ブログパーツ

『(500)日のサマー』

2010年03月14日
five_hundred_days_of_summer_xlg_convert_.jpg
運命じゃない人。



あらすじ・・・
*月*日。 グリーティングカードの会社に就職決まった。 新しい生活。 たのしみ!

*月*日。 会社の懇親会でカラオケ。 新しい友達が出来た! 何日か前に、エレベーターで一緒になった人。 そういえば、ザ・スミスの曲を聴いてるのが聞こえたものだから、つい話しかけちゃったんだった:-)  色々話し込んでるうちに、なんでだか恋人の話になっちゃって、わたしが「愛なんて信じてない」って言ったら「真実の愛はあるよ!」なんて言われて、なんだかドキっとしてしまった。 おもしろい人だったなぁ。 同じフロアだから、また会えるかな? 名前は、・・・トム?

*月*日。 仕事にだいぶ慣れてきた。 この前の晩から、なんだかトムのことが頭の隅に引っかかってる感じ。 うー・・・なんだろう・・・。 

*月*日。 今日、コピーをしに行ったらトムに会った。 すごくドキドキしてしまって、トムの方を見たら、彼もドキドキしてるみたいに見えて、気がついたらキスしちゃってた! やばいかもしれない!

*月*日。 トムと9フロアもエレベーターで話し込んじゃった:-D 彼と話してるとなんだか楽しい。 どうしよう。

*月*日。 IKEAに行きたいって言ったら、トムがついてきてくれた。 一緒にいると、気持ちがどんどんハイになってしまって、つい恋人同士みたいなことをしたくなる。 でも、前みたいな気持ちの行き違いはもうイヤだから、ハッキリ「真剣につきあうつもりはないんだけど、いい?」って聞いてみた。 そうしたら、トムはすごく優しく笑って、「いいよ、気軽な関係でいよう」って! よかった! 彼となら、うまくやっていけそうな気がする。

*月*日。 トムがお気に入りの場所を紹介してくれた。 ビルが生き物みたいに立ち並んでいて、とっても不思議な場所。 建築のことはよくわからないけど、彼がとっても楽しそうで、私も嬉しかった。 そうか、彼は建築家になるのが夢だったんだ・・・。 でも、なんで諦めちゃったんだろう・・・?

*月*日。 毎日がピクニックみたい! トムといるとワクワクする! 彼の笑顔を見ると、なんだか何でも許して貰えてる気がして落ち着く。 ずっとこんな風に、たのしく過ごせたらいいな・・・。

*月*日。 今日初めてトムを部屋に入れた。 どうしよう・・ってずっと思っていたんだけど、彼は今までの人とは違うような気がする。 お願いだから、もう少しこのままでいさせて。 ああ・・・どうかトムがヘンな事を言い出しませんように。

*月*日。 トムとドライブ。 最近トムの様子がおかしい気がする・・・。 今日も車の中で「ぼくらの関係って・・」って言い始めて、どうしようかと思った。 やっぱり彼もそういう事言い始めちゃうのかな・・・:-(

*月*日。 愛ってなんだろう。 つきあうってなんだろう。 「一緒にいる」ってことは、絶対「誰かのもの」ってことじゃなきゃだめなの? わたしはわたしのままでいられないの? わからない・・・。わからないよ・・・。

*月*日。 今日、2人でバーに行ってた時、鬱陶しい酔っ払いに絡まれたんだけど、信じられない事に、トムがその人に殴りかかって怪我をしてしまった。 わたしを守ろうとしてくれたんだろうとは思うけど、なんかもう、無性にイライラした。 嬉しくなかった訳じゃないのに・・・。 でも、殴って欲しかった訳でもないの。 混乱してしまったので、自分がどうして欲しかったのか落ち着いて考えようとしたら、彼が部屋までついてきちゃって、ますますイライラが募ってしまった。 前はわたしの心を読んでくれてたみたいだったのに、最近のトムは見向きすらしてくれない感じ・・・。 なんでこうなっちゃうのかな・・・。

