとても危険なものなのではないか。
幻と言われる品行不方正なグログロホラーを、周りの友達の制止に耳を貸さず、一心に追い求め、結果大切な人たちを犠牲にしてしまった主人公もまた、危険な情熱の炎に焼き尽くされた一人なのではないか・・と思ってしまいました。
引き返すポイントは沢山あったのにね。
“適度”と“適当”って大切なんだよ。 みんなも気をつけよう! (※突き詰めるなと言っているのではないですよ。自分や周りの人々に迷惑掛けないようにしようってコトですよ)


※ 以下一人語りが続きますので、お時間に余裕がある方だけどうぞ。


実は本編を観ていて、ちょっと考え込んでしまったのですが。

主人公が再三友達に聞かれる「なんでそんなにこのホラーに拘るの?」「なんでそこまでしてグロいの見たがるの?」というセリフ。
主人公自身も明確に答える事が出来なかったこの質問。
アガサも時々、自問自答してしまう事があります。

我が家の世帯主さまも、根っからの嫌ホラー人間で、
「なんでそんな残酷なの見るの?」
と真顔で聞かれる事が多々あるのですが、いつもうまく説明できない。 と言うか、出来る自信がない。
なので、「好きなんだもん」と、目線を逸らせながら答えるしかなかったりします。
でも、そもそもなんで、ホラー好きを明言するにあたってこんな後ろめたい気持ちにならないといけないのか。
目線を逸らす必要などなく、正々堂々と「首ちょんぱ最高!」と言えばいいではないか。
それはわかっているのですが、不必要に構えさせてしまうそうで言えないのです。
「えー・・・ 気持ち悪い・・」と言われそうで、言えない。
不思議なことに、ホラーを好きじゃない人って、なぜか干渉したがる人が多いのですよね。
“趣味が違う人”としてそっとしておいてくれればいいのに、ことホラーに関しては人非人のように扱われる事が非常に多い。

でもね、とにかく好きなんですよ。 
理由なんてないんです。

アガサのホラーに関する一番最初の記憶は、4~5歳の頃に見た『ドラキュラ』(シリーズの中のどれか)。
もう怖くて怖くて、観た日以来毎晩お布団を首に巻きつけないと寝られなかったくらい怖くて、でも、気付いたら彼の事を考えずにはいられなくなっていました。
次の鮮烈な記憶は『オーメン』。
絶妙な角度で降り落ちる避雷針、執拗に映し出される作り物の首。
純粋に「すげー!」と興奮したものでした。
もうね、その辺りから映画の中の非現実的な残酷描写(特殊効果)が大好きになってしまっていたのでしょうね。
でも、ホラーを好きではない人に、いくらそういった事を伝えても、“現実”と“非現実”の違いを理解して貰えない。
ニュース映像を指差され、「こういうバラバラ殺人とか好きなんでしょ」と言われてしまう。
全然違うモノなのに・・・。


でね、そんなこんなでなんとか上手いこと説明出来ないかと色々考えたのですが、ホラーってもしかしたら、理想の幼馴染の女の子みたいな存在なのではないかなぁ・・と思い至った訳なのです。

・ 小さい頃から傍にいた。(例:金曜ロードショーの13金を見た事ない人いないんじゃないのかなぁ)
・ いつもドキドキさせられる。(例:扉の向こうで常にスタンバイ)
・ 運動が得意。(例:逃げても逃げても先回り)
・ 時々大胆。(例:おっぱいポロリ)
・ 予想の斜め上の行動。(例:内臓もポロリ)
・ ハっとする程かわいらしい時がある。(例: ゾンビーノ )
・ 守ってあげたくなる事もある。(例: おかあさん )
・ 人間の業の深さについて真剣に語り始めたりする。(例:ロメロ3部作)
・ いつの間にか大人の階段をのぼり始めていたりする。
(例: フォカッチャ2 俺の邪悪なメモ様より)


ね! こりゃもう好きにならずにはいられませんって!
(※一部ホラーとは関係ない画像があった事をお詫び申し上げます)

という事で、ホラーはこれからも、私たちの傍に寄り添ってすくすくと成長しながら、新鮮な驚きと、心地よいマンネリズムと、惜しみの無いおっぱいを見せ付けてくれることでしょう。
私はそんなホラーの未来を見つめて行きたいと思う。
だから、「なんで?」なんて聞かないで欲しいし、揶揄しないで欲しい。
すきなものは好きなんだもの。 すきなものだけでいいんだもの。 
あなたもきっとそうでしょう?

 
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