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『パラサイト・バイティング 食人草』

2010年03月03日
the20ruins.jpg
浜辺で乳繰り合うようなヤングは、みんな草に食べられちゃえばいいんだよ!


あらすじ・・・
・ 異国の地でアハハウフフなアメリカン。
・ 同じく旅行中のドイツ人から、「マヤ遺跡行ってみぃひん?」と誘われるアメリカン。
・ 思い出作りの為に、獣道に分け入るアメリカン。
・ ジャングルのど真ん中で遺跡を見つけるアメリカン。
・ 原住民に囲まれるアメリカン。
・ 「WAO! 土人デスネー!」と写真を撮りまくるアメリカン。
・ 原住民に怒られるアメリカン。
・ とはいえ、言葉が通じていないので知らぬ顔の半兵衛のアメリカン。
・ 遺跡の上に追いやられ、周りをグルリと包囲されるアメリカン。
・ 逃げようとして撃ち殺されるギリシアン。
・ 遺跡上で、やんわりとした監禁状態のアメリカン。
・ 姉さん事件です。フラワーがトーキングしています。
・ 実は、この遺跡には食人草が巣食っていたのだ。
・ 果たしてアメリカンな若者たちに、ワールドポリスたるアメリカ合衆国からの救助の手は差し伸べられるのであろうか!



「ギリシア人」は「ギリシアン」じゃないですよね! にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  わかってる! いや、わかってるんだけどさ!


2008年版の“この蔦がすごい!”大賞(通称「このツタ」)・廃墟部門に、見事ランクインしたハイパー蔦アクション小説「ルインズ ―廃墟の奥へ」が映画化されたと言うので、早速レンタルしてきましたよ!


うそですよ! (観たのは本当です)


それはとてもとても救いがなく、人間不信に拍車がかかるような快作だった原作。
必然的に、映画版にも幾許彼の期待を抱いていたのですが、結論から言うと、なんともかんとも惜しい作品だったのでした。
脚本を書いたの、原作者なのにな。 どうしてこうなった!どうしてこうなった!

実は、そもそも原作自体も、設定だけみるとかなり際どい作品ではあるのですよね。
なにせ、相手は“草”ですし、舞台となるのも“こんもりとした丘の上”と、非常に限られた空間。
そんな中で、“植物が形態模写する”という、一歩間違ったらコントか「おかあさんといっしょ」の1コーナーに成りかねないシーンがお目見えしちゃいますからね!
もうこっちとしては、危なっかしくて見てられないって話ですよ。
「怖くなるの? ならないの? お花さんが喋っちゃうの? それ大丈夫なの?」
無理めな設定に翻弄されながら、恐怖と失笑の狭間を行ったりきたり。
もういい。 それ以上無理しなくてもいいんだよ。 
君の笑顔は、いつだって泣いてるように見える・・・だから僕は君を別の涙で濡らしてしまおう・・そう・・喜びの涙で・・・。


だから「観たらすぐ書け」と、あれほど言っておいたのに!(※『ドゥームズデイ』の項参照)


という事で、今回も鑑賞してからかなり間が開いてしまった為、放っておくとハーレクインbotみたいな事ばかり書いてしまいそうですので、ちょこっとだけ、記憶を掘り返せた分だけ書いておきます。

怖いというか怖くないというか、なんとも微妙な存在だった“蔦描写”よりも、極限状況下における人間性の崩壊に重きを置く事で、見事読者に、じっとりとした汗をかかせる事に成功していた原作。
では、映画版はどうだったかというと、もう、とにかく圧倒的に尺が足りていない訳ですよ。
足りないから、全てのエピソードの間合いを詰めて、濃度を薄くして、わずか2日の出来事に圧縮してしまった。
結果、奇怪な“蔦”はちょいちょいフレームインする程度、
人間は大した過程も描かれないまま、いつの間にか狂気へと陥ってしまい、
不信感を払拭出来たのか出来ていないのかわからないままに、じゃんじゃん退場(死亡)してしまい、
最後は、一番使えなさそうだった登場人物が、あっけないほど簡単に脱出するしてしまう始末。

全てがあっさり。山もなければ谷もない。
なんや、蔦がメインなだけに、盛り上がりも横ばい状態ってか!(←蔦が這うような)(←なだらかな横線って)(←大してうまくなかった)

監禁されている遺跡の頂上がそんなに居心地悪そうじゃない、という点もいけないのかなぁ、と思います。
容赦なく照りつける日差し、ごくごく僅かな食料、断絶されたライフライン、致命傷を負った仲間。
それらの要素によって人間性を著しく破壊されてゆく若者たちの姿が、この作品のキモであるはずなのに、お水gkgk、サイドイッチmgmg、え?怪我した?じゃ、斬るか!みたいなフットワークの軽さ。
ていうか早くね?
決断はやくね?
そこ、もうちょっと悩もうよ! “青春”から“悩み”を取ったら、もう性欲しか残らないよ!(ですよね?)

一番知性も勇気もありそうな、いかにもヒーロー然とした医大生の男の子が、独断で怪我人の足を切断してしまうと言うこのくだりは、若者たちの集団と“理性”とをなんとか繋ぎとめていた線がブツリと切れた事を実感させる、とても恐ろしいシーンなだけに、もう少し医大生くんの変化過程に時間をさいて欲しかったです。


なんだか貶してばかりのようになってしまいましたので、ここで忘れちゃいけない見所をひとつ。
というか、もう一番の見所と言ってしまってもいいような気もするのですが、本作はとにかく映像が非常に美しいのですよね!
乱痴気騒ぎの夜が明けたその朝の、ぬけるような青空と見渡す限りの砂浜。 そこにポツリと残されたカップルたち。
もしくは、妄想にとりつかれた女の子の虚ろな佇まい。
その画のひとつひとつが、ハっとしてしまう程美しく、だからこそ、そこから尋常でない程の緊張感が伝わってきます。

旅の最中に、誰でも一度は感じた事のある(であろう)、「胃が軽く横転するような」瞬間。
「あれ・・? もしかしてあと一日でおしまい?」みたいな、悪夢のような現実直視タイム。
何よりも恐ろしい、その瞬間。
映画そのものは、バカっぽいありえない設定の奇想天外な物語なのですが、合間に挟み込まれた美しくも緊張感溢れる画のおかげで、ちょっぴりリアルな恐怖を味わう事が出来たアガサだったのでした。


全体的にグロい内容ではないものの、予想を裏切るナイスなタイミングで脳髄を撒き散らされるギリシャ人や、蔦に蝕まれて自らを切り刻むギャル、麻酔無しで両足をギコギコされてしまうドイツ人など、ちょいちょい楽しい良シーンも出てきますので、耐性の無い方にはちょっとキツいかもしれません。
逆に、耐性のある方にとっては血の量が物足りないかもしれませんが、そこはほら、どっちでもない丁度いい配分という事で。
“惜しい作品”だとか色々言いましたが、「今日はちょっとデンジャラスな気分」というような欲張りOLの皆さんには、充分ご満足頂けるサバイバル映画なのではないかと思いますよ。

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