*月*日。 この前は仲直りしたけど、やっぱりギクシャクしてしまう。 もう、トムの笑顔に何も感じなくなってしまった。 

*月*日。 一緒にいると、疲れる。

*月*日。 やっぱりトムに自分の気持ちを伝えた方がいいのかな・・。こんな関係、続けてても意味がないんじゃないだろうか。 傷つけるような言葉を吐き散らかしてしまう前に、終わりにした方がいいのかも・・・。 どうしよう・・・。

*月*日。 昨日、トムに「もう会わない」って言った。 『卒業』を一緒に観てた時、自分の中でハッキリ答えがでてしまったから。 このまま一緒にいても、ハッピーエンドにはならない、って。  彼は、今までの誰とも違うと思ったのにな・・・。もしかしたら彼だけは、違うのかもって・・・。 彼には理解してもらえないかもしれないけど、とにかくわたしの気持ちは伝えたから、もうおしまいにしようと思う。 彼には感謝してる。 いままでありがとう。

*月*日。 今日、辞表を提出した。 なにもかも捨てなきゃ。 引きずってちゃ、彼にも悪いもの。

*月*日。 トムが前に言っていた、「真実の愛」について考えていたけど、やっぱり答えは出ない。 あれから会ってないけど、どうしてるんだろう・・。 あんまり落ち込まないでいてくれたらいいんだけど・・・。

*月*日。 アルバイトでも始めようかな。 角のデリ、バイト募集してたっけ・・・?

*月*日。 今でも信じられない。 家に帰ってからも、しばらく頭がぼおっとしてる。 わたし、運命の人に出会っちゃったの?! 

*月*日。 知りあいの結婚式に出席する為列車に乗ったら、なんとそこにトムも乗っていた。 トムも出るんだったんだ。 ちょっとビックリ=)  前、会社に送ったメールに返事をくれなかったので、怒ってるんだろうと思ってたけど、前みたいに楽しく話しが出来てよかった。  結婚式のパーティでもずっと一緒に飲んでいて、ダンスもして、本当に嬉しかった。 付き合い始めた頃は、こんな感じだったんだよなぁ。 今度うちで開くパーティにも誘ってみたけど、来てくれるかな・・・?

*月*日。 彼にプロポーズされた! 気がついたら「YES」って言ってた! さいこうの気分!

*月*日。 なんだかわからない間に、結婚式の準備が進んでるって感じ。 そうなんだ。 わたしもうすぐ結婚するんだ:-))  あんなに「結婚」や「恋人」っていう形に違和感を抱いてたのに、今はすごく自然に過ごすことが出来ている。 ほんと不思議。

*月*日。 今日から彼の妻。 奥さん。 なんだかくすぐったい感じ;)

*月*日。 今日、久しぶりに、トムが昔教えてくれた場所に行ってみた。 そうしたら、なんとトムと再会した。 なんという偶然! トムはわたしの左手を見て、ちょっと哀しそうな顔をしていた。 ああ・・彼はまだ想ってくれていたんだなぁ、別れた理由について全然納得なんてしてくれていなかったんだなぁ、と思った。 わたしの中で、トムは今でもちょっと特別な存在なんだ、って、言いたかったけど言わなかった。 それを言っても何も始まらないし、そもそもわたしの中では完全に終わってるんだし。 代わりにわたしは、「あなたが言ってた事は本当だった。 真実の恋も運命の赤い糸もあった。 ただ、あなたが相手ではなかったけれど」って言った。  もう、これ以上何も付け加えることなんてない。 
ああ、どうかトムも、新しい、ステキな、運命の恋と出会えますように! 


※ と、いうお話を、男子目線で描いた物語です。

ご縁がなかったという事で。  にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  って納得できるかぁぁぁぁ!!!


