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『殺人魚フライングキラー』

2010年03月05日
フライングキラー
何年経っても色褪せる事のない、安心の低クオリティ。


気付いたら、そろそろアカデミー賞発表の季節なのですね。
この間、年越ししたみたいなのに。
1月は往ぬ、2月は逃げる、とはよく言ったものですなぁ。 はっはっは。 ばあさんや、お茶はまだか。


という事で、3月に去られる前に本題に。


あらすじ・・・
夜の帳がおりたヨットハーバーに、若い男女の声が響く。
「陸じゃ気分がわかないだなんて、あなたって我が儘ね」
「しょうがないじゃないか・・・それにしても大丈夫なのか?あんなトコロで」
「だ・い・じ・ょ・う・ぶ! 絶対興奮するから・・・」
すいちゅう
(※プリンセステンコーもびっくりの水中テックル)

ところが、2人が忍び込んでいた沈没船は、なんと突然変異したピラニアの巣窟だったのです! たすけておかあさーん!



という所で、はい、タイトルどーん!

ピラニア

・ ・ ・
・ ・

・・パ、 パート2・・だと・・・?



誰にだって、隠したい過去はある・・・にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ・・え?無い? あ、そう・・。

千里の道も一歩から。 という諺がありますが、世界の王への道もまた、こんな水中おっぱいから始まったのだと思うと感慨もひとしおですね。
という訳で、『タイタニック』と『アバター』のワンツーフィニッシュにより、揺ぎ無き世界の王となったジェームズ・キャメロン監督の出世作 『殺人魚フライングキラー』 を借りてみました。
小学生の頃に水曜ロードショーで見て以来ですので、じつに20数年ぶりの鑑賞です。

同じです。

あの頃と変わらない、確かな低予算臭がそこにはありました。

なんて言ったらいいのでしょうかねぇ。
とにかく、いきなり冒頭から水中テックルを見せ付けられた時点で、もう負けたも同然なんですよね。
ああ、いつもの味だな、と。
オヤジ、変わってねえな、と。
ジャンクな居酒屋の暖簾に染み込んだ揚げ物と醤油のベトベト感のように、質の悪いテックルシーンすなわち正しいB級の証なのですよ
ていうか、これ子供の頃もノーカットで放送してたのかなぁ。
ま、『13金』のおっぱいもポロンポロンしてたような気がするし、とにかく大らかなご時勢でしたからねぇ。ホントいい時代だった。


さて、キャメロンの黒歴史として、歴史に燦然と輝く事になった『殺人魚フライングキラー』ですが、なんと続編だった事を20数年越しで知りました。
1作目は『グレムリン』のジョー・ダンテがメガフォンを執り、そこそこ成功した、その名も『ピラニア』だそうで、そちらは現在、切株界の貴公子ことアレクサンドル・アジャ監督が絶賛リメイク製作中。

そっかぁ。
恥ずかしながらアガサ、てっきりアジャがリメイクするのはこちら(フライングキラーの方)なのだとばかり思っていました。
いやぁ、だって有名じゃないですか。 
キャメロンさんの思惑とは裏腹に、自身が有名になればなるほど表に出てきてしまう『フライングキラー』。
いっそのこと、潔く認めちゃえばいいのになぁ。
今回改めて観直してみると、普通にグダグダしていて面白かったですよ。

ストーリーはというと、至ってシンプル。
魚祭りが行われようとしているビーチに、空とぶプラニアの団体が押し寄せてさあ大変、というお話。
ヒロインは、ホテルの潜水教室でコーチをしながら、お金をこつこつ貯めているという節約かあちゃん。
ちなみに、なんでそんなにお金を貯めているのかは不明。
ビーチの保安員をしているらしき旦那さまとは別居中なのですが、その理由も不明。
いきなり色んなところが説明不足。
いいぞ! それでこそ真のB級だ!

