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『エスター』

2010年03月30日
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真の“愛されガール”の姿を見よ! そして跪け!!

エスター、なんと甘美な響き。
北欧に咲く一輪の薔薇。
その棘は心を刺し、その香りは心を癒し、その眼差しは心を惑わす。
エスター、ひたすらに無上の愛を渇望し続けた少女。
エスター、ああ、エスター。

養親になってくれたのが、モーガン・フリーマンさんだったらよかったのにな!マジで!(もしくはウディ・アレンさん)

衝撃の朗報? 72歳のモーガン・フリーマン、45歳年下の孫娘と結婚!? - MovieWalker


(↑ガセだという節もあるそうです)
(↑ウディの方はガチ)


と言うわけで、去年観た方の間で話題騒然だった 『エスター』 を、遅ればせながら鑑賞しました。

エスターなんだこれ超SUGEEEEE!!
最近怖い映画が少なくなったとお嘆きの自分に、心ばかりの増強剤とばかりに借りてみたのですが、滋養がつくどころか超劇薬だったのでした。 バンザーイ!どうせ盛られるんならやっぱ劇薬だよね!

待望の赤ちゃんを死産という形で亡くし、失意のどん底だった夫婦が迎え入れた新たな家族。
それは、どこか寂しげで、でも芯が強そうで、不思議な魅力にあふれる少女・エスターだった・・・!

そんな彼女が家に到着してから去ってゆくまでの数週間を、くしゃみするもの躊躇われる様な緊張感でもって描いてゆく本作。
エスターが魅せる、他人を疑心暗鬼にさせる巧みな会話テクや、絶妙な間合いの自虐ネタ、心の中の触れられたくないトコロを的確に突いてくる心理攻撃がまぁ、見事な事と言ったら。
で、それらが功を奏し、災いが雪だるま式に膨れ上がってゴロゴロを悲鳴を上げながら暴走し、そして行き着くところまでノンストップで行き着いて爆発してしまう様は圧巻の一言です。

外見は幼い少女なのですが、劇中で披露するあーんな駆け引きやこーんな嫌がらせの数々は、手練手管に長けた女(メス)のまさにそれ。
いやー、勉強になりますなぁ! (するな)

異質な訪問者と家族の崩壊、という古今東西お馴染みな内容ではあるのですが、不穏な空気に満ちた導入部から、ひたすら続く悪夢のような中盤、そして斬新過ぎる真相が待ち構えるクライマックスまでが、非常にテンポよく、リズミカルに紡ぎだされる為、中だるみとは全く無縁な傑作ミステリーとなっております。
ほんとこれ、去年観ていたら間違いなく09年代ベストに入れてたのになぁ。
ちくそう! これだからかっぺ地域は! (※岡山では公開されませんでした)

まだご覧になっていない方は1食抜いてでも鑑賞されるコトをおすすめします。
衝撃真相なのに、オチがわかってからももう一度観直したくなること請け合いですよ!
あと、絶対鑑賞前にネタバレブログとか読まないようにして下さいね! 人生損してしまいますよ!(そこまで言うか)




では、以下ネタバレ。 (※未見の方は読まないで下さい)




そりゃ、うっぷんも溜まりますよねー!

愛を求め、愛に流離い、愛に弄ばれた33年間。
成長ホルモンの異常により、自らの意思とは裏腹に、ジュニアサイズで生きることを運命付けられたエスター。
愛撫に焦がれ、夜毎疼く発展途上ボディ。
でも、その外見が災いし、彼女の欲望は決して満たされることは無い。

33年間ノータッチ・ノーベッドインて! これを悲劇と言わずして何を悲劇というのか!
らめえ!もうエスター、魔法使いにらっひゃうお!(※一説によると、手付かずのまま30歳を過ぎると魔法使いになれるそうです)

「愛が欲しい」だの「愛されたい」だのと無いものねだりも甚だしい“自称・愛されガール”どもは、膝を屈してよく見ておくがいいですよ。
こうなる前に、愛を欲する側から与える側にシフトしなきゃダメだかんね!
愛されるよりも、愛したい本気(マジ)で!みたいな!
でないと、エスターみたいな不毛な“愛され地獄”に陥っちゃうよ!

で、そんな不毛なエスターですが、劇中の設定では、もともと精神を病んでおり、暴力性もあったとされているのですが、ホントにそうなのかなぁ、と思えてなりませんでした。
ホルモン異常は彼女のせいではないのに。 
周りの女子と同じように発育していかないのは彼女のせいではないのに。
心はどんどん大人になり、肌つやも無くなり、ほうれい線まで出始めたというのに。
なのに「子供にしか見えない」という理由で、性的アピールをスルーされてしまうなんて。
そりゃ歪むんじゃないですか? 心のひとつも歪んでしまいまさあ・・ねえ、旦那・・・。

もしエスターが、出生と同時にキチンとした医療を受けており、理解ある人々に出会えていたなら、こんな悲劇は生まれなかったかもしれないのになぁ。
形振り構わず、養父にお色気攻撃をしかけ、案の定拒絶されて怒りに燃えるエスターの姿を見ていたら、彼女の人生の裏側でこれまで流されてきたであろう数多の黒い涙が目に浮かび、思わず目頭が熱くなってしまいました。
ほんと、ウディ・アレンくらい男気のある養父に出会えたらよかったのにな!


で、ここまでエスターに感情移入してしまうのは、彼女を迎え入れる一家に対する違和感にも原因がありまして。
赤ちゃんを死産で亡くし、その代わりに養子を・・・という事なのですが、既に2人の子供に恵まれているのに、なぜそこまでして兄弟を増やしたかったの? 平成の大家族を目指してるの? 改編期に特番するの?
それに、その実子のうちの一人は聴力に障害を持っていて、手も目も人一倍かけてあげるべき存在。
なのに養子をとる意味が、どうしても理解出来ない。
なんなの? もしかしてそのお世話係にでもしようと思ってたとか?みたいな意地悪い感情まで首をもたげてくる始末。

死産の悪夢から立ち直れない母の気持ちはわかりますが、子供は何かの代わりじゃないんだかんね。
ま、そもそも旦那さんとは破綻してしまってた(旦那さんに対する信頼が無くなっている事は、冒頭の悪夢のシーンを見ても明々白々)みたいですので、あの離別は仕方ないのかなぁと思いますし、喪った赤ちゃんへの想いに関しても、エスターのお陰で見事に決別出来たようですので、終わりよければ全てよし、みたいな感じなのかもしれませんね!

よし、とりあえずエスターさんに感謝の意!


全ての女が持つ二面性を余す事無く表現した、エスター役のイザベル・ファーマン・齢13歳がとにかく素晴らしかったです。
あまりにエスターが憑依していた為、今後のキャリアに差し支えるのではないか(※リンダ・ブレアみたいに)と心配でたまりませんが、是非これに懲りずに色々な役にチャレンジしてもらいたいものです。
アガサとしては、ファーマン女史とエレン・ペイジ師匠とのがっぷり四つが、今一番見てみたい取り組みですね!

いやぁ、やっぱ男がまるで役に立たなくて女がめっぽう強い映画はおもしろいなぁ!
最高でした!

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