アガサが20代になりたての頃。
友人と一緒に飲みに行った席で、ある男の子に出会った。
すごくかっこよくて、なんかオシャレで、物憂げな表情にドキドキしっぱなしだったわたし。
でも、どう考えても自分には高望みすぎる相手だったので、勝負する気も起こらなかった。
ところが帰り際、「楽しかったね~。」と声をかけると、「また今度会える?」と聞かれた。
心臓が口から飛び出るかと思った。

それから何度か2人で映画や食事に行き、何度目かのドライブの帰り際、彼はわたしの目をジっと見つめ、何かを語りかける代わりにキスをくれた。
わたしは恋を勝ちとったと思い、天にも昇る気持ちだった。
その後も、まぁ、色々な出来事を経験し、そのわずか1ヵ月後、彼からの連絡は消えうせた。

鳴らせども鳴らせども折り返されないポケベル。
なぜか急増する彼の残業。
これはいかん、と思い、仕事終わりを待って食事にさそったが、うどんを一杯食べて即解散となったあの日。

えーと・・・、わたしたち、付き合ってたんじゃなかったんだっけ? ・・あれ?もしかして、付き合ってなかったんだったとか? いや、まさかそんな事は・・ ほらほら、いーつのー事ーだかー思い出してごーらんー、あんなことーこんなことーあったでしょー? あーったよねー?無いとは言わせーないー
なんてのんきに歌ってる場合では勿論無く、気がついたらわたしの恋は完全に自然消滅させられていた。

これが俗に言う、“やり逃げ”である。


とまぁこんな風に、己の醜い過去を穿り返して、思わず自分語りしてしまいたくなるような、ほろ苦く甘酸っぱい恋愛映画 『(500)日のサマー』 を観て来ました。
余談ですが、世の中の男子のみんな、やり逃げはよくないぞ!


いやぁ、それはともかく、サマー可愛いですよね! 
なんだろう、全身から滲み出てくるコケティッシュな魅力っていうの? もう、何から何までシャレオツなオーラで包まれている訳ですよ。 こりゃ好きになるわ。 ていうか、オレも好きになっちゃったもん。(←問題発言)

問答無用に可愛いのだけれど、決してゴージャスな美人というわけではない。
髪だって、非の打ち所無くバッチリ決まっている訳ではない。
ただ、ふんわりとした後れ毛やちょっと広がり気味なサイドも、どこまでも自然体なのでそれはそれで魅力的。 
そう、サマーは決して「天パー」などとは呼ばれない。 あえて言うなら「くせっ毛」と、愛着を込めて呼ばれる無造作ヘアーなのだ。
そんなサマーは、初めてみんなと行ったカラオケでの選曲も実にそつがない。
自分の順番がきたらすんなりとマイクをとり、歌い始める曲はオシャレで耳心地のいいポップスだ。 
きわめて自然。 なおかつオシャレ男子の心も鷲づかみ。
イヤミになるほど「えーあたし歌えないしー」と謙遜し、その割にはちゃっかり松田聖子の「抱いて・・・」を入れて熱唱する様なヘマはしないサマーなのだ。

もちろん服装だって、普段からガーリッシュなオシャレクローズをカジュアルに着こなしている。
部屋に目を向けると、そこではむせ返るようなハイセンス雑貨に目にする事となる。
カウンターの上にさりげなく飾られたモールの先で、クルクルとまわる折鶴。
どうだいこの際どさ。 折鶴て。 タヒチのみんなに届け!オレのこの思い! 
しかし、一歩間違えたらキワモノ日本描写になりそうなこの素材も、サマーの部屋に置いてあることで、断然その輝きを増すのです。
ジャパニーズ・オリガミ、オッシャレ~! ほんま、サマーはんの感性には敵いまへんなぁ!

そして、何より脅威なのは、このようなサマーの生き様が全て作られたモノではないと言う事。
つまり、男ごころをくすぐるサマーのライフスタイルは、計算づくな訳ではなく、生まれもってのセンスによって構築されているのだと言う事なのです。
まさにセンスの塊。 負けじゃ・・・なにから何まで完敗じゃよ・・。

トムが夢中になってしまうのも、どこかの誰かがデリで思わず声をかけてしまうのも頷けるような、特別な女の子・サマー。
アガサも出来ることなら、サマーのようになりたかった。
さよう、あの時の松田聖子はたしかに失敗であった。

