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つらいのはきみだけじゃない。

2010年02月14日

バレンタインか。
バレンタインなんだな。

この時期になると、男の人たちは落ち着かない気持ちになるらしい。
彼女がいない人や、普段女性との関わり合いが無い人などは、寂しさを漂わせながらやさぐれてみせるという。

でも、不安な夜を抱えているのはきみだけじゃない。
女の子にとっても、バレンタインは必ずしもドッキドキの胸キュンイベントとは限らないのだ。

やさぐれている人たちのつぶやきを見ていて、いつも浮かぶ疑問がある。
「じゃあ、あなたはチョコを持ってこられたらいつでも大歓迎なの? それが全く眼中にない女の子からでも?」



アガサの学生時代は、それはもう見るも無残な敗戦の日々で、告白の連敗記録を悪戯に更新しつづけるしかない状態だった。
そう、告白はしていたのだ。
なぜなら、容姿に自信はなかったものの、あたって砕けろ精神だけは人一倍持っていたから。

そんなアガサ、高校1年の晩冬。
チョコを持って訪れたのは、2つ上の先輩の家。
言葉を交わした事も無い、学園祭で同じチームだった事しか共通点も無い先輩に、アガサは猛烈に恋をしていた。
直接交流が無いので、家は住所録と軽い尾行で突き止めた。


“ストーカー”という言葉が無い時代に生まれて、心からよかったと思う。


突然鳴らされるチャイム。
「はーい」と出てきた家人に、「あのすみません私〇〇高校1年〇組のアガサと申しますけど〇〇先輩いらっしゃいますか」と息継ぎ無しに告げるアガサ。
相手に考える隙を与えない。 それが今日のポイントだ。
「は、はい・・」と困惑の表情と浮かべながら、ドアの向こうに消えてゆく家人。
1秒、2秒・・・ 心の中でカウントしながら待つアガサ。
しかし、30秒経っても1分経っても、意中の彼の人は出てこない。



間違いない。
野郎、迷ってやがる。





隙を与えないも何も、完全に途切れてしまったアガサのミッション。
きっと家人からの伝言を聞いた先輩は、「アガサ・・・って誰・・?」と自分の中の“後輩リスト”に検索をかけてるに違いない。
そして、「検索条件に一致する名前はありません」というメッセージを前に、出るべきか出ざるべきか考えているのだ。
もしかしたら、窓からそっと、庭先を見下ろしてしまったかもしれない。
そこに佇む冴えない女の子の姿を、既に見てしまっているのかもしれない。

このミッションは失敗だ・・・。
ええい、いっその事このまま帰ってしまうか?

鳴り止まぬ心臓に押しつぶされそうになり、踵を返そうとしたその時、ドアが開き彼の人が現われた。
その表情は、微妙だ。

「突然にすみません」
「ああ・・・」
「私1年〇組の」
「ああ・・」
「よかったらこれ」
「ああ・・・」

返ってくるのは、気の抜けた「ああ」ばかり。
ボキャブラリー少ねえなぁ!
なんや、お前は「ああ星人」か!(※昭和的ギャグ)
もっと前に前に出て行かないと、いつまでたってもひな壇芸人から抜け出せないよ!(※抜け出さない)


結果として、チョコは受け取ってくれた。
ただ、そこには何の感情も起こらない、儀式的な受け渡し作業が行われたのみ。
ベルトコンベアーの上を流れるチョコのように。
私からあなたへ。 あなたから私へ。 

あ、「あなたから私へ」は無いか。
この年もホワイトデー来なかったもんね、オレんちだけ!


この話のどこが悲しいかというと、この風景が、アガサのほぼ想定どおりの出来事だったという事と、ほぼ同じ展開が毎年繰り広げられていた事実。
中学に始まり高校卒業までの6年間。
ストーカーの腕にも磨きがかかりますな!


つまり何が言いたいのかと言うと、チョコレイト騒動の影で苦い思いをしているのはきみだけじゃない、という事。
男子から相手にされない部類の女の子もまた、「明らかに喜んで貰えそうに無いけれど、やっぱりあげてみたい」という葛藤に悩まされているのだという事。
渡しに行った時の、相手の嬉しくなさそうな表情で、どれだけの女の子が傷つき、後悔し、涙を流していたかという事。


という訳で、もしも今日、あなたに家のチャイムが突然鳴り響き、見た事もない女の子がチョコを持って佇んでいたら、精一杯優しく接してあげて欲しい。
もしもそれが、佐々木希じゃなかったとしても。
しいて言えば、オアシズの大久保さんタイプだったとしても。


誰も来なかった人は、アガサと一緒に空前絶後の盛り上がりを見せるオリンピックでも楽しみましょう。
がんばれにっぽん。(棒読み)


それではみなさん、よい2月14日を!
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