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『シャーロック・ホームズ』

2010年03月19日
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もういい・・・皆まで云うな。


『シャーロック・ホームズ』著作権者が激怒!続編でホームズとワトソンの“ゲイ疑惑”に触れたら映画化の権利を剥奪 - シネマトゥデイ


数ヶ月前、このような記事を見かけました。
正直言って、著作権者のアンドレアたんが何をそんなにいきり立っているのかさっぱりわからない。

健全な男男が2人、一つ屋根の下で暮らす。 

・・・状況説明として、これ以上何が必要だというのか。

な、アンドレア。 お 前 に も わ か る な ?


あらすじ・・・
なんかロンドンで連続女性殺人事件が起きて、黒魔術みたいなのがあって、その犯人が捕まって、処刑されて、でも生き返ったっぽくて、そしたらまた関係者が殺され始めて、ドカーンボカーンってなって、ワトソンが「危なーい!」とかなって、ジャーってなって、チュイーンって迫ってきて、裸になって、ほんで『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいになって、おしまい。


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もうね、冒頭にも書いたのですが、ホームズとワトソンの関係がね。
いや、ヘンな意味じゃなくて、ホント、見たまんまな意味でね。
見たまんまな意味で、白飯三杯はいけちゃうよね。

大胆で聡明で色っぽくて繊細な、ロバート・ダウニー・Jrのホームズ。
誠実で色っぽくて包容力がある、ジュード・ロウのワトソン。
ぶつかりあう、2人の肌と肌。
絡み合う、視線と視線。
ダウニーさんの豊富な下まつげの一本一本から溢れ出す、ワトソンへの想い。
そして、婚約者との新生活の準備を進めながらも、危なげな相棒から目が離せないジュード・ロウ。

もういい。 皆まで云うな。
お前らの気持ち、しかと受け取ったぞ!!
(発信されていたかどうかは別として)

という事で、新生ホームズの冒険談は、アガサにとって夢のようなひとときで、まさしく夢のようだったのでした。 違う違う、寝てませんからね。 そういう“夢”じゃなくて。 いや、ホント寝てないって。 大人はヤだねー。すぐそう言ううがった見方をするもんマジで。


これはあくまでアガサの考え方なのですが、そもそもサー・アーサー・コナン・ドイルの原作自体、完全な“本格推理小説”とは言い難いのではないかなぁ、と。
もちろん、唸ってしまうようなトリック(「フランシス・カーファックス姫の失踪」や「ブルース・パーティントン設計書」の死体のトリックなど)や、現場に残された小さな物的証拠からその場の状況を導き出すホームズ先生の冴え渡る推理は楽しいのですが、半分くらいは「え?」みたいな話もありますからねぇ。
婚約した若いギャルに愛想をつかされない為に謎のクスリをオーバードーズして、サル化してしまう老教授のお話とか、
殺人事件の犯人がクラゲだったお話とか、
ヘビが牛乳で飼いならされちゃうお話とか、
痴話喧嘩がこじれる話とか、
痴話ケンカがこじれる話とか、
あとは痴話が刃傷沙汰になる話とか。

そういうチワチワとしたお話も面白く読めてしまうのは、ひとえにホームズ先生のスマートな立ち振る舞いと、ワトソンとのウィットに富んだ会話、ヴィクトリア朝時代の光と影が残酷なほど美しく対比する風景、そして、わかりやすく且つ斬新なストーリー展開にあるのでないかと思うのです。

で、それを踏まえて本編を観ると、なんだよ、全然いつものホームズじゃん!と、そうなる訳なのですよね。

むしろ、なんでみんなホームズに本格的な謎解きを求めるのか、と。
時代はビクトリアだよ、と。
もうねぇ、壁に「RACHE」って書いてあるの見て
「むむ!これははんにんが“レイチェル”ってかこうとしたにちがいない!」
って息巻いてたら、ホームズ先生に
「あのねぇ・・クスクス・・“RACHE”はドイツ語で ・・ブッ・・ “復讐”って意味ですよ・・ プークスクス・・」
って豆知識を披露されたレストレイド刑事の気持ちにもなってやれよ、と。(←「緋色の研究」より)
やたらと「謎の吹き矢」とか「謎の毒薬」とか「謎の秘密結社」が出てきてこそ、ぼくらが愛したホームズなのではないですか。

シルクハットと黒いスーツに身を包んだ紳士が、石畳を颯爽と闊歩する姿。
軽快な音を路地に響かせ走り抜ける馬車。
カメラがパンすると、そこに映し出される「ベーカー街221B」の文字。
それを大画面で観られただけで、充分満足してしまったアガサだったのでした。
で、しかもそこに、フェロモン過多なワトソンと、それをねっとりうっとりとした目つきで見つめるホームズがいる。
なんだよ! おまえらこれ以上なにが必要なんだよ!(※ゆがんでいる事はわかっているのでそおっとしておいてあげてください)