しかし、サマーは会う者の心を虜にし、悪戯にかき回すだけの小悪魔女子なわけでは無いのです。
自分の中の正義が「NO」と判断を下したら、躊躇する事無く別れを告げるだけの潔さも持っている。
別れは時としてつらいけれど、馴れ合いの関係もまた時に、人生に深い傷を残す。
その事を知っているサマーなので、自分に想いを残しているであろうトムに、これ以上ないほどきっぱりと、容赦の無い言葉を発するのです。
「私も運命の相手はいると思う。 ただ、その相手はあなたじゃない」 と。
なんという殺傷能力。 なんという斬れ味。
ご覧あれトム殿。 今宵の斬鉄剣は一味違うぞい。

一見、残酷な程冷徹に思えるサマーのトムに対する態度は、裏を返せばサマーの誠実さの表れなのです、きっと。

で、ですね。 本作は、「運命の恋」なんてない。 という、ウルトラ現実主義なサマーと、「運命の恋」に取り憑かれる夢見る小坊主・トムの500日を描いていたと見せかけていたのですが、実は、サマーも最初から、「運命の恋」というものを信じていたのではないかと思うのです。

「赤い糸で結ばれた相手」が、どこかにいるのでは、と思っているから、「その相手ではないっぽい」トムと、なし崩しで付き合うことが出来なかった。
本当に「運命」を信じていないんだったら、少なくとも今までの彼氏よりはウマが合うトムと、とりあえずなんとか付き合っていっていたのではないでしょうか。
でもサマーはキッパリ別れる事を選択した。
だって、「運命の人」が、どこか別のトコロにいるかもしれないから。

“馴れ合い”に溺れる事無く、果敢に「赤い糸」を手繰り寄せて生きてきたサマーが、偶然ランチに立ち寄ったデリで「その人」に出会ったのは、偶然ではなく必然。 愛の探求者・サマーが「運命」を手中におさめた、まさに完全勝利の瞬間だったのではないでしょうか。

サマーがトムに送った、斬れ味鋭い最後の一言は、「だからあなたも運命の人に出会えるはず」という、精一杯のエールだったのではないかと思います。
こういうエールに耳を閉ざし、いつまでも「なんでオレじゃだめだったんだ・・・ オレにはあいつ以上の女なんていないのに・・・」とぐちゃぐちゃ言ってるような殿方には新しい出会いも恋も無いんだという事、しかと肝に銘じるがいい!(←なぜか偉そう)
「草食」だのなんだのと、自分に都合のいい単語にしがみついてないで、もっと恋愛に果敢に踏み込んで行ったほうがいいと思うアガサなのですよ。


ま、実際のトコロは、こっぴどくフラレてエールを送られたからと言って、そうそう新しい出会いが転がり込むなんて事無いんですけどね! ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、(←鬼畜発言)


とても見も蓋もない、ごくごくありふれた恋のお話だった本作。
アガサの心に、一生残るだろう名作だと思いました。
あり得ないほどの希望に満ちたラストは、恋に疲れたあなたに、優しい救いの手を差し伸べてくれる事と思いますので、全国のサマ子やサマ男やトム子やトム男にも、とにかくおすすめの逸品です。

必見。


あと、これは余計なお世話なのですが、「運命の人」を果敢に追い求めるサマーですので、今回結婚したのは、やっぱり「その人」じゃなかったのかも・・と、どこかで我に返る瞬間も無きにしも非ずだと思うのですよね。
と言う訳で、『10年後のサマー』や『50歳のサマー』という感じに、壮年になって甘いもすっぱいも噛み分けたトムと数度の結婚を経たサマーの熟年恋愛絵巻も充分あり得る事を予想しつつ、今回の感想は終了に。

がんばれトム! 長期的な展望でがんばれ!


     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

Trackback
“小”がつくと、単語はたいがいスケールの小さい、こじんまりしたしょうもない感じになります。たとえば“小細工”“小生意気”“小汚い”“小金持ち”“小悪党”“小うるさい”“小理屈”。ああ、ちっさいちっさい。 でもたまに“小さい”がために、ちょっといい感じの語

※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。