そんな節約かあちゃんが、ある日いつものようにお客さんを連れて、沖合いを潜ってみたところ、沈没船の中で無残に食い散らかされた死体を発見。
そうです、その潜水スポットは、冒頭でバカップルが決死のダイブテックルを行っていた、例の沈没船だったのです。

かくして、引き上げられた死体のお腹に隠れていたフライングキラーは、しばしの休憩を挟んだのち、死体安置室に看護婦さんが見回りに来たのを見計らって飛び出すという、『エイリアン』もかくや、という名アタックを魅せてくれるのですが、お前水中じゃなくても平気なのな!
え、え、なに?なに? 空が飛べる=肺呼吸って思っちゃったとか? えらの存在は完全にスルーって事?

フライングキラーは、魚の常識をも易々と超えてゆく。 イエス、ユー・キャン・フライ!

ヒロインは、そんな規格外なおさかな君の存在にいち早く気付き、旦那さんやホテルの支配人に忠告しまくるのですが、残念な事に誰一人として相手にしてくれません。
だってもうすぐ、魚祭りが行われるから。
人喰い映画のセオリー通りの正しい展開ですね!(※「人喰い映画祭」様参照)

そうそう、その魚祭りなのですが、一体どんなお祭りなのか気になりませんか?
なんでもこの界隈には、変わった習性を持つ魚が生息しており、毎年春分の日になると、産卵の為に一斉にホテルのプライベートビーチに上がってくるそうなのです。
で、ホテルの宿泊客がそれを片っ端から捕獲し、その場でおいしくフライにして食べてしまう、と。
おまけに、一番沢山獲れた人には2日分の旅行券までプレゼントされるという、夢のような企画お祭りなのです。って、えー?なにその残酷まつり!

子孫を残すために必死に陸にあがり、産卵しようとする魚を乱獲するか!
しかもそれ、毎年やってんのか!
種の保存とかお構いなしか!
お前ら(欧米人)に、捕鯨うんぬんとか言う資格などないぞコンニャロー!

もうねぇ、時代が時代だったら、シーシェパードに酪酸弾撃ち込まれてもおかしくない状況ですよ、これ。
ていうかオレが行くね。
アディ・ギル号で横付けしに行っちゃうよね。

あ、アレは壊れて沈んじゃったのか! あはは!こりゃ残念!!
(※一説によると沈まずに海面に放置されているとの事です)


この魚祭りで陸に上がるべき魚が、異常繁殖したフライングキラーに取って代わられていた為、ビーチは和やかなお祭りモードから一転、阿鼻叫喚の地獄絵図へと様変わりしてしまうのですが、いかんせんお魚さんの模型が4体しかなかった為、物凄くこじんまりとした地獄となってしまいます。
パタパタと小気味いい羽音を響かせながら、空を舞うフライングキラー。
それを手で掴み、一生懸命“格闘してる風”にふるまうお客さんたち。
映像の流用(ピラニアの群れのシーンは前作から拝借されているそうです)といい、自作自演の格闘シーンといい、もう、気分は完全に『怪物の花嫁』ですよ。
エド・ウッドと同レベルかぁ。
そりゃ無かった事にもしたくなるでしょうね! 
なあに、どんまいだ!キャミー!お前にはオスカー像があるじゃないか!(←気さくな態度)

やけにキャラの濃い脇役が何人も出てきたり、
その割には全く物語りに絡んでこなかったり、
意味ありげに出てきた漁師のおじさんが結局空気だったり、
フライングキラーに襲われるシーンでスタッフの袖が映り込んでしまっていたり、
ヒロインの息子も空気だったり、
ヒロインの夫役がなんとランス・ヘンリクセンで、しかも空気だったり、と、色々と微笑ましい点もありましたが、今の映画にはないほんわかとしたムードがとても心地よく、どぎつすぎない描写(ちなみに特殊効果はジャンネット・デ・ロッシ! 大御所!)も安心して観ていられました。

パタパタ音と共に一瞬で小学生時代にタイムワープ出来てしまったのも、なんだか楽しかったです。
子供心に「ねえよwww!」とつっこみを入れながら、それでもどこかドキドキしながら、テレビに噛り付いていたあの頃・・・。
今の子供たちにも、是非こういう楽しい思い出を積み重ねながら、大人になって貰いたいものですね。

という事で、きたるべきアカデミー賞で『アバター』が無事何冠か獲り、キャメロン祭りとして本作がテレビ放映される事を切に願いつつ、今回の感想はおしまいにしたいと思います。

人喰い映画ばんざい!

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