ただ、上記のとおり、設定や映像には概ね満足だったアガサなのですが、ちょっと物申したい点もいくつかありまして。

まず、上映時間が長すぎる。
魅力的なキャストを揃えたので、ねっとりと時間をかけたプレイ状況説明をしたいのはわかりますが、この話で2時間超はキツいです。
派手な爆発や破壊を盛り込んでいるにも関わらず、ものすごくテンポが悪く、間延びした印象を受けてしまうのは勿体無い。
テレビもブルーレイじゃないと勿体無い。(←とくに意味はない)
そう考えると、『ヤング・シャーロック』は1時間半超で上手にまとめてたなぁ、と。 似たようなトンデモ展開なのにな!


次に、悪い人役が地味。
誰かに似てるんだよなー・・誰だろなー・・・ホント、絶対誰かに似てるんだよ・・
と思ってたら、アンディ・ガルシアでした。って気付いた時には本編終わってました。 ちょう地味ーマジうけるー。

それから、まさかの「SAW」っぽい装置登場。
途中でヒロインがある装置に縛り付けられて危機一髪!みたいなくだりがあるのですが、その装置というのが、
「フックに吊るされたブタの死骸が一体ずつスライドさせられて、その先にある電動カッターで縦割りにされる」
という仕掛けで、もうめちゃくちゃジグソウっぽい。ていうか即座に『SAW3』を思い出した己が憎い。

そしてなにより、「あのひと」こと「アイリーネ・アドラー」に華が無い。

ちがうの。 キレイなの。 そりゃ女優さんだから、もちろんキレイなの。
でも、「アイリーネ・アドラー」はシャーロック・ホームズにとって特別なんですよ。
美しくて、頭の回転が速くて、賢くて、ユーモアのセンスもあって、男気もあって、儚いところもある。
だからこそ、並みの女には一ミクロンも関心を抱かないホームズも、彼女にだけは一目を置き、敬意を表するのです。

間違っても、こんな出来損ないの峰不二子みたいな女泥棒じゃないんですよ! “あのひと”は! (※峰不二子を侮辱する意味では決してない) 

もうここは、“原作厨乙”とか言われても構わない。
オレはどこまでも理想のアイリーネ・アドラーを追い続ける。
たとえそれが、荊の道であっても・・・。(←ごめん、オレちょっとウザい)


ということで、若干不満も残るのですが、ダウニーさんとM字ハゲという相性バツグンな黄金コンビの誕生は大いにめでたい事でもありますし、トンデモっぽいストーリーの脇で原作のニュアンスもきっちり残してあったり(壁に撃ち込まれたヴィクトリア女王のイニシャルや、ハドソン夫人との丁々発止なやりとり、結婚を控えてのワトソンとの微妙な距離感などなど)、続編に出る気まんまんのモリアーティ教授の存在も楽しみな事この上ないですので、製作されるであろう第2弾を色んな思惑を抱きつつ楽しみに待ちたいと思います。

その時は是非、ベイカー街遊撃隊(※)にもご登場頂けると、さらにアガサが興奮しますからね!
(※ ホームズ先生が手下に使っているストリートキッドたち)



最後に余談・その1
本編の最後に、とある人物の殺害を実行したのがモリアーティ教授だったという事が明かされ、ホームズが闘志を顕にするというシーンがあるのですが、これってもちかして「恐怖の谷」(※ホームズシリーズの長編小説)のエピローグに対するリスペクトなのだろうか。  こんなの見せられたらおばちゃんうふふってなっちゃうよ、うふふって。

余談・その2
ワトソンの婚約者としてメアリー・モースタン嬢が紹介されるシーンがあるのですが、ホームズが彼女を知らないなんておかしいでしょ! せっかくモースタン嬢を登場させたんだから、そこは繋げて欲しかったなぁ。 こんなの見せられたらおばちゃんわちゃーって言っちゃうよ。 わちゃーって。
(※原作に於いて、モースタン嬢とワトソンとの出会いのきっかけは、ホームズが手がけた「四人の署名」事件なのです)

余談・その3
今回、「ホームズが武闘派なのがおかしい」という声もちらほら聞こえますが、原作小説でもホームズは腕に覚えアリな人なのですよ。
有名な“バリツ”(※モリアーティ教授ともみ合いになって死にそうになった時、日本の格闘術・バリツを駆使して助かった、というくだりがある)はもちろん、鉄製の火かき棒を捻じ曲げたり(※「まだらの紐」)、ボクシングでごろつきをノックアウトしたり(※「あやしい自転車乗り」、拳でモノを語る事も無くはないのです。 と言う訳で、いいぞ! 次ももっとやれ!




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