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でも、グレイに会いたい訳ではない。 だって怖いから。

2010年01月11日
それにしてもUFOが見たい。


物心がついた頃からUFOに憧れを抱いていた。
きっと小学3年生の頃、学級文庫にあった「UFOの謎」みたいな本の影響だと思う。
隙あらば空を眺めていた小学4年生。
星空に目を凝らしていた小学5年生。
友達と、裏山の鉄塔の近くで手を繋いで輪を作り、一心不乱にUFOを招いていた小学6年生。

しかし、UFOはついぞ現われる事はなかった。

あれから数十年が経過して、私もかなり歳をとった。
もちろん今でも力いっぱいUFOが見たい。
甘酸っぱい、恋にも似た気持ちが、そこにはある。


実はそんな私を尻目に、私の周りの人々は、驚くほどあっけなくUFOに遭遇している。
「ああ、オレ見た事あるよ。 なんかオレンジ色の光がすうーっと動いてた。」
などと、なんの思い入れもなさげに話して聞かせるその態度、思い出しただけでも歯がゆくなる。
なにが「オレンジ色」だ。
UFOと言えばオレンジ色か。
そんな型にはまったような目撃証言、いまどき矢追さんでも食いつかないぞ。
そもそも、「オレ別にビックリしてないし」みたいなシレっとした物言いも気に入らない。
仮にもUFOを見た者の反応じゃないではないか。

ああ、もったいない。
もしも私がUFOを見ることが出来たなら、全身全霊でビックリするだろうに。
アワアワと膝を震わせ、目を剥き、歯をガチガチと鳴らし、「とんでもないものを見てしまった!どうしよう!!」と親戚縁者、その他考えうる全ての知り合いに連絡をとってみせる。
なにがあっても「ああ、UFOね」という結婚20年目の馴れ合った夫婦のようなリアクションなどしない。
UFOの側にしたって、同じ姿を現すなら「はいはい、ワロスワロス」と言われるより盛大にビックリされる方がいいに決まっているじゃないか。
私なら、UFOの側に満足して貰えるだけのリアクションをとれる。
「出てきてよかった」
そう思って貰える自信がある。

もちろん、車を運転している最中だって、一時も気を抜いた事などない。
常に前方上空にアンテナを張っている。
夕暮れ時、空には自分たちの時間が来たとばかりに輝きを増し始める星たちがおり、その隙間にUFOが潜んでいるであろう事は想像に容易い。
空にピカリと光るひとつのひかり。
そのひかりが、驚くほどスムーズな動作で私の頭上を横切る。

ついに来た!
思い描いていた瞬間が、ついに来よったで!


そう喜ぶも束の間、ひかりは飛行機特有の点滅をはじめ、無情なゴオオという音を響かせて飛び去ってゆく。


また、見れなかった。
私はお馴染みになった“失望”の味を噛み締めながら帰途に着くのだ。

こんなにUFOを見たいと願っているのに、UFOは私の前には現われてはくれない。

UFOは私の気持ちに気付いてくれているのか。
それすらわからない。
もどかしい。
やはりこれは恋なのだろうか。


いつの日にか、完璧なリアクションでUFOの想いに応えたい。
そう思いながら、私は今日も空を眺める。
9歳の頃から胸に秘めている、心構えと共に。



( 大好きな映画、『フォース・カインド』に捧ぐ。 )





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