ブログパーツ

『ディセント2』

2010年04月21日
jpg_The_Descent_2_Movie_Poster-e2f41.jpg
まさかの2周目突入。

この感想は、前作のネタバレと本作のネタバレを含んでおりますので、そういうのがアレな人はアレして頂けると喜びます。

(※前作の感想)


あらすじ・・・
この洞窟に暮らしてはや十数余年。
おじいちゃんの、おじいちゃんの、そのまたおじいちゃんの代から、ぼくらはずっとここで過ごしてきました。
いや、どうしてかなんて知りませんよ?
ひょっとしたらたまたま穴に落っこちて出られなくなった探険家とか、そういう人から始まったのかもしれませんけどね。
まぁとにかくぼくらは、狭いながらも楽しいこの洞窟で、細々と暮らしてきた訳です。
蛋白源なんてそりゃもう慎ましいものですよ?
時折迷い込む小動物でしょ、せっせと繁殖し続けるネズミでしょ、・・あとは大人たちが地上から狩ってくる大型の動物? せいぜいそんなものですもん。
いやいやいや! こっちから人間界に殴り込むとかしませんて!
だってぼくら、ここの生活長いから、視力はとっくの昔に退化しちゃってますし。
嗅覚も全然大したこと無いでしょ? ほんで、唯一自信があるのが聴覚ですけど、これも案外ボロい機能ですもんねー。
ときどき関節が「パキッ」って言う事あるじゃないですか?そういうのは聞こえるんですけどね、近くでスーハーされても気付かなかったりね。いやマジで。とんだポンコツ機能なんですよ。
でもね、ポンコツでもよかったんですよ、今までは。
大した外敵がいるわけじゃ無し。

ああ。 それなのに。
つい2日ほど前ですか、なんや小うるさい集団がわいのわいの言うて入ってきてね。
何者かはわかりませんでしたけど、まぁ確実に“雌”ですよね、そいつらね。
いや、雰囲気でわかりますって。
なんか言葉にトゲがあるっていうか、“年齢の話”と“男の話”の時の空気のピリピリ感が半端無いって言うか。
あの独特の緊張感は、もう間違いなく“雌”のアレですよ。
で、その“雌”の集団が、ぼくらの住居を荒らし放題荒らし回って、やれ汚いだの、やれ収納が少ないだの、やれ間口が狭いだの、家事動線が悪いだの、もう散々な口ぶりでね。
もう、お前らなんやねん、と。
これはコンクリート打ちっぱなしなんちゃうねんぞ、と。 天然の鍾乳石やぞ、と。
建物探訪やるんなら、どこぞのシャレオツなデザイナーズ物件にでも行っやらええんちゃうんけ、と。
いやマジで、さすがのぼくらもキレた訳ですよ。
で、100パーセントの力で襲い掛かったんですけどね、まああの“雌”どもが強いのなんのってね!
これはクリリンの分ー! って噛み付いてやったんですけど、全く歯が立たないっていうか、逆に背負い投げされる的な?
それにほら、なんかむっちゃ尖ったヤツ、あれ、ピッケルって言うらしいんですけどね、仕舞いにはあれで刺してきやがんの。
痛いから! それ、超痛いヤツだからほんとに!!

侵入してきたクセに手加減無しで立ち向かってくる“雌”たち。
それをなんとか蹴散らして、取れる分だけの蛋白源も確保したぼくたち。
互いに死力を尽くしあった結果、ようやく事態も収束に向かって行き、これでまた、前みたいな平穏な洞窟暮らしに戻れると、信じていた。 
信じていたのに。

まさか帰ってくるとはね。
しかも一番手ごわかったあの“雌”とはね。
そして今度は、“雄”まで引き連れて来るとはね。

もう、文字通りぼくら、顔面蒼白ですわ! みたいなね!
descent22_convert_.jpg
(※心も体も真っ白です! みたいな!)



ときどきでいいのでにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ ← ←思い出してあげてください


“誰得”と呼ばれる作品というモノは、映画に限らず実に様々な分野において存在しているのですが、本作もまた、そんな奇異な称号を向こう3年欲しいままにしてしまうであろう、堂々たる“誰が得するのやらとんとわからない”映画だったのでした。
あ、なんで3年かって言うと、「10年先まで語り継がれるようなシロモノじゃないから」ですよ?

ていうか、ホントなんでこれ(続編)作ったかなぁ。
責任者ちょっと表出ろコンニャロー。


何を隠そう、アガサは1作目が大好きでして。
最近一番信頼できる監督、ニール・マーシャルとの出会いの場でもありましたし、クリーチャー・パニック・モノと思わせて実は、極限状況下における人間ドラマなのであったり、ムダな男(ムダな役割の男という意味ではなく、男そのものをムダと位置づけているという意味)が一切出て来ないと言う潔さも頗る魅力的な作品だったのですよね。

で、何より好きなのはそのラストなのですが、
事故で最愛の娘を喪って以来、哀しみを纏い、闇の中を這うようにして生きてきた主人公は、人生そのものの様な狭く入り組んだ洞窟に迷い込んでしまい、不気味なクリーチャーと対峙することで過去に落とし前をつけるものの、結局精神錯乱状態に陥って朽ち果ててゆくのですよ。
どうですか、この救いもへったくれも無い、悲惨極まりないオチ!
大体ねぇ、人生も洞窟も、一度ガッツリ転落したら、そんなに簡単に抜け出せないっつうの! リアリズムばんざい!

親友を喪い、友も喪い、ライバルも喪い、出口にも辿り着けず、狂気と絶望の淵へと追い込まれる主人公。
その前に現われた娘のまぼろし。
一緒に祝うはずだった誕生日のケーキを差し出し「おかあさん」と語りかける娘に、溢れんばかりの愛を込めた微笑を向ける主人公は完全に正気を失っており、その体を取り囲む洞窟の闇もとことん深く、一見バッドエンディングのように見えるのですが、もしかしたらこれはひとつの“幸せのかたち”なのではないかと、アガサはそう思ったのです。

確かにもう、生き残る事も脱出する事も期待出来ない。
でも、愛する娘に、たとえ幻覚であっても再び巡り合う事が出来た主人公は、絶望と苦痛と共にただただ生きてゆくよりも幸せだったのではないか、と。
ここで朽ち果てたとしても、それはそれで本望なのではないだろうか、と。
ちょっと後ろ向き過ぎるかもしれませんが、そういう風に受け止める事も出来るこのラストは、アガサの胸にズシリと響き、『ディセント』という映画を忘れられないものにしてくれたのですよね。

なのになぁ・・・。 
まさか生き残ってるとはなぁ・・、他ならぬその主人公自身が!

マーシャルってさぁ、結構無茶するよな! 全くおまえにゃあ敵わねえぜ!(※1作目監督のマーシャルが本作のプロデューサー)


で、実は生き残っていたのは主人公だけではなく、彼女の夫と不倫関係にあった(生前中)にもかかわらず、親友面してうろついていた、ある意味夫がしでかした不幸な事故の心理的原因と言っても過言ではない女友達も、シレっと再登板してしまうのですよね。
前作のクライマックスで、真実を知った主人公に手痛い一発を食らい、そのまま地底人の巣窟に置き去りにされていた女友達が。
なんとパワーアップして帰ってきたんですよ、と。

・・・

・・

・・・まぁね、まぁね、まぁ確かに相当強い女性でしたからね、地底人に取り囲まれても、片脚が不自由な状態でも、真っ暗闇の中でも、食べ物が無くてお腹がペコペコでも、自慢のピッケル捌きで白ガリ野郎どもをばったばったとなぎ倒していたのかもしれませんしてねえよ!

もっかい言ってやる!


ね え よ !!(大事な事です)



そもそも、主人公の脱出の方法もわからないままでしたしね。
あんな絶望的なラストだったのに、本作のオープニングでいきなりダーッつって出てきましたから。
え、どこから? みたいな。
位置関係が全くわからんでよ! みたいな。
今回潜入する入り口となる納屋も、何か秘密が隠されているのかもしれませんが、どうやらその謎は次回に持ち越す様ですし。
なんや、なんもかんも投げっぱなしか、と。
だからオレは散々言ってたんだよね! 「続編なんかやめときな」ってさぁ!!(※届きません)


何も、生き残っているメンツが不自然とか、あのまま野垂れ死んでればよかったのに・・とか、そういう事が言いたいのではないのです。
前作の直後という設定で続編を作るのなら、それ相応の辻褄合わせは不可欠だと思いますし、簡単に脱出できない地獄のような洞窟が舞台だったからこそ、なぜそこから脱出できたのかはきちんと説明しなければいけないと思うのです。
それが無いままで、先行きが絶望的だった主人公や生存不可能な状況だった女友達だけを再登場させているので、気持ちがものすごく冷めてしまう。
「この2日間の記憶が無くなってしまったの」で終わらせるなんて、いい加減にも程がある。
そんな続編やめちまえ!


とは言え、敵同士だった主人公と女友達が共闘する姿は否応無しに惹きつけられます(だって強い女が2倍ですよ!)し、適度なグロや、すこぶる感じの悪い偉いさんも、物語を盛り上げるのに充分な役割を果たしていると思います。
だからこそ、余計に残念なのです。
キライになりきれないから・・・ ホントは好きだから・・・2人のこと・・・。(女2人がわだかまりを捨て、互いを守ろうとするシーンは涙が止まりませんでしたもん!)

と言う訳で、謎の森林警護のおじさんが、実は地底人の世話係だった・・・!みたいな取ってつけたようなオチで、またもや第3弾を臭わせつつ終わってしまった 『ディセント2』 。
頼もしい女友達も主人公も死んでしまった事ですし、頼むからこれで打ち止めにして貰いたいものですが、もしかしたら数年後に,舞台だけ借りたパート3か、もしくはおじさんの謎を追った前日譚がお目見えするかもしれません。
実は、おじさんが言及していた“洞窟に行ったまま行方不明になったおじさんの祖父”が、極限状態で突然変異して地底環境にそぐう生き物になってしまったのが、あの地底人なんだったりしてね!

ま、そのネタは先越されちゃって(作られちゃって)ますけどね!
(※→『地獄の変異』)



では最後に、鑑賞中頭に浮かんでは消えていったよしなしごとを。

・ ドキ!女だらけのケイビング大会! が魅力だったのに、おっさん連れてきてどないすんねん。

・ 洞窟レスキューのプロが出てくるのに、全く役に立ってない。 マジで空気。

・ そのプロ初登場シーンで、テレビレポーターに「前回の事件での初動捜査にはミスが・・」とかなんとか責め寄られる伏線が、完全放置だった件。

・ 洞窟内がとにかく明るい。 なんや、LED電球でもつけてんのか? エコか?地底人もエコの時代なんか?

・ 記憶を取り戻したはずの主人公が、完全に道に迷ってる件。 水とか潜ってないよね?前回。

・ いくらなんでも、保護直後で病院に収容されていたような参考人を洞窟に連れてかない! 

・ 怪我してるのにジャージとか着せない!

・ 岩だらけで歩きにくそうな場所で手錠とかしない!

・ しない、しない、ナツ!


ということで、だいぶお腹がいっぱいになったので、しばらく続編は控えておこうと思います。

ちなみに今夜は 『クラーケン・フィールド』 でも観て、思いっきり羽目をはずしてやるつもりですよ! 
みなさんもご一緒にイカがですか!(←予告の余韻)


     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ


※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。